(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022098468
(43)【公開日】2022-07-01
(54)【発明の名称】インク組成物及び印刷方法
(51)【国際特許分類】
C09D 11/101 20140101AFI20220624BHJP
B41M 1/30 20060101ALI20220624BHJP
B41M 1/06 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
C09D11/101
B41M1/30 D
B41M1/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021202786
(22)【出願日】2021-12-14
(31)【優先権主張番号】17/129,703
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】シー.・ゲオフリー・アレン
(72)【発明者】
【氏名】ミハエラ・マリア・ビロウ
(72)【発明者】
【氏名】オーレリアン・ヴァレリウ・マグダリニス
【テーマコード(参考)】
2H113
4J039
【Fターム(参考)】
2H113AA01
2H113AA03
2H113BA05
2H113BB02
2H113BB07
2H113BB08
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4J039AD09
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4J039EA39
4J039FA02
4J039GA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】LED源で硬化され、その印刷物が許容可能な不透明度及び堅牢性を有する、アニロックスローラから受容基材に首尾よく転写され得るDALI白色インク組成物、およびインク組成物を印刷する方法を提供する。
【解決手段】白色インク組成物は、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、アクリレートオリゴマー、及びメタクリレートオリゴマーから選択される少なくとも1つの化合物を含むインクビヒクルと、25℃で固体である少なくとも1つのポリオール接着性樹脂と、少なくとも1つの光開始剤と、少なくとも1つの白色着色剤と、を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
白色インク組成物であって、
アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、アクリレートオリゴマー、及びメタクリレートオリゴマーから選択される少なくとも1つの化合物を含むインクビヒクルと、
25℃で固体である少なくとも1つのポリオール接着性樹脂と、
少なくとも1つの光開始剤と、
少なくとも1つの白色着色剤と、を含む、白色インク組成物。
【請求項2】
前記インクビヒクルが、前記アクリレートオリゴマー及び前記アクリレートモノマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アクリレートモノマーが、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートモノマーである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記アクリレートモノマーが、四官能性ポリエステルアクリレートオリゴマーである、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1つのポリオール接着性樹脂が、約80℃~約150℃のTgを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記少なくとも1つの光開始剤が、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキシドを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記少なくとも1つの光開始剤が、複数の異なる光開始剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
少なくとも1つの缶内安定剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
少なくとも1つの高分子分散剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
熱安定剤、粘度調整剤、充填剤、及びこれらの組み合わせから選択される、少なくとも1つの追加の成分を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記少なくとも1つ白色着色剤が、顔料であり、前記顔料が、前記インク組成物の総重量に対して、約40重量%~約65重量%の範囲の濃度である、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
可変リソグラフィ印刷のための方法であって、
湿し液を画像形成部材表面に塗布することと、
疎水性無画像領域及び親水性画像領域を形成するために、前記画像形成部材表面上の選択的な場所から前記湿し液を除去することによって潜像を形成することと、
白色インク組成物を前記親水性画像領域に塗布することによって、前記潜像を現像することと、
前記現像された潜像を受容基材に転写することと、を含み、
前記白色インク組成物が、
アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、アクリレートオリゴマー、及びメタクリレートオリゴマーから選択される少なくとも1つの化合物を含むインクビヒクルと、
25℃で固体である少なくとも1つのポリオール接着性樹脂と、
少なくとも1つの光開始剤と、
少なくとも1つの白色着色剤と、を含む、可変平版印刷のための方法。
【請求項13】
前記インクビヒクルが、前記アクリレートオリゴマー及び前記アクリレートモノマーを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記アクリレートモノマーが、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートモノマーである、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記アクリレートモノマーが、四官能性ポリエステルアクリレートオリゴマーである、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つのポリオール接着性樹脂が、約80℃~約150℃のTgを有する、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの光開始剤が、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキシドを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つの缶内安定剤を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの高分子分散剤を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記白色着色剤が、顔料であり、前記顔料が、前記インク組成物の総重量に対して、約40重量%~約65重量%の範囲の濃度である、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、放射線硬化性白色インク組成物に関する。インク組成物は、例えば、デジタルオフセット印刷プロセスにおいて用いられ得る。
【背景技術】
【0002】
インク系デジタル印刷は、デジタルオフセット印刷システムを用い、デジタル高度リソグラフィ画像形成(「DALI」)システムとしても既知である。DALIシステムは、1つの画像から次の画像に可変であり得るデジタル画像データに基づいて、画像を形成するためにリソグラフィインクを使用してリソグラフィ印刷を行うように構成されている。言い換えれば、可変画像データは、画像形成プロセスにおける基材上の画像のそれぞれの後続のレンダリングに応じて変更可能である基材上の画像を生成するために使用される。
【0003】
例えば、デジタルオフセット印刷プロセスは、放射線硬化性インクを、湿し液でコーティングされた画像形成シリンダ又は印刷プレートなどの画像形成部材の一部上に転写することを含み得る。湿し液の領域が、集束された放射線源(例えば、レーザー光源)への曝露によって選択的に除去されて、ポケットを形成する。この様式で、湿し液の一時的なパターンが、画像形成部材の上に形成される。次いで、インクが画像形成部材に塗布され、ポケット内に保持されて、インク画像を形成する。次いで、インク表面が基材と接触し、インク画像が画像形成部材から基材に転写する。次いで、湿し液が画像形成部材から除去され得、湿し液の新規な均一層が塗布され、プロセスが繰り返される。
【0004】
デジタルオフセット印刷インクは、システム構成要素材料に適合し、湿潤及び転写を含むサブシステム構成要素の機能要件を満たしながら、リソグラフィ印刷プロセスによって課される要求の厳しいレオロジー仕様を満たすように設計されるため、従来のインクとは異なる。白色インクは、特に、比較的高い不透明度を達成するために、非常に高い顔料濃度を有する。加えて、白色インク用途は、多くの場合、カラーインクと比較して、比較的大きな領域を被覆するために、より厚いインク層が要求される。インク層が厚くなるほど、アニロックスローラ、画像形成部材、及び最終基材間の良好なインク移動を得ることが困難になる。これらの差異によって、白色インクの要求の厳しいレオロジー仕様を満たすことは、カラーインクに対してより困難になり得る。
【0005】
過去のDALI白色インク組成物は、多くの場合、Hg(D-バルブ)光源用に設計され、かつこれを用いて硬化される。約365、385、395、及び405nmのピーク中心発光を中心とするものなどの発光ダイオード(LED)、並びに約365nm未満で、約405nm超であるピーク中心発光を有する複数の他のLEDランプは、LEDランプが典型的には、他の理由の中でも、より低コスト、より低発熱、及び環境にやさしい理由から、Hg硬化源を非常に急速に置き換えている。しかしながら、多くの従来のDALIインク組成物は、LED硬化には不適切なままである。LED源で硬化され、その印刷物が許容可能な不透明度及び堅牢性を有する、アニロックスローラから受容基材に首尾よく転写され得るDALI白色インク組成物を開発する必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態は、白色インク組成物に関する。白色インク組成物は、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、アクリレートオリゴマー、及びメタクリレートオリゴマーから選択される少なくとも1つの化合物を含むインクビヒクルと、25℃で固体である少なくとも1つのポリオール接着性樹脂と、少なくとも1つの光開始剤と、少なくとも1つの白色着色剤と、を含む。
【0007】
本開示の別の実施形態は、可変リソグラフィ印刷のための方法に関する。本方法は、湿し液を画像形成部材表面に塗布することと、疎水性無画像領域及び親水性画像領域を形成するために、画像形成部材表面上の選択的な場所から湿し液を除去することによって潜像を形成することと、白色インク組成物を親水性画像領域に塗布することによって、潜像を現像することと、現像された潜像を受容基材に転写することと、を含む。白色インク組成物は、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、アクリレートオリゴマー、及びメタクリレートオリゴマーから選択される少なくとも1つの化合物を含むインクビヒクルと、25℃で固体である少なくとも1つのポリオール接着性樹脂と、少なくとも1つの光開始剤と、少なくとも1つの白色着色剤と、を含む。
【0008】
本開示の白色インクは、以下の利点のうちの1つ以上を提供し得る。インクは、例えば、画像形成部材、湿し水、及び他の硬化又は非硬化インクを含む、接触する材料と適合し得る。インクは、好適な湿潤特性及び転写特性を提供することを含む、サブシステムの機能仕様を満たし得る。画像形成されたインクは、アニロックスローラから画像形成媒体へ、かつ画像形成媒体から最終基材へ転写され得る。インクは、ブランケット材料を均質に湿潤させ、ブランケットから基材へ転写し得る。インクは、画像層の90重量%の転写などの、画像層の効率的な転写を提供し得る。インクは、後続の印刷物に現れるゴースト画像を低減又は防止し得る。インクは、他の点では同じであるが、本開示のポリオール樹脂添加剤を有さないインクと比較して、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(MYLAR(登録商標)として市販)、二軸延伸ポリプロピレン(「BOPP」)、ポリエチレン、及び他のポリマー又は透明ポリマーから選択される少なくとも1つの材料を含む基材などの、特定の基材への改善された接着性を示し得る。白色インクは、UV LED放射線で硬化した後、不粘着性で高不透明度の印刷物をもたらし得、かつ/又は良好な耐薬品性を有し得る。放射線硬化前及び/又は放射線硬化後に、非黄変組成物を提供し得る。又は約55~約70g-mの平均粘着性(10分にわたる測定時間)範囲を提供し得る。インクは、良好なアニロックスローラ受容性、及びアニロックスローラから、透明ポリマー基材などの受容基材(例えば、MYLAR基材)への高い転写を提供し得る。
【0009】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明はいずれも、あくまで例示的かつ説明的なものであり、請求されるように、本教示を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付図面は、本教示の実施形態を示し、記載と共に、本教示の原理を説明する役割を果たす。
【0011】
【
図1】本開示の白色インクを印刷するために使用され得る、デジタル高度リソグラフィ画像形成のためのシステムの一例を示す図である。
【0012】
図のいくつかの詳細は簡略化されており、厳密な構造精度、詳細、及び縮尺は維持されるものではなく、実施形態の理解を容易にするように描かれていることに留意されたい。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、本教示の実施形態を詳細に参照し、それらの実施例は、添付図面に示される。図面中、同様の参照番号は、全体を通して、同一の要素を指定するために使用される。以下の説明では、その一部を形成し、本教示を実践することができる特定の例示的な実施形態を示す添付図面を参照する。したがって、以下の説明は、単なる例示に過ぎない。
【0014】
本開示の実施形態は、白色インク組成物に関する。白色インク組成物は、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、アクリレートオリゴマー、及びメタクリレートオリゴマーから選択される少なくとも1つの化合物を含むインクビヒクルを含む。白色インク組成物は、25℃で固体である少なくとも1つのポリオール接着性樹脂と、少なくとも1つの光開始剤と、少なくとも1つの白色着色剤と、を更に含む。以下に考察されるように、追加の成分も含まれ得る。
インクビヒクル
【0015】
本開示の組成物において用いられるインクビヒクルは、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、アクリレートオリゴマー、及びメタクリレートオリゴマーから選択される少なくとも1つの化合物を含み得る。一実施形態では、インクビヒクルは、少なくとも1つのアクリレート又はメタクリレートモノマーと、少なくとも1つのアクリレート又はメタクリレートオリゴマーとの両方を含む。オリゴマーの使用によって、インクのより速い架橋が可能になり得る。オリゴマー対モノマー比は、架橋速度と粘度との間の所望のバランスを提供するように調整され得る。一実施形態では、インクは、水と相溶性ではない。
【0016】
単官能性若しくは多官能性アクリレートモノマー、単官能性若しくは多官能性メタクリレートモノマー、又はこれらの組み合わせを含む、任意の好適なアクリレート及びメタクリレートモノマーが用いられ得る。例示的なアクリレートモノマーとしては、ポリエステルアクリレート、酸変性エポキシジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、及びグリセロール誘導体トリアクリレート(例えば、Allnex製のEBECRYL 5500)を挙げることができる。他のトリアクリレート、モノアクリレート、ジアクリレート、テトラアクリレート、ペンタアクリレート、ヘキサアクリレート、及び高官能性アクリレートモノマー、及びこれらの様々な組み合わせもまた、ビヒクルとしてインク組成物中で使用され得る。
【0017】
好適な市販のポリエステルアクリレートモノマーの例としては、Sartomer CN294E、Sartomer CD-501、Sartomer CN9014、Sartomer CN2282、及びSartomer CN2256、並びに1.10g/cm3の比重、200のAPHA色、及び25℃で80cpsの粘度を有する低粘度ポリエステルトリアクリレートであるEBECRYL 853が挙げられる。これらのポリエステルアクリレートモノマーは、顔料を湿潤させ、組成物の粘着性及び/又は粘度を改善するのに有用であり得る。好適な市販のトリメチロールプロパントリアクリレートモノマーの例としては、Sartomer製のSR-492、SR-501、SR-444、SR-454、SR-499、SR-502、SR-9035、及びSR-415、並びにAllnex製のEBECRYL 853、及びEBECRYL 5500が挙げられる。トリメチロールプロパントリアクリレートは、1.474の屈折率、1.06g/cm3の比重、300未満のAPHA色、及び25℃で80~120cpsの粘度範囲を有する。Sartomer SR-492は、3モルのプロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートであり、1.459の屈折率、1.05g/cm3の比重、-15℃のTg、30のAPHA色、及び25℃で90cpsの粘度を有する。Sartomer SR-501は、6モルのプロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートであり、1.4567の屈折率、1.048g/cm3の比重、-2℃のTg、90のAPHA色、及び25℃で125cpsの粘度を有する。好適な市販のペンタエリスリトールトリアクリレートの例としては、1.4801の屈折率、1.162g/cm3の比重、103℃のTg、50のAPHA色、25℃で520cpsの粘度を有するSartomer SR-444が挙げられる。好適な市販のエトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートの例としては、3モルのエトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートであり、1.4689の屈折率、1.103g/cm3の比重、120℃のTg、55のAPHA色、及び25℃で60cpsの粘度を有する、Sartomer SR-454、6モルのエトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートであり、1.4691の屈折率、1.106g/cm3の比重、-8℃のTg、50のAPHA色、及び25℃で85cpsの粘度を有する、Sartomer SR-499、9モルのエトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートであり、1.4691の屈折率、1.11g/cm3の比重、-19℃のTg、140のAPHA色、及び25℃で130cpsの粘度を有する、Sartomer SR-502、15モルのエトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートであり、1.4695の屈折率、1.113g/cm3の比重、-32℃のTg、60のAPHA色、及び25℃で168cpsの粘度を有する、Sartomer SR-9035、20モルのエトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートであり、1.4699の屈折率、1.115g/cm3の比重、-40℃のTg、55のAPHA色、及び25℃で225cpsの粘度を有する、Sartomer SR-415が挙げられる。好適な市販のグリコール誘導体化トリアクリレートの一例は、1.07g/cm3の比重、62のAPHA色、及び25℃で130cpsの粘度を有する低粘度グリセロール誘導体トリアクリレートである、EBECRYL 5500である。酸変性エポキシジアクリレートの市販の例は、Pennsylvania、Extonに所在するSartomerから入手可能であるCN118である。CN118は、9.47ポンド/ガロンの密度、25℃で1.529の屈折率、48℃のTg、及び25℃で80,000cpsの粘度を有する。
【0018】
ビヒクルとしてインク組成物中で使用され得る硬化性アクリレートオリゴマーとしては、二官能性ポリエステルアクリレートオリゴマー、三官能性ポリエステルアクリレートオリゴマー、及び四官能性ポリエステルアクリレートオリゴマーなどの、ポリエステルアクリレートオリゴマー、二官能性アクリレート化ウレタンオリゴマー、三官能性ウレタンアクリレートオリゴマー、及び四官能性ウレタンアクリレートオリゴマーなどの、アクリレート化ウレタンオリゴマー、並びに脂肪族アクリレートエステルオリゴマーを挙げることができる。
【0019】
市販のアクリレートオリゴマーの例としては、Sartomer CN294E、CN2256、CN2282、CN9014、CN309、CN9010、CN2261、CN750、及びCN2264が挙げられる。Sartomer CN294Eは、0.93の比重、及び60℃で4,000cpsの粘度を有する透明液体である四官能性アクリレート化ポリエステルオリゴマーである。Sartomer CN2256は、二官能性ポリエステルアクリレートオリゴマーであり、1.5062の屈折率、-22℃のTg、675psiの引張強度、及び60℃で11,000cpsの粘度を有する。Sartomer CN2282は、四官能性アクリレート化ポリエステルであり、1.15の比重、及び60℃で2,500cpsの粘度を有する透明液体である。Sartomer CN9014は、二官能性アクリレート化ウレタンであり、0.93の比重、及び60℃で19,000cpsの粘度を有する非透明液体である。Sartomer CN309は、脂肪族疎水性主鎖から誘導されたアクリレートエステルを含有するオリゴマーであり、言い換えれば、脂肪族アクリレートエステルである。CN309は、0.92の比重、7.68ポンド/ガロンの密度、26.3ダイン/cmの表面張力、25℃で150cpsの粘度、及び60℃で40cpsの粘度を有する透明液体である。CN9010は、25℃で1.201g/cm3の密度、25℃で1.495の屈折率、103℃のTg、及び60℃で2,650cpsの粘度を有する脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーである。CN2261は、25℃で1.14g/cm3の密度、25℃で1.512の屈折率、56℃のTg、及び60℃で2,280cpsの粘度を有する三官能性ポリエステルアクリレートオリゴマーである。CN750は、25℃で1.3g/cm3の密度、25℃で1.5072の屈折率、18℃のTg、及び60℃で2,500cpsの粘度を有する三官能性塩化ポリエステルアクリレートオリゴマーである。CN2264は、25℃で9.67ポンド/ガロンの密度、25℃で1.511の屈折率、43℃のTg、及び60℃で1,250cpsの粘度を有する三官能性ポリエステルアクリレートオリゴマーである。市販のアクリレートオリゴマーの更なる例としては、Allnex製のEBECRYL 8405、EBECRYL 8411、EBECRYL 8413、EBECRYL 8465、EBECRYL 8701、EBECRYL 9260、EBECRYL 546、EBECRYL 657、EBECRYL 809、EBECRYL 2870などが挙げられる。EBECRYL 8405は、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)中で80重量%として希釈された四官能性ウレタンアクリレートであり、2のガードナー色、及び60℃で4,000cpsの粘度を有する透明液体である。EBECRYL 8411は、イソボルニルアクリレート(IBOA)中で80重量%として希釈された二官能性ウレタンアクリレートであり、65℃で3,400~9,500cpsの粘度範囲を有する透明液体である。EBECRYL 8413は、IBOA中で67重量%として希釈された二官能性ウレタンアクリレートであり、60℃で35,000cpsの粘度を有する透明液体である。EBECRYL 8465は、2のガードナー色、及び60℃で21,000cpsの粘度を有する透明液体である三官能ウレタンアクリレートである。EBECRYL 8701は、2のガードナー色、及び60℃で4,500cpsの粘度を有する透明液体である三官能ウレタンアクリレートである。EBECRYL 9260は、2のガードナー色、及び60℃で4,000cpsの粘度を有する透明液体である三官能ウレタンアクリレートである。EBECRYL 546は、1.5のガードナー色、及び25℃で350,000cpsの粘度を有する透明液体である三官能ポリエステルアクリレートである。EBECRYL 657は、4のガードナー色、及び25℃で125,000cpsの粘度を有する透明液体である四官能ポリエステルアクリレートである。EBECRYL 809は、3のガードナー色、及び60℃で1,300cpsの粘度を有する透明液体である三官能ポリエステルアクリレートである。EBECRYL 2870は、25℃で1.10g/cm3の密度、及び60℃で4,100cpsの粘度を有する脂肪酸変性ポリエステルヘキサアクリレートオリゴマーである。市販のアクリレートオリゴマーの更なる例としては、1.14g/cm3の密度、25℃で約1,000~約2,000cpsの粘度を有するSoltech製のポリエステルアクリレートSP 283などのアミノ変性多官能性ポリエステルアクリレートオリゴマーが挙げられる。
【0020】
本明細書に開示されるアクリレートモノマー又はアクリレートオリゴマーのいずれかのメタクリレート類似体は、本開示の組成物中で用いられ得る。このようなメタクリレート類似体は、本明細書に記載されるアクリレートモノマー及び/又はアクリレートオリゴマーの代わりに、又はそれらに加えて用いられ得る。メタクリレートの反応速度は、典型的には、アクリレート対応物よりも約2桁遅い。しかしながら、それらは、改善された接着性及び/又は可撓性を有する硬化画像などの改善された特性を提供し得る。
【0021】
モノマー及び/又はオリゴマーは、任意の好適な量で存在し得る。実施形態では、モノマー、オリゴマー、又はこれらの組み合わせは、硬化性インク組成物の総重量に基づいて、約10~約85重量%、約30~約80重量%、又は約50~約70重量%の量で添加される。
【0022】
一実施形態では、本開示の組成物は、少なくとも1つのアクリレートモノマー及び少なくとも1つのアクリレートオリゴマーを含む。上記のアクリレートモノマー及びオリゴマーのいずれかが用いられ得る。一例として、アクリレートモノマーは、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートモノマーであり得、アクリレートオリゴマーは、四官能性ポリエステルアクリレートオリゴマーであり得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、共反応性モノマーは、上述のアクリレートモノマーに加えて、又はその代わりに添加され得る。共反応性モノマーは、インクビヒクルの極性を制御するために添加される。このような共反応性モノマーの具体例としては、官能性水溶性芳香族ウレタンアクリレート化合物(CYTECからEBECRYL 2003として入手可能)、二官能性化合物ポリエチレングリコールジアクリレート(CYTECからEBECRYL 11として入手可能)、及び三官能性化合物ポリエーテルトリアクリレート(CYTECからEBECRYL 12として入手可能)が挙げられるが、これらに限定されない。
ポリオール
【0024】
本開示の白色インク組成物は、少なくとも1つのポリオール接着性樹脂を含み得る。接着剤として機能し、白色インク組成物と相溶性であり、25℃以上で固体である、任意の好適なポリオールが用いられ得る。一実施例では、ポリオール接着性樹脂は、約80℃~約150℃、又は約85℃~約120℃、又は約85℃~約100℃のTgなどの、75度を超えるTgを有する。特に、ポリオールは、二軸配向ポリエチレンテレフタレート(MYLAR(登録商標)として市販)、二軸配向ポリプロピレン(「BOPP」)、ポリエチレン、及び他のポリマーのうちの1つ以上を含む基材などの、特定のポリマー基材への、白色インクの接着性を付与し得る。
【0025】
25℃で固体である市販のポリオール接着性樹脂は、Evonik Industries(Essen、Germany)から入手可能であるVariplus skである。この市販のポリオールは、約90℃のガラス転移温度、約325mg KOH/gのヒドロキシル価、及び約1.15g/cm3の密度を有する。本開示のポリオール接着剤は、ジメチコンコポリオールなどのインクの表面湿潤特性を調節又は向上させることが知られているコポリオールとは区別される。一実施例では、本開示の組成物は、ジメチコンコポリオールなどのポリオール界面活性剤を含まない。
【0026】
インク組成物中のポリオール接着性樹脂の量は、白色インクに好適な任意の量であり得る。上述のように、白色インクは、多くの場合、着色インクよりも高い割合の顔料を用い、これは、経時的にインクの安定性を維持しながら、追加の固体を組み込むことを困難にし得る。これは、DALIインクが典型的に高粘度であることを考慮すると、特に当てはまり、その高粘度は、インクが画像を印刷するのに有効であり、DALI印刷プロセスにおいて、ブランケットから受容基材へのインクの実質的な転写を可能にする。所望のインク安定性及び不透明度の両方のバランスをもたらすDALIインク中のTiO2顔料の濃度は、例えば、約45重量%以上のTiO2顔料など、約50重量%以上のTiO2顔料などの、約40%以上のTiO2顔料である。VariPlus SKを含むいくつかの固体ポリオールは、約80℃を超えるTgを有し、それによって、既に高い固形分含有量を考慮して、室温(本出願の目的のためには約23℃)でポリオールをDALIインクモノマー及びオリゴマー担体成分を可溶化させるのは困難となる。しかしながら、出願人らは、固体ポリオールの形態で、有効量の追加の固体を組み込むことが、これらの組成物及び室温でのプロセスで達成可能であると判定した。室温程度などの比較的低い温度で安定した組成物を得ることができるのが望ましい。なぜなら、アクリレートモノマー及びオリゴマーを含む放射線硬化性成分の過度の加熱は、Tgが約80℃を超えるVariPlus SKを含む、いくつかのポリオールの溶融可溶化を助ける一方で、望ましくない熱誘起又は化学的に開始されるラジカル型重合反応につながり得るからである。更に、室温で固体である過剰なポリオールはまた、DALI印刷プロセスで発生するインクの所望のレオロジーと流動特性を阻害する可能性もあり得、これには、インクの投与と、インクが存在するインクローダーからアニロックスローラへの受容が含まれる。本開示のインクは安定であり、有望なレオロジー及び流動特性を示す。
【0027】
本開示の白色インクの例示的なポリオール接着性樹脂濃度は、インク組成物の総重量に対して、約2重量%~約20%重量%、又は約5重量%~約15%重量%、又は約5重量%~約10%重量%の範囲であり得る。
光開始剤
【0028】
白色インク組成物と相溶性であり、かつ、インクビヒクル中で用いられる特定のオリゴマー及びモノマーを重合するのに好適である任意の好適な光開始剤が使用され得る。光開始剤は、例えば紫外線スペクトルの光などの好適な放射線源を使用して、インクを放射線硬化可能にし得る。一実施形態では、光開始剤は、フリーラジカル光開始剤である。例示的な光開始剤としては、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチル-ベンジル)-1-(4-モルホリノ-4-イル-フェニル)=ブタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、エチル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィネート(TPO-L)、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキシド(TPO)、及びオリゴ[2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノンなどのオリゴマーアルファヒドロキシケトンが挙げられる。
【0029】
このような光開始剤の例は、Ciba Specialty Chemicalsから入手可能であるIRGACURE 379、IRGACURE 184、及びIRGACURE 819として市販されている。IRGACURE 379は、380.5の分子量を有する、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチル-ベンジル)-1-(4-モルホリノ-4-イル-フェニル)ブタン-1-オンである。IRGACURE 184は、204.3の分子量を有する、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトンである。IRGACURE 819は、418.5の分子量を有するビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシドである。市販のオリゴマーアルファヒドロキシケトン光開始剤の一例は、Lamberti Technologiesから入手可能であるEsacure KIP 150であり、これは、オリゴ[2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノン]である。市販の2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキシドの一例は、IGM Resins(Charlotte、North Carolina)から入手可能であるOMNIRAD(商標)TPOである。
【0030】
光開始剤は、硬化に使用される特定の波長で使用するために選択され得る。例えば、TPO光開始剤は、395nmで良好に作用する。インクを硬化させるために十分な強度で放出され得る任意の好適な波長範囲が用いられ得る。例えば、約365nm~約405nmなどの、約300nm~約450nmの範囲の波長が、この範囲外の波長と同様に、硬化のために用いられ得る。
【0031】
一実施形態では、2つ、3つ、又はそれ以上の光開始剤などの、複数の異なる光開始剤が、単一のインク組成物中に用いられ得る。例えば、上記の光開始剤のうちのいずれかの2つ、3つ、又は4つが用いられ得る。例として、白色インク組成物に好適である市販の光開始剤の混合物が使用され得る。具体例は、Omnirad 819とOmnirad TPO-LとのブレンドであるOmnirad 2100である。光開始剤の別の好適な混合物は、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、2,3-ジヒドロ-6-(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-オキソプロピル)-1,1,3-トリメチル-3-[4-(2-ヒドロキシ2-メチル-1-オキソプロピル)フェニル]-1H-インデン、2,3-ジヒドロ-5-(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-オキソプロピル)-1,1,3-トリメチル-3-[4-(2-ヒドロキシ2-メチル-1-オキソプロピル)フェニル]-1H-インデン、エチルフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィネート、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、3-ヒドロキシ-3-フェニルブタン-2-オン(異性体)、及びジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシドの混合物を含むOmnirad BL 724であり、それは、IGM Resins,B.V.から市販されている。
【0032】
全ての光開始剤の合計は、約3~約8重量%、又は約5~約7重量%などの、インク組成物の1~約10重量%の量で存在し得る。
【0033】
用いられる特定の光開始剤は、白色インクの色に影響を及ぼし得る。例えば、多くの光開始剤は、過度に多量の量で使用される場合、インクの望ましくない着色を引き起こし得る(例えば、インクは、黄色に変色し得る)。一例として、表3に示される量のIRGACURE 379、IRGACURE 819、IRGACURE 184、及びESACURE KIP 150の4つ全てを用いることによって、白色インクの形成が可能になるが、これら4つのうちのいずれか1つの過度の使用は、望ましくない変色(例えば、黄変)を引き起こし得る。更に、より広い吸収範囲にわたって光吸収を可能にするために、様々な光開始剤を選択することが有利であり得る。したがって、複数の光開始剤を使用することは、白色インクシステムにおいて利点を提供し得る。
着色剤
【0034】
一実施形態では、本開示の白色インクに用いられる着色剤は、1つ以上の染料、1つ以上の顔料、又は染料と顔料との混合物から選択される。所望の白色着色を提供する任意の好適な染料又は顔料は、それらが、インク組成物中に分散又は溶解され得、かつ他のインク成分と相溶性がある場合に選択され得る。一実施形態では、顔料が用いられる。特定の実施形態では、本明細書の着色剤は、例えば、二酸化チタン顔料、リトポン顔料(例えば、C.I.Pigment White 5)、酸化亜鉛ホワイトを含む、様々な程度の不透明度の1つ以上の白色顔料を含み、それ自体がわずかに着色されていてもいなくてもよく、他の無機白色顔料であってもよい。実施形態では、本明細書の顔料は、二酸化チタン顔料、リトポン顔料、酸化亜鉛顔料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0035】
実施形態では、本明細書のインク組成物は、主着色剤としての白色顔料、及び任意選択的に1つ以上の追加の顔料を含む。実施形態では、インク組成物は、背景インクであり、これは、印刷された場合にインク層、実施形態では白色インク層を提供するインクを意味し、画像は、白色インク層の上に印刷され得る。実施形態では、白色インク背景層は、「不透明」(すなわち、基材が透き通って見えない)又は「透明」(すなわち、基材が印刷層から透き通って見える)であり得る。不透明度は、インク中の顔料配合量を変更することによって、又は互いの上にいくつかの層を印刷することによって達成され得る。透明性を達成するために、より少ない顔料がインクに配合され得るか、又は、基材上のより薄い層を可能にするようなインクレオロジーが選択され得る。実施形態では、インク組成物は、高不透明度着色剤と低不透明度着色剤との選択された比を含む2つ以上の着色剤、実施形態では、高不透明度顔料及び低不透明度顔料の選択された比を含有し得る。
【0036】
実施形態では、1つ以上の低不透明度顔料が選択され得る。低不透明顔料は、白色又は非白色であり得る。実施形態では、非白色低不透明度顔料は、1つ以上の追加着色剤と組み合わされて、白色インク組成物(すなわち、白色画像又は層を印刷するインク組成物)を提供し得る。
【0037】
実施形態では、低不透明度顔料は、ブリリアント白色顔料Lithopone B301、コバルト緑色(Rinman緑色又は亜鉛緑色として既知であることもある)、半透明緑色顔料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0038】
実施形態では、高不透明度顔料は、二酸化チタン顔料、天然二酸化チタン顔料、合成二酸化チタン顔料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。ルチル二酸化チタン顔料などの、合成二酸化チタン顔料は、例えば、スルフェートプロセス又はクロライドプロセスによって生成され得る。二酸化チタン顔料は、アルミナ及び他のアルミニウム生成物、合成非晶質シリカ及び他のケイ素生成物、ジルコニウム生成物のうちの1つ以上で表面改質又は処理され得、更に、分散性、安定性、及び塗料、コーティング、インクなどの様々な最終用途において、レオロジー、光学特性、耐候性、及び耐光性を含む、他の性能メトリックを補助するための有機処理(及び/又は他の処理)も含む。好適な二酸化チタン顔料の例としては、いずれも、Chemours Company TT,LLCから入手可能である、TI-PURE(登録商標)R706及びTI-PURE 6300、並びにKronos International,Inc.から入手可能であるKRONOS 2064及びKRONOS 2066二酸化チタン顔料が挙げられる。
【0039】
用いられる顔料の量は、白色インクに好適な任意の量であり得る。上述のように、白色インクは、多くの場合、着色インクよりも高い割合の顔料を用いる。23℃での本開示の白色インクの例示的顔料配合量は、インク組成物の総重量に対して、約40重量%~約65重量%、又は約40重量%~約60重量%、又は約45重量%~約55重量%の範囲であり得る。
【0040】
顔料、ポリオール接着性樹脂、及び充填剤(例えば、粘土又はシリカ充填剤)などの任意の非硬化性固体を含み得る、総非硬化性固体配合量は、室温(約23℃)で、約50重量%~約65重量%などの、約45重量%~約70重量%の範囲であり得る。これらの固体範囲は、インクの得られたレオロジー及び粘着性によって、アニロックスローラ上への所望のインキングと、印刷画像を可能にするための、アニロックスローラから受容ブランケット、次いで受容基材へのインクの実質的な転写とが可能になるように選択され、印刷された画像インクが放射線硬化されると、印刷画像の所望の不透明度及び接着特性が実現され得る。
任意成分
【0041】
本開示のインク組成物は、1つ以上の任意の追加の成分を含み得る。このような任意成分の例としては、熱安定剤、缶内安定剤、粘度調整剤、充填剤、及び分散剤が挙げられる。
【0042】
例示的な熱安定剤は、Sartomer CN3216であり、これは、25℃で1.113の比重、及び25℃で1,100cPの粘度を有するアクリレート安定化添加剤である。安定剤の他の例としては、米国特許公開第2003/073762号又は欧州特許公開第1235863号に開示されているものなどの、立体障害ニトロキシルラジカルが挙げられ、これらの両方の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。硬化速度に対する影響を最小限に抑えながら、UV硬化性組成物のゲル化を防止する、典型的なラジカル捕捉剤の例は、ビス(1-オキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート(Irgastab(登録商標)UV 10)、及び4-ヒドロキシ-1-オキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンである。更に別の安定剤組成物としては、米国特許第7,723,398号に開示されているような、立体障害ニトロキシルラジカルとキノンメチドとの安定剤ブレンドが挙げられ、この開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0043】
1つ又は複数の異なる熱安定剤が使用され得る。熱安定剤は、任意の好適な量で存在し得る。例示的な量としては、約0.2~約3重量%、又は約0.4~約1重量%などの、インク組成物の約0.1~約5重量%が挙げられる。
【0044】
任意の好適な缶内安定剤が用いられ得る。缶内安定剤は、フリーラジカルのレベルを低減するように機能し、それによって、保管中に組成物中の望ましくない重合を回避する可能性がある。市販の缶内安定剤の一例は、Rahn AG(Zurich、Switzerland)から入手可能であるGenorad 16である。
【0045】
インク組成物の粘度を調整するのに好適であり、そうでなければ印刷プロセスと適合性のある任意の充填剤が、任意選択的に用いられ得る。例示的な充填剤としては、有機及び無機粘土及びシリカが挙げられる。このような充填剤の市販例は、Southern Clay Productsから入手可能である有機粘土であるCLAYTONE HY、及びDegussa製のAEROSIL 200などのシリカ型材料である。1つ以上の異なる充填剤が使用され得る。例えば、粘土若しくはシリカ単独のいずれか、又はその両方の組み合わせが用いられ得る。
【0046】
総充填剤は、インク組成物の総重量に基づいて、約0.2~約4重量%、又は約1~約2重量%などの、インク組成物の約0~約6重量%の量で存在し得る。
【0047】
任意の分散剤成分としては、BASF SEから入手可能であるEFKA(登録商標)4340、及びByk-Chemie GmbHから入手可能であるDISPERBYK(登録商標)2100などの高分子量のABジブロックコポリマー、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない、任意の好適な又は所望の分散剤を挙げることができる。特定の実施形態では、分散剤混合物は、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート(Sartomer USA,LLCから入手可能であるCD406(登録商標)など)と、BASF SEから入手可能であるAB-ジブロックコポリマー構造を有する高分子量分散剤であるEFKA(登録商標)4340などの少なくとも1つの追加成分とを含む。例示的な実施形態では、分散剤は、The Lubrizol Corporationから市販されているSOLSPERSE(登録商標)39000などの高分子分散剤である。別の市販の分散剤としては、King Industries(Norfolk、Connecticut)から入手可能であるK-SPERSE A504が挙げられる。
【0048】
分散剤は、組成物の重量に基づいて、例えば、約1重量%~約20%重量%、又は約2重量%~約10%重量%、又は約3重量%~約8重量%などの任意の好適な量で添加され得る。分散剤の量は、使用される顔料の量に応じて変化し得る。
【0049】
DALIインクでの使用に好適な任意の他の成分も、本開示の組成物に任意選択的に含められ得る。当業者であれば、使用可能な他の成分を容易に決定することができるであろう。
【0050】
本明細書で考察される任意成分のいずれかは、組成物から除外され得る。一実施例では、充填剤又は熱安定剤のうちの1つ以上が、組成物から除外される。
【0051】
本開示のインクは、約350Pa・s~約700Pa・s、又は約400Pa・s~約620Pa・sなどの、約300Pa・s~約900Pa・sの範囲の複素粘度を有し、複素粘度は、25℃、100ラジアン/秒の角周波数、約0.5%~約5%であり得る一定の印加%振動ひずみで測定される。インクの複素粘度を、25℃及び500マイクロメートルのギャップで、25mmの平行プレートを備えたDHR-2レオメーター(TA Instruments)上で評価した。0.1~100ラジアン/秒のセミデケード系のデータを有する周波数掃引を生成した。インクは、比較的高い粘度を有するため、周波数掃引前に歪み掃引を行って、周波数掃引中に用いられる振動ひずみ%を決定した。高粘度のDALIインクに関しては、周波数掃引試験前に動的振動ひずみ試験が試料に適用されて、インクの線形粘弾性上限値又はその付近で複素粘度が決定されるように、周波数掃引試験が適切な様式で実施されることを確実にすることが好ましい。レオメーター内の平行プレート構成に関しては、適用された(又は測定されて)ひずみ(試料の変形)は、以下のように、プレートと試験される試料の半径rを、試料の厚さhで除算して、試料に対する移動プレートの1つのたわみθ(ラジアン)を乗算した、無単位の関係である。適用された振動ひずみ%は、適用されたひずみ
*100%(例えば、0.01ひずみ=1%ひずみ)である。
【数1】
インクの線形粘弾性上限を、25℃及び500マイクロメートルのギャップで、25mmの平行プレートを備えたDHR-2レオメーター(TA Instruments)上で動的歪み掃引試験によって評価した。インクを、25℃で5分間平衡化した後、10ラジアン/秒の角周波数での動的振動ひずみ掃引を試料に適用し、0.1~100%の振動ひずみからセミデケード系のレオロジーデータを生成した。後続の周波数掃引試験に使用される振動ひずみ%は、インクの貯蔵弾性率(G’)のプラトー限界が発生した時点で決定され、特定の振動ひずみにおけるインクの貯蔵弾性率が、インクに適用された過去5回の連続した低い振動ひずみから決定されたインクの貯蔵弾性率の平均値の5%以内になるように、振動%が選択される。次いで、インクの複合粘度を評価するために使用される後続の動的周波数掃引試験では、インクについて決定された振動ひずみ%が適用され、一定に保たれた。そこでは、同じインク試料が使用され、まず25℃で15分間休ませた。
【0052】
一実施形態では、UV LED放射線で硬化させた後、本開示のインクは、不粘着性又は実質的に不粘着性の印刷物をもたらし得る。例えば、平均粘着性(10分にわたる測定時間)は、UV LEDでの硬化後、32℃で約55g-m~約70g-mの範囲であり得る。硬化は、例えば、約1W/cm2強度及び35mJ/cm2のエネルギー線量を提供する395nmのLEDランプ(UV-A2チャネルを使用して、EIT製のUV Power Puck(登録商標)IIで測定される)で達成され得、直ちに不粘着性の触感の印刷物を得ることができる。インクの粘着性は、硬化前のインク凝集力の尺度であり、硬化発生後に測定される印刷の粘着性(tackiness)又は粘着性(tack)とは異なることに留意されたい。
【0053】
本開示のインク組成物は、任意の所望の又は好適な方法によって調製され得る。本明細書に記載される成分を組み合わせて、インク組成物を形成する方法は、当業者には容易に明らかとなるであろう。
印刷方法
【0054】
本開示はまた、印刷方法に関する。本方法は、本明細書に記載されるインク組成物を用いる可変リソグラフィのためのシステム上で実施される。
【0055】
図1に示されるように、例示的なシステム100は、画像形成部材110を含み得る。
図1に示される実施形態における画像形成部材110は、ドラムであるが、この例示的な記述は、画像形成部材110が、プレート、ベルト、又は他の既知の若しくは今後開発される構成を含む実施形態を除外するように解釈されるべきではない。画像形成部材は、インク画像を形成及び解放するための所望の特性を提供する材料で形成され得る、再画像形成可能な表面を有する。例示的な材料としては、ポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane、PDMS)、フルオロシリコーン、及び/又はVITON(登録商標)などのフルオロポリマーエラストマーなどのシリコーンが挙げられる。他の好適な材料も用いてもよい。一実施形態では、再画像形成可能な表面は、取り付け層の上に比較的薄い層で形成されてもよく、比較的薄い層の厚さは、印刷又はマーキング性能、耐久性、及び製造性のバランスをとるように選択される。
【0056】
画像形成部材110は、インク画像を、転写ニップ112で、画像受容媒体基材114に適用するように使用される。転写ニップ112は、画像転写機構160の一部として、画像形成部材110の方向に圧力を加えるインプレッションローラ118によって形成される。画像受容媒体基材114は、例えば、紙、ポリマー(例えば、プラスチック)、金属、又は複合シートフィルムを含む、インク画像が転写され得る任意の好適な媒体であり得る。例えば、好適なポリマー基材は、二軸配向ポリエチレンテレフタレート(MYLAR(登録商標)として市販)、二軸配向ポリプロピレン(「BOPP」)、ポリエチレン、及び他のポリマーなどのポリマー材料を含み得る。ポリマー基材は、基材に用いられる材料に応じて、透明、半透明、又は不透明であり得る。一実施形態では、画像受容媒体基材114は、二軸配向ポリエチレンテレフタレート、二軸配向ポリプロピレン(「BOPP」)、ポリエチレン、又はこれらの混合物などの透明ポリマーを含む。例示的なシステム100は、幅広い種類の画像受容媒体基材上で画像を生成するために使用され得る。
【0057】
例示的なシステム100は、概して、画像形成部材110の再画像形成可能な表面を湿し液で均一に濡らすための、湿しローラ又は湿しユニットと見なされ得る一連のローラを含む湿し液システム120を含む。湿し液システム120の目的は、概して均一かつ制御された厚さを有する湿し液層を画像形成部材110の再画像形成可能な表面に送達することである。好適な湿し液は、当該技術分野において良く知られており、以下により詳細に記載されるように、主に水と、表面張力を低減するために、並びに後続のレーザーパターニングを支援するのに必要な蒸発エネルギーを低下させるために添加される少量のイソプロピルアルコール又はエタノールを任意に含んでもよい。少量の特定の界面活性剤が、更に任意選択的に湿し液に添加され得る。あるいは、他の好適な湿し液を使用して、インクベースのデジタルリソグラフィシステムの性能を向上させてもよい。例示的な湿し液としては、水、NOVEC(登録商標)7600(1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロ-4-(1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロポキシ)ペンタンが挙げられ、CAS#870778-34-0.)、及びD4(オクタメチルシクロテトラシロキサン)を有する。
【0058】
湿し液が画像形成部材110の再画像形成可能な表面上にメーターを介して供給されると、湿し液の厚さは、センサ125を使用して測定され得る。センサ125は、湿し液システム120によって、画像形成部材110の再画像形成可能な表面上への湿し液のメーターを介した供給を制御するために、フィードバックを提供してもよい。
【0059】
湿し液が画像形成部材110の再画像形成可能な表面に塗布された後、光学パターニングサブシステム130を使用して、均一な湿し液層内に潜像を選択的に形成してもよい。湿し液層を画像形成するのに好適な任意のパターニング技術が用いられ得る。1つの好適な例示的なパターニングプロセスは、湿し液を画像形成するためにレーザーを用いる。例示的なシステム100の光学パターニングサブシステム130によって行われるパターニングプロセスに作用する機構は、当該技術分野において既知である。簡潔に述べると、光学パターニングサブシステム130からの光学パターニングエネルギーの適用により、湿し液層の一部分を選択的に除去して、疎水性無画像領域及び親水性画像領域を形成する。
【0060】
光学パターニングサブシステム130による画像部材110上の湿し液層のパターニングに続いて、パターニングされた層は、インカーサブシステム140に提示される。インカーサブシステム140を使用して、パターニングされた湿し液の層上に、本開示のインクのうちのいずれかなどの、インクの均一な層を塗布する。インカーユニット140は、温度が温度制御モジュール(図示せず)によって調節される加熱インク浴を更に含む。インカーサブシステム140は、アニロックスローラを使用して、本開示のオフセットリソグラフィインクを画像形成部材110の再画像形成可能な表面層と接触する1つ以上のインク形成ローラ上にメーターを介して供給してもよい。別個に、インカーサブシステム140は、一連のメーターローラなどの他の従来の要素を含み、再画像形成可能な表面へのインクの正確な供給速度を提供してもよい。インカーサブシステム140は、湿し液が除去された再画像形成可能な表面の画像形成された部分(本明細書では「ポケット」と称されることもある)に、インクを堆積させてもよく、一方、インクは、湿し液が残っている再画像形成可能な表面の部分には付着しない。
【0061】
画像形成部材110の再画像形成可能な表面上に存在するインクの凝集性及び粘度は、次いで、インクの冷却によって変更され得る。冷却は、1つ以上の物理的冷却機構を用いること、及び/又は化学的冷却を介することなどによって、任意の好適な手段によって達成され得る。物理的手段による冷却の一例としては、インク組成物が画像形成部材110に塗布された後で、インク組成物が最終基材114に転写される前の、1つ以上のジェット180からのような、再画像形成可能な表面上に冷気を吹き付けることによる対流冷却が挙げられる。対流によってインクを冷却する代わりに、又はそれに加えて、画像形成部材110の表面を直接冷却して、再画像形成可能な表面を所望の温度(例えば、10~30℃)に維持して、熱伝導によってインクを冷却し得る。インクを冷却するために、任意の他の好適な手段が用いられ得る。
【0062】
インクの冷却に加えて、任意の他の好適な手段が、画像形成部材110の再画像形成可能な表面上に存在するインクの凝集性及び粘度を変更するために用いられ得る。例えば、硬化機構が用いられ得、光学硬化若しくは光硬化、熱硬化、乾燥、又は様々な形態の化学的硬化を挙げることができる。このような任意の機構の1つは、レオロジー(複素粘弾性係数)制御サブシステム150の使用を伴い得る。レオロジー制御システム150は、例えば、再画像形成可能な表面層に対するインク凝集力を高めるために、再画像形成可能な表面上にインクの部分架橋コアを形成してもよい。
【0063】
冷却後、インクは、転写サブシステム160を使用して、画像形成部材110の再画像形成可能な表面から、画像受容媒体基材114に転写される。転写は、画像形成部材110の再画像形成可能な表面のポケット内のインクが、基材114と物理的に接触するように、基材114が、画像形成部材110とインプレッションローラ118との間のニップ112を通過するときに生じる。インクの接着性は、インクの冷却の間、又はレオロジー制御システム150を使用する部分的なUV硬化の間など、インクの粘度が変化するにつれて改質され得る。インクの改質された接着性は、インクを基材114に接着させ、画像形成部材110の再画像形成可能な表面から分離させる。
【0064】
基材114へのインク画像の転写後に、任意の最終的な硬化が実行され得る。基材114上のインク画像の最終的な硬化は、インク画像を紫外線及び/又は熱に曝露することなどによって、任意の好適な方法によって達成され得る。
【0065】
特定のオフセットリソグラフィシステムでは、
図1には示されていないオフセットローラが、まず、間接転写方法に従って、インク画像パターンを画像形成部材110から受容し、次いで、インク画像パターンを基材114に転写し得る。このようなオフセットローラ及び間接転写技術は、当該技術分野において良く知られている。
【0066】
インクの大部分を基材114に転写することに続いて、画像形成部材110の再画像形成可能な表面から、好ましくはその表面を擦り落とすか又は著しく擦り減らすことなく、任意の残留インク及び/又は残留湿し液が除去され得る。残留湿し液を除去するために、エアナイフ(図示せず)を用いてもよい。ただし、ある程度のインク残留物が残っている可能性があることが予想される。このような残りのインク残留物の除去は、何らかの形態のクリーニングサブシステム170の使用を通じて達成されてもよい。一実施形態では、クリーニングサブシステム170は、画像形成部材110の再画像形成可能な表面と物理的に接触している粘度性又は粘着性部材などの少なくとも第1のクリーニング部材を含み、粘度性又は粘着性部材は、画像形成部材110の再画像形成可能な表面の湿し液から、残留インク及び残りの少量の界面活性剤化合物を除去する。次いで、粘着性又は粘着性部材は、粘度性又は粘着性部材から残留インクが転写され得る平滑なローラと接触させられてもよく、その後、インクは、例えば、ドクターブレードによって平滑なローラから剥離される。
【0067】
画像形成部材110の再画像形成可能な表面のクリーニングを容易にすることができる任意の他の好適な機構を用いることができる。画像形成部材110の再画像形成可能な表面からの残留インク及び湿し液のクリーニングにより、提案されているシステムにおけるゴースト像(「ゴースト」としても知られている)の形成を低減又は防止することができる。一旦クリーニングされると、画像形成部材110の再画像形成可能な表面は、再び湿し液システム120に提示され、これによって、湿し液の新鮮な層は画像形成部材110の再画像形成可能な表面に供給され、このプロセスは繰り返される。
【0068】
転写ニップ112における温度及び圧力条件の慎重な制御は、インク画像の転写を支援し得る。一例として、画像形成部材110の再画像形成可能な表面から基材114へのインクの転写効率(基材は、透明ポリマー、又は本明細書に記載される他の基材材料のいずれかを含み得る)は、例えば95重量%以上、例えば98重量%以上、例えば100%又は100%付近の、インク画像の90重量%以上であり得る。
【実施例0069】
【0070】
表1の本発明のインクに使用される材料は、例示的な実施例であり、本発明の趣旨及び範囲を限定することを意味するものではない。
【0071】
顔料に配合するK-sperse A504を、約10.8%のAOP(顔料への添加剤、重量パーセント)で固定したが、同様の配合を有し、非常に類似した範囲のレオロジー、粘着性、及び硬化特性を有するインクを、他の好適な分散剤及び他のAOPレベル(%)で実現することができた。
実施例1~10
【0072】
【0073】
実施例1
【0074】
活性冷却を有するJulabo循環浴への急速脱着ラインを備えた1000mLのステンレス鋼製ジャケット付き容器に、Sartomer Corporation製のCN2282を20.40g、Sartomer Corporation製のCN118を52.48g、Sartomer Corporation製のSR501を40.00g、King Industries製のK-sperse A504を22.76g、及びRahn Corporation製のGenorad 16を4.00g添加した。容器を、4インチ幅のアンカーインペラを備えた、Hockmeyer Equipment Corporationから入手可能であるHCPS 1/16ミルユニットに配置した。最初に攪拌せずに容器を80℃に加熱し、次いで、100RPMで攪拌しながら、インクベース成分の温度が80℃を通過し、約93℃の温度になるまで加熱し、その後約60分間混合した。インク成分が均質になり、空気が抜けたら、容器にIGM Resins製のOmnirad TPOを14.00g、Allnex Corporation製のAdditol LXを4.36g、100RPMで混合しながら添加した。混合物の温度を、45分間混合しながら93℃に維持し、第1のUVインクベース溶液は、均質で空気を含まないように見えた。この時点で、成分をアンカーインペラで100RPMで混合しながら、あらかじめ微粉末にしておいたEvonik Industries製のVariPlus SKを32.00g、容器にゆっくりと添加した。VariPlus SKを添加した後、容器内容物の攪拌を1時間継続して、均質で空気を含まないように見える第2のUVインクベース溶液が示された。この時点で、Chemours Company製のC.I.Pigment White 8 TiO2顔料を210g、容器にゆっくりと加え、混合物を1時間攪拌して、成分混合物1Aを形成した。アンカーインペラを、直径40mmの高剪断Cowlesブレードに置き換え、次いで、5000RPMで約1時間攪拌して、成分混合物1Bを形成した。次いで、十分に混合された成分混合物を、Buhler製の3本ロールミル装置「TRIAS 300」に定性的に移した。ここで、成分混合物1Bを、35℃のインナーロール温度で、ローラ1-2及び2-3のロール分離力が50及び50N/mmで、入力エプロンロール速度300RPMで、最初に3本ロールミルを通過させて、250mLのガラスアンバー瓶に回収された成分混合物1Cを形成した。
【0075】
実施例2
【0076】
その組成が表2Aに概説されているインクを、400グラムのバッチサイズで、Additol LXを使用しなかったことを除いて、実施例1と同じ様式で調製した。インク作製の過程で、異なるプロセスからの様々なUVインクベース及びインクを作製した。成分混合物2Aを、アンカーインペラを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物2Bを、高剪断混合Cowlesブレードを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物2Cを、3本ロール粉砕プロセスの最後に形成し、250mLのガラス製アンバー瓶に回収した。
【0077】
実施例3
【0078】
その組成が表2Aに概説されているインクを、400グラムのバッチサイズで、実施例2と同じ様式で調製した。インク作製の過程で、異なるプロセスからの様々なUVインクベース及びインクを作製した。成分混合物3Aを、アンカーインペラを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物3Bを、高剪断混合Cowlesブレードを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物3Cを、3本ロール粉砕プロセスの最後に形成し、250mLのガラス製アンバー瓶に回収した。
【0079】
実施例4
【0080】
その組成が表2Aに概説されているインクを、400グラムのバッチサイズで、実施例2と同じ様式で調製した。インク作製の過程で、異なるプロセスからの様々なUVインクベース及びインクを作製した。成分混合物4Aを、アンカーインペラを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物4Bを、高剪断混合Cowlesブレードを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物4Cを、3本ロール粉砕プロセスの最後に形成し、250mLのガラス製アンバー瓶に回収した。
【0081】
実施例5
【0082】
その組成が表2Aに概説されているインクを、400グラムのバッチサイズで、実施例2と同じ様式で調製した。インク作製の過程で、異なるプロセスからの様々なUVインクベース及びインクを作製した。成分混合物5Aを、アンカーインペラを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物5Bを、高剪断混合Cowlesブレードを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物5Cを、3本ロール粉砕プロセスの最後に形成し、250mLのガラス製アンバー瓶に回収した。
【0083】
実施例6
【0084】
その組成が表2Aに概説されているインクを、400グラムのバッチサイズで、実施例2と同じ様式で調製した。インク作製の過程で、異なるプロセスからの様々なUVインクベース及びインクを作製した。成分混合物6Aを、アンカーインペラを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物6Bを、高剪断混合Cowlesブレードを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物6Cを、3本ロール粉砕プロセスの最後に形成し、250mLのガラス製アンバー瓶に回収した。
【0085】
実施例7
【0086】
その組成が表2Aに概説されているインクを、400グラムのバッチサイズで、実施例2と同じ様式で調製した。インク作製の過程で、異なるプロセスからの様々なUVインクベース及びインクを作製した。成分混合物7Aを、アンカーインペラを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物7Bを、高剪断混合Cowlesブレードを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物7Cを、3本ロール粉砕プロセスの最後に形成し、250mLのガラス製アンバー瓶に回収した。
【0087】
実施例8
【0088】
その組成が表2Aに概説されているインクを、400グラムのバッチサイズで、実施例2と同じ様式で調製した。インク作製の過程で、異なるプロセスからの様々なUVインクベース及びインクを作製した。成分混合物8Aを、アンカーインペラを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物8Bを、高剪断混合Cowlesブレードを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物8Cを、3本ロール粉砕プロセスの最後に形成し、250mLのガラス製アンバー瓶に回収した。
【0089】
実施例9
【0090】
その組成が表2Aに概説されているインクを、400グラムのバッチサイズで、実施例2と同じ様式で調製した。インク作製の過程で、異なるプロセスからの様々なUVインクベース及びインクを作製した。成分混合物9Aを、アンカーインペラを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物9Bを、高剪断混合Cowlesブレードを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物9Cを、3本ロール粉砕プロセスの最後に形成し、250mLのガラス製アンバー瓶に回収した。
【0091】
実施例10
【0092】
その組成が表2Aに概説されているインクを、400グラムのバッチサイズで、実施例2と同じ様式で調製した。インク作製の過程で、異なるプロセスからの様々なUVインクベース及びインクを作製した。成分混合物10Aを、アンカーインペラを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物10Bを、高剪断混合Cowlesブレードを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物10Cを、3本ロール粉砕プロセスの最後に形成し、250mLのガラス製アンバー瓶に回収した。
実施例11~16
【0093】
【0094】
実施例11
【0095】
その組成が表2Bに概説されているインクを、400グラムのバッチサイズで、Ti Pure Pigmentの代わりにKRONOS 2066を使用したことを除いて、実施例10と同じ様式で調製した。インク作製の過程で、異なるプロセスからの様々なUVインクベース及びインクを作製した。成分混合物11Aを、アンカーインペラを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物11Bを、高剪断混合Cowlesブレードを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物11Cを、3本ロール粉砕プロセスの最後に形成し、250mLのガラス製アンバー瓶に回収した。
【0096】
実施例12
【0097】
その組成が表2Bに概説されているインクを、400グラムのバッチサイズで、TI Pure Pigmentの代わりにKRONOS 2064を使用したことを除いて、実施例10と同じ様式で調製した。インク作製の過程で、異なるプロセスからの様々なUVインクベース及びインクを作製した。成分混合物12Aを、アンカーインペラを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物12Bを、高剪断混合Cowlesブレードを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物12Cを、3本ロール粉砕プロセスの最後に形成し、250mLのガラス製アンバー瓶に回収した。
【0098】
実施例13
【0099】
その組成が表2Bに概説されているインクを、400グラムのバッチサイズで、インクが、ポリエステルアクリレートSP 283を5重量%含み、Variplus SK及びSR-501モノマーが添加されていないことを除いて、実施例2と同じ様式で調製した。インク作製の過程で、異なるプロセスからの様々なUVインクベース及びインクを作製した。成分混合物13Aを、アンカーインペラを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物13Bを、高剪断混合Cowlesブレードを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物13Cを、3本ロール粉砕プロセスの最後に形成し、250mLのガラス製アンバー瓶に回収した。
【0100】
実施例14
【0101】
その組成が表2Bに概説されているインクを、400グラムのバッチサイズで、インクが、ポリエステルアクリレートSP 283を7.5重量%、Variplus SKを2.66重量%含み、SR-501モノマーを含まないことを除いて、実施例2と同じ様式で調製した。インク作製の過程で、異なるプロセスからの様々なUVインクベース及びインクを作製した。成分混合物14Aを、アンカーインペラを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物14Bを、高剪断混合Cowlesブレードを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物14Cを、3本ロール粉砕プロセスの最後に形成し、250mLのガラス製アンバー瓶に回収した。
【0102】
実施例15
【0103】
その組成が表2Bに概説されているインクを、400グラムのバッチサイズで、インクが、ポリエステルアクリレートSP 283を10重量%、Variplus SKを3.11重量%含み、SR-501モノマーを含まないことを除いて、実施例2と同じ様式で調製した。インク作製の過程で、異なるプロセスからの様々なUVインクベース及びインクを作製した。成分混合物15Aを、アンカーインペラを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物15Bを、高剪断混合Cowlesブレードを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物15Cを、3本ロール粉砕プロセスの最後に形成し、250mLのガラス製アンバー瓶に回収した。
【0104】
実施例16
【0105】
その組成が表2Bに概説されているインクを、21Lのステンレス鋼製ジャケット付き容器、及び7インチ幅のアンカーインペラ、及び4インチ直径のCowlesブレードを備えた、VMA-GETZMANN GMBHから入手可能であるDissolver Dispermat CN-10を使用して、より大きな13kgのバッチサイズを作製したことを除いて、実施例13と同じ様式で調製した。インク作製の過程で、異なるプロセスからの様々なUVインクベース及びインクを作製した。成分混合物16Aを、アンカーインペラを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物16Bを、高剪断混合Cowlesブレードを用いた低剪断混合の最後に形成した。成分混合物16Cを、3本ロール粉砕プロセスの最後に形成し、20Lの高密度ポリエチレン製ペール缶に回収した。
【0106】
実施例のインク特性
【0107】
特性(例えば、放射線曝露、より具体的には、UV LED放射線による良好な硬化特性を有する得られたインク印刷物、得られた印刷物上の所望の白色度、色又は近似色の中位性、及び不透明度特徴など)の中でも、有用な範囲内の粘着性及びレオロジーを有するインクは、本明細書に記載されるインク組成物の望ましい特徴である。粘度が低すぎるインクは、望ましくない画像背景問題を引き起こすであろうが、その一方で、粘度が高すぎるインクは、ブランケットインキングの段階中、インクローダーを通過したり、又はアニロックスローラに出入りするような、必要に応じた流動をしない。低すぎる粘着性(インク凝集力)を有するインクは、ブランケットから受容基材への低転写を有し、印刷品質に悪影響を与え、印刷システムのクリーニングサイクルに負担をかけ、一方では、高すぎる粘着性を有するインクは、ブランケットの磨耗を加速し、ブランケット寿命を限定し、その結果、印刷時間が低下し、顧客にとってより高価になる。
【0108】
インク(例示の実施例の3本ロール粉砕された成分「C」類似体のそれぞれから)の複合粘度を、25℃及び500ミクロンのギャップで、25mmの平行プレートを備えたTA Instruments DHR-2レオメーターで、複合粘度を決定するための上記と同じプロセスを使用して評価した。0.1~100ラジアン/秒のセミデケードのデータを有する周波数掃引を生成した。
【0109】
インク(例示の実施例の3本ロール粉砕された成分「C」類似体のそれぞれから)の粘着性(インク凝集力)を、Thwing-Albert Inkometer 1100を使用して、平均粘着性を、1.3mLのインクで、1200RPM、32℃、10分間にわたって決定し、平均粘着性が、測定の過程にわたって20秒ごとに生成された粘着性値の平均的な平均値から算出されるように決定した。インクは、約45~約65g-mの10分にわたる測定時間の平均粘着性を有することが有利である。また、差分粘着性(60秒での粘着性と600秒での粘着性との差)が約15g-m未満になるように、60秒後の粘着性を決定した後、残りの9分間の測定サイクルの過程にわたって、良好な粘着性安定性(又は低差分粘着性)を有することも、これらのインクの所望の特性である。インクの粘着特性を決定するために使用される試験の間、インクメーターのローラを遮蔽するために存在する内カバーの視覚的評価に基づいて、印刷時のインクのミスト又はスピッティングがほとんど発生しないか、あるいは少ないと判断されることも望ましい。
【0110】
【0111】
【0112】
(この目的のために)ショートネス指数は、1ラジアン/秒~100ラジアン/秒の間の、25℃におけるインクの粘度の比として定義される。粘度及び粘着性の結果は、実施例インクが、印刷のために有用な範囲内にあることを示す。
【0113】
印刷特性
【0114】
インク(例示の実施例の3本ロール粉砕された成分「C」類似体のそれぞれから)を、45~50℃の温度に維持されたアニロックスローラ(Impreglon Cellramicから入手可能である1000lpi、2.1BCM)を備えた装置に投入した。そこで、最初にインクを室温でブランケットに転写した後、受容透明MYLAR(登録商標)基材に転写し、次いで、再び循環させた。その結果、透明Mylar(登録商標)基材への最初のインク転写でブランケットに残った残留インクを推定するために、2枚のチェイスシートを作成した。次いで、インク画像を含む透明MYLAR(登録商標)基材及び2枚のチェイスシートを、Phoseon FireJet(商標)J-200 C395nm UV LEDランプを使用して、1m/秒の速度で硬化させた。透明MYLAR(登録商標)又は透明BOPP基材に転写されたインクの量については、実施例インクの間にいくらかのばらつきがあった。黒色基材上の透明MYLAR(登録商標)又は透明BOPP基材上の硬化印刷物で測定される場合、L*の範囲は、78~83に保たれた。
【0115】
印刷物の色特性及び相対的な不透明度を、D50光源、並びにOD Status T及びCIELAB L*a*b*データを生成する2度のオブザーバーを使用して測定する、X-Rite 528分光濃度計(X-Rite Corporation製)を用いて決定した。BOPP上又は透明MYLAR(登録商標)上で作製された印刷物のL*を、まず黒色基材(Astrobrights(登録商標)Eclipse Black(商標)紙)上、次いで、白色基材(Xerox(登録商標)Digital Color Elite Gloss紙)上に印刷して評価し、このように印刷物の不透明度%を計算した。
・L*(黒色背景上の印刷物)/L*(白色背景上の印刷物)*100
【0116】
本発明の利点は、LED硬化インクから透明な基材上に作製された印刷物の不透明度%が、例えば少なくとも約90、例えば少なくとも約92の、少なくとも約85であることである。この様式で、不透明度が決定された場合、
・不透明度%約1.1×L*(黒色基材に対して測定)が見出された。
【0117】
また、白色背景を有する透明基材上に作製されたLED硬化印刷物は、a*とb*の大きさがそれぞれ約2未満、例えば1未満であるように、a*とb*に関して中位又は中位に近い状態であることが望ましい。これは、それぞれ約4未満であるように、黒色背景を有する透明基材上で作製された印刷物のa*及びb*の大きさに対応する。
【0118】
行われた印刷物堅牢性試験には、指爪擦傷試験、テープ接着性試験、印刷物粘着性判定試験、及びイソプロパノールを使用した化学物質擦り試験が含まれていた。得られたLED硬化印刷物は、良好な堅牢性、すなわち、指爪などの擦傷に耐性であること、不粘着性であること、室温で少なくとも15回の二重摩擦のイソプロパノール溶媒耐性を有することが望ましい。
【0119】
印刷されていない場合、実施例1のインクに対する堅牢性データは存在しなかった。実施例11及び12のインクもまた印刷されなかった。
【0120】
【0121】
実施例2~10及び13~16のインクから作製された得られた印刷物の大部分は、不粘着性であり、指爪耐擦傷性であり、透明MYLAR(登録商標)又は透明BOPP基材上での良好な接着性を有し、許容可能なイソプロパノール二重摩擦を示すことが判明した。
【表7】
【0122】
本明細書に記載される例示的なDALIインク組成物は、光を吸収し、UV LEDランプで硬化されるように開発された。インクは、良好なアニロックスローラ受容性、及びアニロックスローラから、透明MYLAR(登録商標)基材などの受容基材への高い転写を示す。得られた放射線硬化印刷物は、硬化直後に不粘着性であり、基材上へのインクの接着性及び耐溶剤性の許容可能な堅牢性を有した。これは、一例として、白色顔料、顔料分散剤、四官能性ポリエステルアクリレート、高分子量酸変性エポキシジアクリレート、6モルのプロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、缶内安定剤、ポリオール樹脂、及びLED発光スペクトルの波長範囲を吸収する少なくとも1つの光開始剤を含む成分の組み合わせによって達成された。
【0123】
本開示の広い範囲を記載する数値範囲及びパラメータは近似値であるが、特定の実施例に記載する数値は、可能な限り正確に報告する。しかしながら、いずれの数値も、それぞれの試験測定値に見出される標準偏差から必然的に生じるある特定の誤差を本質的に含む。更に、本明細書に開示される全ての範囲は、その中に包摂される任意の及び全ての小範囲を包含すると理解されるべきである。
【0124】
1つ以上の実装形態に関して本教示は示されているが、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、改変及び/又は修正を示される実施例に対して行うことができる。加えて、本教示の特定の特徴がいくつかの実装形態のうちの1つにのみ関して開示されていることがあり得るが、そのような特徴は、任意の所与の機能又は特定の機能のために所望されかつ有利であり得るものとして、他の実装形態の1つ以上の他の特徴と組み合わされてもよい。更に、「含む(including)」、「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」という用語、又はこれらの変形が発明を実施するための形態及び特許請求の範囲のいずれかで使用される限りにおいて、そのような用語は、「含む(comprising)」という用語と同様の手法での包含であることが意図される。更に、本明細書における考察及び特許請求の範囲内の「約」という用語は、変更が、示された実装形態へのプロセス又は構造の非適合性をもたらさない限り、列挙された値が幾分変更されてもよいことを示す。最後に、「例示的な」は、その記載が理想的であることを暗示するのではなく、一実施例として使用されることを示す。
【0125】
上記で開示されたものの変形、並びに他の特徴及び機能、又はこれらの代替物が、多くの他の異なるシステム又は用途に組み合わされ得ることは、理解されるであろう。様々な現在予期されていない、又は先行例のない代替物、修正、変形、若しくは改善が、以後に当業者によってなされてもよく、それらも以下の特許請求の範囲によって包含されることを意図している。