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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022098592
(43)【公開日】2022-07-04
(54)【発明の名称】車両用照明装置、および車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/19 20180101AFI20220627BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20220627BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20220627BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220627BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20220627BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20220627BHJP
【FI】
F21S43/19
F21S43/14
F21V19/00 150
F21Y115:10
F21Y115:30
F21W103:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020212061
(22)【出願日】2020-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157901
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】高橋 和宏
(72)【発明者】
【氏名】松田 陽平
【テーマコード(参考)】
3K013
【Fターム(参考)】
3K013BA01
3K013CA05
(57)【要約】
【課題】接合強度と、電気的な接続に関する信頼性とを向上させることができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することである。
【解決手段】実施形態に係る車両用照明装置は、第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面と、を有する基板と;前記基板の、前記第1の面に設けられた発光素子と;板状を呈し、前記基板の、前記第2の面に設けられた接続部と;前記基板に設けられ、前記発光素子と電気的に接続された第1の接続パッドと;前記接続部に設けられた第2の接続パッドと;導電性を有する板状体から形成され、前記第1の接続パッドと、前記第2の接続パッドと、を電気的に接続する連結部と;を具備している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面と、を有する基板と;
前記基板の、前記第1の面に設けられた発光素子と;
板状を呈し、前記基板の、前記第2の面に設けられた接続部と;
前記基板に設けられ、前記発光素子と電気的に接続された第1の接続パッドと;
前記接続部に設けられた第2の接続パッドと;
導電性を有する板状体から形成され、前記第1の接続パッドと、前記第2の接続パッドと、を電気的に接続する連結部と;
を具備した車両用照明装置。
【請求項2】
前記連結部の一方の端部は、前記第1の接続パッドと接合され、
前記連結部の他方の端部は、前記第2の接続パッドと接合されている請求項1記載の車両用照明装置。
【請求項3】
前記連結部の一方の端部は、前記第1の接続パッドと半田付けされ、
前記連結部の他方の端部は、前記第2の接続パッドと半田付けされている請求項1または2に記載の車両用照明装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つに記載の車両用照明装置と;
前記車両用照明装置に設けられた接続部が挿入されるソケットと;
を具備した車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車両用照明装置、および車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
口金を有さないウェッジベース電球が車両用照明装置として用いられている。ウェッジベース電球は白熱電球である。そのため、省電力化、長寿命化などの観点から、ウェッジベース電球は、発光ダイオードを備えた車両用照明装置と置き換えられるようになってきている。
【0003】
ウェッジベース電球は、車両用灯具に設けられたソケットに押し込むようにして装着される。ウェッジベース電球に代えて、発光ダイオードを備えた車両用照明装置を用いる場合、ウェッジベース電球が装着されていたソケットをそのまま用いることができるようにすることが好ましい。
【0004】
そのため、発光ダイオードが実装された基板と、一対のリード(端子)が取り付けられるハウジングと、を備えた車両用照明装置が提案されている。しかしながら、ハウジングを設けると、車両用照明装置の小型化や低コスト化が図れなくなる。
【0005】
この場合、発光ダイオードが実装された基板と、一対の端子が設けられた基板とを、T字状に接合すれば、車両用照明装置の小型化や低コスト化を図ることができる。2つの基板をT字状に接合する場合には、発光ダイオードが実装された基板の配線パターンと、一対の端子が設けられた基板の配線パターンと、を2つの基板が交差する部分で半田付けすることになる。
【0006】
ところが、2つの基板が交差する部分で半田付けを行うと、発光ダイオードが実装された基板に外力が作用した際に、半田付け部分に大きな曲げ応力が生じる場合がある。半田付け部分に大きな曲げ応力が生じると、半田付け部分に剥離や亀裂が生じ易くなるので、電気的な接続に関する信頼性が低下するおそれがある。また、外力により、発光ダイオードが実装された基板と、一対の端子が設けられた基板との接合が外れるおそれもある。
そこで、接合強度と、電気的な接続に関する信頼性とを向上させることができる技術の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013-105652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、接合強度と、電気的な接続に関する信頼性とを向上させることができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態に係る車両用照明装置は、第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面と、を有する基板と;前記基板の、前記第1の面に設けられた発光素子と;板状を呈し、前記基板の、前記第2の面に設けられた接続部と;前記基板に設けられ、前記発光素子と電気的に接続された第1の接続パッドと;前記接続部に設けられた第2の接続パッドと;導電性を有する板状体から形成され、前記第1の接続パッドと、前記第2の接続パッドと、を電気的に接続する連結部と;を具備している。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によれば、接合強度と、電気的な接続に関する信頼性とを向上させることができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施の形態に係る車両用照明装置を例示するための模式斜視図である。
図2】(a)、(b)は、比較例に係る基板と接続部の接合を例示するための模式斜視図である。
図3】連結部を例示するための模式断面図である。
図4】本実施の形態に係る車両用灯具を例示するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
本実施の形態に係る車両用照明装置1としては、例えば、自動車や鉄道車両などに設けられるルームランプ、メーターランプ、読書灯、制動灯、方向指示灯、尾灯などに用いられるものを例示することができる。ただし、車両用照明装置1の用途は、これらに限定されるわけではない。
【0013】
(車両用照明装置)
図1は、本実施の形態に係る車両用照明装置1を例示するための模式斜視図である。
図1に示すように、車両用照明装置1には、例えば、発光部10、接続部20、連結部30、位置決め部40、およびカバー50が設けられている。
【0014】
発光部10は、例えば、基板11、および発光素子12を有する。
基板11は、面11a(第1の面の一例に相当する)と、面11aに対向する面11d(第2の面の一例に相当する)とを有する板状体とすることができる。基板11の平面形状は、例えば、中心点を含む円の一部とすることができる。ただし。基板11の平面形状は、例示をしたものに限定されるわけではない。基板11の平面形状は、例えば、多角形などであってもよい。基板11の平面形状は、発光素子12の数、配置などに応じて適宜変更することができる。
【0015】
基板11は、絶縁性材料から形成することができる。基板11は、例えば、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウム)などの無機材料、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料から形成することができる。また、基板11は、例えば、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したメタルコア基板などであってもよい。
【0016】
発光素子12の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板11を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、メタルコア基板などを例示することができる。高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、酸化アルミニウムや炭素(カーボン)などからなるフィラーを混合させたものである。
【0017】
基板11の厚みは、例えば、0.5mm~3.0mm程度である。ただし、基板11の厚みは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【0018】
基板11の、接続部20側とは反対側の面11aには、配線パターン11bが設けられている。配線パターン11bは、例えば、実装パッド11b1を有する。実装パッド11b1には、発光素子12が電気的に接続される。配線パターン11bは、例えば、銅、アルミニウム、銀などの低抵抗金属から形成される。
【0019】
発光素子12は、基板11の面11aに、少なくとも1つ設けることができる。
発光素子12は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
発光素子12は、例えば、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)型などの表面実装型の発光素子とすることができる。また、発光素子12は、例えば、砲弾型などのリード線を有する発光素子とすることもできる。なお、図1に例示をした発光素子12は、表面実装型の発光素子である。
【0020】
また、発光素子12は、チップ状の発光素子とすることもできる。チップ状の発光素子は、例えば、COB(Chip On Board)により実装することができる。この場合、チップ状の発光素子と、チップ状の発光素子と配線パターン11bを電気的に接続する配線と、チップ状の発光素子と配線を囲む枠状の部材と、枠状の部材の内側に設けられチップ状の発光素子と配線を覆う封止部などを基板11の面11aに設けることができる。また、封止部には、蛍光体を含めることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)とすることができる。なお、蛍光体の種類は、例示をしたものに限定されるわけではない。蛍光体の種類は、車両用照明装置1の用途などに応じて所望の発光色が得られるように適宜変更することができる。
【0021】
発光素子12の光の出射面は、基板11の面11aと略平行とすることができる。例えば、発光素子12は、主に、基板11の面11aに垂直な方向に向けて光を照射する。
発光素子12の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、車両用照明装置1の大きさや用途などに応じて適宜変更することができる。なお、複数の発光素子12が設けられる場合には、複数の発光素子12を直列接続することができる。
【0022】
接続部20は、板状を呈し、基板11の面11dに設けられている。例えば、接着剤などを用いて、接続部20の、基板11側の端面20cを、基板11の面11dに接合することができる。接続部20は、例えば、面11dに略垂直な方向に延びている。面11dに平行な方向から見た場合、接続部20の形状は、例えば、略長方形とすることができる。
【0023】
ウェッジベース電球との置き換えを容易にするため、接続部20の幅寸法Wは、5.0mm~15.0mm、例えば、10.0mm程度とすることができる。なお、幅寸法Wは、例えば、車両用照明装置1をソケット101に挿入する方向と直交する方向における接続部20の寸法である。
【0024】
接続部20の厚みTは、0.5mm~3.0mm、例えば、2.0mm程度とすることができる。ただし、接続部20の幅寸法Wと厚みTは、例示をしたものに限定されるわけではなく、接続部20が挿入されるソケット101の凹部の寸法に応じて適宜変更することができる。
【0025】
接続部20の材料は、例えば、前述した基板11の材料と同じとすることができる。発光素子12において発生した熱は、例えば、基板11を介して接続部20に伝わり、接続部20からソケット101を介して外部に放出される。そのため、発光素子12の温度上昇の抑制を考慮すると、熱伝導率の高い材料を用いて接続部20を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、メタルコア基板などを例示することができる。この場合、接続部20の材料は、基板11の材料と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0026】
接続部20の面20aには、配線パターン20a1を設けることができる。配線パターン20a1は、銅、アルミニウム、銀などの低抵抗金属から形成することができる。
【0027】
配線パターン20a1は、例えば、実装パッド20a1a、端子20a1b、および接続パッド20a1c(第2の接続パッドの一例に相当する)を有する。
【0028】
実装パッド20a1aは、面20aの、端子20a1bが設けられる領域と、面20aの、基板11側の端部と、の間の領域に設けることができる。実装パッド20a1aには、回路部品が実装される。例えば、図1に例示をしたように、回路部品は、ダイオード21、抵抗22、コンデンサ23などとすることができる。
【0029】
ウェッジベース電球は白熱電球であるため、一対のリードのいずれかを電源のプラス側に電気的に接続し、他方のリードを電源のマイナス側に電気的に接続すれば良い。すなわち、ウェッジベース電球は無極性である。これに対して、発光ダイオードなどの発光素子12には、極性がある。そのため、逆方向電圧が発光素子12に印加されないようにするためにダイオードを設けることができる。
【0030】
また、ウェッジベース電球との置き換えを考慮すると、車両用照明装置1に無極性回路を設けることが好ましい。車両用照明装置1に無極性回路が設けられていれば、ウェッジベース電球と同様に、ソケット101への装着に方向性が無くなる。そのため、車両用照明装置1の装着作業が容易となる。
【0031】
例えば、4つのダイオードを用いてブリッジ回路(ブリッジダイオード)を構成すれば、車両用照明装置1に無極性回路を設けることができる。図1に例示をしたダイオード21は、いわゆる二素子ダイオードである。ダイオード21が二素子ダイオードであれば、2つのダイオード21を用いてブリッジ回路を構成することができるので、実装面積を小さくすることができる。そのため、接続部20の幅寸法Wを、ウェッジベース電球のリードが設けられた部分の幅寸法に合わせるのが容易となる。
【0032】
抵抗22は、例えば、表面実装型の抵抗器、リード線を有する抵抗器(酸化金属皮膜抵抗器)、スクリーン印刷法などを用いて形成された膜状の抵抗器などとすることができる。なお、図1に例示をした抵抗22は、表面実装型の抵抗器である。表面実装型の抵抗器とすれば、実装面積を小さくすることができるので、接続部20の幅寸法Wを、ウェッジベース電球のリードが設けられた部分の幅寸法に合わせるのが容易となる。
【0033】
ここで、発光素子12の順方向電圧特性には、ばらつきがあるので、アノード端子とグランド端子との間の印加電圧を一定にすると、発光素子12から照射される光の明るさ(光束、輝度、光度、照度)にばらつきが生じる。そのため、発光素子12から照射される光の明るさが所定の範囲内に収まるように、抵抗22により、発光素子12に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。この場合、抵抗22の抵抗値を変化させることで、発光素子12に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにすることができる。
【0034】
例えば、抵抗22が表面実装型の抵抗器やリード線を有する抵抗器などの場合には、発光素子12の順方向電圧特性に応じて適切な抵抗値を有する抵抗22を選択する。例えば、抵抗22が膜状の抵抗器の場合には、抵抗22の一部を除去すれば、抵抗値を増加させることができる。
【0035】
また、抵抗22は、発光素子12に過大な電流が流れないようにする役割を有することもできる。
抵抗22の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子12の数や仕様などに応じて適宜変更することができる。
【0036】
コンデンサ23は、例えば、ノイズ対策や電圧を平滑化させるために設けることができる。コンデンサ23は、例えば、表面実装型のコンデンサ23とすることができる。表面実装型のコンデンサ23とすれば、実装面積を小さくすることができるので、接続部20の幅寸法Wを、ウェッジベース電球のリードが設けられた部分の幅寸法に合わせるのが容易となる。
【0037】
なお、ダイオード21、抵抗22、およびコンデンサ23が面20aに設けられる場合を例示したが、例えば、これらの素子の少なくとも一部を、面20aに対向する面20bに設けることもできる。この場合、面20bに配線パターンを設け、これらの素子の少なくとも一部を当該配線パターンに電気的に接続することができる。また、接続部20を厚み方向に貫通する導通ビアを設け、導通ビアにより、面20aに設けられた配線パターン20a1と、面20bに設けられた配線パターンとを電気的に接続することができる。
【0038】
また、例えば、これらの素子の少なくとも一部を、基板11の、面11aに対向する面11dに設けることもできる。この場合、面11dに配線パターンを設けて、これらの素子の少なくとも一部を当該配線パターンに電気的に接続することができる。また、基板11を厚み方向に貫通する導通ビアを設け、導通ビアにより、面11aに設けられた配線パターン11bと、面11dに設けられた配線パターンとを電気的に接続することができる。
【0039】
また、回路部品は例示をしたものに限定されるわけではない。例えば、回路部品は、発光素子12を有する発光回路を構成するために用いられる受動素子または能動素子とすることができる。例えば、回路部品は、前述したものの他に、正特性サーミスタ、負特性サーミスタ、インダクタ、サージアブソーバ、バリスタ、FETやバイポーラトランジスタなどのトランジスタ、ツェナーダイオード、集積回路、演算素子などであってもよい。集積回路は、例えば、点滅回路、定電流回路、点灯回路(駆動回路)の少なくともいずれかを備えたものとすることができる。
【0040】
なお、回路部品の少なくとも一部は、車両用照明装置1が装着される車両用灯具100の筐体102などに設けることもできる。この様にすれば、車両用照明装置1の構成を簡略化することができるので、車両用照明装置1の低コスト化を図ることができる。ただし、回路部品が車両用照明装置1に設けられていれば、ウェッジベース電球が装着されていたソケットをそのまま用いたとしても、車両用照明装置1の保護や多機能化を図ることができる。
【0041】
一対の端子20a1bは、接続部20の、基板11側とは反対側の端部の近傍に設けることができる。接続部20をソケット101に装着した際に、一対の端子20a1bのそれぞれは、ソケット101に設けられたソケット端子101a、101bと接触する。また、図1に例示をした車両用照明装置1の場合には、一対の端子20a1bが接続部20の面20aに設けられているが、端子20a1bは、接続部20の面20aおよび面20bの少なくともいずれかに設けることができる。
【0042】
この場合、面20bに設けられる端子20a1bは、面20aに設けられる端子20a1bと対向する位置に設けることができる。面20bに設けられる端子20a1bは、導通ビアを介して、面20aに設けられる端子20a1bと電気的に接続することができる。一対の端子20a1bが、面20aと面20bに設けられていれば、一対の端子20a1bと、ソケット101に設けられたソケット端子101a、101bとの間の電気的な接続に関する信頼性を向上させることができる。
【0043】
一対の接続パッド20a1cは、接続部20の面20aおよび面20bに設けることができる。この場合、面20bに設けられる接続パッド20a1cは、面20aに設けられる接続パッド20a1cと対向する位置に設けることができる。面20aに設けられる接続パッド20a1cは、一方の端子20a1bと電気的に接続される。面20bに設けられる接続パッド20a1cは、他方の端子20a1bと電気的に接続される。
【0044】
接続パッド11c(第1の接続パッドの一例に相当する)は、基板11の面11a、面11b、および側面11eの少なくともいずれかに設けることができる。図1に例示をした接続パッド11cは、基板11の面11aに設けられている。
【0045】
接続パッド11cは、基板11の中心点に対して点対称となる位置に一対設けることができる。例えば、一方の接続パッド11cを、接続部20の面20a側に設け、他方の接続パッド11cを、接続部20の面20b側に設けることができる。また、一対の接続パッド11cは、基板11の周縁の近傍に設けることができる。基板11の面11aに垂直な方向から見て、一対の接続パッド11cの中心を結ぶ線分の上に、一対の接続パッド20a1cが設けられるようにすることができる。一方の接続パッド11cは、配線パターン11bを介して、発光素子12の一方の極性の電極に電気的に接続されている。他方の接続パッド11cは、配線パターン11bを介して、発光素子12の他方の極性の電極に電気的に接続されている。すなわち、接続パッド11cは、基板11に設けられ、発光素子12と電気的に接続されている。
【0046】
接続パッド11cが、基板11の面11aに設けられる場合には、接続パッド11cと配線パターン11bを一体化することができる。接続パッド11cが、基板11の面11bや側面11eに設けられる場合には、導通ビアなどの導電部材を介して、接続パッド11cと配線パターン11bを電気的に接続することができる。
接続パッド11cは、例えば、銅、アルミニウム、銀などの低抵抗金属から形成される。
【0047】
図2(a)、(b)は、比較例に係る基板110と接続部200の接合を例示するための模式斜視図である。
図2(a)、(b)に示すように、接続部200の、基板110側の端面は、接着剤などを用いて、基板110の面110dに接合される。接続部200の面200aには、一対の接続パッド200c1が設けられている。また、基板110の面110dには、一対の接続パッド110c1が設けられている。接続パッド200c1と、接続パッド110c1は、接合部240により電気的に接続されている。接合部240は、例えば、半田付けにより形成されたものである。
【0048】
ここで、接続部200を基板110に接合する際に、位置ズレが生じると配光特性が変動するおそれがある。そのため、接続部200を基板110に接合する際には、治具を用いることができる。しかしながら、治具を用いたとしても、ある程度の位置ズレが生じる場合がある。例えば、治具を用いて、接続部200を基板110に接合すると、接続部200に対する基板110の位置が0.5mm程度ズレる場合がある。接続部200に対する基板110の位置がズレると、図2(b)に示すように、接続パッド200c1と接続パッド110c1との間に隙間が生じる場合がある。
【0049】
隙間が生じた部分には、接合部240が形成され難くなるので、図2(b)に示すように、空隙などの欠陥240aが発生しやすくなる。欠陥240aが発生すると、接合部240の剛性が低下するので、接合部240に剥離や亀裂が生じ易くなる。そのため、接続部200と基板110との間の電気的な接続に関する信頼性が低下するおそれがある。
【0050】
この場合、作業者が、隙間の検査を行い、検査結果に基づいて、接続部200に対する基板110の位置を修正すれば、隙間を無くすことができる。しかしながら、この様にすると、工数が増加するため製造コストが増大するおそれがある。
【0051】
そこで、本実施の形態に係る車両用照明装置1には、連結部30が設けられている。
図3は、連結部30を例示するための模式断面図である。
図1および図3に示すように、連結部30の一方の端部は、基板11に設けられた接続パッド11cと電気的に接続されている。連結部30の他方の端部は、接続部20に設けられた接続パッド20a1cと電気的に接続されている。例えば、半田などの融点の低い金属や、導電性接着剤などを用いて、連結部30と接続パッド11c、および連結部30と接続パッド20a1cとを接合することができる。
【0052】
連結部30は、導電性を有する。連結部30が導電性を有していれば、連結部30を介して、接続パッド11cと接続パッド20a1cとを電気的に接続することができる。そのため、接続部20を、車両用灯具100に設けられたソケット101に装着した際に、ソケット101に設けられた一方のソケット端子101aが、一方の端子20a1bと接触することで、配線パターン20a1、連結部30、および配線パターン11bを介して、一方のソケット端子101aを発光素子12の一方の極性の電極に電気的に接続することができる。また、配線パターン20a1、連結部30、および配線パターン11bを介して、他方のソケット端子101bを発光素子12の他方の極性の電極に電気的に接続することができる。
【0053】
例えば、連結部30は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属から形成することができる。
また、連結部30は、基板11および接続部20に密着させることができる。例えば、連結部30は、帯状の板材を曲げ加工することで形成することができる。
以上に説明した様に、連結部30は、導電性を有する板状体から形成され、接続パッド11cと、接続パッド20a1cと、を電気的に接続する。
また、連結部30の一方の端部は、接続パッド11cと接合されている。連結部30の他方の端部は、接続パッド20a1cと接合されている。
例えば、連結部30の一方の端部は、接続パッド11cと半田付けされている。例えば、連結部30の他方の端部は、接続パッド20a1cと半田付けされている。
【0054】
接続部20を基板11に接合した際にある程度の位置ズレが生じたとしても、位置ズレに応じて、連結部30の位置をずらすことができる。そのため、連結部30と接続パッド11cの接合部分、および連結部30と接続パッド20a1cの接合部分に欠陥が発生するのを抑制することができる。
【0055】
また、連結部30は弾性を有しているので、車両用照明装置1をソケット101に挿入する際などに、基板11に外力が加わったとしても、連結部30と接続パッド11cの接合が外れたり、連結部30と接続パッド20a1cの接合が外れたりするのを抑制することができる。
【0056】
また、連結部30を介して、基板11と接続部20を機械的に連結することができる。そのため、車両用照明装置1をソケット101に挿入する際などに、基板11に外力が加わったとしても、基板11と接続部20との接合が外れるのを抑制することができる。
以上に説明したように、連結部30が設けられていれば、接合強度と、電気的な接続に関する信頼性とを向上させることができる。
【0057】
例えば、連結部30の厚みは、0.1mm~2.0mm程度とすることが好ましい。連結部30の幅寸法は、0.5mm~5.0mm程度とすることが好ましい。連結部30の幅寸法は、例えば、車両用照明装置1をソケット101に挿入する方向と直交する方向における連結部30の寸法である。連結部30の厚みや幅寸法をこの様にすれば、電気抵抗の低減や、剛性の向上を図ることができる。
【0058】
ここで、前述したように、接続部20は、接着剤などを用いて、基板11の面11dに接合される。接続部20を基板11に接合する際に、位置ズレが生じると配光特性が変動するおそれがある。また、位置ズレが余り大きくなると、連結部30と接続パッド11cの接合、および連結部30と接続パッド20a1cの接合が困難となるおそれがある。この場合、治具を用いて、接続部20を基板11に接合すると、治具の精度によっては、位置ズレを所定の範囲内に収めるのが難しくなる場合がある。また、作業者が、位置ズレの修正を行うと、工数が増加するため製造コストが増大するおそれがある。
【0059】
そこで、車両用照明装置1には、位置決め部40が設けられている。位置決め部40は、少なくとも1つ設けることができる。この場合、図1に示すように、一対の位置決め部40を設けることが好ましい。一対の位置決め部40が設けられていれば、位置決め精度の向上を図ることができる。また、位置決め部40を設ければ、基板11の、配線パターン11bや発光素子12を設ける領域が狭くなるが、位置決め部40の数が2つであれば、配線パターン11bなどを設ける領域が極端に狭くなることがない。
【0060】
位置決め部40は、例えば、接続部20に設けられた凸部41と、基板11に設けられた凹部42を有することができる。接続部20に設けられた凸部41を、基板11に設けられた凹部42に嵌め込むことで、接続部20と基板11の位置合わせを行うことができる。
【0061】
凸部41の配置は、基板11および接続部20の大きさなどに応じて適宜変更することができる。例えば、図1に示すように、凸部41は、接続部20の、基板11側の端部であって、接続部20の側面の近傍に設けることができる。
【0062】
複数の凸部41が設けられる場合には、凸部41の断面形状と断面寸法を同じとすることもできるし、異なるものとすることもできる。前述したように、発光素子12には極性がある。また、車両用照明装置1に無極性回路が設けられていない場合もある。この様な場合には、凸部41の断面形状および断面寸法の少なくともいずれかを異なるものとすることが好ましい。凸部41の断面形状および断面寸法の少なくともいずれか異なっていれば、基板11と接続部20の接合に方向性が生じるので、逆方向電圧が発光素子12に印加されるのを抑制することができる。
【0063】
例えば、凸部41は、接続部20と一体に形成することができる。凸部41が、接続部20と一体に形成される場合には、凸部41の厚みと材料は、接続部20の厚みTと材料と同じとすることができる。例えば、凸部41は、接続部20の、基板11側の端部の近傍を切り欠くことで形成することができる。
【0064】
また、例えば、凸部41は、接続部20に取り付けられる要素(別部品)とすることもできる。凸部41を接続部20に取り付けられる要素とする場合には、接続部20の基板11側の端面20cに凸部41を接着したり、凸部41を埋め込んだりすることができる。凸部41を接続部20に取り付けられる要素とする場合には、凸部41の材料は、ある程度の剛性を有するものであれば特に限定はない。例えば、凸部41の材料は、ステンレスなどの金属とすることができる。
ただし、凸部41が、接続部20と一体に形成されていれば、製造コストの低減や位置決め精度の向上などを図ることができる。
【0065】
凹部42の断面形状、数、配置は、当該凹部42に嵌め込まれる凸部41に適合させることができる。例えば、図1に示すように、一対の凹部42を、基板11の中心点に対して点対称となる位置に設けることができる。凹部42は、基板11を厚み方向に貫通している。例えば、凹部42は、基板11の面11a、および基板11の面11dに開口している。また、凹部42は、基板11の側面11eにさらに開口することができる。例えば、図1に示すように、凹部42は、基板11の面11a、面11d、および側面11eに開口することもできる。
【0066】
なお、接続部20を基板11に接合する際に用いる治具の精度によっては、位置決め部40を省くこともできる。
ただし、位置決め部40が設けられていれば、治具を用いなくても、接続部20に対する基板11の位置精度、ひいては、接合精度を向上させることができる。そのため、接続部20と基板11の接合作業の簡易化を図ることができる。また、連結部30と接続パッド11cの接合が困難となったり、連結部30と接続パッド20a1cの接合が困難となったりするのを抑制することができる。また、位置決め部40が設けられていれば、基板11に外力が加わったとしても、基板11と接続部20の接合が外れるのを抑制することができる。
【0067】
カバー50は、発光部10の光の出射側に設けることができる。例えば、カバー50は、基板11の面11aを覆うように設けることができる。カバー50の形状は、車両用照明装置1に求められる配光特性などに応じて適宜変更することができる。
【0068】
例えば、図1に示すように、カバー50は、半球面などの凸状の曲面から構成することができる。この様にすれば、広い配光特性を有する車両用照明装置1とすることができる。
例えば、カバー50は、凹状の曲面や平坦な面から構成することもできる。例えば、カバー50は、円柱状、円錐状、円錐台状、角柱状、角錐状、角錐台状などの形状を有するものであってもよい。
【0069】
また、カバー50は透明であってもよいし、着色されていてもよい。カバー50の光の出射面に凹凸を設け、光を散乱させることもできる。カバー50に、酸化チタンの粒子などの光散乱性粒子や蛍光体を塗布したり、含めたりすることもできる。カバー50に、孔を設けることもできる。カバー50に孔が設けられていれば、孔を介して空気を対流させることができる。そのため、発光素子12の冷却を図ることができる。また、孔を介して出射する光の強度を大きくすることができるので、配光特性の制御を図ることができる。カバー50の内壁や外壁に、光の反射率が高い材料(例えば、アルミニウムなど)を含む膜を設け、カバー50にリフレクタの機能を持たせることもできる。
【0070】
なお、カバー50は、省くこともできる。ただし、カバー50が設けられていれば、発光素子12などに外力が加わるのを抑制することができる。また、カバー50にレンズなどの光学要素の機能を持たせれば、車両用灯具100側の光学設計の自由度を大きくすることができる。
【0071】
また、ダイオード21、抵抗22、およびコンデンサ23などの回路部品を覆うカバー51をさらに設けることもできる。カバー51は、接続部20の、回路部品が設けられた領域を覆うことができる。この場合、接続部20の、端子20a1bが設けられた領域は、カバー51から露出させることができる。なお、カバー51は必ずしも必要ではなく、必要に応じて設けるようにすればよい。
【0072】
(車両用灯具100)
図4は、本実施の形態に係る車両用灯具100を例示するための模式図である。
なお、以下においては、一例として、前述した車両用照明装置1が1つ設けられる場合を例示するが、車両用照明装置1は、少なくとも1つ設けられていればよい。
図4に示すように、車両用灯具100には、車両用照明装置1、ソケット101、筐体102、およびカバー103を設けることができる。
【0073】
ソケット101は、筐体102に設けることができる。ソケット101には、車両用照明装置1を装着することができる。ソケット101は、例えば、樹脂などの絶縁性材料から形成される。
また、図4においては、ソケット101と筐体102とを別個に設ける場合を例示したが、ソケット101と筐体102とを一体的に形成しても良い。
【0074】
ソケット101には、一方の端部に開口する凹部を設けることができる。凹部の内部には、車両用照明装置1(接続部20)を挿入することができる。また、凹部の内部には、一方の電圧極性(例えば、プラス)に対応するソケット端子101aと、他方の電圧極性(例えば、マイナス)に対応するソケット端子101bを設けることができる。なお、前述したように、車両用照明装置1に無極性回路が設けられていれば、車両用照明装置1(接続部20)の装着方向は限定されない。
【0075】
ソケット端子101a、101bは弾性変形が可能である。接続部20を凹部の内部に挿入した際に、ソケット端子101a、101bは、それぞれ、接続部20の端子20a1bと接触する。ソケット端子101a、101bには、車両用灯具100の外部に設けられた電源などを電気的に接続することができる。なお、筐体102の内部および外面の少なくともいずれかに回路基板を設け、回路基板を介してソケット端子101a、101bと電源などとが電気的に接続されるようにしてもよい。
【0076】
筐体102の形状は、例えば、一方の端部側が開口した箱状とすることができる。筐体102は、例えば、光を透過しない樹脂などから形成することができる。
カバー103は、筐体102の開口を塞ぐように設けることができる。カバー103は、透光性を有する樹脂などから形成することができる。カバー103は、レンズなどの機能を有するものとしたり、グレアを抑制するものとしたりすることができる。また、カバー103は、筐体102に開閉可能に設けたり、着脱可能に設けたりすることができる。
【0077】
その他、筐体102の内部に、リフレクタ、レンズなどの光学要素を設けることもできる。
【0078】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 車両用照明装置、10 発光部、11 基板、11a 面、11b 配線パターン、11c 接続パッド、11d 面、12 発光素子、20 接続部、20a 面、20a1 配線パターン、20a1c 接続パッド、30 連結部、40 位置決め部、41 凸部、42 凹部、100 車両用灯具、101 ソケット
図1
図2
図3
図4