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  • 特開-塗装表面観察方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022098254
(43)【公開日】2022-07-01
(54)【発明の名称】塗装表面観察方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/84 20060101AFI20220624BHJP
【FI】
G01N21/84 D
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020211682
(22)【出願日】2020-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】390018474
【氏名又は名称】新日本空調株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川北 裕司
(72)【発明者】
【氏名】岡本 隆太
(72)【発明者】
【氏名】岡見 祐志
(72)【発明者】
【氏名】稲毛 亮太
(72)【発明者】
【氏名】坂本 数彦
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA89
2G051AB12
2G051BA11
2G051BB01
2G051BB19
2G051CA11
(57)【要約】
【課題】目視によりメタリック系塗装面を適確に観察できる方法を提供する。
【解決手段】メタリック系塗装面Sを照射する直線偏光の光源10と、観察者が装着する偏光ゴーグル20とを有し、前記光源10からの照射光の偏光方向と前記偏光ゴーグル20の偏光方向とのなす角度が0度より大きい角度で、前記メタリック系塗装面Sを観察者により目視観察する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタリック系塗装面を照射する直線偏光の光源と、
観察者が装着する偏光ゴーグルとを有し、
前記光源からの照射光の偏光方向と前記ゴーグルの偏光方向とのなす角度が0°より大きい角度で、前記メタリック系塗装面を観察者により目視観察する、ことを特徴とする塗装表面観察方法。
【請求項2】
前記光源からの照射光の偏光方向を連続的に変化させながら観察する請求項1記載の塗装表面観察方法。
【請求項3】
前記光源からの照射光の偏光方向と前記ゴーグルの偏光方向とのなす角度が90度である請求項1記載の塗装表面観察方法。
【請求項4】
メタリック系塗装面に対してなす角度が、0°≦θ1≦10°の角度で前記光源から照射光を照射し、前記照射光に対向する反対方向から、前記塗装面の法線とのなす角度が0°<θ2≦45°で観察する請求項1記載の塗装表面観察方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装表面観察方法に関する。
【背景技術】
【0002】
塗装面は大きくソリッド塗装とメタリック系塗装に分けられる。塗装面の外観検査、例えば自動車の生産ラインにおける外観検査の多くは人の目による目視検査として行われている。
【0003】
目視検査は光を塗装面に照射し、キズや異物からの特徴的な反射光、散乱光を視認することでキズや異物を捉えている。その目視検査において、メタリックやマイカ、パールといった塗装面(以下「メタリック系塗装面」という。)の場合、その塗装面からの光にはソリッド塗装面で見られる反射光、拡散光だけでなく、その塗膜中に含まれるアルミフレークやマイカフレーク等の光輝材のそれぞれからの反射光、散乱光が含まれ、それらは輝点状となり、微細なキズ、異物等を目視観察する際にその影響を無視できない。
【0004】
特許文献1には、メタリック系塗装面においては抽出された領域がキズによるものか塗装フレークによるものかその領域の面積からか判別する態様が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-66657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のものでは、キズが微細になるほど塗装フレークとの判別が困難になると想定される。また、カメラにより塗装面の画像を取得し、その取得した画像に平滑化フィルタ、すなわちぼかすことにより良品画像を作成し、その良品画像と元画像の差分を取ることによりキズのみを抽出する、といった画像処理に基づくものであり、目視検査には適用できない。
【0007】
したがって、本発明の課題は、目視によりメタリック系塗装面を適確に観察できる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決した本発明に係る塗装表面観察方法は、
メタリック系塗装面を照射する直線偏光の光源と、
観察者が装着する偏光ゴーグルとを有し、
前記光源からの照射光の偏光方向と前記ゴーグルの偏光方向とのなす角度が0°(度)より大きい角度で、前記メタリック系塗装面を観察者により観察する、ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、目視によりメタリック系塗装面を適確に観察できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1対比例の概要斜視図である。
図2】第2対比例の概要斜視図である。
図3】本発明の第1の形態の概要斜視図である。
図4】本発明の第2の形態の概要斜視図である。
図5】本発明の第3の形態の概要斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を示しながら本発明をさらに説明する。
【0012】
本発明はメタリック系塗装面におけるキズ、異物、ブツ、凹み、凹凸、雨染み等を適確に視認できるようにする塗装表面観察方法である。視認は異状などの検出のほか、その後の修理又は修復に役立たせることができる。
【0013】
本発明の実施の形態に先立って、予め対比例を説明し、続く、本発明の実施の形態の位置づけを明らかにしておく。
【0014】
<第1対比例:図1
図1が参照されるように、例えば光源10Aからランダムな偏光(非偏光、自然光ともいう)をメタリック系の塗装面Sに照射すると、ソリッド系塗装面でも見られるような反射光、拡散光の他、塗膜中の光輝材からの反射、散乱光が発生する。
図1は、ランダムな偏光を照射したメタリック系塗装面を、偏光ゴーグル無しで観察する場合の第1対比例の態様を示す。後に説明する偏光ゴーグルとの対比が分かるように、偏光機能を有さない透光レンズ20Aが存在するものとして図示したものである。
【0015】
実際のキズの塗装面Sについて、キズの個所から離れた近傍に人為的に埃を付着させた状態で、光源10Aからランダムな偏光の反射光を目視30を行った場合、塗装面Sでの反射、拡散光が強く眩しさを感じる。
また、人為的に埃を付着させた領域において、光輝材の示す輝点状の反射、散乱光と区別がつかないことが判った。
さらに、現実に存在するキズは、塗装面Sでの反射、拡散光や光輝材からの輝点状の反射、散乱光に埋もれ視認することができなかった。
【0016】
<第2対比例:図2
図2は第2対比例であり、光源10からX方向の直線偏光を塗装面Sに照射し、X方向の直線偏光を偏光ゴーグル20を透過させた場合の例である。
照射光と同じくX方向の直線偏光を透過するように偏光ゴーグル20を設置した(偏光ゴーグル20の偏光方向をX方向の線で表している。)ときは、塗装面Sからの反射、散乱光が強く実際に目視してみると眩しさを感じる。
また、塗膜中の光輝材からの反射、散乱光が強く、意図的に付着させた埃並びにキズを視認することはできなかった。
【0017】
<本発明の第1の形態:図3
図3は、光源10からX方向の直線偏光を塗装面Sに照射し、Y方向の直線偏光を偏光ゴーグル20を透過させる形態例である。偏光ゴーグル20にY方向線が図示されている。
塗装面Sに、ある方向、例えばX方向の直線偏光を照射したとき、塗装面Sでの反射、拡散光や光輝材からの反射、散乱光の偏光方向は主に照射光と同じX方向である。
【0018】
一方、キズ、埃等にX方向の直線偏光を照射したときキズ、埃等からの反射、散乱光には、照射光と同じ方向のX方向の偏光成分だけでなく、照射光と直交するY方向の偏光成分も含まれる。この現象を偏光解消という。
従って、X方向の直線偏光をキズ、埃等の存在する塗装面Sに照射すると、塗装面Sからの反射、拡散光、光輝材からの反射、散乱光は偏光ゴーグル20で阻止され、一方キズ、埃等での偏光解消作用により生じたY方向の偏光成分のみが視認され、結果として光輝材からの反射、散乱光に埋もれることなく、キズ、埃等をコントラスト良く視認することができる。
【0019】
<本発明の第2の形態:図4
図4は、光源10からXY面上でY方向となす角がαである方向の直線偏光を塗装面Sに照射し、Y方向の直線偏光を偏光ゴーグル20を透過させる形態例である。
そして、照射光の偏光方向と偏光ゴーグルの偏光方向のなす角度αを連続的に変化させる形態である。この場合の形態例としては、例えば光源10の前方に設けた偏光フィルタ10aを保持する保持枠を光軸回りに回転自在とする形態である。
【0020】
この形態例によれば、角度αを連続的に変化させることで、キズ、埃等が現れたり、消えたりすることにより、視認しやすくなる。
角度αは80°≦角度α≦100°、より好ましくは85°≦角度α≦95°である。
【0021】
<本発明の第3の形態:図5
図5は、光源10からY方向の直線偏光を塗装面Sに照射し、XZ面に平行な直線偏光を偏光ゴーグル20を透過させる形態例である。
図5に示すように塗装面Sに対する照射光の光軸の角度θ1を浅い角度、例えば0°≦θ1≦10°(0°も含むのは塗装面が湾曲している場合も含むからである。)で偏光を照射し、その照射方向に対向する反対側方向から塗装面の法線Lとのなす角θ2が例えば0≦θ2≦45°の角度から観察することにより、キズ、埃等をよりコントラスト良く視認することができる。
【0022】
以上のように、本発明は、次の態様を含む。
(第1の態様)
メタリック系塗装面を照射する直線偏光の光源と、
観察者が装着する偏光ゴーグルとを有し、
前記光源からの照射光の偏光方向と前記ゴーグルの偏光方向とのなす角度が0度より大きい角度で、前記メタリック系塗装面を観察者により観察する、ことを特徴とする塗装表面観察方法。
【0023】
(第2の態様)
前記光源からの照射光の偏光方向を連続的に変化させながら観察する第1の態様の塗装表面観察方法。
【0024】
(第3の態様)
前記光源からの照射光の偏光方向と前記ゴーグルの偏光方向とのなす角度αが80°≦α≦100°である第1の態様の塗装表面観察方法。
【0025】
(第4の態様)
メタリック系塗装面に対してなす角度θ1が、0°≦θ1≦10°角度で前記光源から照射光を照射し、前記照射光に対向する反対側方向から、前記塗装面の法線とのなす角度θ2が0°<θ2≦45°で観察する第1の態様の塗装表面観察方法。
【0026】
(第5の態様)
前記光源からの照射光の偏光方向と前記ゴーグルの偏光方向とのなす角度が90度である請求項1記載の塗装表面観察方法。
【0027】
なお、偏光ゴーグルは、目の周りを取り囲むゴーグルタイプのもののほか、偏光レンズメガネ形態などのものを含む。
偏光ゴーグルの偏光方向は、横長の偏光ゴーグルに対し、短辺側の上下方向が望ましい。
また、照射光は塗装面に対し平行な偏光方向を有する(S偏光)であるのが望ましい。
【符号の説明】
【0028】
10…光源、20…偏光ゴーグル、30…観察者、S…メタリック系塗装面。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-03-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装表面観察方法に関する。
【背景技術】
【0002】
塗装面は大きくソリッド塗装とメタリック系塗装に分けられる。塗装面の外観検査、例えば自動車の生産ラインにおける外観検査の多くは人の目による目視検査として行われている。
【0003】
目視検査は光を塗装面に照射し、キズや異物からの特徴的な反射光、散乱光を視認することでキズや異物を捉えている。その目視検査において、メタリックやマイカ、パールといった塗装面(以下「メタリック系塗装面」という。)の場合、その塗装面からの光にはソリッド塗装面で見られる反射光、拡散光だけでなく、その塗膜中に含まれるアルミフレークやマイカフレーク等の光輝材のそれぞれからの反射光、散乱光が含まれ、それらは輝点状となり、微細なキズ、異物等を目視観察する際にその影響を無視できない。
【0004】
特許文献1には、メタリック系塗装面においては抽出された領域がキズによるものか塗装フレークによるものかその領域の面積からか判別する態様が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-66657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のものでは、キズが微細になるほど塗装フレークとの判別が困難になると想定される。また、カメラにより塗装面の画像を取得し、その取得した画像に平滑化フィルタ、すなわちぼかすことにより良品画像を作成し、その良品画像と元画像の差分を取ることによりキズのみを抽出する、といった画像処理に基づくものであり、目視検査には適用できない。
【0007】
したがって、本発明の課題は、目視によりメタリック系塗装面を適確に観察できる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決した本発明に係る塗装表面観察方法は、
塗膜中に光輝材を含むメタリック系塗装面を、波長板を有しないで、直線偏光をもって照射する光源と、
観察者が装着する偏光ゴーグルとを有し、
前記光源からの照射光の偏光方向と前記偏光ゴーグルの偏光方向とのなす角度が90度で、前記メタリック系塗装面を、波長板を介在させることなく、観察者により前記光輝材からの反射光及び散乱光を前記偏光ゴーグルを通して目視観察するとともに、
前記偏光ゴーグルにより前記光輝材からの反射光及び散乱光の視認を阻止し、前記直線偏光の偏光成分と直交する偏光成分のみを視認して、メタリック系塗装面におけるキズ及び異物を含む視認の目視検査を行う、
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、目視によりメタリック系塗装面を適確に観察できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1対比例の概要斜視図である。
図2】第2対比例の概要斜視図である。
図3】本発明の第1の形態の概要斜視図である。
図4】本発明の第2の形態の概要斜視図である。
図5】本発明の第3の形態の概要斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を示しながら本発明をさらに説明する。
【0012】
本発明はメタリック系塗装面におけるキズ、異物、ブツ、凹み、凹凸、雨染み等を適確に視認できるようにする塗装表面観察方法である。視認は異状などの検出のほか、その後の修理又は修復に役立たせることができる。
【0013】
本発明の実施の形態に先立って、予め対比例を説明し、続く、本発明の実施の形態の位置づけを明らかにしておく。
【0014】
<第1対比例:図1
図1が参照されるように、例えば光源10Aからランダムな偏光(非偏光、自然光ともいう)をメタリック系の塗装面Sに照射すると、ソリッド系塗装面でも見られるような反射光、拡散光の他、塗膜中の光輝材からの反射、散乱光が発生する。
図1は、ランダムな偏光を照射したメタリック系塗装面を、偏光ゴーグル無しで観察する場合の第1対比例の態様を示す。後に説明する偏光ゴーグルとの対比が分かるように、偏光機能を有さない透光レンズ20Aが存在するものとして図示したものである。
【0015】
実際のキズの塗装面Sについて、キズの個所から離れた近傍に人為的に埃を付着させた状態で、光源10Aからランダムな偏光の反射光を目視30を行った場合、塗装面Sでの反射、拡散光が強く眩しさを感じる。
また、人為的に埃を付着させた領域において、光輝材の示す輝点状の反射、散乱光と区別がつかないことが判った。
さらに、現実に存在するキズは、塗装面Sでの反射、拡散光や光輝材からの輝点状の反射、散乱光に埋もれ視認することができなかった。
【0016】
<第2対比例:図2
図2は第2対比例であり、光源10からX方向の直線偏光を塗装面Sに照射し、X方向の直線偏光を偏光ゴーグル20を透過させた場合の例である。
照射光と同じくX方向の直線偏光を透過するように偏光ゴーグル20を設置した(偏光ゴーグル20の偏光方向をX方向の線で表している。)ときは、塗装面Sからの反射、散乱光が強く実際に目視してみると眩しさを感じる。
また、塗膜中の光輝材からの反射、散乱光が強く、意図的に付着させた埃並びにキズを視認することはできなかった。
【0017】
<本発明の第1の形態:図3
図3は、光源10からX方向の直線偏光を塗装面Sに照射し、Y方向の直線偏光を偏光ゴーグル20を透過させる形態例である。偏光ゴーグル20にY方向線が図示されている。
塗装面Sに、ある方向、例えばX方向の直線偏光を照射したとき、塗装面Sでの反射、拡散光や光輝材からの反射、散乱光の偏光方向は主に照射光と同じX方向である。
【0018】
一方、キズ、埃等にX方向の直線偏光を照射したときキズ、埃等からの反射、散乱光には、照射光と同じ方向のX方向の偏光成分だけでなく、照射光と直交するY方向の偏光成分も含まれる。この現象を偏光解消という。
従って、X方向の直線偏光をキズ、埃等の存在する塗装面Sに照射すると、塗装面Sからの反射、拡散光、光輝材からの反射、散乱光は偏光ゴーグル20で阻止され、一方キズ、埃等での偏光解消作用により生じたY方向の偏光成分のみが視認され、結果として光輝材からの反射、散乱光に埋もれることなく、キズ、埃等をコントラスト良く視認することができる。
【0019】
<本発明の第2の形態:図4
図4は、光源10からXY面上でY方向となす角がαである方向の直線偏光を塗装面Sに照射し、Y方向の直線偏光を偏光ゴーグル20を透過させる形態例である。
そして、照射光の偏光方向と偏光ゴーグルの偏光方向のなす角度αを連続的に変化させる形態である。この場合の形態例としては、例えば光源10の前方に設けた偏光フィルタ10aを保持する保持枠を光軸回りに回転自在とする形態である。
【0020】
この形態例によれば、角度αを連続的に変化させることで、キズ、埃等が現れたり、消えたりすることにより、視認しやすくなる。
角度αは80°≦角度α≦100°、より好ましくは85°≦角度α≦95°である。
【0021】
<本発明の第3の形態:図5
図5は、光源10からY方向の直線偏光を塗装面Sに照射し、XZ面に平行な直線偏光を偏光ゴーグル20を透過させる形態例である。
図5に示すように塗装面Sに対する照射光の光軸の角度θ1を浅い角度、例えば0°<θ1≦10°(0°も含むのは塗装面が湾曲している場合も含むからである。)で偏光を照射し、その照射方向に対向する反対側方向から塗装面の法線Lとのなす角θ2が例えば0°<θ2≦45°の角度から観察することにより、キズ、埃等をよりコントラスト良く視認することができる。
【0022】
以上のように、本発明は、次の態様を含む。
(第1の態様)
メタリック系塗装面を照射する直線偏光の光源と、
観察者が装着する偏光ゴーグルとを有し、
前記光源からの照射光の偏光方向と前記ゴーグルの偏光方向とのなす角度が0度より大きい角度で、前記メタリック系塗装面を観察者により観察する、ことを特徴とする塗装表面観察方法。
【0023】
(第2の態様)
前記光源からの照射光の偏光方向を連続的に変化させながら観察する第1の態様の塗装表面観察方法。
【0024】
(第3の態様)
前記光源からの照射光の偏光方向と前記ゴーグルの偏光方向とのなす角度αが80°≦α≦100°である第1の態様の塗装表面観察方法。
【0025】
(第4の態様)
メタリック系塗装面に対してなす角度θ1が、0°≦θ1≦10°角度で前記光源から照射光を照射し、前記照射光に対向する反対側方向から、前記塗装面の法線とのなす角度θ2が0°<θ2≦45°で観察する第1の態様の塗装表面観察方法。
【0026】
(第5の態様)
前記光源からの照射光の偏光方向と前記ゴーグルの偏光方向とのなす角度が90度である請求項1記載の塗装表面観察方法。
【0027】
なお、偏光ゴーグルは、目の周りを取り囲むゴーグルタイプのもののほか、偏光レンズメガネ形態などのものを含む。
偏光ゴーグルの偏光方向は、横長の偏光ゴーグルに対し、短辺側の上下方向が望ましい。
また、照射光は塗装面に対し平行な偏光方向を有する(S偏光)であるのが望ましい。
【符号の説明】
【0028】
10…光源、20…偏光ゴーグル、30…観察者、S…メタリック系塗装面。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗膜中に光輝材を含むメタリック系塗装面を、波長板を有しないで、直線偏光をもって照射する光源と、
観察者が装着する偏光ゴーグルとを有し、
前記光源からの照射光の偏光方向と前記偏光ゴーグルの偏光方向とのなす角度が90度で、前記メタリック系塗装面を、波長板を介在させることなく、観察者により前記光輝材からの反射光及び散乱光を前記偏光ゴーグルを通して目視観察するとともに、
前記偏光ゴーグルにより前記光輝材からの反射光及び散乱光の視認を阻止し、前記直線偏光の偏光成分と直交する偏光成分のみを視認して、メタリック系塗装面におけるキズ及び異物を含む視認の目視検査を行う、
ことを特徴とする塗装表面観察方法。
【請求項2】
メタリック系塗装面に対してなす角度が、0°<θ1≦10°の角度で前記光源から照射光を照射し、前記照射光に対向する反対方向から、前記塗装面の法線とのなす角度が0°<θ2≦45°で観察する請求項1記載の塗装表面観察方法。