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▶ 樋口 宜史の特許一覧

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  • 特開-にんにく遮光水耕栽培 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022098540
(43)【公開日】2022-07-04
(54)【発明の名称】にんにく遮光水耕栽培
(51)【国際特許分類】
   A01G 31/00 20180101AFI20220627BHJP
   A01G 22/05 20180101ALI20220627BHJP
【FI】
A01G31/00 607
A01G31/00 611A
A01G31/00 601B
A01G22/05 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020211964
(22)【出願日】2020-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】720011209
【氏名又は名称】樋口 宜史
(72)【発明者】
【氏名】樋口宜史
【テーマコード(参考)】
2B022
2B314
【Fターム(参考)】
2B022AA01
2B022AA03
2B022AB15
2B314MA06
2B314MA33
2B314NA01
2B314NB21
2B314NC27
2B314NC28
2B314ND30
2B314PB27
2B314PB30
2B314PD27
(57)【要約】      (修正有)
【課題】家庭内でも簡単ににんにくを遮光しながら栽培できる方法を提供する。
【解決手段】にんにくの種子の向きを上下にそろえるためプラスチックや発泡スチロールでできた有孔トレー1の中に種子を1粒ずつ発根部が下向きで入れて、そのトレーを水が入った栽培容器内の水面に浮かべるように設置し、有孔トレーの底面が栽培容器内の底面に接しないよう水の補給で水位を維持させ、有孔トレー上でにんにくの種子を発芽させ成育させることを特徴とする。また、その栽培期間中は栽培容器全体を光が入りこまないよう遮光しながら栽培することを特徴とする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
にんにくの種子の向きを上下にそろえるためプラスチックや発泡スチロールでできた有孔トレーの中に種子を1粒ずつ発根部が下向きで入れて、そのトレーを水が入った栽培容器内の水面に浮かべるように設置し、有孔トレーの底面が栽培容器内の底面に接しないよう水の補給で水位を維持させ、有孔トレー上でにんにくの種子を発芽させ成育させることを特徴とする有孔トレーを使用したにんにく発芽・生育水耕栽培方法。
【請求項2】
にんにくの種子の発芽・生育には、水温上昇を抑制し、適温を保つ必要があるため、容器全体を布やダンボールや板で遮光することを特徴とする請求項1に記載の有孔トレーを使用したにんにく発芽・生育水耕栽培方法。
【請求項3】
にんにくの種子が入った有孔トレーを入れた栽培容器全体を遮光するが密閉又は真空にしないことを特徴とする請求項2に記載の有孔トレーを使用したにんにく発芽・生育水耕栽培方法。
【請求項4】
栽培中は水の補給のみで栽培し、芽を5~14cm程に成長させることを特徴とする請求項1に記載の有孔トレーを使用したにんにく発芽・生育水耕栽培方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般のご家庭で手軽に誰でもどこででも栽培できる水耕栽培方法に関する。
【背景技術】
【0002】
古くからにんにくは球根部を一般的に食されてきました。ところが新芽の時期は芽も種子も根も食すことができ、また栄養価が高いことが近年一般的に知られるようになりましたが、市場にはほとんど出回っていません。
【0003】
にんにくの種子は楕円形で芽と根が出る位置が決まっており、水耕栽培では種子の向きを固定することで水中に沈み成長の妨げにならないよう、更に生育中種子の向きを一定方向にそろえるために有孔トレーに入れて栽培する。
【0004】
にんにくの生育環境を一定にするための気温上昇を抑制するため遮光しながら栽培することが特徴で、そのため通気性を維持しながら密閉状態にならないよう布や段ボールや板で光を遮断する必要がる。また、栽培中は有機肥料や化学肥料や液体肥料を使わずに水だけで栽培するため水分の補給は行う。
【0005】
特許文献2にはニンニク茎葉野菜の栽培方法が提案されている。この栽培方法は、ニンニクの球根を暗黒条件下に特定の温度/湿度をコントロールして栽培する方法であり、その手段としては、土壌栽培或いは水耕栽培とされているが、実際の実施例においてはニンニク球根に土壌を覆土し、さらに暗室内で栽培するという土壌栽培方法しか開示されていない。
【特許文献1】特公平4-16127号公報
【特許文献2】1608601341521_0公報
【特許文献3】特許第4252101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した特許文献2で提供される栽培方法は土壌栽培であり、その栽培に人手がかかること、また得られるスプラウト自体未だ硬いといった問題がある。したがって、栽培方法が簡単であって、さらにご家庭内で栽培する方法の開発が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
有孔トレーに種を入れることで種の上下の向きを一定に、また、固定することができ根は水中に発根し芽は垂直に成長するようになる。栽培中はトレーが栽培容器の底まで下がらないよう水は補給する。
【0008】
栽培中は、布や段ボールや板で光を遮断することで水温上昇防ぎ生育環境を維持することができる。ただし、光は遮断するが密閉にならないよう通気性は維持する。また、遮光効果には害虫予防や飛沫防止効果もあることから安全な栽培方法でもあります
【0009】
本発明は、手軽に家庭内での栽培が可能な方法で、化学肥料や養液水などは使用せず、普段飲み水として使用している水を補給するだけなので安心・安全・手軽に栄養豊富な発芽にんにくを栽培することが可能な方法です。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、栽培技術が簡単で手軽にご家庭内で栽培が可能となり、必要の時の必要な量を栽培することができる。また、有孔トレーや容器は洗浄して何度も使用可能で肥料や養液水を使用しないため安心で安全で簡単で栽培費用が安い。
【0011】
さらに、遮光効果で害虫に食害されることもなく、また、病原菌からの予防効果も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る栽培方法で用いる有孔トレーの図である。
図2】本発明に係る栽培方法で用いる栽培ケースの図である。
図3】本発明に係る栽培方法で用いる栽培ケースに有孔トレーを設置した図である。
図4】本発明に係る栽培方法で用いる栽培ケースを遮断した1例の図である。
図5】本発明に係る栽培方法で生育したにんにくの図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
図1に示すように、有孔トレー1は、プラスチック又は発泡スチロール等で形成されており、にんにくの種子を入れる複数の穴がある。穴の底面は根が水中に発根できるよう開いている。
図2は、栽培ケース3の構造を示す図である。同図に示すように、栽培ケース3は、水がたまるところ。トレーを設置するところ。トレー1が沈み込むのを防止するためトレーを載置する設置台4を含む、栽培ケース3の上部には、遮光用補助板5を接続する。
図3に示すように、設置台4の上に、有孔トレー1載置して使用する。
図4に示すように、遮光補助板5の上から、遮光用資材6をかける。ここでは遮光用資材6の一例として、黒い布を用いている。遮光用資材6は、黒い布に限定されず、段ボール、板等で光を通さない性能の資材を使用する。
にんにくの生育中に水温が上昇すると、生育が遅れる、または、成長が止まる。最悪枯れる。30度前後がベスト。
図5は、にんにくが発芽した状態を示している。にんにくの種子8から、にんにくの芽7と、にんにくの根9が伸びる。本実施形態では、芽7が5~14センチ程度に伸びた状態で収穫する。やわらかくておいしい。根9もやわらかく食することができる。
【0014】
本発明は、1例として家庭内の台所の棚や食卓テーブル上に置き栽培でき
る。また、ベランダでの栽培も可能である。子供にとって植物が成長していく過程を日々観察できることは食育的効果があるのではと考える。
【0015】
本発明は、実施例にとどまらず、学校や会社などあらゆる建物の室内や敷地内で栽培が可能である。
【0016】
本発明は、農業者による生産も可能である。トレーを大きくし、それをいくつも並べることで大量に生産が可能となる。農業者による栽培で遮光をする時は、1例として有孔トレーを入れた栽培ケース全体をトンネル用支柱資材でドーム状に設置し、その上から80~100%の遮光マルチ、遮光ネット等を使用することでにんにく遮光栽培が可能である。栽培場所は農業用ハウス内や倉庫内や路地栽培でも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明は、家庭用の水耕栽培キットとして、利用可能である。
【符号の説明】
【0018】
1 有孔トレー
2 穴(にんにくの種子を入れる穴)
3 栽培ケース
4 台(有孔トレーの設置台)
5 遮光用補助板
6 遮光用資材
7 にんにくの芽
8 にんにく(種子)
9 にんにくの根
図1
図2
図3
図4
図5