(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022098340
(43)【公開日】2022-07-01
(54)【発明の名称】求荷求車プログラムおよび求荷求車システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20120101AFI20220624BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
B65G61/00 542
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020211825
(22)【出願日】2020-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】520063462
【氏名又は名称】アイエン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127203
【弁理士】
【氏名又は名称】奈良 泰宏
(72)【発明者】
【氏名】前川 容子
(72)【発明者】
【氏名】高原 文悟
(72)【発明者】
【氏名】江藤 太一郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】輸送効率を向上する求荷求車プログラム及び求荷求車システムを提供する。
【解決手段】求荷求車プログラムは、複数の輸送業者端末と、複数の運行状況検知端末とがネットワークを介して接続された求荷求車システム100において、サーバを、複数の輸送業者端末のそれぞれから送信された、荷物情報、配車済みの運転手情報及び配車済みの輸送車両に関する情報を少なくとも有する配車組み情報に基づいて、荷物情報を2つ以上の配車組み情報において入れ換えて所定の効率以上の状態にした新たな配車組み情報を含む運行計画情報を作成し、自動的に運行計画を成立させるかまたは、運行計画情報に関わる輸送業者端末同士に運行計画情報を送信する指示を通信手段に行い、送信された運行計画情報に基づいて輸送業者端末を介して運行計画情報に関わる輸送業者が運行計画について承諾した場合に、運行計画を成立させる運行計画情報作成手段、として機能させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
求荷求車に関する情報を管理するサーバと、輸送業者側に設けられた複数の輸送業者端末と、前記輸送業者ごとに所属する輸送トラックそれぞれの運行状況を検知して前記サーバに送信する複数の運行状況検知端末と、が送受信可能にネットワークを介して接続された求荷求車システムを、
前記サーバと前記輸送業者端末と前記運行状況検知端末との間の情報の送受信を、必要に応じて行う通信手段、
前記輸送業者端末のそれぞれから送信された、積日及び卸日を少なくとも含む荷物に関する情報(以下、荷物情報)、配車済みの運転手に関する情報(以下、運転手情報)、及び配車済みの輸送車両に関する情報を少なくとも有する配車組み情報に基づいて、前記荷物情報を2つ以上の配車組み情報において入れ換えて所定の効率以上の状態にした新たな配車組み情報を含む運行計画に関する情報(以下、運行計画情報)を作成し、自動的に前記運行計画を成立させる、または、前記運行計画情報に関わる前記輸送業者端末同士に前記運行計画情報を送信する指示を前記通信手段に行い、送信された前記運行計画情報に基づいて前記輸送業者端末を介して前記運行計画情報に関わる輸送業者が前記運行計画について承諾した場合に、前記運行計画を成立させる運行計画情報作成手段、
として機能させることを特徴とする求荷求車プログラム。
【請求項2】
前記求荷求車システムを、
前記運転手情報に含まれる労務時間情報に基づいて、所定の労務関連法令の情報にしたがった運行管理情報を作成する運行管理情報作成手段、
としてさらに機能させ、
前記運行計画情報作成手段は、前記運行管理情報作成手段によって作成された前記運行管理情報に基づいて、前記所定の労務関連法令にしたがった前記運行計画情報を作成する、
請求項1に記載の求荷求車プログラム。
【請求項3】
前記求荷求車システムを、
前記効率を点数化してなる効率評価、または、各輸送業者間で評価しあって得られる輸送実績評価、を少なくとも含む経営効率指標を示す情報(以下、経営効率指標情報)を作成し、それぞれの前記運行計画情報に関連付ける情報作成手段、
としてさらに機能させ、
前記運行計画情報作成手段は、前記運行計画情報が複数ある場合、前記情報作成手段が作成した経営効率指標情報のうち経営効率指標が最良のものから順に所定数の前記運行計画情報を、前記通信手段を介して、前記運行計画情報に関わる前記輸送業者の前記輸送業者端末に送信する、前記請求項1又は2に記載の求荷求車プログラム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の求荷求車プログラムを記憶した記憶部と、前記求荷求車プログラムを実行するコンピュータと、を備える求荷求車システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、求荷求車プログラムおよび求荷求車システムに関する。
【背景技術】
【0002】
求荷求車システムは、従来から、公知となっている。例えば、下記特許文献1に、荷主の貨物に対し、輸送業者の輸送トラックだけでなく、運転手も含めた最適な運行計画を立案すると共に、運行実績の状況によってリアルタイムに運行計画を補正する輸送業務取引代行サーバ及びそれを用いた輸送業務取引システム及び輸送業務取引方法並びに輸送業務取引プログラムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のシステムでは、各輸送トラックの実車率向上及び各運転手の連続的なローテーション計画を立案することができるものの、ある運送業者において輸送の仕事がありすぎて対応できないが、他の輸送業者の輸送の仕事が少なくて対応できるような場合、上述のある輸送業者から他の輸送業者にスムーズに仕事を紹介したり、請け負わせたりすることができない。また、近年においては、燃料の高騰、人件費の高騰、輸送トラックの排気ガスによる環境汚染、運転手の労働環境などの観点から、輸送業界全体として従来よりも効率のよい輸送が求められている。
【0005】
そこで、輸送業者間で輸送の仕事の紹介が可能になるとともに、輸送業界全体として効率を従来よりも向上することが可能な求荷求車プログラムおよび求荷求車システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の求荷求車プログラムは、求荷求車に関する情報を管理するサーバと、輸送業務の発注および受注を行う輸送業者側に設けられた複数の輸送業者端末と、前記輸送業者ごとに所属する輸送トラックそれぞれの運行状況を検知して前記サーバに送信する複数の運行状況検知端末と、が送受信可能にネットワークを介して接続された求荷求車システムを、
前記サーバと前記輸送業者端末と前記運行状況検知端末との間の情報の送受信を、必要に応じて行う通信手段、
前記輸送業者端末のそれぞれから送信された、積日及び卸日を少なくとも含む荷物に関する情報(以下、荷物情報)、配車済みの運転手に関する情報(以下、運転手情報)、及び配車済みの輸送車両に関する情報を少なくとも有する配車組み情報に基づいて、前記荷物情報を2つ以上の配車組み情報において入れ換えて所定の効率以上の状態にした新たな配車組み情報を含む運行計画に関する情報(以下、運行計画情報)を作成し、自動的に前記運行計画を成立させる、または、前記運行計画情報に関わる前記輸送業者端末同士に前記運行計画情報を送信する指示を前記通信手段に行い、送信された前記運行計画情報に基づいて前記輸送業者端末を介して前記運行計画情報に関わる輸送業者が前記運行計画について承諾した場合に、前記運行計画を成立させる運行計画情報作成手段、
として機能させることを特徴とする。
【0007】
(2)上記(1)の求荷求車プログラムにおいては、前記求荷求車システムを、
前記運転手情報に含まれる労務時間情報に基づいて、所定の労務関連法令の情報にしたがった運行管理情報を作成する運行管理情報作成手段、
としてさらに機能させ、
前記運行計画情報作成手段は、前記運行管理情報作成手段によって作成された前記運行管理情報に基づいて、前記所定の労務関連法令にしたがった前記運行計画情報を作成することが好ましい。
【0008】
(3)上記(1)又は(2)の求荷求車プログラムは、前記求荷求車システムを、
前記効率を点数化してなる効率評価、または、各輸送業者間で評価しあって得られる輸送実績評価、を少なくとも含む経営効率指標を示す情報(以下、経営効率指標情報)を作成し、それぞれの前記運行計画情報に関連付ける情報作成手段、
としてさらに機能させ、
前記運行計画情報作成手段は、前記運行計画情報が複数ある場合、前記情報作成手段が作成した経営効率指標情報のうち経営効率指標が最良のものから順に所定数の前記運行計画情報を、前記通信手段を介して、前記運行計画情報に関わる前記輸送業者の前記輸送業者端末に送信することが好ましい。
【0009】
(4)本発明の求荷求車システムは、上記(1)~(3)のいずれか1つの求荷求車プログラムを記憶した記憶部と、上記求荷求車プログラムを実行するコンピュータとを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、輸送業者間で輸送の仕事の紹介が可能になるとともに、輸送業界全体として効率を従来よりも向上することが可能な求荷求車プログラムおよび求荷求車システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態における求荷求車システムを説明する図である。
【
図2】上記求荷求車システムのサーバの構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】上記求荷求車システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を参照して、本発明の実施形態である求荷求車プログラムおよび求荷求車システムについて説明する。本発明において、下記の本実施形態に記載される事項は一例であり、これに限定されるものではない。また、本実施形態に記載されない事項は意識的に除外したものでもない。本実施形態において上位概念化して記載された事項は、本実施形態に記載されていない当業者において公知であるものも含み、出願時点において存在し得ないものも含む。また、各フローチャートの処理手順について、本実施形態に限定されるものではなく、各処理を実行する手段および手順などは適宜選択し得るものである。
【0013】
<求荷求車システムの説明>
図1は求荷求車システム100の構成を説明する図である。本実施形態の求荷求車システム100は、ネットワーク1を介して相互に通信可能なサーバ2、輸送業者端末3A~3D、運行状況検知端末4A~4D、で構成される。ここで、輸送業者端末3A~3Dのそれぞれは、輸送業者A~Dが自社の配車業務に使用する端末である。また、運行状況検知端末4A~4Dは、輸送業者A~Dの車両(トラックなど)に取り付け可能なものであり、サーバ2または輸送業者端末3A~3Dから運行計画情報を受信し、車両および運転手に関する情報などをサーバ2または輸送業者端末3A~3Dに送信する端末である。
【0014】
<サーバのハードウェア構成>
サーバ2は、
図1に示すように、通信部21、制御部22、データベース23、を備えるとともに、図示しないが、表示部と、入力部と、記憶部と、を基本構成として備えている。
【0015】
通信部21は、制御部22をネットワーク1と接続する機能を有したものである。
【0016】
制御部22は、CPU又はMPUなどの演算処理部、及びRAMなどのメモリを備えている。上記演算処理部は、各種入力に基づき、記憶部に記録されたプログラムを実行することで、
図2に示した運行管理情報作成手段221、運行計画情報作成手段222、情報作成手段223などの各種機能部を動作させるものである。このプログラムは、CD-ROM等の記録媒体に記憶され、もしくはネットワーク1を介して配布され、サーバ2の記憶部にインストールされるものであってもよい。上記メモリは、サーバ用プログラム及び求荷求車プログラム、ならびに、これらのプログラムにおいて処理の実行中に、演算等に必要な各種データを、一時的に記憶するためのものである。
【0017】
運行管理情報作成手段221は、後述する距離適性判別においてピックアップした組み換え情報における配車済運転手情報に含まれる労務情報が、労務関連の法令を遵守したものであるか否か判別し、労務関連の法令を遵守した組み換え情報をピックアップする(労務適性判別)。たとえば、運行管理情報作成手段221は、拘束時間(始業から終業までの時間)が1日13時間以内かつ直近1か月合計が293時間以内、休息期間(勤務と次の勤務との間の自由時間)が継続8時間以上、運転時間が2日平均で1日あたり9時間以内かつ直近2週間平均で1週間あたり44時間以内、の全条件に合致するか否かによって、労務適性判別を行う。このようにしてピックアップした組み合わせに関する情報を、運行管理情報作成手段221は、運行管理情報として作成し、勤怠・動態管理データベース232に格納する。
【0018】
運行計画情報作成手段222は、勤怠・動態管理データベース232に格納されている当初の配車組み情報のうち各輸送業者から求荷求車要求がされた配車組み情報における、荷主、積日、卸日、物量などの情報を含む荷物に関する情報(以下、荷物情報)を入れ換えてなるすべての組み合わせの情報(以下、組み換え情報)を作成する。そして、運行計画情報作成手段222は、この組み換え情報において、輸送車両の予想運行距離を示す予想運行距離の差異が所定範囲内の組み合わせ(たとえば、予想運行距離の差異が50km)の情報があるか否か判別し、予想運行距離の差異が所定範囲内の組み合わせの組み換え情報をピックアップする(距離適性判別)。なお、当初の配車組み情報とは、各輸送業者が予め自社輸送のために作成した配車に関する情報であって、荷物情報、荷物情報に対して配車された輸送車両の情報(以下、配車済輸送車両情報)、配車された輸送車両に乗車する運転手の情報(以下、配車済運転手情報)、予想運行距離情報などが含まれ、輸送業者端末3からサーバ2に送信した情報である。また、配車済運転手情報には、運転手の労務時間情報(拘束時間、休息時間、運転時間などの各情報)が含まれている。
【0019】
また、運行計画情報作成手段222は、運行管理情報作成手段221が作成した運行管理情報に含まれる前記組み合わせの情報と、当初の配車組み情報と、についてそれぞれ輸送効率を算出し、算出した輸送効率同士を比較し、運行管理情報に含まれる前記組み合わせの情報と配車組み情報との良否を判別する。運行管理情報に含まれる前記組み合わせの情報の輸送効率が、当初の配車組み情報よりも良い場合には、この運行管理情報に基づいて、運行計画に関する情報(以下、運行計画情報)を作成し、業務管理データベース233に格納する。ここで、運行計画情報には、作成した組み換え情報に関する、荷物情報、求荷情報、求車情報、顧客情報、輸送車両情報、運転手情報、輸送実績情報など、が含まれる。なお、輸送実績情報とは、過去に担当した輸送に関する実績の情報であって、たとえば、時間通り到着したか、荷物の破損はなかったかなどの情報である。
【0020】
なお、運行計画情報作成手段222は、たとえば、以下の式に基づいて、輸送効率を算出する。
輸送効率=積載効率×実車率×輸送車両稼働率(好ましい数値は40%以上)
積載効率=(積載トン数/積載可能トン数)×100(好ましい数値は70%~80%)
実車率=(積載走行距離/総走行距離)×100(好ましい数値は平均70%以上)
輸送車両稼働率=[稼働日数(時間)/総日数(時間)]×100(好ましい数値は平均70%以上)
【0021】
このようにして、運行計画情報作成手段222は、勤怠・動態管理データベース232に格納され、配車組み情報に基づいて、輸送業者の荷物と、輸送業者の担当運転手及び輸送車両とを所定の輸送効率以上となる状態に入れ換えられた運行計画情報を作成することができる場合、当該運行計画情報を作成し、業務管理データベース233に格納する。
【0022】
また、運行計画情報作成手段222は、作成した前記運行計画情報に関わる輸送業者端末3同士に、前記運行計画情報とともに、作成した前記運行計画情報の受け入れ依頼の情報(以下、スワップ依頼情報)を送信する指示を通信部21に行う。
【0023】
また、運行計画情報作成手段222は、送信された前記運行計画情報に基づいて輸送業者端末3を介して前記運行計画情報に関わる輸送業者のうち少なくとも1組が前記運行計画について承諾したか否か判定する。運行計画情報作成手段222は、少なくとも1組の輸送業者が承諾したと判定した場合、承諾された前記運行計画を成約させ、その旨を該当する輸送業者の輸送業者端末3に報知する。
【0024】
なお、運行計画情報作成手段222は、所定の輸送効率以上となる状態にマッチングする運行計画を作成できない場合(たとえば、当初の各輸送業者の配車組み情報の輸送効率の方が組み換え後よりもよい場合)、マッチングを中止(終了)し、その旨を該当する輸送業者の輸送業者端末3に報知する。
【0025】
また、運行計画情報作成手段222は、スワップ依頼情報を受信した輸送業者端末3からの受け入れ依頼の返答情報について、拒否なのか承諾なのか判定する。運行計画情報作成手段222は、輸送業者がスワップ依頼を承諾したと判定した場合、承諾された前記運行計画を仮成約させるために、仮成約依頼及び荷物情報を該当する輸送業者の輸送業者端末3に報知する。また、運行計画情報作成手段222は、輸送業者が仮成約依頼を承諾したと判定した場合、成約通知情報を作成し、該当する輸送業者の輸送業者端末3に報知する。
【0026】
情報作成手段223は、輸送業者による輸送業者端末3の操作に基づいて、Webサイト構成データベース234に格納されている求荷求車システム100の使用に関する契約の画面(以下、システム使用契約画面)の情報などを読み出し、通信部21を介して輸送業者端末3に送信する。具体的には、輸送業者端末3に、システム使用契約画面をHTTPSプロトコル用いたブラウザソフトにより表示させ、このシステム使用契約画面を使って契約データベース231にデータ(情報)を入力できるようになっている。つまり、輸送業者端末3において表示されたシステム使用契約画面に対して入力作業を行うと、この過程が一覧形式または履歴などで表示されるとともに、求荷求車システム100の運営者に許可されている範囲内で、契約データベース231におけるデータ(情報)の変更又は追加ができるようになっている。
【0027】
また、情報作成手段223は、システム使用契約画面を介して求荷求車システム100の使用に関する契約に同意する操作が、輸送業者により輸送業者端末3においてなされた場合、輸送業者と求荷求車システム100の運営者とのシステム使用契約情報を作成し、後述する契約データベース231に格納する。ここで、システム使用契約情報とは、求荷求車システム100の使用料(成約手数料、荷物保険料、売掛保証料)、その他(運賃・高速代など)などを含む契約に関する情報である。また、情報作成手段223は、当該契約情報を作成した後、輸送業者端末3の利用者(輸送業者)の操作に基づいて、当該システム使用契約情報に関連付けられる輸送業者の情報を作成する。なお、輸送業者の情報には、輸送業者端末3の利用者(輸送業者)の操作に基づいてシステム使用契約画面において入力された、輸送業者の自社顧客の情報、輸送業者の自社車両の情報、輸送業者の自社運転手情報、輸送業者名(ID)及びパスワードなどを含む。
【0028】
また、情報作成手段223は、輸送業者による輸送業者端末3の操作に基づいて、記憶部に格納されている求荷求車システム100の自社の配車組み用の画面(以下、配車組み画面)の情報などを読み出し、通信部21を介して輸送業者端末3に送信する。具体的には、輸送業者端末3に、配車組み画面をHTTPSプロトコル用いたブラウザソフトにより表示させ、この配車組み画面を使って勤怠・動態管理データベース232に配車組み情報を入力できるようになっている。つまり、輸送業者端末3において表示された配車組み画面に対して入力作業を行うと、この過程が一覧形式または履歴などで表示されるとともに、勤怠・動態管理データベース232における配車組み情報の変更又は追加ができるようになっている。
【0029】
また、情報作成手段223は、輸送業者端末3側の利用者がサーバ2を通して求荷求車システム100が提供するWebサイト(求荷求車サイト)にアクセスすると、Webサイト構成データベース234のデータを読み出し、動的にWebサイトを閲覧可能なデータ形式(HTMLファイル)を生成し、サーバ2を通してHTTPSプロトコル用いて輸送業者端末3側に送信し、当該利用者は、ブラウザソフトを用いることで受信内容をディスプレイに表示することができる。つまり、輸送業者端末3において表示されたWebサイトに対して求荷又は求車に関する入力作業を行うと、この過程が一覧形式または履歴などで表示されるとともに、求荷又は求車を他輸送業者に対して行うことができる。
【0030】
サーバ2における上記入力部は、サーバの管理者からの操作を受け付けるように構成され、キーボードやマウス、タッチパネル等によって実現することができる。上記記憶部は、ハードディスク等の記憶装置によって構成され、制御部22における処理の実行に必要な各種プログラム、及び、各種プログラムの実行に必要なデータ等を記録しておくものである。
【0031】
データベース23は、
図1に示したように、契約データベース231、勤怠・動態管理データベース232、業務管理データベース233、Webサイト構成データベース234、を備えている。
【0032】
契約データベース231には、各輸送業者と求荷求車システム100の運営者とのシステム使用契約情報、求荷求車システム100のアカウントを作成した輸送業者端末3(3A~3D)の利用者(輸送業者)の情報、運行状況検知端末4(4A~4D)の利用者(輸送業者)の情報、などが格納されている。なお、輸送業者端末3の利用者(輸送業者)の情報及び運行状況検知端末4の利用者(輸送業者)の情報は、情報作成手段223によって、前記契約情報が作成された後、輸送業者端末3の利用者(輸送業者)の入力操作に基づいて作成され、契約データベースに蓄積される。
【0033】
勤怠・動態管理データベース232には、輸送業者端末3又は運行状況検知端末4から自動又は手動操作によって送信され、輸送業者ごとに記録された、配車組み情報(配車組み時の荷物情報(荷主、積日、卸日、物量などの情報)、輸送車両情報、運転手情報(運転手の労働時間情報を含む)を含む)、車両の位置情報、などが蓄積されている。なお、ここでの運転手情報(運転手の労働時間情報を含む)は、輸送業者端末3から、前日の就業時間後にまとめて若しくはリアルタイムで運転手ごとに送信される。
【0034】
業務管理データベース233には、組み換え後の荷物情報(荷主、積日、卸日、物量などの情報)、輸送車両情報、顧客情報、運転手情報、輸送実績情報、などが格納されている。なお、運転手情報には、その運転手情報に関連付けられている運転手が現在使用している運行状況検知端末4の情報が関連付けられる。
【0035】
Webサイト構成データベース234には、Webサイト(求荷求車サイト)のコンテンツの文書情報に加えて、画像情報、レイアウト情報、ページリンク情報、ページ表示期間、ページアクセス頻度、参照元情報、閲覧者ごとの参照制限情報などが格納されている。
【0036】
<利用者端末及び運行状況検知端末のハードウェア構成>
輸送業者端末3は、インターネット通信などの通信回線を備え、ネットワーク1に接続することができるものであり、例えば、携帯電話、スマートフォン、パーソナルコンピュータ(PC)、又は、タブレットPCなどである。また、輸送業者端末3は、図示しないが、CPU及びメモリを含む制御部、ネットワーク1と接続するための通信部、利用者からの操作を受け付けるタッチパネル等の入力部、画面を表示する表示部、などを備えている。運行状況検知端末4は、輸送業者端末3と同様の構成である。
【0037】
<求荷求車システム100における各処理の説明>
以下、本実施形態における求荷求車システム100において実行される求荷求車プログラムによって提供される処理について説明する。
【0038】
<システム使用契約処理の説明>
まず、輸送業者端末3を使用している輸送業者は、輸送業者端末3からネットワーク1を介してサーバ2によって提供される契約画面にアクセスする。ここで、初期アクセスの場合、情報作成手段223は、求荷求車システム100の運営者と契約を締結するか否かについて選択するための契約画面(契約同意確認画面)を表示する処理を実行する。輸送業者の輸送業者端末3の操作に基づいて、契約画面において契約に同意することが選択された場合、情報作成手段223は、輸送業者と求荷求車システム100の運営者との契約情報を作成し、契約データベース231に格納する。続いて、情報作成手段223は、輸送業者名(ID)及びパスワードを含む輸送業者端末3の利用者(輸送業者)の情報及び運行状況検知端末4の利用者(輸送業者)の情報を、輸送業者端末3の利用者(輸送業者)の入力操作に基づいて作成し、契約データベース231に蓄積し、システム使用契約処理を終了する。一方、輸送業者の輸送業者端末3の操作に基づいて、契約画面において契約に同意することが選択されなかった場合も、システム使用契約処理を終了する。
【0039】
<ログイン処理の説明>
まず、輸送業者端末3を使用している利用者は、輸送業者端末3からネットワーク1を介してサーバ2にアクセスする。ここで、初期アクセスの場合、サーバ2において、当該利用者が正規利用者か否かを認証するためのログイン画面を表示する処理が実行される。このログイン画面に対して予め登録しておいた輸送業者名(ID)とパスワードを入力し、ログインを行い、これらIDとパスワードにより正規ユーザとして認証できれば、サーバ2の各種情報の入力画面などにアクセスできる。なお、以下では、ログインを完了したものとして各処理の説明をする。
【0040】
<求荷求車処理の説明>
次に、
図3を用いて、求荷求車処理の一例について説明する。輸送業者端末3A~3Dを使用している利用者(輸送業者A~D)が、輸送業者端末3A~3Dのそれぞれからネットワーク1を介してサーバ2に当初の配車組み情報の送信があった後、求荷求車要求があった場合、サーバ2の情報作成手段223は、配車組み情報を勤怠・動態管理データベース232に格納する。そして、サーバ2の運行計画情報作成手段222は、勤怠・動態管理データベース232に格納された配車組み情報のうち各輸送業者から求荷求車要求がされた配車組み情報における荷物情報を入れ換えてなる組み換え情報を作成する(情報格納及び組換処理)(ステップS1)。
【0041】
次に、運行計画情報作成手段222は、組み換え情報のうち、輸送車両の予想運行距離を示す予想運行距離の差異が所定範囲内の組み合わせ(たとえば、予想運行距離の差異が50km)の組み換え情報があるか否か判別し、予想運行距離の差異が所定範囲内の組み合わせとなっている組み換え情報をピックアップする(距離適性判別処理)(ステップS2)。
【0042】
続いて、運行管理情報作成手段221は、ステップS2の距離適性判別においてピックアップした組み換え情報における配車済運転手情報に含まれる労務情報が、労務関連の法令を遵守したものであるか否か判別し、労務関連の法令を遵守した組み換え情報をピックアップし、ピックアップした組み換え情報を、運行管理情報として作成し、勤怠・動態管理データベース232に格納する(労務適性判別処理)(ステップS3)。
【0043】
続いて、運行計画情報作成手段222は、ステップS3の労務適性判別において作成された運行管理情報に含まれる前記組み合わせの情報と、当初の配車組み情報と、についてそれぞれ輸送効率を算出する(ステップS4)。なお、輸送効率は、たとえば、上述の輸送効率を算出するための各式を用いて行う。
【0044】
続いて、運行計画情報作成手段222は、ステップS4で算出した輸送効率同士を比較し、運行管理情報に含まれる前記組み合わせの情報(新たな配車組み情報)と当初の配車組み情報との良否を判定する(ステップS5)。運行計画情報作成手段222により、当初の配車組み情報の輸送効率の方が新たに組み換えた配車組み情報よりもよいと判定された場合(ステップS5:YES)、本処理は終了する。
【0045】
一方、運行計画情報作成手段222により、当初の配車組み情報の輸送効率の方が新たに組み換えた配車組み情報よりも悪いと判定された場合(ステップS5:NO)、運行計画情報を作成し、作成した前記運行計画情報に関わる輸送業者端末3同士に、前記運行計画情報とともに、作成した前記運行計画情報の受け入れ依頼の情報(以下、スワップ依頼情報)を作成して送信する指示を通信部21に行う。そして、通信部21は、該当する輸送業者端末3に、スワップ依頼情報を送信する(ステップS6)。本処理の例では、輸送業者端末3A、3Cが該当する輸送業者端末3であり、該当しない輸送業者端末3B、3Dについての処理は終了する。ここで、運行計画情報とスワップ依頼情報とを受信した輸送業者端末3A、3Cの利用者の操作により、サーバ2に対してスワップ依頼を承諾するか否かの返答情報が送信される。
【0046】
次に、運行計画情報作成手段222は、輸送業者端末3からのスワップ依頼を承諾するか否かの返答情報に基づいて、前記運行計画情報に関わる輸送業者のすべてが前記運行計画について承諾したか否か(輸送業者の一方又は両方がスワップ依頼を拒否したか否か)判定する(ステップS7)。運行計画情報作成手段222により、輸送業者の一方又は両方がスワップ依頼を拒否したと判定された場合(ステップS7:YES)、本処理は終了する。
【0047】
一方、運行計画情報作成手段222により、輸送業者の一方又は両方がスワップ依頼を拒否したと判定されなかった場合(ステップS7:NO)、仮成約依頼情報及び荷物情報を該当する輸送業者の輸送業者端末3に通信部21を介して送信する(ステップS8)。本処理の例では、輸送業者端末3A、3Cが該当する輸送業者の輸送業者端末3である。ここで、仮成約依頼情報及び荷物情報を受信した輸送業者端末3A、3Cの利用者の操作により、サーバ2に対して仮成約依頼を承諾するか否かの返答情報が送信される。
【0048】
次に、運行計画情報作成手段222は、輸送業者端末3からの仮成約依頼を承諾するか否かの返答情報に基づいて、前記運行計画情報に関わる輸送業者の一方又は両方が仮成約依頼について拒否したか否か判定する(ステップS9)。運行計画情報作成手段222により、輸送業者の一方又は両方が仮成約依頼について拒否したと判定された場合(ステップS9:YES)、本処理は終了する。
【0049】
一方、運行計画情報作成手段222により、輸送業者の一方又は両方が仮成約依頼について拒否したと判定されなかった場合(ステップS9:NO)、成約通知情報を作成し、該当する輸送業者の輸送業者端末3に送信し、本処理は終了する(ステップS10)。本処理の例では、輸送業者端末3A、3Cが該当する輸送業者の輸送業者端末3である。
【0050】
なお、運行計画情報作成手段222が成約通知情報を輸送業者端末3に送信した場合、運行計画情報作成手段222、又は、成約通知情報を受信した輸送業者端末3(上記求荷求車処理の例では、輸送業者端末3A、3C)は、自動(設定されている場合)又は手動で、自社の運行状況検知端末4(上記求荷求車処理の例では、運行状況検知端末4A、4C)に、新たな配車組み情報である運行計画情報を送信するとともに、記憶部に記憶し管理する。これにより、運行状況検知端末4を保持している運転手は、新たな運行計画を知ることができ、この運行計画に基づいて新たな運行を実行する。
【0051】
上記構成の求荷求車システム100によれば、輸送業者(会社など)の枠を超えて輸送業者間で仕事の紹介が可能になるとともに、輸送効率のよい輸送を実現することができる。これにより、業界全体として、運転手の労務時間を考慮した上で、従来よりも無駄の少ない輸送、たとえば、従来に比べて使用燃料の低減化、輸送車両の使用頻度の適切化(輸送車両の寿命の引き延ばし)、などを実現でき、社会的意義のある効果を奏することができる。
【0052】
また、上記構成の求荷求車システム100によれば、自動的に輸送効率のよい配車組み情報を作成することができ、作成結果も記録されることになる。これにより、各輸送業者は、輸送効率のよい配車組み情報に当初の配車組み情報が変更されることになっても、手間がかからずに管理することができる。
【0053】
また、上記構成の求荷求車システム100によれば、各輸送の仕事に対する最適または最適に準ずる配車組み(どの車両を選択するか、労働時間を考慮してどの運転手に対応してもらうかの選択)を効率よく行うことができる。すなわち、求荷求車システム100によれば、各輸送会社は運行計画の情報を見てから新たな配車組みを行うか否かを決定できる。たとえば、各社は、複数の運行計画の情報がある場合、その複数の運行計画の情報を見て、自社の車両資源(実際に稼動可能な車両)および運転手資源(実際に稼働可能な運転手)を最大限に使用(利用)する運行計画を選定することも可能であるし、車両資源は最大限に使用(利用)するが、運転手資源は無理のないように(たとえば、残業時間が極力少なくなるように)使用(利用)する運行計画を選定することも可能となる。
【0054】
(他の実施形態)
上記実施形態においては、運行管理情報作成手段によって運転手の労務時間が法令通り遵守される状態になるようにして、運行計画情報作成手段において新たな配車組み情報を作成するものであったが、これに限られない。たとえば、運転手の労務時間が法令通り遵守される状態になる新たな配車組み情報とできることが明白である場合には、運行管理情報作成手段を機能させずに、すなわち、運行管理情報を必要とせずに、運行計画情報作成手段が、勤怠・動態管理データベース内の当初の配車組み情報に基づいて、輸送業者の荷物を所定の効率以上となる状態に入れ換えられた運行計画情報を作成するものであってもよい。
【0055】
上記実施形態においては、運行計画情報作成手段によって作成された運行計画について、該当する輸送業者の承諾が必要であったが、各輸送業者が予め設定することによって、自動的に運行計画が成約されるようにしてもよい。
【0056】
前記実施形態では、所定の輸送効率以上となる状態になるように運行計画を作成する場合について説明したが、これに限られない。たとえば、運行計画情報作成手段によって、所定の利益以上、所定の利益の指標以上、または、所定の配車効率以上などとなる状態になるように荷物情報を入れ換えた新たな配車組み情報を含む運行計画情報を作成するようにしてもよい。ここで、たとえば、上述の所定の利益の指標の一例である生産性を示す対距離生産性係数または対時間生産性係数についての算出式としては、以下のものが挙げられる。たとえば、対距離生産性係数については、対距離生産性係数=[積載走行距離(積地~卸地の距離から計算)/総走行距離(車庫地~積地~卸地~車庫地または次の積地の距離から計算)]の式を用いて算出する。対時間生産性係数ついては、対時間生産性係数=[積載走行時間(積地~卸地の距離から計算)/総走行時間(車庫地~積地~卸地~車庫地または次の積地の距離から計算)]などの式を用いる。ここで、距離から時間への変換は、地図ソフトなどにおけるルートデータ(たとえば、一般道および高速の各距離値)をあらかじめ設定しておいた車両の平均速度値(たとえば、一般道および高速での車両の平均速度値)で割り算することによって行う。
【0057】
なお、たとえば、運行計画情報作成手段によって、既存の配車組みに対して新たな配車組み(運行計画)の回送距離が50km以上小さくなるような運行計画情報が作成された場合、上述の対距離生産性係数または/および対時間生産性係数の算出処理を実行し、上述の対距離生産性係数または/および対時間生産性係数の情報を運行計画情報に関連付けるようにしてもよい。このとき、作成された運行計画情報が複数存在する場合、該当する輸送業者端末において、対距離生産性係数または/および対時間生産性係数(生産性)が高い運行計画情報から順にならべて表示し、表示された運行計画情報の中から輸送業者が自由選択できるようにしてもよい。
【0058】
また、運行計画情報作成手段によって、上述の所定の利益の一例である粗利(売上総利益)を算出して、粗利の情報を運行計画情報に関連付けるようにしてもよい。この粗利は、収受運賃(売上)から運送原価(人件費・燃料油脂費・修繕費・減価償却費など)を引き算する処理によって算出することができる。ここで、作成された運行計画情報が複数存在する場合、[粗利/走行距離]または/および[粗利/労働時間]を算出し、該当する輸送業者端末において、算出した値が高いものから順に運行計画情報をならべて表示し、表示された運行計画情報の中から輸送業者が自由選択できるようにしてもよい。
【0059】
また、運行計画情報作成手段によって、上述の所定の利益の一例である営業損益を算出して、営業損益の情報を運行計画情報に関連付けるようにしてもよい。この営業損益は、上述の粗利(売上総利益)から一般管理費を引き算する処理によって算出することができる。ここで、作成された運行計画情報が複数存在する場合、[営業損益/走行距離]または/および[営業損益/労働時間]を算出し、該当する輸送業者端末において、この算出した値が高いものから順に運行計画情報をならべて表示し、表示された運行計画情報の中から輸送業者が自由選択できるようにしてもよい。
【0060】
また、運行計画情報作成手段によって、上述のようにならべた対距離生産性係数または/および対時間生産性係数、並びに、粗利または/および営業損益の平均順位が最大となる運行計画情報を選択し、この選択された運行計画情報を該当する輸送業者端末に送信して表示し、運行計画情報を紹介するようにしてもよい。
【0061】
また、ここでの配車効率とは、目的地に差し向ける自社の車両および自社の運転手の使用効率のことであり、自社の車両の最大稼動可能時間(たとえば、1日15時間稼動可能など自社で規定した時間)および自社の運転手の最大稼働可能時間(法定のもの)と同一に近ければ近いほど配車効率が良いと判断する指標である。この配車効率については、たとえば、運行計画情報作成手段によって、以下のように評価させてもよい。すなわち、自社の車両の最大稼動可能時間と自社の運転手の最大稼働可能時間とを加算して算出した値に対して、運行計画の配車組みの車両の稼動予定時間と当該運行計画の運転手の稼働予定時間とを加算して算出した値が、30分以内の場合は5点、60分以内の場合は4点、90分以内の場合は3点、120分以内の場合は2点、150分以内の場合は1点、その他の場合は0点、のように点数化して評価させ、この評価を経営効率指標に含ませてもよい。
【0062】
輸送業者端末3において労務時間などの情報に変更があるたびに、輸送業者端末3から自動送信し、勤怠・動態管理データベース232に情報を蓄積するようにしてもよい。
【0063】
前記実施形態においては、2つの輸送業者の荷物情報の入れ換えによる新たな配車組み情報の作成を行うものであったが、3つ以上の輸送業者の荷物情報の入れ換えによる新たな配車組み情報の作成を行うものであってもよい。たとえば、A→B→C→D→Aのように、玉突き状態で荷物情報が入れ換えになるような場合も含まれるし、これ以外の様々な荷物情報の入れ換えによる新たな配車組み情報を含む運行計画の作成がされてもよい。
【0064】
また、荷物情報の相互入れ換えができなくても、単に求荷するだけ、単に求車するだけの結果になることがあるシステムであってもよい。このとき、単に求荷するだけとなった輸送業者に対しては、次回の荷物情報の入れ換えにおいて、優先されるようにしてもよい。
【0065】
また、荷姿(たとえば、パレット単位なのか、個々のダンボール箱単位なのか、など)の情報を荷物情報に含ませ、荷姿ごとに入れ換え対象となる配車組み情報が選択されるようにしてもよい。
【0066】
また、輸送業者端末3において、所定の運賃(たとえば、当初の配車組み情報に含まれる運賃)以上のものでないと、相手方の配車組み情報を入れ換え対象として選択しない設定ができるようにしてもよい。
【0067】
また、複数の荷物情報の入れ換え候補がある場合、輸送業者端末3において効率のよい順に並べて表示されるようにしてもよい。
【0068】
また、情報作成手段によって、輸送効率または利益などの効率を点数化してなる効率評価、各輸送業者間で評価しあって得られる輸送実績評価などを含む指標(経営効率指標)をデータ化させ、複数の荷物情報の入れ換え候補がある場合、輸送業者端末3において経営効率指標の高い順に並べて表示されるようにしてもよいし、自動的に経営効率指標の高い順に運行計画を作成し、該当する輸送業者の輸送業者端末3に情報を送信して紹介してもよい。
【0069】
また、上記実施形態において、輸送業者は受注者にも発注者にもなりうる。すなわち、運賃の支払側、請求側どちらにもなりうるため、1ヶ月ごと、3ヶ月ごとなどで支払い額と請求額とを相殺して、まとめ決済ができるようにしてもよい。
【0070】
また、上記実施形態においては、予想運行距離の差異の情報を用いて距離適性判別を行ったが、これに限られない。たとえば、予想運行時間の差異の情報を用いて、予想運行時間の差異が所定範囲内(たとえば1時間)であるか否かによって運行時間適性判別を行ってもよい。ここで、予想運行時間の差異は、たとえば、地図ソフトなどの車両での移動にかかる時間のデータを用いて算出することができる。また、運行時間適性判別を行う場合、運行計画情報作成手段によって、予想運行時間の差異が、10分以内の場合は5点、20分以内の場合は4点、30分以内の場合は3点、40分以内の場合は2点、50分以内の場合は1点、その他の場合は0点、のように点数化して評価させ、この評価を経営効率指標に含ませてもよい。
【0071】
また、上記実施形態の距離適性判別においては、予想運行距離の差異が所定範囲(たとえば、50km)以内であるか否かで判別を行ったが、これに限られない。たとえば、運行計画情報作成手段によって、予想運行距離の差異が、10km以内の場合は5点、20km以内の場合は4点、30km以内の場合は3点、40km以内の場合は2点、50km以内の場合は1点、50kmを超える場合は0点、のように点数化して評価させ、この評価を経営効率指標に含ませてもよい。
【0072】
また、上記実施形態の労務適性判別においては、労務関連の法令を遵守したものであるか否かを判別するものであったが、これに限られない。たとえば、運行管理情報作成手段によって、労務関連の法令で定められた1ヶ月の総労働時間の上限値から、労働時間が10時間減少するごとに1点ずつ付与することによって点数化して評価させ、この評価を経営効率指標に含ませてもよい。
【0073】
また、上記実施形態においては、過去に一度以上、荷物を交換して取引した輸送会社同士が優先してマッチングされる処理がされてもよい。このとき、これら輸送会社同士の評価がお互いにいい評価(たとえば、5段階評価で4以上)であることを条件に、優先してマッチングされるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 ネットワーク
2 サーバ
3、3A、3B、3C、3D 輸送業者端末
4、4A、4B、4C、4D 運行状況検知端末
21 通信部
22 制御部
23 データベース
100 求荷求車システム
221 運行管理情報作成手段
222 運行計画情報作成手段
223 情報作成手段
231 契約データベース
232 動態管理データベース
233 業務管理データベース
234 Webサイト構成データベース