(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022098199
(43)【公開日】2022-07-01
(54)【発明の名称】指示箋システム
(51)【国際特許分類】
G16H 80/00 20180101AFI20220624BHJP
G16H 10/60 20180101ALI20220624BHJP
【FI】
G16H80/00
G16H10/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020211605
(22)【出願日】2020-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】520504264
【氏名又は名称】株式会社リエンゲージメント
(74)【代理人】
【識別番号】100108947
【弁理士】
【氏名又は名称】涌井 謙一
(74)【代理人】
【識別番号】100117086
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 典弘
(74)【代理人】
【識別番号】100124383
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一永
(74)【代理人】
【識別番号】100173392
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 貴宏
(74)【代理人】
【識別番号】100189290
【弁理士】
【氏名又は名称】三井 直人
(72)【発明者】
【氏名】本田 勝人
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
5L099AA23
(57)【要約】 (修正有)
【課題】医療機関とカウンセリング機関が、医療行為及びカウンセリングを受けているユーザに対する医療行為の進行状況とカウンセリングの進行状況に関する情報を共有しつつ、連携してユーザに対する心身両面からの適切なサポートを行えるシステムを提供する。
【解決手段】指示箋システムにおいて、サービス提供サーバ1は、医療機関が、カウンセリング機関でカウンセリングを受けるように指示する指示箋を発行したとの指示箋発行情報を取得する指示箋発行情報取得処理部と、カウンセラーがカウンセリングを受諾したとのカウンセリング受諾情報を取得するカウンセリング受諾情報取得処理部と、カウンセラーが行ったカウンセリングの進行状況情報を取得するカウンセリング進行状況情報取得処理部と、カウンセリング申し込みを受諾したカウンセラーがユーザに対して行うカウンセリングの進行状況を把握し、管理するカウンセリング進行状況管理処理部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに対して医療行為を提供する医療機関が、カウンセラーによるカウンセリングを提供するカウンセリング機関で前記カウンセリングを受けるように、前記ユーザに対して、指示する指示箋を発行したとの指示箋発行情報を取得する指示箋発行情報取得処理部と、
前記指示箋の発行を受けた前記ユーザから前記カウンセラーが前記指示箋を提示した前記カウンセリングの申し込みを受けて受諾したとのカウンセリング受諾情報を取得するカウンセリング受諾情報取得処理部と、
前記カウンセリング申し込みを受諾した前記カウンセラーが前記指示箋の発行を受けた前記ユーザに対して行うカウンセリングの進行状況に関する情報であるカウンセリング進行状況情報を取得するカウンセリング進行状況情報取得処理部と、
前記カウンセリング申し込みを受諾した前記カウンセラーが前記指示箋の発行を受けた前記ユーザに対して行う前記カウンセリングの進行状況を把握し、管理するカウンセリング進行状況管理処理部と
を備えている指示箋システム。
【請求項2】
前記カウンセリング受諾情報を取得した際に、前記指示箋が発行されたことに伴って前記カウンセリング機関から前記指示箋を発行した前記医療機関に対して支払われる対価を前記カウンセリング機関に対して課金する処理を行う課金処理部
を更に備えている請求項1記載の指示箋システム。
【請求項3】
前記カウンセリング機関が、前記カウンセリング機関でカウンセリングを受けている前記カウンセリング機関のユーザに対して医療行為の提供を行うように、前記医療機関に対して、依頼する医療行為提供依頼書を発行したとの医療行為提供依頼書発行情報を取得する医療行為提供依頼書発行情報取得処理部
を更に備えている請求項1又は2記載の指示箋システム。
【請求項4】
コンピュータを請求項1~請求項3のいずれか一項に記載されている指示箋システムとして機能させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はヘルスケアに関する技術分野に属する。特に、医師が患者に対してカウンセラーによるカウンセリングを受けるように指示を出す文書である指示箋を利用して、医療行為を行う医療機関と、カウンセラーによるカウンセリングを行うカウンセリング機関とが、前記医療行為及び前記カウンセリングを受けているユーザに対する前記医療行為の進行状況、前記カウンセリングの進行状況に関する情報を共有しながら、前記医療機関と前記カウンセリング機関とが連携して前記ユーザに対する心身両面からの適切なサポートを行うことを可能にする指示箋システムに関する。
【背景技術】
【0002】
メンタルヘルスケアに利用される発明については従来から種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ストレスによるうつ病の罹患者や自殺者の増加を抑止すべく、医療機関等が個人のストレスについて把握し、適正な治療や支援を提供する目的で、構造化連想法を使ったカウンセリングシステムが提案されている。ストレスによるうつ病の罹患者や自殺者の増加を抑止するには、各個人が自己のストレスの有無や程度を自覚して改善に努めると共に、医療機関等が個人のストレスについて把握し、適正な治療や支援を提供することが
【0004】
特許文献2には、個々の利用者に応じた身体的又は精神的な不調原因の判断に基づく、きめ細やかな対応を利用者ごとに行うことを目的として、利用者の精神的又は身体的な不調を客観的かつ継続的に判断して個々の利用者に応じた対応策を可能にするトータルヘルスサポートシステムが提案されている。
【0005】
特許文献3には、カウンセリングによるメンタルケアには、行動療法、論理療法、行動分析など様々な療法があり、患者の症状により適切な療法を使い分けることが好ましく、患者の症状による療法の選択は、カウンセラーや精神科医などの専門家の問診などにより行われる場合が多いが、問診などにより患者の症状を把握しなければならないため、専門家に大きな負担がかかることを考慮し、患者の症状の把握や療法の選択を支援するメンタルケア支援システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008-293369号公報
【特許文献2】特開2012-203590号公報
【特許文献3】特開2013-182493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
厚生労働省のデータによると2005年のうつ病患者数は100万人といわれるなど、いわゆる「心の病」は、近年、年を追うごとに深刻な問題になっている。
【0008】
うつなどの「心の病」を抱えている患者には、医療機関の専門医による診断をもとにした薬の処方と、カウンセリングによる心のケアの心身両面のサポートが欠かせない。
【0009】
うつ病を始めとする精神疾患は、精神的に未熟であり、成長を促す関りが必要であると考えられている。そこで、医師とカウンセラーの関係は、あたかも父親と母親のように役割を分担し関わることが望ましい。例えば、医師は、診断(改善点を評価)し、指示する(価値観を強制する)、カウンセラーは、受容(今のままを受入)し、支持する(自発性を尊重)という関わり方であるが、両者は相反する対応をするため、情報共有をベースとした信頼関係が非常に重要となる。
【0010】
しかし、専門分野の違いや、診療時間の問題、等により、専門医の診断と効果的なカウンセリングを同時並行的に行う施設は多くなく、また、医療機関とカウンセリング機関とが密接な連携をとって患者に対応する仕組みは十分には構築されていない。
【0011】
そこで、この発明は、医師が患者に対してカウンセラーによるカウンセリングを受けるように指示を出す文書である指示箋を利用して、医療行為を行う医療機関と、カウンセラーによるカウンセリングを行うカウンセリング機関とが、前記医療行為及び前記カウンセリングを受けているユーザに対する前記医療行為の進行状況、前記カウンセリングの進行状況に関する情報を共有しながら、前記医療機関と前記カウンセリング機関とが連携して前記ユーザに対する心身両面からの適切なサポートを行うことを可能にするシステム、すなわち、指示箋システムを提案することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
[1]
ユーザに対して医療行為を提供する医療機関が、カウンセラーによるカウンセリングを提供するカウンセリング機関で前記カウンセリングを受けるように、前記ユーザに対して、指示する指示箋を発行したとの指示箋発行情報を取得する指示箋発行情報取得処理部と、
前記指示箋の発行を受けた前記ユーザから前記カウンセラーが前記指示箋を提示した前記カウンセリングの申し込みを受けて受諾したとのカウンセリング受諾情報を取得するカウンセリング受諾情報取得処理部と、
前記カウンセリング申し込みを受諾した前記カウンセラーが前記指示箋の発行を受けた前記ユーザに対して行うカウンセリングの進行状況に関する情報であるカウンセリング進行状況情報を取得するカウンセリング進行状況情報取得処理部と、
前記カウンセリング申し込みを受諾した前記カウンセラーが前記指示箋の発行を受けた前記ユーザに対して行う前記カウンセリングの進行状況を把握し、管理するカウンセリング進行状況管理処理部と
を備えている指示箋システム。
【0013】
[2]
前記カウンセリング受諾情報を取得した際に、前記指示箋が発行されたことに伴って前記カウンセリング機関から前記指示箋を発行した前記医療機関に対して支払われる対価を前記カウンセリング機関に対して課金する処理を行う課金処理部
を更に備えている[1]の指示箋システム。
【0014】
[3]
前記カウンセリング機関が、前記カウンセリング機関でカウンセリングを受けている前記カウンセリング機関のユーザに対して医療行為の提供を行うように、前記医療機関に対して、依頼する医療行為提供依頼書を発行したとの医療行為提供依頼書発行情報を取得する医療行為提供依頼書発行情報取得処理部
を更に備えている[1]又は[2]の指示箋システム。
【0015】
[4]
コンピュータを[1]~[3]のいずれかの指示箋システムとして機能させるコンピュータプログラム。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、医師が患者に対してカウンセラーによるカウンセリングを受けるように指示を出す文書である指示箋を利用して、医療行為を行う医療機関と、カウンセラーによるカウンセリングを行うカウンセリング機関とが、前記医療行為及び前記カウンセリングを受けているユーザに対する前記医療行為の進行状況、前記カウンセリングの進行状況に関する情報を共有しながら、前記医療機関と前記カウンセリング機関とが連携して前記ユーザに対する心身両面からの適切なサポートを行うことを可能にする指示箋システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の指示箋システムの構成概要の一例を表す図。
【
図2】本発明の指示箋システムの一実施形態のブロック図。
【
図3】本発明の指示箋システムの実施によるメンタルヘルスケアの一例を説明するフロー図。
【
図4】本発明の指示箋システムの実施によるメンタルヘルスケアの他の例を説明するフロー図。
【
図6】(a)、(b)は
図4のフロー図に対応している本発明の指示箋システムの実施によるメンタルヘルスケアの概要を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1を参照して本実施形態の指示箋システムの一例を説明する。
【0019】
図1では、本実施形態の指示箋システムによるサービスを提供する者が設置し、管理しているサービス提供サーバ1と、患者などのユーザに対して医療行為を提供する、病院、医院、個人医院、等の医療機関が管理し、使用している医療機関端末2a、2b、2c、・・・と、クライアントなどのユーザに対してカウンセリングを提供するカウンセリング機関が管理し、使用しているカウンセリング機関端末3a、3b、3c、・・・とがインターネット、等の有線あるいは、無線のネットワーク4を介して相互に情報交信可能に接続されている。
【0020】
図面では、医療機関端末、カウンセリング機関端末とも複数記載しているが、例えば、医療機関が一か所であることから医療機関端末は一個で、カウンセリング機関も一か所であることからカウンセリング機関端末も一個の場合や、医療機関が一か所であることから医療機関端末は一個であるが、カウンセリング機関は複数個所であることからカウンセリング機関端末が複数個の場合、医療機関が複数個所であることから医療機関端末が複数個で、カウンセリング機関が一か所であることからカウンセリング機関端末が一個の場合、医療機関が複数個所であることから医療機関端末が複数個で、カウンセリング機関も複数個所であることからカウンセリング機関端末も複数個である場合、等の構成になることもある。
【0021】
以下、本明細書、図面において、医療機関端末2a、2b、2c、・・・を総称して医療機関端末2と表すことがあり、カウンセリング機関端末3a、3b、3c、・・・・を総称してカウンセリング機関端末3と表すことがある。
【0022】
サービス提供サーバ1は、演算処理部(CPU)、主記憶部(RAM)、HDDやSSD、フラッシュメモリなどの補助記憶部、ネットワーク4への接続手段を含む各種の入出力手段などを備える、汎用的なコンピュータから構成することができる。また、後述する各処理部と記憶部がそれぞれ異なるサーバ装置によって実現されるなど、複数のサーバ装置が協調して動作することで実現されるサーバ構成にすることもでき、クラウド上にサーバが構築されている構成にすることもできる。
【0023】
医療機関端末2、カウンセリング機関端末3は、いずれも、演算処理部(CPU)、主記憶部(RAM)、HDDやSSD、フラッシュメモリなどの補助記憶部、ネットワーク4への接続手段を含む各種の入出力手段、ウェブサイトの閲覧を行うためのブラウザソフトウェアなどを備えている、パーソナルコンピュータなどの各種コンピュータから構成される。
【0024】
図2は、サービス提供サーバ1の機能を示すブロック図である。
図2に示すように、サービス提供サーバ1は、指示箋発行情報取得処理部11、カウンセリング受諾情報取得処理部12、カウンセリング進行状況情報取得処理部13、カウンセリング進行状況管理処理部14、課金処理部15、医療行為提供依頼書発行情報取得処理部16を備えている。
【0025】
コンピュータからなるサービス提供サーバ1をこの実施形態の指示箋システムとして機能させるためのコンピュータプログラムによって、指示箋発行情報取得処理部11、カウンセリング受諾情報取得処理部12、カウンセリング進行状況情報取得処理部13、カウンセリング進行状況管理処理部14、課金処理部15、医療行為提供依頼書発行情報取得処理部16が後述するそれぞれの処理、機能を実行することになる。
【0026】
なお、図示していないが、サービス提供サーバ1における指示箋発行情報取得処理部11~医療行為提供依頼書発行情報取得処理部16が行う、後述の処理動作の一部が、この実施形態の指示箋システムとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムによって医療機関端末2や、カウンセリング機関端末3で実行される実施形態にすることもできる。
【0027】
更に、サービス提供サーバ1が使用されずに、ネットワーク4を介して相互に情報交信可能に接続される医療機関端末2と、カウンセリング機関端末3との双方や、その中のどちらか一方で、サービス提供サーバ1における指示箋発行情報取得処理部11~医療行為提供依頼書発行情報取得処理部16が行う後述の処理動作の一部あるいは、全部が、この実施形態の指示箋システムとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムによって実施される形態にすることもできる。
【0028】
指示箋発行情報取得処理部11は、ユーザに対して医療行為を提供する医療機関が、カウンセラーによるカウンセリングを提供するカウンセリング機関で前記カウンセリングを受けるように、前記ユーザに対して、指示する指示箋を発行したとの指示箋発行情報を取得する処理を行う。
【0029】
上述した指示箋は、「医師が患者に対してカウンセラーによるカウンセリングを受けるように指示を出した」ことを示すものである。
【0030】
図5は記入済の指示箋の一例を示すものであるが、指示箋を発行した医療機関の名称、住所、連絡先、等の医療機関を特定する情報及び、指示箋を発行した担当医師の氏名、診療科目、等の指示箋発行者に関する情報、前記医療機関及び前記医師による医療行為の提供を受けているユーザの氏名、連絡先、連絡方法、等のユーザに関する情報や、前記ユーザが前記医師に対して申し立てる症状のうちの主要なもの(主訴)、前記医療機関での診療予定日、等の医療情報、カウンセリング、心理検査などの対処メニューや、カウンセリングを行う時期、期間などに関するカウンセリング機関への依頼内容に関する情報、指示箋発行日などの情報が前記指示箋の中に盛り込まれている。
【0031】
指示箋発行情報取得処理部11が指示箋発行情報を取得する処理を行うと、上述した指示箋の中に盛り込まれている情報は記憶部20の指示箋情報データベース21に登録され、前記医療機関ごとに、あるいは前記ユーザごとに、後述するカウンセリング受諾情報、カウンセリング進行状況情報などが、前記医療機関、あるいは前記ユーザに紐づけられて登録され、後述する、カウンセリング進行状況管理処理部14によってカウンセリングの進行状況が把握され、管理されることになる。
【0032】
カウンセリング受諾情報取得処理部12は、前記指示箋の発行を受けた前記ユーザから前記カウンセラーが前記指示箋を提示した前記カウンセリングの申し込みを受けて受諾したとのカウンセリング受諾情報を取得する処理を行う。
【0033】
カウンセリング受諾情報取得処理部12が取得処理したカウンセリング受諾情報は、上述したように、前記医療機関、あるいは前記ユーザに紐づけられて指示箋情報データベース21に登録され、後述する、カウンセリング進行状況管理処理部14によってカウンセリングの進行状況が把握され、管理されることになる。
【0034】
カウンセリング受諾情報取得処理部12が上述したようにカウンセリング受諾情報を取得し、指示箋情報データベース21に登録することで、カウンセリング受諾情報を発出したカウンセリング機関を特定する情報も指示箋情報データベース21に登録され、後述するカウンセリング進行状況情報が当該カウンセリング機関から発出されて、登録、管理される際や、後述する課金処理部15が行う課金処理、医療行為提供依頼書発行情報を取得しての登録、管理処理などに利用されることになる。
【0035】
カウンセリング進行状況情報取得処理部13は、前記カウンセリング申し込みを受諾した前記カウンセラーが前記指示箋の発行を受けた前記ユーザに対して行うカウンセリングの進行状況に関する情報であるカウンセリング進行状況情報を取得する処理を行う。
【0036】
カウンセリング進行状況情報取得処理部13が取得処理したカウンセリング進行状況情報は、前記医療機関、あるいは前記ユーザに紐づけられて指示箋情報データベース21に登録され、後述する、カウンセリング進行状況管理処理部14によってカウンセリングの進行状況が把握され、管理されることになる。
【0037】
カウンセリング進行状況管理処理部15は、前記カウンセリング申し込みを受諾した前記カウンセラーが前記指示箋の発行を受けた前記ユーザに対して行う前記カウンセリングの進行状況を把握し、管理する処理を行う。
【0038】
上述したように記憶部20の指示箋情報データベース21に登録されている情報に基づいて管理を行うものである。
【0039】
医療機関端末2、カウンセリング機関端末3からの所定の認証工程を経た後のリクエストに基づいて、開示要請を受けたユーザに対する前記カウンセリングの進行状況情報を出力する処理を行うようにすることもできる。
【0040】
課金処理部15は、前記カウンセリング受諾情報を取得した際に、前記指示箋が発行されたことに伴って前記カウンセリング機関から前記指示箋を発行した前記医療機関に対して支払われる対価を前記カウンセリング機関に対して課金する処理を行う。
【0041】
医療機関が指示箋を発行し、この指示箋での依頼内容に基づいてカウンセリング機関のカウンセラーがカウンセリングを行うことになるときに、前記指示箋が発行されたことに伴って前記カウンセリング機関から前記指示箋を発行した前記医療機関に対して、あらかじめ定めているところに従って、所定の対価の支払いが行われるようにするものである。
【0042】
医療行為提供依頼書発行情報取得処理部16は、前記カウンセリング機関が、前記カウンセリング機関でカウンセリングを受けている前記カウンセリング機関のユーザに対して医療行為の提供を行うように、前記医療機関に対して、依頼する医療行為提供依頼書を発行したとの医療行為提供依頼書発行情報を取得する処理を行う。
【0043】
カウンセリング機関のカウンセラーがカウンセリングを行っているユーザ(すなわち、当該カウンセリング機関のユーザ)に医療機関での医療行為の提供を受けることが望ましい、と判断したときに、医療機関の医師に対して医療行為提供依頼書を作成する。
【0044】
医療行為提供依頼書には、医療行為提供依頼書を発行したカウンセリング機関の名称、住所、連絡先、等のカウンセリング機関を特定する情報及び、医療行為提供依頼書を発行した担当カウンセラーの氏名、等の医療行為提供依頼書発行者に関する情報、前記カウンセリング機関及び前記カウンセラーによるカウンセリングの提供を受けているユーザの氏名、連絡先、連絡方法、等のユーザに関する情報や、前記ユーザが前記カウンセラーに対して申し立てる症状のうちの主要なもの(主訴)、前記カウンセリング機関でのカウンセリング予定日、等のカウンセリング情報などに関する医療機関への依頼内容に関する情報、医療行為提供依頼書発行日などの情報が盛り込まれている。
【0045】
このようにしてカウンセラーが作成した医療行為提供依頼書に関する情報が本実施形態の指示箋システムの医療行為提供依頼書発行情報取得処理部16で取得され、記憶部20の指示箋情報データベース21に登録され、前記カウンセリング機関を特定する情報に関連付けて記録される。
<指示箋システムによるメンタルヘルスケアの実施形態の一例>
図3、
図6を参照して、本実施形態の指示箋システムによるメンタルヘルスケアの実施形態の一例を説明する。
【0046】
医療機関の医師が指示箋を発行すると、指示箋が発行されたとの情報は、指示箋システムの指示箋発行情報取得処理部11によって取得され、指示箋の中に盛り込まれている情報(例えば、
図5図示の指示箋に記載されている情報)が、記憶部20の指示箋情報データベース21に登録される。
【0047】
これは、例えば、医療機関において、指示箋の中に盛り込まれている情報が医療機関端末2のキーボード、マウスなどの情報入力手段を介して医療機関端末2に入力される、あるいは、医療機関からFAXなどの手段や、持参される、等によって指示箋を受領したサービス提供サーバ1の管理者や、カウンセリング機関においてカウンセリング機関端末3を操作している者が、サービス提供サーバ1、カウンセリング機関端末3のキーボード、マウスなどの情報入力手段を用いることで、医療機関からFAXなどの手段や、持参される、等によって受領した指示箋の中に盛り込まれている情報が、サービス提供サーバ1や、カウンセリング機関端末3に入力される、あるいは、医療機関において上述したように情報入力手段を介して医療機関端末2に入力された指示箋の中に盛り込まれている情報が、ネットワーク4を介してサービス提供サーバ1やカウンセリング機関端末3で取得されて入力される、等の形態によって実現される。
【0048】
図5に例示される指示箋の発行を受けた、医療機関で医療行為の提供を受けているユーザは、
図6図示のように、発行された指示箋の原本を持参してカウンセリング機関を訪問し、カウンセリングを依頼する。
【0049】
依頼を受けたカウンセリング機関のカウンセラーは、最初の面接(インテーク面接)を行った上で、カウンセリングを行うことを受諾し(カウンセリング受諾)、カウンセリング受諾情報を作成する。
【0050】
作成されたカウンセリング受諾情報は、カウンセリング受諾情報取得処理部12によって取得される処理が行われる。
【0051】
これは、例えば、カウンセリング機関において、カウンセリング受諾情報がカウンセリング機関端末3のキーボード、マウスなどの情報入力手段を介してカウンセリング機関端末3に入力される、あるいは、カウンセリング機関からFAXなどの手段や、持参される、等によってカウンセリング受諾情報を受領したサービス提供サーバ1の管理者や、医療機関において医療機関端末2を操作している者が、サービス提供サーバ1、医療機関端末2のキーボード、マウスなどの情報入力手段を用いることで、カウンセリング機関からFAXなどの手段や、持参される、等によって受領したカウンセリング受諾情報が、サービス提供サーバ1や、医療機関端末2に入力される、あるいは、カウンセリング機関において上述したように情報入力手段を介してカウンセリング機関端末3に入力されたカウンセリング受諾情報が、ネットワーク4を介してサービス提供サーバ1や医療機関端末2で取得されて入力される、等の形態によって実現される。
【0052】
上述したカウンセリング受諾情報を作成したカウンセラー及びカウンセリング機関は、受諾した内容に基づいて、毎週、隔週、等の提起に、あるいは、適宜、カウンセリングを実施し、カウンセリング実施ごとにカウンセリング進行状況情報を作成する。
【0053】
カウンセリング進行状況情報が作成されると、カウンセリング進行状況情報取得処理部13が、当該作成されたカウンセリング進行状況情報を取得する処理を行う。
【0054】
これは、例えば、カウンセリング機関において、カウンセリング進行状況情報がカウンセリング機関端末3のキーボード、マウスなどの情報入力手段を介してカウンセリング機関端末3に入力される、あるいは、カウンセリング機関からFAXなどの手段や、持参される、等によってカウンセリング進行状況情報を受領したサービス提供サーバ1の管理者や、医療機関において医療機関端末2を操作している者が、サービス提供サーバ1、医療機関端末2のキーボード、マウスなどの情報入力手段を用いることで、カウンセリング機関からFAXなどの手段や、持参される、等によって受領したカウンセリング進行状況情報が、サービス提供サーバ1や、医療機関端末2に入力される、あるいは、カウンセリング機関において上述したように情報入力手段を介してカウンセリング機関端末3に入力されたカウンセリング進行状況情報が、ネットワーク4を介してサービス提供サーバ1や医療機関端末2で取得されて入力される、等の形態によって実現される。
【0055】
また、カウンセリングを受けたユーザが、カウンセリング機関で作成された書面のカウンセリング進行状況情報の原本を医療機関の医師のもとに持参し、医療機関において、カウンセリング進行状況情報が医療機関端末2のキーボード、マウスなどの情報入力手段を介してカウンセリング機関端末2に入力される実施形態もある。
【0056】
カウンセリング受諾情報取得処理部12によってカウンセリング受諾情報取得される処理が行われると、医療機関が指示箋を発行し、この指示箋での依頼内容に基づいてカウンセリング機関のカウンセラーがカウンセリングを行うことになるときに、前記指示箋が発行されたことに伴って前記カウンセリング機関から前記指示箋を発行した前記医療機関に対して、あらかじめ定めているところに従って、所定の対価の支払いが行われるようにするべく、課金処理部15が、前記指示箋が発行されたことに伴って前記カウンセリング機関から前記指示箋を発行した前記医療機関に対して支払われる対価を前記カウンセリング機関に対して課金する処理を行う。
【0057】
このように課金処理が行われた旨の情報は、サービス提供サーバ1内において指示箋データベース21に記録され、医療機関端末2、カウンセリング端末3においてそれぞれ情報取得される。例えば、課金処理が行われた旨の情報がそれぞれネットワーク4を介してサービス提供サーバ1から医療機関端末2、カウンセリング端末3に対して送出される。
【0058】
このようにして、医療行為を行う医療機関と、カウンセラーによるカウンセリングを行うカウンセリング機関とが、前記医療行為及び前記カウンセリングを受けているユーザに対する前記医療行為の進行状況、前記カウンセリングの進行状況に関する情報を共有しながら、前記医療機関と前記カウンセリング機関とが連携して前記ユーザに対する心身両面からの適切なサポートを行うことが可能になる。
【0059】
<指示箋システムによるメンタルヘルスケアの実施形態の他の例>
図4を用いて、指示箋システムによるメンタルヘルスケアの実施形態の他の例を説明する。
【0060】
これは、カウンセリング機関のカウンセラーが、カウンセリングを行っているユーザ(すなわち、当該カウンセリング機関のユーザ)に医療機関での医療行為の提供を受けることが望ましい、と判断したときに、医療機関の医師に対して医療行為提供依頼書を作成し、医療機関において当該ユーザに対する適切な医療が提供されるようにサポートするものである。
【0061】
カウンセリング機関のカウンセラーが、カウンセリングを行っているユーザ(すなわち、当該カウンセリング機関のユーザ)に医療機関での医療行為の提供を受けることが望ましい、と判断したときには、医療機関の医師に対して医療行為提供依頼書を作成する。
【0062】
作成された医療行為提供依頼書情報は、医療行為提供依頼書発行情報取得処理部16によって取得処理が行われる。
【0063】
これは、例えば、カウンセリング機関において、医療行為提供依頼書情報がカウンセリング機関端末3のキーボード、マウスなどの情報入力手段を介してカウンセリング機関端末3に入力される、あるいは、カウンセリング機関からFAXなどの手段や、持参される、等によって医療行為提供依頼書情報を受領したサービス提供サーバ1の管理者や、医療機関において医療機関端末2を操作している者が、サービス提供サーバ1、医療機関端末2のキーボード、マウスなどの情報入力手段を用いることで、カウンセリング機関からFAXなどの手段や、持参される、等によって受領した医療行為提供依頼書情報が、サービス提供サーバ1や、医療機関端末2に入力される、あるいは、カウンセリング機関において上述したように情報入力手段を介してカウンセリング機関端末3に入力された医療行為提供依頼書情報が、ネットワーク4を介してサービス提供サーバ1や医療機関端末2で取得されて入力される、等の形態によって実現される。
【0064】
上述した医療行為提供依頼書情報に基づいて前記ユーザに対して医療を提供した医療機関の医師は、医療行為結果報告情報を作成する。
【0065】
作成された医療行為結果報告情報は、医療機関において、医療機関端末2のキーボード、マウスなどの情報入力手段を介して医療機関端末2に入力される、あるいは、医療機関からFAXなどの手段や、持参される、等によって医療行為結果報告情報を受領したサービス提供サーバ1の管理者や、カウンセリング機関においてカウンセリング機関端末3を操作している者が、サービス提供サーバ1、カウンセリング機関端末3のキーボード、マウスなどの情報入力手段を用いることで、医療機関からFAXなどの手段や、持参される、等によって受領した医療行為結果報告情報が、サービス提供サーバ1や、カウンセリング機関端末3に入力される、あるいは、医療機関において上述したように情報入力手段を介して医療機関端末2に入力された医療行為結果報告情報が、ネットワーク4を介してサービス提供サーバ1やカウンセリング機関端末3で取得されて入力される。
【0066】
このようにして、医師が患者に対してカウンセラーによるカウンセリングを受けるように指示を出す文書である指示箋を利用して、医療行為を行う医療機関と、カウンセラーによるカウンセリングを行うカウンセリング機関とが、前記医療行為及び前記カウンセリングを受けているユーザに対する前記医療行為の進行状況、前記カウンセリングの進行状況に関する情報を共有しながら、前記医療機関と前記カウンセリング機関とが連携して前記ユーザに対する心身両面からの適切なサポートを行うことが可能になる。
【0067】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々に変更可能である。