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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022098563
(43)【公開日】2022-07-04
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220627BHJP
【FI】
A63F5/04 620
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020212004
(22)【出願日】2020-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】森山 翔太
(72)【発明者】
【氏名】竹内 賢一
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 正人
(72)【発明者】
【氏名】河江 大輔
(72)【発明者】
【氏名】川嶋 隆義
(72)【発明者】
【氏名】橋本 泰彦
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 義一
(72)【発明者】
【氏名】石井 彰
(72)【発明者】
【氏名】北風 諒馬
(72)【発明者】
【氏名】田中 寛弥
【テーマコード(参考)】
2C518
【Fターム(参考)】
2C518AA09
2C518AA10
2C518CA03
2C518CA06
2C518EA01
(57)【要約】
【課題】遊技者に損失感を与えることを防止できる遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機は、複数の達成条件を満たすと、演出状態を所定の演出状態へ移行させる演出状態制御手段81と、各達成条件を満たすか否かを順番に報知する演出を行う演出制御手段100と、特典付与手段82と、を備え、特典付与手段82は、達成条件の達成期待度を上昇させる特典を所定契機で付与し、所定の状況で特典を使用して達成条件の達成期待度を上昇させ、特典を使用して達成条件の達成期待度を上昇させる際に、達成条件を満たすか否かが先に報知される達成条件の達成期待度を優先的に上昇させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の達成条件を満たすと、演出状態を所定の演出状態へ移行させる演出状態制御手段と、
各前記達成条件を満たすか否かを順番に報知する演出を行う演出制御手段と、
特典付与手段と、を備え、
前記特典付与手段は、
前記達成条件の達成期待度を上昇させる特典を所定契機で付与し、
所定の状況で前記特典を使用して前記達成条件の達成期待度を上昇させ、
前記特典を使用して前記達成条件の達成期待度を上昇させる際に、達成条件を満たすか否かが先に報知される達成条件の達成期待度を優先的に上昇させることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記特典付与手段は、
前記状況において、達成条件を満たすか否かが最初に報知される達成条件の達成期待度を最初に上昇させ、所定の条件を満たす場合に、達成条件を満たすか否かが2番目に報知される達成条件の達成期待度を上昇させることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から遊技機として、外周面に複数の図柄が配列されたリールを複数備えたスロットマシンが知られている。スロットマシンでは、遊技開始に伴ってリールが回転を開始するとともに、抽選テーブルを用いた内部抽選が行われる。また、リールが停止したときに内部抽選に当選した当選役に対応する図柄組合せが複数のリールによって表示されて、この当選役が入賞となると、入賞した当選役に対応する処理として、例えば、メダル(遊技価値)を払い出すメダル払出処理やメダルを新たに消費することなく再度の遊技を可能とする再遊技処理等が行われる。
【0003】
また、スロットマシンとして、所定契機で所定のポイントを付与し、当該ポイントが所定値まで蓄積されたことに基づいて、特典を付与する遊技機が知られている。例えば、特許文献1に記載のスロットマシンでは、ポイントが所定値まで蓄積されたことに基づいて、高確遊技モードへの移行の権利が付与される。また、付与された特典を、付与された時点で使用する遊技機や、その後の所定契機で使用する遊技機が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-236876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ポイントの蓄積等に基づき付与された特典は、使用のされ方によっては遊技者に損失感を与えるおそれがあった。
【0006】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、遊技者に損失感を与えることを防止できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の遊技機は、
複数の達成条件を満たすと、演出状態を所定の演出状態へ移行させる演出状態制御手段と、
各前記達成条件を満たすか否かを順番に報知する演出を行う演出制御手段と、
特典付与手段と、を備え、
前記特典付与手段は、
前記達成条件の達成期待度を上昇させる特典を所定契機で付与し、
所定の状況で前記特典を使用して前記達成条件の達成期待度を上昇させ、
前記特典を使用して前記達成条件の達成期待度を上昇させる際に、達成条件を満たすか否かが先に報知される達成条件の達成期待度を優先的に上昇させることを特徴とする。
【0008】
複数の達成条件を満たした場合に、所定の演出状態への移行が可能となる遊技機においては、いずれかの達成条件が満たせなかった時点で、所定の演出状態への移行の権利を獲得できなかったこととなる。すなわち、達成条件を満たすか否かが先に報知される達成条件が達成されて初めて、達成条件を満たすか否かが後に報知される達成条件についての達成、非達成が問題となる。すなわち、達成条件を満たすか否かが後に報知される達成条件についての達成期待度がいくら高くても、達成条件を満たすか否かが先に報知される達成条件について達成できなければ高い達成期待度が無駄となってしまうおそれがある。本発明によれば、特典を使用して達成条件の達成期待度を上昇させる際に、達成条件を満たすか否かが先に報知される達成条件の達成期待度を優先的に上昇させるので、達成条件を満たすか否かの報知(判定)の行われる可能性が高い達成条件の達成期待度が上昇され、特典が使用された達成条件について達成条件を満たすか否かの報知を受けることができる可能性が高くなるので、特典が無駄になったという印象を遊技者が抱くことを防止できる。したがって、遊技者に損失感を与えることを防止できる。
【0009】
また、本発明の前記構成において、
前記特典付与手段は、
前記状況において、達成条件を満たすか否かが最初に報知される達成条件の達成期待度を最初に上昇させ、所定の条件を満たす場合に、達成条件を満たすか否かが2番目に報知される達成条件の達成期待度を上昇させることとしてもよい。
【0010】
本構成によれば、達成条件を満たすか否かが最初に報知される達成条件の達成期待度を最初に上昇させるので、達成条件を満たすか否かの報知(判定)が必ず行われる達成条件の達成期待度が上昇され、特典が使用された達成条件について達成条件を満たすか否かの報知を必ず受けることができるので、特典が無駄になったという印象を遊技者が抱くことを確実に防止できる。したがって、遊技者に損失感を与えることを防止できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の遊技機によれば、遊技者に損失感を与えることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その斜視図である。
図2】同、リールの図柄配列を示す図である。
図3】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
図4】同、内部抽選テーブルを説明するための図である。
図5】同、各当選エリアの当選時における停止操作の態様と入賞役との関係を説明するための図である。
図6】同、遊技状態の状態遷移図である。
図7】同、遊技区間および演出状態の状態遷移図である。
図8】同、特殊特典の使用に係る制御について説明するためのフローチャートである。
図9】同、達成条件決定処理について説明するためのフローチャートである。
図10】同、準備中遊技における液晶ディスプレイの表示を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態は本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等の遊技機に適用されてもよい。
図1に示すように、本発明のスロットマシン(遊技機)10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前面扉12とを備えている。筐体11には、回転自在な第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cがユニット化されたリールユニットと、メダル(遊技価値)の払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。
【0014】
上扉12aには、液晶ディスプレイ(表示手段)13、スピーカ(音出力手段)14などの演出用の装置、および、表示窓16が設けられている。液晶ディスプレイ13は、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する。また、スピーカ14は、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)を出力する。なお、演出用の装置としては、液晶ディスプレイ13やスピーカ14の他にランプ(LED)などの電飾装置、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などを設けても良い。
【0015】
表示窓16の奥には、リールユニットが、その一部を表示窓16の外から視認可能に配置されている。各リール20a~20cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されており、各リール20a~20cが停止すると表示窓16を通して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。また、表示窓16には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態の遊技機では、第1リール20aの上段と、第2リール20bの中段と、第3リール20cの下段とによって有効ラインが構成されている。また、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が、3枚に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化される。
【0016】
各リール20a~20cの外周面には、図2に示すように、白7図柄「白7」、BAR図柄「BAR」、特殊図柄A「SPA」、特殊図柄B「SPB」、特殊図柄C「SPC」、リプレイ図柄「RP」、ベル図柄A「BLA」、ベル図柄B「BLB」、スイカ図柄「WM」およびチェリー図柄「CH」の各図柄が配列されている。また、各リール20a~20cの各図柄には、図柄番号0~19が対応付けられている。
【0017】
スロットマシン10では、遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0018】
表示窓16の下方には、遊技情報表示部17および有利区間表示器18が設けられている。遊技情報表示部17は、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、エラー情報等の各種遊技情報が表示される。また、有利区間表示器18はLEDを有しており、このLEDの点灯および消灯により、有利区間に滞在しているか否かが報知されるようになっている。
【0019】
下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダルをベットするためのベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー(遊技開始操作手段)24、回転しているリールを停止させるためのストップボタン(停止操作手段)26a,26b,26c、所定のタイミングで押下操作することで演出(演出画像)の態様を変化させることが可能な演出ボタン(演出操作手段)90、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口27、払い出し口27から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿28が設けられている。また、メダル投入口22の奥には、メダル投入口22から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサ29(図3参照)が設けられている。
【0020】
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルが投入、または、ベットボタン23が操作され規定枚数のメダルがベットされることで、スタートレバー24の操作が有効化される。また、有効化されたスタートレバー24が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール20a~20cが回転を開始し、各リール20a~20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン26a~26cの操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタン26a~26cに対応する各リール20a~20cを停止する。
【0021】
図3に示すように、スロットマシン10の内部には、メイン制御基板(主制御装置)31と、サブ制御基板(副制御装置)32とが設けられている。メイン制御基板31は、ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a~26c、メダルセンサ29等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニットや、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、サブ制御基板32は、メイン制御基板31から送られてくる信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出用の装置の制御を行う。
【0022】
また、メイン制御基板31とサブ制御基板32とは電気的に接続されており、メイン制御基板31からサブ制御基板32へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板32からメイン制御基板31へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板31やサブ制御基板32等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0023】
メイン制御基板31は、投入受付手段40と、乱数発生手段41と、内部抽選を行って役の当否を決定する内部抽選手段42と、リールの回転を制御するリール制御手段43と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段44と、払出制御手段45と、リプレイ制御手段46と、設定変更手段47と、初期化手段48と、遊技状態制御手段49と、指示機能制御手段51と、演出メイン制御手段52と、記憶手段60と、を備えている。また、記憶手段60は、ROMとRAMとを備えている。
また、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段70と、サブ側記憶手段72と、を備えている。また、サブ側記憶手段72は、ROMとRAMとを備えている。
【0024】
また、演出メイン制御手段52と演出サブ制御手段70とによって、演出制御手段100が構成されている。演出メイン制御手段52は、遊技状態や演出状態等に基づき演出サブ制御手段70へ指示を出す。また、演出サブ制御手段70は、演出メイン制御手段52から送信される遊技状態、演出状態に関する情報、あるいは指示演出を行うか否かの情報に基づき、サブ側記憶手段72に記憶された演出用データを用いて、演出用の装置の制御を行う。なお、本実施形態において説明する演出メイン制御手段52で行う制御は、演出サブ制御手段70で行ってもよく、演出サブ制御手段70で行う制御は、演出メイン制御手段52で行ってもよい。また、本実施形態において説明する演出制御手段100で行う制御は、指示機能制御手段51で行ってもよく、指示機能制御手段51で行う制御は演出制御手段100で行ってもよい。
【0025】
投入受付手段40は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー24に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口22にメダルが投入されると、メダルセンサ29がメダルを検知することに伴って、投入受付手段40が、規定数を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、投入受付手段40は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン23が押下されると、規定数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。なお、本実施形態の遊技機では、規定数のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー24に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール20a~20cの回転が開始されるとともに、内部抽選等の抽選が行われる。
【0026】
また、投入受付手段40は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口22にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限数(例えば、50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン23に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン23が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
【0027】
乱数発生手段41は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0028】
内部抽選手段42は、有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて内部抽選テーブルを用いた内部抽選を行う。
内部抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段60のROMに設けられた内部抽選テーブル記憶領域61に複数格納されている。本実施形態の遊技機では、後述するように、遊技状態として、一般中状態、RBB内部中状態およびRBB作動中状態が設定可能とされ、設定値として、設定1~設定6までの6つの設定値が設定可能とされており、内部抽選手段42は、遊技状態および設定値に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。
なお、小役とは、入賞することにより、入賞した小役に応じた所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、リプレイとは、入賞(作動)することにより、メダルを新たに消費することなく、再度遊技を行うことができる役である。リプレイが入賞すると、遊技者のメダルを使うことなくスタートレバー24の操作が有効化され、スタートレバー24の操作により遊技を開始することが可能な状態となる。
【0029】
内部抽選では、乱数発生手段41から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を内部抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。具体的には、内部抽選テーブルには、図4に示すような複数の当選エリアが設けられており、乱数発生手段41から取得される乱数値のそれぞれがいずれかの当選エリアに対応付けられている。また、当選エリアには、1または複数の当選役が含まれる(当選役が対応付けられた)当選エリアと、いずれの当選役も含まれない(ハズレが対応付けられた)当選エリアとがある。また、各当選エリア同士は、含まれる当選役の組み合わせが異なっている。そして、乱数発生手段41から取得された乱数値に対応付けられた当選エリアに属する全ての当選役が、内部抽選の結果として当選となるようになっている。以下では、内部抽選において、当選エリアに属する役が当選することを「当選エリアが当選」ともいうこととする。また、いずれの役にも当選しない場合を「当選エリア「不当選」が当選」ともいうこととする。
【0030】
図4に示すように、本実施形態の遊技機では、小役として、小役1~小役45が用意されている。また、小役が含まれる当選エリアとして「小役ALL」、「1枚ALL」、「打順ベルA1」~「打順ベルA12」、「打順ベルB1」~「打順ベルB12」、「打順チャンス役1」~「打順チャンス役4」、「スイカ」、「共通1枚」および「1枚1」~「1枚8」が用意されている。また、小役1~小役12は入賞すると13枚のメダルが払い出される13枚役となっており、小役41は入賞すると3枚のメダルが払い出される3枚役となっており、小役13~小役40、小役42~小役45は入賞すると1枚のメダルが払い出される1枚役となっている。なお、以下では、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA12」および「打順ベルB1」~「打順ベルB12」をまとめて打順ベルと呼ぶこととする。また、当選エリア「打順チャンス役1」~「打順チャンス役4」をまとめて打順チャンス役と呼ぶこととする。
【0031】
当選エリア「小役ALL」は、全ての小役(小役1~小役45)が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚ALL」は、小役13~小役40、小役44および小役45が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA12」および「打順ベルB1」~「打順ベルB12」は、13枚役のうちいずれか1種類と、1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「打順チャンス役1」~「打順チャンス役4」は、13枚役と1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「スイカ」は、1枚役(小役41)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「共通1枚」は、複数種類の1枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚1」~「1枚8」は、複数種類の1枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。
【0032】
また、本実施形態の遊技機では、リプレイとして、リプレイ1~リプレイ7が用意されている。また、リプレイが含まれる当選エリアとして「リプレイ1」、「リプレイ2」、「チャンス目1」、「チャンス目2」、「弱チェリー」および「強チェリー」が用意されている。
【0033】
当選エリア「リプレイ1」は、複数種類のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「リプレイ2」は、複数種類のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「チャンス目1」は、リプレイ2が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「チャンス目2」は、複数種類のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「弱チェリー」は、リプレイ7が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「強チェリー」は、リプレイ5が単独で当選する当選エリアとなっている。
【0034】
また、本実施形態の遊技機では、ボーナスとして、ビッグボーナスが用意されている。
また、ボーナスが対応付けられた当選エリアとして、ビッグボーナスが単独で当選する当選エリア「RBB」が用意されていると共に、当選エリア「共通1枚」および「1枚1」~「1枚8」はビッグボーナスが重複して当選するように設定されている。
また、当選エリア「共通1枚」および「1枚1」~「1枚8」は、遊技状態が一般中状態の場合には、ビッグボーナスが重複して当選する一方、遊技状態がRBB内部中状態の場合には、ビッグボーナスが重複して当選しないようにとなっている。
なお、本実施形態の遊技機では、ボーナスとしていわゆる第一種特別役物に係る役物連続作動装置を想定しているが、これ以外のボーナスを用いてもよい。また、他のボーナスも併せて搭載することとしてもよい。また、搭載するボーナスは、それぞれ単独で当選するように設定されていてもよく、リプレイや小役と重複して当選するように設定されていてもよい。
【0035】
また、ハズレが対応付けられた当選エリアとして「不当選」が用意されている。
【0036】
各当選エリアは、遊技状態に応じて当選する場合としない場合とが設定されている。換言すると、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行うようになっており、これにより当選し得る役が変化するようになっている。さらに換言すると、各遊技状態においては、各遊技状態において当選し得る当選エリアが抽選対象に含まれる内部抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。図4では、各遊技状態において各当選エリアが当選し得るか否かを「〇」印によって示している。すなわち、当選エリア「不当選」、「小役ALL」および「1枚ALL」は、遊技状態がRBB作動中状態の場合に当選し、一般中状態またはRBB内部中状態では当選しないようになっている。また、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA12」、「打順ベルB1」~「打順ベルB12」、「打順チャンス役1」~「打順チャンス役4」、「スイカ」、「リプレイ1」、「リプレイ2」、「チャンス目1」、「チャンス目2」、「弱チェリー」、「強チェリー」、「共通1枚」および「1枚1」~「1枚8」は、遊技状態が一般中状態またはRBB内部中状態の場合に当選し、RBB作動中状態では当選しないようになっている。また、当選エリア「RBB」は、遊技状態が一般中状態の場合に当選し、RBB内部中状態またはRBB作動中状態では当選しないようになっている。
【0037】
各当選エリアには、それぞれに異なる当選エリア番号が付されている。そして、当選エリア番号によって各当選エリアが識別可能となっている。
【0038】
また、本実施形態の遊技機では、一般中状態とRBB内部中状態とで小役の当選確率が同一となっている。また、RBB作動中状態ではリプレイに当選しないようになっている。換言すると、一般中状態およびRBB内部中状態では、RBB作動中状態よりもリプレイの当選確率が高くなっている。
【0039】
内部抽選手段42は、内部抽選の結果当選した役に対応する当選フラグを非当選状態(オフ状態)から当選状態(オン状態)に設定する。また、複数の当選役が重複して当選した場合には、重複して当選したそれぞれの役に対応する当選フラグを非当選状態から当選状態に設定する。また、当選フラグの設定情報は、記憶手段60のRAMに設けられた当選フラグ記憶領域62に格納される。
【0040】
また、当選フラグには、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な当選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態が持ち越されず、非当選状態にリセットされる当選フラグ(持越不可フラグ)とがある。持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナスがある。また、持越不可フラグが対応づけられる役としては、小役およびリプレイがある。例えば、内部抽選手段42は、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段42は、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの当選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの当選フラグとの、2種類以上の役に対応する当選フラグを当選状態に設定する。
【0041】
また、スロットマシン10は、設定1~設定6までの6つの設定値について、設定値の違いによって、役の当選確率が異なるようになっている。具体的には、設定が変わると、遊技状態に応じて選択される複数の内部抽選テーブルからなる内部抽選テーブル群が、各設定に対応付けられた内部抽選テーブル群に変更されるようになっており、設定によって小役、リプレイ、ボーナスの当選確率が異なる内部抽選テーブル群に変わるようになっている。
【0042】
設定変更手段47は、記憶手段60のRAMに設けられた設定値記憶領域63に記憶されている設定値を変更する制御を行う。具体的には、スロットマシン10の内部に設けられた設定変更キーシリンダに設定変更キーが挿入され、設定変更キー(設定変更キーシリンダ)が初期位置から時計回りに90度回された状態でスロットマシン10の電源が投入されると、設定変更手段47は、スロットマシン10を設定変更モードで起動する。設定値は、設定1~設定6までの6段階の設定値の中から選択できるようになっており、設定1から設定6に向かって順番に出玉率の期待値が高くなるように内部抽選の当選確率が変動するようになっている。設定変更手段47は、設定変更モードにおいてスロットマシン10の内部に設けられた設定変更ボタンが押下される毎に、設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバー24が押下されると、設定値を確定させて、確定された設定値を設定値記憶領域63に記憶させる。また、設定変更キーシリンダに挿入された設定変更キーを初期位置に戻すことによって設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。
なお、本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
【0043】
また、設定変更キーシリンダが初期位置にある状態で電源が投入されると、スロットマシン10を遊技モードで起動する。本実施形態の遊技機では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。
【0044】
初期化手段48は、設定値が変更されると記憶手段60のRAMに記憶されている情報の少なくとも一部を初期化する初期化処理を行う。具体的には、設定値が変更されると初期化手段48は、後述する遊技状態、遊技区間および演出状態を初期状態に戻す処理を行う。すなわち、設定値が変更されると、遊技状態が一般中状態となり、遊技区間が非有利区間となり、演出状態が非有利区間演出状態となり、これらの状態が工場出荷後最初に電源を入れたときと同様の状態となる。また、初期化手段48は、初期化処理において、他にも記憶手段60のRAMに記憶された演出に関する情報等を初期化する。また、サブ制御基板32も初期化手段(図示せず)を備えており、設定値が変更されたことを知らせる信号がメイン制御基板31から送信されると、サブ制御基板32の初期化手段はサブ側記憶手段72のRAMに記憶された演出に関する情報を初期化する。
なお、設定値が変更されても、遊技状態や遊技区間や演出状態が初期状態に戻らないようにしてもよい。
【0045】
リール制御手段43は、メイン制御基板31による制御のもと有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール20a~20cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの停止制御を行う。
【0046】
すなわち、リール制御手段43は、ストップボタン26a~26cの各ボタンが操作される毎に、第1リール20a~第3リール20cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行う。スロットマシン10では、ストップボタン26aが操作されると、第1リール20aの回転が停止され、ストップボタン26bが操作されると、第2リール20bの回転が停止され、ストップボタン26cが操作されると、第3リール20cの回転が停止される。したがって、ストップボタン26a~26cの操作順序(打順)によって、第1リール20a~第3リール20cの停止順序が変化する。
【0047】
なお、以下では、停止操作の順序(ストップボタン26a~26cの操作順序)について、ストップボタン26a~26cのうちの全てのストップボタンを操作する1まとまりの停止操作の順序を「打順」とする。また打順を構成する各停止操作のうち、最初に行う停止操作を「第1停止操作」、2番目に行う停止操作を「第2停止操作」、3番目に行う停止操作を「第3停止操作」とする。
【0048】
また、以下では、第1リール20a、第2リール20b、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順1」とし、第1リール20a、第3リール20c、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順2」とし、第2リール20b、第1リール20a、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順3」とし、第2リール20b、第3リール20c、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順4」とし、第3リール20c、第1リール20a、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順5」とし、第3リール20c、第2リール20b、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順6」とする。
【0049】
ストップボタン26a~26cが操作された際の停止制御において、リール制御手段43は、当選フラグが当選状態に設定されている当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。具体的には、1つの当選役の当選フラグが当選状態に設定されている状態では、この当選役が入賞するように各リール20a~20cの停止制御を行う。また、複数の当選役の当選フラグが重複して当選状態に設定されている状態では、役毎に定められた優先順位に従って、所定の当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。本実施形態の遊技機においては、当該優先順位は、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められている。そして、リール制御手段43は、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄が、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄に優先して有効ライン上に表示されるように、リール20a~20cを停止させる。
【0050】
また、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先順位は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先順位を求める場合と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先順位を求める場合とが存在する。有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が多くなる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先順位はそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0051】
図5に示すように、打順ベルには、それぞれ正解打順と不正解打順とが設定されている。なお、図5は、RBB内部中状態において各当選エリアが当選した場合の、停止操作の態様と入賞する役との関係を示したものである。
打順ベルの各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順で操作がされると13枚役が入賞し得るようになっており、不正解打順で操作がされると1枚役が入賞し得るようになっている。換言すると、RBB内部中状態においていずれかの打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役1~12を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、不正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役13~小役40を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0052】
当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA12」および「打順ベルB1」~「打順ベルB12」は、正解打順で操作がされると、13枚役が入賞するようになっている。また、「打順ベルA1」~「打順ベルA12」および「打順ベルB1」~「打順ベルB12」は、不正解打順で操作がされると、1枚役が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しないようになっている。
【0053】
また、各打順ベルの正解打順は1通りに定められており、他の5通りの打順は不正解打順とされている。また、「打順ベルA1」~「打順ベルA6」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されており、「打順ベルA7」~「打順ベルA12」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されており、「打順ベルB1」~「打順ベルB6」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されており、「打順ベルB7」~「打順ベルB12」は互いに異なる打順が正解打順に設定されている。
【0054】
また、打順ベルの各当選エリアは、一般中状態において当選した場合であって、第1停止操作がRBB内部中状態における正解打順に則したものであった場合(第1停止操作が正解であった場合)、1/2の確率で1枚役が入賞し、1/2の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ようになっている。
【0055】
当選エリア「打順チャンス役1」~「打順チャンス役4」は、RBB内部中状態において当選した場合に、打順1または打順2で停止操作がされると13枚役が入賞するようになっている。また、当選エリア「打順チャンス役1」~「打順チャンス役4」は、RBB内部中状態において当選した場合に、打順3~打順6のいずれかで停止操作がされると2種類の1枚役が重複して入賞(同時入賞)するようになっている。
【0056】
なお、図5における括弧書きの内容は、その打順で停止操作が行われた場合における、1枚役の入賞率を示している。例えば、「1枚(1/4)」という表記は、1/4の確率で1枚役が入賞し、3/4の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ことを示している。
【0057】
入賞判定手段44は、リール20a~20cの回転が停止されると作動され、リール20a~20cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール20a~20cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段60のROMに記憶されている入賞判定テーブルに照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。メイン制御基板31は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。入賞処理としては、具体的には、小役が入賞した場合には払出処理を行い、リプレイが入賞(作動)した場合にはリプレイ処理(再遊技処理)を行い、ボーナスが入賞(作動)した場合には遊技状態を移行させる処理(遊技状態移行制御処理)を行う。
【0058】
ここで、払出処理は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいて決定された枚数のメダルを払い出す処理であり、払出制御手段45が行う。払出制御手段45は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいてメダルの払出数を決定し、決定された払出数のメダルをホッパー装置に払い出させる。なお、クレジットが許可されている場合には、ホッパー装置によって実際にメダルを払い出す代わりに、記憶手段60のRAMに設けられたクレジット記憶領域に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して、払出数を加算するクレジット加算処理を行って、仮想的にメダルを払い出す。
【0059】
本実施形態の遊技機では、小役1~小役12に入賞すると13枚のメダルが払い出され、小役41に入賞すると3枚のメダルが払い出され、小役13~小役40、小役42~小役45に入賞すると1枚のメダルが払い出されるようになっている。
【0060】
また、リプレイ処理は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ遊技開始待機状態に設定する処理であり、リプレイ制御手段46が行う。リプレイが入賞した場合には、前回の遊技(当該リプレイが入賞した遊技)において投入状態に設定された枚数と同じ枚数分のメダルを、遊技者の手持ちのメダル(クレジットされたメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、自動投入処理によって投入されたメダルの数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバー24に対する遊技開始操作を待機する。また、自動投入処理が行なわれた場合、メダルを追加投入することはできないようになっている。
【0061】
遊技状態制御手段49は、図6に示すように、一般中状態、RBB内部中状態(ボーナス成立状態)およびRBB作動中状態(ボーナス状態)の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことに基づいて遊技状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、遊技状態を移行させてもよい。
【0062】
また上述のように、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。具体的には、一般中状態では、ビッグボーナスが抽選対象に設定されている内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RBB内部中状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RBB作動中状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。
【0063】
遊技状態は、初期状態においては、一般中状態となっている。一般中状態においては、当選エリア「不当選」、「小役ALL」および「1枚ALL」を除く全ての当選エリアが抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、一般中状態からはRBB内部中状態への移行が可能となっている。遊技状態制御手段49は、一般中状態においてビッグボーナスが当選した場合に、遊技状態をRBB内部中状態へ移行させる。
【0064】
RBB内部中状態は、内部抽選でビッグボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。RBB内部中状態では、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「1枚ALL」および「RBB」を除く全ての当選エリアが抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB内部中状態では、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をRBB内部中状態からRBB作動中状態へ移行させる。
【0065】
RBB作動中状態は、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。RBB作動中状態では、当選エリア「不当選」、「小役ALL」および「1枚ALL」が抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB作動中状態では、RBB作動中状態において払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数(例えば100枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段49は、RBB作動中状態を終了させて、遊技状態を一般中状態へ移行させる。
なお、本実施形態では、RBB作動中状態の終了条件がメダルの払出数の合計によって定められているが、RBB作動中状態での遊技回数や小役の入賞回数等によって終了条件が定められていてもよい。またRBB作動中状態は、1回の遊技で終了するように終了条件が定められたものであってもよい。
【0066】
図3に示すように、指示機能制御手段51は、遊技区間制御手段80と、演出状態制御手段81と、特典付与手段82と、を備えている。指示機能制御手段51は、有利区間において特定役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、所定の役が当選した場合に、この役の入賞を補助する指示演出を行うか否かを決定する。より具体的には、指示機能制御手段51は、打順ベルが当選した場合に、正解打順を報知して13枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を行うか否かを決定する。指示機能制御手段51が打順ナビ演出を行うと決定すると、演出制御手段100が、打順ナビ演出を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させるようになっている。なお、打順ナビ演出を行う場合には、遊技情報表示部17の7セグメント表示器にも正解打順を示す情報が表示される。
【0067】
遊技区間制御手段80は、図7に示すように、遊技の進行状況に応じて、非有利区間と有利区間との間で遊技区間を移行させる遊技区間移行制御処理を行う。非有利区間は、複数種類の遊技区間の中で初期状態に相当する遊技区間となっている。非有利区間においては、特典付与手段82が有利区間移行抽選を行い、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80が遊技区間を有利区間へ移行させる。また、有利区間は、遊技を行うことが可能な回数に上限値(ここでは、1500回とする)が設けられた遊技区間となっている。また、遊技区間が非有利区間に設定されている状態では指示演出を行うことができず、有利区間に設定されている場合に限り指示演出を行うことができるようになっている。遊技区間制御手段80は、有利区間において遊技を行った回数が上限値である1500回に達すると有利区間を終了させ、遊技区間を非有利区間へ移行させる。
【0068】
特典付与手段82は、非有利区間においては、所定契機で有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。具体的には、特典付与手段82は、内部抽選の結果(所定の役(当選エリア)の当選)に基づいて、有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。そして、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80は、遊技区間を非有利区間から有利区間へ移行させる。
【0069】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において1回の遊技が行われる毎に、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、記憶手段60のRAMに設けられた有利区間遊技数カウンタ65の記憶値に一回分の遊技に相当する値として「1」を加算するインクリメント処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、有利区間遊技数カウンタ65への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値がしきい値(上限値)「1500」に達すると、有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。すなわち、有利区間における遊技回数は、上限値が1500回に設定されており、有利区間において1500回を超える遊技が連続して行なわれないようになっている。
【0070】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において、記憶手段60のRAMに設けられた差枚数カウンタ64の記憶値をメダルの差枚数によって更新し、メダルの払出数に相当する値(例えば、13枚のメダルの払い出しがあった場合には「13」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して当該遊技における差枚数の演算結果を求めて、この演算結果を差枚数カウンタ64の記憶値に加算する更新処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、差枚数カウンタ64への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、差枚数カウンタ64の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、差枚数カウンタ64の記憶値がしきい値(例えば、「2400」)を超えた場合に有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下回らないように制御され、例えば、遊技開始時における差枚数カウンタ64の記憶値が「2」であり、遊技を行った結果、いずれの役も入賞せずにメダルの払い出しがなかった場合には、その遊技における差枚数の演算結果が「-3」となり、差枚数カウンタ64の記憶値に差枚数の演算結果を加算すると初期値「0」を下回ってしまうが、更新後の差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下限値としてカウントストップされるようになっている。すなわち、有利区間において獲得可能なメダル数には、上限値が設定されており、有利区間においてメダルが最も減少したときを基準「0」として、当該基準からのメダルの増加数が2400枚を超えた場合に有利区間が終了するようになっている。また、遊技においてリプレイの入賞があった場合には、リプレイの入賞した遊技で当該遊技の規定投入数に相当するメダルの払い出しがあったものとして取り扱って差枚数を求め、リプレイの入賞によって無償で提供される次回の遊技については実際のメダルの投入は行われていなくても当該遊技の規定投入数に相当するメダルの投入が行われたものとして扱い、差枚数を求めることとしてもよい。
【0071】
また、有利区間表示器18は、非有利区間において消灯し、有利区間において点灯するようになっている。
なお、有利区間表示器18は、有利区間に移行すると同時に点灯させる必要はなく、最初の指示演出を行うまでに点灯させればよい。また、一度点灯させると、有利区間が終了するまでは、消灯しないようになっている。
【0072】
演出状態制御手段81は、図7に示すように、非有利区間演出状態、通常演出状態、特殊演出状態、CZ演出状態およびAT演出状態(指示演出状態)を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態移行制御処理を行う。演出状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことによって演出状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、演出状態を移行させてもよい。
【0073】
(非有利区間演出状態)
非有利区間演出状態は、複数種類の演出状態の中で初期状態に相当する演出状態である。非有利区間においては、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態に設定している。非有利区間演出状態(非有利区間)においては、上述のように特典付与手段82が有利区間移行抽選を行っており、有利区間移行抽選に当選し有利区間への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態を通常演出状態に移行させる。
【0074】
(通常演出状態)
通常演出状態は、有利区間が開始される際に基本的に移行する演出状態であり、有利区間の開始時においては、通常演出状態に移行する確率が他の演出状態に移行する確率よりも高く設定されている。通常演出状態は、CZ演出状態およびAT演出状態に比べて、打順ナビ演出が実行される頻度が低くなっている(メダルの増加に関する期待値が低くなっている)。
【0075】
演出状態制御手段81は、通常演出状態における所定の契機で演出状態をCZ演出状態に移行させる。本実施形態では、通常演出状態における遊技の回数には、上限(いわゆる天井)が設定されており、通常演出状態において所定回数(200回、300回、500回または600回)の遊技が実行されると、演出状態制御手段81は、演出状態をCZ演出状態へ移行させる。この天井としての遊技回数は、記憶手段60のROMに予め用意された複数種類のテーブル(移行期待度テーブル)の中から、所定の契機で(例えば、通常演出状態の開始時等に)選択される移行期待度テーブルに基づいて決定される。換言すると、1回の通常演出状態(例えば、通常演出状態が開始されてからCZ演出状態またはAT演出状態に移行するまで)について、複数種類の移行期待度テーブルの中から1の移行期待度テーブルが選択されるようになっており、通常演出状態におけるCZ演出状態(AT演出状態)への移行の期待度は、当該移行期待度テーブルに基づいて決定される。
【0076】
また、通常演出状態においては、特典付与手段82は、内部抽選の結果に応じて、CZ演出状態への移行の可否を決定する抽選(CZ抽選)を行う。また、CZ抽選に当選した場合に、演出状態制御手段81は、演出状態をCZ演出状態へ移行させる。また、本実施形態では、各通常演出状態について選択される移行期待度テーブルでは、通常演出状態が開始されてからの遊技回数とCZ演出状態への移行の期待度との関係が設定されており、テーブル毎に、CZ抽選の当選確率が相対的に高い遊技回数が設定されている。具体的には、天井が600回となる移行期待度テーブルでは、通常演出状態が開始されてからの遊技回数が100回~299回または400回~499回となる範囲が、他の遊技回数範囲に比べCZ抽選の当選確率(CZ演出状態への移行期待度)が高く設定されている。また、天井が500回となる移行期待度テーブルでは、通常演出状態が開始されてからの遊技回数が100回~199回または300回~399回となる範囲が、他の遊技回数範囲に比べCZ抽選の当選確率(CZ演出状態への移行期待度)が高く設定されている。また、天井が200回となる移行期待度テーブルにおける遊技回数100回~199回の範囲は、他の移行期待度テーブルにおける遊技回数100回~199回の範囲に比べ、CZ抽選の当選確率が高く設定されている。
【0077】
(特殊演出状態)
演出状態制御手段81は、通常演出状態において所定条件が成立すると、演出状態を特殊演出状態へ移行させる。本実施形態では、通常演出状態についていずれの移行期待度テーブルが選択された場合であっても、通常演出状態が開始されてからの遊技回数が115回となる付近において、特殊演出状態へ移行し得るようになっている。なお、通常演出状態が開始されてからの遊技回数が115回となる付近において特殊演出状態へ移行させるか否かは、所定の契機で(例えば、通常演出状態の開始時や、通常演出状態が開始されてからの遊技回数が115回となったとき等に)実行される抽選等によって決定することとしてもよい。また、特殊演出状態において所定回数の遊技が実行されると、演出状態制御手段81は、演出状態を通常演出状態へ移行(復帰)させる。
なお、特殊演出状態に移行しても(特殊演出状態から通常演出状態に復帰しても)、移行期待度テーブルの再選択や通常演出状態が開始されてからの遊技回数のカウントのリセット等はされない。
【0078】
(CZ演出状態)
CZ演出状態(チャンス演出状態)は、通常演出状態よりも、AT演出状態への移行の期待度が高い演出状態となっている。換言すると、CZ演出状態は、通常演出状態よりも遊技者にとって有利な演出状態となっている。なお、CZ演出状態は、AT演出状態に比べて、打順ナビ演出が実行される頻度が低くなっている(メダルの増加に関する期待値が低くなっている)。
本実施形態では、CZ演出状態において、複数(所定回数)の達成条件を達成すると(満たすと)、特典付与手段82が特典としてのAT演出状態への移行の権利を付与する。この点について詳しくは後述する。
【0079】
演出状態制御手段81は、CZ演出状態の終了までにAT演出状態への移行の権利が付与された場合(複数の達成条件が全て達成された場合)、演出状態をAT演出状態へ移行させる。一方、演出状態制御手段81は、CZ演出状態の終了までにAT演出状態への移行の権利が付与されていない場合(複数の達成条件のうちいずれかが達成されずCZ演出状態が終了する場合)、演出状態を非有利区間演出状態へ移行させ、遊技区間制御手段80が遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、CZ演出状態の終了時にAT演出状態への移行の権利が付与されていない場合であっても、演出状態を非有利区間演出状態へ移行させずに通常演出状態へと移行させ、有利区間が継続される(非有利区間へ移行させない)ことがあってもよい。
【0080】
なお、例えば、通常演出状態およびCZ演出状態において、特典付与手段82が、内部抽選の結果に基づいて(所定の役(当選エリア)の当選に基づいて)、AT演出状態への移行の可否を決定する抽選(AT抽選)を行い、AT抽選に当選した場合に特典としてのAT演出状態への移行の権利が付与されるようにしてもよい。その場合、通常演出状態よりもCZ演出状態の方が、AT抽選の当選期待度が高く設定されていてもよい。
【0081】
(AT演出状態)
演出制御手段100は、演出状態がAT演出状態である場合に打順ベルが当選すると、正解打順を報知して13枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させる制御を行う。打順ベルが当選し、打順ナビ演出で報知された正解打順に沿ってストップボタン26a~26cが押下されると必ず13枚役が入賞して13枚のメダルを獲得することができるようになっている。
【0082】
本実施形態では、AT演出状態の継続をAT演出状態において獲得したメダルの差枚数により管理している。特典付与手段82は、AT演出状態が開始されると、記憶手段60のRAMに設けられたAT終了判定カウンタ66の記憶値に所定の差枚数に相当する値を設定する。なお、このときAT終了判定カウンタ66に設定される値は固定値に限らず、抽選等により決定されるものであってもよい。また、このときAT終了判定カウンタ66に設定される値を決める遊技は、複数回にわたって行われることとしてもよい。
【0083】
演出状態制御手段81は、AT演出状態において遊技が行われる毎に、AT終了判定カウンタ66の記憶値から、当該遊技の差枚数に相当する値を減算する処理を行う。当該遊技(1回の遊技)の差枚数は、メダルの払出数に相当する値(例えば、13枚のメダルの払い出しがあった場合には「13」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から、遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して求められる。AT終了判定カウンタ66の記憶値がしきい値「0」に達すると、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態へ移行させ、遊技区間制御手段80が遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、AT演出状態の終了時に有利区間の終了条件が成立していない場合に、演出状態を非有利区間演出状態へ移行させずに通常演出状態へと移行させ、有利区間が継続される(非有利区間へ移行させない)ことがあってもよい。
【0084】
なお、本実施形態では、AT演出状態の継続を、AT演出状態において獲得したメダルの差枚数により管理するものとしたが、AT演出状態の継続を、AT演出状態における遊技回数(AT演出状態のセット数)、AT演出状態において獲得したメダルの枚数、あるいは打順ナビ演出の回数等に基づき管理してもよい。
【0085】
なお、非有利区間演出状態からAT演出状態へ直接移行することがあるようにしてもよい。例えば、有利区間移行抽選において、単に有利区間への移行の可否を決定するのではなく、演出状態をAT演出状態に移行させるか、CZ演出状態に移行させるか、通常演出状態へ移行させるか、それとも非有利区間演出状態のまま移行させないか抽選することとしてもよい。なお、非有利区間演出状態または通常演出状態からAT演出状態へ直接移行する確率は、設定1よりも設定6の方が高いというように設定ごとに異ならせてもよく、すべての設定値において同じ確率としてもよい。
【0086】
また、AT演出状態は、ボーナスの当選あるいは入賞に基づいて移行する遊技状態に応じて設定されるものであってもよい。例えば、遊技状態がボーナス成立状態である場合にAT演出状態に移行し、遊技状態が通常状態やボーナス状態においてはAT演出状態に移行しないようになっていてもよい。換言すると、通常状態やボーナス状態においては、例えば、AT抽選に当選したとしてもAT演出状態に移行させないこととしてもよく、また、AT抽選を行わないようにしてもよい。
【0087】
また、演出状態がAT演出状態であって遊技状態がボーナス成立状態であるときにボーナスに入賞した場合、このボーナスの入賞により移行するボーナス状態の終了後に通常状態を経由して再びボーナス成立状態に移行するまでの間、AT演出状態を中断することとしてもよい。すなわち、ボーナスに入賞すると打順ナビ演出を止め、再びボーナス成立状態に移行すると打順ナビ演出を再開させるようにしてもよい。
【0088】
指示機能制御手段51は、有利区間が終了し、遊技区間が非有利区間に移行する際に、指示機能に係る情報として記憶手段60のRAMに記憶されている情報を初期化する指示機能情報初期化処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値、差枚数カウンタ64の記憶値、指示機能に係る抽選に関するフラグ(抽選結果)、AT終了判定カウンタ66およびポイントカウンタ68の記憶値等を初期化する。すなわち、指示機能に係る情報は、複数の有利区間を跨いで持ち越されることがないようになっている。また、初期化手段48が、設定値が変更された際に行う上述の初期化処理を行うと、ここで示した指示演出に係る情報も初期化されるようになっている。
【0089】
次に、指示機能に係る処理について詳細に説明する。
なお、本実施形態では、指示機能制御手段51(演出制御手段100)は、遊技状態がRBB内部中状態である場合には、指示機能に係る抽選(例えば、CZ演出状態やAT演出状態への移行に関する抽選)や、指示演出に関する特典(例えば、CZ演出状態やAT演出状態への移行確率を上昇させる特典)の付与や、打順ナビ演出等の指示機能に係る処理を行うが、遊技状態が一般中状態またはRBB作動中状態である場合には、指示機能に係る抽選や、指示演出に関する特典の付与や、打順ナビ演出等の指示機能に係る処理を行わないようになっている。本実施形態では、基本的に遊技者はRBB内部中状態において遊技を行うようにされているため、以下では、基本的に遊技状態はRBB内部中状態であることを前提として説明する。
【0090】
本実施形態では、CZ演出状態において複数の達成条件が達成されると、演出状態制御手段81が、演出状態をAT演出状態へ移行させる。また、通常演出状態においては、所定条件の成立に基づき、CZ演出状態を有利にする特典(特殊特典)が付与される。具体的には、記憶手段60のRAMに設けられたポイントカウンタ68の記憶値が所定値「100」に達すると、特典付与手段82は、特殊特典を遊技者に付与する。換言すると、特典付与手段82は、ポイントが所定値に達すると、特殊特典を付与する。
【0091】
特殊特典は、CZ演出状態からAT演出状態への移行確率に影響を与える特典であり、CZ演出状態からAT演出状態への移行確率(移行期待度)を上昇させる特典となっている。具体的には、CZ演出状態における各達成条件の達成確率(達成期待度)を上昇させる特典となっている。本実施形態では、特殊特典として、第1特殊特典と、第2特殊特典と、第3特殊特典との3種類の特典が用意されている。また、遊技者にとっての有利度合いは、第1特殊特典よりも第2特殊特典の方が高く、第2特殊特典よりも第3特殊特典の方が高くなっている。
【0092】
通常演出状態の開始時には、ポイントカウンタ68の記憶値は、基本的に「0」となっている。ただし、所定の条件の成立に基づき、通常演出状態が開始されるときのポイントカウンタの記憶値を「0」以外の(例えば「0」より大きい)所定値となるようにしてもよい。
【0093】
特典付与手段82は、通常演出状態において、内部抽選の結果に応じてポイントカウンタ68の記憶値を更新する。換言すると、特典付与手段82は、通常演出状態における内部抽選の結果に応じて、遊技者にポイントを付与する。具体的には、特典付与手段82は、内部抽選の結果に応じて(所定の役(当選エリア)の当選に基づいて)ポイントカウンタ68の記憶値を増加させる。なお、内部抽選において、当選確率が相対的に低い役(例えば、当選エリア「スイカ」、「チャンス目1」、「チャンス目2」、「弱チェリー」、「強チェリー」等:以下、これらの当選エリアをレア役と呼ぶ)に当選した場合の方が、当選確率が相対的に高い役(当選エリア)に当選した場合よりも、ポイントカウンタ68の記憶値の増加数(増加数の期待値)を大きくしてもよい。
【0094】
特典付与手段82は、ポイントカウンタ68の記憶値が所定値「100」に達すると、特殊特典を遊技者に付与する。また、特典付与手段82は、特殊特典の付与に伴い、ポイントカウンタ68の記憶値から当該所定値「100」を減算する(ポイントカウンタ68の記憶値を「0」にする)。すなわち、本実施形態の遊技機では、通常演出状態が開始されてからAT演出状態が開始されるまでの間、ポイントの蓄積が繰り返されるようになっており、所定値に達した回数分の特殊特典が付与されるようになっている。
【0095】
なお、本実施形態の遊技機では、ポイントカウンタ68の記憶値がしきい値としての所定値「100」に達すると特殊特典が付与されるようになっており、当該しきい値は変動しないようになっている。しかし、所定の条件が成立すると(例えば、レア役の当選等に基づいて実行される抽選に当選すると)、当該しきい値が低くなり、特殊特典の獲得に必要なポイント数が減少するようになっていてもよい。また、通常演出状態の開始時や、ポイントカウンタ68の記憶値が当該しきい値に達したタイミング等の所定のタイミングで、しきい値を決定する抽選等を行い当該しきい値を設定することとしてもよい。すなわち、当該しきい値は変動するものであってもよい。
【0096】
また、付与された各特殊特典の数は、記憶手段60のRAMに設けられた特典ストックカウンタ69で管理される。すなわち、特典ストックカウンタ69には、第1特殊特典~第3特殊特典の各種特殊特典のストック数が記憶されるようになっており、特典付与手段82は、各種特殊特典を付与する場合に、特典ストックカウンタ69の各種特殊特典についての記憶値(ストック数)を「1」増加させる。
なお、特殊特典のストック数が所定値に達したことに基づいて、特典付与手段82が、特別特典(例えば、第1特殊特典~第3特殊特典よりも有利度合いの高い特典)を付与することとしてもよい。例えば、複数種類の特殊特典(第1特殊特典、第2特殊特典および第3特殊特典の全て)のストック数を合計した値が所定値「10」に達した場合に、AT演出状態、CZ演出状態よりも有利な演出状態またはAT演出状態よりも有利な演出状態等への移行の権利を特別特典として付与する等してもよい。
【0097】
付与される特殊特典の種類は、抽選(特典種別抽選)によって決定される。すなわち、特典付与手段82は、ポイントカウンタ68の記憶値が所定値「100」に達すると、第1特殊特典~第3特殊特典の複数の特殊特典のうち、特典種別抽選によって決定されたいずれかの特殊特典を付与する。
なお、本実施形態の遊技機では、特典種別抽選は、通常演出状態の開始時およびポイントカウンタ68の記憶値が所定値に達し、いずれかの特殊特典が付与された直後に実行されるようになっている。すなわち、ポイントカウンタ68の記憶値が所定値に達した場合に、いずれの特殊特典を付与するかは、所定値に達する前(ポイントのカウントを開始する際)に予め決定されており、ポイントカウンタ68の記憶値が所定値に達すると、この予め決定された特殊特典を付与するようになっている。なお、付与する特殊特典の種類はいつ決定してもよく、例えば、ポイントカウンタ68の記憶値が所定値に達したときに、いずれの特殊特典を付与するか決定し、決定した特殊特典を付与することとしてもよい。
【0098】
また、本実施形態の遊技機では、ポイントカウンタ68の記憶値が所定値「100」に達すると、必ず特殊特典が付与されるようになっている。換言すると、特典種別抽選では、いずれの特殊特典も当たらないハズレが存在しないようになっている。なお、特典種別抽選にハズレが存在してもよく、ポイントカウンタ68の記憶値が所定値「100」に達した際にいずれの特殊特典も付与されない場合があってもよい。
【0099】
また、特典付与手段82は、特殊演出状態において、特殊特典としての第3特殊特典を付与するか否かを決定する抽選(特殊特典付与抽選)を実行する。具体的には、特典付与手段82は、特殊演出状態において、いずれの役(当選エリア)が当選した場合であっても、特殊特典付与抽選を実行する。換言すると、特典付与手段82は、特殊演出状態において、毎遊技、特殊特典付与抽選を実行する。そして、特殊特典付与抽選に当選すると、特典ストックカウンタ69の第3特殊特典についての記憶値(ストック数)を「1」増加させる。
なお、特殊特典付与抽選では、第1特殊特典や第2特殊特典が付与され得ることとしてもよい。また、特典付与手段82は、通常演出状態においても特殊特典付与抽選を実行してもよいが、特殊演出状態の方が通常演出状態に比べ、特殊特典(第3特殊特典)が付与される確率が高く設定されていることが好ましい。また、特典付与手段82は、特殊演出状態においても、内部抽選の結果に応じてポイントカウンタ68の記憶値を更新してもよい。
【0100】
また、特典付与手段82は、CZ演出状態への移行が確定した際あるいはCZ演出状態に移行した際に、ポイントカウンタ68の記憶値が「1」以上「99」未満であった場合、特殊特典を付与するか否か決定する抽選を行い、当該抽選に当選した場合に特殊特典を付与するようになっている。なお、本実施形態の遊技機では、ポイントカウンタ68の記憶値が「1」以上「99」未満のいずれの値であっても、当該抽選において特殊特典が付与される確率は同一となっている。しかし、ポイントカウンタ68の記憶値に応じて、当該抽選において特殊特典が付与される確率(あるいは有利度の高い特殊特典が付与される確率)を異ならせてもよい。具体的には、例えば、記憶値が大きいほど特殊特典が付与される確率(あるいは有利度の高い特殊特典が付与される確率)が高くなるようにしてもよく、記憶値が特定の値である場合に特殊特典が付与される確率(あるいは有利度の高い特殊特典が付与される確率)が高くなるようにしてもよい。
【0101】
前述のように、本実施形態では、CZ演出状態において複数の達成条件を満たすと、演出状態制御手段81が、演出状態をAT演出状態へ移行させる。ここで、達成条件とは、特典(AT演出状態への移行の権利)を付与するために達成すべき条件である。本実施形態では、CZ演出状態において4回のバトル演出が実行され、4回のバトル演出全てにおいて勝利すると、AT演出状態への移行の権利が付与されるようになっている。すなわち、「バトルの勝利」という達成条件が複数(4個)用意されており、これら複数の達成条件を全て満たすとAT演出状態へ移行することが可能となっている。具体的には、第1戦の勝利という第1達成条件と、第2戦の勝利という第2達成条件と、第3戦の勝利という第3達成条件と、第4戦の勝利という第4達成条件との4種類の達成条件が用意されており、4種類の達成条件を全て満たすと(第1戦~第4戦の全てのバトルに勝利すると)、AT演出状態への移行の権利が付与されるようになっている。
【0102】
CZ演出状態では、準備中遊技とジャッジ遊技とが実行される。準備中遊技においては、各達成条件の達成確率が決定される。また、ジャッジ遊技においては、準備中遊技において決定された達成確率に基づいて、各達成条件を達成状態とするか否かが決定される。ここで、達成状態とは、達成条件に達した状態(達成条件を達成した(満たした)状態)を意味する。各達成条件を満たしたか否かの情報は、記憶手段60のRAMに設けられた達成状態記憶領域(達成状態記憶手段)67に記憶されている。
【0103】
CZ演出状態の開始時には、各達成条件の達成確率の基礎値が決定される。具体的には、例えば、各達成条件の達成確率が設定された複数種類のテーブルの中から1のテーブルが選択され、当該テーブルに基づいて、各達成条件の達成確率の基礎値が決定される。以下では、第1達成条件の達成確率が88%、第2達成条件の達成確率が77%、第3達成条件の達成確率が66%、第4達成条件の達成確率が55%となるように各達成確率の基礎値が決定されたものとして説明する。
なお、達成条件の達成確率の基礎値(テーブル)は、例えば、抽選によって決定されることとしてもよく、固定値としてもよい。また、いずれかあるいは全ての達成条件の達成確率の基礎値を0%としてもよい。また、達成条件の達成確率の基礎値(テーブル)が決定されるタイミングは、CZ演出状態が開始された後(例えば、CZ演出状態における最初の遊技の遊技開始操作を契機として)であってもよく、CZ演出状態が開始される前であってもよい。
【0104】
CZ演出状態が開始されると準備中遊技が実行される。準備中遊技では、特典付与手段82は、特殊特典を使用して各達成条件の達成確率を上昇させる。
【0105】
第1特殊特典は、達成確率を5%以上上昇させる特典となっている。すなわち、準備中遊技においては、第1特殊特典がストックされている場合、特典付与手段82は、特典ストックカウンタ69に記憶された第1特殊特典のストック数を「1」減少させる(第1特殊特典のストックを「1」使用する)とともに、いずれかの達成条件の達成確率を5%以上上昇させる。具体的には、特典付与手段82は、準備中遊技において、第1特殊特典のストックを「1」使用して、達成確率を何%上昇させるか決定する抽選(達成確率上昇抽選)を実行する。達成確率上昇抽選では、達成確率の上昇幅として、5%以上が選択されるようになっており、特典付与手段82は、達成確率上昇抽選で決定した上昇幅だけ、いずれかの達成条件の達成確率を上昇させる。すなわち、第1特殊特典は、達成確率上昇抽選を受ける権利ともいえる。
【0106】
第2特殊特典は、達成確率を10%以上上昇させる特典となっている。すなわち、準備中遊技においては、第2特殊特典がストックされている場合、特典付与手段82は、特典ストックカウンタ69に記憶された第2特殊特典のストック数を「1」減少させる(第2特殊特典のストックを「1」使用する)とともに、いずれかの達成条件の達成確率を10%以上上昇させる。具体的には、特典付与手段82は、準備中遊技において、第2特殊特典のストックを「1」使用して、達成確率を何%上昇させるか決定する抽選(達成確率高上昇抽選)を実行する。達成確率高上昇抽選では、達成確率の上昇幅として、10%以上が選択されるようになっており、特典付与手段82は、達成確率高上昇抽選で決定した上昇幅だけ、いずれかの達成条件の達成確率を上昇させる。すなわち、第2特殊特典は、達成確率上昇抽選よりも遊技者に有利な(達成確率の上昇幅の期待値の高い)達成確率高上昇抽選を受ける権利ともいえる。
【0107】
第3特殊特典は、達成条件の達成確率を100%に上昇させる特典となっている。換言すると、第3特殊特典は、いずれかの達成条件を達成状態にする特典となっている。すなわち、準備中遊技においては、第3特殊特典がストックされている場合、特典付与手段82は、特典ストックカウンタ69に記憶された第3特殊特典のストック数を「1」減少させる(第3特殊特典のストックを「1」使用する)とともに、いずれかの達成条件の達成確率を100%に上昇させる。すなわち、第3特殊特典は、達成条件を達成状態にさせる権利ともいえる。
【0108】
なお、達成確率高上昇抽選または/および達成確率上昇抽選では、いずれかの達成条件の達成確率を100%に上昇させる抽選結果が得られうることとしてもよい。
【0109】
準備中遊技においては、複数の特殊特典がストックされている場合、各特殊特典が順次使用され、各達成条件の達成確率が上昇される。この際に、特典付与手段82は、まず、第1達成条件の達成確率を上昇させる。次に、第1達成条件の達成確率が上限(100%)に達すると、特典付与手段82は、第2達成条件の達成確率を上昇させる。次に、第2達成条件の達成確率が上限(100%)に達すると、特典付与手段82は、第3達成条件の達成確率を上昇させる。次に、第3達成条件の達成確率が上限(100%)に達すると、特典付与手段82は、第4達成条件の達成確率を上昇させる。すなわち、本実施形態では、複数の達成条件のうち、達成したか否かが最初に報知される達成条件の達成確率を最初に上昇させるとともに、先に報知される達成条件の達成確率が上限に達したことを条件として、次に報知される達成条件の達成確率を上昇させるようになっている。なお、当然、第1達成条件の達成確率が最初から上限(100%)に達していた場合、特典付与手段82は、第2達成条件の達成確率を上昇させる。
なお、先に報知される達成条件の達成確率が上限に達するまで、必ず先に報知される達成条件の達成確率を上昇させることとしなくてもよい。例えば、先に報知される達成条件の達成確率が上限に達していなくとも、後に報知される達成条件の達成確率を上昇させることを可能としてもよい。すなわち、各種特殊特典の使用される確率について、先に(より早く)報知される達成条件に使用される確率が、後に(より遅く)報知される達成条件に使用される確率よりも高くなっていればよい。具体的には、例えば、第1達成条件の達成確率が上昇する確率を第2達成条件の達成確率が上昇する確率以上とし、第2達成条件の達成確率が上昇する確率を第3達成条件の達成確率が上昇する確率以上とし、第3達成条件の達成確率が上昇する確率を第4達成条件の達成確率が上昇する確率以上としてもよい。換言すると、特殊特典を使用して達成条件の達成確率を上昇させる際に、達成されたか否かが先に報知される達成条件の達成確率を優先的に上昇させるようになっていればよい。また、いずれの達成条件の達成確率を上昇させるかを、抽選により決定することとしてもよい。
【0110】
また、複数種類の特殊特典がストックされている場合に、特典付与手段82は、遊技者にとっての有利度合いの高い特殊特典から使用する。具体的には、特典付与手段82は、第1特殊特典と第2特殊特典と第3特殊特典とについて、第1特殊特典よりも第2特殊特典を優先して使用し、第2特殊特典よりも第3特殊特典を優先して使用する。
なお、有利度合いの低い特殊特典から使用することとしてもよい。また、特殊特典の付与された順またはその逆の順で使用することとしてもよい。
【0111】
また、準備中遊技は1回の遊技で終了する。すなわち、特典付与手段82は、ストックされている複数(全て)の特殊特典を1回の遊技において使用し、複数(全て)の達成条件の達成確率を1回の遊技において上昇させる。
なお、準備中遊技は、複数回の遊技にわたり実行されてもよい。換言すると、特典付与手段82は、ストックされている複数の特殊特典を複数回の遊技にわけて(例えば、1遊技に1個ずつ)使用してもよい。また、特典付与手段82は、複数の達成条件の達成確率を複数回の遊技にわけて(例えば、1遊技に1個ずつ)上昇させてもよい。
【0112】
ここで、準備中遊技における特殊特典の使用にかかる特典付与手段82による制御について、具体例を用いて説明する。まず、準備中遊技開始時の、各達成確率の基礎値は、第1達成条件の達成確率が88%、第2達成条件の達成確率が77%、第3達成条件の達成確率が66%、第4達成条件の達成確率が55%であることとする。また、特殊特典は、第1特殊特典が1個、第2特殊特典が2個、第3特殊特典が1個の合計4個ストックされていることとする。
【0113】
特典付与手段82は、まず、ストックされている4個の特殊特典のうち、有利度合いの最も高い第3特殊特典を使用して、達成されたか否かが先に(より早く)報知される達成条件であって達成確率が上限に達していない達成条件の達成確率を上昇させる。すなわち、特典付与手段82は、第1達成条件の達成確率88%を、第3特殊特典を使用して、100%に上昇させる。
【0114】
次に、特典付与手段82は、ストックされている残りの3個の特殊特典のうち、有利度合いの最も高い第2特殊特典を使用して、達成されたか否かが先に(より早く)報知される達成条件であって達成確率が上限に達していない達成条件の達成確率を上昇させる。すなわち、特典付与手段82は、第2達成条件の達成確率77%を、第2特殊特典を使用して上昇させる。ここで第2特殊特典を使用して実行される達成確率高上昇抽選において、達成確率の上昇幅が15%に決定されたこととすると、特典付与手段82は、第2達成条件の達成確率を92%に上昇させる。
【0115】
次に、特典付与手段82は、ストックされている残りの2個の特殊特典のうち、有利度合いの最も高い第2特殊特典を使用して、達成されたか否かが先に(より早く)報知される達成条件であって達成確率が上限に達していない達成条件の達成確率を上昇させる。すなわち、特典付与手段82は、第2達成条件の達成確率92%を、第2特殊特典を使用して上昇させる。ここで第2特殊特典を使用して実行される達成確率高上昇抽選において、達成確率の上昇幅が10%に決定されたこととすると、特典付与手段82は、第2達成条件の達成確率を100%に上昇させる。
【0116】
次に、特典付与手段82は、ストックされている残りの1個の特殊特典である第1特殊特典を使用して、達成されたか否かが先に(より早く)報知される達成条件であって達成確率が上限に達していない達成条件の達成確率を上昇させる。すなわち、特典付与手段82は、第3達成条件の達成確率66%を、第1特殊特典を使用して上昇させる。ここで第1特殊特典を使用して実行される達成確率上昇抽選において、達成確率の上昇幅が5%に決定されたこととすると、特典付与手段82は、第2達成条件の達成確率を71%に上昇させる。
【0117】
続いて、特殊特典の使用にかかる特典付与手段82による制御の一例について、図8および図9のフローチャートを参照しながら説明する。
【0118】
まず、特典付与手段82は、第3特殊特典のストック数が「1」以上か否かを判定する(ステップS1)。
【0119】
第3特殊特典のストック数が「1」以上の場合(ステップS1でYES)、特典付与手段82は、第3特殊特典を使用して、対象となる達成条件の達成確率の上昇幅を決定する(ステップS2)。具体的には、特典付与手段82は、第3特殊特典を使用し、達成確率を100%まで上昇させることを決定する(ステップS2)。そして、特典付与手段82は、後述する達成条件決定処理によって決定される達成条件の達成確率を、ステップS2で決定された分だけ上昇させる(ステップS3)。
【0120】
また、ステップS1において、第3特殊特典のストック数が「1」未満(「0」)の場合(ステップS1でNO)、特典付与手段82は、第2特殊特典のストック数が「1」以上か否かを判定する(ステップS4)。
【0121】
第2特殊特典のストック数が1以上の場合(ステップS4でYES)、特典付与手段82は、第2特殊特典を使用して達成条件の達成確率を上昇させることを決定する。また、特典付与手段82は、第2特殊特典を使用して達成確率高上昇抽選を実行し、対象となる達成条件の達成確率の上昇幅を決定する(ステップS5)。そして、特典付与手段82は、後述する達成条件決定処理によって決定される達成条件の達成確率を、ステップS5で決定された上昇幅だけ上昇させる(ステップS6)。
【0122】
また、ステップS4において、第2特殊特典のストック数が「1」未満(「0」)の場合(ステップS4でNO)、特典付与手段82は、第1特殊特典のストック数が「1」以上か否かを判定する(ステップS7)。
【0123】
第1特殊特典のストック数が1以上の場合(ステップS7でYES)、特典付与手段82は、第1特殊特典を使用して達成条件の達成確率を上昇させることを決定する。また、特典付与手段82は、第1特殊特典を使用して達成確率上昇抽選を実行し、対象となる達成条件の達成確率の上昇幅を決定する(ステップS8)。そして、特典付与手段82は、後述する達成条件決定処理によって決定される達成条件の達成確率を、ステップS8で決定された上昇幅だけ上昇させる(ステップS9)。
【0124】
次に、達成確率を上昇させる達成条件を決定する達成条件決定処理について説明する。
達成条件決定処理では、特典付与手段82は、まず、第1達成条件の達成確率が100%となっているか否かを判定する(ステップS11)。
【0125】
第1達成条件の達成確率が100%となっていない場合(ステップS11でNO)、特典付与手段12は、ステップS2、ステップS5またはステップS8の処理で決定された分だけ、第1達成条件の達成確率を上昇させる(ステップS12)。
【0126】
また、ステップS11において、第1達成条件の達成確率が100%となっていた場合(ステップS11でYES)、特典付与手段82は、第2達成条件の達成確率が100%となっているか否かを判定する(ステップS13)。
【0127】
第2達成条件の達成確率が100%となっていない場合(ステップS13でNO)、特典付与手段12は、ステップ2、ステップS5またはステップS8の処理で決定された分だけ、第2達成条件の達成確率を上昇させる(ステップS14)。
【0128】
また、ステップS13において、第2達成条件の達成確率が100%となっていた場合(ステップS13でYES)、特典付与手段82は、第3達成条件の達成確率が100%となっているか否かを判定する(ステップS15)。
【0129】
第3達成条件の達成確率が100%となっていない場合(ステップS15でNO)、特典付与手段12は、ステップS2、ステップS5またはステップS8の処理で決定された分だけ、第3達成条件の達成確率を上昇させる(ステップS16)。
【0130】
また、ステップS15において、第3達成条件の達成確率が100%となっていた場合(ステップS15でYES)、特典付与手段82は、第4達成条件の達成確率が100%となっているか否かを判定する(ステップS17)。
【0131】
第4達成条件の達成確率が100%となっていない場合(ステップS17でNO)、特典付与手段12は、ステップS2、ステップS5またはステップS8の処理で決定された分だけ、第4達成条件の達成確率を上昇させる(ステップS18)。
【0132】
なお、ここで説明したフローチャートに示すフローはあくまで一例であり、各処理の順序や構成は異なるものであってもよい。例えば、ステップS12,S14,S16,S18において、達成確率の上昇幅を決定することとしてもよい。また、本実施形態では、使用する特殊特典の種類を決定してから達成確率を上昇させる達成条件を決定することとしたが、例えば、達成確率を上昇させる達成条件を決定してから、使用する特殊特典の種類を決定してもよい。換言すると、達成確率が100%に達しているか否かを判定してから、各特殊特典のストックがあるか否かを判定してもよい。
【0133】
準備中遊技が終了すると、その次の遊技からジャッジ遊技が開始される。本実施形態の遊技機では、CZ演出状態において実行されるジャッジ遊技として、第1達成条件を達成状態とするか否かを決定する第1ジャッジ遊技と、第2達成条件を達成状態とするか否かを決定する第2ジャッジ遊技と、第3達成条件を達成状態とするか否かを決定する第3ジャッジ遊技と、第4達成条件を達成状態とするか否かを決定する第4ジャッジ遊技とが用意されており、CZ演出状態においては、第1ジャッジ遊技~第4ジャッジ遊技の各種ジャッジ遊技が連続して実行されるようになっている。そして、CZ演出状態が終了するまでに第1達成条件~第4達成条件の全ての達成条件が達成状態に設定されると、特典付与手段82がAT演出状態への移行の権利を付与し、演出状態制御手段81が演出状態をAT演出状態へ移行させるようになっている。
【0134】
第1ジャッジ遊技では、特典付与手段82は、第1達成条件を達成するか(満たすか)否かを決定する抽選(第1達成条件達成抽選)を行い、第1達成条件達成抽選に当選すると、第1達成条件を達成状態に設定する。また、第1達成条件達成抽選に当選すると(第1達成条件が達成状態に設定されると)、次に、第2ジャッジ遊技が実行される。一方、第1ジャッジ遊技において第1達成条件達成抽選に当選しなかった場合(第1達成条件が達成状態に設定されなかった場合)、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態または通常演出状態へ移行させる。
【0135】
第2ジャッジ遊技では、特典付与手段82は、第2達成条件を達成するか(満たすか)否かを決定する抽選(第2達成条件達成抽選)を行い、第2達成条件達成抽選に当選すると、第2達成条件を達成状態に設定する。また、第2達成条件達成抽選に当選すると(第2達成条件が達成状態に設定されると)、次に、第3ジャッジ遊技が実行される。一方、第2ジャッジ遊技において第2達成条件達成抽選に当選しなかった場合(第2達成条件が達成状態に設定されなかった場合)、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態または通常演出状態へ移行させる。
【0136】
第3ジャッジ遊技では、特典付与手段82は、第3達成条件を達成するか(満たすか)否かを決定する抽選(第3達成条件達成抽選)を行い、第3達成条件達成抽選に当選すると、第3達成条件を達成状態に設定する。また、第3達成条件達成抽選に当選すると(第3達成条件が達成状態に設定されると)、次に、第4ジャッジ遊技が実行される。一方、第3ジャッジ遊技において第3達成条件達成抽選に当選しなかった場合(第3達成条件が達成状態に設定されなかった場合)、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態または通常演出状態へ移行させる。
【0137】
第4ジャッジ遊技では、特典付与手段82は、第4達成条件を達成するか(満たすか)否かを決定する抽選(第4達成条件達成抽選)を行い、第4達成条件達成抽選に当選すると、第4達成条件を達成状態に設定する。また、第4達成条件達成抽選に当選すると(第4達成条件が達成状態に設定されると)、演出状態制御手段81は、演出状態をAT演出状態へ移行させる。一方、第4ジャッジ遊技において第4達成条件達成抽選に当選しなかった場合(第4達成条件が達成状態に設定されなかった場合)、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態または通常演出状態へ移行させる。
【0138】
第1達成条件達成抽選~第4達成条件達成抽選の各達成条件達成抽選の当選確率は、準備中遊技において決定された各達成条件の達成確率に基づいて決定される。ここでは、準備中遊技において決定された各達成条件の達成確率と同じ確率で当選する達成条件達成抽選が、各種ジャッジ遊技において1回行われることとする。ただし、各種ジャッジ遊技において、達成条件達成抽選が複数回行われることとし、複数回の達成条件達成抽選の合算確率が、準備中遊技において決定された各達成条件の達成確率となるようにしてもよい。また、各種ジャッジ遊技は、1回の遊技で終了するものであってもよく、複数回の遊技にわたって行われるものであってもよい。また、各種ジャッジ遊技は、後述する各種ジャッジ演出(各達成条件が達成されたか否かの報知)を行う遊技とし、第1達成条件達成抽選~第4達成条件達成抽選は、所定の契機で(例えば、準備中遊技や、第1ジャッジ遊技の開始時等に)事前に行うこととしてもよい。換言すると、各種ジャッジ遊技は、各達成条件を達成するか(満たすか)否かの報知を行う遊技とし、各達成条件の達成、非達成については、ジャッジ遊技よりも前に決定されることとしてもよい。また、達成確率の基礎値の決定や、特殊特典の使用等により達成確率が100%となった達成条件については、達成条件達成抽選を実行せずに、達成状態に設定することとしてもよい。換言すると、本実施形態において、「達成確率を100%に上昇させる」とは、対象となる達成条件について達成状態記憶領域67の記憶情報を達成状態に設定することともいえる。
【0139】
また、各達成条件を達成したか否かの情報は個別に管理されることとしてもよく、まとめて管理されることとしてもよい。すなわち、例えば、達成状態記憶領域67内に、各達成条件が達成されている場合には「1」、達成されていない場合には「0」が格納される4つの領域を用意し、第1達成条件を達成~第4達成条件それぞれについて、達成されているか否かをフラグで管理することとしてもよい。また、達成状態記憶領域67は、達成された達成条件の数(「0」~「4」)を記憶する複数ビットの領域となっており、達成されたか否かが最初に報知される達成条件(第1達成条件)から、達成状態記憶領域67に記憶された数の達成条件が達成されたものとして扱われる(報知される)こととしてもよい。例えば、達成状態記憶領域67に「2」が記憶されている場合には、2個の達成条件(第1達成条件と第2達成条件)が達成されたものとして扱われる(報知される)こととしてもよい。すなわち、本実施形態では、第4達成条件が達成されるとAT演出状態への移行が可能となるが、これは、達成条件が4回達成されるとAT演出状態への移行が可能となると言い換えることもできる。
【0140】
次に通常演出状態およびCZ演出状態における液晶ディスプレイ13での演出について説明する。
【0141】
通常演出状態において付与されたポイント数および蓄積されたポイント数(付与されたポイント数の合計)は、液晶ディスプレイ13に表示されるようになっている。具体的には、ポイントカウンタ68の記憶値を10倍した数が液晶ディスプレイ13に表示されるようになっている。すなわち、液晶ディスプレイ13に表示されたポイント数が「1000」に達すると、特殊特典が付与されるようになっている。また、特殊特典が付与される際には、付与される特殊特典の種類が液晶ディスプレイ13に表示されるようになっている。また、遊技者が獲得した特殊特典の数は、特殊特典の種類毎に、液晶ディスプレイ13に表示されるようになっている。具体的には、特典ストックカウンタ69に、第1特殊特典が2つ、第2特殊特典が3つ、第3特殊特典が1つストックされている場合に、演出制御手段100は、「第1特殊特典×2」、「第2特殊特典×3」、「第3特殊特典×1」のように液晶ディスプレイ13に表示させるようになっている。
【0142】
なお、本実施形態では、ポイントが付与される場合には、液晶ディスプレイ13での表示上、最低でも「10」以上のポイントが付与されるようになっている。このため、ポイントカウンタ68の記憶値を整数値として扱うことができる。
【0143】
なお、本実施形態では、ポイントカウンタ68の記憶値を10倍した数が、液晶ディスプレイ13に表示されることとしたが、ポイントカウンタ68の記憶値は、ポイント数に応じたものであればよい。例えば、ポイントカウンタ68の記憶値が、そのまま(等倍で)ポイント数として液晶ディスプレイ13に表示されるものとしてもよく、ポイントカウンタ68の記憶値を所定数倍した値が、ポイント数として液晶ディスプレイ13に表示されるものとしてもよい。
【0144】
また、液晶ディスプレイ13に表示するポイント数を、実際に蓄積されているポイント数よりも低く見せる場合があってもよい。具体的には、例えば、ポイントカウンタ68の記憶値が「100」の場合でも、液晶ディスプレイ13のポイント数の表示を「1000」とせず「800」等とする場合があってもよい。すなわち、内部的には、ポイントカウンタ68の記憶値が、特殊特典が付与される値「100」に達している場合であっても、未だ達していないかのように遊技者に報知する場合があってもよい。そして、特殊特典を獲得したことを遊技者に報知可能な所定のタイミング等に合わせて、ポイントカウンタ68の記憶値が「100」に達したこと(達していたこと)を遊技者に報知するとともに、特殊特典を獲得したこと(獲得していたこと)を遊技者に報知してもよい。
【0145】
準備中遊技においては、図10に示すように、演出制御手段100は、各達成条件の達成確率(各バトル演出の突破確率)を液晶ディスプレイ13に表示させる。具体的には、演出制御手段100は、準備中遊技において、まず、第1達成条件~第4達成条件それぞれの達成確率の基礎値を液晶ディスプレイ13に表示させる。また、特殊特典の使用により達成確率が上昇されると、演出制御手段100は、第1達成条件~第4達成条件それぞれの上昇後の達成確率を液晶ディスプレイ13に表示させる。換言すると、演出制御手段100は、特殊特典を使用し達成確率が上昇していく演出を実行する。具体的には、演出制御手段100は、例えば、ストックされている特殊特典を1つ1つ消化していく演出を実行するとともに、消化された特殊特典に基づいて達成条件の達成確率が上昇する演出を行う。なお、例えば、演出ボタン90の操作に基づいて特殊特典が消化されていく演出を進行することとしてもよく、例えば、演出ボタン90が1回操作されるごとに特殊特典が1つ消化され、消化された特殊特典に基づいて達成条件の達成確率が上昇する演出を実行することとしてもよい。そして、演出制御手段100は、準備中遊技の終了前には、ストックされていた特殊特典を全て使用した後の、第1達成条件~第4達成条件の最終的な達成確率を液晶ディスプレイ13に表示させる。
【0146】
CZ演出状態中の各種ジャッジ遊技中においては、演出制御手段100は、各達成条件を達成するか(満たすか)否かを報知するジャッジ演出を実行する。具体的には、第1ジャッジ遊技中においては第1達成条件が達成されたか否かを報知する第1ジャッジ演出を実行し、第2ジャッジ遊技中においては第2達成条件が達成されたか否かを報知する第2ジャッジ演出を実行し、第3ジャッジ遊技中においては第3達成条件が達成されたか否かを報知する第3ジャッジ演出を実行し、第4ジャッジ遊技中においては第4達成条件が達成されたか否かを報知する第4ジャッジ演出を実行する。各種ジャッジ演出では(ジャッジ遊技中においては)、演出制御手段100は、各達成条件の達成を示唆する画像(示唆画像)を液晶ディスプレイ13に表示させる。また、各種ジャッジ演出の最後には(各種ジャッジ遊技の最終遊技においては)、演出制御手段100は、各達成条件を達成したか否かを報知する画像(報知画像)を液晶ディスプレイ13に表示させる。本実施形態では、各種ジャッジ演出は、味方キャラクタと敵キャラクタとが戦うバトル演出となっており、各種ジャッジ遊技中における各種ジャッジ演出においては、演出制御手段100は、味方キャラクタと敵キャラクタとが戦う画像を達成条件の達成を示唆する画像として液晶ディスプレイ13に表示させる。そして、達成条件が達成された場合(達成状態記憶領域67の記憶情報が、実行中のジャッジ遊技に係る達成条件が達成状態であることを示すものである場合)には、演出制御手段100は、味方キャラクタの勝利を示す画像を液晶ディスプレイ13に表示させ、各達成条件が達成されたこと(各達成条件を満たすこと)を報知する。一方、達成条件が達成されなかった場合には、演出制御手段100は、味方キャラクタの敗北を示す画像を液晶ディスプレイ13に表示させ、各達成条件が達成されなかったこと(各達成条件を満たさないこと)を報知する。すなわち、各種ジャッジ遊技では、バトル演出が実行されるようになっており、第1達成条件~第4達成条件の全ての達成条件が達成された場合、4種類のジャッジ遊技で行われる4回のバトル演出全てに勝利することとなる。そして、4回のバトル演出全てにおいて勝利すると、AT演出状態への移行の権利が付与されAT演出状態へ移行するようになっている。
【0147】
なお、演出制御手段100は、各達成条件の達成確率(各バトル演出の突破確率)を、各ジャッジ演出の開始前(各ジャッジ演出とジャッジ演出との間)に液晶ディスプレイ13に表示させることとしてもよい。具体例としては、例えば、各ジャッジ演出の開始前に、図10に示すような表示、すなわち残っている達成条件の達成確率の表示を実行することとしてもよい。このとき、既に達成した達成条件については達成されたことがわかるように表示するとよい。具体的には、第1ジャッジ演出で勝利し、第2ジャッジ演出に進む場合には、図10に示すような表示であって第1達成条件に係る部分を他の達成条件に係る部分に比べ暗くした表示をしたり、第1達成条件に係る部分の前面側にバツ印等の識別表示を表した表示をしたり、第1達成条件に係る部分を消去した(第1達成条件に係る部分の表示が無い)表示をしたりすることとしてもよい。また、別の具体例としては、例えば、各ジャッジ演出の開始前に、次のジャッジ演出の達成条件の達成確率の表示を実行することとしてもよい。すなわち、各ジャッジ演出とジャッジ演出との間においては、例えば、次のジャッジ演出に係るキャラクタ(例えば戦う敵キャラクタ)と、次のジャッジ演出に係る達成条件の達成確率(のみ)とを表示し、他のジャッジ演出に係る達成条件の達成確率は表示しないこととしてもよい。すなわち、第1ジャッジ演出の開始前においては、図10に示すような表示、換言すると第1達成条件~第4達成条件全てを達成する確率(AT演出状態への移行確率)がわかる表示をするとともに、第2ジャッジ演出以降のジャッジ演出の前には、次のジャッジ演出に係る達成条件を達成する確率のみがわかる表示をしてもよい。
【0148】
また、演出制御手段100は、各ジャッジ演出中において、以前のジャッジ演出(現在行われているジャッジ演出よりも前のジャッジ演出)に関する履歴を液晶ディスプレイ13に表示させることとしてもよい。例えば、各ジャッジ演出中においては、味方キャラクタと敵キャラクタとが戦う画像を表示させつつも、液晶ディスプレイ13の表示領域内の所定部分(例えば上部)に、既に達成した達成条件がわかる表示(例えばバトル演出で既に倒した敵キャラクタを知らせる表示)をしてもよい。
【0149】
本実施形態の遊技機は、複数の達成条件を満たすと、演出状態をCZ演出状態(第1演出状態)からAT演出状態(第2演出状態)へ移行させる演出状態制御手段81と、各達成条件を満たすか否かを順番に報知する演出を行う演出制御手段100と、特典付与手段82と、を備え、特典付与手段82は、達成条件の達成期待度(達成確率)を上昇させる特殊特典を所定契機で付与し(ポイントカウンタ68の記憶値が「100」に達したことを契機として付与し)、所定の状況で(準備中遊技において)特殊特典を使用して達成条件の達成期待度(達成確率)を上昇させ、特殊特典を使用して達成条件の達成期待度(達成確率)を上昇させる際に、達成条件を満たすか否かが先に報知される達成条件の達成期待度(達成確率)を優先的に上昇させる。
【0150】
本実施形態の遊技機では、CZ演出状態において複数の達成条件を満たした場合に、AT演出状態への移行が可能となる。一方で、いずれかの達成条件が満たせなかった時点で、CZ演出状態が終了し、AT演出状態への移行の権利を獲得できなかったこととなる。すなわち、達成条件を満たすか否かが先に報知される達成条件が達成されて初めて、達成条件を満たすか否かが後に報知される達成条件についての達成、非達成が問題となる。すなわち、達成条件を満たすか否かが後に報知される達成条件についての達成期待度がいくら高くても、達成条件を満たすか否かが先に報知される達成条件について達成できなければ高い達成期待度が無駄となってしまうおそれがある。本実施形態によれば、特殊特典を使用して達成条件の達成期待度を上昇させる際に、達成条件を満たすか否かが先に報知される達成条件の達成期待度を優先的に上昇させるので、達成条件を満たすか否かの報知(判定)の行われる可能性が高い達成条件の達成期待度が上昇され、特殊特典が使用された達成条件について達成されたか否かの報知を受けることができる可能性が高くなるので、特殊特典が無駄になったという印象を遊技者が抱くことを防止できる。したがって、遊技者に損失感を与えることを防止できる。
なお、ここで「優先的に」とは、先に(より早く)報知される達成条件のうち少なくとも1つが、後に(より遅く)報知される達成条件のうち少なくとも1つよりも達成期待度が上昇される確率が高くなっていればよく、また、上昇される確率が低い方の達成条件については、上昇される確率が0%であってもよい。
【0151】
また、本実施形態の遊技機において、特典付与手段82は、準備中遊技において、達成条件を満たすか否かが最初に報知される第1達成条件の達成期待度を最初に上昇させ、所定の条件を満たす場合に(第1達成条件の達成期待度が上限に達した場合に)、達成条件を満たすか否かが2番目に報知される第2達成条件の達成期待度を上昇させる。
【0152】
本構成によれば、達成条件を満たすか否かが最初に報知される第1達成条件の達成期待度を最初に上昇させるので、達成条件を満たすか否かの報知(判定)が必ず行われる第1達成条件の達成期待度が上昇され、特殊特典が使用された達成条件について達成条件を満たすか否かの報知を必ず受けることができるので、特殊特典が無駄になったという印象を遊技者が抱くことを確実に防止できる。したがって、遊技者に損失感を与えることを防止できる。
【0153】
なお、本実施形態では、遊技価値としてのメダルを用いて遊技を行うようにしたが、遊技価値は電気的な情報であってもよい(いわゆるメダルレスであってもよい)。この場合、当選役が入賞したときに、当選役に対応する価値量を遊技者に電気的な情報で付与すればよい。
【0154】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、スロットマシンの遊技制御形態および構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、前述した制御動作は、スロットマシンに限らず、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等の他の遊技機にも適用できる。すなわち、本発明は、遊技機に適用でき、遊技機には、スロットマシン、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等が含まれる。
【0155】
なお、本発明はその発明の範囲内において、各構成要素の自由な組み合わせ、あるいは各構成要素の任意の変形、もしくは各構成要素の省略等が可能である。
【符号の説明】
【0156】
81 演出状態制御手段
82 特典付与手段
100 演出制御手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10