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特開2022-98471バスバーを製造するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022098471
(43)【公開日】2022-07-01
(54)【発明の名称】バスバーを製造するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/552 20210101AFI20220624BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20220624BHJP
   H01M 50/516 20210101ALI20220624BHJP
   H01M 50/564 20210101ALI20220624BHJP
【FI】
H01M50/552
H01M50/505
H01M50/516
H01M50/564
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021203504
(22)【出願日】2021-12-15
(31)【優先権主張番号】63/128,557
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/540,471
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519447732
【氏名又は名称】トランスポーテーション アイピー ホールディングス,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】トーマス,ジェフリー アラン
(72)【発明者】
【氏名】プフェンドラ,ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ベイダーズ,グレゴリー
【テーマコード(参考)】
5H043
【Fターム(参考)】
5H043AA01
5H043AA19
5H043FA04
5H043FA37
5H043HA02F
5H043HA06F
5H043HA07F
5H043HA17F
5H043JA01F
5H043JA02F
5H043LA22F
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電池セルのタブとバスバーの溶接中に生じる電池の故障を防止する、バスバーを製造するためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】電池のバスバーに結合されるように構成されたタブをくぼませて、くぼみによって分離された第1のタブ部分および第2のタブ部分を形成する工程と、第1のタブ部分をくぼみの周りに曲げることによってくぼみから延在しているタブの第1のタブ部分をバスバーに押し付ける工程と、タブの第1のタブ部分をバスバーに溶接する工程を含む、バスバーを製造するための方法である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
電池のバスバーに結合されるように構成されたタブをくぼませて、くぼみによって分離された第1のタブ部分および第2のタブ部分を形成することと、
前記第1のタブ部分を前記くぼみの周りに曲げることによって、前記第1のタブ部分を前記バスバーに押し付けることと、
前記第1のタブ部分を前記バスバーに固定することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のタブ部分が開口部から上方向に離れて延在し、前記第2のタブ部分が前記開口部から下方向に離れて延在するように、前記バスバーの前記開口部を通して前記タブを配置することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のタブ部分を前記バスバーに押し付けて、前記第1のタブ部分を前記バスバーに固定する前に、前記タブを前記バスバーにクランプすることをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のタブ部分を前記バスバーに押し付けることが、圧延要素が前記バスバーに対して移動するにつれて、前記圧延要素によって前記第1のタブ部分を押し付けることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記圧延要素によって前記第1のタブ部分を前記バスバーに押し付ける前に、前記方法が、前記第1のタブ部分を下方へ押して、前記第1のタブ部分を前記くぼみの周りに曲げることを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のタブ部分を前記バスバーに固定することが、前記第1のタブ部分を前記バスバーにレーザ溶接することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記タブが、第1のタブであり、前記バスバーの前記開口部が、第1の開口部であり、前記バスバーが、くぼみによって分離された第1のタブ部分および第2のタブ部分を有する第2のタブを受容する、第2の開口部を含み、前記方法が、
前記第2のタブの前記第1のタブ部分を前記第2のタブの前記くぼみの周りに曲げることによって、前記第2のタブの前記第1のタブ部分を前記バスバーに押し付けることと、
前記第2のタブの前記第1のタブ部分を前記バスバーに固定することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のタブの前記第1のタブ部分および前記第2のタブの前記第1のタブ部分が、前記バスバーに対して移動する圧延要素によって押し付けられる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
組立体であって、
タブ内にくぼみを形成するように構成されたプレスと、
前記くぼみから延在している前記タブの第1のタブ部分をバスバーに押し付けるように構成された圧延要素を含むローラ組立体と、
前記タブの前記第1のタブ部分を前記バスバーに溶接するように構成された溶接装置と、を備える、組立体。
【請求項10】
前記ローラ組立体がまた、前記第1のタブ部分が前記圧延要素によって押し付けられる前に、前記第1のタブ部分に係合して、前記第1のタブ部分を前記くぼみの周りに曲げるように構成された、ブロック要素を含む、請求項9に記載の組立体。
【請求項11】
前記ブロック要素が、前記第1のタブ部分に係合して、前記第1のタブ部分を前記くぼみの周りに曲げる円弧面を有する、請求項10に記載の組立体。
【請求項12】
前記ローラ組立体が、前記バスバーを受容して、前記バスバーを前記ブロック要素および圧延要素に対して移動させるように構成されたエンドキャップを含む、請求項10に記載の組立体。
【請求項13】
前記プレスが、第2のインサートによって嵌合的に受容される第1のインサートを含む、請求項9に記載の組立体。
【請求項14】
前記溶接装置が、レーザ溶接機を備える、請求項9に記載の組立体。
【請求項15】
方法であって、
電池のバスバーに結合されるように構成されたタブをくぼませて、くぼみによって分離された第1のタブ部分および第2のタブ部分を形成することと、
前記第1のタブ部分が開口部から離れて延在するように、前記タブを前記バスバーの開口部に挿入することと、
前記第1のタブ部分を前記くぼみの周りに前記バスバーに隣接する溶接位置まで曲げることと、
前記第1のタブ部分を前記バスバーに溶接することと、を含む、方法。
【請求項16】
前記第1のタブ部分を前記くぼみの周りに曲げる前に、前記タブの前記第2のタブ部分を前記バスバーにクランプすることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のタブ部分を前記くぼみの周りに前記バスバーに隣接する前記溶接位置まで曲げることが、
ブロック要素によって前記第1のタブ部分を下方へ押すことと、
前記ブロック要素によって前記第1のタブ部分を下方へ押した後に、圧延要素によって第1のタブ部分を押し付けることと、を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のタブ部分を前記バスバーに溶接することが、前記第1のタブ部分を前記バスバーにレーザ溶接することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記タブが、第1のタブであり、前記バスバーの前記開口部が、第1の開口部であり、前記溶接位置が、第1の溶接位置であり、前記バスバーが、くぼみによって分離された第1のタブ部分および第2のタブ部分を有する第2のタブを受容する、第2の開口部を含み、前記方法が、
前記第2のタブ部分を前記第2のタブの前記くぼみの周りに前記バスバー、前記第1のタブ部分に隣接する第2の溶接位置まで曲げることと、
前記第2のタブの前記第1のタブ部分を前記バスバーに溶接することと、をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のタブの前記第1のタブ部分および前記第2のタブの前記第1のタブ部分が、前記バスバーに対して移動する圧延要素によって押し付けられる、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年12月21日に出願された米国仮出願第63/128,557号に対する優先権を主張するものであり、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
説明される主題は、バスバーを製造するためのシステムおよび方法に関する。
【0003】
技術に関する考察
高電流配電のためのバスバーは、しばしば、電池バンク内の低電圧機器を接続するために使用される。電気的接続部を提供するために、典型的に、バスバーを低電圧機器に接続することが可能であるタブが使用される。タブは、しばしば、電気的接続部のためのバスバーから上方へ延在しているバスバーに配置される。しかしながら、これらの上方に延在するタブを有することは、パッケージ内に提供される空間が制限される場合など、パッケージ化には望ましくない。加えて、タブはまた、コンプライアンスが生じたとき、電池セルの内部フォイルと干渉する場合もあり、フォイルの引き裂き、したがって電池セルの故障をもたらす。したがって、現在知られているものとは異なる、バスバー製造過程およびシステムに対する必要性が存在し得る。
【発明の概要】
【0004】
1つ以上の実施形態では、方法が提供され、方法は、電池のバスバーに結合され得るタブをくぼませて、くぼみによって分離された第1のタブ部分および第2のタブ部分を形成することと、第1のタブ部分をくぼみの周りに曲げることによって、第1のタブ部分をバスバーに押し付けることと、第1のタブ部分をバスバーに固定することと、を含む。
【0005】
1つ以上の実施形態では、組立体が提供され、組立体は、タブ内にくぼみを形成し得るプレスと、くぼみから延在しているタブの第1のタブ部分をバスバーに押し付け得る圧延要素を含むローラ組立体と、タブの第1のタブ部分をバスバーに溶接し得る溶接装置と、を含み得る。
【0006】
1つ以上の実施形態では、方法が提供され、方法は、電池のバスバーに結合され得るタブをくぼませて、くぼみによって分離された第1のタブ部分および第2のタブ部分を形成することと、第1のタブ部分が開口部から離れて延在するように、タブをバスバーの開口部に挿入することと、を含み得る。この方法はまた、第1のタブ部分をくぼみの周りに、バスバーに隣接する溶接位置まで曲げることと、第1のタブ部分をバスバーに溶接することと、を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の主題は、添付図面を参照して、非限定的な実施形態の以下の説明を読むことから理解され得る。
【0008】
図1】車両システムのブロック概略図を示す。
図2】制御システムのブロック概略図を示す。
図3A】プレスの概略図を示す。
図3B】製造過程中のタブの側面図を示す。
図4】ローラ組立体の側面図を示す。
図5】バスバーを製造するための過程のブロック概略図を示す。
図6A】製造過程中のバスバーの側面斜視図を示す。
図6B】製造過程中のバスバーの側面斜視図を示す。
図6C】製造過程後のバスバーの側面斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で説明する主題の実施形態は、バスバーを製造するためのシステムおよび方法に関する。くぼみは、バスバーに電気的結合部を提供するタブに形成される。くぼみは、バスバーを電池または他の電子構成要素にレーザ溶接する前に形成される。具体的には、くぼみは、タブを曲げることを容易にするために形成される。このように、レーザ溶接の前にタブの第1のタブ部分をバスバーに押し付けるために、圧延要素が実装され得る。具体的には、レーザ溶接は、材料表面の(例えば、バスバーと電池セルとの間の)密な接触を必要とし得る。よって、単にタブを曲げることは、過程の変動につながる場合があり、最終的に、タブをバスバーシステムにレーザ溶接することに影響を及ぼし得る。具体的には、力が金属シートの一方の端部に配置され、一方で、他方が固定されているとき、シートに沿った異なる場所に曲げが生じ得る。圧延過程の前にタブ内にくぼみを配置することによって、くぼみは、曲げが生じる位置になる。くぼみはまた、くぼみを有しない金属シートと比較して、より少ない抵抗力または弾性を提供するように機能する。その結果、くぼみは、溶接が生じる前にバスバーに対して平坦なままにせずに、タブを元の位置に向かって逆に移動させて、押し付け後にバスバーから離間される結果となる、金属シートの弾性力を低減させる。このように、溶接が改善される。バスバーに対する平坦化を提供することによって、電池セルはまた、コンプライアンスを介して、フォイルの引き裂きを含む、電池の内部フォイルが影響を受けることから保護され、それによって、溶接中に生じる電池の故障を防止する。
【0010】
本明細書で説明される電池セルは、機関車などのレール車両システムに給電するために利用され得る。それでも、本明細書で説明されるすべての実施形態が、レール車両システムに限定されるわけではない。例えば、本明細書で説明されるバスバーおよび方法の1つ以上の実施形態は、自動車、トラック、バス、採掘車両、船舶、航空機、農業車両、などの他のタイプの車両とともに使用することができる。
【0011】
図1は、制御システム102を含む車両システム100の概略図を示す。車両システム100は、本明細書で説明する製造過程を使用して製造されるバスバーを含む電池を使用し得る。車両システムは、開始または出発位置から行き先または到着位置へと走行する際に、ルート104に沿って進行し得る。車両システムは、ルートに沿ってともに進行するために互いに機械的に相互接続される、推進力発生車両108および非推進力発生車両110を含む。車両システムは、少なくとも1両の推進力発生車両と、任意選択に、1両以上の非推進力発生車両と、を含み得る。
【0012】
図2は、第1のタブ部分206、第2のタブ部分208、およびくぼみ210を有するタブ204を含むバスバー202を製造するための、組立体200の概略ブロック図を提供する。組立体の任意の構成要素は、個人によって利用され得るか、または代替的に、制御システムによって制御され得る。
【0013】
組立体200は、タブ内にくぼみを形成し得る、プレス212を含む。一実施例では、プレスは、打ち抜きプレスであり得る。図3Aは、プレスの部分図をさらに詳細に示す。具体的には、プレス212は、固定プレス構成要素216および作動プレス構成要素218を含むハウジング214を有する。固定構成要素は、プレス過程中に移動せず、タブは、くぼみのための固定構成要素に固定される。一方で、作動プレス構成要素は、固定プレス構成要素の上側の第1の位置から、固定プレス構成要素上のタブに対する第2の位置へと移動する。作動プレス構成要素は、手動、空気圧などで移動させて、タブに押し付け力を提供し得る。作動プレス構成要素内には、固定プレス構成要素内に結合される第2のインサート222の上側に位置付けられる第1のインサート220が結合される。第1のインサートは、第2のインサート内に配置されたノッチ226によって受容されるプレスくぼみ224を含む。くぼみおよびノッチは、互いに嵌合する。このように、バスバーのタブが固定プレス構成要素に固定され、作動プレス構成要素がタブに係合して固定プレス構成要素に押し付けたときに、図3Bに例示するように、タブ内にくぼみが形成される。
【0014】
図2を再度参照すると、組立体はまた、バスバーの複数のタブがバスバー内の対応する開口部を通して配置された後にバスバーを受容する、ローラ組立体228を含む。具体的には、各タブは、第1のタブ部分が開口部から上方へ延在し、第2のタブ部分が開口部を通って下方へ延在するようにバスバー開口部に配置されて、バスバーにクランプされ得る。
【0015】
ローラ組立体は、図4にさらに詳細に例示されている。ローラ組立体は、バスバーがその上を横方向に移動するエンドキャップ232を含む。具体的には、バスバーは、エンドキャップに固定して、エンドキャップ自体に対する移動を防止し得る。エンドキャップの上には、バスバーの第1のタブ部分に係合して、第1のタブ部分をくぼみの周りに曲げる得るブロック要素234が配置される。一実施例では、ブロック要素は、第1の端部238と第2の端部239との間に円弧面236を含む。円弧面は、第1のタブ部分に係合して、第1のタブ部分をくぼみの周りに曲げることを容易にする。他の実施例では、ブロック要素は、第1のタブ部分を押し倒すために、傾斜平面、平坦面などを含む。
【0016】
ローラ組立体はまた、第1のタブ部分をバスバーに押し付け得る圧延要素240を含む。圧延要素は、バスバーがエンドキャップに沿って移動するにつれて、最初に、ブロック要素が第1のタブ部分をエンドキャップとある角度で下向きに曲げて、第2に、圧延要素が第1のタブ部分をバスバーに押し付けて、第1のタブ部分を平坦化するように、ブロック要素に隣接して位置付けられ得る。圧延要素は、第1のタブ部分をバスバーに押し付けるホイール、エンドキャップなどであり得る。圧延要素は、バスバーから離れた第1のタブの位置の幅に等しい高さに位置付けられ得る。このように、第1のタブ部分は、ローラ組立体を出た後に、バスバーに対して完全に平坦化される。第1のタブ部分をバスバーに押し付けるため、一実施例では圧延要素が利用され得るが、直線状のプレス、パドル、または他の押し付け装置が利用され得る。
【0017】
タブに配置されたくぼみの結果、ブロック要素および圧延要素がくぼみの周りに第1のタブ部分を曲げて押し付けるときに、タブに印加される力は、くぼみを通して第2のタブ部分に分配される。力を放散させることによって、バスバーの複数のタブの同じくぼみ位置において、個々のタブに一様な押し付けが提供される。
【0018】
図2を再度参照すると、組立体はまた、タブの第1のタブ部分をバスバーに溶接し得る溶接装置241を含み得る。溶接装置は、レーザ溶接機、超音波溶接機などであり得る。溶接装置は、作業者が手動で動作させ得るか、または組立ライン内にある自動溶接装置として自動的に動作し得る。溶接装置は、同様の材料または異なる材料をともに溶接し得る。バスバーの複数のタブの同じくぼみ位置で力を放散させることによって、一様な溶接が容易になる。このため、第1のタブ部分がバスバーから離れて延在している結果として、不十分な溶接状態が同様に低減される。したがって、フォイルの引き裂きによる電池への損傷または他のパッケージ関連の欠陥も低減され、電池の全体的な寿命が向上する。
【0019】
組立体はまた、任意選択に、制御システム242を含み得る。制御システムは、1つ以上のプロセッサ244と、メモリまたは記憶装置246と、データおよび情報を通信するためのトランシーバ248と、を含み得る。コントローラメモリは、1つ以上のプロセッサによって使用するためのデータを一時的または永続的に記憶する、有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、別のタイプのRAM、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、磁気記憶装置(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、または磁気テープ)、光ディスク、などの、1つ以上の揮発性および/または不揮発性メモリ装置を含み得る。制御システムは、プレス、ローラ組立体、および溶接装置の各々に通信可能に結合されて、動作中に各々を自動化し得る。「通信可能に結合される」とは、2つの装置、システム、サブシステム、組立体、モジュール、構成要素などが、1つ以上の導電性の(例えば、銅製の)ワイヤ、ケーブル、またはバス、無線ネットワーク、光ファイバケーブルなどの、1つ以上の有線または無線通信リンクによって接続されることを意味する。
【0020】
一実施例では、プレス、ローラ組立体、および溶接装置は、すべて制御システムによって制御される。代替的に、制御システムは、プレス、ローラ組立体、および溶接装置のうちのいずれか1つのみ、または2つのみを制御する。さらに別の実施例では、制御システムが利用されず、プレス、ローラ組立体、および溶接装置の各々は、個人が手動で動作させる。
【0021】
図5は、バスバーを製造するための過程500のブロックフロー図を示す。一実施例では、バスバーは、図1を参照して説明される車両システムの電池セル内で利用される。別の実施例では、バスバーは、図2を参照して説明される組立体を利用して製造される。
【0022】
工程502で、タブをくぼませて、タブがバスバーに結合されるように構成し、くぼみによって分離された第1のタブ部分および第2のタブ部分を形成する。一実施例では、タブは、プレスくぼみを有する第1のインサートおよびプレスくぼみを嵌合的に受容するプレスノッチを有する第2のインサートを含む、プレスに挿入される。プレスは、作動プレス構成要素と、固定プレス構成要素と、を含み得、作動プレス構成要素は、固定プレス構成要素の上側の第1の位置から、固定プレス構成要素に位置付けられたタブに押し付ける第2の位置へと移動する。一実施例では、複数のタブは、一度に1つがプレスに供給され得る。タブが正しい位置に位置付けられると、作動プレス構成要素が移動して、タブを押し付けてくぼみを形成する。プレスは、制御システムによって自動的に供給および動作され得るか、または操作者が手動で動作させ得る。
【0023】
工程504で、複数のタブが、対応するバスバー内の開口部に挿入される。各バスバーは、タブを受容する少なくとも1つの開口部を含む。各タブは、別個の開口部に配置され、タブの第1の部分は、開口部から上方向などの第1の方向に延在しており、一方で、タブの第2の部分は、開口部から下方向などの第2の方向に延在している。したがって、くぼみは、開口部の内壁と整列する。一実施例では、タブの第2の部分は、製造過程中に、タブを適所で保持するように、バスバーに固定またはクランプされ得る。
【0024】
工程506で、バスバーがローラ組立体に対して移動するにつれて、第1のタブ部分がブロック要素に係合して、第1のタブをくぼみの周りに曲げる。一実施例では、バスバーは、バスバーをエンドキャップに対して適所で保持するエンドキャップ上にあり、バスバーをエンドキャップに沿ってブロック要素に対して移動させる。代替的に、バスバーは、固定面に配置され得、ブロック要素が固定面に対して移動して、タブの第1のタブ部分に横方向に係合し得る。
【0025】
一実施形態では、ブロック要素は、第1のタブ部分をくぼみの周りに下向きに徐々に曲げる円弧面を含む。代替的に、ブロック要素は、傾斜面、平坦面などを含み得る。第1のタブ部分がブロック要素に係合するにつれて、ブロック要素が第1のタブ部分を下方へ押し、それにより、ブロック要素が係合解除した後に、第1のタブ部分がバスバーに対して鋭角になる。このように、第1のタブ部分は、ローラ要素が第1のタブ部分をバスバーに押し付けるように曲げられて位置付けられる。
【0026】
工程508で、第1のタブ部分をくぼみの周りに曲げることによって、第1のタブ部分がバスバーに押し付けられる。一実施例では、圧延要素が第1のタブ部分をバスバーに押し付けるにつれて、圧延要素が第1のタブ部分に係合して、第1のタブ部分をくぼみの周りに曲げる。具体的には、バスバーが圧延要素に対して横方向に移動するにつれて、圧延作用が第1のタブ部分を徐々に曲げて、力がくぼみを通してタブの第2のタブ部分に集中することを確実にする。代替的に、第1のタブ部分をくぼみの周りに押し付けて曲げるために、圧延要素以外の他の押し付け装置が利用され得る。第1のタブ部分がバスバーに押し付けられると、タブは、溶接部位置にあると考えられる。
【0027】
工程510で、第1のタブ部分がバスバーに固定される。一実施例では、第1のタブ部分は、バスバーに溶接される。より具体的には、第1のタブ部分は、バスバーにレーザ溶接または超音波溶接などされ得る。一実施例では、複数のタブがバスバーにあり、それにより、第1のタブの第1のタブ部分、続いて、第2のタブの第1のタブ部分、および第3のタブの第1のタブ部分がバスバーに溶接される。実施例では、バスバーに固定される3つよりも少ない第1のタブ部分、またはバスバーに固定される3つを超える第1のタブ部分が存在し得る。全体的に、提供される方法を利用することによって、一貫した繰り返し可能な溶接が提供され得、タブに関連するパッケージ化の問題を低減する。
【0028】
図6Aは、押し付け過程中に、複数の開口部604A~F(第1の開口部604A、第2の開口部604B、第3の開口部604C、第4の開口部604D、第5の開口部604E、および第6の開口部604F)を通して配置された複数のタブ602A~F(第1のタブ602A、第2のタブ602B、第3のタブ602C、第4のタブ602D、第5のタブ602E、および第6のタブ602F)を有する第1のバスバー600A、および複数の開口部608A~F(第1の開口部608A、第2の開口部608B、第3の開口部608C、第4の開口部608D、第5の開口部608E、および608F)を通して配置された複数のタブ606A~F(第1のタブ606A、第2のタブ606B、第3のタブ606C、第4のタブ606D、第5のタブ606E、および第6のタブ606F)を有する第2のバスバー600Bを例示する。一方で、図6Bは、押し付け過程後の第1および第2のバスバーを例示する。例示されるように、各タブの第1のタブ部分610A~Fおよび612A~Fは、最初は、第1の位置においてバスバーに対してほぼ垂直である。次いで、ブロック要素に係合した後に、各第1のタブ部分が、それぞれ、各バスバーに対して鋭角に第2の位置へと曲げられる。
【0029】
各バスバーが圧延要素を通り抜けた後、各第1のタブ部分は、最終位置、またはバスバーに対してほぼ水平または平行であるそれぞれのバスバーに対して平坦な溶接位置にある。図6Bに例示するように、各第1のタブ部分は、バスバー表面に対してほぼ一様に直線である。これは、ブロック要素および圧延要素両方の力を正しい位置に伝達して、一様性を確実にする、各タブのくぼみの結果である。その結果、電池セルのフォイルの薄い内側層を回避するためのコンプライアンスが損傷から保護され、一方で、タブを溶接するための一貫した共直線面が提供される。加えて、タブ間の変形も排除され得る。
【0030】
図6Cは、溶接過程後の第1のバスバーを例示する。第1のタブ部分は、バスバーに一様に固定され、バスバーとタブとの間の確実な結合を提供する。その結果、このタブは、本明細書で説明される過程を受けないタブと比較して、減少した量の垂直空間を包含する。したがって、タブが電池のフォイルに引っ掛かって、電池に損傷を生じさせる可能性が低くなり、電池の故障を低減させる。
【0031】
1つ以上の実施形態では、方法が提供され、方法は、電池のバスバーに結合され得るタブをくぼませて、くぼみによって分離された第1のタブ部分および第2のタブ部分を形成することと、第1のタブ部分をくぼみの周りに曲げることによって、第1のタブ部分をバスバーに押し付けることと、第1のタブ部分をバスバーに固定することと、を含む。
【0032】
任意選択に、この方法はまた、第1のタブ部分が開口部から上方向に離れて延在し、第2のタブ部分が開口部から下方向に離れて延在するように、バスバーの開口部を通してタブを配置することを含み得る。一態様では、この方法はまた、第1のタブ部分をバスバーに押し付けて、第1のタブ部分をバスバーに固定する前に、タブをバスバーにクランプすることを含み得る。一実施例では、第1のタブ部分をバスバーに押し付けることは、圧延要素がバスバーに対して移動するにつれて、圧延要素によって第1のタブ部分を押し付けることを含み得る。代替的に、圧延要素によって第1のタブ部分をバスバーに押し付ける前に、この方法は、第1のタブ部分を下方へ押して、第1のタブ部分をくぼみの周りに曲げることを含み得る。
【0033】
任意選択に、第1のタブ部分をバスバーに固定することは、第1のタブ部分をバスバーにレーザ溶接することを含み得る。一態様では、タブは、第1のタブであり得、バスバーの開口部は、第1の開口部であり得、バスバーは、くぼみによって分離された第1のタブ部分および第2のタブ部分を有する第2のタブを受容する、第2の開口部を含み得る。この方法はまた、第2のタブの第1のタブ部分を第2のタブのくぼみの周りに曲げることによって、第2のタブの第1のタブ部分をバスバーに押し付けることと、第2のタブの第1のタブ部分をバスバーに固定することと、を含み得る。別の態様では、第1のタブの第1のタブ部分および第2のタブの第1のタブ部分が、バスバーに対して移動する圧延要素によって押し付けられ得る。
【0034】
1つ以上の実施形態では、組立体が提供され、組立体は、タブ内にくぼみを形成し得るプレスと、くぼみから延在しているタブの第1のタブ部分をバスバーに押し付け得る圧延要素を含むローラ組立体と、タブの第1のタブ部分をバスバーに溶接し得る溶接装置と、を含み得る。
【0035】
任意選択に、ローラ組立体はまた、第1のタブ部分が圧延要素によって押し付けられる前に、第1のタブ部分に係合して、第1のタブ部分をくぼみの周りに曲げ得る、ブロック要素も含み得る。一態様では、ブロック要素は、第1のタブ部分に係合して、第1のタブ部分をくぼみの周りに曲げる円弧面を有し得る。別の態様では、ローラ組立体は、バスバーを受容して、バスバーをブロック要素および圧延要素に対して移動させ得るエンドキャップを含み得る。一実施例では、プレスは、第2のインサートによって嵌合的に受容される第1のインサートを含み得る。別の実施例では、溶接装置は、レーザ溶接機であり得る。
【0036】
1つ以上の実施形態では、方法が提供され、方法は、電池のバスバーに結合され得るタブをくぼませて、くぼみによって分離された第1のタブ部分および第2のタブ部分を形成することと、第1のタブ部分が開口部から離れて延在するように、タブをバスバーの開口部に挿入することと、を含み得る。この方法はまた、第1のタブ部分をくぼみの周りに、バスバーに隣接する溶接位置まで曲げることと、第1のタブ部分をバスバーに溶接することと、を含み得る。
【0037】
任意選択に、本方法はまた、第1のタブ部分をくぼみの周りに曲げる前に、タブの第2のタブ部分をバスバーにクランプすることも含み得る。一態様では、第1のタブ部分をくぼみの周りにバスバーに隣接する溶接位置まで曲げることは、ブロック要素によって第1のタブ部分を下方へ押すことと、ブロック要素によって第1のタブ部分を下方へ押した後に、圧延要素によって第1のタブ部分を押し付けることと、を含み得る。別の態様では、第1のタブ部分をバスバーに溶接することは、第1のタブ部分をバスバーにレーザ溶接することを含み得る。
【0038】
一実施例では、タブは、第1のタブであり得、バスバーの開口部は、第1の開口部であり得、溶接位置は、第1の溶接位置であり得、バスバーは、くぼみによって分離された第1のタブ部分および第2のタブ部分を有する第2のタブを受容する、第2の開口部を含み得る。この方法はまた、第2のタブ部分を第2のタブのくぼみの周りにバスバー、第1のタブ部分に隣接する第2の溶接位置まで曲げることと、第2のタブの第1のタブ部分をバスバーに溶接することと、を含み得る。追加的に、第1のタブの第1のタブ部分および第2のタブの第1のタブ部分が、バスバーに対して移動する圧延要素によって押し付けられ得る。
【0039】
本明細書で使用されるとき、「プロセッサ」および「コンピュータ」という用語、ならびに関連する用語、例えば、「処理装置」、「コンピューティング装置」、および「コントローラ」は、当技術分野でコンピュータと称される集積回路のみに限定され得ず、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ、およびアプリケーション固有の集積回路、ならびに他のプログラマブル回路を指し得る。好適なメモリとしては、例えば、コンピュータ可読媒体が挙げられ得る。コンピュータ可読媒体は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリなどのコンピュータ可読不揮発性媒体であり得る。「非一時的コンピュータ可読媒体」という用語は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールおよびサブモジュール、または任意の装置内の他のデータなどの情報の、短期的および長期的保存のために実装される、有形のコンピュータベースの装置を表す。したがって、本明細書で説明される方法は、記憶装置および/またはメモリ装置が挙げられるがこれらに限定されない、有形の非一時的コンピュータ可読媒体において具現化される実行可能命令としてコード化され得る。かかる命令は、プロセッサによって実行されたとき、プロセッサに、本明細書で説明される方法の少なくとも一部を行わせる。したがって、この用語は、ファームウェア、物理的および仮想的記憶装置、CD-ROM、DVD、ならびにネットワークまたはインターネットなどの他のデジタルソースなどの、揮発性および不揮発性媒体、ならびにリムーバブルおよび非リムーバブル媒体が挙げられるがこれらに限定されない、非一時的なコンピュータ記憶装置が挙げられるがこれに限定されない、有形のコンピュータ可読媒体を含む。
【0040】
単数形の「a」、「an」、および「the」は、別途文脈が明確に指示しない限り、複数の参照を含む。「任意選択の」または「任意選択に」とは、その後に説明される事象または状況が生じ得る、または生じ得ないこと、およびその説明は、事象が生じる事例、および生じない事例を含み得ることを意味する。本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって使用されるとき、近似を表す言語は、関連し得る基本的な機能の変化をもたらすことなく、許容範囲内で変動し得る定量的表現を修飾するために適用され得る。したがって、「約」、「実質的に」、「およそ」などの1つまたは複数の用語によって修飾された値は、指定された正確な値に限定され得ない。少なくともいくつかの事例では、近似を表す言語は、値を測定するための器具の精度に対応し得る。ここで、ならびに本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって、範囲制限が組み合わせられるおよび/または交換される場合があり、別途文脈または言語が指示しない限り、かかる範囲は、識別され得、かつそこに含有されるすべてのサブ範囲を含み得る。
【0041】
この書面による説明は、実施例を使用して、最良のモードを含む実施形態を開示して、当業者が、任意の装置またはシステムの作製および使用、ならびに任意の組み込まれた方法の実行を含む、本発明の実施形態を実践することを可能にする。特許請求の範囲は、本開示の特許可能な範囲を定義し、かつ当業者が思いつく他の実施例を含む。かかる他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの言語と異ならない構造要素を有する場合、またはそれらが特許請求の範囲の文字通りの言語とごくわずかに異なる同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲の範囲内にあることが意図される。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図6C
【外国語明細書】