(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022098416
(43)【公開日】2022-07-01
(54)【発明の名称】建設装備の多関節作動型コンソールボックス
(51)【国際特許分類】
E02F 9/16 20060101AFI20220624BHJP
B60N 2/75 20180101ALI20220624BHJP
【FI】
E02F9/16 B
B60N2/75
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021156239
(22)【出願日】2021-09-27
(31)【優先権主張番号】10-2020-0179329
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】519026607
【氏名又は名称】安 国洙
【氏名又は名称原語表記】An Gugsoo
(71)【出願人】
【識別番号】519433274
【氏名又は名称】安 榮民
【氏名又は名称原語表記】Ahn Youngmin
(71)【出願人】
【識別番号】521420679
【氏名又は名称】金 起▲ヒョン▼
【氏名又は名称原語表記】Kim Kihyun
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】安 国洙
(72)【発明者】
【氏名】安 栄民
(72)【発明者】
【氏名】金 起▲ヒョン▼
【テーマコード(参考)】
2D015
3B087
【Fターム(参考)】
2D015EA02
2D015EB01
3B087DC01
(57)【要約】
【課題】運転席の活用と安全と利便性を強化させ得る多関節作動型コンソールボックスの提供。
【解決手段】多関節作動型コンソールボックスにおいて、コンソールボックス多関節作用式前後進駆動装置が配備され、コンソールボックス多関節作用式前後進駆動装置は、上部にスタンド型操作ボックスが連結され、下部にはリンク上部結合用遊動ブラケット、リンク下部結合用固定ブラケットが配備され、その間に第1と第2のリンクが設けられ、第1と第2のリンクの各上端中心点に相当するリンク上部結合用遊動ブラケットと、各下端中心点に相当するリンク下部結合用固定ブラケットとの間に、リンクプレートが配備され、リンクプレートとリンク下部結合用固定ブラケットとの間に、リンクプレートを一定の角度範囲内において前後に交互に回転させて第1と第2のリンクを関節式で作動させ、コンソールボックスに対する前後進動作が可能なようにするリンクプレート正逆転駆動手段が設けられてなる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者が肘を乗せて楽な姿勢で調整レバー(11)を操作できるようにする建設装備の多関節作動型コンソールボックスにおいて、
コンソールボックスと連結された下部には、多関節による動作でコンソールボックスに対する前後進動作の効率を高めたコンソールボックス多関節作用式前後進駆動装置(100)が配備されるが、前記コンソールボックス多関節作用式前後進駆動装置(100)は、上部にスタンド型操作ボックス(9)が連結され、前記スタンド型操作ボックス(9)の下部には前後に遊動されるリンク上部結合用遊動ブラケット(110)が配備され、
前記リンク上部結合用遊動ブラケット(110)から上下に一定の間隔が保たれた下部には、遊動不可な固定状態でリンクの下部を支持するリンク下部結合用固定ブラケット(120)が配備され、
前記リンク上部結合用遊動ブラケット(110)の下部と、これに対応する前記リンク下部結合用固定ブラケット(120)の上部との間には、互いに一定の間隔を隔てて一方の側と他方の側にそれぞれ関節状に連結される第1のリンク(130-1)と第2のリンク(130-2)が設けられ、
前記第1のリンク(130-1)及び第2のリンク(130-2)の各上端の中心点に相当するリンク上部結合用遊動ブラケット(110)と、前記第1のリンク(130-1)及び第2のリンク(130-2)の各下端の中心点に相当するリンク下部結合用固定ブラケット(120)との間には、ヒンジピン(h)により結合されたリンクプレート(140)が配備され、
前記リンクプレート(140)とリンク下部結合用固定ブラケット(120)との間には、リンクプレート(140)を一定の角度範囲内において前後に交互に回転させて第1のリンク(130-1)と第2のリンク(130-2)を関節式で作動させ、これを通してコンソールボックスに対する前後進動作が可能なようにするリンクプレート正逆転駆動手段(150)が設けられてなることを特徴とする建設装備の多関節作動型コンソールボックス。
【請求項2】
前記第1のリンク(130-1)は、リンク上部結合用遊動ブラケット(110)の一方の側に形成された一本の上ヒンジ結合孔(111)と、これに対応する前記リンク下部結合用固定ブラケット(120)の一方の側に形成された一本の下ヒンジ結合孔(121)との間にヒンジピン(h)により結合され、
前記第2のリンク(130-2)は、前記リンク上部結合用遊動ブラケット(110)の他方の側に形成された一本の上ヒンジ結合孔(111)とリンク下部結合用固定ブラケット(120)の他方の側に形成された一本の下ヒンジ結合孔(121)との間にヒンジピン(h)により結合されることを特徴とする請求項1に記載の建設装備の多関節作動型コンソールボックス。
【請求項3】
前記リンクプレート(140)は、正転または逆転の動作に際して定められた最大の回転範囲において第1のリンク(130-1)の上下端に形成されたいずれか一つの関節結合部と、第2のリンク(130-2)の上下端に形成されたいずれか一つの関節結合部に接触されながらストッパーの役割を果たし、
前記第1のリンク(130-1)及び第2のリンク(130-2)の各関節結合部に対応するリンクプレート(140)の4個の隅角部位には、関節結合部間のストッパーの接触が可能なようにするストッパー受け溝(143)が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の建設装備の多関節作動型コンソールボックス。
【請求項4】
前記リンクプレート正逆転駆動手段(150)としては、モーター駆動型(M-type)またはシリンダー作動型(S-type)のうちから選択されたどちらか一方のタイプを適用するが、
前記モーター駆動型(M-type)は、前記リンク下部結合用固定ブラケット(120)に一定の大きさの半円弧の周りにギヤ歯が形成された固定型半円レールギヤ(151-1)を構成し、これに外接するリンクプレート(140)には、駆動モーター(151-2)とその回転軸から引き出された外接遊動型ピニオンギヤ(151-3)を噛み合わせた構造であり、
前記シリンダー作動型(S-type)は、前記リンク下部結合用固定ブラケット(120)の中央から一定の間隔にて偏心されたいずれか一つの個所と、リンクプレート(140)の上側のいずれか一つの個所との間にそれぞれヒンジピン(h)により結合されたシリンダー(152-1)を設けた構造であることを特徴とする請求項1に記載の建設装備の多関節作動型コンソールボックス。
【請求項5】
前記駆動モーター(151-2)またはシリンダー(152-1)としては、エンコーダーが組み込まれた数値制御型駆動モーターまたはシリンダーを適用することを特徴とする請求項4に記載の建設装備の多関節作動型コンソールボックス。
【請求項6】
前記リンクプレート(140)の一方の端と他方の端には、第1のリンク(130-1)と第2のリンク(130-2)の正転または逆転を感知して駆動モーター(151-2)またはシリンダー(152-1)を制御することにより、コンソールボックスの前進と後進の動作の限界点を定め得る第1のセンサー(161)と第2のセンサー(162)をさらに設けたことを特徴とする請求項1に記載の建設装備の多関節作動型コンソールボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設装備(掘削機など)の運転席に設けられたコンソールボックスの動作が多関節式で行われるようにして、手狭い空間においてもさらに簡単に設けることができ、運転席内の空間の活用性と安全性はもとより、使い勝手の良さをもなお一層強化させ得る多関節作動型コンソールボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、掘削機などの建設用重装備の運転室の内部には、運転者が肘を乗せて楽な姿勢でブーム、アーム、バケットなどの作業装置を遠隔にて制御できる調整レバー(RCV lever)を備えるコンソールボックスが設置される。
【0003】
また、掘削機用コンソールボックスは、運転者の搭乗または下車に際して干渉を避けるために掘削機電源のオン/オフまたは別途の操作に従ってコンソールボックスの位置を指定された角度や方向に切り換える動作を行うための手段と、運転者の不注意により調整レバーを間違って触れたときに生じ得る重装備の誤作動とこれによる不意の事故を予防するための安全レバーの設置もまた必ず必要である。
【0004】
コンソールボックスの位置移動を行うための手段と重装備の誤作動の予防のための安全レバーは、重装備を作製するメーカーごとにそれぞれ様々な仕組みに設計されるが、中でも、大韓民国特許登録第10-2016287号(掘削機用コンソールボックス)には、具体的な一例について説明されている。
【0005】
上記の特許先行文献におけるコンソールボックスの作動(運転者の搭乗または下車に際して干渉を避けるための位置移動)に関する技術の内容をまとめると、「コンソールボックスがコンソールレバー58を1次的に引っ張り、安全レバー36を下降させた後、コンソールレバー58を2次的に再び引っ張ってラッチ装置を解除すると、コンソールモーター40により自動的に一定の角度に見合う分だけチルト(コンソールボックスの全体を一定の角度に見合う分だけ仰向かせる形態)されたり」、「スクリューモーター108により移動スクリュー94に沿って直線後方に移動させたりする」摺動搬送装置が開示されていることが分かる。
【0006】
しかしながら、コンソールボックスの作動に際して、上記の先行文献のようにコンソールボックスを一定の角度に見合う分だけ仰向かせるチルト動作を行うと、運転席の隣の空間を狭めて視野を妨げ、身動きの幅を制限する邪魔物としても働く虞があるなど不便さを引き起こすだけではなく、コンソールボックスが斜めに傾くため、内部に納められた小品が不所望にこぼれ落ちたりあちこちに散らばったりする虞があるなどの不都合がある。
【0007】
また、スクリューモーター、移動スクリューをはじめとする摺動搬送装置(スクリューモーター)を介してコンソールボックスを移動させる場合には、コンソールボックスの下部に長尺状の摺動搬送装置を設けることを余儀なくされるため、複雑な構成はさておいても、余計に広い空間を占めてしまうという不都合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】大韓民国特許登録第10-2016287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、運転者の搭乗または下車に際して干渉を避けるためのコンソールボックスの前後進動作を実現するとき、その構造がなお一層簡単であり、手狭い空間においても手軽に設置可能であるだけではなく、安全な水平移動性までも保証される多関節作用を応用した建設装備の多関節作動型コンソールボックスを提供するところに主眼点をおいてその技術的な課題を解決するために完成したものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の技術的課題を達成するために、本発明は、運転者が肘を乗せて楽な姿勢で調整レバーを操作できるようにする建設装備の多関節作動型コンソールボックスにおいて、コンソールボックスと連結された下部には、多関節による動作でコンソールボックスに対する前後進動作の効率を高めたコンソールボックス多関節作用式前後進駆動装置が配備されるが、前記コンソールボックス多関節作用式前後進駆動装置は、上部にスタンド型操作ボックスが連結され、前記スタンド型操作ボックスの下部には前後に遊動されるリンク上部結合用遊動ブラケットが配備され、前記リンク上部結合用遊動ブラケットから上下に一定の間隔が保たれた下部には、遊動不可な固定状態でリンクの下部を支持するリンク下部結合用固定ブラケットが配備され、前記リンク上部結合用遊動ブラケットの下部と、これに対応する前記リンク下部結合用固定ブラケットの上部との間には、互いに一定の間隔を隔てて一方の側と他方の側にそれぞれ関節状に連結される第1のリンクと第2のリンクが設けられ、前記第1のリンク及び第2のリンクの各上端の中心点に相当するリンク上部結合用遊動ブラケットと、前記第1のリンク及び第2のリンクの各下端の中心点に相当するリンク下部結合用固定ブラケットとの間には、ヒンジピンhにより結合されたリンクプレートが配備され、前記リンクプレートとリンク下部結合用固定ブラケットとの間には、リンクプレートを一定の角度範囲内において前後に交互に回転させて第1のリンクと第2のリンクを関節式で作動させ、これを通してコンソールボックスに対する前後進動作が可能なようにするリンクプレート正逆転駆動手段が設けられてなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
以上のような本発明の建設装備多関節移動型コンソールボックスは、運転者の搭乗または下車に際して干渉を避けるために移動させる多関節駆動手段100がさらに手狭い空間において非常に簡単に設置可能であるだけではなく、柔らかいだけではなく、単純であり、しかも、安全な水平移動性まで保証される新規な多関節作動機構が提供されるので、コンソールボックスの品質及び性能の向上に大きく寄与する有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明が適用された一実施形態の組み合わせ状態の斜視図。
【
図2】
図2は、本発明が適用された一実施形態のうち、外カバーの分解斜視図。
【
図4】
図4は、本発明の正面状態での前後進動作を示す例示図。
【
図5】
図5は、本発明の主な部品が組み立てられる状態を順番に列挙した例示図。
【
図6】
図6は、本発明の主な部品が組み立てられる状態を順番に列挙した例示図。
【
図7】
図7は、本発明において提示されたリンクプレート正逆転駆動手段を示す例示図。
【
図8】
図8は、本発明において提示されたリンクプレート正逆転駆動手段を示す例示図。
【
図9】
図9は、本発明において提示されたリンクプレート正逆転駆動手段を示す例示図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面に基づいて、本発明の建設装備多関節移動型コンソールボックスについて詳しく説明する。
【0014】
本発明は、運転者が肘を乗せて楽な姿勢で調整レバー11を操作できるようにする建設装備の多関節作動型コンソールボックスに関する。
【0015】
コンソールボックスが連結された下部には、多関節による動作でコンソールボックスに対する前後進動作の効率を高めたコンソールボックス多関節作用式前後進駆動装置100が配備されている。
【0016】
前記コンソールボックス多関節作用式前後進駆動装置100の上部には、スタンド型操作ボックス9が連結され、前記スタンド型操作ボックス9の下部には、前後に遊動されるリンク上部結合用遊動ブラケット110が配備される。
【0017】
前記リンク上部結合用遊動ブラケット110から上下に一定の間隔が保たれた下部には、遊動不可な固定状態でリンクの下部を支持するリンク下部結合用固定ブラケット120が配備される。
【0018】
また、前記リンク上部結合用遊動ブラケット110の下部と、これに対応する前記リンク下部結合用固定ブラケット120の上部との間には、互いに一定の間隔をあけて一方の側と他方の側にそれぞれ関節状に連結される第1のリンク130-1と第2のリンク130-2が設けられる。
【0019】
前記第1のリンク130-1及び第2のリンク130-2の各上端の中心点に相当するリンク上部結合用遊動ブラケット110と、前記第1のリンク130-1及び第2のリンク130-2の各下端の中心点に相当するリンク下部結合用固定ブラケット120との間には、ヒンジピンhにより結合されたリンクプレート140が配備される。
【0020】
そして、前記リンクプレート140とリンク下部結合用固定ブラケット120との間には、リンクプレート140を一定の角度範囲内において前後に交互に回転させて第1のリンク130-1と第2のリンク130-2を関節式で作動させ、これを通して、コンソールボックスに対する前後進動作が可能なようにするリンクプレート正逆転駆動手段150が設けられることを特徴としている。
【0021】
そして、本発明においては、図面のごとく、運転者が楽に肘を乗せられるようにするアームレスト10が設けられ、そのアームレスト10の下部には、アームレスト支持軸10-1により一定の間隔が保たれながらジョイスティック調整レバー11、制御スイッチ7、安全レバー8及び安全レバー駆動装置(図示せず)を備えるスタンド型操作ボックス9が設けられているが、これを便宜上「コンソールボックス」と称する。
【0022】
<リンク上部結合用遊動ブラケット>
上記の構成要素のうち、リンク上部結合用遊動ブラケット110は、前記スタンド型操作ボックス9の下部に構成され、二つのリンク回転動作につれて上部のコンソールボックスとともに遊動される部品であって、ここには、前記第1のリンク130-1と第2のリンク130-2の各上端部にヒンジピンhを嵌め込んで関節状に結合できるように、一定の間隔を隔ててその一方の側と他方の側にそれぞれ一本ずつの上ヒンジ結合孔111が形成される。
【0023】
<リンク下部結合用固定ブラケット>
前記リンク下部結合用固定ブラケット120は、前記リンク上部結合用遊動ブラケット110から一定の間隔が保たれたその下部に遊動不可な固定状態で設けられる部品であって、ここには、前記リンク上部結合用遊動ブラケット110の上ヒンジ結合孔111に対応して前記第1のリンク130-1と第2のリンク130-2の各下端部にヒンジピンhを嵌め込んで関節状に結合できるように、一定の間隔を間に挟んでその一方の側と他方の側にそれぞれ一本ずつの下ヒンジ結合孔121が形成される。
【0024】
<第1のリンクと第2のリンク>
前記第1のリンク130-1は、前記リンク上部結合用遊動ブラケット110の一方の側に形成された一本の上ヒンジ結合孔111と、これに対応する前記リンク下部結合用固定ブラケット120の一方の側に形成された一本の下ヒンジ結合孔121との間にヒンジピンhにより結合され、前記第2のリンク130-2は、前記リンク上部結合用遊動ブラケット110の他方の側に形成された一本の上ヒンジ結合孔111と、リンク下部結合用固定ブラケット120の他方の側に形成された一本の下ヒンジ結合孔121との間にヒンジピンhにより結合される。
【0025】
したがって、前記リンク上部結合用遊動ブラケット110と前記リンク下部結合用固定ブラケット120との間には、第1のリンク130-1と第2のリンク130-2を備える二つのリンクがそれぞれ関節状に連結されるという特徴を有する。
【0026】
そして、前記第1のリンク130-1と第2のリンク130-2としては、一定の太さの四角バー、六角バー、円形バーなどを適用することができ、ヒンジピンhが嵌め込まれる両端には関節結合部が備えられる。
【0027】
<リンクプレート>
そして、前記リンクプレート140は、前記第1のリンク130-1及び第2のリンク130-2の各上端の中心点に相当する前記リンク上部結合用遊動ブラケット110と、前記第1のリンク130-1及び第2のリンク130-2の各下端の中心点に相当する前記リンク下部結合用固定ブラケット120との間にヒンジピンhにより結合されて前記第1のリンク130-1及び第2のリンク130-2と一緒に回転動作される部材であって、前記第1のリンク130-1と第2のリンク130-2の回転動作に障害や干渉を全く与えない中で組み立てられなければならず、前記第1のリンク130-1と第2のリンク130-2の回転される半径範囲内において有機的に調和をなしながら連動される。
【0028】
併せて、前記リンクプレート140は、前記第1のリンク130-1及び第2のリンク130-2を強固に保持しながらも、これらと組み合わせられて動作されるので、第1のリンク130-1及び第2のリンク130-2が、たとえ、その強度が弱いか、あるいは、太さが細いとしても、作動中に壊れたり破損されたりする虞を払拭するなど、前記第1のリンク130-1及び第2のリンク130-2の補強の役割にも寄与する。
【0029】
さらに、前記リンクプレート140は、正転または逆転の動作に際して定められた最大の回転範囲において第1のリンク130-1の上下端に形成されたいずれか一つの関節結合部と、第2のリンク130-2の上下下に形成されたいずれか一つの関節結合部に接触されながらストッパーの役割を果たし、因みに、前記第1のリンク130-1及び第2のリンク130-2の各関節結合部に対応するリンクプレート140の4個の隅角部位には、関節結合部間のストッパーの接触を可能にするストッパー受け溝143が形成される。
【0030】
前述した構成により、前記リンクプレート140を一定の間隔に見合う分だけ正逆転させると、前記第1のリンク130-1と第2のリンク130-2もまた、一緒に動くことが可能になる。
【0031】
<リンクプレート正逆転駆動手段>
前記リンクプレート正逆転駆動手段150は、前記第1のリンク130-1と第2のリンク130-2を備えるリンクプレート140を一定の角度範囲内において正逆転させることにより、結果として、コンソールボックスに対する前進と後進動作が可能なようにするための装置であって、図示のごとく、モーター駆動型(M-type)またはシリンダー作動型(S-type)を含めて二種類のタイプから選択されたどちらか一方を適用できるようにしている。
【0032】
中でも、モーター駆動型(M-type)は、前記リンク下部結合用固定ブラケット120に一定の大きさの半円弧の周りにギヤ歯が形成された固定型半円レールギヤ151-1を構成し、これに外接するリンクプレート140には駆動モーター151-2とその回転軸から引き出された外接遊動型ピニオンギヤ151-3を噛み合わせることにより、前記駆動モーター151-2により回転される前記外接遊動型ピニオンギヤ151-3が固定型半円レールギヤ151-1の半円弧に沿って一定の角度に見合う分だけ正逆転されながら前後進動作が可能なようにする。
【0033】
シリンダー作動型(S-type)の場合には、前記リンク下部結合用固定ブラケット120の中央から一定の間隔をあけて偏心されたいずれか一つの個所と、リンクプレート140の上側のいずれか一つの個所との間にそれぞれヒンジピンhにより結合されたシリンダー152-1(油空圧シリンダー、またはこれと略同じ機能のアクチュエーターを含む)を設けることにより、前記シリンダー152-1を押したり引っ張ったりする作動によりリンクプレート140の正逆転及びコンソールボックス(アームレスト及びスタンド型操作ボックス)の全体に対する前進及び後進の動作が可能になる。
【0034】
前記駆動モーター151-2またはシリンダー152-1としては、エンコーダーが組み込まれた数値制御型駆動モーターまたはシリンダーを適用することができる。
【0035】
<第1のセンサーと第2のセンサー>
そして、前記リンクプレート140の一方の端と他方の端には、前記第1のリンク130-1と第2のリンク130-2の正転または逆転を感知して駆動モーター151-2またはシリンダー152-1を制御することにより、コンソールボックスの前進と後進の動作の限界点を定め得る第1のセンサー161と第2のセンサー162をさらに設けてもよい。
【0036】
このとき、前記第1のセンサー161と第2のセンサー162は、前記リンクプレート140の正転及び逆転の動作のうち、前記第1のリンク130-1と第2のリンク130-2の下部の終端に備える左右の二つの関節結合部に近づくとき、これを感知することにより、回転可能な最大の範囲に達したことを認識し、駆動モーターにその信号を送出することにより、回転量が制御可能なようにする上で最も理想的な個所にそれぞれ設ければよい。
【0037】
このように、前記第1のセンサー161と第2のセンサー162は、第1のリンク130-1、第2のリンク130-2の正転と逆転の動作に際して定められた角度に見合う分だけ回転され、それ以上は回転できないように制御する上で必要な実際の回転量情報の検出のために用いられるが、もし、エンコーダーなどが取り付けられた数値制御型駆動モーター151-2またはシリンダー152-1を適用する場合には、それ自体で正逆転値に対するリアルタイムの検出が自動的に行えるので、前記第1のセンサー161と第2のセンサー162をあえて苦労して設けなくても構わない。
【0038】
<作用の説明>
上記のように構成されるコンソールボックス多関節作用式前後進駆動装置100の動作は、次の通りである。
【0039】
コンソールボックスの前進動作の場合-前記駆動モーター151-2に前進動作信号が入力されれば、リンク下部結合用固定ブラケット120の上に形成された半円状の固定型半円レールギヤ151-1と噛み合わせられた外接遊動型ピニオンギヤ151-3が一方向に回転し、その円弧に沿って移動することにより、その駆動モーター151-2と外接遊動型ピニオンギヤ151-3が結合されたリンクプレート140及び第1のリンク130-1、並びに第2のリンク130-2が定められた所定の角度に見合う分だけ斜めに反らされ、このとき、第1のセンサー161から受信した信号により駆動モーター151-2が止まることにより、コンソールボックスの前進動作が完了する。
【0040】
コンソールボックスの後進動作の場合-前記駆動モーター151-2に後進動作信号が入力されれば、前記駆動モーター151-2と外接遊動型ピニオンギヤ151-3が上記の前進動作の際とは逆に逆転することにより、第1のリンク130-1及び第2のリンク130-2を含めてリンクプレート140が後方に反らされて同じ原理により後進動作が完了できるようになるのである。
【0041】
特に、上記のコンソールボックスの前後進動作は、前記リンクプレート140の回転に際して、前記第1のリンク130-1と第2のリンク130-2が上部にそれぞれ一つずつ、且つ、下部にもそれぞれ一つずつといったように、二つずつのヒンジポイントを基準として多関節運動を行い、これを通して回転されるため、リンクプレート140及び第1のリンク130-1、第2のリンク130-2が傾くこととは無関係に、リンク上部結合用遊動ブラケット110を備える上部のコンソールボックスが水平を保った状態で前進と後進を行うことが可能になる。
【0042】
一方、前記アームレスト10の下部のスタンド型操作ボックス9には、掘削機のアームとブームなどの動作を遠隔にて操作するためのジョイスティック調整レバー11が設けられ、その前方には安全レバー8とコンソールボックスの動作をオン/オフにする制御スイッチ7が配備され、操作ボックス9の前側には、運転者の不注意により調整レバー11を間違って触れた場合に生じ得る重装備の誤作動とこれによる不意の事故を予防するための安全レバー8が構成され、安全レバー8と連結された操作ボックス9の内部には、安全レバーを自動的に駆動する安全レバー駆動装置(図示せず)が設けられる。
【0043】
このとき、前記調整レバー11と安全レバー8を備える安全レバー駆動装置(図示せず)及び制御スイッチ7、並びにその下に設けられた前記コンソールボックス多関節作用式前後進駆動装置100は、掘削機の内部制御部のプログラムをコントロールすることにより、相互の連動体系で動作される。
【0044】
すなわち、コンソールボックスの前進動作は、掘削機のエンジンの始動(start)に際して、または制御スイッチ7を前進モードに操作する場合に行われ、コンソールボックスの前進状態で安全レバー8をON(前方に回転して前に長く伸びた状態)にする場合には、制御スイッチ7のうち安全レバーボタンをONに操作すればよい。
【0045】
コンソールボックスの後進動作は、掘削機のエンジンが切れて止まれば(stop)、あるいは、前記制御スイッチ7のコンソールボックスの動作ボタンを後進モードに操作すれば行われる。このとき、安全レバー8は、コンソールボックスの後進と同時に自動的に動作してOFF(前に伸びていた安全レバーが下に回転した後に後ろに反らされて内部に隠される状態)に切り換えられる。
【符号の説明】
【0046】
7 制御スイッチ
8 安全レバー
9 スタンド型操作ボックス
10 アームレスト
10-1 アームレスト支持軸
11 調整レバー
100 コンソールボックス多関節作用式前後進駆動装置
110 リンク上部結合用遊動ブラケット
120 リンク下部結合用固定ブラケット
130-1 第1のリンク
130-2 第2のリンク
140 リンクプレート
150 リンクプレート正逆転駆動手段
151-1 固定型半円ギヤ
151-2 駆動モーター
151-3 外接遊動型ピニオンギヤ
152-1 シリンダー
161 第1のセンサー
162 第2のセンサー