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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022098292
(43)【公開日】2022-07-01
(54)【発明の名称】記録方法、プログラム、及び記録装置
(51)【国際特許分類】
   G11B 20/10 20060101AFI20220624BHJP
   G11B 20/18 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
G11B20/10 311
G11B20/18 512D
G11B20/18 572C
G11B20/18 572F
G11B20/18 520E
【審査請求】未請求
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020211752
(22)【出願日】2020-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】320011029
【氏名又は名称】Verbatim Japan株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100190355
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 紀央
(72)【発明者】
【氏名】宮長 貴旨
(72)【発明者】
【氏名】竹島 秀治
【テーマコード(参考)】
5D044
【Fターム(参考)】
5D044BC02
5D044CC04
5D044GK19
(57)【要約】
【課題】記録媒体へのデータ記録に要する時間を短縮すること。
【解決手段】記録方法は、記録媒体の第1領域及び第2領域を少なくとも用いてデータの記録を行う記録方法であって、記録対象のデータを第1領域に書き込む記録ステップと、記録ステップにおいて第1領域へデータのすべてを書き込みした後に、第1領域へ書き込みしたデータを読み出してエラーを検出する第1検出ステップと、第1領域へ書き込みしたデータのうち第1検出ステップにおいてエラーと検出されたデータの少なくとも一部を第2領域へ書き込む代替記録ステップと、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体の第1領域及び第2領域を少なくとも用いてデータの記録を行う記録方法であって、
記録対象のデータを前記第1領域に書き込む記録ステップと、
前記記録ステップにおいて前記第1領域へ前記データのすべてを書き込みした後に、前記第1領域へ書き込みした前記データを読み出してエラーを検出する第1検出ステップと、
前記第1領域へ書き込みした前記データのうち前記第1検出ステップにおいてエラーと検出されたデータの少なくとも一部を前記第2領域へ書き込む代替記録ステップと、
を含む記録方法。
【請求項2】
前記第1検出ステップにおいて検出されたエラーが規格に基づく範囲内であるか否かを判定する判定ステップ、
をさらに含み、
前記代替記録ステップにおいて、
前記判定ステップにおいて規格に基づく範囲内ではないと判定された場合、前記第1検出ステップにおいてエラーと検出されたデータの少なくとも一部を前記第2領域へ書き込む、
請求項1に記載の記録方法。
【請求項3】
前記代替記録ステップにおいて前記第2領域へ書き込みしたデータを読み出してエラーを検出する第2検出ステップ、
をさらに含み、
前記判定ステップにおいて、
前記第1検出ステップにおいて検出されたエラーと前記第2検出ステップにおいて検出されたエラーとに基づいて、前記第2領域へ書き込みした後のエラーが規格に基づく範囲内であるか否かを判定する、
請求項2に記載の記録方法。
【請求項4】
前記第1検出ステップにおいて検出されたエラーに基づいてバーストエラーを計測するエラー計測ステップ、
をさらに含み、
前記代替記録ステップにおいて、
前記第1領域へ書き込みした前記データのうち前記エラー計測ステップにおいて計測された前記バーストエラーが所定の閾値を超えるデータの少なくとも一部を前記第2領域へ書き込む、
請求項3に記載の記録方法。
【請求項5】
前記代替記録ステップにおいて、
前記第2領域へ書き込みした後のエラーが前記規格に基づく範囲内になるまで、或いは前記バーストエラーが所定の閾値を超える前記データのすべてを前記第2領域へ書き込むまでは、前記バーストエラーが所定の閾値を超える前記データを1クラスタ単位で前記第2領域へ書き込む、
請求項4に記載の記録方法。
【請求項6】
前記代替記録ステップにおいて、
前記第2領域へ書き込みした後のエラーが前記規格に基づく範囲内になるまで、或いは前記バーストエラーが所定の閾値を超える前記データのすべてを前記第2領域へ書き込むまでは、前記バーストエラーが所定の閾値を超える前記データを所定クラスタ数単位で前記第2領域へ書き込む、
請求項4に記載の記録方法。
【請求項7】
前記代替記録ステップにおいて、
前記バーストエラーが所定の閾値を超える前記データのすべてを一括して前記第2領域へ書き込む、
請求項4に記載の記録方法。
【請求項8】
前記代替記録ステップにおいて、
前記バーストエラーが所定の閾値を超えることにより前記データの少なくとも一部を前記第2領域へ書き込むクラスタの周辺のクラスタについても代替記録の対象とし、前記周辺のクラスタに含まれる前記データの少なくとも一部を前記第2領域へ書き込む、
請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の記録方法。
【請求項9】
前記代替記録の対象とする前記周辺のクラスタの範囲は、前記エラー計測ステップにおいて計測された前記バーストエラーの数に基づく、
請求項8に記載の記録方法。
【請求項10】
前記代替記録の対象とする前記周辺のクラスタの範囲は、前記エラー計測ステップにおいて計測された前記バーストエラーの数と、前記バーストエラーの経年変化に関する情報とに基づく、
請求項8に記載の記録方法。
【請求項11】
前記エラー計測ステップにおいて、
前記第1検出ステップにおいて検出されたエラーに基づいてRSER(Random Symbol Error Rate)を計測し、
前記代替記録ステップにおいて、
前記第1領域へ書き込みした前記データのうち前記エラー計測ステップにおいて計測された前記RSERが所定の閾値を超えるデータの少なくとも一部を前記第2領域へ書き込む、
請求項4から請求項10のいずれか一項に記載の記録方法。
【請求項12】
前記エラー計測ステップにおいて、
前記第1検出ステップにおいて検出されたエラーに基づいてRSER(Random Symbol Error Rate)を計測し、
前記代替記録ステップにおいて、
前記バーストエラーが所定の閾値を超えるデータの少なくとも一部を前記第2領域へ書き込みした後のエラーが規格に基づく範囲内にならない場合に、前記第1領域へ書き込みした前記データのうち前記エラー計測ステップにおいて計測された前記RSERが所定の閾値を超えるデータの少なくとも一部を前記第2領域へ書き込む、
請求項4から請求項10のいずれか一項に記載の記録方法。
【請求項13】
前記代替記録ステップにおいて、
前記第2領域へ書き込みした後のエラーが前記規格に基づく範囲内になるまで、或いは前記RSERが所定の閾値を超える前記データのすべてを前記第2領域へ書き込むまでは、前記RSERが所定の閾値を超える前記データを1クラスタ単位で前記第2領域へ書き込む、
請求項11または請求項12に記載の記録方法。
【請求項14】
前記代替記録ステップにおいて、
前記第2領域へ書き込みした後のエラーが前記規格に基づく範囲内になるまで、或いは前記RSERが所定の閾値を超える前記データのすべてを前記第2領域へ書き込むまでは、前記RSERが所定の閾値を超える前記データを所定クラスタ数単位で前記第2領域へ書き込む、
請求項11または請求項12に記載の記録方法。
【請求項15】
前記代替記録ステップにおいて、
前記RSERが所定の閾値を超える前記データのすべてを一括して前記第2領域へ書き込む、
請求項11または請求項12に記載の記録方法。
【請求項16】
前記エラー計測ステップにおいて、
前記第1検出ステップにおいて検出されたエラーに基づいてRSER(Random Symbol Error Rate)移動平均を計測し、
前記代替記録ステップにおいて、
前記第1領域へ書き込みした前記データのうち前記エラー計測ステップにおいて計測された前記RSER移動平均が所定の閾値を超えるデータの少なくとも一部を前記第2領域へ書き込む、
請求項4から請求項10のいずれか一項に記載の記録方法。
【請求項17】
前記エラー計測ステップにおいて、
前記第1検出ステップにおいて検出されたエラーに基づいてRSER(Random Symbol Error Rate)移動平均を計測し、
前記代替記録ステップにおいて、
前記バーストエラーが所定の閾値を超えるデータの少なくとも一部を前記第2領域へ書き込みした後のエラーが規格に基づく範囲内にならない場合に、前記第1領域へ書き込みした前記データのうち前記エラー計測ステップにおいて計測された前記RSER移動平均が所定の閾値を超えるデータの少なくとも一部を前記第2領域へ書き込む、
請求項4から請求項10のいずれか一項に記載の記録方法。
【請求項18】
前記代替記録ステップにおいて、
前記第2領域へ書き込みした後のエラーが前記規格に基づく範囲内になるまで、或いは前記RSER移動平均が所定の閾値を超える前記データのすべてを前記第2領域へ書き込むまでは、前記RSER移動平均が所定の閾値を超える前記データを1クラスタ単位で前記第2領域へ書き込む、
請求項16または請求項17に記載の記録方法。
【請求項19】
前記代替記録ステップにおいて、
前記第2領域へ書き込みした後のエラーが前記規格に基づく範囲内になるまで、或いは前記RSER移動平均が所定の閾値を超える前記データのすべてを前記第2領域へ書き込むまでは、前記RSER移動平均が所定の閾値を超える前記データを所定クラスタ数単位で前記第2領域へ書き込む、
請求項16または請求項17に記載の記録方法。
【請求項20】
前記代替記録ステップにおいて、
前記RSER移動平均が所定の閾値を超える前記データのすべてを一括して前記第2領域へ書き込む、
請求項16または請求項17に記載の記録方法。
【請求項21】
前記エラー計測ステップにおいて、
前記RSER移動平均が所定の閾値を超える範囲にあるデータのうち前記第1検出ステップにおいて検出されたエラーを除くデータのRSERの平均値を算出し、
前記代替記録ステップにおいて、
前記RSER移動平均が所定の閾値を超える範囲において最も規格から外れているクラスタに含まれるデータを前記第2領域へ書き込み、
前記エラー計測ステップにおいて算出したRSERの平均値を、前記第2領域へ書き込みした後のクラスタのRSERの値として、前記RSER移動平均が所定の閾値を超える範囲におけるRSER移動平均を推定する推定ステップと、
前記推定ステップにおいて推定されたRSER移動平均が規格に基づく範囲内であるか否かを判定する1次判定ステップと、
をさらに含む請求項16または請求項17に記載の記録方法。
【請求項22】
前記第1領域から前記第2領域へ書き込む前記データの前記第1領域におけるアドレスと前記第2領域におけるアドレスとの対応は、記録可能なブルーレイディスクで用いられている前記対応と同じである、
請求項1から請求項21のいずれか一項に記載の記録方法。
【請求項23】
円盤形状の前記記録媒体において、前記第2領域は、前記第1領域の内周側と外周側とにそれぞれ設けられている、
請求項1から請求項22のいずれか一項に記載の記録方法。
【請求項24】
前記代替記録ステップにおいて、
前記第1領域の外周側に設けられた前記第2領域の外周側の一部への書き込みを禁止する、
請求項23に記載の記録方法。
【請求項25】
記録媒体の第1領域及び第2領域を少なくとも用いてデータの記録を行う記録装置を制御するコンピュータに、
記録対象のデータを前記第1領域に書き込む記録ステップと、
前記記録ステップにおいて前記第1領域へ前記データのすべてを書き込みした後に、前記第1領域へ書き込みした前記データを読み出してエラーを検出する第1検出ステップと、
前記第1領域へ書き込みした前記データのうち前記第1検出ステップにおいてエラーと検出されたデータの少なくとも一部を前記第2領域へ書き込む代替記録ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項26】
記録媒体の第1領域及び第2領域を少なくとも用いてデータの記録を行う記録装置であって、
記録対象のデータを前記第1領域に書き込む記録部と、
前記記録部により前記第1領域へ前記データのすべてを書き込みした後に、前記第1領域へ書き込みした前記データを読み出してエラーを検出する検出部と、
前記第1領域へ書き込みした前記データのうち前記検出部によりエラーと検出されたデータの少なくとも一部を前記第2領域へ書き込む代替記録部と、
を備える記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録方法、プログラム、及び記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記録媒体であるブルーレイディスク(登録商標)は、ユーザデータを記録する領域の内外周にスペアエリア(交替領域)を設けており、記録にエラーがあった場合に、このスペアエリアにデータを代替記録する(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「図解 ブルーレイディスク読本」、日本、株式会社 オーム社、平成18年12月10日、第1版第1刷、p.167-168
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来は、ユーザデータを記録する際にデータの書き込みと読み出しを繰り返しながら、エラーとなったデータを都度スペアエリアに代替記録するため、データ記録に要する時間が長くなっていた。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、記録媒体へのデータ記録に要する時間を短縮する記録方法、プログラム、及び記録装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、記録媒体の第1領域及び第2領域を少なくとも用いてデータの記録を行う記録方法であって、記録対象のデータを前記第1領域に書き込む記録ステップと、前記記録ステップにおいて前記第1領域へ前記データのすべてを書き込みした後に、前記第1領域へ書き込みした前記データを読み出してエラーを検出する第1検出ステップと、前記第1領域へ書き込みした前記データのうち前記第1検出ステップにおいてエラーと検出されたデータの少なくとも一部を前記第2領域へ書き込む代替記録ステップと、を含む記録方法である。
【0007】
また、上記記録方法は、前記第1検出ステップにおいて検出されたエラーが規格に基づく範囲内であるか否かを判定する判定ステップ、をさらに含み、前記代替記録ステップにおいて、前記判定ステップにおいて規格に基づく範囲内ではないと判定された場合、前記第1検出ステップにおいてエラーと検出されたデータの少なくとも一部を前記第2領域へ書き込む。
【0008】
また、上記記録方法は、前記代替記録ステップにおいて前記第2領域へ書き込みしたデータを読み出してエラーを検出する第2検出ステップ、をさらに含み、前記判定ステップにおいて、前記第1検出ステップにおいて検出されたエラーと前記第2検出ステップにおいて検出されたエラーとに基づいて、前記第2領域へ書き込みした後のエラーが規格に基づく範囲内であるか否かを判定する。
【0009】
また、上記記録方法は、前記第1検出ステップにおいて検出されたエラーに基づいてバーストエラーを計測するエラー計測ステップ、をさらに含み、前記代替記録ステップにおいて、前記第1領域へ書き込みした前記データのうち前記エラー計測ステップにおいて計測された前記バーストエラーが所定の閾値を超えるデータの少なくとも一部を前記第2領域へ書き込む。
【0010】
また、上記記録方法は、前記代替記録ステップにおいて、前記第2領域へ書き込みした後のエラーが前記規格に基づく範囲内になるまで、或いは前記バーストエラーが所定の閾値を超える前記データのすべてを前記第2領域へ書き込むまでは、前記バーストエラーが所定の閾値を超える前記データを1クラスタ単位で前記第2領域へ書き込む。
【0011】
また、上記記録方法は、前記代替記録ステップにおいて、前記第2領域へ書き込みした後のエラーが前記規格に基づく範囲内になるまで、或いは前記バーストエラーが所定の閾値を超える前記データのすべてを前記第2領域へ書き込むまでは、前記バーストエラーが所定の閾値を超える前記データを所定クラスタ数単位で前記第2領域へ書き込む。
【0012】
また、上記記録方法は、前記代替記録ステップにおいて、前記バーストエラーが所定の閾値を超える前記データのすべてを一括して前記第2領域へ書き込む。
【0013】
また、上記記録方法は、前記代替記録ステップにおいて、前記バーストエラーが所定の閾値を超えることにより前記データの少なくとも一部を前記第2領域へ書き込むクラスタの周辺のクラスタについても代替記録の対象とし、前記周辺のクラスタに含まれる前記データの少なくとも一部を前記第2領域へ書き込む。
【0014】
また、上記記録方法において、前記代替記録の対象とする前記周辺のクラスタの範囲は、前記エラー計測ステップにおいて計測された前記バーストエラーの数に基づく。
【0015】
また、上記記録方法において、前記代替記録の対象とする前記周辺のクラスタの範囲は、前記エラー計測ステップにおいて計測された前記バーストエラーの数と、前記バーストエラーの経年変化に関する情報とに基づく。
【0016】
また、上記記録方法は、前記エラー計測ステップにおいて、前記第1検出ステップにおいて検出されたエラーに基づいてRSER(Random Symbol Error Rate)を計測し、前記代替記録ステップにおいて、前記第1領域へ書き込みした前記データのうち前記エラー計測ステップにおいて計測された前記RSERが所定の閾値を超えるデータの少なくとも一部を前記第2領域へ書き込む。
【0017】
また、上記記録方法は、前記エラー計測ステップにおいて、前記第1検出ステップにおいて検出されたエラーに基づいてRSER(Random Symbol Error Rate)を計測し、前記代替記録ステップにおいて、前記バーストエラーが所定の閾値を超えるデータの少なくとも一部を前記第2領域へ書き込みした後のエラーが規格に基づく範囲内にならない場合に、前記第1領域へ書き込みした前記データのうち前記エラー計測ステップにおいて計測された前記RSERが所定の閾値を超えるデータの少なくとも一部を前記第2領域へ書き込む。
【0018】
また、上記記録方法は、前記代替記録ステップにおいて、前記第2領域へ書き込みした後のエラーが前記規格に基づく範囲内になるまで、或いは前記RSERが所定の閾値を超える前記データのすべてを前記第2領域へ書き込むまでは、前記RSERが所定の閾値を超える前記データを1クラスタ単位で前記第2領域へ書き込む。
【0019】
また、上記記録方法は、前記代替記録ステップにおいて、前記第2領域へ書き込みした後のエラーが前記規格に基づく範囲内になるまで、或いは前記RSERが所定の閾値を超える前記データのすべてを前記第2領域へ書き込むまでは、前記RSERが所定の閾値を超える前記データを所定クラスタ数単位で前記第2領域へ書き込む。
【0020】
また、上記記録方法は、前記代替記録ステップにおいて、前記RSERが所定の閾値を超える前記データのすべてを一括して前記第2領域へ書き込む。
【0021】
また、上記記録方法は、前記エラー計測ステップにおいて、前記第1検出ステップにおいて検出されたエラーに基づいてRSER(Random Symbol Error Rate)移動平均を計測し、前記代替記録ステップにおいて、前記第1領域へ書き込みした前記データのうち前記エラー計測ステップにおいて計測された前記RSER移動平均が所定の閾値を超えるデータの少なくとも一部を前記第2領域へ書き込む。
【0022】
また、上記記録方法は、前記エラー計測ステップにおいて、 前記第1検出ステップにおいて検出されたエラーに基づいてRSER(Random Symbol Error Rate)移動平均を計測し、前記代替記録ステップにおいて、前記バーストエラーが所定の閾値を超えるデータの少なくとも一部を前記第2領域へ書き込みした後のエラーが規格に基づく範囲内にならない場合に、前記第1領域へ書き込みした前記データのうち前記エラー計測ステップにおいて計測された前記RSER移動平均が所定の閾値を超えるデータの少なくとも一部を前記第2領域へ書き込む。
【0023】
また、上記記録方法は、前記代替記録ステップにおいて、前記第2領域へ書き込みした後のエラーが前記規格に基づく範囲内になるまで、或いは前記RSER移動平均が所定の閾値を超える前記データのすべてを前記第2領域へ書き込むまでは、前記RSER移動平均が所定の閾値を超える前記データを1クラスタ単位で前記第2領域へ書き込む。
【0024】
また、上記記録方法は、前記代替記録ステップにおいて、前記第2領域へ書き込みした後のエラーが前記規格に基づく範囲内になるまで、或いは前記RSER移動平均が所定の閾値を超える前記データのすべてを前記第2領域へ書き込むまでは、前記RSER移動平均が所定の閾値を超える前記データを所定クラスタ数単位で前記第2領域へ書き込む。
【0025】
また、上記記録方法は、前記代替記録ステップにおいて、前記RSER移動平均が所定の閾値を超える前記データのすべてを一括して前記第2領域へ書き込む。
【0026】
また、上記記録方法は、前記エラー計測ステップにおいて、前記RSER移動平均が所定の閾値を超える範囲にあるデータのうち前記第1検出ステップにおいて検出されたエラーを除くデータのRSERの平均値を算出し、前記代替記録ステップにおいて、前記RSER移動平均が所定の閾値を超える範囲において最も規格から外れているクラスタに含まれるデータを前記第2領域へ書き込み、前記エラー計測ステップにおいて算出したRSERの平均値を、前記第2領域へ書き込みした後のクラスタのRSERの値として、前記RSER移動平均が所定の閾値を超える範囲におけるRSER移動平均を推定する推定ステップと、前記推定ステップにおいて推定されたRSER移動平均が規格に基づく範囲内であるか否かを判定する1次判定ステップと、をさらに含む。
【0027】
また、上記記録方法において、前記第1領域から前記第2領域へ書き込む前記データの前記第1領域におけるアドレスと前記第2領域におけるアドレスとの対応は、記録可能なブルーレイディスクで用いられている前記対応と同じである。
【0028】
また、上記記録方法は、円盤形状の前記記録媒体において、前記第2領域は、前記第1領域の内周側と外周側とにそれぞれ設けられている。
【0029】
また、上記記録方法は、前記代替記録ステップにおいて、前記第1領域の外周側に設けられた前記第2領域の外周側の一部への書き込みを禁止する。
【0030】
また、本発明の一態様は、記録媒体の第1領域及び第2領域を少なくとも用いてデータの記録を行う記録装置を制御するコンピュータに、記録対象のデータを前記第1領域に書き込む記録ステップと、前記記録ステップにおいて前記第1領域へ前記データのすべてを書き込みした後に、前記第1領域へ書き込みした前記データを読み出してエラーを検出する第1検出ステップと、前記第1領域へ書き込みした前記データのうち前記第1検出ステップにおいてエラーと検出されたデータの少なくとも一部を前記第2領域へ書き込む代替記録ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【0031】
また、本発明の一態様は、記録媒体の第1領域及び第2領域を少なくとも用いてデータの記録を行う記録装置であって、記録対象のデータを前記第1領域に書き込む記録部と、前記記録部により前記第1領域へ前記データのすべてを書き込みした後に、前記第1領域へ書き込みした前記データを読み出してエラーを検出する検出部と、前記第1領域へ書き込みした前記データのうち前記検出部によりエラーと検出されたデータの少なくとも一部を前記第2領域へ書き込む代替記録部と、を備える記録装置である。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、記録媒体へのデータ記録に要する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】実施形態に係る光ディスクの記録領域を説明する模式図。
図2】実施形態に係る記録処理の概略を示すフローチャート。
図3】各記録方法による処理時間を比較した図。
図4】バーストエラーの計測結果の一例を示す図。
図5】RSERの計測結果の一例を示す図。
図6】「JIS Z 6017」の規格値を示す図。
図7】実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図。
図8】実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図。
図9】実施形態に係る記録制御処理の一例を示すフローチャート。
図10】実施形態に係るバーストエラーにより代替記録するクラスタを説明する図。
図11】実施形態に係るバーストエラーによる代替記録処理の第1例を示すフローチャート。
図12】実施形態に係るバーストエラーによる代替記録処理の第2例を示すフローチャート。
図13】実施形態に係るバーストエラーによる代替記録処理の第3例を示すフローチャート。
図14】実施形態に係るRSERにより代替記録するクラスタを説明する図。
図15】実施形態に係るRSERによる代替記録処理の第1例を示すフローチャート。
図16】実施形態に係るRSERによる代替記録処理の第2例を示すフローチャート。
図17】実施形態に係るRSERによる代替記録処理の第3例を示すフローチャート。
図18】実施形態に係るRSER10kにより代替記録するクラスタを説明する図。
図19】実施形態に係るRSER10kにより代替記録するクラスタの詳細を説明する図。
図20】実施形態に係るRSER10kによる代替記録処理の第1例を示すフローチャート。
図21】実施形態に係るRSER10kによる代替記録処理の第2例を示すフローチャート。
図22】実施形態に係るRSER10kによる代替記録処理の第3例を示すフローチャート。
図23】実施形態に係るRSER10kによる代替記録処理の第4例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。
[光ディスクの記録方法の概要]
まず、本実施形態に係る光ディスクの記録方法の概要について説明する。本実施形態に係る光ディスクは、例えば、記録可能なブルーレイディスク(Blu-ray Disc:登録商標)である。ブルーレイディスクには、1回のみ記録可能なBD-R(Blu-ray Disc Recordable)、及び繰り返し記録可能なBD-RE(Blu-ray Disc REwritable)がある。
【0035】
ブルーレイディスクの記録方式には、通常の記録方法(通常記録)による記録方式の他に、DM(Defect management)記録という記録方式が定義されている。このDM記録は、ディスクの内周と外周にあらかじめ交替領域(スペアエリア)を用意しておき、記録をしながらベリファイを行い、読めなかった箇所(エラー箇所)を交替領域に代替記録していく記録方法である。
【0036】
図1は、光ディスクの記録領域を説明する模式図である。この図は、光ディスクの記録領域(記録可能な領域)を内周から外周にわたって模式的に表している。図1(A)は、通常記録の記録領域の一例を示している。例えば、BD-R 25GB 1層ディスクの場合を例とすると、通常記録では約25GBのユーザ領域(User Area)に対して記録対象となるユーザデータの記録が可能である。すなわち、通常記録では、記録領域の全域又はほぼ全域をユーザ領域とすることができる。通常記録では、ユーザ領域にユーザデータが記録され、代替記録は行われない。
【0037】
一方、図1(B)は、DM記録(及び後述のDMA記録)の記録領域の一例を示している。DM記録では、記録領域の内周側と外周側とに交替領域が設けられる。内周側の交替領域と外周側の交替領域とは、それぞれISA(Inner Spare Area)とOSA(Outer Spare Area)と呼ばれる。例えば、BD-R 25GB 1層ディスクの場合を例とすると、DM記録では、内周側に約0.4GBのISAと外周側に約0.4GBのOSAとが設けられ、残りの約24.2GBがユーザ領域(User Area)となる。より詳しくは、例えば、ユーザ領域(User Area)は、「65,536B×369,568クラスタ≒24.2GB」に設定される。また、例えば、ISAとOSAとの合計は、「5,536B×12,288クラスタ≒0.8GB」に設定される。この場合、記録領域全体に対して約3%の交替領域が確保される。なお、交替領域の容量は、これに限定されるものではなく変更が可能である。
【0038】
また、ブルーレイディスクをアーカイブ用途で利用する場合の記録方式として、DMA(Defect management for ARCHIVE)記録といわれている記録による記録方式も採用されているものがある。このDMA記録は、DM記録と同様に内周側と外周側とに交替領域を設け、記録をしながらベリファイを行い、エラー箇所を交替領域に代替記録していく記録方法である。DMA記録がDM記録と異なる点は、DM記録のように読めない箇所をエラー箇所として代替するのではなく、ある一定以上のエラーを検出した箇所をエラー箇所として交替領域に代替記録する点である。つまり、DMA記録は、DM記録と比較してエラー箇所(NG)として検出する閾値が厳しい。このように、DMA記録は、読めない箇所だけでなく、読みにくい箇所も代替記録することにより、将来的に欠陥が成長したとしても読めなくなる箇所が発生しにくい。そのため、DMA記録を用いて光ディスクへデータを記録することにより、アーカイブ用途に適した高品質の光ディスクを作成することができる。
【0039】
ここで、「JIS Z 6017電子化文書の長期保存用ディスク保存方法」には、データを記録した光ディスクの品質に関する規定がされている。例えば、JIS Z 6017規格(以下、単に「JIS規格」とも称する)に準拠したアーカイブ用(長期保存用)の光ディスクを作成する場合には、記録後に上記のJIS規格の範囲内にエラーが収まっていることを確認する必要がある。なお、JIS規格の詳細については後述する。
【0040】
上述したように、従来のDM記録及びDMA記録では、記録中にデータの書き込みと読み出しを繰り返しながらエラー箇所の代替記録を行う。そのため、通常記録に比較して記録に要する時間が長くなってしまう。そこで、本実施形態に係る光ディスクの記録方法は、ユーザエリアに記録するユーザデータのすべてを書き込みした後に、ユーザエリアへ書き込みしたユーザデータを読み出してエラーを検出し、検出されたエラー箇所について交替領域へ代替記録する。なお、本実施形態に係る光ディスクの記録方法のことを、以下では「新DMA記録」と称する。
【0041】
図2は、本実施形態に係る新DMA記録による記録処理の概略を示すフローチャートである。本実施形態に係る記録装置は、まず、光ディスクの記録領域に交替領域(図1(B)参照)を確保し、その後、通常記録と同様にユーザデータをユーザ領域(図1(B)参照)に記録する(ステップS100)。
【0042】
次に、上記記録装置は、エラー計測、代替記録、及び規格判定の処理を行う(ステップS200)。エラー計測の処理では、上記記録装置は、ステップS100においてユーザ領域に記録するユーザデータのすべてを書き込みした後、書き込みしたユーザデータを読み出してエラーを検出する。そして、上記記録装置は、検出したエラーに基づいてエラー計測を行う。また、代替記録の処理では、上記記録装置は、エラー計測の計測結果に基づいてエラー箇所について交替領域へ書き込む代替記録を行う。また、規格判定の処理では、上記記録装置は、代替記録を行った後に検出されたエラーがJIS規格の範囲内であるか否かを判定する。そして、上記記録装置は、がJIS規格の範囲内であると判定した場合、ディスククローズ処理を行い(ステップS300)、記録処理を終了する。
【0043】
このように、本実施形態では、記録中にデータの書き込みと読み出しを繰り返すことがないため、記録に要する時間を短縮することができる。
【0044】
図3は、各記録方法による処理時間を比較した図である。図示する例は、100GBのディスクに4倍速(×4)の書き込み速度で記録したときの各記録方法による処理時間の一例を示している。通常記録の例では、記録処理にかかる時間が100分、エラー計測処理にかかる時間が100分であり、合計の処理時間が200分であった。従来のDMA記録の例では、代替記録も含まれる記録処理にかかる時間が240分、エラー計測処理にかかる時間が100分であり、合計の処理時間が340分であった。一方、本実施形態に係る新DMA記録の例では、記録処理にかかる時間が100分(通常記録と同等)、エラー計測処理にかかる時間が100分、代替記録に係る処理時間6分であり、合計の処理時間が206分であった。なお、代替記録に係る処理時間6分は、理論値から算出した推定値である。この代替記録に係る処理は、代替記録するデータが無ければ、数秒で終了する。
【0045】
この図に示す比較結果によれば、従来のDMA記録の例では、記録中にデータの書き込みと読み出しを繰り返して代替記録をすることにより時間が長くなっている。これに対し、新DMA記録の例では、データの読み出しと代替記録を記録中に行わないで記録後に行うため、従来のDMA記録に対して大幅に時間が短縮されており、通常記録とほぼ同等の時間でDMA記録が可能なことがわかる。
【0046】
次に、計測するエラーの種類について説明する。「JIS Z 6017」では、バーストエラー(BE:Burst Error)及びRSER(Random Symbol Error Rate)に関する規定がある。
【0047】
図4は、バーストエラーの計測結果の一例を示す図である。バーストエラーは、主に光ディスクの欠陥、キズ、汚れなどにより、局所的に連続して発生するビットの誤りのことである。例えば、バーストエラーは、各クラスタにおける40バイト以上の連続するエラーの長さの総和(総バイト数)などで定義される。図4において、横軸が光ディスクの記録領域のPSN(Physical Sector Number)を示し、縦軸がバーストエラーを示している。図示する例において、バーストエラーの規格値は、800バイト未満である。
【0048】
図5は、RSERの計測結果の一例を示す図である。RSERは、断続的に発生するビットの誤りのことである。例えば、RSERは、各クラスタにおけるバーストエラーを除いたエラーバイトの割合などで定義される。図5(A)において、横軸が光ディスクの記録領域のPSNを示し、縦軸がRSERを示している。
【0049】
このRSERは、記録に使用するドライブ装置によって大きく左右される。ドライブ装置のライトストラテジが最適化されていないとRSERが増加する傾向になる。このRSERは、バラツキが大きいため、JIS規格などでは、RSERの移動平均で規定されている。例えば、RSER移動平均は、連続した10k(10,000)クラスタで平均化されたRSERとして定義されている。以下では、このRSER移動平均のことを、「RSER10k」と記載する。
【0050】
図5(B)は、RSER10kの一例を示す図である。図5(B)において、横軸が光ディスクの記録領域のPSNを示し、縦軸がRSER10kを示している。図5においてRSERの規格値(より詳しくは、RSER10kの規格値)は、3.5e-4未満である。
【0051】
図6は、「JIS Z 6017」の規格値を示す図である。図4に示すバーストエラーの規格値及び図5に示すRSER10kの規格値は、「JIS Z 6017」の新規作成時の規格に準拠している。「JIS Z 6017」のバーストエラーの規格値は、新規作成時が800バイト未満、定期品質検査時が1200バイト未満である。また、「JIS Z 6017」のRSER10kの規格値は、新規作成時3.5e-4未満、定期品質検査時5.0e-4未満である。
【0052】
[情報処理装置のハードウェア構成]
次に、本実施形態に係る記憶装置としての情報処理装置の構成について詳しく説明する。図7は、本実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置10は、新DMA記録を用いて光ディスク20へ記録を行う記録装置の一例である。例えば、情報処理装置10は、パーソナルコンピュータである。光ディスク20としては、BD-RまたはBD-REなどが用いられるが、アーカイブ用途としては主にBD-Rが用いられる。例えば、情報処理装置10は、コンピュータ装置であり、通信部11と、表示部12と、入力部13と、記憶部14と、CPU15と、ドライブ装置16とを含んで構成されている。
【0053】
通信部11は、例えば、有線LANまたは無線LANに対応した通信デバイスなどを含んで構成される。通信部11は、通信接続される外部機器とデータの送受信を行う。
【0054】
表示部12は、液晶ディスプレイや、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等を含んで構成されている。表示部12は、CPU15で実行される処理により生成された画像を表示する。
【0055】
記憶部14は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などを含んで構成される。例えば、記憶部14は、OS(Operating System)及びOS上で動作する各種のアプリケーションなどのプログラム、及び各種のデータを記憶する。また、記憶部14は、プログラムを実行する際の作業領域としても利用される。
【0056】
入力部13は、キーボードなどの入力デバイスである。なお、入力部13は、表示部12の表示画面上へのタッチ操作を検出するタッチパネルであってもよい。入力部13は、ユーザの操作に応じて操作信号を出力する。
【0057】
CPU15は、CPU(Central Processing Unit)やチップセットなどを含んで構成されている。CPU15は、OS(Operating System)及びOS上で動作する各種のアプリケーションなどのプログラムを実行することにより、各種の演算及び処理などを行う。また、CPU15は、USB(Universal Serial Bus)、シリアルATA(AT Attachment)、SPI(Serial Peripheral Interface)バス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス、PCI-Expressバス、及びLPC(Low Pin Count)バス等のコントローラを備えており、情報処理装置10が備える各部と接続される。
【0058】
ドライブ装置16は、光ディスク20に対してデータの書き込み及び読み出しを行う。例えば、ドライブ装置16は、アプリケーションのプログラムをCPU15が実行することにより、CPU15の制御により光ディスク20に対してデータの書き込み及び読み出しを行う。アプリケーションには、例えば、光ディスク20へデータを記録するためのライティングソフトや、エラー箇所の代替記録を行うためのエラー処理ソフトなどが含まれる。なお、ドライブ装置16は、情報処理装置10に内蔵されてもよいし、情報処理装置10とUSBなどで接続される外部装置としてもよい。
【0059】
[情報処理装置の機能構成]
次に、情報処理装置10が光ディスク20への記録を制御する機能構成について詳しく説明する。図8は、本実施形態に係る情報処理装置10の機能構成の一例を示すブロック図である。この図において、図7の各部に対応する構成には同一の符号を付している。情報処理装置10は、図7を参照して説明したように、通信部11と、表示部12と、入力部13と、記憶部14と、CPU15(ディスク記録制御部150)と、ドライブ装置16とを含んで構成されている。ディスク記録制御部150は、ライティングソフトやエラー処理ソフトなどのプログラムをCPU15は実行することにより実現する機能構成であり、ドライブ装置16を用いたディスク記録の制御を行う。
【0060】
まず、ドライブ装置16について詳しく説明する。ドライブ装置16は、ディスクドライブ161と、記憶部162と、ドライブ制御部163とを備えている。
【0061】
ディスクドライブ161は、光ディスク20を載置するためのターンテーブルを有し、ターンテーブルに載置された光ディスク20に対してデータの記録(書き込み)及び読み出しを行う。例えば、ディスクドライブ161は、光ピックアップ(OPU;Optical Pick Up)、ターンテーブルに載置された光ディスク20を回転させるためのスピンドルモーターなどを備えている。光ピックアップは、レーザ光を光ディスク20に対して照射し、かつ光ディスク20からの反射光を受光する。ディスクドライブ161は、スピンドルモーターの回転を制御することにより、挿入された光ディスク20の回転を制御するとともに、光ピックアップを光ディスク20の半径方向へ変位させながらレーザの発光を制御する。記録時には、ディスクドライブ161は、回転させた光ディスクに光ピックアップからレーザ光を照射してデータを書き込む。読み出し時には、ディスクドライブ161は、回転させた光ディスク20に光ピックアップからレーザ光を照射し、反射した光を光ピックアップで受光し、記録されているデータを読み取る。
【0062】
記憶部162は、EEPROM、ROM、フラッシュROM、RAMなどを含んで構成されている。例えば、記憶部162には、光ディスク20への記録を制御するドライバソフト(制御プログラム)や、光ディスク20の記録領域内のユーザ領域及び交替領域などに関する設定情報、光ディスク20に照射するレーザ光の出力条件などが含まれる。また、記憶部162は、光ディスク20に記録するデータなどを記録中に一時的に保持したり、光ディスク20から読み出したデータを一時的に保持したりするバッファ領域としても利用される。
【0063】
ドライブ制御部163は、記憶部162に記憶されているドライバソフトを実行するマイクロコンピュータなどを含んで構成されている。例えば、ドライブ制御部163は、書き込み部1631と、読み出し部1632と、エラー検出部1633とを含んで構成されている。
【0064】
書き込み部1631は、ディスク記録制御部150の制御に基づいて、データをユーザ領域または交替領域に書き込む。
【0065】
読み出し部1632は、ディスク記録制御部150の制御に基づいて、書き込み部1631によりユーザ領域へ記録するユーザデータのすべてを書き込みした後に、ユーザ領域へ書き込みしたユーザデータを読み出す。また、読み出し部1632は、書き込み部1631により交替領域へり書き込まれたユーザデータを読み出す。
【0066】
エラー検出部1633は、ディスク記録制御部150の制御に基づいて、読み出し部1632により読み出されたユーザデータについてエラーの有無を検出(ベリファイ)する。エラー検出部1633は、検出したエラーに関するエラー検出情報をディスク記録制御部150へ送信する。エラー検出情報には、エラー箇所を示す情報やエラーレベルを示す情報などが含まれる。
【0067】
次に、ディスク記録制御部150について説明する。ディスク記録制御部150は、記録制御部151と、エラー計測部152と、代替記録制御部153と、規格判定部154とを備えている。
【0068】
記録制御部151は、記録対象のユーザデータを光ディスク20へ記録する制御をドライブ制御部163に対して行う。この制御は、例えばライティングソフトに対するユーザ操作により実行される制御であり、ドライブ制御部163に対して通常記録を指示する制御である。この通常記録を指示する制御に応じて、ドライブ制御部163(書き込み部1631)は、ユーザデータをユーザ領域へ書き込む。
【0069】
エラー計測部152は、光ディスク20へ書き込みしたデータのエラーを計測する。例えば、エラー計測部152は、記録制御部151の指示に応じてユーザデータのすべてがユーザ領域へ書き込まれた後に、書き込まれたユーザデータのエラーを検出する制御をドライブ制御部163に対して行う。この制御は、例えばエラー処理ソフトに対するユーザ操作により実行される制御であり、エラー計測部152がドライブ制御部163に対してベリファイを指示する制御である。このベリファイを指示する制御に応じて、ドライブ制御部163(読み出し部1632)は、ユーザ領域へ書き込まれたユーザデータを読み出す。そして、ドライブ制御部163(エラー検出部1633)は、読み出されたユーザデータについてエラーの有無を検出(ベリファイ)し、検出したエラー検出情報をディスク記録制御部150へ送信する。
【0070】
また、エラー計測部152は、ドライブ制御部163から送信されたエラー検出情報を取得すると、取得したエラー検出情報に基づいて、バーストエラー、RSER、及びRSER10kを算出する。これにより、エラー計測部152は、ユーザ領域へ書き込まれたユーザデータバーストエラー、RSER、及びRSER10kなどを計測する。
【0071】
代替記録制御部153は、光ディスク20のユーザ領域へ書き込まれたユーザデータのうちドライブ制御部163(エラー検出部1633)によりエラーと検出されたデータの少なくとも一部を光ディスク20の交替領域(図1(B)参照)へ書き込む代替記録を指示する制御をドライブ制御部163に対して行う。この制御は、例えばエラー処理ソフトに対するユーザ操作により実行される制御であり、エラー計測部152により上述のバーストエラー、RSER、及びRSER10kが測定された後に、代替記録制御部153がドライブ制御部163に対して代替記録を指示する制御である。この代替記録を指示する制御に応じて、ドライブ制御部163(書き込み部1631)は、エラーと検出されたデータの少なくとも一部を光ディスク20の交替領域へ書き込む。
【0072】
なお、エラー計測部152は、代替記録制御部153の指示に応じてエラーと検出されたデータの少なくとも一部が交替領域へ書き込まれた後に、交替領域へ書き込まれた後のユーザデータのエラーを検出する制御をドライブ制御部163に対して行ってもよい。例えば、ドライブ制御部163は、代替記録後のユーザデータを読み出してエラーの有無を検出(ベリファイ)し、検出したエラー検出情報をディスク記録制御部150へ送信してもよい。そして、エラー計測部152は、ユーザ領域において検出されたエラーのエラー検出情報と交替領域において検出されたエラーのエラー検出情報とに基づいて、代替記録後のバーストエラー、RSER、及びRSER10kを算出してもよい。
【0073】
規格判定部154は、ドライブ制御部163(エラー検出部1633)において検出されたエラーが規格内であるか否かを判定する。例えば、規格判定部154は、ドライブ制御部163(エラー検出部1633)において検出されたエラー検出情報に基づいて計測されたバーストエラーまたはRSER10kがJIS規格の範囲内であるか否かを判定する。
【0074】
[記録制御処理の動作]
次に、情報処理装置10が実行する新DMA記録を用いて光ディスク20へ記録を行う記録制御処理の動作について説明する。
図9は、本実施形態に係る記録制御処理の一例を示すフローチャートである。この図9に示すステップS100、S200、及びS300のそれぞれは、図2に示すステップS100、S200、及びS300のそれぞれに対応する。
【0075】
ステップS100は、ステップS101及びS103の処理を含む。
(ステップS101)情報処理装置10は、光ディスク20の記録領域内に交替領域を確保する。これにより、光ディスク20の記録領域は、ユーザ領域と交替領域とを含む構成となる。例えば、情報処理装置10は、光ディスク20の記録領域の内周側にISA、及び外周側にOSAの2つの交替領域を設定する(図1(B)参照)。そして、ステップS103へ進む。
【0076】
(ステップS103)情報処理装置10は、例えばライティングソフトに対するユーザ操作に応じて、記録対象のユーザデータを光ディスク20のユーザ領域へ書き込む。情報処理装置10は、ユーザデータのすべてをユーザ領域へ書き込みした後に、書き込みしたことを示す情報を表示部12に表示する。この表示により、ユーザデータの書き込みが終了したことをユーザへ通知できる。そして、ステップS200へ進む。
【0077】
ステップS200は、ステップS201、S203、S205、S207、S209、及びS211の処理を含む。
【0078】
(ステップS201)情報処理装置10は、ステップS103において光ディスク20のユーザ領域へ書き込みしたユーザデータのエラーを計測する。例えば、情報処理装置10は、エラー処理ソフトに対するユーザ操作に応じて、光ディスク20のユーザ領域へ書き込まれたユーザデータのエラーを計測する。具体的には、情報処理装置10は、光ディスク20のユーザ領域へ書き込まれたユーザデータを読み出し、読み出したユーザデータについてエラーの有無を検出(ベリファイ)する。また、情報処理装置10は、検出したエラーに基づいてバーストエラー(BE)、RSER、及びRSER10kを算出する。そして、ステップS203へ進む。
【0079】
(ステップS203)情報処理装置10は、ステップS201において計測したエラーが規格内であるか否かを判定する。例えば、情報処理装置10は、バーストエラー(BE)及びRSER10kがJIS規格内であるか否かを判定する。情報処理装置10は、JIS規格内であると判定した場合(YES)、ステップS300に進みディスククローズ処理を行う。一方、情報処理装置10は、JIS規格を外れていると判定した場合(NO)、ステップS205の代替記録処理へ進む。
【0080】
ここで、このステップS203におけるJIS規格の判定は、例えば図6に示す、「JIS Z 6017」の新規作成時の規格に準拠する。なお、このステップS203におけるJIS規格の判定は、「JIS Z 6017」の新規作成時の規格に限定されるものではなく、例えば、新規作成時の規格より厳しい規格値で判定してもよい。そうすることで、将来的に光ディスク20の欠陥などが成長したとしても、その後の定期品質検査時の規格値に対して十分なマージンを確保することができる。ここでは、「JIS Z 6017」の新規作成時の規格に準拠した判定として説明する。
【0081】
(ステップS205)情報処理装置10は、光ディスク20のユーザ領域へ書き込みしたユーザデータのうちエラーと検出されたデータの少なくとも一部を光ディスク20の交替領域(図1(B)参照)へ代替記録として書き込む。例えば、情報処理装置10は、バーストエラーがJIS規格を外れていると判定されたクラスタに含まれるユーザデータの少なくとも一部を交替領域へ代替記録する。また、情報処理装置10は、RSERがJIS規格を外れていると判定されたクラスタに含まれるユーザデータの少なくとも一部を交替領域へ代替記録してもよい。このステップS205の代替記録処理について詳しくは後述する。代替記録処理が終了すると、ステップS207へ進む。なお、代替記録処理の途中で交替領域が不足した場合も、情報処理装置10は、代替記録処理を終了し、ステップS207へ進む。
【0082】
(ステップS207)情報処理装置10は、ステップS205の代替記録処理において、代替記録に用いる交替領域が不足したか否かを判定する。情報処理装置10は、交替領域が不足したと判定した場合(YES)、JIS規格を満たした記録ができないため、NGディスクとして、この記録制御処理を終了する。一方、情報処理装置10は、交替領域が不足していないと判定した場合(NO)、ステップS209へ進む。
【0083】
(ステップS209)情報処理装置10は、ステップS205において代替記録処理により交替領域へ書き込みしたユーザデータを読み出し、読み出したユーザデータについてエラーの有無を検出(ベリファイ)する。そして、ステップS211へ進む。
【0084】
(ステップS211)情報処理装置10は、ステップS209において交替領域について検出されたエラーとステップS201においてユーザ領域について検出されたエラーとに基づいて、代替記録後のバーストエラー(BE)、RSER、及びRSER10kを再算出する。そして、情報処理装置10は、ステップS203へ戻り、代替記録後のバーストエラー(BE)及びRSER10kがJIS規格内であるか否かを判定する。情報処理装置10は、JIS規格内であると判定した場合(YES)にはステップS300に進みディスククローズ処理を行い、JIS規格を外れていると判定した場合(NO)にはステップS205に進み、JIS規格内に入るまで或いは交替領域が不足するまでは、代替記録処理を繰り返す。
【0085】
[代替記録処理の詳細]
次に、ステップS205の代替記録処理についてより詳しく説明する。代替記録により記録される交替領域は、図1(B)を参照して説明したように、光ディスク20の内周側(ISA)と外周側(OSA)に設けられる。情報処理装置10は、代替すべきクラスタの物理アドレスもしくは光ディスク20の半径位置によって、ISAとOSAのどちらに代替記録するかを決める。例えば、情報処理装置10は、代替すべきクラスタが半径の中心より内周側の位置である場合、ISAに代替記録する。また、情報処理装置10は、代替すべきクラスタが半径の中心より外周側の位置である場合、OSAに代替記録する。すなわち、情報処理装置10は、代替すべきクラスタの位置に近い方の交替領域へ代替記録する。これは、代替記録に要する時間をなるべく短くすることにつながる。なお、この記録方法は、例えば、既存のブルーレイディスクにおける代替記録の際の記録方法と同様である。例えば、ユーザ領域から交替領域へ書き込むデータのユーザ領域におけるアドレスと交替領域におけるアドレスとの対応は、既存のブルーレイディスクで用いられている対応と同様の対応としてもよい。
【0086】
また、代替すべきクラスタが多数存在する場合、代替記録することにより交替領域に空きがなくなることもあり得る。しかし、より安全をみて、情報処理装置10は、交替領域のうち外周側のOSAについては、空きがなくなるまで代替記録をしてしまわないようにしてもよい。例えば、情報処理装置10は、OSAの領域のうち外周側の一部の領域への書き込みは禁止とし、代替記録をしないようにしてもよい。これは、光ディスク20を取り扱う上で、最外周付近は傷や指紋、汚れなどが付着しやすく、せっかく代替記録した領域がダメージを受ける可能性があるためである。このダメージを受ける可能性を低減するには、OSAのうち外周側の一部の領域を未使用として代替記録をしないことは有効である。
【0087】
また、情報処理装置10は、レイヤー0から順番に代替記録を行う。例えば、情報処理装置10は、光ディスク20が片面2層のディスクの場合にはレイヤー0、レイヤー1の順番に、片面3層のディスクの場合にはレイヤー0、レイヤー1、レイヤー2の順番に代替記録を行う。なお、情報処理装置10は、逆に、光ディスク20が片面2層のディスクの場合にはレイヤー1、レイヤー0の順番に、片面3層のディスクの場合にはレイヤー2、レイヤー1、レイヤー0の順番に代替記録を行ってもよい。
【0088】
また、情報処理装置10は、バーストエラーがJIS規格を外れていると判定された場合、バーストエラーについての代替記録を行う。そして、情報処理装置10は、バーストエラーがJIS規格内に入ったにもかかわらずRSER10kがJIS規格を外れている場合、RSERについての代替記録を行う。
【0089】
(バーストエラーによる代替記録処理)
まず、バーストエラーによる代替記録処理について説明する。
図10は、バーストエラーにより代替記録するクラスタを説明する図である。この図10において、横軸が光ディスク20の記録領域のPSNを示し、縦軸がバーストエラーとRSERとを示している。図示する例において、バーストエラーが規格値(新規作成時)800バイト以上のクラスタがJIS規格を外れている(BE NG)。情報処理装置10は、バーストエラーがJIS規格を外れていると判定された場合、バーストエラーがJIS規格を外れているNGのクラスタに含まれるユーザデータの少なくとも一部を交替領域へ代替記録する。
【0090】
図11~13を参照して、バーストエラーによる代替記録処理の動作について説明する。図11は、本実施形態に係るバーストエラーによる代替記録処理の第1例を示すフローチャートである。このバーストエラーによる代替記録処理は、図9のステップS205の処理の中に含まれる。
【0091】
(ステップS251)情報処理装置10は、図9のステップS203においてバーストエラーがJIS規格を外れていると判定された場合、バーストエラーが規格値を超えるNGのクラスタのうち1クラスタを代替記録する。すなわち、情報処理装置10は、バーストエラーが規格値を超えるNGのデータを1クラスタ単位で交替領域へ書き込む。そして、図9のステップS207へ進み、交替領域が不足していなければ(代替記録ができていれば)、情報処理装置10は、代替記録後のエラー検出及びバーストエラー及びRSER10kの再算出を行い(ステップS209、S211)、JIS規格による判定を行う(ステップS203)。
【0092】
この図11に示す代替記録処理は、交替領域へ書き込みした後のエラーがJIS規格内になるまで、或いはバーストエラーが規格値を超えるNGのクラスタのデータのすべてを交替領域へ書き込むまで繰り返される。1クラスタ単位で代替記録を行うたびに、エラー検出及びバーストエラー及びRSER10kの再算出とJIS規格による判定を何度も繰り返すため処理時間は長くなる。
【0093】
図12は、本実施形態に係るバーストエラーによる代替記録処理の第2例を示すフローチャートである。このバーストエラーによる代替記録処理は、図9のステップS205の処理の中に含まれる。
【0094】
(ステップS253)情報処理装置10は、図9のステップS203においてバーストエラーがJIS規格を外れていると判定された場合、バーストエラーが規格値を超えるNGのクラスタのうち所定クラスタ数を代替記録する。すなわち、情報処理装置10は、バーストエラーが規格値を超えるNGのデータを所定クラスタ数単位で交替領域へ書き込む。所定クラスタ数単位は、任意の数に予め設定することができる複数のクラスタ数の単位である。例えば、情報処理装置10は、4クラスタ単位で交替領域へ書き込む。そして、図9のステップS207へ進み、交替領域が不足していなければ(代替記録ができていれば)、情報処理装置10は、代替記録後のエラー検出及びバーストエラー及びRSER10kの再算出を行い(ステップS209、S211)、JIS規格による判定を行う(ステップS203)。
【0095】
この図12に示す代替記録処理は、図11に示すステップS251の代替記録処理と同様に、交替領域へ書き込みした後のエラーがJIS規格内になるまで、或いはバーストエラーが規格値を超えるNGのクラスタのデータのすべてを交替領域へ書き込むまで繰り返される。但し、この図12に示す代替記録処理は、所定クラスタ数単位で代替記録を行うため、図11に示す1クラスタ単位で代替記録を行う方法よりは処理時間を短くできるが、エラー検出及びバーストエラー及びRSER10kの再算出とJIS規格による判定を繰り返すことがあるため、次に図13を参照して説明する例に対しては処理時間が長くなることがある。
【0096】
図13は、本実施形態に係るバーストエラーによる代替記録処理の第3例を示すフローチャートである。このバーストエラーによる代替記録処理は、図9のステップS205の処理の中に含まれる。
【0097】
(ステップS255)情報処理装置10は、図9のステップS203においてバーストエラーがJIS規格を外れていると判定された場合、バーストエラーが規格値を超えるNGのクラスタのすべてを一括して代替記録する。すなわち、情報処理装置10は、バーストエラーが規格値を超えるNGのデータのすべてを一括して交替領域へ書き込む。そして、図9のステップS207へ進み、交替領域が不足していなければ(代替記録ができていれば)、情報処理装置10は、代替記録後のエラー検出及びバーストエラー及びRSER10kの再算出を行い(ステップS209、S211)、JIS規格による判定を行う(ステップS203)。
【0098】
この図13に示す代替記録処理は、NGのクラスタを一括で代替記録するため、代替記録先(交替領域)のクラスタが異常でない限り或いは不足しない限り、バーストエラーに関しては代替記録を何度も繰り返さずに済む。そのため、最も短い処理時間でバーストエラーによる代替記録処理を完了させることができる。
【0099】
また、図10に示す例において、RSER10kは、規格値(新規作成時)3.5e-4以上がJIS規格の規格外(NG)である。バーストエラーの代替記録を行うことにより、バーストエラーがJIS規格内に入るだけでなく、その代替記録を行ったクラスタのRSER10kも下がる。そのため、バーストエラーの代替記録を行うことにより、バーストエラーだけでなく、RSER10kもJIS規格内に入る可能性がある。情報処理装置10は、バーストエラーの代替記録を行っただけではRSER10kがJIS規格内に入らない場合には、RSER10kがNGのクラスタについても代替記録を行う。
【0100】
なお、前述したように、バーストエラーは、連続して発生するビットの誤りである。例えば、バーストエラーは、円周方向に連続して発生することにより規格外になる場合がある。しかし、ブルーレイディスクのトラックピッチは0.32umであるため、例えば円や楕円形状の欠陥が存在していた場合、円周方向だけでなく、径方向にも連続したエラーが発生する場合もある。バーストエラーが円周方向に多く径方向に軽微な場合には、1クラスタだけの代替記録で済む場合がある。しかし、この場合でも、より安全を考えて、情報処理装置10は、1クラスタだけでなく、その周辺のクラスタ(例えば、前後のトラック数本~数百本内に存在するクラスタ)についても代替記録してもよい。代替記録の対象とする周辺のクラスタの範囲(トラックの本数)は、エラー計測ステップにおいて計測されたバーストエラーの数に基づいて算出される。例えば、バーストエラーの数が多いほど代替記録の対象とする周辺のクラスタの範囲を広げ、バーストエラーの数が少ないほど代替記録の対象とする周辺のクラスタの範囲を狭くしてもよい。
【0101】
また、バーストエラーは、経年変化により、その大きさが成長する場合がある。例えば、バーストエラーが、最初は円形状の欠陥で、その大きさが800バイトであるとする。過去のバーストエラーの経年変化についての蓄積データを元に、この円形状の800バイトのバーストエラーが経年変化により更に100バイト程度大きく成長する事が予想される場合、情報処理装置10は、当該800バイト分のクラスタのみではなく、当該800バイト分のクラスタと周辺の100クラスタとを含めて900バイト分のクラスタについて代替記録してもよい。代替記録の対象とする周辺のクラスタの範囲(トラックの本数)は、エラー計測ステップにおいて計測されたバーストエラーの数と蓄積データとに基づいて算出される。これは、欠陥が成長するのを見越して、最初から成長分を加味して代替を記録しておくという、データの長期保存の観点によるものである。
【0102】
(RSERの代替記録処理)
次に、RSERの代替記録処理について説明する。
ここでは、RSERに着目して代替記録を行う方法と、RSER10kに着目して代替記録を行う方法とについて説明する。
【0103】
(1)RSERに着目して代替記録を行う方法
図14は、RSERにより代替記録するクラスタを説明する図である。この図14において、横軸が光ディスク20の記録領域のPSNを示し、縦軸がRSERを示している。図示する例において、符号CAが示す部分と符号CBが示す部分に、RSERが規格値(新規作成時)3.5e-4以上のクラスタ、すなわちJIS規格を外れている代替すべきクラスタがある。情報処理装置10は、RSERが規格値を超えるクラスタを代替すべきクラスタとして、当該クラスタ代替すべきクラスタのデータの少なくとも一部を交替領域へ代替記録する。
【0104】
RSERによる代替記録処理としては、上述したバーストエラーによる代替記録処理と同様に、1クラスタ単位で代替記録する方法、所定クラスタ数単位で代替記録する方法、及び一括で代替記録する方法がある。図15~17を参照して、RSERによる代替記録処理の動作について説明する。このRSERによる代替記録処理は、バーストエラーによる代替記録処理を行ってもRSER10kがJIS規格内に入らない場合に行われる。
【0105】
図15は、本実施形態に係るRSERによる代替記録処理の第1例を示すフローチャートである。このRSERによる代替記録処理は、図9のステップS205の処理の中に含まれる。
【0106】
(ステップS261)情報処理装置10は、RSERが規格値を超えるNGのクラスタのうち1クラスタを代替記録する。すなわち、情報処理装置10は、RSERが規格値を超えるNGのデータを1クラスタ単位で交替領域へ書き込む。そして、図9のステップS207へ進み、交替領域が不足していなければ(代替記録ができていれば)、情報処理装置10は、代替記録後のエラー検出及びバーストエラー及びRSER10kの再算出を行い(ステップS209、S211)、JIS規格による判定を行う(ステップS203)。
【0107】
この図15に示す代替記録処理は、交替領域へ書き込みした後のエラーがJIS規格内になるまで、或いはRSERが規格値を超えるNGのクラスタのデータのすべてを交替領域へ書き込むまで繰り返される。1クラスタ単位で代替記録を行うたびに、エラー検出及びバーストエラー及びRSER10kの再算出とJIS規格による判定を何度も繰り返すため処理時間は長くなる。その反面、必要以上に交替領域を使用してしまうことを抑制するができる。
【0108】
図16は、本実施形態に係るRSERによる代替記録処理の第2例を示すフローチャートである。このRSERによる代替記録処理は、図9のステップS205の処理の中に含まれる。
【0109】
(ステップS263)情報処理装置10は、RSERが規格値を超えるNGのクラスタのうち所定クラスタ数を代替記録する。すなわち、情報処理装置10は、RSERが規格値を超えるNGのデータを所定クラスタ数単位で交替領域へ書き込む。所定クラスタ数単位は、任意の数に予め設定することができる複数のクラスタ数の単位である。例えば、情報処理装置10は、4クラスタ単位で交替領域へ書き込む。そして、図9のステップS207へ進み、交替領域が不足していなければ(代替記録ができていれば)、情報処理装置10は、代替記録後のエラー検出及びバーストエラー及びRSER10kの再算出を行い(ステップS209、S211)、JIS規格による判定を行う(ステップS203)。
【0110】
この図16に示す代替記録処理は、図15に示すステップS261の代替記録処理と同様に、交替領域へ書き込みした後のエラーがJIS規格内になるまで、或いはRSERが規格値を超えるNGのクラスタのデータのすべてを交替領域へ書き込むまで繰り返される。但し、この図16に示す代替記録処理は、所定クラスタ数単位で代替記録を行うため、図15に示す1クラスタ単位で代替記録を行う方法よりは処理時間を短くできるが、エラー検出及びバーストエラー及びRSER10kの再算出とJIS規格による判定を繰り返すことがあるため、次に図17を参照して説明する例に対しては処理時間が長くなることがある。
【0111】
図17は、本実施形態に係るRSERによる代替記録処理の第3例を示すフローチャートである。このRSERによる代替記録処理は、図9のステップS205の処理の中に含まれる。
【0112】
(ステップS265)情報処理装置10は、RSERが規格値を超えるNGのクラスタのすべてを一括して代替記録する。すなわち、情報処理装置10は、RSERが規格値を超えるNGのデータのすべてを一括して交替領域へ書き込む。そして、図9のステップS207へ進み、交替領域が不足していなければ(代替記録ができていれば)、情報処理装置10は、代替記録後のエラー検出及びバーストエラー及びRSER10kの再算出を行い(ステップS209、S211)、JIS規格による判定を行う(ステップS203)。
【0113】
この図17に示す代替記録処理は、NGのクラスタを一括で代替記録するため、代替記録先(交替領域)のクラスタが異常でない限り或いは不足しない限り、RSERの代替記録を何度も繰り返さずに済む。そのため、最も短い処理時間でRSERによる代替記録処理を完了させることができる。なお、NGのクラスタを一括で代替記録する場合には、必要以上に代替記録を行ってしまうことがある。
【0114】
RSERがJIS規格を外れているクラスタを無条件に代替記録すると、すべてのクラスタがRSER10kのJIS規格内に入ることになる。しかし、この方法では、JIS規格を満たす上では代替記録しなくてもよいクラスタまで余分に代替記録することがある。
【0115】
(2)RSER10kに着目して代替記録を行う方法
図18は、RSER10kにより代替記録するクラスタを説明する図である。この図18において、横軸が光ディスク20の記録領域のPSNを示し、縦軸がRSERを示している。この図18は、図17に示すRSERからRSER10kを算出したものである。図17に示す例では、符号CAが示す部分と符号CBが示す部分にJIS規格を外れている代替すべきクラスタがあった。一方、図18に示すように、RSERからRSER10kに変換すると、符号CAが示す部分にはJIS規格を外れている代替すべきクラスタがあるが、符号CBが示す部分ではJIS規格を外れていないため代替する必要がない。
【0116】
このように、RSERからRSER10kに変換することで、RSERではばらつきが大きいことによりJIS規格を外れてしまっているクラスタが散見されても、RSER10kに変換することで代替する必要がないクラスタであると判断できる。
【0117】
図19は、RSER10kにより代替記録するクラスタの詳細を説明する図である。この図19において、横軸が光ディスク20の記録領域のPSNを示し、縦軸がRSERを示している。情報処理装置10は、RSER10kが連続してJIS規格の規格値を超えている箇所を一つの塊として認識する。この図に示す例では、情報処理装置10は、符号H1が示す矢印の範囲と符号H2が示す矢印の範囲との2箇所を、RSER10kが連続して規格値を超えている箇所として認識する。RSER10kは、移動平均であるため符号H1が示す矢印の範囲内と、符号H2が示す矢印の範囲内とのそれぞれに、JIS規格外のクラスタが存在することになる。情報処理装置10は、RSER10kが規格値を超えるクラスタを代替すべきクラスタとして、当該クラスタのデータの少なくとも一部を交替領域へ代替記録する。
【0118】
RSER10kによる代替記録処理は、上述したRSERによる代替記録処理と同様に、1クラスタ単位で代替記録する方法、所定クラスタ数単位で代替記録する方法、及び一括で代替記録する方法がある。図20~22を参照して、RSER10kによる代替記録処理の動作について説明する。このRSER10kによる代替記録処理は、バーストエラーによる代替記録処理を行ってもバーストエラーがJIS規格内に入らない場合に、上述したRSERによる代替記録処理に代えて行われる。
【0119】
図20は、本実施形態に係るRSER10kによる代替記録処理の第1例を示すフローチャートである。このRSER10kによる代替記録処理は、図9のステップS205の処理の中に含まれる。
【0120】
(ステップS271)情報処理装置10は、RSER10kが連続して規格値を超えている箇所を一つの塊として捉え、RSERが規格外になっているクラスタが存在する範囲を絞り込む。そして、ステップS272へ進む。
【0121】
(ステップS272)情報処理装置10は、ステップS271で絞り込んだ範囲の中で最も規格から外れている1クラスタを代替記録する。すなわち、情報処理装置10は、RSER10kが規格値を超えるNGのデータを1クラスタ単位で交替領域へ書き込む。そして、図9のステップS207へ進み、交替領域が不足していなければ(代替記録ができていれば)、情報処理装置10は、代替記録後のエラー検出及びバーストエラー及びRSER10kの再算出を行い(ステップS209、S211)、JIS規格による判定を行う(ステップS203)。
【0122】
この図20に示す代替記録処理は、交替領域へ書き込みした後のエラーがJIS規格内になるまで、或いはRSER10kが規格値を超えるNGのクラスタのデータのすべてを交替領域へ書き込むまで繰り返される。1クラスタ単位で代替記録を行うたびに、エラー検出及びバーストエラー及びRSER10kの再算出とJIS規格による判定を何度も繰り返すため処理時間は長くなる。その反面、必要以上に交替領域を使用してしまうことを抑制することができる。
【0123】
図21は、本実施形態に係るRSER10kによる代替記録処理の第2例を示すフローチャートである。このRSER10kによる代替記録処理は、図9のステップS205の処理の中に含まれる。
【0124】
(ステップS273)情報処理装置10は、RSER10kが連続して規格値を超えている箇所を一つの塊として捉え、RSERが規格外になっているクラスタが存在する範囲を絞り込む。そして、ステップS274へ進む。
【0125】
(ステップS274)情報処理装置10は、ステップS271で絞り込んだ範囲の中で規格から外れているクラスタをワースト順に所定クラスタ数を代替記録する。ワースト順とは、規格から外れている度合いが大きい順である。すなわち、情報処理装置10は、RSER10kが規格値を超えるNGのデータを所定クラスタ数単位で交替領域へ書き込む。所定クラスタ数単位は、任意の数に予め設定することができる複数のクラスタ数の単位である。例えば、情報処理装置10は、4クラスタ単位で交替領域へ書き込む。そして、図9のステップS207へ進み、交替領域が不足していなければ(代替記録ができていれば)、情報処理装置10は、代替記録後のエラー検出及びバーストエラー及びRSER10kの再算出を行い(ステップS209、S211)、JIS規格による判定を行う(ステップS203)。
【0126】
この図21に示す代替記録処理は、交替領域へ書き込みした後のエラーがJIS規格内になるまで、或いはRSER10kが規格値を超えるNGのクラスタのデータのすべてを交替領域へ書き込むまで繰り返される。但し、この図21に示す代替記録処理は、所定クラスタ数単位で代替記録を行うため、図20に示す1クラスタ単位で代替記録を行う方法よりは処理時間を短くできるが、エラー検出及びバーストエラー及びRSER10kの再算出とJIS規格による判定を繰り返すことがあるため、次に図22を参照して説明する例に対しては処理時間が長くなることがある。
【0127】
図22は、本実施形態に係るRSER10kによる代替記録処理の第3例を示すフローチャートである。このRSER10kによる代替記録処理は、図9のステップS205の処理の中に含まれる。
【0128】
(ステップS275)情報処理装置10は、RSER10kが連続して規格値を超えている箇所を一つの塊として捉え、RSERが規格外になっているクラスタが存在する範囲を絞り込む。そして、ステップS276へ進む。
【0129】
(ステップS276)情報処理装置10は、ステップS275で絞り込んだ範囲の中で規格から外れているNGのクラスタのすべてを一括して代替記録する。すなわち、情報処理装置10は、RSER10kが規格値を超えるNGのデータのすべてを一括して交替領域へ書き込む。そして、図9のステップS207へ進み、交替領域が不足していなければ(代替記録ができていれば)、情報処理装置10は、代替記録後のエラー検出及びバーストエラー及びRSER10kの再算出を行い(ステップS209、S211)、JIS規格による判定を行う(ステップS203)。
【0130】
この図22に示す代替記録処理は、NGのクラスタを一括で代替記録するため、代替記録先(交替領域)のクラスタが異常でない限り或いは不足しない限り、RSERの代替記録を何度も繰り返さずに済む。そのため、最も短い処理時間でRSER10kによる代替記録処理を完了させることができる。なお、NGのクラスタを一括で代替記録する場合には、必要以上に代替記録を行ってしまうことがある。
【0131】
図23は、本実施形態に係るRSER10kによる代替記録処理の第4例を示すフローチャートである。このRSER10kによる代替記録処理は、図9のステップS205の処理の中に含まれる。
【0132】
(ステップS281)情報処理装置10は、RSER10kが連続して規格値を超えている箇所を一つの塊として捉え、RSERが規格外になっているクラスタ(NGのクラスタ)が存在する範囲を絞り込む。そして、ステップS283へ進む。
【0133】
(ステップS283)情報処理装置10は、ステップS281で絞り込んだ範囲が含まれるレイヤーにおいてNG箇所を除いたRSERの平均値(RSER_AVE)を算出する。これにより、そのレイヤーのRSERの実力値がわかる。そして、ステップS285へ進む。
【0134】
(ステップS285)情報処理装置10は、ステップS281で絞り込んだ範囲の中で最も規格から外れている1クラスタを交替領域へ代替記録する。そして、ステップS287へ進む。
【0135】
(ステップS287)情報処理装置10は、代替先クラスタ(交替領域へ代替記録したクラスタ)のRSERの値を、ステップS283において算出したRSER_AVEの値として、ステップS281で絞り込んだ範囲のRSER10kの推定値を算出する。つまり、情報処理装置10は、代替記録後のRSER10kを再計測せずに、代替記録後のクラスタのRSERが当該レイヤーのRSERの実力値相当になったものとして推定する。そして、ステップS289へ進む。
【0136】
(ステップS289)情報処理装置10は、ステップS287で推定したRSER10kがJIS規格内であるか否かを判定する。この推定値による判定処理は、図9に示すステップS203の判定へ進む前に、1次的に仮判定する処理である。情報処理装置10は、JIS規格内であると判定した場合(YES)、代替記録処理を終了する。一方、情報処理装置10は、JIS規格を外れていると判定した場合(NO)、ステップS285へ戻り、ステップS281で絞り込んだ範囲の中で代替記録済みのクラスタを除いた中で最も規格から外れている1クラスタを交替領域へ代替記録する。そして、情報処理装置10は、ステップS287へ進み、ステップS281で絞り込んだ範囲の代替記録後のRSER10kの推定値を算出する。
【0137】
このように、情報処理装置10は、ステップS281で絞り込んだ範囲のRSER10kがJIS規格内になったと推定されるまで、当該範囲内のNGクラスタのデータをワースト順に1クラスタ単位で交替領域へ代替記録する。そして、JIS規格内になったと推定されると、図9のステップS207へ進み、交替領域が不足していなければ(代替記録ができていれば)、情報処理装置10は、代替記録後のエラー検出及びバーストエラー及びRSER10kの再算出を行い(ステップS209、S211)、JIS規格による判定(正式な判定)を行う(ステップS203)。
【0138】
この図23に示す代替記録処理は、1クラスタ単位で代替記録を行うものの規格を満たしたと推定されるまでは、エラー検出及びバーストエラー及びRSER10kの再算出とJIS規格による判定を行わない。そのため、必要以上に交替領域を使用してしまうことを抑制することができるとともに、処理時間が長くなることも抑制することができる。すなわち、この図23に示す代替記録処理は、余計な代替記録処理の発生の防止と、代替記録処理の高速性とを併せ持った処理である。
【0139】
以上説明してきたように、本実施形態に係る情報処理装置10(記憶装置の一例)は、光ディスク20(記録媒体の一例)のユーザ領域(第1領域の一例)及び交替領域(第2領域の一例)を少なくとも用いてデータの記録を行う。例えば、情報処理装置10は、記録対象のデータ(例えば、ユーザデータ)をユーザ領域に書き込む。また、情報処理装置10は、ユーザ領域へ上記データのすべてを書き込みした後に、ユーザ領域へ書き込みしたデータを読み出してエラーを検出する。そして、情報処理装置10は、ユーザ領域へ書き込みしたデータのうちエラーと検出されたデータの少なくとも一部を交替領域へ書き込む代替記録を行う。
【0140】
これにより、情報処理装置10は、光ディスク20へデータのすべてを書き込みした後にエラー検出するため、記録中にデータの書き込みと読み出しを繰り返すことがない。よって、情報処理装置10は、光ディスク20へのデータ記録に要する時間を短縮することができる。
【0141】
また、情報処理装置10は、検出されたエラーがJIS規格(規格の一例)に基づく範囲内であるか否かを判定する。例えば、情報処理装置10は、図6に示すJIS規格の範囲内であるか否かを判定する。なお、情報処理装置10は、JIS規格よりも厳しい規格値を用いて判定してもよい。そして、情報処理装置10は、規格に基づく範囲内ではないと判定された場合、エラーと検出されたデータの少なくとも一部を交替領域へ書き込む。
【0142】
これにより、情報処理装置10は、高品質のディスク(例えば、アーカイブディスク)を作成することができる。
【0143】
また、情報処理装置10は、交替領域へ書き込みしたデータを読み出してエラーを検出する。そして、情報処理装置10は、ユーザ領域へ書き込みしたデータを読み出して検出されたエラーと交替領域へ書き込みしたデータを読み出して検出されたエラーとに基づいて、交替領域へ書き込みした後(代替記録後)のエラーがJIS規格に基づく範囲内であるか否かを判定する。
【0144】
これにより、情報処理装置10は、高品質のディスク(例えば、アーカイブディスク)を作成することができる。
【0145】
また、情報処理装置10は、検出されたエラーに基づいてバーストエラーを計測する。そして、情報処理装置10は、ユーザ領域へ書き込みしたデータのうち、計測されたバーストエラーがJIS規格に基づく閾値(所定の閾値の一例)を超えるデータの少なくとも一部を交替領域へ書き込む。
【0146】
これにより、情報処理装置10は、光ディスク20へ記録したデータに規格外のバーストエラーがある場合、交替領域へ代替記録することで高品質のディスク(例えば、アーカイブディスク)を作成することができる。
【0147】
一例として、情報処理装置10は、交替領域へ書き込みした後のエラーがJIS規格に基づく範囲内になるまで、或いはバーストエラーがJIS規格に基づく閾値(所定の閾値の一例)を超えるデータのすべてを交替領域へ書き込むまでは、バーストエラーがJIS規格に基づく閾値を超えるデータを1クラスタ単位で交替領域へ書き込む。
【0148】
これにより、情報処理装置10は、交替領域へ代替記録することで高品質のディスク(例えば、アーカイブディスク)を作成することができる。
【0149】
また他の例として、情報処理装置10は、交替領域へ書き込みした後のエラーがJIS規格に基づく範囲内になるまで、或いはバーストエラーがJIS規格に基づく閾値(所定の閾値の一例)を超えるデータのすべてを交替領域へ書き込むまでは、バーストエラーがJIS規格に基づく閾値を超えるデータを所定クラスタ数単位で交替領域へ書き込む。
【0150】
これにより、情報処理装置10は、バーストエラーが規格外のクラスタを所定クラスタ数単位で代替記録を行うため、1クラスタ単位で代替記録を行うよりは処理時間を短縮できる。
【0151】
また他の例として、情報処理装置10は、バーストエラーがJIS規格に基づく閾値(所定の閾値の一例)を超えるデータのすべてを一括して交替領域へ書き込む。
【0152】
これにより、情報処理装置10は、バーストエラーが規格外のクラスタのすべてを一括して代替記録を行うため、短時間で代替記録処理を完了させることができる。
【0153】
また、情報処理装置10は、バーストエラーがJIS規格に基づく閾値(所定の閾値の一例)を超えることによりデータの少なくとも一部を交替領域へ書き込むクラスタの周辺のクラスタについても代替記録の対象とし、この周辺のクラスタに含まれるデータの少なくとも一部を交替領域へ書き込む。
【0154】
これにより、情報処理装置10は、規格値に対して十分なマージンを確保した高品質のディスク(例えば、アーカイブディスク)を作成することができる。
【0155】
例えば、代替記録の対象とする周辺のクラスタの範囲は、エラー計測ステップにおいて計測されたバーストエラーの数に基づく。
【0156】
これにより、情報処理装置10は、規格値に対して十分なマージンを確保した高品質のディスク(例えば、アーカイブディスク)を作成することができる。
【0157】
また、代替記録の対象とする周辺のクラスタの範囲は、エラー計測ステップにおいて計測されたバーストエラーの数と、バーストエラーの経年変化に関する情報とに基づく。バーストエラーの経年変化に関する情報とは、過去のバーストエラーの経年変化についての蓄積データである。この蓄積データは、例えば、過去に測定された同種のディスクについての、バーストエラーのバイト数及び形状などの経年変化に関する情報が蓄積されたものである。
【0158】
これにより、情報処理装置10は、光ディスク20の欠陥などが将来的に成長したとしても、その後の定期品質検査時の規格値に対して十分なマージンを確保することができる。
【0159】
また、情報処理装置10は、検出されたエラーに基づいてRSERを計測する。そして、情報処理装置10は、ユーザ領域へ書き込みしたデータのうち、計測されたRSERがJIS規格に基づく閾値(所定の閾値の一例)を超えるデータの少なくとも一部を交替領域へ書き込む。
【0160】
これにより、情報処理装置10は、光ディスク20へ記録したデータのRSERが規格外のクラスタがある場合、交替領域へ代替記録することで高品質のディスク(例えば、アーカイブディスク)を作成することができる。
【0161】
また、情報処理装置10は、検出されたエラーに基づいてRSERを計測する。そして、情報処理装置10は、バーストエラーがJIS規格に基づく閾値(所定の閾値の一例)を超えるデータの少なくとも一部を交替領域へ書き込みした後のエラーがJIS規格に基づく範囲内にならない場合に、ユーザ領域へ書き込みしたデータのうち、計測されたRSERがJIS規格に基づく閾値(所定の閾値の一例)を超えるデータの少なくとも一部を交替領域へ書き込む。
【0162】
これにより、情報処理装置10は、バーストエラーの代替記録を行っても規格を満たさない場合のみRSERに関する代替記録を行うため、不要な代替記録によって処理時間が長くなってしまうことを抑制できる。
【0163】
一例として、情報処理装置10は、交替領域へ書き込みした後のエラーがJIS規格に基づく範囲内になるまで、或いはRSERがJIS規格に基づく閾値(所定の閾値の一例)を超えるデータのすべてを交替領域へ書き込むまでは、RSERがJIS規格に基づく閾値を超えるデータを1クラスタ単位で交替領域へ書き込む。
【0164】
これにより、情報処理装置10は、RSERが規格外のクラスタを1クラスタ単位で代替記録を行うため、必要以上に交替領域を使用してしまうことを抑制するができる。
【0165】
また他の例として、情報処理装置10は、交替領域へ書き込みした後のエラーがJIS規格に基づく範囲内になるまで、或いはRSERがJIS規格に基づく閾値(所定の閾値の一例)を超えるデータのすべてを交替領域へ書き込むまでは、RSERがJIS規格に基づく閾値を超えるデータを所定クラスタ数単位で交替領域へ書き込む。
【0166】
これにより、情報処理装置10は、RSERが規格外のクラスタを所定クラスタ数単位で代替記録を行うため、必要以上に交替領域を使用してしまうことを抑制しつつ、1クラスタ単位で代替記録を行うよりは処理時間を短縮できる。
【0167】
また他の例として、情報処理装置10は、RSERがJIS規格に基づく閾値(所定の閾値の一例)を超えるデータのすべてを一括して交替領域へ書き込む。
【0168】
これにより、情報処理装置10は、RSERが規格外のクラスタのすべてを一括して代替記録を行うため、短時間で代替記録処理を完了させることができる。
【0169】
また、情報処理装置10は、検出されたエラーに基づいてRSER10k(RSER移動平均の一例)を計測する。そして、情報処理装置10は、ユーザ領域へ書き込みしたデータのうち、計測されたRSER10kがJIS規格に基づく閾値(所定の閾値の一例)を超えるデータの少なくとも一部を交替領域へ書き込む。
【0170】
これにより、情報処理装置10は、光ディスク20へ記録したデータのRSER10kが規格外のクラスタがある場合、交替領域へ代替記録することで高品質のディスク(例えば、アーカイブディスク)を作成することができる。
【0171】
また、情報処理装置10は、検出されたエラーに基づいてRSER10k(RSER移動平均の一例)を計測する。そして、情報処理装置10は、バーストエラーがJIS規格に基づく閾値(所定の閾値の一例)を超えるデータの少なくとも一部を交替領域へ書き込みした後のエラーがJIS規格に基づく範囲内にならない場合に、ユーザ領域へ書き込みしたデータのうち、計測されたRSER10kがJIS規格に基づく閾値(所定の閾値の一例)を超えるデータの少なくとも一部を交替領域へ書き込む。
【0172】
これにより、情報処理装置10は、バーストエラーの代替記録を行っても規格を満たさない場合のみRSER10kに関する代替記録を行うため、不要な代替記録によって処理時間が長くなってしまうことを抑制できる。
【0173】
一例として、情報処理装置10は、交替領域へ書き込みした後のエラーがJIS規格に基づく範囲内になるまで、或いはRSER10kがJIS規格に基づく閾値(所定の閾値の一例)を超えるデータのすべてを交替領域へ書き込むまでは、RSER10kがJIS規格に基づく閾値を超えるデータを1クラスタ単位で交替領域へ書き込む。
【0174】
これにより、情報処理装置10は、RSER10kが規格外のクラスタを1クラスタ単位で代替記録を行うため、必要以上に交替領域を使用してしまうことを抑制するができる。
【0175】
また他の例として、情報処理装置10は、交替領域へ書き込みした後のエラーがJIS規格に基づく範囲内になるまで、或いはRSER10kがJIS規格に基づく閾値(所定の閾値の一例)を超えるデータのすべてを交替領域へ書き込むまでは、RSER10kがJIS規格に基づく閾値を超えるデータを所定クラスタ数単位で交替領域へ書き込む。
【0176】
これにより、情報処理装置10は、RSER10kが規格外のクラスタを所定クラスタ数単位で代替記録を行うため、必要以上に交替領域を使用してしまうことを抑制しつつ、1クラスタ単位で代替記録を行うよりは処理時間を短縮できる。
【0177】
また他の例として、情報処理装置10は、RSER10kがJIS規格に基づく閾値(所定の閾値の一例)を超えるデータのすべてを一括して交替領域へ書き込む。
【0178】
これにより、情報処理装置10は、RSER10kが規格外のクラスタのすべてを一括して代替記録を行うため、短時間で代替記録処理を完了させることができる。
【0179】
また他の例として、情報処理装置10は、RSER10kがJIS規格に基づく閾値(所定の閾値の一例)を超える範囲にあるデータのうち、検出されたエラーを除くデータのRSER_Ave(RSERの平均値)を算出する。また、情報処理装置10は、RSER10kがJIS規格に基づく閾値を超える範囲において最も規格から外れているクラスタに含まれるデータを交替領域へ書き込む。また、情報処理装置10は、算出したRSER_Aveを、交替領域へ書き込みした後のクラスタのRSERの値として、RSER10kがJIS規格に基づく閾値を超える範囲におけるRSER移動平均を推定する。そして、情報処理装置10は、推定されたRSER_AveがJIS規格に基づく範囲内であるか否かを1次判定する。
【0180】
これにより、情報処理装置10は、1クラスタ単位で代替記録を行うものの、規格を満たしたか否かを推定値で1次判定するため、必要以上に交替領域を使用してしまうことを抑制することができるとともに、処理時間が長くなることも抑制することができる。
【0181】
また、ユーザ領域から交替領域へ書き込むデータのユーザ領域におけるアドレスと交替領域におけるアドレスとの対応は、記録可能なブルーレイディスクで用いられている対応と同じである。
【0182】
これにより、情報処理装置10は、代替記録時のユーザ領域におけるアドレスと交替領域におけるアドレスとの対応関係について既存のブルーレイディスクで用いられている記録方法を踏襲した上で、本実施形態に係る代替記録処理を行うことができるため、既存の記録方法からの変更が容易である。
【0183】
また、円盤形状の光ディスク20において、交替領域は、ユーザ領域の内周側と外周側とにそれぞれ設けられている。
【0184】
これにより、情報処理装置10は、代替すべきクラスタを内周側の交替領域(ISA)と外周側の交替領域(OSA)とのうち近い方の交替領域へ代替記録することにより、代替記録に要する時間を短くすることができる。
【0185】
例えば、情報処理装置10は、ユーザ領域の外周側に設けられた交替領域(OSA)の外周側の一部への書き込みを禁止してもよい。
【0186】
これにより、情報処理装置10は、光ディスク20の最外周付近に代替記録しないため、傷や指紋、汚れなどの付着によりダメージを受ける可能性を低減することができる。
【0187】
また、本実施形態に係るプログラムは、光ディスク20(記録媒体の一例)のユーザ領域(第1領域の一例)及び交替領域(第2領域の一例)を少なくとも用いてデータの記録を行う情報処理装置10(記憶装置の一例)を制御するコンピュータに、記録対象のデータ(例えば、ユーザデータ)をユーザ領域に書き込む記録ステップと、上記記録ステップにおいてユーザ領域へ上記データのすべてを書き込みした後に、ユーザ領域へ書き込みしたデータを読み出してエラーを検出する第1検出ステップと、上記ユーザ領域へ書き込みしたデータのうち上記第1検出ステップにおいてエラーと検出されたデータの少なくとも一部を交替領域へ書き込む代替記録ステップと、を実行させる。
【0188】
これにより、本実施形態に係るプログラムは、光ディスク20へデータのすべてを書き込みした後にエラー検出するため、記録中にデータの書き込みと読み出しを繰り返すことがない。よって、本実施形態に係るプログラムは、光ディスク20へのデータ記録に要する時間を短縮することができる。
【0189】
また、本実施形態に係る情報処理装置10(記憶装置の一例)は、光ディスク20(記録媒体の一例)のユーザ領域(第1領域の一例)及び交替領域(第2領域の一例)を少なくとも用いてデータの記録を行う。情報処理装置10は、記録制御部151(記録部の一例)と、エラー計測部152(検出部の一例)と、代替記録制御部153(代替記録部の一例)とを備えている。記録制御部151は、記録対象のデータ(例えば、ユーザデータ)をユーザ領域に書き込む。エラー計測部152は、記録制御部151によりユーザ領域へ上記データのすべてを書き込みした後に、ユーザ領域へ書き込みしたデータを読み出してエラーを検出する。代替記録制御部153は、ユーザ領域へ書き込みしたデータのうちエラー計測部152によりエラーと検出されたデータの少なくとも一部を交替領域へ書き込む。
【0190】
これにより、情報処理装置10は、光ディスク20へデータのすべてを書き込みした後にエラー検出するため、記録中にデータの書き込みと読み出しを繰り返すことがない。よって、情報処理装置10は、光ディスク20へのデータ記録に要する時間を短縮することができる。
【0191】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0192】
上記実施形態では、バーストエラーによる代替記録処理を行ってもバーストエラーがJIS規格内に入らない場合に、RSERによる代替記録処理またはRSER10kによる代替記録処理が行われる例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、バーストエラーがJIS規格内に入るか否かにかかわらず、RSERによる代替記録処理またはRSER10kによる代替記録処理が行われてもよい。また、バーストエラーによる代替記録処理の前に、RSERによる代替記録処理またはRSER10kによる代替記録処理が行われてもよい。また、バーストエラーによる代替記録処理を行わずに、RSERによる代替記録処理またはRSER10kによる代替記録処理が行われてもよい。
【0193】
また、上記実施形態における代替記録処理において、バーストエラー、RSER、及びRSER10kのいずれかがJIS規格に基づく閾値を超えるデータを所定クラスタ数単位で交替領域へ書き込む例を説明した。この場合の所定クラスタ数は、ドライブ装置16の仕様に基づくクラスタ数としてもよい。例えば、ドライブ装置16の仕様により、1クラスタ単位でバーストエラー及びRSERの計測ができない場合には、例えば100クラスタ単位でバーストエラー及びRSERの計測を行うことにより、どの100クラスタが規格外であるかはわかる。この場合、情報処理装置10は、代替記録処理において、規格外と判定された100クラスタを、100クラスタ単位で交替領域へ書き込むようにしてもよい。また、別の例として、情報処理装置10は、当該規格外と判定された100クラスタを、100クラスタより少ない数のクラスタ単位(例えば、10クラスタ)でバーストエラー及びRSERを再計測し、規格外と判定された10クラスタを、10クラスタ単位で交替領域へ書き込むようにしてもよい。具体的には、情報処理装置10は、まず、計測した100クラスタ単位のデータに基づいて、RSER10kを算出する。次に、情報処理装置10は、RSER10kが規格を超えた100クラスタを特定し、その100クラスタのみ、10クラスタ単位でエラーを再測定する。そして、情報処理装置10は、その100クラスタのRSER10kを再計算することにより、代替記録すべきクラスタを10クラスタまで絞り込み、10クラスタ単位で交替領域へ書き込む。
【0194】
また、図8に示す情報処理装置10の構成において、ディスク記録制御部150に備えられている各部の一部または全部は、ドライブ制御部163に備えられてもよい。例えば、情報処理装置10において、OS上で動作するエラー処理ソフトなどのプログラムをCPU15は実行することにより実現する機能構成であるエラー計測部152、代替記録制御部153、及び規格判定部154の一部または全部は、ドライブ制御部163に備えられてもよい。例えば、光ディスク20への記録、エラー検出、バーストエラー及びRSER10kなどのエラー計測、代替記録、及び規格の判定などの各処理をドライブ装置16内で完結した構成としてもよい。また、各処理をドライブ装置16内で完結した構成でも、判定に用いる規格値についてはドライブ装置16へ外部(例えば、情報処理装置10においてOS上で動作するアプリケーション)から指示される構成としてもよいし、代替記録する上限値などについてはドライブ装置16へ外部から指示される構成としてもよい。
【0195】
なお、上述した情報処理装置10は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した情報処理装置10が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した情報処理装置10が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0196】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に情報処理装置10が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0197】
また、情報処理装置10の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。また、本実施形態の情報処理装置10内の各構成要素は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0198】
また、本実施形態では、光ディスク20の例として、ブルーレイディスクを例に説明したが、光ディスク20は、ブルーレイディスクと少なくとも一部が同一又は類似するような規格で定義される他の記録媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0199】
10 情報処理装置、20 光ディスク、11 通信部、12 表示部、13 入力部、14 記憶部、15 CPU、16 ドライブ装置、150 ディスク記録制御部、151 記録制御部、152 エラー計測部、153 代替記録制御部、154 規格判定部、161 ディスクドライブ、162 記憶部、163 ドライブ制御部、1631 書き込み部、1632 読み出し部、1633 エラー検出部
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