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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022098483
(43)【公開日】2022-07-01
(54)【発明の名称】カテーテル電極の性能の視覚化
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/276 20210101AFI20220624BHJP
   A61B 5/287 20210101ALI20220624BHJP
【FI】
A61B5/276 100
A61B5/287
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021205817
(22)【出願日】2021-12-20
(31)【優先権主張番号】17/129,687
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ヤイル・パルティ
(72)【発明者】
【氏名】バディム・グリナー
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
(72)【発明者】
【氏名】イスラエル・ジルバーマン
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127HH13
4C127LL08
(57)【要約】
【課題】電気生理学的測定のためのシステムを提供すること。
【解決手段】電気生理学的測定のためのシステムは、遠位端を有するプローブであって、遠位端が、生体対象の体腔内への挿入のために構成されており、遠位端に沿って配置され且つ体腔内の複数の位置において組織に接触するように構成された電極のアレイを含む、プローブを含む。プロセッサは、プローブが体腔内を移動する期間にわたって電極から信号を取得し、信号に応答して、期間にわたる電極のそれぞれと組織との間の接触のそれぞれの質を示す指標を計算し、指標の表示をシステムのユーザに出力するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気生理学的測定ためのシステムであって、
遠位端を有するプローブであって、前記遠位端が、生体対象の体腔内への挿入のために構成されており、前記遠位端に沿って配置され且つ前記体腔内の複数の位置において組織に接触するように構成された電極のアレイを備える、プローブと、
前記プローブが前記体腔内を移動する期間にわたって前記電極から信号を取得し、前記信号に応答して、前記期間にわたる前記電極のそれぞれと前記組織との間の接触のそれぞれの質を示す指標を計算し、前記指標の表示を前記システムのユーザに出力するように構成されたプロセッサと、を備える、システム。
【請求項2】
前記プローブがカテーテルを備え、前記遠位端が、前記生体対象の心臓の心腔内への挿入のために構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プローブの前記遠位端が、前記電極が配列された可撓性構造体を備え、前記指標が、前記可撓性構造体の異なる部分と前記組織との間の接触を示す、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記構造体が、複数の可撓性スパインを備え、前記電極がそれに沿って配置されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサが、前記遠位端を表すグラフィカルアイコンをディスプレイにレンダリングし、前記遠位端の前記電極のそれぞれの位置における前記指標の視覚的表示を前記グラフィカルアイコンに組み込むように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記指標が、前記グラフィカルアイコン上の前記電極の前記それぞれの位置のカラーコーディングによって表される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記指標が、前記期間にわたって前記組織から前記電極のそれぞれによって取得された有効信号の数を示す、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記プロセッサが、前記電極のそれぞれによって取得された前記信号のそれぞれの第2のセットを無効として分類しながら、前記電極のそれぞれから取得された前記信号のそれぞれの第1のセットを有効として分類するために、前記信号に1つ以上のフィルタリング基準を適用するように構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記指標が、前記電極のそれぞれが前記期間にわたって前記体腔内の前記組織と接触しているそれぞれの持続時間を示す、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記信号が、前記組織内の電気生理学的活動を示し、前記プロセッサが、前記組織と接触している前記電極によって取得された局所信号と、前記組織と接触していない前記電極によって取得された遠距離場信号とを区別し、前記期間にわたって前記電極のそれぞれによって取得された前記局所信号と前記遠距離場信号との間の関係に応答して、前記電極のそれぞれが前記組織と接触している前記持続時間を見出すように構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
電気生理学的測定のための方法であって、
遠位端を有するプローブを生体対象の体腔内に挿入することであって、前記遠位端が、前記遠位端に沿って配置され且つ前記体腔内の複数の位置において組織に接触するように構成された電極のアレイを備える、ことと、
前記プローブが前記体腔内で移動する期間にわたって、前記体腔内の前記電極から信号を取得することと、
前記信号に応答して、前記期間にわたる前記電極のそれぞれと前記組織との間のそれぞれの接触の質を示す指標を計算することと、
前記指標の表示を前記システムのユーザに出力することと、を含む、方法。
【請求項12】
前記プローブがカテーテルを備え、前記信号を取得することが、前記カテーテルの前記遠位端を前記対象の心臓の心腔内で移動させることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記プローブの前記遠位端が、前記電極が配列された可撓性構造体を備え、前記指標が、前記可撓性構造体の異なる部分と前記組織との間の接触を示す、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記構造体が、複数の可撓性スパインを備え、前記電極がそれに沿って配置される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記表示を出力することが、前記遠位端を表すグラフィカルアイコンをディスプレイにレンダリングすることと、前記遠位端の前記電極のそれぞれの位置における前記指標の視覚的表示を前記グラフィカルアイコンに組み込むことと、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記指標が、前記グラフィカルアイコン上の前記電極の前記それぞれの位置のカラーコーディングによって表される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記指標が、前記期間にわたって前記組織から前記電極のそれぞれによって取得された有効信号の数を示す、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記指標を計算することが、前記電極のそれぞれによって取得された前記信号のそれぞれの第2のセットを無効として分類しながら、前記電極のそれぞれから取得された前記信号のそれぞれの第1のセットを有効として分類するために、前記信号に1つ以上のフィルタリング基準を適用することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記指標が、前記電極のそれぞれが前記期間にわたって前記体腔内の前記組織と接触しているそれぞれの持続時間を示す、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記信号が、前記組織内の電気生理学的活動を示し、前記指標を計算することが、前記組織と接触している前記電極によって取得された局所信号と、前記組織と接触していない前記電極によって取得された遠距離場信号とを区別することと、前記期間にわたって前記電極のそれぞれによって取得された前記局所信号と前記遠距離場信号との間の関係に応答して、前記電極のそれぞれが前記組織と接触している前記持続時間を見出すことと、を含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、電気生理学的(EP)信号を検知及びマッピングするための装置及び方法、特にそのような装置の動作を評価するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
技術分野で知られている心臓の電気解剖学的マッピングシステムでは、オペレータ(通常は医師)が、患者の血管系を通って心臓の心腔内にカテーテルを挿入する。カテーテルの遠位端にある電極又は電極アセンブリは、心腔内の心筋組織に接触し、組織から電気信号を受信し、電気信号は、カテーテルを介してマッピングコンソールに伝達される。オペレータは、心腔内の多くの地点から信号を取得するために心臓内のカテーテルを操作し、これにより、コンソールは、心腔の壁部の物理的構造及び壁部全体にわたる電気的活動の分布を示すマップを構築できる。
【0003】
オペレータは心腔内のカテーテルの遠位端を見ることができないため、オペレータがEP信号取得のプロセスを視覚化及び理解するのを助けるために多くの技術が開発されている。例えば、米国特許第10,617,317号は、電極信号にしたがって電極画像を強調表示するための方法を記載している。電極が心臓内のある位置における組織と接触している間、患者の心臓内に位置付けられているカテーテル及びカテーテル上の電極を表すアイコンを含む心臓のグラフィック画像が表示画面上に提示される。方法は、電極を使用して、その位置における組織から電気信号を取得することと、取得された信号における予め定義された信号の特徴の発生を検出するように取得された信号を処理することと、を更に含む。方法はまた、予め定義された信号の特徴の発生を検出すると、表示画面上の電極を表すアイコン及びカテーテルを表すアイコンのうちの少なくとも一方の視覚的な特徴を修正することを含む。
【0004】
別の例として、米国特許第10,582,872号は、カテーテル上の電極によって検知された電気生理学的情報を視覚化するための方法及びシステムを記載している。方法は、電極信号取得の時間を記録することと、基準電極信号取得を指定することと、基準電極信号取得に対して相対時間を電極信号取得の各記録された時間に割り当てることと、信号取得を伴う電極を特定することと、割り当てられた相対時間を特定された電極と相関させて電極信号取得のシーケンスを生成することと、電極のグラフィック画像により視覚的表現を生成する、電極信号取得のシーケンスの視覚的表現を生成することと、を含み、個々の電極は、電極信号取得のシーケンスを表すように視覚的に印付けされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書のこれ以降に記載された本発明の実施形態は、EP信号取得の視覚化のための改善された方法及びシステムを提供する。
【0006】
したがって、本発明の実施形態によれば、遠位端を有するプローブであって、遠位端が、生体対象の体腔内への挿入のために構成されており、遠位端に沿って配置され且つ体腔内の複数の位置において組織に接触するように構成された電極のアレイを含む、プローブを含む、電気生理学的測定のためのシステムが提供される。プロセッサは、プローブが体腔内を移動する期間にわたって電極から信号を取得し、信号に応答して、期間にわたる電極のそれぞれと組織との間の接触のそれぞれの質を示す指標を計算し、指標の表示をシステムのユーザに出力するように構成されている。
【0007】
いくつかの実施形態では、プローブは、カテーテルを含み、遠位端は、生体対象の心臓の心腔内への挿入のために構成されている。
【0008】
追加的又は代替的に、プローブの遠位端は、電極が配列された可撓性構造体を含み、指標は、可撓性構造体の異なる部分と組織との間の接触を示す。いくつかの実施形態では、構造体は、複数の可撓性スパインを含み、電極がそれに沿って配置されている。
【0009】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、遠位端を表すグラフィカルアイコンをディスプレイにレンダリングし、遠位端の電極のそれぞれの位置における指標の視覚的表示をグラフィカルアイコンに組み込むように構成されている。開示された実施形態では、指標は、グラフィカルアイコン上の電極のそれぞれの位置のカラーコーディングによって表される。
【0010】
一実施形態では、指標は、期間にわたって組織から電極のそれぞれによって取得された有効信号の数を示す。典型的には、プロセッサは、電極のそれぞれによって取得された信号のそれぞれの第2のセットを無効として分類しながら、電極のそれぞれから取得された信号のそれぞれの第1のセットを有効として分類するために、信号に1つ以上のフィルタリング基準を適用するように構成されている。
【0011】
他の実施形態では、指標は、電極のそれぞれが期間にわたって体腔内の組織と接触しているそれぞれの持続時間を示す。1つのそのような実施形態では、信号は、組織内の電気生理学的活動を示し、プロセッサは、組織と接触している電極によって取得された局所信号と、組織と接触していない電極によって取得された遠距離場信号とを区別し、期間にわたって電極のそれぞれによって取得された局所信号と遠距離場信号との間の関係に応答して、電極のそれぞれが組織と接触している持続時間を見出すように構成されている。
【0012】
本発明の実施形態によれば、電気生理学的測定のための方法であって、遠位端を有するプローブを生体対象の体腔内に挿入することであって、遠位端が、遠位端に沿って配置され且つ体腔内の複数の位置において組織に接触するように構成された電極のアレイを含む、ことを含む、方法が提供される。信号は、プローブが体腔内で移動する期間にわたって、体腔内の電極から取得される。信号に応答して、指標が計算され、指標は、期間にわたる電極のそれぞれと組織との間の接触の質を示す。指標の表示がシステムのユーザに出力される。
【0013】
本発明は、以下の「発明を実施するための形態」を図面と併せて考慮することで、より完全に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態による、電気解剖学的マッピングのためのシステムの模式的な描写図である。
図2】本発明の実施形態による、EP信号を取得する際に使用されるカテーテル上の電極の性能を示すグラフィカルアイコンの概略図である。
図3】本発明の実施形態による、電極性能を評価して視覚化するための方法を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
概要
マッピングシステムは、心腔の正確な電気解剖学的マップを生成するために、典型的には、心腔の壁部に沿う数百又は更には数千の様々な地点から電気信号を取得する。この大量のデータを取得するのに必要な時間を短縮するために、マッピングシステムは、通常、遠位端に多くの電極を有するカテーテルを使用し、これらのカテーテルは、心腔内の異なるそれぞれの位置におけるそれぞれの信号を同時に検知することができる。電極は、典型的には、バルーンなどのカテーテルの遠位端における可撓性構造体、又はバスケット若しくはマルチアームアセンブリなどのそれに沿って電極が配置される複数の可撓性スパインを有する構造体に沿って配列される。
【0016】
典型的な動作では、全ての電極が任意の所与の時間に組織と接触しているわけではない。心臓内の組織と接触していないカテーテル電極によって受信された信号は、一般に、電極が浸漬されている血液プールを介して伝達される遠距離場信号によって支配される。この遠距離場成分は、限定された診断値である。カテーテル電極が心臓組織と接触している場合には、信号の振幅は、主に局所組織伝導率から導出されるが、遠距離場の寄与は僅かである。
【0017】
したがって、効率的で正確なEP測定及びマッピングのために、一般に、可能な限り多くの電極が処置中に常に組織と接触し、信号がマップに組み込むのに適しているように接触が良質であることが望ましい。同じトークンにより、新しいカテーテルが開発中にある場合、設計者は、カテーテルの遠位構造体及びこの構造体上の電極の配置を最適化するために、電極のそれぞれが組織接触の一貫性に関してどのように実行されるかを理解することが重要である。それが収集する信号を観察することによって、任意の単一の電極の性能を評価することが可能であるが、任意の所与の時間における電極のアレイ全体からの信号によって提供されるデータの容量は、オペレータ又は設計者が消化するために大きすぎる。したがって、例えば、より良好でより一貫した接触を達成するために設計を改善するために、カテーテルが心腔を通って移動するときにどの電極が組織と一貫して良好に接触し、どの電極がそうでないかを設計者が評価することは困難である。それらの設計及び操作技術を改善する際に、この種の評価及び支援開発者並びにカテーテルのユーザに提供することができる自動化されたツールが必要とされている。
【0018】
本明細書に記載される本発明の実施形態は、電気生理学的測定のためのシステムにおける、カテーテルなどのプローブの遠位端における電極アレイ内の電極のそれぞれの性能の視覚的表示を提供することによって、この課題に対処する。この表示を生成するために、プロセッサは、プローブが心腔などの体腔内で移動するときに電極から信号を取得する。取得された信号に基づいて、プロセッサは、各電極と空洞壁内の組織との間の接触の質を継続的に評価する。この目的のために、例えば、プロセッサは、局所信号と遠距離場信号とを区別するために、又は電極を通るインピーダンスを測定するために、各電極から取得する信号を処理してもよい。
【0019】
各電極について、プロセッサは、次に、プローブが体腔内で移動される期間にわたる電極と組織との間の接触の質を示す指標を計算する。指標は、例えば、期間にわたって組織からの電極のそれぞれによって取得された有効な信号の数を示すことができる。この目的のために、例えば、プロセッサは、基準を有効なものとして満たす信号を分類するために信号にフィルタリング基準を適用する一方で、基準を満たさず、したがって破棄されるべきである信号を無効なものとして分類することができる。この種のフィルタリングを行うための方法及び基準は、例えば、本特許出願の譲受人に譲渡され、付録に添付された写しと共に参照により本明細書に組み込まれる、2020年8月17日に出願された米国特許出願公開第16/995,036号に記載されている。追加的又は代替的に、指標は、各電極が期間にわたって組織と接触することが見出された持続時間を示してもよい。
【0020】
プロセッサは、指標の表示をシステムのユーザに出力する。以下に記載される実施形態では、表示は、プロセッサがディスプレイにレンダリングする、プローブの遠位端を表すグラフィカルアイコンの形態をとる。アイコンは、例えば、ディスプレイ上の電極位置をカラーコーディングすることによって、プローブの遠位端上の電極の位置における指標の視覚的表示を含む。このアイコン及び/又は他の出力は、オペレータ又は設計者が、組織に接触する電極のそれぞれの有効性を視覚化することを可能にし、したがって、場合によっては、データ収集及びマッピングの効率を最適化するために、プローブ設計又は動作技術のいずれかを改善することを可能にする。例えば、設計者は、接触の質が不十分である電極を排除することができ、及び/又は利用可能な領域及びプローブ内の信号ワイヤの数に対する有効信号の収集を最大化するために、良好な接触の質を有するプローブの領域内の電極を集中させることができる。
【0021】
具体性及び明確さのために、図面に示されて以下に記載される実施形態は、例として、電気解剖学的マッピングのための特定のタイプのシステムと、そのようなシステムにおいて使用されることができるバスケットカテーテルとに関連する。しかしながら、本発明の原理は、この特定の種類のカテーテル又はシステムに限定されるものではなく、診断及び治療用途のための他のタイプの心臓カテーテル、並びに他の体腔における診断測定及び治療に使用されるプローブに同様に準用されてもよい。全てのこのような代替的な実装は、本発明の範囲内であると考えられる。
【0022】
システムの説明
図1は、本発明の実施形態による、患者28の心臓26におけるEPパラメータをマッピングするためのシステム20の概略描写図である。現在の図及び後続の図に示される実施形態は、心臓26の心腔からEP信号を取得する実施例を指す。代替的な実施形態では、EPパラメータの値は、本記載を一読した後に当業者に明白となるだろうが、その他の種類のマッピング用装置を使用して、心臓内からだけではなくその他の臓器及び組織からも取得され得る。
【0023】
オペレータ30は、カテーテルの近位端付近のマニピュレータ32を使用してカテーテルのシャフト23を操作することによって、患者28の心臓26における標的位置に向かってカテーテル22を操縦する。図示された例では、カテーテル22は、挿入図45に示されるように、その遠位端にバスケットアセンブリ40を備える。挿入図25に見られるように、オペレータ30は、カテーテル22を操作して、心臓26の心腔の電気解剖学的マッピングを行う。以下に更に詳述するように、EP信号は、バスケットアセンブリ40上の電極48を心臓内の組織と接触させることにより心筋の組織から取得される。
【0024】
図示された例では、位置追跡の目的で、バスケットアセンブリ40は、バスケットアセンブリ40の近位端及び遠位端に、挿入図45に見られる一対の磁気センサ50A及び50Bを組み込んでいる。あるいは、カテーテル22は、これらの位置又は他の位置に、その他の種類の磁気センサを備えていてもよい。代替的に又は追加的に、カテーテルは、当該技術分野において周知であるように、インピーダンス系位置センサ又は超音波位置センサなどのその他の種類の位置センサを備えていてもよい。
【0025】
バスケットアセンブリ40は、機械的に可撓性である複数の拡張可能なスパイン55を含む。複数の電極48は、それぞれの背柱に、例えば120個の電極の合計で固定されている。電極48は、描写された例で、EP信号、すなわち、心臓内電位図信号を検知する目的で心臓26内の組織に接触するように構成されている。磁気センサ50A及び50B並びに電極48は、カテーテル22を通ってひかれているワイヤ(図示せず)によってコンソール24における処理回路に接続されている。
【0026】
あるいは、システム20は、外側表面上に電極48を備える膨張可能なバルーンカテーテル、又はカテーテルの遠位端において1つ以上の可撓性アームを有する若しくは湾曲した「投げ縄」を有するカテーテルなどの、他の種類の電極アレイを有する、他の種類のカテーテルを備えていてもよい。
【0027】
システム20は、コンソール24内に、バスケットアセンブリ40の位置及び配向を見つけるための位置追跡サブシステム43を備えることによって電極48の位置を特定する。患者28は、位置追跡サブシステム43によって駆動される磁場発生器コイル42を含むパッドによって発生する磁界内に置かれる。コイル42によって発生する磁場により、センサ50A及び50B内に電気信号が生じるが、これらは、センサの位置及び配向を示している。センサ50A及び50Bからの信号は、信号をプロセッサ41への対応するデジタル入力へと変換する位置追跡サブシステム43に伝送されて戻される。プロセッサ41は、これらの入力を使用して、バスケットアセンブリ40の位置及び配向を計算するので、電極48のそれぞれの対応する位置の座標を見出せる。
【0028】
代替的に又は追加的に、上記のように、システム20は、位置検知の他の方法を使用して、電極48の位置を見出してもよい。例えば、プロセッサ41は、患者28の胸部に置かれ、リード39によってコンソール24に接続されている、電極48と身体表面の電極49との間のインピーダンスを測定することによって、電極48の位置をマッピングしてもよい。
【0029】
プロセッサ41は、フロントエンド回路44を介してバスケットアセンブリ40上の電極48からEP信号を更に受信する。これらの回路は、プロセッサの制御下で、アナログフィルタ及び/又はデジタルフィルタ並びに増幅器を同信号に適用する。典型的な臨床用途では、プロセッサ41は、心腔壁に沿う位置の関数としてのEP信号の電圧レベル又は局所活性化時間(LAT)を示すマップなどの、バスケットアセンブリ40が位置する心臓26の心腔の電気解剖学的マップを構築する際に、磁気センサ50A及び50Bによって提供された座標と共に、これらのEP信号に含まれる情報を使用する。しかしながら、本実施形態では、プロセッサ41は、バスケットアセンブリ40を表すグラフィカルアイコン60をディスプレイ27にレンダリングする。アイコン60は、バスケットアセンブリ上の電極のそれぞれの位置における電極48の接触の質の視覚的表示を組み込んでいる。接触の質及びアイコン60へのそれらの組み込みを示す指標を計算するための方法が以下に記載される。
【0030】
プロセッサ41は、通常、本明細書に記載の機能を実施するようにソフトウェアにプログラムされる。ソフトウェアは、例えばネットワーク上で、コンピュータに電子形態でダウンロードすることができる、あるいは代替的に又は追加的に、磁気メモリ、光学メモリ、若しくは電子メモリなどの、非一時的実体的媒体上に提供及び/又は記憶することができる。特に、プロセッサ41は、以下に記載されているように、データ取得、接触の質の計算、及びオペレータガイダンスの開示されたステップをプロセッサが実行することを可能にする専用アルゴリズムを稼働させる。
【0031】
先の述べたように、図1に示されている例示は、単に概念を分かりやすくする目的で選択される。図1は、単純及び明確にするため、開示技法に関する要素のみを示す。システム20は、典型的に、開示される技術には直接関連せず、したがって図1及び対応する説明から意図的に省略されている、追加のモジュール及び要素を備える。
【0032】
接触の質の評価及び表示
バスケットアセンブリ40上の電極48によって提供される信号に応答して、プロセッサ41は、各電極と心臓26内の組織との接触のそれぞれの質を評価する。電極48のうちのいずれか1つは、任意の所与の時点で心臓の組織と完全に又は部分的に接触してもよい。あるいは、電極のうちのいずれか1つは、心腔内の血液などの流体によって組織から分離されてもよく、次いで、流体を通してのみ組織からの信号を受信する。組織とのカテーテル電極のいずれか1つの接触(完全な又は部分的な接触、あるいは液体を介した接触)の質は、カテーテルによって供給される信号に基づいて評価されることができる。これらの信号に基づいて、プロセッサ41は、バスケットアセンブリ40が心臓の心腔内を移動する期間にわたる接触の質を測定する。プロセッサは、例えば、電極がこの期間にわたって組織と接触している持続時間の関数として、接触の質を示す各電極の指標を計算する。いくつかの実施形態では、任意の所与の電極の指標は、問題の期間中に電極によって取得された有効な信号の数、又は電極と組織との間の接触の質が良好であった期間の分率に対応する。
【0033】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される用語「接触の質」は、カテーテル電極のうちのいずれか1つと組織との間の安定した電気的接触の程度の定量的指標として定義される。「接触の質」は、例えば測定された電気インピーダンスに関して直接的に、又は例えば接触力若しくは圧力に関して間接的に、又は電極48によって取得されたEP信号の振幅に基づいて表されることができる。カテーテル上の複数の電極と心臓内の組織との間の接触の質を評価するための方法は、本特許出願の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第2020/0367829号明細書に詳細に記載されており、その開示は、付録における写しと共に参照により本明細書に組み込まれる。
【0034】
追加的又は代替的に、接触の質は、例えば、上述した米国特許出願第16/995,036号に記載されている基準などの特定のフィルタリング基準を満たすことが分かっている各電極48によって取得された信号の数に基づいて、電極を介した信号取得の質に関して表されてもよい。この種の質指標を使用する一実施形態では、プロセッサ41は、各心拍周期中の関心のある特定の時間窓内の心腔内の各電極48から信号を取得する。(「参照注釈」として知られる心拍周期の開始時間は、典型的には、身体表面電極49から受信されたECG信号から導出され、窓は、この参照注釈に対して定義される。)取得中の取得信号及び電極位置がフィルタリング基準を満たす場合、プロセッサ41は、信号を有効なものとして計数し、この電極の有効信号の数の計数を増分する。そうでなければ、信号は無効であると見なされ、破棄される。各電極の接触質指標は、それぞれの計数に基づく。
【0035】
限定ではなく例として、有効信号を計数する際に使用されるフィルタリング基準は、以下を含むことができる:
・例えば、電極位置座標に基づく心腔の壁への近接性は、高速解剖学的マッピング(FAM)アルゴリズムによって再構成された壁の表面に対する磁気追跡システムによって測定される。壁の閾値距離内の位置において取得された信号のみが有効であると見なされる。
・取得中のカテーテルの安定性。プロセッサ41は、EP信号の取得中にバスケットアセンブリ40の範囲及び運動速度を検知する。バスケットアセンブリがEPサンプル又はサンプルセットの取得中に特定の最大距離を超えて移動すると、プロセッサは、信号を無効であるものとして拒否することとなる。
・電圧が低すぎる。プロセッサ41は、電圧レベルによってEP信号をフィルタリングし、電圧が特定の最小値より大きい信号のみを有効であるものとして計数することとなる。
【0036】
上記の基準の全てを満たす信号のみが有効であるものとして計数される。閾値(壁近接性、安定性、及び電圧について)は、とりわけ、固定されることができるか、又はシステム20のオペレータによって設定されることができる。
【0037】
他の実施形態では、プロセッサ41は、電極48と体表面電極49との間のインピーダンスを測定する。インピーダンスの大きさは、接触の質の表示を提供する。典型的には、電極のうちの1つと体表面電極との間のインピーダンスのより高い値は、そのカテーテル電極と組織との間の接触の質がより高いことを示し、一方、低インピーダンスは、電極が心臓内の血液に浸漬されていることを示す。プロセッサ41は、カテーテル電極のそれぞれと組織との間の質接触を示す指標を計算する際にインピーダンスの値を使用してもよい。
【0038】
代替的又は追加的に、バスケット40上の電極48の対の間のインピーダンスは、接触の質の尺度として使用されてもよい。組織接触は、電極のセットにわたるインピーダンス値を、組織と十分に接触していることが知られている電極について測定された値及び血液とのみ接触していることが知られている電極についての他の値を含む、予め測定されたインピーダンス値と比較することによって評価されることができる。
【0039】
更に追加的又は代替的に、機械学習技術は、例えば、その開示が付録における写しと共に参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第9,168,004号明細書に記載されているように、電極48と心筋組織との間の接触の質を評価する際に使用されてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、評価下のプローブは、力又は圧力センサ(図示せず)を備えてもよい。力又は圧力の尺度は、より高い値の力又は圧力が対応する電極と組織との間の接触のより高い質を示し、逆もまた同様であるように、接触の質の表示を提供する。
【0041】
いくつかの実施形態では、電極48から取得されたEP信号が使用されて、電極と組織との間の接触の質を評価する。プロセッサ41は、電極が組織と接触していないときに、電極が組織と接触しているときに取得された局所信号を区別し、局所信号と遠距離場信号との間の関係に基づいて接触の質を見出す。例えば、任意の所与の電極に関連付けられたEP信号の最大振幅(電圧)は、電極と組織との間の接触の質を示し、その結果、EP信号の最大振幅のより高い値は、そのカテーテル電極と組織との間の接触のより高い質を示す。プロセッサ41は、各カテーテル電極と組織との間の接触の質を示す指標を計算する際に、EP信号の振幅を使用することができる。
【0042】
代替的又は追加的に、プロセッサ41は、上述した特許出願公開第2020/0367829号明細書に更に記載される方法又は技術分野において公知の他の方法など、電極と組織48との間の接触の質を測定するための他の方法を適用してもよい。
【0043】
ここで、本発明の実施形態による、電極性能を評価して視覚化するための方法を概略的に示す図2及び図3を参照する。図2は、EP信号を取得する際に使用されるカテーテル上の電極の接触の質を示すグラフィカルアイコン60の概略図であり、図3は、接触質指標の計算及び表示のための方法を示すフローチャートである。本方法は、図1に示されるように、カテーテル22を具体的に参照して本明細書に記載される。しかしながら、それは、他のタイプのカテーテルに対して代わりに準用されることができる。
【0044】
プロセッサ41は、典型的には、アイコン60をディスプレイ27にレンダリングし、スパイン55上の電極48のそれぞれの位置に対応するアイコン60上にマーキング62を重ね合わせる。マーキング62は、例えば、青色が最も少ない接触及び赤色が最も多い接触を示す「熱」スケール(図2の異なるハッチスタイルによって表される)を使用して、対応する電極のそれぞれの接触質指標を示すためにカラーコーディングされる。したがって、描かれた例では、位置62Bは、心筋組織と比較的不十分な接触を行ったが、別の位置62Rは、良好な接触を行った。
【0045】
マーキング62のカラーコーディングは、どのスパイン又はスパインのどの部分が心筋組織と頻繁に接触し且つ接触しなかったかを暗示的に示す。次いで、カテーテル22の設計者は、設計を最適化するために、スパインの形状又はその上の電極の分布を変更することができる。カテーテルが技術分野の異なるチャンバにおいて使用される場合、接触指標は異なってもよい。したがって、設計者は、異なる用途のための異なるバスケット及び電極レイアウトを開発してもよい。同じトークンにより、システム20のオペレータは、アイコン60上のカラーコーディングを使用して、EPデータをより効果的に捕捉するために、自己のマッピング技術を改善することができる。
【0046】
アイコン60を作成及び着色する第1のステップとして、プロセッサ41は、図3に示されるように、取得ステップ70において、バスケット40が心房などの解剖学的構造内に移動する間、電極48に対してデータを収集する。本実施例では、取得されたデータは、電極によって検知されたEP信号を含むが、インピーダンス又は圧力測定値などの他の種類のデータが代替的又は追加的に取得されてもよい。プロセッサ41は、質評価ステップ72において、組織との各電極によって形成された接触の質を測定し、対応する指標を計算する。
【0047】
この評価に基づいて、プロセッサは、質表示ステップ74において、各電極の接触質指標の表示を出力する。例えば、アイコン60上の電極位置62は、図2に示されるような質指標にしたがって着色されることができる。代替的又は追加的に、本明細書を読んだ後に当業者にとって明らかであるように、他の種類のグラフィカル及び/又は数値出力が使用されてもよい。
【0048】
上に記載される実施形態は例として挙げたものであり、本発明は本明細書の上記で具体的に図示及び説明されるものに限定されない点が理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、本明細書において上に記載される様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、並びに前述の記載を読むと当業者に着想されるであろう、先行技術に開示されていないその変形及び修正を含む。
【0049】
〔実施の態様〕
(1) 電気生理学的測定ためのシステムであって、
遠位端を有するプローブであって、前記遠位端が、生体対象の体腔内への挿入のために構成されており、前記遠位端に沿って配置され且つ前記体腔内の複数の位置において組織に接触するように構成された電極のアレイを備える、プローブと、
前記プローブが前記体腔内を移動する期間にわたって前記電極から信号を取得し、前記信号に応答して、前記期間にわたる前記電極のそれぞれと前記組織との間の接触のそれぞれの質を示す指標を計算し、前記指標の表示を前記システムのユーザに出力するように構成されたプロセッサと、を備える、システム。
(2) 前記プローブがカテーテルを備え、前記遠位端が、前記生体対象の心臓の心腔内への挿入のために構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記プローブの前記遠位端が、前記電極が配列された可撓性構造体を備え、前記指標が、前記可撓性構造体の異なる部分と前記組織との間の接触を示す、実施態様1に記載のシステム。
(4) 前記構造体が、複数の可撓性スパインを備え、前記電極がそれに沿って配置されている、実施態様3に記載のシステム。
(5) 前記プロセッサが、前記遠位端を表すグラフィカルアイコンをディスプレイにレンダリングし、前記遠位端の前記電極のそれぞれの位置における前記指標の視覚的表示を前記グラフィカルアイコンに組み込むように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
【0050】
(6) 前記指標が、前記グラフィカルアイコン上の前記電極の前記それぞれの位置のカラーコーディングによって表される、実施態様5に記載のシステム。
(7) 前記指標が、前記期間にわたって前記組織から前記電極のそれぞれによって取得された有効信号の数を示す、実施態様1に記載のシステム。
(8) 前記プロセッサが、前記電極のそれぞれによって取得された前記信号のそれぞれの第2のセットを無効として分類しながら、前記電極のそれぞれから取得された前記信号のそれぞれの第1のセットを有効として分類するために、前記信号に1つ以上のフィルタリング基準を適用するように構成されている、実施態様7に記載のシステム。
(9) 前記指標が、前記電極のそれぞれが前記期間にわたって前記体腔内の前記組織と接触しているそれぞれの持続時間を示す、実施態様1に記載のシステム。
(10) 前記信号が、前記組織内の電気生理学的活動を示し、前記プロセッサが、前記組織と接触している前記電極によって取得された局所信号と、前記組織と接触していない前記電極によって取得された遠距離場信号とを区別し、前記期間にわたって前記電極のそれぞれによって取得された前記局所信号と前記遠距離場信号との間の関係に応答して、前記電極のそれぞれが前記組織と接触している前記持続時間を見出すように構成されている、実施態様9に記載のシステム。
【0051】
(11) 電気生理学的測定のための方法であって、
遠位端を有するプローブを生体対象の体腔内に挿入することであって、前記遠位端が、前記遠位端に沿って配置され且つ前記体腔内の複数の位置において組織に接触するように構成された電極のアレイを備える、ことと、
前記プローブが前記体腔内で移動する期間にわたって、前記体腔内の前記電極から信号を取得することと、
前記信号に応答して、前記期間にわたる前記電極のそれぞれと前記組織との間のそれぞれの接触の質を示す指標を計算することと、
前記指標の表示を前記システムのユーザに出力することと、を含む、方法。
(12) 前記プローブがカテーテルを備え、前記信号を取得することが、前記カテーテルの前記遠位端を前記対象の心臓の心腔内で移動させることを含む、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記プローブの前記遠位端が、前記電極が配列された可撓性構造体を備え、前記指標が、前記可撓性構造体の異なる部分と前記組織との間の接触を示す、実施態様11に記載の方法。
(14) 前記構造体が、複数の可撓性スパインを備え、前記電極がそれに沿って配置される、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記表示を出力することが、前記遠位端を表すグラフィカルアイコンをディスプレイにレンダリングすることと、前記遠位端の前記電極のそれぞれの位置における前記指標の視覚的表示を前記グラフィカルアイコンに組み込むことと、を含む、実施態様11に記載の方法。
【0052】
(16) 前記指標が、前記グラフィカルアイコン上の前記電極の前記それぞれの位置のカラーコーディングによって表される、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記指標が、前記期間にわたって前記組織から前記電極のそれぞれによって取得された有効信号の数を示す、実施態様11に記載の方法。
(18) 前記指標を計算することが、前記電極のそれぞれによって取得された前記信号のそれぞれの第2のセットを無効として分類しながら、前記電極のそれぞれから取得された前記信号のそれぞれの第1のセットを有効として分類するために、前記信号に1つ以上のフィルタリング基準を適用することを含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記指標が、前記電極のそれぞれが前記期間にわたって前記体腔内の前記組織と接触しているそれぞれの持続時間を示す、実施態様11に記載の方法。
(20) 前記信号が、前記組織内の電気生理学的活動を示し、前記指標を計算することが、前記組織と接触している前記電極によって取得された局所信号と、前記組織と接触していない前記電極によって取得された遠距離場信号とを区別することと、前記期間にわたって前記電極のそれぞれによって取得された前記局所信号と前記遠距離場信号との間の関係に応答して、前記電極のそれぞれが前記組織と接触している前記持続時間を見出すことと、を含む、実施態様19に記載の方法。
図1
図2
図3
【外国語明細書】