(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022098403
(43)【公開日】2022-07-01
(54)【発明の名称】ドラムユニット
(51)【国際特許分類】
G03G 21/18 20060101AFI20220624BHJP
【FI】
G03G21/18 114
G03G21/18 157
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086048
(22)【出願日】2021-05-21
(31)【優先権主張番号】P 2020211180
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100195224
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 宏憲
(72)【発明者】
【氏名】古川 昌昭
(72)【発明者】
【氏名】住田 純也
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 茉莉花
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA04
2H171FA09
2H171FA17
2H171GA09
2H171GA12
2H171JA23
2H171JA31
2H171JA34
2H171JA48
2H171KA06
2H171KA07
2H171KA12
2H171KA22
2H171KA23
2H171KA25
2H171KA26
2H171KA27
2H171LA08
2H171QA02
2H171QA08
2H171QB15
2H171QB32
2H171QC03
2H171QC23
2H171QC24
2H171SA10
2H171SA18
2H171SA22
2H171SA26
(57)【要約】
【課題】第2クリーニングローラとクリーニング部材の位置精度を高めることができるドラムユニットを提供する。
【解決手段】ドラムユニットは、感光ドラムと、回転可能な第1シャフト111を有し、感光ドラムの周面と接触する第1クリーニングローラ110と、回転可能な第2シャフト121を有し、第1クリーニングローラ110の周面と接触する第2クリーニングローラ120と、第1シャフト111の一端部111Aが嵌る第1穴171A、および、第2シャフト121の一端部121Aが嵌る第2穴172Aを有する第1軸受B1と、第2シャフト121の一端部121Aが嵌る第3穴181Aを有する第2軸受B2と、第2クリーニングローラ120の周面と接触するクリーニングパッド130(クリーニング部材)と、クリーニングパッド130を支持するプレート160と、プレート160を第2軸受B2に固定する第1ネジ191とを備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びるドラム軸について回転可能な感光ドラムと、
前記第1方向に延びる第1軸について回転可能な第1シャフトを有する第1クリーニングローラであって、前記感光ドラムの周面と接触する第1クリーニングローラと、
前記第1方向に延びる第2軸について回転可能な第2シャフトを有する第2クリーニングローラであって、前記第1クリーニングローラの周面と接触する第2クリーニングローラと、
前記第1方向における前記第1シャフトの一端部が嵌る第1穴と、前記第1方向における前記第2シャフトの一端部が嵌る第2穴と、を有する第1軸受と、
前記第1方向における前記第2シャフトの前記一端部が嵌る第3穴を有する第2軸受と、
前記第2クリーニングローラの周面と接触するクリーニング部材と、
前記クリーニング部材を支持するプレートと、
前記プレートを前記第2軸受に固定する第1ネジと、を備えることを特徴とするドラムユニット。
【請求項2】
前記クリーニング部材は、クリーニングパッドであることを特徴とする請求項1に記載のドラムユニット。
【請求項3】
前記クリーニングパッドは、前記第1方向と交差する第2方向において、前記第2クリーニングローラと前記プレートの間に位置することを特徴とする請求項2に記載のドラムユニット。
【請求項4】
前記プレートは、前記第1ネジが通る開口であって、前記第2方向に貫通する開口を有し、
前記第2軸受は、前記第1ネジが固定されるネジ穴を有することを特徴とする請求項3に記載のドラムユニット。
【請求項5】
前記第2方向は、前記第1方向と直交することを特徴とする請求項3または請求項4に記載のドラムユニット。
【請求項6】
前記クリーニングパッドを前記プレートに接着する接着テープであって、前記第2方向において、前記クリーニングパッドと前記プレートの間に位置する接着テープをさらに備えることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載のドラムユニット。
【請求項7】
前記第1クリーニングローラは、前記感光ドラムの周面の紙粉をクリーニングし、
前記第2クリーニングローラは、前記第1クリーニングローラの周面の紙粉をクリーニングし、
前記クリーニングパッドは、前記第2クリーニングローラの周面の紙粉をクリーニングすることを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか1項に記載のドラムユニット。
【請求項8】
前記クリーニングパッドは、シリコンゴムからなることを特徴とする請求項2から請求項7のいずれか1項に記載のドラムユニット。
【請求項9】
前記クリーニングパッドは、前記第2クリーニングローラの周面と接触する角部を有することを特徴とする請求項8に記載のドラムユニット。
【請求項10】
前記角部の角度は、10度以上170度以下であることを特徴とする請求項9に記載のドラムユニット。
【請求項11】
前記第2軸受は、
前記第2シャフトの径方向に突出する第1凸部と、
前記第2シャフトの径方向に突出する第2凸部であって、前記第2シャフトの周方向において、前記第1凸部から離れて位置する第2凸部と、を有し、
前記第1軸受は、
前記第1凸部が嵌る第1凹部と、
前記第2凸部が嵌る第2凹部と、を有することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のドラムユニット。
【請求項12】
前記感光ドラムの周面から前記第1クリーニングローラにより回収した紙粉を収容する筐体と、
前記感光ドラムおよび前記筐体を支持するドラムフレームと、をさらに備え、
前記ドラムフレームは、前記筐体が前記ドラムフレームに支持されている状態で、前記筐体の一部を露出させるフレーム開口を有することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のドラムユニット。
【請求項13】
前記ドラムフレームは、前記フレーム開口を複数有し、
複数の前記フレーム開口は、前記第1方向に間隔を隔てて位置することを特徴とする請求項12に記載のドラムユニット。
【請求項14】
前記第1方向における前記第1シャフトの他端部が嵌る第4穴と、前記第1方向における前記第2シャフトの他端部が嵌る第5穴と、を有する第3軸受と、
前記第1方向における前記第2シャフトの前記他端部が嵌る第6穴を有する第4軸受と、
前記プレートを前記第4軸受に固定する第2ネジと、をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のドラムユニット。
【請求項15】
前記第4軸受の形状は、前記第2軸受の形状と同じであることを特徴とする請求項14に記載のドラムユニット。
【請求項16】
前記第3軸受の形状は、前記第1軸受の形状と同じであることを特徴とする請求項14または請求項15に記載のドラムユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、感光ドラムをクリーニングする第1クリーニングローラ、第2クリーニングローラおよびクリーニング部材を備えるドラムユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドラムユニットとして、感光ドラムと、感光ドラムをクリーニングする第1クリーニングローラと、第1クリーニングローラの周面と接触する第2クリーニングローラと、第2クリーニングローラの周面と接触するクリーニング部材と、第1クリーニングローラと第2クリーニングローラを支持する軸受と、クリーニング部材と軸受を保持するホルダとを備えるものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の構成は、1つの軸受で第1クリーニングローラと第2クリーニングローラを支持していたので、第1クリーニングローラと第2クリーニングローラの位置精度が高い。一方で、第1クリーニングローラ、第2クリーニングローラおよびクリーニング部材によるクリーニング性能を高めるには、第2クリーニングローラとクリーニング部材の位置精度も高いことが望ましい。
【0005】
そこで、第2クリーニングローラとクリーニング部材の位置精度を高めることができるドラムユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するためのドラムユニットは、第1方向に延びるドラム軸について回転可能な感光ドラムと、第1方向に延びる第1軸について回転可能な第1シャフトを有する第1クリーニングローラであって、感光ドラムの周面と接触する第1クリーニングローラと、第1方向に延びる第2軸について回転可能な第2シャフトを有する第2クリーニングローラであって、第1クリーニングローラの周面と接触する第2クリーニングローラと、第1方向における第1シャフトの一端部が嵌る第1穴、および、第1方向における第2シャフトの一端部が嵌る第2穴を有する第1軸受と、第1方向における第2シャフトの一端部が嵌る第3穴を有する第2軸受と、第2クリーニングローラの周面と接触するクリーニング部材と、クリーニング部材を支持するプレートと、プレートを第2軸受に固定する第1ネジと、を備える。
【0007】
この構成によれば、第1軸受によって第1クリーニングローラと第2クリーニングローラの位置精度を高めることができる。さらに、第2クリーニングローラを支持する第2軸受と、クリーニング部材を支持するプレートが第1ネジによって固定されることで、第2クリーニングローラとクリーニング部材の位置精度を高めることができる。
【0008】
また、クリーニング部材は、クリーニングパッドである構成とすることができる。
【0009】
また、クリーニングパッドは、第1方向と交差する第2方向において、第2クリーニングローラとプレートの間に位置する構成とすることができる。
【0010】
これによれば、第2方向において、クリーニングパッドが第2クリーニングローラから受ける反力をプレートで受けることができるので、クリーニングパッドが第2クリーニングローラから離れようとするのを抑えることができる。
【0011】
また、プレートは、第1ネジが通る開口であって、第2方向に貫通する開口を有し、第2軸受は、第1ネジが固定されるネジ穴を有する構成とすることができる。
【0012】
これによれば、第2方向において、クリーニングパッドを第2クリーニングローラに押し当てる方向に第1ネジを締め付けることができる。これにより、第2クリーニングローラから反力を受けるクリーニングパッドが第2クリーニングローラから離れようとするのを抑えて、クリーニングパッドを第2クリーニングローラの周面にしっかり接触させることができる。
【0013】
また、第2方向は、第1方向と直交する構成とすることができる。
【0014】
また、ドラムユニットは、クリーニングパッドをプレートに接着する接着テープであって、第2方向において、クリーニングパッドとプレートの間に位置する接着テープをさらに備える構成とすることができる。
【0015】
これによれば、第2方向において、クリーニングパッドが第2クリーニングローラから受ける反力によりクリーニングパッドが接着テープを介してプレートに押し当てられるので、接着テープで接着した場合に、クリーニングパッドがプレートから剥がれにくい。
【0016】
また、第1クリーニングローラは、感光ドラムの周面の紙粉をクリーニングし、第2クリーニングローラは、第1クリーニングローラの周面の紙粉をクリーニングし、クリーニングパッドは、第2クリーニングローラの周面の紙粉をクリーニングする構成とすることができる。
【0017】
また、クリーニングパッドは、シリコンゴムからなる構成とすることができる。
【0018】
また、クリーニングパッドは、第2クリーニングローラの周面と接触する角部を有する構成とすることができる。
【0019】
これによれば、クリーニングパッドと第2クリーニングローラの周面を線接触させることができるので、第2クリーニングローラの周面の付着物を、シリコンゴム製のクリーニングパッドでしっかりと掻き取ることができる。
【0020】
また、角部の角度は、10度以上170度以下である構成とすることができる。
【0021】
また、第2軸受は、第2シャフトの径方向に突出する第1凸部と、第2シャフトの径方向に突出する第2凸部であって、第2シャフトの周方向において、第1凸部から離れて位置する第2凸部と、を有し、第1軸受は、第1凸部が嵌る第1凹部と、第2凸部が嵌る第2凹部と、を有する構成とすることができる。
【0022】
これによれば、ドラムユニットを製造する際に、第1凸部と第1凹部、および、第2凸部と第2凹部をそれぞれ嵌め合わせることで、第1軸受と第2軸受の相対回転を抑制して第1軸受と第2軸受の位置を仮決めすることができる。これにより、ドラムユニットの組み立てを容易にすることができる。
【0023】
また、ドラムユニットは、感光ドラムの周面から第1クリーニングローラにより回収した紙粉を収容する筐体と、感光ドラムおよび筐体を支持するドラムフレームと、をさらに備え、ドラムフレームは、筐体がドラムフレームに支持されている状態で、筐体の一部を露出させるフレーム開口を有する構成とすることができる。
【0024】
これによれば、筐体のサイズを大きくすることができるので、筐体の、紙粉を収容する部分の容量を大きくすることができる。
【0025】
また、ドラムフレームは、フレーム開口を複数有し、複数のフレーム開口は、第1方向に間隔を隔てて位置する構成とすることができる。
【0026】
これによれば、ドラムフレームの剛性を確保しつつ、筐体の、紙粉を収容する部分の容量を大きくすることができる。
【0027】
また、ドラムユニットは、第1方向における第1シャフトの他端部が嵌る第4穴、および、第1方向における第2シャフトの他端部が嵌る第5穴を有する第3軸受と、第1方向における第2シャフトの他端部が嵌る第6穴を有する第4軸受と、プレートを第4軸受に固定する第2ネジと、をさらに備える構成とすることができる。
【0028】
これによれば、第1軸受および第3軸受によって第1クリーニングローラと第2クリーニングローラの位置精度をより高めることができる。また、第2クリーニングローラを支持する第2軸受および第4軸受と、プレート160が第1ネジおよび第2ネジによって固定されることで、第2クリーニングローラとクリーニング部材の位置精度をより高めることができる。
【0029】
また、第4軸受の形状は、第2軸受の形状と同じである構成とすることができる。
【0030】
これによれば、第2軸受と第4軸受が共通の部品となるので、ドラムユニットの製造に必要な部品の種類を減らすことができる。
【0031】
また、第3軸受の形状は、第1軸受の形状と同じである構成とすることができる。
【0032】
これによれば、第1軸受と第3軸受が共通の部品となるので、ドラムユニットの製造に必要な部品の種類を減らすことができる。
【発明の効果】
【0033】
本開示のドラムユニットによれば、第2クリーニングローラとクリーニング部材の位置精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】実施形態のドラムユニットの一例としてのドラムカートリッジを備える画像形成装置の断面図である。
【
図2】ドラムカートリッジの感光ドラム付近を拡大して示す断面図である。
【
図3】クリーニングユニットのクリーニングパッド付近を拡大して示す図である。
【
図4】ドラムカートリッジを裏返した状態で示す斜視図である。
【
図7】第1軸受および第2軸受と、その周辺の部材を示す斜視図である。
【
図8】第3軸受および第4軸受と、その周辺の部材を示す斜視図である。
【
図9】第1軸受を示す側面図(a)と、第2軸受を示す側面図(b)と、第2軸受を第1軸受に組み付けた状態の側面図(c)である。
【
図10】クリーニングユニットの第1ネジ付近の断面図である。
【
図11】クリーニングユニットの断面図(a)と、側面図(b)である。
【
図12】感光ドラム、第1クリーニングローラ、第2クリーニングローラおよびクリーニングパッドを示す図である。
【
図13】変形例のクリーニング部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
次に、ドラムユニットの一実施形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、画像形成装置1は、本体筐体2と、シート供給部3と、露光装置4と、ドラムユニットの一例としてのドラムカートリッジ6と、現像カートリッジ7と、定着装置8とを備える。本体筐体2は、開閉可能なフロントカバー21を有している。
【0036】
シート供給部3は、本体筐体2内の下部に位置する。シート供給部3は、シートトレイ31と、圧板32と、シート供給機構33とを備える。シートトレイ31は、本体筐体2に着脱可能である。シート供給部3は、シートトレイ31に収容されたシートSを圧板32によりシート供給機構33に寄せ、シート供給機構33により1枚ずつドラムカートリッジ6(後述する感光ドラム61と転写ローラ63の間)に向けて供給する。
【0037】
露光装置4は、本体筐体2内の上部に位置する。露光装置4は、図示しない光源装置、符号を省略して示すポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備える。露光装置4は、仮想線で示す光ビームを感光ドラム61の表面に照射することで、感光ドラム61の表面を露光する。
【0038】
ドラムカートリッジ6は、露光装置4の下方に位置する。ドラムカートリッジ6は、フロントカバー21を開いた状態で本体筐体2の本体開口を通して本体筐体2に着脱可能である。ドラムカートリッジ6は、感光ドラム61と、帯電器62と、転写ローラ63とを備える。
【0039】
現像カートリッジ7は、ドラムカートリッジ6に着脱可能である。現像カートリッジ7は、ドラムカートリッジ6に装着された状態で本体筐体2に着脱可能である。現像カートリッジ7は、現像ローラ71と、供給ローラ72と、層厚規制ブレード73と、トナーを収容するトナー収容部74と、アジテータ75とを備える。アジテータ75は、トナー収容部74に収容されたトナーを供給ローラ72に供給する。供給ローラ72は、供給ローラ72に供給されたトナーを供給ローラ72の回転により現像ローラ71に供給する。現像ローラ71は、現像ローラ71に供給されたトナーを現像ローラ71の回転により現像ローラ71と層厚規制ブレード73の間に進入させる。層厚規制ブレード73は、現像ローラ71上にトナーを一定の厚さの薄層として担持させる。
【0040】
定着装置8は、ドラムカートリッジ6の後方に位置する。定着装置8は、加熱ユニット81と、加圧ローラ82とを備える。加熱ユニット81は、符号を省略して示すヒータ、定着ベルト、ニップ板などを有する。加圧ローラ82は、加熱ユニット81に押圧され、加熱ユニット81のニップ板との間で定着ベルトを挟持する。
【0041】
帯電器62は、感光ドラム61の表面を一様に帯電する。露光装置4は、感光ドラム61の表面を露光することで、感光ドラム61上に画像データに基づく静電潜像を形成する。現像ローラ71は、現像ローラ71上に担持されたトナーを、感光ドラム61上の静電潜像に供給することで、感光ドラム61上にトナー像を形成する。
【0042】
感光ドラム61と転写ローラ63は、シート供給部3から供給されたシートSを感光ドラム61と転写ローラ63との間で搬送する。このとき、転写ローラ63は、感光ドラム61上のトナー像をシートSに転写する。加熱ユニット81と加圧ローラ82は、トナー像が転写されたシートSを加熱ユニット81と加圧ローラ82との間で搬送する。このとき、加熱ユニット81と加圧ローラ82は、トナー像をシートSに定着する。搬送ローラ23と排出ローラ24は、トナー像が定着されたシートSを排出トレイ22上に排出する。
【0043】
図2に示すように、ドラムカートリッジ6は、感光ドラム61などのほか、クリーニングユニット64と、ドラムフレーム65とをさらに備える。
【0044】
感光ドラム61は、第1方向(
図4参照)に延びるドラム軸61Aについて回転可能である。本実施形態では、第1方向は、画像形成装置1の左右方向と同じ方向である。感光ドラム61は、金属からなる円筒状の素管61Bと、素管61Bの外周面に塗布された感光層61Cとを有している。
【0045】
ドラムフレーム65は、感光ドラム61およびクリーニングユニット64の後述する筐体150を支持する。ドラムフレーム65は、感光ドラム61を回転可能に支持する。
【0046】
クリーニングユニット64は、感光ドラム61の周面に付着した紙粉をクリーニングする。クリーニングユニット64は、第1クリーニングローラ110と、第2クリーニングローラ120と、クリーニング部材の一例としてのクリーニングパッド130と、クリーニングシート140と、筐体150とを備える。
【0047】
第1クリーニングローラ110は、感光ドラム61の周面の紙粉をクリーニングする。詳しくは、第1クリーニングローラ110は、感光ドラム61の周面に付着した粉状の紙粉を回収する。第1クリーニングローラ110は、第1シャフト111と、第1ローラ本体112とを有する。第1シャフト111は、第1方向に延びる第1軸A1について回転可能である。第1シャフト111は、金属からなる。第1ローラ本体112は、導電性を有するゴムなどからなり、第1シャフト111を覆うように形成されている。一例として、第1ローラ本体112は、発泡シリコンゴムからなる。第1クリーニングローラ110は、第1ローラ本体112の周面が感光ドラム61の周面と接触する。
【0048】
第2クリーニングローラ120は、第1クリーニングローラ110の周面の紙粉をクリーニングする。詳しくは、第2クリーニングローラ120は、第1クリーニングローラ110の周面に付着した紙粉を回収する。第2クリーニングローラ120は、第2シャフト121と、第2ローラ本体122とを有する。第2シャフト121は、第1方向に延びる第2軸A2について回転可能である。第2シャフト121および第2ローラ本体122は、金属からなり、一体に形成されている。第2クリーニングローラ120は、第2ローラ本体122の周面が第1クリーニングローラ110の第1ローラ本体112の周面と接触する。
【0049】
クリーニングパッド130は、第2クリーニングローラ120の周面の紙粉をクリーニングする。詳しくは、クリーニングパッド130は、第2クリーニングローラ120の周面に付着した紙粉を掻き取る。クリーニングパッド130により第2クリーニングローラ120の周面から掻き取られた紙粉は、筐体150の紙粉収容部151内に収容される。クリーニングパッド130は、第1方向に長い直方体状の部材であり、シリコンゴムからなる。
【0050】
クリーニングパッド130は、第2クリーニングローラ120の周面と接触する。詳しくは、
図3に示すように、クリーニングパッド130は、角部131を有する。クリーニングパッド130は、角部131が第2クリーニングローラ120の第2ローラ本体122の周面と接触する。クリーニングパッド130を第1方向に直交する平面で切断した断面における、角部131の角度θは、10度以上170度以下であることが好ましい。より好ましくは、角部131の角度θは、45度以上135度以下である。さらに好ましくは、角部131の角度θは、80度以上100度以下である。最も好ましくは、角部131の角度θは、90度である。
【0051】
本実施形態では、角部131の角度θは、略90度である。角部131の角度θが90度に近いことで、シリコンゴムからなる直方体状のクリーニングパッド130を製造しやすくなる。なお、
図3などでは、クリーニングパッド130の角部131と第2クリーニングローラ120を重ねて図示しているが、実際には、クリーニングパッド130は、角部131が第2クリーニングローラ120の周面に押し当てられて潰れるように弾性変形している。
【0052】
図2に戻り、クリーニングシート140は、感光ドラム61の周面の紙粉をクリーニングする。詳しくは、クリーニングシート140は、感光ドラム61の周面に付着した繊維状の紙粉を回収する。クリーニングシート140は、第1方向に長い植毛布141を有する。クリーニングシート140は、植毛布141が感光ドラム61の周面と接触する。
【0053】
筐体150は、第1クリーニングローラ110、第2クリーニングローラ120、クリーニングパッド130およびクリーニングシート140を支持する。詳しくは、筐体150は、後述する軸受B1~B4(
図6参照)を介して第1クリーニングローラ110および第2クリーニングローラ120を回転可能に支持する。また、筐体150は、後述するプレート160を介してクリーニングパッド130を支持する。
【0054】
筐体150は、第1クリーニングローラ110などにより感光ドラム61の周面から回収した紙粉を収容する紙粉収容部151を有する。また、筐体150は、紙粉収容部151を有する第1筐体152と、第1筐体152に組み付けられる第2筐体153とを有する。
【0055】
ここで、
図4にドラムカートリッジ6を裏返した状態で示す。
図4に示すように、ドラムフレーム65は、フレーム開口65Aを有する。詳しくは、ドラムフレーム65は、フレーム開口65Aを複数有している。具体的には、ドラムフレーム65は、4つのフレーム開口65Aを有している。各フレーム開口65Aは、第1方向に長い矩形状を有している。複数のフレーム開口65Aは、第1方向に間隔を隔てて位置する。隣り合うフレーム開口65Aの間の部分は、ドラムフレーム65の壁の一部を構成する。
【0056】
フレーム開口65Aは、クリーニングユニット64の筐体150がドラムフレーム65に支持されている状態で、筐体150の一部を露出させる。詳しくは、
図2に示すように、筐体150は、ドラムフレーム65に支持されている状態で、第1筐体152の一部である底部152Bがフレーム開口65Aに入り込んでいる。さらに言えば、第1筐体152の底部152Bは、フレーム開口65Aからドラムフレーム65の外側面よりも外側に突出している。
【0057】
図5および
図6に示すように、クリーニングユニット64は、プレート160と、第1軸受B1と、第2軸受B2と、第3軸受B3と、第4軸受B4とをさらに備える。
【0058】
プレート160は、クリーニングパッド130を支持する。プレート160は、金属板からなる略L字形状の部材である。詳しくは、プレート160は、支持部160Aと、クリーニングパッド130を覆うように延びる延出部160Bとを有する。クリーニングユニット64は、
図3に示すように、クリーニングパッド130をプレート160に接着する接着テープ135をさらに備える。プレート160は、接着テープ135によりクリーニングパッド130が支持部160Aに貼り付けられることで、クリーニングパッド130を支持する。
【0059】
クリーニングパッド130は、第2方向において、第2クリーニングローラ120と、プレート160の支持部160Aとの間に位置する。第2方向は、第1方向と交差する方向である。本実施形態では、第2方向は、第1方向と直交する。接着テープ135は、第2方向において、クリーニングパッド130と、プレート160の支持部160Aとの間に位置する。
【0060】
図7および
図8に示すように、プレート160の支持部160Aは、開口としての第1開口161と、第2開口162と、第3開口163と、第4開口164とを有している。また、ドラムカートリッジ6は、プレート160を第2軸受B2に固定する第1ネジ191と、プレート160を第4軸受B4に固定する第2ネジ192とをさらに備える。
【0061】
図7に示すように、第1開口161および第3開口163は、第1方向における支持部160Aの一端部に位置する。第1開口161および第3開口163は、第2方向に貫通する穴である。第1開口161は、第1ネジ191が通る穴である。第3開口163は、第2軸受B2の後述するボス186が嵌る穴である。第1開口161は、第3開口163よりも延出部160Bから遠い位置に位置する。
【0062】
図8に示すように、第2開口162および第4開口164は、第1方向における支持部160Aの他端部に位置する。第2開口162および第4開口164は、第2方向に貫通するとともに、第1方向における支持部160Aの他端側(
図8の手前側)に向けて開口する切欠である。第2開口162は、第2ネジ192が通る切欠である。本実施形態では、第2ネジ192の形状は、第1ネジ191の形状と同じである。また、第2ネジ192のサイズは、第1ネジ191のサイズと同じである。第4開口164は、第4軸受B4のボス186が嵌る切欠である。第2開口162は、第4開口164よりも延出部160Bから遠い位置に位置する。
【0063】
なお、第2開口162および第4開口164が第1方向に開口する切欠であることで、第1方向における、第1開口161と第2開口162の寸法誤差や、第3開口163と第4開口164の寸法誤差を吸収することができる。また、第1方向におけるプレート160の線膨張を吸収することができる。
【0064】
図7および
図8に示すように、第1軸受B1および第3軸受B3は、第1クリーニングローラ110と第2クリーニングローラ120を回転可能に支持する。詳しくは、第1軸受B1は、第1クリーニングローラ110と第2クリーニングローラ120の第1方向における一端部を回転可能に支持する。また、第3軸受B3は、第1クリーニングローラ110と第2クリーニングローラ120の第1方向における他端部を回転可能に支持する。
【0065】
本実施形態では、第3軸受B3の形状は、第1軸受B1の形状と同じである。また、第3軸受B3のサイズは、第1軸受B1のサイズと同じである。すなわち、第1軸受B1と第3軸受B3は、共通の部品である。以下では、第1軸受B1について詳細に説明し、第3軸受B3については第1軸受B1と同様の構成要素に同一の符号を付し、第1軸受B1と異なる点について説明する。
【0066】
図9(a)に示すように、第1軸受B1は、第1軸A1と第2軸A2を含む平面PLに関して対称な形状を有する。第1軸受B1は、第1軸受部171と、第2軸受部172と、連結部173と、第1リブ174と、第2リブ175と、第1突起176と、第2突起177とを有している。
【0067】
第1軸受部171は、第1クリーニングローラ110の第1シャフト111を回転可能に支持する。第1軸受部171は、第1方向に貫通する第1穴171Aを有する。第1軸受B1の第1穴171Aには、第1方向における第1シャフト111の一端部111A(
図7参照)が嵌る。第1軸受B1の第1軸受部171は、第1シャフト111の一端部111Aを回転可能に支持する。
【0068】
第2軸受部172は、第2クリーニングローラ120の第2シャフト121を回転可能に支持する。第2軸受部172は、第1方向に貫通する第2穴172Aを有する。第1軸受B1の第2穴172Aには、第1方向における第2シャフト121の一端部121A(
図7参照)が嵌る。第1軸受B1の第2軸受部172は、第2シャフト121の一端部121Aを回転可能に支持する。
【0069】
ここで、
図8に示すように、第3軸受B3の第1穴171Aは、「第4穴」の一例である。第3軸受B3の第1穴171Aには、第1方向における第1シャフト111の他端部111Bが嵌る。第3軸受B3の第1軸受部171は、第1シャフト111の他端部111Bを回転可能に支持する。また、第3軸受B3の第2穴172Aは、「第5穴」の一例である。第3軸受B3の第2穴172Aには、第1方向における第2シャフト121の他端部121Bが嵌る。第3軸受B3の第2軸受部172は、第2シャフト121の他端部121Bを回転可能に支持する。
【0070】
図9(a)に戻り、連結部173は、第1軸受部171と第2軸受部172を連結する。連結部173は、平面PLに沿って延びる。
【0071】
第1リブ174および第2リブ175は、第1軸受部171から第1クリーニングローラ110の第1シャフト111の径方向に突出する。第1リブ174および第2リブ175は、板状である。第2リブ175は、第1シャフト111の周方向において、第1リブ174から離れて位置する。詳しくは、第2リブ175は、第1シャフト111の径方向において、第1リブ174との間で連結部173を挟む位置に位置する。言い換えると、連結部173は、第1シャフト111の周方向において、第1リブ174と第2リブ175の間に位置する。
【0072】
第1突起176および第2突起177は、第1軸受部171から第1クリーニングローラ110の第1シャフト111の径方向に突出する。第1突起176は、第1リブ174から第1方向における外側に突出する。第2突起177は、第2リブ175から第1方向における外側に突出する。第2突起177は、第1シャフト111の周方向において、第1突起176から離れて位置する。詳しくは、第2突起177は、第1シャフト111の径方向において、第1突起176との間で連結部173を挟む位置に位置する。言い換えると、連結部173は、第1シャフト111の周方向において、第1突起176と第2突起177の間に位置する。
【0073】
図7および
図8に示すように、第2軸受B2および第4軸受B4は、第2クリーニングローラ120を回転可能に支持する。詳しくは、第2軸受B2は、第2クリーニングローラ120の第1方向における一端部を回転可能に支持する。また、第4軸受B4は、第2クリーニングローラ120の第1方向における他端部を回転可能に支持する。また、第2軸受B2および第4軸受B4には、クリーニングパッド130を支持するプレート160が固定される。
【0074】
本実施形態では、第4軸受B4の形状は、第2軸受B2の形状と同じである。また、第4軸受B4のサイズは、第2軸受B2のサイズと同じである。すなわち、第2軸受B2と第4軸受B4は、共通の部品である。以下では、第2軸受B2について詳細に説明し、第4軸受B4については第2軸受B2と同様の構成要素に同一の符号を付し、第1軸受B1と異なる点について説明する。
【0075】
第2軸受B2は、第1方向における第2軸受B2の中央に関して対称な形状を有する。
図9(b)に示すように、第2軸受B2は、第3軸受部181と、プレート固定部182と、座面部183と、第1凸部184と、第2凸部185と、ボス186と、第3リブ187と、第4リブ188とを有している。
【0076】
第3軸受部181は、第2クリーニングローラ120の第2シャフト121を回転可能に支持する。第3軸受部181は、第1方向に貫通する第3穴181Aを有する。第2軸受B2の第3穴181Aには、第1方向における第2シャフト121の一端部121A(
図7参照)が嵌る。第2軸受B2の第3軸受部181は、第2シャフト121の一端部121Aを回転可能に支持する。
【0077】
ここで、
図8に示すように、第4軸受B4の第3穴181Aは、「第6穴」の一例である。第4軸受B4の第3穴181Aには、第1方向における第2シャフト121の他端部121Bが嵌る。第4軸受B4の第3軸受部181は、第2シャフト121の他端部121Bを回転可能に支持する。
【0078】
図10に示すように、プレート固定部182には、プレート160が固定される。プレート固定部182は、有底の円筒状である。プレート固定部182は、ネジ穴182Aを有する。第2軸受B2のネジ穴182Aは、第1ネジ191が固定される穴である。第4軸受B4(
図8参照)のネジ穴182Aは、第2ネジ192が固定される穴である。なお、ネジ穴182Aは、内周面に予めネジ溝を有する穴であってもよいし、ネジ191,192が固定される際にネジ溝ができる穴であってもよい。
【0079】
座面部183は、プレート160が第2軸受B2に固定された状態で、プレート固定部182とともに支持部160Aと接触する。座面部183は、第2方向において、第2クリーニングローラ120の第2シャフト121と、プレート160の支持部160Aとの間に位置する。
【0080】
第1凸部184および第2凸部185は、第3軸受部181から第2クリーニングローラ120の第2シャフト121の径方向に突出する。第1凸部184および第2凸部185は、板状である。第2凸部185は、第2シャフト121の周方向において、第1凸部184から離れて位置する。本実施形態では、第1凸部184が第3軸受部181から突出する方向と、第2凸部185が第3軸受部181から突出する方向とがなす角度が略90度である。
【0081】
図9(c)に示すように、第1軸受B1は、第1凹部174Aと、第2凹部175Aとをさらに有する。第1凹部174Aは、第1凸部184が嵌る凹部であり、第1リブ174に形成されている。第2凹部175Aは、第2凸部185が嵌る凹部であり、第2リブ175に形成されている。第1リブ174の第1凹部174Aが形成された部分の第1方向における厚みは、第1リブ174の第1凹部174Aが形成されていない部分の第1方向における厚みよりも薄い。第2リブ175の第2凹部175Aが形成された部分の第1方向における厚みは、第2リブ175の第2凹部175Aが形成されていない部分の第1方向における厚みよりも薄い。凹部174A,175Aは、第1方向における内側に向けて凹む形状を有する。
【0082】
第1凸部184は、第1凹部174Aに対し、第2軸A2から第1軸A1に向かう方向に嵌められる。また、第2凸部185は、第2凹部175Aに対し、第2軸A2から第1軸A1に向かう方向に嵌められる。そして、凸部184,185を凹部174A,175Aに嵌めて、第2軸受B2を第1軸受B1に組み付けた後に、第2クリーニングローラ120の第2シャフト121を第1方向における内側から第3軸受部181の第3穴181A(
図9(b)参照)および第2軸受部172の第2穴172Aに嵌める。
【0083】
図10に示すように、ボス186は、座面部183からプレート160の支持部160Aに向けて突出する。ボス186は、略円柱状である。第2軸受B2のボス186は、プレート160の第3開口163に嵌る。第4軸受B4(
図8参照)のボス186は、プレート160の第4開口164に嵌る。また、ボス186は、筐体150の後述するボス穴154Bに嵌る。
【0084】
第3リブ187および第4リブ188は、プレート固定部182からプレート固定部182の径方向に突出する。第3リブ187および第4リブ188は、板状である。第4リブ188は、プレート固定部182の周方向において、第3リブ187から離れて位置する。詳しくは、第3リブ187は、プレート固定部182の径方向において、座面部183がプレート固定部182から延びる方向と同じ方向に延びている。また、第4リブ188は、プレート固定部182の径方向において、第3リブ187とは反対に延びている。
【0085】
クリーニングユニット64の筐体150は、
図6に示すように、固定部154と、第1溝155と、第2溝156とをさらに有する。固定部154、第1溝155および第2溝156は、第1方向における筐体150の両端部にそれぞれ形成されている。
【0086】
固定部154には、プレート160および軸受B2,B4が固定される。固定部154は、ネジ穴154Aと、ボス穴154Bとを有している。ネジ穴154Aおよびボス穴154Bは、第2方向に貫通する穴である。ネジ穴154Aは、ネジ191,192が通る穴である。ボス穴154Bは、軸受B2,B4のボス186が嵌る穴である。ネジ穴154Aは、ボス穴154Bよりも固定部154の先端に近い位置に位置する。
【0087】
図10に示すように、筐体150の第2筐体153、プレート160および第2軸受B2を固定する際には、まず、第2軸受B2のボス186を、第2方向における一方側から、支持部160Aの第3開口163と、固定部154のボス穴154Bに挿入する。そして、第1ネジ191を、第2方向における他方側から第1クリーニングローラ110に向けて、固定部154のネジ穴154Aと、支持部160Aの第1開口161に通し、第2軸受B2のネジ穴182Aに固定する。第2筐体153、プレート160および第4軸受B4を固定する際も同様である。
【0088】
図6に戻り、第1溝155は、軸受B1,B3の第1リブ174と、軸受B2,B4の第3リブ187を収容する。第1溝155は、第2筐体153に位置する。詳しくは、第1溝155は、第1方向におけるリブ174,187の外側に位置する外側壁155Aと、第1方向におけるリブ174,187の内側に位置する内側壁155Bとにより形成されている。
【0089】
第2溝156は、軸受B1,B3の第2リブ175と、軸受B2,B4の第4リブ188を収容する。第2溝156は、第1筐体152に位置する。詳しくは、第2溝156は、第1方向におけるリブ175,188の外側に位置する外側壁156Aと、第1方向におけるリブ175,188の内側に位置する内側壁156Bとにより形成されている。
【0090】
軸受B1~B4は、第1筐体152と第2筐体153が組み付けられ、リブ174,187が第1溝155に収容され、リブ175,188が第2溝156に収容される。詳しくは、リブ174,187が外側壁155Aと内側壁155Bの間に入り、リブ175,188が外側壁156Aと内側壁156Bの間に入る。これにより、軸受B1~B4の第1方向への移動が規制される。
【0091】
図11に示すように、第1クリアランスC1は、第1クリーニングローラ110と第2筐体153との間のクリアランスである。詳しくは、第1クリアランスC1は、第1クリーニングローラ110の第1ローラ本体112の外周面と第2筐体153との間のクリアランスである。
【0092】
第2クリアランスC2は、第1軸受B1と第2筐体153との間のクリアランスである。詳しくは、第2クリアランスC2は、第1軸受B1の第1突起176と第2筐体153との間のクリアランスである。なお、図示は省略するが、第3軸受B3と第2筐体153との間のクリアランスも第2クリアランスC2となっている。詳しくは、第3軸受B3の第1突起176と第2筐体153との間のクリアランスも第2クリアランスC2となっている。
【0093】
第3クリアランスC3は、第1軸受B1と第1クリーニングローラ110との間のクリアランスである。詳しくは、第3クリアランスC3は、第1軸受B1の第1穴171Aの内周面と第1クリーニングローラ110の第1シャフト111の外周面との間のクリアランスである。なお、図示は省略するが、第3軸受B3と第1クリーニングローラ110との間のクリアランスも第3クリアランスC3となっている。詳しくは、第3軸受B3の第1穴171Aの内周面と第1シャフト111の外周面との間のクリアランスも第3クリアランスC3となっている。
【0094】
第4クリアランスC4は、プレート160と第2筐体153との間のクリアランスである。詳しくは、第4クリアランスC4は、プレート160の延出部160Bと第2筐体153との間のクリアランスである。
【0095】
本実施形態では、第2クリアランスC2と第3クリアランスC3との和は、第1クリアランスC1よりも小さい。これにより、第1クリーニングローラ110の第1ローラ本体112と第2筐体153が接触するのを抑制することができる。詳しくは、第1クリーニングローラ110が筐体150に対して動いた場合であっても、第2クリアランスC2が詰まって第1クリーニングローラ110の第1シャフト111が軸受B1,B3に接触したり、第3クリアランスC3が詰まって軸受B1,B3の第1突起176が第2筐体153に接触したりすることで、第1クリーニングローラ110の第1ローラ本体112と第2筐体153が接触するのを抑制することができる。
【0096】
また、第4クリアランスC4は、第1クリアランスC1よりも小さい。これにより、第2筐体153と第1クリーニングローラ110の第1ローラ本体112が接触するのを抑制することができる。詳しくは、例えば、第1方向における第2筐体153の中央部に力が加わって第2筐体153が撓んだ場合であっても、第2筐体153が金属からなるプレート160の延出部160Bに接触することで、第2筐体153と第1クリーニングローラ110の第1ローラ本体112が接触するのを抑制することができる。
【0097】
なお、本実施形態では、第3クリアランスC3は、第2クリアランスC2よりも小さい。また、第2クリアランスC2は、第4クリアランスC4よりも小さい。すなわち、第1クリアランスC1、第2クリアランスC2、第3クリアランスC3および第4クリアランスC4は、第1クリアランスC1、第4クリアランスC4、第2クリアランスC2、第3クリアランスC3の順に小さくなっている。
【0098】
図12に示すように、印刷可能領域APは、画像形成装置1でシートSへの印刷が可能な領域である。印刷可能長さLPは、第1方向における印刷可能領域APの長さである。中心線CLは、第1方向における印刷可能領域APの中央の位置を示す。
【0099】
感光層塗布領域ACは、感光ドラム61の、感光層61Cが塗布された領域である。保証領域AC1は、感光層塗布領域ACのうち、感光層61Cの厚さが所定以上である領域である。保証領域AC1は、第1方向における感光層塗布領域ACの両端部の間に位置する。塗布領域長さLCは、第1方向における感光層塗布領域ACの長さである。塗布領域長さLCは、印刷可能長さLPよりも長い。保証領域長さLC1は、第1方向における保証領域AC1の長さである。保証領域長さLC1は、印刷可能長さLPよりも長い。保証領域長さLC1は、塗布領域長さLCよりも短い。
【0100】
第1ローラ長さL110は、第1方向における第1クリーニングローラ110の第1ローラ本体112の長さである。第1ローラ長さL110は、印刷可能長さLPよりも長い。第1ローラ長さL110は、保証領域長さLC1よりも長い。第1ローラ長さL110は、塗布領域長さLCよりも短い。
【0101】
第2ローラ長さL120は、第1方向における第2クリーニングローラ120の第2ローラ本体122の長さである。第2ローラ長さL120は、印刷可能長さLPよりも長い。第2ローラ長さL120は、保証領域長さLC1よりも長い。第2ローラ長さL120は、塗布領域長さLCよりも短い。第2ローラ長さL120は、第1ローラ長さL110よりも長い。第1クリーニングローラ110の第1ローラ本体112は、第1方向において、第2クリーニングローラ120の第2ローラ本体122の幅内に位置する。
【0102】
パッド長さL130は、第1方向におけるクリーニングパッド130の長さである。パッド長さL130は、印刷可能長さLPよりも長い。パッド長さL130は、保証領域長さLC1よりも長い。パッド長さL130は、塗布領域長さLCよりも短い。パッド長さL130は、第1ローラ長さL110よりも長い。パッド長さL130は、第2ローラ長さL120と略同じである。第1方向において、クリーニングパッド130は、第2クリーニングローラ120の第2ローラ本体122と略同じ位置に位置する。
【0103】
以上説明した本実施形態のドラムカートリッジ6によれば、第1軸受B1によって第1クリーニングローラ110と第2クリーニングローラ120の位置精度を高めることができる。さらに、第2クリーニングローラ120を支持する第2軸受B2と、クリーニングパッド130を支持するプレート160が第1ネジ191によって固定されることで、第2クリーニングローラ120とクリーニングパッド130の位置精度を高めることができる。これにより、クリーニングユニット64のクリーニング性能を高めることができる。
【0104】
また、第1方向における他端部に第3軸受B3と第4軸受B4をさらに備えるので、第1軸受B1および第3軸受B3によって第1クリーニングローラ110と第2クリーニングローラ120の位置精度をより高めることができる。また、第2クリーニングローラ120を支持する第2軸受B2および第4軸受B4と、プレート160が第1ネジ191および第2ネジ192によって固定されることで、第2クリーニングローラ120とクリーニングパッド130の位置精度をより高めることができる。
【0105】
また、クリーニングパッド130が、第2方向において、第2クリーニングローラ120とプレート160の間に位置するので、クリーニングパッド130が第2クリーニングローラ120から受ける反力をプレート160で受けることができる。これにより、クリーニングパッド130が第2クリーニングローラ120から離れようとするのを抑えることができる。
【0106】
また、第2方向において、クリーニングパッド130を第2クリーニングローラ120に押し当てる方向に第1ネジ191および第2ネジ192を締め付けることができる。これにより、第2クリーニングローラ120から反力を受けるクリーニングパッド130が第2クリーニングローラ120から離れようとするのを抑えて、クリーニングパッド130を第2クリーニングローラ120の周面にしっかり接触させることができる。
【0107】
また、接着テープ135が、第2方向において、クリーニングパッド130とプレート160の間に位置するので、クリーニングパッド130が第2クリーニングローラ120から受ける反力によりクリーニングパッド130が接着テープ135を介してプレート160に押し当てられる。これにより、接着テープ135で接着した場合に、クリーニングパッド130がプレート160から剥がれにくい。
【0108】
また、クリーニングパッド130が第2クリーニングローラ120の周面と接触する角部131を有するので、クリーニングパッド130と第2クリーニングローラ120の周面を線接触させることができる。これにより、第2クリーニングローラ120の周面の付着物、具体的には、紙粉を、シリコンゴム製のクリーニングパッド130でしっかりと掻き取ることができる。
【0109】
また、ドラムカートリッジ6を製造する際、詳しくは、第1軸受B1と第2軸受B2を組み付ける際に、第1凸部184と第1凹部174A、および、第2凸部185と第2凹部175Aをそれぞれ嵌め合わせることで、第1軸受B1と第2軸受B2の相対回転を抑制して第1軸受B1と第2軸受B2の位置を仮決めすることができる。これにより、ドラムカートリッジ6の組み立てを容易にすることができる。第3軸受B3は、第1軸受B1と共通の部品であり、第4軸受B4は、第2軸受B2と共通の部品であるので、第3軸受B3と第4軸受B4を組み付ける際も同様である。
【0110】
また、ドラムフレーム65がクリーニングユニット64の筐体150の一部を露出させるフレーム開口65Aを有するので、筐体の全体がドラムフレームの内側に位置する場合と比較して、筐体150のサイズを大きくすることができる。これにより、筐体150の、紙粉を収容する部分の容量、具体的には、紙粉収容部151の容量を大きくすることができる。
【0111】
また、ドラムフレーム65がフレーム開口65Aを第1方向に間隔を隔てて複数有するので、例えば、第1方向に長い1つの大きなフレーム開口を有する場合と比較して、ドラムフレーム65の剛性を確保しつつ、紙粉収容部151の容量を大きくすることができる。
【0112】
また、第4軸受B4の形状が第2軸受B2の形状と同じであることで、第2軸受B2と第4軸受B4が共通の部品となるので、ドラムカートリッジ6の製造に必要な部品の種類を減らすことができる。
【0113】
また、第3軸受B3の形状が第1軸受B1の形状と同じであることで、第1軸受B1と第3軸受B3が共通の部品となるので、ドラムカートリッジ6の製造に必要な部品の種類を減らすことができる。
【0114】
以上、実施形態について説明したが、ドラムユニットは上述の実施形態に限定されることなく、以下に例示するように適宜変形して実施することができる。
【0115】
上述の実施形態では、第2軸受B2が、第2シャフト121の径方向に突出し、第2シャフト121の周方向において離れて位置する第1凸部184と第2凸部185を有し、第1軸受B1が、第1凹部174Aと第2凹部175Aを有する構成であったが、これに限定されない。例えば、第1軸受が、第1シャフトの径方向に突出し、第1シャフトの周方向において離れて位置する第1凸部と第2凸部を有し、第2軸受が、第1凹部と第2凹部を有する構成であってもよい。また、第1凸部、第2凸部、第1凹部および第2凹部を備えない構成であってもよい。
【0116】
上述の実施形態では、第4軸受B4の形状と第2軸受B2の形状が同じであったが、これに限定されず、第4軸受の形状と第2軸受の形状が異なっていてもよい。すなわち、第2軸受と第4軸受は共通の部品でなくてもよい。また、上述の実施形態では、第3軸受B3の形状と第1軸受B1の形状が同じであったが、これに限定されず、第3軸受の形状と第1軸受の形状が異なっていてもよい。すなわち、第1軸受と第3軸受は共通の部品でなくてもよい。
【0117】
上述の実施形態では、
図12に示したように、第1ローラ長さL110、第2ローラ長さL120およびパッド長さL130が保証領域長さLC1よりも長かったが、これに限定されない。例えば、第1ローラ長さ、第2ローラ長さおよびパッド長さは、保証領域長さLC1よりも短くてもよい。
【0118】
上述の実施形態では、
図12に示したように、第1ローラ長さL110、第2ローラ長さL120およびパッド長さL130が塗布領域長さLCよりも短かったが、これに限定されない。例えば、第1ローラ長さ、第2ローラ長さおよびパッド長さは、塗布領域長さLCよりも長くてもよい。
【0119】
上述の実施形態では、クリーニングパッド130の全体がシリコンゴムからなる構成であったが、これに限定されない。例えば、クリーニングパッドは、第2クリーニングローラの周面と接触する部分のみがシリコンゴムからなる構成であってもよい。また、クリーニングパッドは、スポンジなどからなる構成であってもよい。
【0120】
上述の実施形態では、クリーニング部材としてクリーニングパッド130を例示したが、これに限定されない。例えば、
図13に示すように、クリーニング部材230は、オーガであってもよい。詳しくは、クリーニング部材230は、シャフト231と、クリーニング部232とを有するオーガであってもよい。シャフト231は、図示しないプレートに回転可能に支持されている。クリーニング部232は、シャフト231の周囲に位置し、螺旋形状を有している。クリーニング部232は、スポンジなどからなる。クリーニング部材230は、回転しながら、第2クリーニングローラ120の周面の紙粉をクリーニングする。
【0121】
なお、上述の実施形態のクリーニングパッド130によれば、紙粉を押し固めることなくクリーニングすることができる。また、
図13に示したようなクリーニング部材230によれば、紙粉を第1方向における同じ位置に留まらせることなく、第1方向に移動させることができるので、紙粉を押し固めることなくクリーニングすることができる。
【0122】
上述の実施形態では、ドラムフレーム65が筐体150の一部を露出させるフレーム開口65Aを複数有する構成であったが、これに限定されない。例えば、ドラムフレームは、筐体の一部を露出させるフレーム開口を1つだけ有する構成であってもよい。また、ドラムフレームは、筐体の一部を露出させるフレーム開口を備えず、ドラムユニットは、筐体の全体がドラムフレームの内側に位置する構成であってもよい。
【0123】
上述の実施形態では、第1クリーニングローラ110、第2クリーニングローラ120、クリーニングパッド130(クリーニング部材)が紙粉をクリーニングする構成であったが、これに限定されない。例えば、第1クリーニングローラ、第2クリーニングローラ、クリーニング部材は、紙粉以外の、例えば、感光ドラムの周面に転写されずに残ったトナーなどをクリーニングする構成であってもよい。
【0124】
上述の実施形態および変形例で説明した各要素は、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0125】
6 ドラムカートリッジ
61 感光ドラム
61A ドラム軸
110 第1クリーニングローラ
111 第1シャフト
111A 一端部
120 第2クリーニングローラ
121 第2シャフト
121A 一端部
130 クリーニングパッド
160 プレート
171A 第1穴
172A 第2穴
181A 第3穴
191 第1ネジ
A1 第1軸
A2 第2軸
B1 第1軸受
B2 第2軸受