(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022098406
(43)【公開日】2022-07-01
(54)【発明の名称】エアゾール容器抗菌カバー
(51)【国際特許分類】
B65D 81/28 20060101AFI20220624BHJP
B65D 83/14 20060101ALI20220624BHJP
B65D 83/16 20060101ALI20220624BHJP
B65D 77/20 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
B65D81/28 C
B65D83/14 200
B65D83/16 100
B65D77/20 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100035
(22)【出願日】2021-06-16
(31)【優先権主張番号】P 2020211311
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000102544
【氏名又は名称】エステー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】597176393
【氏名又は名称】新光化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】三上 礼
(72)【発明者】
【氏名】大川 裕也
【テーマコード(参考)】
3E014
3E067
【Fターム(参考)】
3E014PA10
3E014PB01
3E014PC02
3E014PD01
3E014PE21
3E014PF10
3E067AA11
3E067AB81
3E067AB97
3E067AB99
3E067AC01
3E067BA17A
3E067BB15A
3E067BB16A
3E067EA04
3E067EB32
3E067EE02
3E067FA01
3E067FB12
3E067GC05
(57)【要約】
【課題】エアゾール容器が、不特定多数の人が使用する箇所に置かれた場合であっても、エアゾール容器を介しての菌等の汚染を抑制する上で有利なエアゾール容器抗菌カバーを提供すること。
【解決手段】エアゾール容器抗菌カバー22Aは、容器本体12に装着され容器本体12を覆う本体片26と、本体片26に接続され噴射操作部18を覆う大きさの噴射操作部用被覆片30Aと、エアゾール容器10A側に係止し噴射操作部18を覆う被覆位置に噴射操作部用被覆片30Aを位置させた状態を維持する被覆位置維持部40Aとを備えている。被覆位置維持部40Aは、噴射操作部用被覆片30Aから突設されキャップ14Aの薬剤通過用窓1406の上縁1406Bに係止する係止片32Aで構成されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤が収容された容器本体と、薬剤が噴射されるノズル部と、操作することで前記ノズル部から薬剤が噴射される噴射操作部とを有するエアゾール容器に装着されるエアゾール容器抗菌カバーであって、
前記エアゾール容器抗菌カバーは抗菌性を有する弾性変形可能なカバー片で構成され、
前記エアゾール容器抗菌カバーは、前記容器本体に装着され前記容器本体を覆う本体片と、前記本体片に接続され前記噴射操作部を覆う大きさの噴射操作部用被覆片と、前記エアゾール容器側に係止し前記噴射操作部を覆う被覆位置に前記噴射操作部用被覆片を位置させた状態を維持する被覆位置維持部と、
を備えることを特徴とするエアゾール容器抗菌カバー。
【請求項2】
前記噴射操作部は、押圧操作されるヘッド部で構成され、
前記エアゾール容器は、前記容器本体の上部に取り付けられ前記ノズル部と前記ヘッド部とそれら前記ノズル部、前記ヘッド部の周囲に位置する周壁とを有するキャップを備え、
前記キャップに係止部が設けられ、
前記被覆位置維持部は、前記噴射操作部用被覆片に接続され前記係止部に係止する係止片を含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1記載のエアゾール容器抗菌カバー。
【請求項3】
前記キャップに、前記噴射操作部用被覆片に当接し前記噴射操作部用被覆片の前記ヘッド部に対する水平方向の位置決めを行なう水平方向位置決め部が設けられている、
ことを特徴とする請求項2記載のエアゾール容器抗菌カバー。
【請求項4】
前記ノズル部に対向する前記周壁の箇所に、前記ノズル部から噴射される薬剤を通過させるための薬剤通過用窓が設けられると共に、前記薬剤通過用窓に対向する前記キャップの箇所に前記噴射操作部の操作を行ないやすくするための操作用欠部が設けられ、
前記エアゾール容器抗菌カバーは、前記本体片の上端から突設されその先部に前記噴射操作部用被覆片が設けられ前記操作用欠部に配置される脚片を備えている、
ことを特徴とする請求項2または3記載のエアゾール容器抗菌カバー。
【請求項5】
前記脚片の延在方向に間隔をおいて、前記噴射操作部用被覆片を前記噴射操作部に近づける方向に前記脚片を折り曲げる脚片用折り目が複数設けられている、
ことを特徴とする請求項4記載のエアゾール容器抗菌カバー。
【請求項6】
前記係止片は、前記脚片と反対に位置する前記噴射操作部用被覆片から突設され前記薬剤通過用窓の上縁に係止可能であり、
前記係止部は、前記薬剤通過用窓の上縁で構成されている、
ことを特徴とする請求項4または5記載のエアゾール容器抗菌カバー。
【請求項7】
前記係止片が前記係止部に係止した状態を保持する係止保持部が設けられている、
ことを特徴とする請求項2~6の何れか1項記載のエアゾール容器抗菌カバー。
【請求項8】
前記薬剤が噴出される方向である前記ノズル部の前方の直上に位置する前記係止片の箇所に、前記前方に開放状の切り欠きが設けられている、
ことを特徴とする請求項6記載のエアゾール容器抗菌カバー。
【請求項9】
前記係止片は前記噴射操作部用被覆片から突設される方向と直交する方向の幅を有し、
前記切り欠きは前記係止片の幅方向の中央に設けられている、
ことを特徴とする請求項8記載のエアゾール容器抗菌カバー。
【請求項10】
前記ノズル部に対向する前記周壁の箇所に、前記ノズル部から噴射される薬剤を通過させるための薬剤通過用欠部が設けられると共に、前記薬剤通過用窓に対向する前記キャップの箇所に前記噴射操作部の操作を行ないやすくするための操作用欠部が設けられ、
前記係止片は、前記噴射操作部用被覆片の両側から前記ノズル部の軸心方向と直交する方向に突出して設けられ、
前記係止部は、前記ノズル部の軸心方向と直交する方向において互いに対向する前記周壁の内周面の箇所にそれぞれ形成され、前記両側の係止片が挿入されて係止され水平方向および上下方向の移動を阻止する係止溝で構成されている、
ことを特徴とする請求項2記載のエアゾール容器抗菌カバー。
【請求項11】
前記噴射操作部は、押圧操作されるヘッド部で構成され、
前記ノズル部は、前記ヘッド部からロッド状に突出しており、
前記係止片は、前記噴射操作部用被覆片から突設されその先部にノズル部係止孔が形成され、
前記ノズル部係止孔に前記ノズル部が挿通された状態で、前記噴射操作部を覆う被覆位置に前記噴射操作部用被覆片が位置した状態が維持され、
前記係止部は、前記ノズル部で構成されている、
ことを特徴とする請求項2記載のエアゾール容器抗菌カバー。
【請求項12】
前記エアゾール容器は、前記噴射操作部と前記ノズル部とを有し前記容器本体の上部に取り付けられキャップを備え、
前記噴射操作部は、前記ノズル部の下方に配置されその上端が前記キャップの箇所に揺動可能に結合されたレバーで構成され、
前記レバーは、初期位置から揺動されるとノズル部から薬剤が噴射され、
前記本体片は、前記容器本体から前記レバーの上部まで前記キャップを覆う筒状を呈し、
本体片の上部には、容器本体から上方に離れるにつれて外径が次第に小さくなる筒状傾斜面が設けられ、
鉛直方向に対する前記筒状傾斜面の傾斜は、初期位置に位置するレバーの傾斜よりも小さく、
前記噴射操作部用被覆片は、前記噴射操作部用被覆片の上端が前記筒状傾斜面の上部に接続され、前記レバーの左右側縁と下縁に対応する前記筒状傾斜面の箇所に設けられた切れ目により形成され、
前記本体片で前記容器本体から前記レバーの上部まで前記キャップを覆った状態で、前記レバーの上端を除く前記レバーの箇所は前記切れ目により形成される開口から前記筒状傾斜面の外側に変位すると共に、前記噴射操作部用被覆片もレバーと共に前記筒状傾斜面の外側に変位し、
前記被覆位置維持部は、前記レバーの左右側縁に対応する箇所に設けられた前記切れ目を含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1記載のエアゾール容器抗菌カバー。
【請求項13】
前記本体片は、前記容器本体の下端から上端に至る長さを有し、
前記エアゾール容器抗菌カバーは、さらに、前記本体片の下端に接続され前記容器本体の底部に当接し前記本体片の前記容器本体の上端方向への変位を阻止する変位阻止部を備えている、
ことを特徴とする請求項1~12の何れか1項記載のエアゾール容器抗菌カバー。
【請求項14】
薬剤が収容された容器本体と、薬剤が噴射されるノズル部と、操作することで前記ノズル部から薬剤が噴射される噴射操作部とを有するエアゾール容器に装着されるエアゾール容器抗菌カバーであって、
前記エアゾール容器抗菌カバーは抗菌性を有する弾性変形可能なカバー片で構成され、
前記エアゾール容器抗菌カバーは、前記容器本体に装着され前記容器本体を覆う本体片と、前記本体片に接続され前記噴射操作部を覆う大きさの噴射操作部用被覆片とを備え、
さらに、前記噴射操作部用被覆片を前記噴射操作部に位置させた状態を維持する被覆位置維持部が設けられている、
ことを特徴とするエアゾール容器抗菌カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアゾール容器抗菌カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、消費者の衛生意識が高まり、不特定多数の人が出入りする場所においては、人々が直接触れる箇所を介して、ウイルスや菌など(以下「菌等」という)が手や指に付着し、その手や指で目、鼻、口を触ることにより、感染症が起こる原因になると言われている。
一方、消臭剤や芳香剤、除菌剤などの薬剤を噴射するエアゾール容器は、一般家庭以外にも、オフィスビルの会議室や空港ロビーの化粧室などに置かれ、広く使用されている。
エアゾール容器は、薬剤を収容する容器本体と、ノズル部と、プッシュボタンやレバーなどの噴射操作部を備え、親指と中指や小指で容器本体を把持し、人差し指により噴射操作部を操作することで、ノズル部から薬剤が噴射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、エアゾール容器が、オフィスビルの会議室や空港ロビーの化粧室などの一般家庭以外の箇所に置かれて使用される場合、不特定多数の人がエアゾール容器を手に取って使用することになる。
したがって、把持された容器本体の箇所と、操作された噴射操作部の箇所に菌等が付着し、それらの箇所で菌等が増殖した場合には、エアゾール容器を介して菌等に感染することが考えられる。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、エアゾール容器が、不特定多数の人が使用する箇所に置かれた場合であっても、エアゾール容器を介しての菌等の感染拡大を抑制する上で有利なエアゾール容器抗菌カバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するために、本発明の一実施の形態は、薬剤が収容された容器本体と、薬剤が噴射されるノズル部と、操作することで前記ノズル部から薬剤が噴射される噴射操作部とを有するエアゾール容器に装着されるエアゾール容器抗菌カバーであって、前記エアゾール容器抗菌カバーは抗菌性を有する弾性変形可能なカバー片で構成され、前記エアゾール容器抗菌カバーは、前記容器本体に装着され前記容器本体を覆う本体片と、前記本体片に接続され前記噴射操作部を覆う大きさの噴射操作部用被覆片と、前記エアゾール容器側に係止し前記噴射操作部を覆う被覆位置に前記噴射操作部用被覆片を位置させた状態を維持する被覆位置維持部とを備えることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記噴射操作部は、押圧操作されるヘッド部で構成され、前記エアゾール容器は、前記容器本体の上部に取り付けられ前記ノズル部と前記ヘッド部とそれら前記ノズル部、前記ヘッド部の周囲に位置する周壁とを有するキャップを備え、前記キャップに係止部が設けられ、前記被覆位置維持部は、前記噴射操作部用被覆片に接続され前記係止部に係止する係止片を含んで構成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記キャップに、前記噴射操作部用被覆片に当接し前記噴射操作部用被覆片の前記ヘッド部に対する水平方向の位置決めを行なう水平方向位置決め部が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記ノズル部に対向する前記周壁の箇所に、前記ノズル部から噴射される薬剤を通過させるための薬剤通過用窓が設けられると共に、前記薬剤通過用窓に対向する前記キャップの箇所に前記噴射操作部の操作を行ないやすくするための操作用欠部が設けられ、前記エアゾール容器抗菌カバーは、前記本体片の上端から突設されその先部に前記噴射操作部用被覆片が設けられ前記操作用欠部に配置される脚片を備えていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記脚片の延在方向に間隔をおいて、前記噴射操作部用被覆片を前記噴射操作部に近づける方向に前記脚片を折り曲げる脚片用折り目が複数設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記係止片は、前記脚片と反対に位置する前記噴射操作部用被覆片から突設され前記薬剤通過用窓の上縁に係止可能であり、前記係止部は、前記薬剤通過用窓の上縁で構成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記係止片が前記係止部に係止した状態を保持する係止保持部が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記薬剤が噴出される方向である前記ノズル部の前方の直上に位置する前記係止片の箇所に、前記前方に開放状の切り欠きが設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記係止片は前記噴射操作部用被覆片から突設される方向と直交する方向の幅を有し、前記切り欠きは前記係止片の幅方向の中央に設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記ノズル部に対向する前記周壁の箇所に、前記ノズル部から噴射される薬剤を通過させるための薬剤通過用欠部が設けられると共に、前記薬剤通過用窓に対向する前記キャップの箇所に前記噴射操作部の操作を行ないやすくするための操作用欠部が設けられ、前記係止片は、前記噴射操作部用被覆片の両側から前記ノズル部の軸心方向と直交する方向に突出して設けられ、前記係止部は、前記ノズル部の軸心方向と直交する方向において互いに対向する前記周壁の内周面の箇所にそれぞれ形成され、前記両側の係止片が挿入されて係止され水平方向および上下方向の移動を阻止する係止溝で構成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記噴射操作部は、押圧操作されるヘッド部で構成され、前記ノズル部は、前記ヘッド部からロッド状に突出しており、前記係止片は、前記噴射操作部用被覆片から突設されその先部にノズル部係止孔が形成され、前記ノズル部係止孔に前記ノズル部が挿通された状態で、前記噴射操作部を覆う被覆位置に前記噴射操作部用被覆片が位置した状態が維持され、前記係止部は、前記ノズル部で構成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記エアゾール容器は、前記噴射操作部と前記ノズル部とを有し前記容器本体の上部に取り付けられキャップを備え、前記噴射操作部は、前記ノズル部の下方に配置されその上端が前記キャップの箇所に揺動可能に結合されたレバーで構成され、前記レバーは、初期位置から揺動されるとノズル部から薬剤が噴射され、前記本体片は、前記容器本体から前記レバーの上部まで前記キャップを覆う筒状を呈し、本体片の上部には、容器本体から上方に離れるにつれて外径が次第に小さくなる筒状傾斜面が設けられ、鉛直方向に対する前記筒状傾斜面の傾斜は、初期位置に位置するレバーの傾斜よりも小さく、前記噴射操作部用被覆片は、前記噴射操作部用被覆片の上端が前記筒状傾斜面の上部に接続され、前記レバーの左右側縁と下縁に対応する前記筒状傾斜面の箇所に設けられた切れ目により形成され、前記本体片で前記容器本体から前記レバーの上部まで前記キャップを覆った状態で、前記レバーの上端を除く前記レバーの箇所は前記切れ目により形成される開口から前記筒状傾斜面の外側に変位すると共に、前記噴射操作部用被覆片もレバーと共に前記筒状傾斜面の外側に変位し、前記被覆位置維持部は、前記レバーの左右側縁に対応する箇所に設けられた前記切れ目を含んで構成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記本体片は、前記容器本体の下端から上端に至る長さを有し、前記エアゾール容器抗菌カバーは、さらに、前記本体片の下端に接続され前記容器本体の底部に当接し前記本体片の前記容器本体の上端方向への変位を阻止する変位阻止部を備えていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、薬剤が収容された容器本体と、薬剤が噴射されるノズル部と、操作することで前記ノズル部から薬剤が噴射される噴射操作部とを有するエアゾール容器に装着されるエアゾール容器抗菌カバーであって、前記エアゾール容器抗菌カバーは抗菌性を有する弾性変形可能なカバー片で構成され、前記エアゾール容器抗菌カバーは、前記容器本体に装着され前記容器本体を覆う本体片と、前記本体片に接続され前記噴射操作部を覆う大きさの噴射操作部用被覆片とを備え、さらに、前記噴射操作部用被覆片を前記噴射操作部に位置させた状態を維持する被覆位置維持部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施の形態によれば、消臭剤や芳香剤、除菌剤などの薬剤を噴射するエアゾール容器がオフィスビルの会議室や空港ロビーの化粧室などの不特定多数の人が出入りする箇所に置かれて使用される場合、エアゾール容器抗菌カバーをエアゾール容器に装着しておく。
本発明の一実施の形態では、親指と中指や薬指、小指で把持される容器本体の箇所が抗菌性を有する本体片で覆われ、また、人差し指で押圧操作される噴射操作部が抗菌性を有する噴射操作部用被覆片で覆われている。
したがって、手や指に菌等の付着した者がエアゾール容器を使用し、本体片と噴射操作部用被覆片に菌等が付着した場合であっても、本体片と噴射操作部用被覆片は抗菌性を有することから、それらの箇所での菌等の増殖が抑制される。
したがって、オフィスビルの会議室や空港ロビーの化粧室などにおいてエアゾール容器を介しての菌等の汚染を抑制する上で有利となる。
また、噴射操作部を覆う被覆位置に噴射操作部用被覆片を位置させた状態に維持させる被覆位置維持部が設けられているので、多数の使用者が噴射操作部用被覆片を人差し指で押圧操作しても、言い換えると、長期使用された場合であっても、噴射操作部用被覆片は、噴射操作部を覆う被覆位置に維持される。
したがって、エアゾール容器抗菌カバーが装着されたエアゾール容器の使い勝手を向上する上で有利となり、また、オフィスビルの会議室や空港ロビーの化粧室などにおいてエアゾール容器を介しての菌等の汚染を抑制する上で有利となる。
また、薬剤をエアゾール容器に直接塗布する場合に比べて安価で実施することが可能で、不要な場合には取り外すことができ、また、長期使用により抗菌効果が低下した場合や汚れた場合などには、エアゾール容器抗菌カバーの交換も簡単に行なえ、オフィスビルの会議室や空港ロビーの化粧室などにおいてエアゾール容器を介しての菌等の汚染を抑制する上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、係止部をキャップに設け、被覆位置維持部を、噴射操作部用被覆片に接続された係止片で構成する簡単な構造であり、エアゾール容器抗菌カバーのコストダウンを図る上で有利となり、コストダウンを図りつつ菌等の汚染を抑制する上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、水平方向位置決め部を設けると、噴射操作部を覆う被覆位置に噴射操作部用被覆片を位置させた状態に維持させる上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、脚片を設けることで、噴射操作部用被覆片の被覆位置への配置が容易となり、被覆位置維持部を簡単に構成する上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、脚片の延在方向に間隔をおいて複数の脚片用折り目を設けると、噴射操作部用被覆片を噴射操作部に近づけて配置する上で有利となり、エアゾール容器抗菌カバーが装着されたエアゾール容器の使い勝手を向上させる上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、エアゾール容器が薬剤通過用窓を有する場合、薬剤通過用窓の上縁を係止部として利用でき、薬剤通過用窓の上縁に係止する係止片を設ければよいことから、エアゾール容器抗菌カバーのコストダウンを図る上で有利となり、コストダウンを図りつつ菌等の汚染を抑制する上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、係止保持部を設けると、噴射操作部を覆う被覆位置に噴射操作部用被覆片を位置させた状態に維持させる上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、係止片に切り欠きを設けると、上下の広い範囲にわたって薬剤が噴射される構造のノズル部を備えるエアゾール容器の場合であっても、係止片の下面に噴射された薬剤が付着して結露し、係止片から薬剤の液が滴下する不具合を解消する上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、切り欠きを係止片の幅方向の中央に設けると、係止片の係止保持部の機能を維持させた状態で切り欠きを設ける上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、係止部を、キャップに設けた係止溝で構成でき、この係止溝する係止片を設ければよいことから、エアゾール容器抗菌カバーのコストダウンを図る上で有利となり、コストダウンを図りつつ菌等の汚染を抑制する上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、ノズル部係止孔を有する係止片を設けると、ノズル部を係止部として利用でき、エアゾール容器抗菌カバーのコストダウンを図る上で有利となり、コストダウンを図りつつ菌等の汚染を抑制する上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、噴射操作部が揺動可能なレバーで構成されている場合、本体片に設けたレバー突出用の切れ目を被覆位置維持部として利用でき、エアゾール容器抗菌カバーのコストダウンを図る上で有利となり、コストダウンを図りつつ菌等の汚染を抑制する上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、変位阻止部を設けると、本体片の容器本体の上端方向への変位を阻止する上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態によれば、容器本体の上部からノズル部を有するヘッド部が突出されているエアゾール容器の場合は、本体片と噴射操作部用被覆片とを有するエアゾール容器抗菌カバーを設け、噴射操作部用被覆片を噴射操作部に位置させた状態を維持する被覆位置維持部を設ければよく、手や指に菌等の付着した者がエアゾール容器を使用し、本体片と噴射操作部用被覆片に菌等が付着した場合であっても、本体片と噴射操作部用被覆片は抗菌性を有することから、それらの箇所での菌等の増殖が抑制され、オフィスビルの会議室や空港ロビーの化粧室などにおいてエアゾール容器を介しての菌等の汚染を抑制する上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施の形態のエアゾール容器抗菌カバーの斜視図である。
【
図2】(A)は脚片、噴射操作部用被覆片、係止片部分の説明図、(B)は第1底片部の説明図、(C)は第2底片部の説明図である。
【
図3】第1の実施の形態のエアゾール容器抗菌カバーを構成するカバー片の説明図である。
【
図4】第1の実施の形態のエアゾール容器抗菌カバーを構成する他の例のカバー片の説明図である。
【
図5】エアゾール容器に第1の実施の形態のエアゾール容器抗菌カバーが装着された状態の説明図で、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は背面図である。
【
図6】(A)はエアゾール容器に第1の実施の形態のエアゾール容器抗菌カバーが装着された状態でキャップ部分を斜め前方から見た斜視図、(B)は同斜め後方から見た斜視図である。
【
図7】第1の実施の形態のエアゾール容器抗菌カバーが装着されるエアゾール容器の説明図で、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は背面図である。
【
図8】第1の実施の形態のエアゾール容器抗菌カバーが装着されるエアゾール容器のキャップの説明図で、(A)はキャップを斜め前方から見た斜視図、(B)は同斜め後方から見た斜視図である。
【
図9】第2の実施の形態のエアゾール容器抗菌カバーの斜視図である。
【
図10】エアゾール容器に第2の実施の形態のエアゾール容器抗菌カバーが装着された状態の説明図で、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は背面図である
【
図11】(A)はエアゾール容器に第2の実施の形態のエアゾール容器抗菌カバーが装着された状態でキャップ部分を斜め前方から見た斜視図、(B)は同斜め後方から見た斜視図である。
【
図12】第2の実施の形態のエアゾール容器抗菌カバーが装着されるエアゾール容器の説明図で、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は背面図である。
【
図13】第3の実施の形態のエアゾール容器抗菌カバーの斜視図である。
【
図14】エアゾール容器に第3の実施の形態のエアゾール容器抗菌カバーが装着された状態の説明図で、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は背面図である
【
図15】(A)はエアゾール容器に第3の実施の形態のエアゾール容器抗菌カバーが装着された状態でキャップ部分を斜め前方から見た斜視図、(B)は同斜め後方から見た斜視図である。
【
図16】第4の実施の形態のエアゾール容器抗菌カバーの斜視図である。
【
図17】エアゾール容器に第4の実施の形態のエアゾール容器抗菌カバーが装着された状態の斜視図である。
【
図18】第4の実施の形態のエアゾール容器抗菌カバーが装着されるエアゾール容器の斜視図である。
【
図19】第5の実施の形態のエアゾール容器抗菌カバーの斜視図である。
【
図20】第5の実施の形態のエアゾール容器抗菌カバーを構成するカバー片の説明図である。
【
図21】エアゾール容器に第5の実施の形態のエアゾール容器抗菌カバーが装着された状態の説明図で、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は背面図である。
【
図22】(A)はエアゾール容器に第5の実施の形態のエアゾール容器抗菌カバーが装着された状態でキャップ部分を斜め前方から見た斜視図、(B)は同斜め後方から見た斜視図である。
【0008】
(第1の実施の形態)
次に、本発明に係るエアゾール容器抗菌カバーの実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、エアゾール容器10Aから説明する。
図7に示すように、エアゾール容器10Aは、容器本体12と、キャップ14Aと、ノズル部16と、噴射操作部18とを有している。
容器本体12は薬剤を収容する箇所であり、例えば、金属製であり、手により把持可能な直径で円筒状に形成されている。
容器本体12に収容される薬剤は、消臭剤、制汗剤、芳香剤、除菌剤、殺虫剤、防虫剤、洗浄剤、ワックス、潤滑剤などである。
【0009】
キャップ14Aは、容器本体12の上部に着脱可能に取り付けられ、ノズル部16と噴射操作部18とそれらノズル部16、噴射操作部18の周囲に位置する周壁1402とを有し、ノズル部16、噴射操作部18、周壁1402は一体に形成されている。
噴射操作部18は、容器本体12の上端中央から突設する不図示のステムに結合されたヘッド部20(押釦)である。
ヘッド部20は、
図5~
図8に示される姿勢が、薬剤がノズル部16から噴射されない初期位置であり、初期位置から指で押圧されるとノズル部16から薬剤が噴射され、ヘッド部20は常時初期位置に位置するように付勢されている。
図8(A)に示すように、ヘッド部20は、可撓な接続片1404により周壁1402に接続されている。
ノズル部16はヘッド部20からほぼ水平方向に突設されている。
ノズル部16に対向する周壁1402の上部の箇所に、ノズル部16から噴射される薬剤を通過させるための薬剤通過用窓1406が設けられている。
図7(B)、
図8(A)に示すように、薬剤通過用窓1406の両側の縁は、キャップ14Aの半径方向外側に至るほど互いに離れる傾斜面1406Aで形成されている。
また、
図7(C)、
図8(B)に示すように、薬剤通過用窓1406に対向する周壁1402の上部の箇所に、ヘッド部20の押圧操作を行ないやすくするための操作用欠部1408が設けられている。
さらに、
図7(A)、
図8(A)、(B)に示すように、周壁1402の上部の内周面1403には、薬剤通過用窓1406の上縁とほぼ同じ高さの係止壁1410がヘッド部20の両側に延在している。
【0010】
次に、このようなエアゾール容器10Aに装着されるエアゾール容器抗菌カバー22Aについて説明する。
図1、
図3に示すように、エアゾール容器抗菌カバー22Aは、抗菌性を有するカバー片24Aで構成されている。
カバー片24Aは弾性変形可能な材料で形成され、透明や半透明、非透明であってもよく、カバー片24Aに模様や文字など付すなど任意である。
カバー片24Aは合成樹脂製で単一の層で構成され、シート状またはフィルム状を呈し、カバー片24Aには抗菌剤が練り込まれていたり、抗菌剤を配合した薬液が印刷されている。
カバー片24Aを構成する合成樹脂として、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、エチレンビニルアセテート、エラストマー、シリコンなどの従来公知の様々な材料が使用可能である。
また、抗菌剤としては、例えば、ケイ酸塩やリン酸塩に銀や銅や亜鉛などを担持した無機系抗菌剤や、アルコール系、フェノール系、イミダゾール・チアゾール系などの有機系抗菌剤などの従来公知の様々な薬剤が使用可能である。
【0011】
なお、カバー片24Aは上記の構成に限定されず、例えば、合成樹脂製の第1層と、第1層の上に設けられた抗菌性を有する第2層で構成してもよい。
この場合には第2層として、第1層の表面に貼着された抗菌剤入りのフィルムまたは第1層の表面に塗布された抗菌剤入りのニスまたは第1層の表面に抗菌剤入りのインクにより印刷された印刷層などが挙げられる。
また、カバー片24Aを、紙製の第1層と、第1層の上に設けられた抗菌性を有する第2層で構成してもよい。
この場合には第2層として、第1層の表面に貼着された抗菌剤入りのフィルムまたは第1層の表面に塗布された抗菌剤入りのニスなどが挙げられる。
なお、カバー片24Aは上記の構造のものに限定されず、従来公知の様々な構造物が採用可能である。
【0012】
図1、
図3に示すように、エアゾール容器抗菌カバー22Aは、本体片26と、脚片28と、噴射操作部用被覆片30Aと、係止片32Aと、変位阻止部34とを備えている。
本体片26は、容器本体12に装着される箇所である。
本実施の形態では、容器本体12が円柱状を呈していることから、本体片26は、容器本体12に対して挿脱可能な内径の円筒状に形成されている。
本実施の形態では、本体片26の長さは、少なくとも使用者の手が触れる範囲を覆うことが出来ればよく、使用者の手が触れる下限を下端とし、容器本体12の上端を通り越してキャップ14Aの下部を覆う長さ以上の寸法で形成されている。
【0013】
図2(A)に示すように、脚片28は、本体片26の上端に被覆部用折り目2802を介して接続され本体片26の上端から突出されている。
被覆部用折り目2802は、脚片28が所定の箇所から折り曲がるように形成された箇所である。
図5(A)、(C)、
図6(A)、(B)に示すように、脚片28は、キャップ14Aの下部外周面を通り操作用欠部1408からキャップ14Aの内側に配置されている。
【0014】
図1、
図2(A)に示すように、噴射操作部用被覆片30Aは噴射操作部18を覆う箇所であり、脚片28の先部に設けられている。
図5(A)に示すように、噴射操作部用被覆片30Aは、ヘッド部20を覆う大きさの円形に形成され、詳細には、平面視した場合、円形のヘッド部20よりも大きい直径の円形で形成されている。
噴射操作部用被覆片30Aは、周壁1402の内周面1403の半径よりも若干小さい半径で形成されている。
したがって、
図5(A)、
図6(A)、(B)に示すように、噴射操作部用被覆片30Aが被覆位置に位置した状態で、噴射操作部用被覆片30Aの外周縁3002とキャップ14Aの内周面1403とは近接した状態で対向しており、外周縁3002は内周面1403に当接可能である。
すなわち、噴射操作部用被覆片30Aの外周縁3002はキャップ14Aの内周面1403に対して僅かな隙間を介在させた状態で対向しており、噴射操作部用被覆片30Aが被覆位置からずれようとすると、外周縁3002が内周面1403に当接するため、噴射操作部用被覆片30Aは被覆位置に維持される。
したがって、本実施の形態では、外周縁3002と内周面1403とにより噴射操作部用被覆片30Aの噴射操作部18に対する水平方向の位置決めを行なう水平方向位置決め部36Aが構成されている。
なお、本発明において被覆位置とは、噴射操作部18が押圧操作されるものでは、平面視した場合に噴射操作部用被覆片30Aの中心と噴射操作部18の中心がほぼ合致し、噴射操作部用被覆片30Aが噴射操作部18の直上に位置し、言い換えると、噴射操作部用被覆片30Aの水平方向における位置と上下方向における位置が予め定められた箇所に位置して噴射操作部18を覆う噴射操作部用被覆片30Aの位置である。
噴射操作部用被覆片30Aが被覆位置に位置すると、噴射操作部18が噴射操作部用被覆片30Aで覆われているにも拘らず、噴射操作部用被覆片30Aの上から噴射操作部18の押圧操作をし易い。
【0015】
図5(A)、(B)、
図6(A)、(B)に示すように、係止片32Aは、脚片28と反対に位置する噴射操作部用被覆片30Aの先端から突設され、薬剤通過用窓1406に挿入されて薬剤通過用窓1406の上縁1406Bに係止する。
したがって、本実施の形態では、係止片32Aが係止する薬剤通過用窓1406の上縁1406Bは、キャップ14Aに設けられた係止部38Aを構成している。
そして、係止片32Aが係止部38Aに係止することで、噴射操作部用被覆片30Aは被覆位置となり、ヘッド部20が押圧操作される際に、噴射操作部用被覆片30Aはヘッド部20の上面に接触した状態で押圧されるので、ヘッド部20が押圧操作される毎に噴射操作部用被覆片30Aは被覆位置からずれることがなく、噴射操作部用被覆片30Aが被覆位置に位置した状態が維持される。
したがって、係止部38Aが薬剤通過用窓1406の上縁1406Bで構成され、被覆位置維持部40Aが係止片32Aで構成されている。
なお、
図5(A)、
図6(A)に示すように、噴射操作部用被覆片30Aが被覆位置に位置した状態で、噴射操作部用被覆片30Aの両側の円弧部3004は、それぞれキャップ14Aの係止壁1410上に位置している。
また、本発明では、係止片32Aを均一幅で形成してもよく、あるいは、先細り状に形成してもよいが、
図2(A)に示すように、本実施の形態では、係止片32Aの両側は、薬剤通過用窓1406の幅よりも大きい寸法の幅広部3202に形成されている。
そして、幅広部3202の両側の縁は、キャップ14Aの薬剤通過用窓1406の両側の傾斜面1406Aとほぼ同じ傾斜の傾斜縁3202Aで形成され、傾斜縁3202Aが傾斜面1406Aに係止することで、係止片32Aが薬剤通過用窓1406の上縁1406Bから外れないように図られている。
したがって、幅広部3202および薬剤通過用窓1406の両側の傾斜面1406Aは、係止片32Aが係止部38Aに係止した状態を保持する係止保持部42Aを構成している。
【0016】
図5(B)、(C)に示すように、変位阻止部34は、容器本体12の底面1202に当接し本体片26の底面1202から離れる方向の変位を阻止する箇所である。
図3に示すように、変位阻止部34は、本体片26の下端の互いに対向する箇所から突設された第1底片部44と第2底片部46とで構成されている。
図2(B)に示すように、第1底片部44は、容器本体12の底面1202に対応した形状の円形の底面4402と、底面4402に設けられた底面形成用係止片4404とを備えている。
底面4402は、本体片26の下端に第1折り目4406を介して接続されている。
第1折り目4406は、第1底片部44が本体片26の所定の箇所から折り曲がるように形成された箇所である。
第1折り目4406と対向する底面4402の箇所には底面4402の輪郭である円形を切り欠いた直線部4408が設けられている。
底面形成用係止片4404は、直線部4408の長手方向の中央部から突設されている。
底面形成用係止片4404は、直線部4408に接続された細幅部4404Aと、細幅部4404Aの先端に設けられた細幅部4404Aよりも幅の広い幅広部4404Bとを備えている。
細幅部4404Aの長手方向の中間部には係止部用折り目4404Cが形成されている。
係止部用折り目4404Cは、底面形成用係止片4404が細幅部4404Aの所定の箇所から折り曲がるように形成された箇所である。
【0017】
図2(C)に示すように、第2底片部46は、容器本体12の底面1202に対応した形状の円形を呈し、本体片26の下端に第2折り目4602を介して接続されている。
第2折り目4602は、第2底片部46が所定の箇所から折り曲がるように形成された箇所である。
第2折り目4602と対向する第1底片部44の箇所には円形を切り欠いた直線縁4604が設けられている。
第2折り目4602寄りの第2底片部46の箇所から第2折り目4602寄りの本体片26の箇所にわたり第2折り目4602を跨いで底面形成用係止片4404が挿脱可能に係止する底面形成用係止部4606が設けられている。
底面形成用係止部4606は、第1直線状切れ目4606Aと2つの第2直線状切れ目4606Bと2つの第3直線状切れ目4606Cとにより構成されている。
第1直線状切れ目4606Aは、細幅部4404Aの幅よりも若干大きい寸法の長さで、第2折り目4602寄りの第2底片部46の箇所に第2折り目4602と平行して直線状延在している。
2つの第2直線状切れ目4606Bは、第1直線状切れ目4606Aの両端からそれぞれ第2折り目4602寄りの本体片26の箇所にわたり第2折り目4602を跨いで直線状に延在している。
2つの第3直線状切れ目4606Cは、各第2直線状切れ目4606Bの先端から互いに離れる方向の直線状に延在している。
第2直線状切れ目4606Bから離れた各第3直線状切れ目4606Cの先端間の寸法は、幅広部4404Bの幅よりも若干小さい寸法で形成されている。
したがって、第2底片部46を第2折り目4602から折り曲げて容器本体12の底面1202に当接し、次に、第1底片部44を第1折り目4406から折り曲げ、幅広部4404Bを第1~第3直線状切れ目4606A~4606Cから本体片26の内側に挿入すると、容器本体12の底部寄りの外周面の外側でかつ本体片26の内側で幅広部4404Bの両側の係止縁4404Dが各第3直線状切れ目4606Cの縁に係止する。すなわち、底面形成用係止片4404が底面形成用係止部4606に係止する。
本実施の形態では、第1底片部44と第2底片部46とにより、容器本体12の底部(底面1202)に当接し本体片26の容器本体12の上端方向への変位を阻止する変位阻止部34を構成している。
【0018】
このような構成のエアゾール容器抗菌カバー22Aは、
図3、または
図4に示す一枚のカバー片24A、24A′から構成されている。
図3に示すカバー片24Aは、接合片2602が接続された本体片26と、本体片26の長手方向の一端から突設された噴射操作部用被覆片30Aと、本体片26の長手方向の他端から突設された第1底片部44、第2底片部46とを備えている。
本体片26は、丸められ幅方向の一側の接合片2602が幅方向の他側に接合されることで円筒状の本体片26となる。接合片2602の接合は、ヒートシールや接着剤、超音波融着などを介してなされる。
また、外観性を高めるため、本体片26が構成された際に本体片26の長手方向の一端で周方向の半部に上方に凸の湾曲部2604Aが設けられ、また、周方向の残りの半部に上方に凸の湾曲部2604Bが2つ並べられて設けられている。
噴射操作部用被覆片30Aは湾曲部2604Aの中央から突設されている。
また、
図4に示すカバー片24A′は、本体片26の幅方向の一側に切れ目2610が設けられ、幅方向の他側に切れ目2610に係脱可能に係止するフック片2612が設けられ、接合片2602は設けられておらず、その他の箇所は
図3に示すカバー片24Aと同様である。なお、幅方向に切れ目2610を複数カ所設けて、径が異なるサイズの容器本体12に対応したり、また、切れ目2610、フック片2612に代え、面ファスナーを用いるなど任意である。
なお、エアゾール容器抗菌カバー22Aを単体で市場に流通させる場合は、
図3、
図4に示すカバー片24A、24A′は偏平なため、
図1に示すカバー片24Aに比べて嵩張らず有利となる。
【0019】
次に、エアゾール容器抗菌カバー22Aの使用方法について説明する。
図3に示すカバー片24Aの場合には、工場において接合片2602が本体片26に接合され、円筒状の本体部23(
図1参照)を形成する。
図4に示すカバー片24Aの場合には、エアゾール容器抗菌カバー22Aの購入者が、フック部2612を切れ目2610に挿入して係止させ、円筒状の本体部23(
図1参照)を形成する。
そして、購入者または工場の作業員は、第2底片部46を第2折り目4602から本体片26の半径方向内側に折り、次いで、第1底片部44を第1折り目4406から第2底片部46の下に折り、底面形成用係止片4404を底面形成用係止部4606に係止させる。
底面形成用係止片4404を底面形成用係止部4606に係止する操作は、本体片26に容器本体12を挿入する前に行なってもよく、あるいは、本体片26に容器本体12を挿入した状態で行なってもよい。
容器本体12を本体片26に挿入後、容器本体12を本体片26内で本体片26の下端側に移動させると、容器本体12の底部(底面1202)が第1底片部44および第2底片部46に当接し、底面形成用係止片4404が底面形成用係止部4606に係止していることから、容器本体12の上端側へ本体片26の移動が阻止される。
次に、
図5、
図6に示すように、被覆部用折り目2802(
図2~
図4参照)から脚片28を折り曲げ、脚片28をキャップ14Aの操作用欠部1408内に位置させ、噴射操作部用被覆片30Aでヘッド部20を覆い、係止片32Aを薬剤通過用窓1406の上縁1406Bに係止させ、幅広部3202の傾斜縁3202A(
図2(A))を薬剤通過用窓1406の両側の傾斜面1406Aに係止させる。
この場合、噴射操作部用被覆片30Aの両側がそれぞれキャップ14Aの係止壁1410上に載置された状態で係止片32Aが薬剤通過用窓1406の上縁1406Bに係止し、噴射操作部用被覆片30Aは被覆位置となり、これによりエアゾール容器抗菌カバー22Aがエアゾール容器10Aに装着される。
【0020】
本実施の形態では、消臭剤や芳香剤、除菌剤などの薬剤を噴射するエアゾール容器10Aがオフィスビルの会議室や空港ロビーの化粧室などの不特定多数の人が出入りする箇所に置かれて使用される場合、本実施の形態のエアゾール容器抗菌カバー22Aをエアゾール容器10Aに装着しておく。
エアゾール容器10Aを使用する場合、使用者は親指と中指や薬指、小指で容器本体12を把持し、人差し指により噴射操作部18を操作する。
本実施の形態では、親指と中指や薬指、小指で把持される容器本体12の箇所が抗菌性を有する本体片26で覆われ、また、人差し指で押圧操作される噴射操作部18が抗菌性を有する噴射操作部用被覆片30Aで覆われている。
したがって、手や指に菌等の付着した者がエアゾール容器10Aを使用し、本体片26と噴射操作部用被覆片30Aに菌等が付着した場合であっても、本体片26と噴射操作部用被覆片30Aは抗菌性を有することから、それらの箇所での菌等の増殖が抑制される。
したがって、オフィスビルの会議室や空港ロビーの化粧室などにおいてエアゾール容器10Aを介しての菌等の汚染を抑制する上で有利となる。
【0021】
また、本実施の形態では、噴射操作部18の操作を可能とした状態で噴射操作部18を覆う被覆位置に噴射操作部用被覆片30Aを位置させた状態に維持させる被覆位置維持部40Aが設けられているので、多数の使用者が噴射操作部用被覆片30Aを人差し指で押圧操作しても、言い換えると、長期使用された場合であっても、噴射操作部用被覆片30Aは、噴射操作部18を覆う被覆位置に維持される。
したがって、エアゾール容器抗菌カバー22Aが装着されたエアゾール容器10Aの使い勝手を向上する上で有利となり、また、オフィスビルの会議室や空港ロビーの化粧室などにおいてエアゾール容器10Aを介しての菌等の汚染を抑制する上で有利となる。
また、薬剤をエアゾール容器10Aに直接塗布する場合に比べて安価で実施することが可能で、また、エアゾール容器抗菌カバー22Aは、不要な場合には取り外すことができ、また、長期使用により抗菌効果が低下した場合や汚れた場合などには、エアゾール容器抗菌カバー22Aの交換も簡単に行なえ、オフィスビルの会議室や空港ロビーの化粧室などにおいてエアゾール容器を介しての菌等の汚染を抑制する上で有利となる。
また、薬剤通過用窓1406の上縁1406Bで構成された係止部38Aと、噴射操作部用被覆片30Aに接続された係止片32Aで構成された被覆位置維持部40Aとを備え、それら係止部38Aと被覆位置維持部40Aは簡単な構造で形成されている。
したがって、エアゾール容器抗菌カバー22Aのコストダウンを図る上で有利となり、コストダウンを図りつつ菌等の汚染を抑制する上で有利となる。
【0022】
また、噴射操作部用被覆片30Aの外周縁3002とキャップ14Aの内周面1403とにより、噴射操作部用被覆片30Aの噴射操作部18に対する水平方向の位置決めを行なう水平方向位置決め部36Aが構成されているので、多数の使用者が噴射操作部用被覆片30Aを人差し指で押圧操作しても、言い換えると、長期使用された場合であっても、噴射操作部用被覆片30Aを、噴射操作部18を覆う被覆位置に維持させる上で有利となり、エアゾール容器抗菌カバー22Aが装着されたエアゾール容器10Aの使い勝手を向上する上で有利となり、オフィスビルの会議室や空港ロビーの化粧室などにおいてエアゾール容器10Aを介しての菌等の汚染を抑制する上で有利となる。
また、エアゾール容器抗菌カバー22Aは、操作用欠部1408に配置されその先部に噴射操作部用被覆片30Aが設けられ脚片28を備えているので、噴射操作部用被覆片30Aを被覆位置に簡単に配置する上で有利となり、エアゾール容器10Aへのエアゾール容器抗菌カバー22Aの装着を簡単に行なう上で有利となる。
【0023】
また、係止片32Aが係止部38Aに係止した状態を保持する係止保持部42Aが設けられているので、多数の使用者が噴射操作部用被覆片30Aを人差し指で押圧操作しても、言い換えると、長期使用された場合であっても、噴射操作部用被覆片30Aを、噴射操作部18を覆う被覆位置に維持させる上で有利となる。
したがって、エアゾール容器抗菌カバー22Aが装着されたエアゾール容器10Aの使い勝手を向上する上で有利となり、また、オフィスビルの会議室や空港ロビーの化粧室などにおいてエアゾール容器10Aを介しての菌等の汚染を抑制する上で有利となる。
また、係止保持部42Aは、係止片32Aの先部の幅広部3202と薬剤通過用窓1406の両側の縁(傾斜面1406A)により構成された簡単な構造であり、エアゾール容器抗菌カバー22Aのコストダウンを図る上で有利となり、また、エアゾール容器10Aへのエアゾール容器抗菌カバー22Aの装着を簡単に行なう上で有利となる。
【0024】
また、本体片26は、容器本体12の下端から上端に至る長さを有し、容器本体12の全域を覆っている。
その場合は、使用者が、容器本体12のどこを掴んでも、菌等の増殖が抑制され、したがって、オフィスビルの会議室や空港ロビーの化粧室などにおいてエアゾール容器10Aを介しての菌等の汚染を抑制する上で有利となる。
また、エアゾール容器10Aを使用する場合、使用者は親指と中指や薬指、小指で本体片26を把持し、人差し指により噴射操作部用被覆片30Aを押圧操作する。
そのため、噴射操作部用被覆片30Aを押圧操作する毎に、人差し指が親指、中指、薬指、小指に接近するため、容器本体12の外周面の表面粗さなどの表面状態やカバー片24Aの材料如何によっては、本体片26全体が容器本体12の上端方向にずれようとする。
本実施の形態では、第1底片部44と第2底片部46とにより、容器本体12の底部に当接し本体片26の容器本体12の上端方向への変位を阻止する変位阻止部34が構成されているので、本体片26の上方へのずれを規制でき、本体片26のずれ上がりを阻止する上で有利となる。
したがって、エアゾール容器抗菌カバー22Aが装着されたエアゾール容器10Aの使い勝手を向上する上で有利となり、エアゾール容器10Aを介しての菌等の汚染を抑制する上で有利となる。
【0025】
(第2の実施の形態)
次に、
図9~
図12を参照して第2の実施の形態のエアゾール容器抗菌カバー22Bについて説明する。
なお、以下の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同様な部材、箇所には同一の符号を付してその説明を省略、または簡略して説明し、異なった箇所を重点的に説明する。
第2の実施の形態では、キャップ14Bが薬剤通過用窓1406を有しておらず、これに対応して係止片32Bと係止部38Bの構造が第1の実施の形態と異なっている。
図12に示すように、第2の実施の形態のキャップ14Bは、噴射操作部18を挟んで互いに対向する壁部1412を有し、ノズル部16側は薬剤通過用欠部1414となっており、その反対側は操作用欠部1416となっている。
図10、
図11に示すように、脚片28は、キャップ14Bの下部外周面を通り操作用欠部1416からキャップ14Bの内側に配置されている。
図9に示すように、係止片32Bは、噴射操作部用被覆片30Bの両側に一対設けられている。
詳細には、
図10(A)に示すように、係止片32Bは、噴射操作部用被覆片30Bの両側からノズル部16の軸心方向と直交する方向に突出して設けられ、平面視した場合、噴射操作部用被覆片30Bと一対の係止片32Bを含む輪郭はノズル部16の軸心方向の直交する方向に細長の矩形状を呈している。
一対の係止片32Bは、縦縁3210と、縦縁3210の薬剤通過用欠部1414側の端部から縦縁3210に直交して延在する前縁3212と、縦縁3210の操作用欠部1416側の端部から縦縁3210に直交して延在する後縁3214とを有している。
【0026】
図11(A)、(B)に示すように、係止部38Bは、ノズル部16の軸心方向と直交する方向において互いに対向する壁部1412の内周面1418の箇所にそれぞれ形成され、一対の係止片32Bがそれぞれ挿入される一対の係止溝1420で形成されている。
詳細には、係止溝1420は、互いに対向する壁部1412の内周面1418の箇所で、ヘッド部20の上面よりも若干高い高さの箇所にそれぞれ形成されている。
図10(A)に示すように、各係止溝1420は、係止溝1420の奥部においてノズル部16の軸心と平行する方向に延在する溝縦壁1422と、溝縦壁1422の薬剤通過用欠部1414側の端部から溝縦壁1422に直交して延在する溝前壁1424と、溝縦壁1422の操作用欠部1416側の端部から溝縦壁1422に直交して延在する溝後壁1426とによりヘッド部20側に開放状に形成されている。
【0027】
噴射操作部用被覆片30Bは、その両側の係止片32Bがそれぞれ一対の壁部1412の係止溝1420に挿入されてヘッド部20上に配置される。
このように噴射操作部用被覆片30Bがヘッド部20上に配置された状態で、噴射操作部用被覆片30Bは、平面視した場合に噴射操作部用被覆片30Bの中心と噴射操作部18の中心がほぼ合致し、噴射操作部用被覆片30Bが噴射操作部18の直上に位置し、噴射操作部18を覆う被覆位置となる。
このように被覆位置となった状態で、噴射操作部用被覆片30Bの両側の係止片32Bの縦縁3210と溝縦壁1422との間、前縁3212と溝前壁1424との間、後縁3214と溝後壁1426との間にはそれぞれ若干の隙間が介在している。
そのため、噴射操作部用被覆片30Bが被覆位置から水平方向において何れかの方向にずれようとすると、両側の係止片32Bの縦縁3210と溝縦壁1422とが当接し、あるいは、前縁3212と溝前壁1424とが当接し、あるいは、後縁3214と溝後壁1426とが当接するため、噴射操作部用被覆片30Bは被覆位置に維持される。
また、両側の係止片32Bの上下には若干の隙間を介在させた状態で係止溝1420の上下の壁面が位置しているため、噴射操作部用被覆片30Bが被覆位置から上下方向にずれようとすると、両側の係止片32Bが係止溝1420の上下の壁面に当接し、噴射操作部用被覆片30Bは被覆位置に維持される。
したがって、係止部38Bが一対の係止溝1420で構成され、被覆位置維持部40Bが噴射操作部用被覆片30Bの両側の係止片32Bで構成されている。
また、本実施の形態では、噴射操作部用被覆片30Bの両側の係止片32Bと係止溝1420により噴射操作部用被覆片30Bの噴射操作部18に対する水平方向の位置決めを行なう水平方向位置決め部36Bが構成されている。
また、両側の係止片32Bと係止溝1420により、係止片32Bが係止溝1420から外れないように図られ、両側の係止片32Bと係止溝1420は、係止片32Bが係止部38Bに係止した状態を保持する係止保持部42Bを構成している。
このような第2の実施の形態によっても第1の実施の形態と同様な効果が奏される。
【0028】
(第3の実施の形態)
次に、
図13~
図15を参照して第3の実施の形態のエアゾール容器抗菌カバー22Cについて説明する。
第3の実施の形態では、係止片32Cが係止する係止部38Cがノズル部16で構成されている点が第1の実施の形態と異なっている。
第3の実施の形態ではキャップ14Cに係止溝1420が形成されていない点を除いてキャップ14Cの構造は第2の実施の形態とほぼ同様である。
図14、
図15に示すように、ノズル部16は、ヘッド部20からロッド状に突出している。
図13に示すように、本体片26から突出する脚片28の先端に噴射操作部用被覆片30Cが設けられ、係止片32Cは、脚片28と反対に位置する噴射操作部用被覆片30Cの箇所から突設され、その先部にノズル部係止孔3220が形成されている。
図14、
図15に示すように、脚片28は、キャップ14Cの下部外周面を通り操作用欠部1416からキャップ14Cの内側に配置され、係止片32Cのノズル部係止孔3220にノズル部16が挿通されると、係止片32Cの弾性によりノズル部係止孔3220はノズル部16に係止した状態となり、噴射操作部用被覆片30Cは噴射操作部18の直上に位置して噴射操作部18を覆う被覆位置となる。
そして、ノズル部係止孔3220にノズル部16が係止することで、噴射操作部用被覆片30Cが被覆位置に位置した状態が維持される。
したがって、被覆位置維持部40Cは係止片32Cで構成され、係止部38Cはノズル部16で構成されている。
このような第3の実施の形態によっても第1の実施の形態と同様な効果が奏される。
【0029】
(第4の実施の形態)
次に、
図16~
図18を参照して第4の実施の形態のエアゾール容器抗菌カバー22Dについて説明する。
第4の実施の形態では、噴射操作部18が揺動操作されるレバー48である点が第1の実施の形態と異なっている。
図18に示すように、キャップ14Dは、エアゾール容器10Dの容器本体12の上部に取り付けられ、キャップ14Dの上端にノズル部16が設けられ、ノズル部16の下方に噴射操作部18が設けられている。
噴射操作部18は、ノズル部16の下方に配置されその上端がキャップ14Dの箇所に揺動可能に結合されたレバー48で構成されている。
レバー48は、
図17、
図18に示される姿勢が、薬剤がノズル部16から噴射されない初期位置であり、初期位置から指で揺動されるとノズル部16から薬剤が噴射され、レバー48は常時初期位置に位置するように付勢されている。
図16、
図17に示すように、本体片26は、容器本体12からレバー48の上部までキャップ14Dを覆う筒状を呈している。
本体片26の上部に、キャップ14Dの形状に対応させ上方に至るにつれて外径が次第に小さくなる筒状傾斜面2620が設けられている。
鉛直方向に対するこの筒状傾斜面2620の傾斜は、初期位置に位置するレバー48の傾斜よりも小さい。
なお、ノズル部16を有する上端ケースが容器本体12に対して取り外しできない場合には、
図16、
図17に示す予め筒状に形成された本体片26ではなく、
図3、
図4に示す平面状に展開された本体片を筒状にして使用する。
【0030】
噴射操作部用被覆片30Dはこの筒状傾斜面2620に設けられ、レバー48の幅よりも若干大きい寸法の幅で上下の細長状に設けられている。
噴射操作部用被覆片30Dは、噴射操作部用被覆片30Dの上縁3010が本体片26に接続され、レバー48の左右側縁に設けられた一対の縦切れ目3012と、レバー48の下縁に対応する本体片26の箇所に設けられた横切れ目3014により形成されている。
図17に示すように、エアゾール容器抗菌カバー22Dをエアゾール容器10Dに装着した状態で、容器本体12の下端からレバー48の上端まで本体片26で覆われる。
一対の縦切れ目3012と横切れ目3014は筒状傾斜面2620に形成されていることから、レバー48の上端を除くレバー48の箇所は、一対の縦切れ目3012と横切れ目3014と噴射操作部用被覆片30Dの上縁3010により形成される上下に縦長の開口から筒状傾斜面2620の外側に突出した初期位置となる。
レバー48の初期位置で、噴射操作部用被覆片30Dは、その上縁3010を支点としてレバー48にならって筒状傾斜面2620の外側に撓み、レバー48を覆う被覆位置となる。
そして、レバー48の上部の左右側部には、一対の縦切れ目3012が位置しているため、噴射操作部用被覆片30Dが被覆位置からずれようとすると、一対の縦切れ目3012がレバー48に当たり、レバー48に対する噴射操作部用被覆片30Dのずれが阻止される。
したがって、係止部38Dが、レバー48の上部の左右側部で構成され、噴射操作部18を覆う被覆位置に噴射操作部用被覆片30Dを位置させた状態に維持させる被覆位置維持部40Dが、本体片26の一対の縦切れ目3012で構成されている。
このような第4の実施の形態によっても第1の実施の形態と同様な効果が奏される。
【0031】
(第5の実施の形態)
次に、
図19~
図22を参照して第5の実施の形態のエアゾール容器抗菌カバー22Eについて説明する。
第5の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、エアゾール容器抗菌カバー22Eの係止片32Eに切り欠き3230を設けた点、脚片28に複数の脚片用折り目2810を設けた点、容器本体12の底面1202に当接する変位阻止部34の構成が第1の実施の形態と異なっており、その他のエアゾール容器抗菌カバー22Eの箇所は第1の実施の形態と同様であり、また、エアゾール容器抗菌カバー22Eが装着されるエアゾール容器10Aも第1の実施の形態と同様である。
図19に示すエアゾール容器抗菌カバー22Eは、
図20に示す一枚の抗菌性を有するカバー片24Eから構成され、カバー片24Eを構成する材料は第1の実施の形態と同様である。
図20に示すように、脚片28は、本体片26の湾曲部2604Aの上端に被覆部用折り目2802を介して接続され本体片26の上端から突出され、脚片28の先端に噴射操作部用被覆片30Eが設けられている。
また、本体片26の幅方向の中央に折り目2202が設けられ、本体片26の幅方向の端部に折り目2202'を介して接合片2602が接続されている。
なお、第5の実施の形態のカバー片24Eでは、工場において接合片2602が本体片26に接合され、接合片4614が第2底辺部46に接合され、円筒状の本体部23(
図19参照)を有するエアゾール容器抗菌カバー22Eが形成される。
このエアゾール容器抗菌カバー22Eは、折り目2202と折り目2202′と第2折り目4612の箇所を折ることが可能で、
図1に示すエアゾール容器抗菌カバー22Aに比べて嵩張らないため、組み立てた状態のエアゾール容器抗菌カバー22Eを単体で市場に流通させる場合に有利となる。
【0032】
図20、
図22(B)で示すように、脚片28の延在方向に間隔をおいた複数箇所に、噴射操作部用被覆片30Eを噴射操作部18(ヘッド部20)に近づける方向に脚片28全体を折り曲げる脚片用折り目2810が設けられている。
本実施の形態では脚片用折り目2810は、被覆部用折り目2802に平行して延在する第1脚片用折り目2810A、第2脚片用折り目2810B、第3脚片用折り目2810Cの3つ設けられている。
【0033】
図19、
図20、
図21(A)、(B)、
図22(A)に示すように、第1の実施の形態と同様に、係止片32Eは、脚片28と反対に位置する噴射操作部用被覆片30Eの先端から突設され、薬剤通過用窓1406に挿入されて薬剤通過用窓1406の上縁1406B(係止部38E)に係止する。
そして、第1の実施の形態と同様に、係止片32Eが係止部38Eに係止することで、噴射操作部用被覆片30Eは被覆位置となり、ヘッド部20が押圧操作される際に、噴射操作部用被覆片30Eはヘッド部20の上面に接触した状態で押圧されるので、ヘッド部20が押圧操作される毎に噴射操作部用被覆片30Eは被覆位置からずれることがなく、噴射操作部用被覆片30Eが被覆位置に位置した状態が維持される。
したがって、係止部38Eが薬剤通過用窓1406の上縁1406Bで構成され、被覆位置維持部40Eが係止片32Eで構成されている。
また、
図21(A)、
図22(A)に示すように、噴射操作部用被覆片30Eが被覆位置に位置した状態で、噴射操作部用被覆片30Eの両側の円弧部3004は、それぞれキャップ14Aの係止壁1410上に位置し、両側の円弧部3004の外周縁3002はキャップ14Aの内周面1403に対して僅かな隙間を介在させた状態で対向している。
そのため、噴射操作部用被覆片30Eが被覆位置からずれようとすると、噴射操作部用被覆片30Eの外周縁3002が周壁1402の内周面1403に当接するため、噴射操作部用被覆片30Eは被覆位置に維持される。外周縁3002と内周面1403とにより噴射操作部用被覆片30Eの噴射操作部18に対する水平方向の位置決めを行なう水平方向位置決め部36Eが構成されている。
【0034】
図20に示すように、係止片32Eは噴射操作部用被覆片30Eから突設される方向と直交する方向の幅を有し、第1の実施の形態と同様に、係止片32Eの両側は、薬剤通過用窓1406の幅よりも大きい寸法の幅広部3202に形成されている。
そして、第5の実施の形態では、係止片32Eの幅方向の中央に切り欠き3230が設けられ、切り欠き3230により幅広部3202が二股状となり、幅広部3202が左右対称の形状で一対設けられている。
図21(A)に示すように、切り欠き3230は、薬剤が噴出される方向であるノズル部16の前方Fの直上に位置する係止片32Eの箇所に、前方Fに開放状に設けられている。
そして、一対の幅広部3202の両側の縁は、キャップ14Aの薬剤通過用窓1406の両側の傾斜面1406Aとほぼ同じ傾斜の傾斜縁3202A(
図20参照)で形成され、傾斜縁3202Aが傾斜面1406Aに係止することで、係止片32Eが薬剤通過用窓1406の上縁1406Bから外れないように図られている。
この場合、一対の幅広部3202は左右対称の形状で設けられているので、一対の幅広部3202の傾斜縁3202Aの傾斜面1406Aへの係止がより確実になされ、係止片32Eが薬剤通過用窓1406の上縁1406Bから外れることを防止する上でより有利となっている。
したがって、一対の幅広部3202の傾斜縁3202Aおよび薬剤通過用窓1406の両側の傾斜面1406Aは、係止片32Eが係止部38Eに係止した状態を保持する係止保持部42Eを構成している。
【0035】
図21(B)、(C)に示すように、変位阻止部34は、容器本体12の底面1202に当接し、容器本体12の底面1202から本体片26が離れる方向の変位を阻止する箇所である。
図20に示すように、変位阻止部34は、本体片26の下端の互いに対向する箇所から突設された第1底片部44と第2底片部46とで構成されている。
第1底片部44は、脚片28の下方に位置する本体片26の下端に第1折り目4610を介して接続され、容器本体12の円形の底面1202のほぼ半分に対応した形状を呈している。
第1底片部44の先部には、第2折り目4612を介して接合片4614が設けられている。
第2底片部46は、2つの湾曲部2604Bの下方に位置する本体片26の下端に第2折り目4616を介して接続され、容器本体12の円形の底面1202のほぼ半分に対応した形状を呈している。
したがって、
図19に示すように、変位阻止部34の形成は、第1底片部44と第2底片部46をそれぞれ山折りし、接合片4614を第2底片部46の上、または下に重ね、ヒートシールや接着剤、超音波融着などにより接合片4614を第2底片部46の上、または下に接合することでなされる。
【0036】
第5の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果が奏される他、次の効果が奏される。
図22(B)で示すように、脚片28の延在方向に間隔をおいた複数箇所に、噴射操作部用被覆片30Eを噴射操作部18(ヘッド部20)に近づける方向に脚片28全体を折り曲げる複数の脚片用折り目2810を設けたので、噴射操作部用被覆片30Eを水平方向に曲げたときに発生する脚片28の反発応力を低減させ、噴射操作部用被覆片30Eを噴射操作部18に近づけて配置する上で有利となり、また、噴射操作部18を噴射操作部用被覆片30Eの上から押して使用を繰り返すことにより発生する脚片28のストレスクラックを防止する上で有利となり、エアゾール容器抗菌カバー22Eが装着されたエアゾール容器10Eの使い勝手を向上させ、オフィスビルの会議室や空港ロビーの化粧室などにおいてエアゾール容器10Eを介しての菌等の汚染を抑制する上で有利となる。
また、
図21(A)で示すように、係止片32Eの幅方向の中央でノズル部16の前方Fの直上に位置する係止片32Eの箇所に、前方Fに開放状の切り欠き3230を設けたので、上下の広い範囲にわたって薬剤が噴射される構造のノズル部16を備えるエアゾール容器10Aの場合であっても、ノズル部16から噴射された薬剤が係止片32Eの下面に付着して結露し、係止片32Eから薬剤の液が滴下する不具合を解消できる。
したがって、エアゾール容器抗菌カバー22Eが装着されたエアゾール容器10Eの使い勝手を向上させ、オフィスビルの会議室や空港ロビーの化粧室などにおいてエアゾール容器10Eを介しての菌等の汚染を抑制する上で有利となる。
また、係止片32Eの幅方向の中央に切り欠き3230を設けると、係止片32Eの係止保持部42Eの機能を維持しつつ切り欠き3230を設ける上で有利となる。
また、
図19に示すように、変位阻止部34を、第1底片部44と第2底片部46をそれぞれ山折りし、接合片4614を第2底片部46の上、または下に重ね、ヒートシールや接着剤、超音波融着などにより接合片4614を第2底片部46の上、または下に接合して構成するようにしたので、第1の実施の形態のように、底面形成用係止片4404を底面形成用係止部4606に係止する操作を省略でき、また、底面形成用係止片4404を容器本体12の外周面と、本体片26で形成される円筒状の本体部23の内周面との間に挿入する必要がなくなるため、容器本体12の外周面に対して所望の隙間をもって本体部23の内径を形成でき、エアゾール容器抗菌カバー22Eが装着されたエアゾール容器10Eの使い勝手を向上させ、オフィスビルの会議室や空港ロビーの化粧室などにおいてエアゾール容器10Eを介しての菌等の汚染を抑制する上で有利となる。
【0037】
なお、第1~第5の実施の形態のエアゾール容器10A、10B、10C、10Dではそれぞれ容器本体12に対して着脱可能なキャップ14A、14B、14C、14Dを有していたが、キャップを有さず容器本体12の上部からノズル部16を有するヘッド部20が突出されているエアゾール容器も市場に流通している。
この場合には、エアゾール容器抗菌カバーは、容器本体に装着され容器本体を覆う本体片と、本体片に接続され噴射操作部であるヘッド部の上面を覆う大きさの噴射操作部用被覆片とを備えており、噴射操作部用被覆片を両面テープや、面ファスナー、接着剤などでヘッド部の上面に取り付ければよい。
したがって、両面テープや、面ファスナー、接着剤などは、噴射操作部用被覆片を噴射操作部に位置させた状態を維持する被覆位置維持部を構成することになり、このような実施の形態によっても第1の実施の形態と同様な効果が奏される。
なお、両面テープや、面ファスナー、接着剤などで構成された被覆位置維持部は、無論第1から第5の実施の形態にも採用可能である。
この場合には、エアゾール容器側に係止し噴射操作部を覆う被覆位置に噴射操作部用被覆片を位置させた状態を維持する被覆位置維持部に代えて、両面テープや、面ファスナー、接着剤などで構成された被覆位置維持部を用いればよく、あるいは、エアゾール容器側に係止し噴射操作部を覆う被覆位置に噴射操作部用被覆片を位置させた状態を維持する被覆位置維持部と両面テープや、面ファスナー、接着剤などで構成された被覆位置維持部の双方の被覆位置維持部を用いるなど任意である。
【符号の説明】
【0038】
10A、10B、10C、10D エアゾール容器
12 容器本体
1202 底面
14A、14B、14C、14D キャップ
1402 周壁
1403 内周面
1404 接続片
1406 薬剤通過用窓
1406A 傾斜面
1406B 上縁
1408 操作用欠部
1410 係止壁
1412 壁部
1414 薬剤通過用欠部
1416 操作用欠部
1418 内周面
1420 係止溝
1422 溝縦壁
1424 溝前壁
1426 溝後壁
16 ノズル部
18 噴射操作部
20 ヘッド部
22A、22B、22C、22D、22E エアゾール容器抗菌カバー
2202、2202’ 折り目
23 本体部
24A、24A’、24E カバー片
26 本体片
2602 接合片
2604A、2604B 凸の湾曲部
2610 切れ目
2612 フック片
2620 筒状傾斜面
28 脚片
2802 被覆部用折り目
2810、2810A、2810B、2810C 脚片用折り目
30A、30B、30C、30D、30E 噴射操作部用被覆片
3002 外周縁
3004 円弧部
3010 上端
3012 一対の縦切れ目
3014 横切れ目
32A、32B、32C、32E 係止片
3202 幅広部
3202A 傾斜縁
3210 縦縁
3212 前縁
3214 後縁
3220 ノズル部係止孔
3230 切り欠き
34 変位阻止部
36A、36B、36E 水平方向位置決め部
38A、38B、38C、38D、38E 係止部
40A、40B、40C、40D、40E 被覆位置維持部
42A、42B、42E 係止保持部
44 第1底片部
4402 底面
4404 底面形成用係止片
4404A 細幅部
4404B 幅広部
4404C 係止部用折り目
4404D 係止縁
4406 第1折り目
4408 直線部
46 第2底片部
4602 第2折り目
4604 直線縁
4606 底面形成用係止部
4606A 第1直線状切れ目
4606B 第2直線状切れ目
4606C 第3直線状切れ目
4610 第1折り目
4612 第2折り目
4614 接合片
4616 第3折り目
48 レバー