(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022009862
(43)【公開日】2022-01-14
(54)【発明の名称】ポートトンネリングシステム
(51)【国際特許分類】
A61M 39/04 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
A61M39/04
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021179112
(22)【出願日】2021-11-02
(62)【分割の表示】P 2020515124の分割
【原出願日】2017-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】591018693
【氏名又は名称】シー・アール・バード・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】1 Becton Drive Franklin Lakes NEW JERSEY 07417 UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100116322
【弁理士】
【氏名又は名称】桑垣 衛
(72)【発明者】
【氏名】コックス、ジェレミー ビー.
(72)【発明者】
【氏名】メラー、ザ セカンド ジェームズ ディ.
(72)【発明者】
【氏名】ランドール、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】バン リアー、チャド
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066GG19
4C066JJ10
(57)【要約】
【課題】セプタムへのニードルアクセスを維持する。
【解決手段】本明細書では、いくつかの実施形態において、流線型ポートとポートトンネラとを含むシステムが提供される。ポートは、セプタムと安定化要素とを含む。セプタムは、ポートの本体内で空洞の上に配置され、及びセプタムは、貫通するニードルを受け入れるように構成される。安定化要素は、ポートを生体内で安定させ、且つセプタムへのニードルアクセスを維持するように構成される。ポートトンネラは、アダプタと解放機構とを含む。アダプタは、ポートトンネラの先端部分にあり、及びアダプタは、ポートを切開部位からポートのための埋込み部位まで皮下的にトンネリングする間、ポートを固定して保持するように構成される。解放機構は、ポートのための埋込み部位においてアダプタからポートを解放するように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流線型ポートとポートトンネラとを備えるシステムであって、
a)前記流線型ポートは、前記流線型ポートの本体内で空洞の上に配置されたセプタムであって、貫通するニードルを受け入れるように構成された前記セプタムと、前記流線型ポートを生体内で安定させ、且つ前記セプタムへのニードルアクセスを維持するように構成された安定化要素とを有する、前記流線型ポートと、
b)前記ポートトンネラは、前記ポートトンネラの先端部分におけるアダプタであって、前記流線型ポートを切開部位から前記流線型ポートのための埋込み部位まで皮下的にトンネリングする間、前記流線型ポートを固定して保持するように構成された前記アダプタと、前記埋込み部位において前記アダプタから前記流線型ポートを解放するように構成された解放機構とを有する、前記ポートトンネラと
を備える、システムであって、
前記安定化要素は、前記流線型ポートの膨張可能部分であり、
前記膨張可能部分は、
前記流線型ポートを切開部位から前記流線型ポートのための前記埋込み部位まで皮下的にトンネリングするように構成された輪郭を、前記流線型ポートに与える未膨張状態と、
前記流線型ポートを、生体内で前記流線型ポートの中心軸を中心に回転しないように安定させ、よって前記セプタムへのニードルアクセスを維持するように構成された膨張状態と
を有しており、
前記膨張可能部分は、少なくとも1つのポリマー前駆体を含む溶液を導入することによって膨張するように構成され、
前記少なくとも1つのポリマー前駆体は、前記膨張可能部分内での重合及び架橋後に、少なくとも1つの他のポリマー前駆体とポリマーを形成する、
システム。
【請求項2】
流線型ポートとポートトンネラとを備えるシステムであって、
a)前記流線型ポートは、前記流線型ポートの本体内で空洞の上に配置されたセプタムであって、貫通するニードルを受け入れるように構成された前記セプタムと、前記流線型ポートを生体内で安定させ、且つ前記セプタムへのニードルアクセスを維持するように構成された安定化要素とを有する、前記流線型ポートと、
b)前記ポートトンネラは、前記ポートトンネラの先端部分におけるアダプタであって、前記流線型ポートを切開部位から前記流線型ポートのための埋込み部位まで皮下的にトンネリングする間、前記流線型ポートを固定して保持するように構成された前記アダプタと、前記埋込み部位において前記アダプタから前記流線型ポートを解放するように構成された解放機構とを有する、前記ポートトンネラと
を備える、システムであって、
前記安定化要素は、前記流線型ポートの膨張可能部分であり、
前記膨張可能部分は、
前記流線型ポートを切開部位から前記流線型ポートのための前記埋込み部位まで皮下的にトンネリングするように構成された輪郭を、前記流線型ポートに与える未膨張状態と、
前記流線型ポートを、生体内で前記流線型ポートの中心軸を中心に回転しないように安定させ、よって前記セプタムへのニードルアクセスを維持するように構成された膨張状態と
を有しており、
前記流線型ポートはさらに、前記解放機構で前記ポートトンネラから前記流線型ポートを解放するとき、前記膨張可能部分を閉鎖するように構成された一方向弁を備える、
システム。
【請求項3】
前記安定化要素は、少なくとも、脚部の対であり、
前記脚部の対は、前記流線型ポートを、生体内で前記流線型ポートの中心軸を中心に回転しないように安定させ、よって前記セプタムへのニードルアクセスを維持するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記脚部の対は、前記解放機構で前記ポートトンネラから前記流線型ポートを解放するとき、展開状態を呈するように構成され、及び
前記アダプタは、前記脚部の対を含む前記流線型ポートの基端部分を、前記脚部の対の折畳み状態で保持するように構成される、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記安定化要素は前記流線型ポートの有翼弾型形状であり、
前記有翼弾型形状は、前記流線型ポートを、生体内で前記流線型ポートの中心軸を中心に回転しないように安定させ、よって前記セプタムへのニードルアクセスを維持するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポートトンネリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ポート等の血管アクセスデバイスを配置する標準的な処置は、2つの切開部を必要とする。すなわち、血管アクセスのために上大静脈にカテーテルを導入するために使用される、鎖骨の近くの第1切開部と、ポートが最終的にポートポケット内に埋め込まれ、カテーテルに接続される、胸部の下方の第2切開部とである。ポートポケットの作成及び閉鎖は、処置の大部分(約42%)を占め、第2切開部の部位における組織外傷及び感染のリスクを増大させる。さらに、第2切開部が必要であることによって、瘢痕化の可能性が増大する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/193119号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、上述したことに対処するポートトンネリングシステム及び方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書では、いくつかの実施形態において、流線型ポートとポートトンネラとを含むシステムが提供される。ポートは、セプタムと安定化要素とを含む。セプタムは、ポートの本体内で空洞の上に配置され、及びセプタムは、貫通するニードルを受け入れるように構成される。安定化要素は、ポートを生体内で安定させ、且つセプタムへのニードルアクセスを維持するように構成される。ポートトンネラは、アダプタと解放機構とを含む。アダプタは、ポートトンネラの先端部分にある。アダプタは、ポートを切開部位からポートのための埋込み部位まで皮下的にトンネリングする間、ポートを固定して保持するように構成される。解放機構は、ポートのための埋込み部位においてアダプタからポートを解放するように構成される。
【0006】
こうした実施形態では、安定化要素は、ポートの膨張可能部分である。膨張可能部分は、ポートを切開部位からポートのための埋込み部位まで皮下的にトンネリングするように構成された輪郭をポートに与える未膨張状態を含む。膨張可能部分は、ポートを、生体内でポートの中心軸を中心に回転しないように安定させ、よってセプタムへのニードルアクセスを維持するように構成された膨張状態をさらに含む。
【0007】
こうした実施形態では、膨張可能部分は、膨張状態にあるとき、ポートの少なくとも一部に三角柱型形状を与える。こうした三角柱型形状の横断面は、三角形である。
こうした実施形態では、膨張可能部分は、1つ若しくは複数の流体、1つ若しくは複数のポリマー又はそれらの組合せで膨張するように構成される。1つ又は複数の流体は、純粋な流体及び溶液を含む混合物から選択される。
【0008】
こうした実施形態では、膨張可能部分は、少なくとも1つのポリマー前駆体を含む溶液を導入することによって膨張するように構成され、少なくとも1つのポリマー前駆体は、膨張可能部分内での重合及び架橋後に少なくとも1つの他のポリマー前駆体とポリマーを形成する。
【0009】
こうした実施形態では、膨張可能部分内に膨潤性ポリマーが配置される。膨張可能部分は、膨張可能部分を拡張するように水又は生理食塩水を導入することと、膨張可能部分をさらに拡張するように水又は生理食塩水で膨潤性ポリマーを膨潤させることとの組合せによって膨張するように構成される。
【0010】
こうした実施形態では、ポートトンネラは、膨張可能部分を1つ又は複数の流体で膨張させるために膨張可能部分に流体的に接続された膨張内腔をさらに含む。
こうした実施形態では、ポートトンネラは、ポートトンネラの基端部にハブをさらに含む。ハブは、膨張内腔を通して膨張可能部分に1つ又は複数の流体を送達するようにシリンジと流体的に接続するように構成される。
【0011】
こうした実施形態では、ポートは、解放機構でポートトンネラからポートを解放するとき、膨張部分を閉鎖するように構成された一方向弁をさらに含む。
こうした実施形態では、安定化要素は、少なくとも脚部の対である。脚部の対は、ポートを、生体内でポートの中心軸を中心に回転しないように安定させ、よってセプタムへのニードルアクセスを維持するように構成される。
【0012】
こうした実施形態では、脚部の対は、解放機構でポートトンネラからポートを解放するとき、展開状態を呈するように構成される。アダプタは、解放機構でポートトンネラからポートを解放する前に、脚部の対を含むポートの基端部分を脚部の対の折畳み状態で保持するように構成される。
【0013】
こうした実施形態では、安定化要素は、ポートの有翼弾型形状である。有翼弾型形状は、ポートを、生体内でポートの中心軸を中心に回転しないように安定させ、よってセプタムへのニードルアクセスを維持するように構成される。
【0014】
こうした実施形態では、安定化要素は、ポートの膨張可能部分、脚部の対、ポートの有翼弾型形状又はそれらの組合せである。膨張可能部分は、ポートを切開部位からポートのための埋込み部位まで皮下的にトンネリングするように構成された輪郭をポートに与える未膨張状態を含む。膨張可能部分は、ポートを、生体内でポートの中心軸を中心に回転しないように安定させ、よってセプタムへのニードルアクセスを維持するように構成された膨張状態をさらに含む。脚部の対及び有翼弾型形状の各々も、ポートを、生体内でポートの中心軸を中心に回転しないように安定させ、よってセプタムへのニードルアクセスを維持するように構成される。
【0015】
こうした実施形態では、システムは、設置器具をさらに含む。設置器具は、ポートの基端部分にカテーテルを接続するためにポートの少なくとも先端部分を保持するように構成される。設置器具は、ポートトンネラの先端部分におけるアダプタ内へのポートの設置を容易にするようにさらに構成される。
【0016】
本明細書では、いくつかの実施形態において、アダプタと解放機構とを含むポートトンネラも提供される。アダプタは、ポートトンネラの先端部分にある。アダプタは、流線型ポートを切開部位からポートのための埋込み部位まで皮下的にトンネリングする間、ポートを固定して保持するように構成される。解放機構は、ポートのための埋込み部位においてアダプタから流線型ポートを解放するように構成される。
【0017】
こうした実施形態では、ポートトンネラは、膨張内腔をさらに含む。膨張内腔は、膨張可能部分を1つ又は複数の流体で膨張させるために流線型ポートの膨張可能部分に流体的に接続するように構成される。
【0018】
こうした実施形態では、ポートトンネラは、ポートトンネラの基端部にハブをさらに含む。ハブは、膨張内腔に1つ又は複数の流体を送達するようにシリンジと流体的に接続するように構成される。
【0019】
こうした実施形態では、アダプタは、流線型ポートの少なくとも脚部の対を脚部の対の折畳み状態で保持するようにさらに構成される。
こうした実施形態では、アダプタは、有翼弾型形状を有する流線型ポートを保持するようにさらに構成される。
【0020】
こうした実施形態では、ポートトンネラは、ポートトンネラの基端部分にハンドルをさらに含む。ハンドルは、解放機構の解放ボタンを含み、解放機構は、解放ボタンが押されるとき、アダプタから流線型ポートを解放するように構成される。
【0021】
こうした実施形態では、ポートトンネラは、ポートがアダプタ内に配置されるとき、流線型ポートに接続されたカテーテルと並んでシース内に配置されるように構成される。
本明細書では、いくつかの実施形態において、セプタムと安定化要素とを含む流線型ポートも提供される。セプタムは、ポートの本体内で空洞の上に配置され、及びセプタムは、貫通するニードルを受け入れるように構成される。安定化要素は、ポートを生体内で安定させ、且つセプタムへのニードルアクセスを維持するように構成される。ポートは、ポートトンネラ上のポートを切開部位からポートのための埋込み部位まで皮下的にトンネリングするように構成された輪郭をさらに含む。
【0022】
こうした実施形態では、安定化要素は、ポートの膨張可能部分である。膨張可能部分は、ポートを切開部位からポートのための埋込み部位まで皮下的にトンネリングするように構成された輪郭に寄与する未膨張状態を含む。膨張可能部分は、ポートを、生体内でポートの中心軸を中心に回転しないように安定させ、よってセプタムへのニードルアクセスを維持するように構成された膨張状態をさらに含む。
【0023】
こうした実施形態では、膨張可能部分は、膨張状態にあるとき、ポートの少なくとも一部に三角柱型形状を与える。こうした三角柱型形状の横断面は、三角形である。
こうした実施形態では、ポートは、ポートトンネラからポートを解放するとき、膨張部分を閉鎖するように構成された一方向弁をさらに含む。
【0024】
こうした実施形態では、安定化要素は、少なくとも脚部の対である。脚部の対は、ポートを、生体内でポートの中心軸を中心に回転しないように安定させ、よってセプタムへのニードルアクセスを維持するように構成される。
【0025】
こうした実施形態では、安定化要素は、ポートの有翼弾型形状である。有翼弾型形状は、ポートを、生体内でポートの中心軸を中心に回転しないように安定させ、よってセプタムへのニードルアクセスを維持するように構成される。
【0026】
本明細書では、いくつかの実施形態において、ポートトンネラの先端部分においてアダプタ上に流線型ポートを装填するステップと、ポートを第1体内位置において切開部内に挿入するステップと、ポートを、ポートのチップを用いて第2体内位置における埋込み部位まで皮下的にトンネリングするステップと、ポートトンネラの解放機構でアダプタからポートを解放するステップとを含む方法も提供される。ポートトンネラのアダプタは、ポートの安定化要素を折畳み状態で保持するように構成される。アダプタからポートを解放することは、ポートの安定化要素が、生体内でポートを安定させ、且つポートのセプタムへのニードルアクセスを維持するための拡張状態を呈することを可能にする。
【0027】
こうした実施形態では、本方法は、第1体内位置に切開部を作成するステップであって、切開部は、切開部を閉鎖するために1つ又は2つ以下の縫合を必要とするようなサイズである、ステップをさらに含む。
【0028】
こうした実施形態では、本方法は、上大静脈内にカテーテルの心臓側端部を埋め込むステップをさらに含む。
こうした実施形態では、本方法は、ポートトンネラのアダプタ上にポートを装填する前に、ポートにカテーテルのポート側端部を接続し、且つカテーテルロックでポート上にカテーテルをロックするステップをさらに含む。ポート上にカテーテルのポート側端部を接続し且つロックするステップは、上大静脈内にカテーテルの心臓側端部を埋め込むステップの前又は後のいずれかである。
【0029】
こうした実施形態では、本方法は、ポート回収器で第2体内位置からポートを取り除くステップをさらに含む。ポート回収器は、ポートのチップの穴によって第2体内位置からポートを引き出すためのフックを含む。
【0030】
こうした実施形態では、本方法は、1つ又は複数の標準的な外科用器具で第2体内位置からポートを取り除くステップをさらに含む。
本明細書では、いくつかの実施形態において、シースの基端部内に流線型ポートを装填するステップと、ポートをシースの先端部の第2体内位置における埋込み部位までトンネリングするステップと、シースの先端部からポートを解放するステップとを含む方法も提供される。シースは、ポートの安定化要素をシースの長さに沿って折畳み状態で保持するように構成される。シースからポートを解放することは、ポートの安定化要素が、生体内でポートを安定させ、且つポートのセプタムへのニードルアクセスを維持するために拡張状態を呈することを可能にする。
【0031】
こうした実施形態では、本方法は、第1体内位置に切開部を作成するステップと、第2体内位置までの経路を確立するステップと、連続拡張器セットで経路を連続的に拡張するステップとをさらに含む。切開部は、切開部を閉鎖するために1つ又は2つ以下の縫合を必要とするようなサイズである。拡張器セットでの拡張に続いて、シースは、流線型ポートの装填のために適所に残される。
【0032】
こうした実施形態では、本方法は、上大静脈内にカテーテルの心臓側端部を埋め込むステップをさらに含む。
こうした実施形態では、本方法は、シース内に流線型ポートを装填する前に、ポートにカテーテルのポート側端部を接続し、且つカテーテルロックでポート上にカテーテルをロックするステップをさらに含む。ポート上にカテーテルのポート側端部を接続し且つロックするステップは、上大静脈内にカテーテルの心臓側端部を埋め込むステップの前又は後のいずれかである。
【0033】
こうした実施形態では、本方法は、ポート回収器で第2体内位置からポートを取り除くステップをさらに含む。ポート回収器は、ポートのチップの穴によって第2体内位置からポートを引き出すためのフックを含む。
【0034】
こうした実施形態では、本方法は、1つ又は複数の標準的な外科用器具で第2体内位置からポートを取り除くステップをさらに含む。
こうした実施形態では、本方法は、第1体内位置から第2体内位置までの経路に沿って別のシースで第2体内位置からポートを取り除くステップをさらに含む。
【0035】
本明細書で提供する概念のこれらの特徴及び他の特徴は、図面、本明細書及び添付の特許請求の範囲を参照してよりよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】いくつかの実施形態による、流線型ポート及びポートトンネラを含むシステムを示す概略図を提供する。
【
図2】さまざまな実施形態による複数の流線型ポートを示す概略図を提供する。
【
図3A】いくつかの実施形態による、脚部の第1対を含む流線型ポートの端面図を示す概略図を提供する。
【
図3B】いくつかの実施形態による、脚部の第1対を含む流線型ポートの側面図を示す概略図を提供する。
【
図3C】いくつかの実施形態による、脚部の第1対を含む流線型ポートの上面図を示す概略図を提供する。
【
図3D】いくつかの実施形態による、脚部の第1対を含む流線型ポートの底面図を示す概略図を提供する。
【
図4】いくつかの実施形態による、ポートトンネラからの脚部の第1対を有する流線型ポートの展開を示す概略図を提供する。
【
図5A】いくつかの実施形態による、脚部の第2対を含む流線型ポートの端面図を示す概略図を提供する。
【
図5B】いくつかの実施形態による、脚部の第2対を含む流線型ポートの側面図を示す概略図を提供する。
【
図5C】いくつかの実施形態による、脚部の第2対を含む流線型ポートの上面図を示す概略図を提供する。
【
図6A】いくつかの実施形態による、脚部の第3対を含む流線型ポートの端面図を示す概略図を提供する。
【
図6B】いくつかの実施形態による、脚部の第3対を含む流線型ポートの側面図を示す概略図を提供する。
【
図6C】いくつかの実施形態による、脚部の第3対を含む流線型ポートの上面図を示す概略図を提供する。
【
図7】いくつかの実施形態による、ポートトンネラからの脚部の第2対を有する流線型ポートの展開を示す概略図を提供する。
【
図8A】いくつかの実施形態による、有翼弾型形状を含む流線型ポートの端面図を示す概略図を提供する。
【
図8B】いくつかの実施形態による、有翼弾型形状を含む流線型ポートの側面図を示す概略図を提供する。
【
図8C】いくつかの実施形態による、有翼弾型形状を含む流線型ポートの上面図を示す概略図を提供する。
【
図9A】いくつかの実施形態による、膨張可能部分を含む流線型ポートの端面図を示す概略図を提供する。
【
図9B】いくつかの実施形態による、膨張可能部分を含む流線型ポートの側面図を示す概略図を提供する。
【
図10】いくつかの実施形態による、
図9A及び
図9Bの流線型ポートとポートトンネラとを含むシステムを示す概略図を提供する。
【
図11】いくつかの実施形態による、ハンドルを含むポートトンネラを示す概略図を提供する。
【
図12】いくつかの実施形態による、トンネリング埋込み処置のための連続拡張器セットを示す概略図を提供する。
【
図13】いくつかの実施形態による、ポート回収器を用いる引張摘出処置を示す概略図を提供する。
【
図14】いくつかの実施形態による、コレットを含むポート回収器を示す概略図を提供する。
【
図15A】いくつかの実施形態による、回収状態にあるポート回収器を示す概略図を提供する。
【
図15B】いくつかの実施形態による、引抜状態にあるポート回収器を示す概略図を提供する。
【
図16】いくつかの実施形態による、設置器具を示す概略図を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0037】
いくつかの特定の実施形態をより詳細に提供する前に、本明細書で提供する特定の実施形態は、本明細書で提供する概念の範囲を限定するものではないことが理解されるべきである。本明細書で提供する特定の実施形態は、特定の実施形態から容易に分離することができ、且つ任意選択的に、本明細書で提供する複数の他の実施形態の任意のものの特徴と組み合わせるか又はそうした特徴の代わりに用いることができる特徴を有し得ることも理解されるべきである。
【0038】
本明細書で用いる用語に関して、用語は、いくつかの特定の実施形態について説明することを目的とし、本明細書で提供する概念の範囲を限定するものではないことも理解されるべきである。別段の指示がない限り、順序を示す数字(例えば、第1、第2、第3等)は、特徴又はステップ群において異なる特徴又はステップを区別又は識別するために使用され、連続又は数値の限定を提供するものではない。例えば、「第1」、「第2」、及び「第3」特徴又はステップは、必ずしもその順序で現れる必要はなく、こうした特徴又はステップを含む特定の実施形態は、必ずしも3つの特徴又はステップに限定される必要はない。別段の指示がない限り、「左」、「右」、「前」、「後」、「頂部」、「底部」、「順方向」、「逆方向」、「右回り」、「左回り」、「上」、「下」又は「上方」、「下方」、「後部」、「前部」、「垂直」、「水平」、「基端」、「先端」等の他の同様の用語等のいかなる表記も、便宜上使用されており、例えばいかなる特定の固定された位置、向き、又は方向も意味するようには意図されていない。代わりに、こうした表記は、例えば、相対的な位置、向き、又は方向を反映するために使用される。「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その」という単数形は、文脈において明確な別段の指示がない限り、複数の指示物を含むことも理解されるべきである。
【0039】
「基端」に関して、例えば、カテーテルの「基端側部分」又は「基端部分」は、カテーテルが患者に対して使用されているときに臨床医の近くにあるように意図されたカテーテルの部分を含む。同様に、例えば、カテーテルの「基端長さ」は、カテーテルが患者に対して使用されているときに臨床医の近くにあるように意図されたカテーテルの長さを含む。例えば、カテーテルの「基端部」は、カテーテルが患者に対して使用されているときに臨床医の近くにあるように意図されたカテーテルの端部を含む。カテーテルの基端側部分、基端部分、又は基端長さは、カテーテルの基端部を含む場合があるが、カテーテルの基端部を含むことは必須ではない。すなわち、文脈において別段の示唆がない限り、カテーテルの基端側部分、基端部分、又は基端長さは、カテーテルの末端部分又は末端長さではない。
【0040】
「先端」に関して、例えば、カテーテルの「先端側部分」又は「先端部分」は、カテーテルが患者に対して使用されているときに患者の近く又は患者の体内にあるように意図されたカテーテルの部分を含む。同様に、例えば、カテーテルの「先端長さ」は、カテーテルが患者に対して使用されているときに患者の近く又は患者の体内にあるように意図されたカテーテルの長さを含む。例えば、カテーテルの「先端部」は、カテーテルが患者に対して使用されているときに患者の近く又は患者の体内にあるように意図されたカテーテルの端部を含む。カテーテルの先端側部分、先端部分又は先端長さは、カテーテルの先端部を含む場合があるが、カテーテルの先端部を含むことは必須ではない。すなわち、文脈において別段の示唆がない限り、カテーテルの先端側部分、先端部分、又は先端長さは、カテーテルの末端部分又は末端長さではない。
【0041】
本明細書で用いる「流線型ポート」は、ポートが患者の体内で1つの場所から別の場所に移動するとき、例えば、ポートが、患者の皮膚の下でアクセス部位から、アクセス部位から分離された最終的な目的部位まで皮下的にトンネリングされるとき、抵抗を最小限にするように構成された外形又は輪郭を含む。本明細書で記載する流線型ポートの外形又は輪郭は、限定されないが、弾丸、丸薬、又はくさびの形状を含み、概して縦長である。いくつかの実施形態では、本明細書で記載する流線型ポートのチップは、ポートの1つの場所から別の場所への疎性結合組織又は皮下組織を通る直接トンネリングを容易にするために、先端部に向かってテーパ状になっている。いくつかの実施形態では、流線型ポートのチップは、ポートの1つの場所から別の場所へシースを通してトンネリングするために、丸みを帯びている。
【0042】
別段の定義がない限り、本明細書で用いるすべての技術用語及び科学用語は、当業者が一般に理解するものと同じ意味を有する。
ポート等の血管アクセスデバイスを配置する標準的な処置は、2つの切開部を必要とする。すなわち、血管アクセスのために上大静脈にカテーテルを導入するために使用される、鎖骨の近くの第1切開部と、ポートが最終的にポートポケット内に埋め込まれ、カテーテルに接続される、胸部の下方の第2切開部とである。ポートポケットの作成及び閉鎖は、処置の大部分(約42%)を占め、第2切開部の部位における組織外傷及び感染のリスクを増大させる。さらに、第2切開部が必要であることによって、瘢痕化の可能性が増大する。
【0043】
本明細書では、上述したことに対処するポートトンネリングシステム及び方法が提供される。ポートトンネリングシステムは、いくつかの実施形態では、第1切開部位において導入されるように構成された流線型ポートと、ポートを第2埋込み部位まで皮下的にトンネリングするように構成されたポート送達システム又は「ポートトンネラ」と、第2埋込み部位から第1切開部位を通してポートを回収するように構成されたポート回収システム又は「ポート回収器」とを含む。こうしたポートトンネリングシステム及びそのポートを配置する方法は、ポートポケットを作成し、その中にポートを埋め込むための第2切開部を不要にする。これによって、ポート配置の処置時間が短縮され、組織外傷が軽減され、第2部位における感染のリスクが低減する。さらに、第2切開部をなくすことは、瘢痕化が低減することに関して患者に対して美容的な利益がある。
【0044】
ここで、
図1を参照すると、いくつかの実施形態による、流線型ポート1100とポートトンネラ1200とを含むポートトンネリングシステム1000を示す概略図が提供されている。任意のポートトンネリングシステム又はその構成要素(例えば、流線型ポート、ポートトンネラ、ポート回収器、設置器具等)の具体的な特徴を扱う前に、
図1のポートトンネリングシステム1000を用いて、ポートトンネリングシステムのいくつかの全体的な特徴を扱い、よって本明細書で提供する概念の全体的な説明を提供する。したがって、ポートトンネリングシステムのいくつかは、全体的な特徴の1つ又は複数を含まない可能性がある。同様にポートトンネリングシステムの一部であるポート回収器及び設置器具については、後に扱う。
【0045】
流線型ポート1100等の流線型ポートは、セプタムと、生体内でポートを安定させる安定化要素とを含む経皮ポートである。(例えば、
図3A~
図3D、
図5A~
図5C、
図6A~
図6C、
図8A~
図8Cのセプタム3110、5110、6110、及び8110並びに安定化要素3120、5120、6120、及び8120を参照されたい。)セプタムは、ポートの本体内のチャンバのある空洞の上に配置されており、セプタムを貫通するニードルを受け入れ、よって空洞の1つ又は複数のチャンバへのニードルアクセスを提供するように構成される。安定化要素は、拡張可能であるか又は静的であり、生体内でポートを安定させ、且つセプタム及びポートの1つ又は複数のチャンバへのニードルアクセスを維持するように構成される。さらに、ポートは、ポートトンネラ上のポートを切開部位からポートのための埋込み部位(例えば、上胸部)まで皮下的にトンネリングするために、十分小さい輪郭を含む。小さい輪郭は、特定の実施形態に応じて、形状が弾丸、丸薬、又はくさびに類似するが、ポートは、概して縦長である。
【0046】
ポートトンネラ1200等のポートトンネラは、アダプタ1210等のアダプタと、アダプタから流線型ポートを解放する解放機構とを含む。(例えば、
図7のアダプタ7210を参照されたい。)アダプタは、ポートトンネラの先端部分又はその先端部にある。アダプタは、ポートを切開部位からポートのための埋込み部位まで皮下的にトンネリングする間、ポートを固定して保持するように構成される。解放機構は、ポートのための埋込み部位においてポートをアダプタから解放するように構成される。
【0047】
ポートトンネラ1200等のポートトンネラは、
図1に示すような流線型ポート1100等の流線型ポートに接続されたカテーテル1130等のカテーテルとともにシース内に配置されるように構成することができる。ポートトンネラの解放機構を介してアダプタからポートを解放することによって、ポートトンネラが患者の体内から最終的に患者の切開部位を通って引き抜かれる際、カテーテルが解放されてシースから滑り出る。シースは、引き離されるとき、カテーテルがシースを通って抜き取られるように構成された引離しシースであり得る。これは、ポートを埋込み部位まで皮下的にトンネリングする前に、ポートとは反対側のカテーテルの端部が例えば上大静脈内に配置される場合に有用である。しかしながら、カテーテルは、ポートを埋込み部位まで皮下的にトンネリングする前又は後のいずれにも配置することができる。さらに、流線型ポート1100とカテーテル1130とが装填されたポートトンネラ1200は、適所にあるガイドワイヤに直接追従することができるため、シースの使用は、必須ではない。
【0048】
ポートトンネラ1200等のポートトンネラは、ポートトンネラの基端部分又はその基端部にハンドル1230等のハンドルも含むことができる。(
図11A及び
図11B(
図11)も参照されたい。)ハンドルは、解放機構の解放装置(例えば、解放ボタン1232、引き金、スイッチ等)を含み、解放機構は、解放装置が作動すると、アダプタから流線型ポート1100等の流線型ポートを解放するように構成される。
図1に示すように、例えば、ハンドル1230は、解放ボタン1232を含み、解放ボタン1232は、押されると、アダプタからポートを分離するように解放機構の展開ロッドを押すように構成される。
【0049】
ポートトンネリングシステムのいくつかの全体的な特徴を扱ったが、ここで、流線型ポート、ポートトンネラ、ポート回収器、及び設置器具の具体的な特徴等、ポートトンネリングシステムのいくつかの具体的な特徴について扱う。しかしながら、限定されないが、
図2の流線型ポートの任意の1つ等、特定の実施形態は、特定の実施形態から容易に分離し、且つ任意選択的に、多数の他の実施形態の任意のものの特徴と組み合わせるか又はそうした特徴の代わりに用いることができる特徴を有し得ることが理解されるべきである。
【0050】
ここで、
図2を参照すると、さまざまな実施形態による多数の流線型ポートを示す概略図が提供されている。図示するように、多数のポートは、ポート2102、2104、2106、2108、3100、5100、及び8100を含む。
【0051】
各流線型ポートは、内頸静脈アクセス部位等の位置において穿刺を通して挿入され、例えば上胸部を通してポートを皮下的にトンネリングすることによって埋込み部位において展開されるように構成される。したがって、各ポートは、ポートトンネラの前縁としてポートを使用するか、イントロデューサシースを通してポートを送達するか、又は両方を行うように構成された輪郭を含む。ポート本体のトンネリングチップは、ポートトンネラにおいて又はワイヤに沿って直接トンネリングするように鋭利であるように構成することができるか、又はイントロデューサシースを通して送達されるように鈍いように構成することができる。
【0052】
各流線型ポートは、生体内で(例えば、埋込み部位においてポートポケット内で)ポートに対して安定性を提供するように構成された少なくとも1つの拡張可能又は静的な安定化要素も含む。こうした安定化要素は、限定されないが、脚部(又はワイヤ)、翼状部、膨張可能要素、及びポート自体の形状から選択される1つ又は複数の安定化要素を含み、少なくとも脚部及び膨張可能要素は、埋込みのためにポートポケットを確立した後に展開可能である。さらに、脚部は、オープンセル設計とすることができ、よって、組織を裂くことなく摘出処置中にポートが結合組織から引き出されるようにすることができる。こうした安定化要素は、ポートが生体内でそれらの中心軸を中心に回転することを防止することによって、それらのそれぞれのポートを安定させるように構成される。例えば、ポートは、ポート2102、2104、2106、3100、又は5100等の展開可能な脚部を含むことができるか、又はポート8100等の翼状部を含むことができる。
【0053】
こうした安定化要素は、異なる器具を用いる異なる埋込み及び摘出処置に対して構成され、そうした器具のいくつかは、標準的な外科用器具(例えば、鉗子、プライヤ等)であり、そうした器具のいくつかは、流線型ポートのフック、穴、又はアンダーカットと係合するように構成されたポート回収器等のポートトンネリングシステムに含まれる。例えば、ポートの基端部に向かって又はポートのトンネリングチップから離れる方向に開放する展開可能な脚部を備えたポート(例えば、ポート2102、2104、及び2106)は、内頸静脈アクセス部位における切開部を通して、ポートトンネラ又は連続拡張器セットを使用して埋め込まれるように構成される。同様に、ポートの基端部に向かって開放する展開可能な脚部を有するポート2108は、ポート2108のチップに入り、チップの側部を通して出るワイヤによって示すように、ワイヤに沿って送達されるように構成される。こうしたポートの摘出は、上胸部の第2切開部を通して、ポート回収器(例えば、ポート2104に対する
図15A及び
図15Bのポート回収器1500(15000))又はシースを使用して達成される。別の例では、ポートの基端部から離れるように又はポートのトンネリングチップに向かって開放する展開可能な脚部を備えたポート(例えば、ポート5100)は、内頸静脈アクセス部位における単一の切開部を通して、少なくとも連続拡張器セットを使用して埋め込まれ且つ摘出されるように構成される。
【0054】
上述したことを考慮して、流線型ポート2102は、例えば、内頸静脈アクセス部位における第1切開部を介するトンネリング埋込み処置と、例えば上胸部における第2切開部を介する引張摘出処置とに対して構成され、摘出処置では、安定化する脚部の対を後退させる必要がない。流線型ポート2104は、同様に、第1切開部を介するトンネリング埋込み処置に対して構成されるが、シース補助摘出処置に対してさらに構成され、そこでは、安定化する脚部の対は、シースを通してポートを引っ張るポート回収器(例えば、
図15A及び
図15Bのポート回収器1500(15000))のフックによって後退する。流線型ポート2106及び3100の各ポートは、後退可能な安定化要素(例えば、
図3Dを参照されたい)を含み、この安定化要素は、拡張されたときの脚部の対である。ポート3100は、シース補助埋込み処置のための、より鈍いチップを備えるように構成され、ポート2106は、トンネリング埋込み処置のために、より鋭利なチップを備えるように構成される。流線型ポート5100は、例えば、内頸静脈アクセス部位における切開部を介するシース補助埋込み処置と、同じ内頸静脈アクセス部位を介する摘出処置とのために、より鈍いチップを備えるように構成される。流線型ポート8100は、ポート2102のように標準的な外科用鉗子又はプライヤを用いるトンネリング埋込み処置及び摘出処置のために構成され、すなわち、ポート2102及び8100は、摘出のために、本明細書で提供するポート回収器が不要である。したがって、ポートは、シース補助埋込み処置のための鈍いチップ又はトンネリング(ワイヤに沿う等)埋込み処置のための鋭利なチップ、脚部(又はワイヤ)、翼状部、及びポート自体の形状等、1つ又は複数の安定化要素、単一の切開部又は2つの異なる切開部を介する埋込み及び摘出のための1つ又は複数の安定化要素の指向性並びに1つ又は複数のポート回収器(例えば、
図15A及び
図15Bのポート回収器1500(15000))による回収のためのフック、穴、又はアンダーカット等のさらなる特徴から選択される、多数の特徴の任意の組合せを備えるように構成することができる。
図2のポートは、こうした異なる組合せを示す例である。
【0055】
各流線型ポートは、既存の非流線型ポートに類似する形状及び構成を有するセプタムを含む。例えば、セプタムは、既存の非流線型ポートと同程度の表面積を有する。既存の非流線型ポートとは対照的に、ポート本体に、任意のポート識別突起(例えば、流線型パワーポートのためのパワーポート識別突起)又はセプタム識別突起があり、よってニードルアクセスのためにセプタム表面積が最大化する。しかしながら、こうしたポート識別突起及びセプタム識別突起は、ポート本体上の配置に限定されない。ポート識別突起及びセプタム識別突起は、いくつかの実施形態では、セプタムに含めることができる。
【0056】
各流線型ポートは、放射線不透過性、条件付きMRI対応、若しくはMRI対応又はそれらの組合せであり得る。
各流線型ポートは、無線周波数識別(「RFID」)タグをさらに含むことができる。ポートのRFIDタグは、ポートを製造する時点でRFIDタグに書き込まれた読出し可能情報を含むことができる。読出し可能情報は、そのモデル番号、ロット番号、製造日等によってポートのタイプを識別することができる。さらに、ポートのRFIDタグは、RFIDタグに患者情報を書き込むことができるように書込み可能であり得る。
【0057】
各流線型ポートは、ポート本体を形成するように、圧入、溶接、接合、若しくは螺合するか、又は金属3D印刷を使用して印刷することができる。セプタムは、対称であり、任意選択的にさらなる接着剤又は熱接着を用いてさまざまな圧力設置取付具によって取り付けることができる。安定化する脚部(又はワイヤ)の対等の安定化要素は、埋込み若しくは摘出処置のためにポート本体に固定されるか、又は埋込み若しくは摘出処置のために安定性を送達するか若しくは後退させるために移動可能であり得る。
【0058】
ここで、
図3A~
図3Dを参照すると、いくつかの実施形態による脚部の第1対3120を含む流線型ポート3100の図を示す概略図が提供されている。図示するように、ポート3100は、セプタム3110と脚部の第1対3120とを含む。脚部の第1対3120は、第1脚部3120a及び第2脚部3120bを含む。少なくとも
図3B及び
図3Cには、カテーテルロック3132によってポート3100に接続されたカテーテル3130も示す。ポート3100は、後退可能な安定化要素を含み、安定化要素は、拡張されたときの脚部の第1対3120である。ポート3100は、少なくともシース補助埋込み処置に対して構成される。
【0059】
流線型ポート3100のセプタム3110は、脚部3120の第1対に対向しているが、
図9A及び
図9Bのポート1200(9100)によって例示するように、ポート3100の先端部において一意に配置することができる。こうしたポート3100の先端部におけるセプタムの一意の配置は、ポート3100が、ポート3100を導入し、トンネリングし、埋込み部位において配置するために単一の切開部のみを必要とすることの結果である。ポートを配置するために一般に使用される第2切開部をなくすことによって、第2切開部であったはずの部位における外傷、感染のリスク、及び瘢痕化が低減し、よってポート3100の先端部における一意に配置されたセプタム3110を通る注入のための領域が解放される。
【0060】
流線型ポート3100の脚部3120の第1対は、本明細書で提供する流線型ポートの安定化要素の例であり、脚部3120の第1対は、ポート3100を、生体内でポート3100の中心軸を中心に回転しないように安定させ、よってセプタム3110へのニードルアクセスを維持するように構成される。ポート3100の脚部3120の第1対は、ポートトンネラのアダプタ(又はイントロデューサシース)内にある間、折畳み状態を呈し、ポートトンネラのアダプタ(又はイントロデューサシース)の外側にある間、拡張又は展開状態を呈するように構成される。脚部の第1対3120の拡張状態によって、ポート3100が生体内でポート3100の中心軸を中心に回転しないように安定化され、よってセプタム3110へのニードルアクセスが維持される。
【0061】
脚部の第1対3120の折畳み状態では、脚部3120a及び3120bの各脚部は、流線型ポート3100の本体のそれ自体の側に沿って位置し、ポートトンネラのアダプタ(又はイントロデューサシース)によって適所に保持される。脚部の第1対3120の折畳み状態によって、ポート3100は、ポートトンネラ上のポート3100を切開部位から埋込み部位まで皮下的にトンネリングするために最初に小さい輪郭を呈することができる。すなわち、脚部の第1対3120は、ポート3100を切開部位からポート3100のための埋込み部位まで皮下的にトンネリングするためにポート3100の十分に小さい輪郭を与えるか又は他の方法でそうした輪郭に寄与する折畳み状態を含む。
【0062】
脚部の第1対3120の拡張状態では、脚部3120a及び3120bの各脚部は、流線型ポート3100の本体の基端部から突出するように形状記憶を介して構成される。脚部の第1対3120の拡張状態によって、ポート3100は、埋込み部位においてポート3100を固定し、セプタム3110へのニードルアクセスを維持するように、後に大きい輪郭を呈することができる。すなわち、脚部の第1対3120は、ポート3100を、生体内でポート3100の中心軸を中心に回転しないように安定させ、よってセプタム3110へのニードルアクセスを維持するように構成された拡張状態を含む。
【0063】
脚部3120a及び脚部3120bは、
図3Dに最もよく示すように、流線型ポート3100の先端部において「U」字形状を形成するように接合することができる。脚部3120a及び3120bの各脚部は、それ自体の脚部保持部(例えば、ポート3100の本体延長部を通る穴)によって係留されて保持されており、よって、いくつかの実施形態では、U字型の脚部の対3120は、ポート3100の本体に沿って長手方向に摺動することができる。脚部3120の対の形状記憶によって、U字型の脚部の対3120をポート3100の先端部に向かって摺動させることによって、脚部保持部の基端側の脚部の対が短くなり、それらのチップ間幅が狭くなる。U字型の脚部の対3120をポート3100の基端部に向かって摺動させることによって、脚部保持部の基端側の脚部の対が長くなり、それらのチップ間幅が広くなる。これは、異なるサイズの埋込み部位に対してポート3100の脚部の対3120のチップ間幅を調整するために有用である。
【0064】
ここで、
図4を参照すると、いくつかの実施形態による、ポートトンネラ4200からの脚部の第1対3120を有する流線型ポート3100の展開を示す概略図が提供されている。トンネリング埋込み処置中、ポート3100及び脚部の対3120は、ポートトンネラ4200又はポートトンネラ4200の先端部のアダプタ内に収容されている。(例えば、
図7のアダプタ7210を参照されたい。)したがって、ポートトンネラ4200は、ポート3100がポート3100のための埋込み部位(例えば、ポートポケット)においてポートトンネラ4200から出るまで、脚部の対3120が展開することを抑制する。解放機構でポートトンネラ4200からポート3100を解放するとき、脚部の第1対3120は、展開状態を呈するように構成される。
【0065】
ここで、
図5A~
図5Cを参照すると、いくつかの実施形態による、脚部の第2対5120を含む流線型ポート5100の図を示す概略図が提供されている。図示するように、ポート5100は、セプタム5110と脚部の第2対5120とを含む。脚部の第2対5120は、第1脚部5120a及び第2脚部5120bを含む。
図5B及び
図5Cには、カテーテルロック5132によってポート5100に接続されたカテーテル5130も示す。ポート5100は、少なくとも内頸静脈アクセス部位におけるシース補助埋込み処置とアクセス部位を介する摘出処置とに対して、先端側に開放する脚部の第2対5120を備えるように構成される。
【0066】
流線型ポート5100のセプタム5110は、脚部の第2対5120に対向しているが、
図9A及び
図9Bのポート1100(9100)によって例示するように、ポート5100の先端部において一意に配置することができる。この場合にも、こうした流線型ポートの先端部におけるセプタムの一意の配置は、ポートが、ポートを導入し、トンネリングし、埋込み部位において配置するために単一の切開部のみを必要とすることの結果である。
【0067】
流線型ポート5100の脚部の第2対5120は、本明細書で提供する流線型ポートの安定化要素の別の例であり、脚部の第2対5120は、ポート5100を、生体内でポート5100の中心軸を中心に回転しないように安定させ、よってセプタム5110へのニードルアクセスを維持するように構成される。ポート5100の脚部の第2対5120は、ポートトンネラのアダプタ(又はイントロデューサシース)内にある間、折畳み状態を呈し、ポートトンネラのアダプタ(又はイントロデューサシース)の外側にある間、展開状態を呈するように構成される。脚部の第2対5120の拡張状態によって、ポート5100が生体内でポート5100の中心軸を中心に回転しないように安定化され、よってセプタム5110へのニードルアクセスが維持される。
【0068】
脚部の第2対5120の折畳み状態では、脚部5120a及び5120bの各脚部は、流線型ポート5100の本体のそれ自体の側に沿って位置し、ポートトンネラのアダプタ(又はイントロデューサシース)によって適所に保持される。脚部の第2対5120の折畳み状態によって、ポート5100は、ポートトンネラ上のポート5100を切開部位から埋込み部位まで皮下的にトンネリングするために最初に小さい輪郭を呈することができる。すなわち、脚部の第2対5120は、ポート5100を切開部位からポート5100のための埋込み部位まで皮下的にトンネリングするためにポート5100の十分に小さい輪郭を与えるか又は他の方法でそうした輪郭に寄与する折畳み状態を含む。
【0069】
脚部の第2対5120の拡張状態では、脚部5120a及び5120bの各脚部は、流線型ポート5100の本体の先端部から突出するように形状記憶を介して構成される。脚部の第2対5120の拡張状態によって、ポート5100は、埋込み部位においてポート5100を固定し、セプタム5110へのニードルアクセスを維持するように、後に大きい輪郭を呈することができる。すなわち、脚部の第2対5120は、ポート5100を、生体内でポート5100の中心軸を中心に回転しないように安定させ、よってセプタム5110へのニードルアクセスを維持するように構成された拡張状態を含む。
【0070】
脚部5120a及び5120bの各脚部は、それ自体の脚部保持部(例えば、ポート5100の本体延長部を通る穴)によって係留されて保持されており、よって、いくつかの実施形態では、脚部5120a及び5120bの各脚部は、流線型ポート5100の本体に沿って個々に且つ長手方向に摺動することができる。脚部5120a及び5120bの各脚部の形状記憶によって、脚部5120a等の第1脚部をポート5100の基端部に向かって摺動させることによって、その脚部保持部の先端側の脚部が短くなり、脚部5120b等の第2脚部とのチップ間幅が狭くなる。第1脚部をポート5100の先端部に向かって摺動させることによって、脚部保持部の先端側の脚部が長くなり、第2脚部とのチップ間幅が広くなる。これは、異なるサイズの埋込み部位に対してポート5100の拡張状態における脚部の対5120のチップ間幅を調整するために有用であるだけでなく、脚部5120a及び5120bの各脚部を個々に調整することによって、拡張状態の微調整も可能になる。
【0071】
図3A~
図3D及び
図5A~
図5Cのそれぞれの流線型ポート3120及び5120は、少なくともそれらの脚部保持部の配置とそれらの脚部の対の接合とが異なる。この場合にも、ポート5100は、少なくとも内頸静脈アクセス部位におけるシース補助埋込み処置とアクセス部位を介する摘出処置とに対して先端側に開放する脚部の第2対5120を備えるように構成される。しかしながら、流線型ポート3120の本体における脚部保持部は、本体の先端部の代わりに、(ポート5120のように)ポート3120の本体の基端部に配置することができる。さらに、脚部5120a及び脚部5120bは、接合されていないか又は分離される代わりに、流線型ポート5100の基端部において(ポート3120の脚部の第1対3120のように)「U」字形状を形成するように接合することができる。この場合にも、本明細書で提供する特定の実施形態は、例であり、本明細書で提供する概念の範囲を限定するものではない。
【0072】
ここで、
図6A~
図6Cを参照すると、いくつかの実施形態による、脚部の第3対6120を含む流線型ポート6100の図を示す概略図が提供されている。図示するように、ポート6100は、セプタム6110と脚部の第3対6120とを含む。脚部の第3対6120は、第1脚部6120a及び第2脚部6120bを含む。
図6B及び
図6Cには、カテーテルロック6132によってポート6100に接続されたカテーテル6130も示す。
【0073】
流線型ポート6100のセプタム6110は、脚部の第3対6120に対向しているが、
図9A及び
図9Bのポート1100(9100)によって例示するように、ポート6100の先端部において一意に配置することができる。この場合にも、こうした流線型ポートの先端部におけるセプタムの一意の配置は、ポートが、ポートを導入し、トンネリングし、埋込み部位において配置するために単一の切開部のみを必要とすることの結果である。
【0074】
流線型ポート6100の脚部の第3対6120は、本明細書で提供する流線型ポートの安定化要素の別の例であり、脚部の第3対6120は、ポート6100を、生体内でポート6100の中心軸を中心に回転しないように安定させ、よってセプタム6110へのニードルアクセスを維持するように構成される。ポート6100の脚部の第3対6120は、ポートトンネラのアダプタ(又はイントロデューサシース)内にある間、折畳み状態を呈し、ポートトンネラのアダプタ(又はイントロデューサシース)の外側にある間、拡張又は展開状態を呈するように構成される。脚部の第3対6120の拡張状態によって、ポート6100が生体内でポート6100の中心軸を中心に回転しないように安定化され、よってセプタム6110へのニードルアクセスが維持される。
【0075】
脚部の第3対6120の折畳み状態では、脚部6120a及び6120bの各脚部は、流線型ポート6100の本体のそれ自体の側に沿って位置し、ポートトンネラのアダプタ(又はイントロデューサシース)によって適所に保持される。脚部の第3対6120の折畳み状態によって、ポート6100は、ポートトンネラ上のポート6100を切開部位から埋込み部位まで皮下的にトンネリングするために最初に小さい輪郭を呈することができる。すなわち、脚部の第3対6120は、ポート6100を切開部位からポート6100のための埋込み部位まで皮下的にトンネリングするためにポート6100の十分に小さい輪郭を与えるか又は他の方法でそうした輪郭に寄与する折畳み状態を含む。
【0076】
脚部の第3対6120の拡張状態では、脚部6120a及び6120bの各脚部は、流線型ポート6100の本体の基端部分又は基端部から脚部の中間部分において弓なりに曲がるように形状記憶を介して構成される。脚部の第3対6120の拡張状態によって、ポート6100は、埋込み部位においてポート6100を固定し、セプタム6110へのニードルアクセスを維持するように、後に大きい輪郭を呈することができる。すなわち、脚部の第3対6120は、ポート6100を、生体内でポート6100の中心軸を中心に回転しないように安定させ、よってセプタム6110へのニードルアクセスを維持するように構成された拡張状態を含む。
【0077】
脚部6120a及び6120bの各脚部は、それ自体の脚部保持部(例えば、ポート6100の本体延長部を通る穴)によって係留されて保持され、流線型ポート6100の本体に固定されている。脚部6120a及び6120bの各脚部の形状記憶によって、ポートトンネラのアダプタから流線型ポートが解放されると直ちに、各脚部は、ポート6100の本体の基端部分又は基端部から脚部の中間部分において弓なりに曲がる。それとして、ポート6100は、代わりに、脚部の第3対6120が、
図5A~
図5Cの流線型ポート5100に類似してポート6100の本体の先端部分又は先端部から弓なり曲がるように構成することができる。脚部の対6120の曲がった中間部分は、拡張状態で異なるサイズの埋込み部位に適合するようにポート6100を拡張させるばね定数を有する圧縮可能ばねを形成する。さらに、ばね定数は、外傷をもたらすことなく埋込み部位においてポート6100を固定するのに十分である。
【0078】
ここで、
図7を参照すると、いくつかの実施形態による、ポートトンネラからの脚部の第3対6120を有する流線型ポート6100の展開を示す概略図が提供されている。トンネリング埋込み処置中、ポート6100及び脚部の対6120は、ポートトンネラの先端部におけるアダプタ7210内に収容されている。したがって、アダプタ7210は、ポート6100がポート6100のための埋込み部位(例えば、ポートポケット)においてポートトンネラのアダプタ7210から出るまで、脚部の対6120が展開することを抑制する。解放機構でポートトンネラのアダプタ7210からポート6100を解放するとき、脚部の第1対6120は、展開状態を呈するように構成される。
【0079】
ここで、
図8A~
図8Cを参照すると、いくつかの実施形態による、翼状部の対8120を含む流線型ポート8100の図を示す概略図が提供されている。図示するように、ポート8100は、翼状部の対8120と対向するセプタム8110を含む。翼状部の対8120は、ポート8100に対して有翼弾型形状を提供する第1翼状部8120a及び第2翼状部8120bを含む。
図8B及び
図8Cには、カテーテルロック8132によってポート8100に接続されたカテーテル8130も示す。ポート8100は、少なくとも、標準的な外科用鉗子又はプライヤによるトンネリング埋込み処置及び摘出処置に対して構成され、すなわち、8100は、摘出のために本明細書で提供するポート回収器が不要である。
【0080】
流線型ポート8100のセプタム8110は、翼状部の対8120に対向しているが、
図9A及び
図9Bのポート1100(9100)によって例示するように、ポート8100の先端部において一意に配置することができる。この場合にも、こうした流線型ポートの先端部におけるセプタムの一意の配置は、ポートが、ポートを導入し、トンネリングし、埋込み部位において配置するために単一の切開部のみを必要とすることの結果である。しかしながら、ポート8100は、本明細書で提供する他の流線型ポートのいくつかより顕著な又は鋭い先端部を有するため、ポート8100の先端部に対するこうした変更によって、ポート8100がそれほど顕著ではない弾丸型形状となる。
【0081】
流線型ポート8100の翼状部の対8120は、本明細書で提供する流線型ポートの安定化要素の別の例であり、翼状部の対8120は、ポート8100を、生体内でポート8100の中心軸を中心に回転しないように安定させ、よってセプタム8110へのニードルアクセスを維持するように構成される。ポート8100のすでに小さい輪郭とともに、翼状部の対8120が生体内でポートを安定させ得ることによって、ポート8100は、折畳み状態及び拡張状態を含む必要がない。それとして、翼状部の対8120の各翼状部は、いくつかの実施形態では、ポート8100の本体において翼状部空洞内のばね要素の上に配置することができる。流線型ポート6100の脚部の対6120のように、ポートトンネラのアダプタから流線型ポート8100が解放されると直ちに、各翼状部は、その空洞から跳ね出て、ポート8100を折畳み状態から拡張状態に遷移させる。これは、必要に応じて、ポート8100の設置面積を拡張するために有用である。
【0082】
ここで、
図9A、
図9B、及び
図10を参照すると、いくつかの実施形態による、安定化要素としての膨張可能部分9120を含む流線型ポート9100と、ポート9100のためのポートトンネラ10200との図を示す概略図が提供されている。
【0083】
図10に示すように、流線型ポート9100及びポートトンネラ10200を含むポートトンネリングシステム10000は、ポート9100とポートトンネラ10200との間に配置された膨張機構を備えるように構成される。膨張機構によって、ポート9100は、ポートトンネラ10200上のポート9100を切開部位から埋込み部位まで皮下的にトンネリングするために最初に小さい輪郭を呈することができる。膨張機構によって、ポート9100は、さらに、埋込み部位においてポート9100を固定し、ポート9100のセプタムへのニードルアクセスを維持するために後に大きい輪郭を呈することができる。
【0084】
図10のポートトンネラ10200に関して、ポートトンネラ10200は、膨張チューブ内に配置された膨張内腔10222と、膨張チューブの基端部における第1フィッティング又はハブ10224と、膨張チューブの先端部における第2フィッティングとを含み、それらの各々は、膨張機構の部品とみなされる。膨張チューブ又はその膨張内腔10224は、1つ又は複数の流体源(例えば、1つ又は複数の流体を含むシリンジ)と、流線型ポート9100の膨張可能部分との両方に、1つ又は複数の流体によって膨張可能部分を膨張させるために流体的に接続されるように構成される。膨張チューブの基端部における第1フィッティング又はハブ10224は、1つ又は複数の流体を膨張内腔10222に送達するためにシリンジ1001の対応するオスルアーテーパフィッティングを受け入れるメスルアーテーパフィッティングとして構成することができる。こうしたルアーテーパフィッティングは、スリップ型又はロック型ルアーテーパフィッティングであり得る。膨張チューブの先端部における第2フィッティングは、膨張チューブ又はその膨張内腔10222をポート9100の膨張可能部分にポート9100の開口部によって接続する多数の方法のうちの任意の方法でオス又はメスフィッティングとして構成することができ、上記開口部は、膨張チューブの第2フィッティングに対応するフィッティングを含む。
【0085】
図9A及び
図9Bのポート9100に関して、ポート9100は、セプタム9110と膨張可能部分9120とを含む。
図9A及び
図9Bには、カテーテルロック9132によってポート9100に接続されたカテーテル9130も示す。流線型ポート9100のセプタム9110は、
図9A及び
図9Bに示すように、ポート9100の先端部において一意に配置することができる。ポート9100の先端部におけるセプタム9110のこうした一意の配置は、ポート9100が、ポート9100を導入し、トンネリングし、埋込み部位において配置するために単一の切開部のみを必要とすることの結果である。埋込み部位にポートを配置するために一般に使用される第2切開部をなくすことによって、第2切開部であったはずの部位における外傷、感染のリスク、及び瘢痕化が低減し、よってポート9100の先端部における一意に配置されたセプタム9110を通る注入のための領域が解放される。それとして、ポート9100は、代わりに、ポート9100の膨張可能部分9120と対向する位置にセプタム9110を含むことができる。
【0086】
流線型ポート9100とポートトンネラ10200との間に配置された膨張機構によって、ポート9100は、ポートトンネラ10200上のポート9100を切開部位から埋込み部位まで皮下的にトンネリングするために最初に小さい輪郭を呈し、埋込み部位においてポート9100を固定しセプタム9110へのニードルアクセスを維持するために後に大きい輪郭を呈することができる。流線型ポート9100の膨張可能部分9120は、本明細書で提供する流線型ポートの安定化要素の別の例であり、膨張可能部分9120は、ポート9100を、生体内でポート9100の中心軸を中心に回転しないように安定させ、よってセプタム9110へのニードルアクセスを維持するように構成される。
【0087】
流線型ポート9100とポートトンネラ10200との間に配置された膨張機構によって、ポート9100は、ポートトンネラ10200上のポート9100を切開部位から埋込み部位まで皮下的にトンネリングするために最初に小さい輪郭を呈することができる。ポートトンネリングシステム10000の膨張機構の一部として含まれるポート9100の膨張可能部分9120は、膨張可能部分9120の未膨張状態によってポート9100の小さい輪郭を可能にする。すなわち、膨張可能部分9120は、ポート9100を切開部位からポート9100のための埋込み部位まで皮下的にトンネリングするためにポート9100の十分に小さい輪郭を与えるか又は他の方法でそうした輪郭に寄与する未膨張状態を含む。
【0088】
流線型ポート9100とポートトンネラ10200との間に配置された膨張機構によって、ポート9100は、さらに、ポート9100を埋込み部位において固定し、セプタム9110へのニードルアクセスを維持するために後に大きい輪郭を呈することができる。ポート9100の膨張可能部分9120は、膨張可能部分9120の膨張状態によって、ポート9100の大きい輪郭を可能にする。すなわち、膨張可能部分9120は、ポート9100を、生体内でポート9100の中心軸を中心に回転しないように安定させ、よってセプタム9110へのニードルアクセスを維持するように構成された膨張状態をさらに含む。膨張可能部分9120の膨張状態では、膨張可能部分9120は、ポート9100の少なくとも一部に対して三角柱型形状を与える。例えば、ポート9100の中間部分は、膨張可能部分9120が膨張状態にあるとき、三角柱に類似することができる。こうした三角柱の横断面は、三角形である。
【0089】
ポート9100の膨張可能部分9120は、1つ又は複数の流体で膨張するように構成することができる。1つ又は複数の流体は、ポートトンネラ10200の膨張内腔10222を経由して、シリンジ(例えば、
図10のシリンジS)によって膨張可能部分9120まで送達することができ、1つ又は複数の流体は、純粋な流体及び溶液を含む混合物から選択される。純粋な流体は、窒素又はアルゴン等の気体、水等の液体又はそれらの組合せを含むことができる。混合物は、空気等の気体、鉱油、生理食塩水等の液体又はポリマー若しくはポリマー前駆体の1つ若しくは複数の溶液或いはそれらの組合せを含むことができる。
【0090】
ポリマー又はポリマー前駆体の1つ又は複数の溶液に関して、膨張可能部分9120は、シリンジによって膨張可能部分9120に溶液を導入することによって膨張するように構成することができ、溶液は、少なくとも1つのポリマー前駆体(例えば、ポリマー前駆体A)を含み、それは、膨張可能部分9120内での重合及び架橋後に少なくとも1つの他のポリマー前駆体(例えば、ポリマー前駆体B)とポリマーを形成する。少なくとも1つの他のポリマー前駆体(例えば、ポリマー前駆体B)は、製造時に膨張可能部分9120内に配置するか、又は少なくとも1つのポリマー前駆体(例えば、ポリマー前駆体A)を含む溶液の前又は後に膨張可能部分9120に導入することができる。膨張可能部分9120の膨張は、膨張可能部分9120の第1膨張のために膨張可能部分9120にポリマー前駆体の溶液の1つ又は複数を導入することと、続いて、少なくとも1つのポリマー前駆体(例えば、ポリマー前駆体A)及び少なくとも1つの他のポリマー前駆体(例えば、ポリマー前駆体B)とが膨張可能部分9120の第2膨張において重合し架橋することを可能にすることとの組合せを含むことができる。それとして、膨張可能部分9120の第1膨張及び第2膨張は、同時に発生することができ、膨張可能部分9120の第1膨張及び第2膨張は、同一の広がりを有することができる。膨張可能部分9120の膨張は、重合、架橋、又は重合及び架橋の両方に対して低度の生体適合な量の熱の印加をさらに含むことができる。架橋によって、膨張可能部分9120内でポリマーが硬化する。
【0091】
ポート9100の膨張可能部分9120は、任意選択的に、上述した流体の1つ又は複数と組み合せて、1つ又は複数のポリマーによって膨張するように構成することができる。1つ又は複数のポリマーは、製造時に膨張可能部分9120内に配置される1つ又は複数の膨潤性ポリマーであり得る。膨張可能部分9120は、膨張可能部分9120の第1膨張のために膨張可能部分9120に上述した流体(例えば、水、生理食塩水等)の1つ又は複数を導入することと、続いて、膨張可能部分9120の第2膨張において1つ又は複数の流体が存在するときに1つ又は複数の膨潤性ポリマーが膨潤することを可能にすることとの組合せによって膨張するように構成することができる。それとして、1つ又は複数の膨潤性ポリマーの膨潤動態は、膨張可能部分9120の第1膨張及び第2膨張が同時に発生するようなものであり得る。さらに、膨張可能部分9120の第1膨張及び第2膨張は、同一の広がりを有することができる。
【0092】
流線型ポート9100は、ポートトンネラ10200からポート9100を解放するとき、ポート9100の膨張部分9120への開口部を閉鎖するように構成された一方向弁を含むことができる。一方向弁は、膨張部分9120への開口部の内側に当接するように構成されたダイヤフラム又はボールを含むことができる。入来する膨張流体の圧力又はポートトンネラ10200の膨張チューブの先端部におけるオスフィッティングは、ダイヤフラム又はボールを変位させることによって一方向弁を開放して保持することができる。入来する膨張流体の圧力又はオスフィッティングが取り除かれると、ポート9100の膨張部分9120内の内圧によって、ダイヤフラム又はボールが膨張部分9120への開口部に対して押し付けられ、一方向弁が閉鎖して維持される。代わりに、一方向弁は、ポートトンネラ10200からポート9100を解放するとき、ポート9100の膨張部分9120への開口部を閉鎖するフラッタ弁であり得る。
【0093】
図9A及び
図9Bの流線型ポート9100を埋め込むことに関して、第1切開場所で血管アクセスが確立され、カテーテルチップが上大静脈等の場所まで進められる。カテーテルは、その後、切り揃えられてポート9100に取り付けられる。ポート9100は、その後、ポートトンネラ10200上に配置され、上胸部等の埋込み場所まで皮下的にトンネリングされる。その後、ポートトンネラ10200の膨張内腔内に膨張溶液が注入され、ポート9100の膨張可能部分9120は、その完全な寸法まで膨張する。ポートトンネラ10200は、その後、取り除かれ、よって膨張内腔からポート9100が分離され、よってポート9100の一方向弁が閉鎖される。アクセス部位は、その後、閉鎖される。その後、ポート9100にニードル機能によってアクセスして、適切な機能が確認される。
【0094】
ここで、
図11を参照すると、いくつかの実施形態による、フルサイズのハンドル11230を含むポートトンネラ11200を示す概略図が提供されている。ハンドル11230は、流線型ポートをトンネリングし、位置決めするための適切なグリップを術者に提供するように構成される。ポートのトンネリングに関して、典型的なトンネラを用いて、初期トンネリング経路を開始することができる。ポートトンネラ11200は、初期トンネリング経路をたどるために十分な曲げ性を有するように構成することができる。さらに、本明細書に示すように、ポート本体のトンネリングチップは、ポートトンネラ11200等のポートトンネラで直接トンネリングするために鋭利であるものとして構成することができる。図示するように、ポートトンネラ11200は、アダプタ11210からトンネリングポートを解放するための解放ボタン11232をさらに含む。解放ボタン11232は、解放ボタン11232が押されるとき、アダプタ11210からポートを分離するように、ポートトンネラ11200の解放機構の展開ロッドを押すように構成される。ポートトンネラ11200は、後に、例えば上大静脈内にすでに配置されているカテーテルの位置を妨げることなく、トンネリング経路から取り除かれるように構成される。
【0095】
ここで、
図12を参照すると、いくつかの実施形態による、トンネリング埋込み処置のための連続拡張器セット12000を示す概略図が提供されている。図示するように、調整可能なポート1100等の流線型ポートは、連続拡張器セット12000のイントロデューサシース12030によって埋め込まれるように構成することができる。連続拡張器セット12000は、限定されないが、典型的なトンネリング器具、すなわちトンネラと、初期拡張器又は例えば直径が3.175mm(1/8インチ)である第1拡張器12010と、第2拡張器12020と、安定化要素とともに流線型ポートを収容するのに十分な直径の最終的なイントロデューサシース12030とを含む。流線型ポート(例えば、流線型ポート1100)を埋め込むために薄壁支持シースを確立するために、初期拡張器12010によって切開部位においてトンネリング経路が開始され、初期拡張器12010は、拡張器セット12000の残りの部分をその上にねじ込むためにその基端部から延在する柔軟な長さを含む。拡張の第1段階では、第2拡張器12020が初期拡張器12010の上にねじ込まれ、初期拡張器は、最終的に取り除かれる。次に、拡張の第2段階では、最終的なイントロデューサシースは、第2拡張器12020と初期拡張器12010との両方の上にねじ込まれる。続いて、初期拡張器12010及び第2拡張器12020は、イントロデューサシース12030を適所に残して取り除かれる。ポートは、最終的な埋込み場所におけるポートポケット内にイントロデューサシース12030を通して埋め込まれる。イントロデューサシース12030は、その後、引き抜かれ、折畳み脚部の対等の任意の安定化要素が直ちに拡張されて、最終的な場所においてポートをポートポケット内に固定する。連続拡張器セット12000による連続拡張の利点は、埋込み経路に沿った切開の展開がそれほど積極的でないことと、最終的な埋込み場所に対するより適切な制御とである。さらに、任意の縫合が必要である場合、切開部位を閉鎖するために1つ又は2つの縫合のみが必要である。
【0096】
初期拡張器12010で開始した上述したトンネリング経路を使用して、ガイドワイヤを配置することができ、よってガイドワイヤを使用して最終的な埋込み場所までオーバーザワイヤ流線型ポート2108をトンネリングすることができる。
【0097】
こうした連続拡張器セットは、摘出処置に関わらず、ポートをそれらの最終的な埋込み場所までの埋込み中にトンネリングすることが容易になる。さらに、こうした連続拡張器セットは、トンネラ上で第1拡張器及び第2拡張器を進めることによって頸静脈摘出処置に役立つ。
【0098】
ここで、
図13及び
図14を参照すると、いくつかの実施形態による、コレット14210を含むポート回収器14000と、ポート回収器14000を用いる引張摘出処置13000とを示す概略図が提供されている。図示するように、ポート回収器14000は、流線型ポートを回収するための適切なグリップを術者に提供するように構成されたフルサイズハンドルを含む。さらに、ハンドルは、コレット14210から最終的な支持シースを押し出すように構成されたスライダ14232を含み、そのため、コレット14210のコレットフィンガは、引張摘出処置のためにポートを適切に締め付けることができる。ポート回収器1400(14000)は、ポート-ポケットポート摘出に通常関連する瘢痕をなくすために、トンネリング埋込み処置と同じトンネリング経路を通してポートを回収するように構成される。
【0099】
ポートに対する引張摘出処置13000に関して、連続拡張器セット12000等の拡張器セットは、カテーテルロックの近くのポートの先端部までカテーテルの上を進むように使用される。
図13のポート5100の場合、例えば、連続拡張器セット12000の第1拡張器12010は、カテーテル5130の上を進み、カテーテルロック5132で底に達する。第2拡張器12020は、第1拡張器12010の上を進み、同様にカテーテルロック5132で底に達する。十分な拡張が確立された後、最終的な支持シース(例えば、連続拡張器セット12000のシース12030)が配置され、ポート回収器14000がポート5100まで支持シースを下って進められ、ポート5100と係合する。コレット14210のコレットフィンガは、ポート5100の先端部の角度付きアンダーカットの上で偏向するように構成される。スライダ14232は、支持シースをコレット14210から押し出すように構成される。係合すると、ポート5100は、脚部5120の第2対を支持シース内に折り畳むため、支持シースを通して後退させることができる。
【0100】
ここで、
図15A及び
図15Bを参照すると、いくつかの実施形態による、異なる使用状態にあるポート回収器15000を示す概略図が提供されている。図示するように、ポート回収器は、ハンドル15330、ポートスクープ15310、及びポートフック15312を含み、
図15Aは、後退状態にあるポート回収器15000を示し、
図15Bは、引抜状態にあるポート回収器1500(15000)を示す。ポート回収器1500(15000)の回収状態は、
図2のポート2104等のポートをポート回収器15000のポートフック15312に引っ掛けるように構成される。ポートがフックに引っ掛けられると、ハンドル15330を閉じてポート回収器15000の引抜状態を形成することができる。そうする際、ポートは、ポートスクープ15310の上に引き上げられ、よって脚部の任意の対等の任意の展開された安定化要素が後退する。さらに、ハンドルが閉じられると、スナップタブ又は戻り止めは、ハンドルが再度開くことを阻止し、よってポート回収器15000を引き抜くときにポートの偶発的な再展開が防止される。こうしたポート回収は、ポート回収器の2段階処置において例えば上胸部からのポート回収を容易にするように構成される。
【0101】
ここで、
図16を参照すると、いくつかの実施形態による、設置器具16300を示す概略図が提供されている。図示するように、設置器具16300は、ポート3100等のポートの基端部分にカテーテル(例えば、カテーテル3130)を接続してロックするように、ポートの少なくとも先端部分を保持するように構成されたポートスプーン16310を含む。設置器具16300は、ポートトンネラの先端部分におけるアダプタ内のポートの設置を容易にするようにさらに構成される。
【0102】
本明細書で提供する流線型ポートを埋め込むことに関して、所望の血管の位置が特定され、アクセス部位においてイントロデューサニードルによってアクセスされる。アクセスニードルは、取り除かれ、ガイドワイヤと置き換えられる。ガイドワイヤに沿ってイントロデューサが進められる。正確なガイドワイヤ位置は、X線透視法を介して確認され、ガイドワイヤ上の深さ測定が記録され、ガイドワイヤが取り除かれる。代わりに、上述したことは、ECG誘導によって達成することができる。ポートのためのカテーテルは、その後、アクセス部位から例えば上大静脈までの距離に、アクセス部位から例えば上胸部における所望のポートポケット場所までの所望の距離を足した距離を考慮して、正確な長さに切り揃えられる。カテーテルは、ポートトンネラに事前に設置されてくることができるポートに取り付けられる。ポートトンネラは、その後、アクセス部位において挿入され、所望のポートポケット場所までトンネリングされる。イントロデューサは、その後、取り除かれ、カテーテルは、アクセス部位内に押し込まれる。カテーテルチップは、X線透視法を通して確認され、その後、ポートは、ポートトンネラから解放される。ポートトンネラは、取り除かれ、その後、ポートがアクセスされ、正確な流れが確認される。
【0103】
さらに本明細書で提供する流線型ポートを埋め込むことに関して、ポートは、以下のように埋め込むことができる。流線型ポートがポートトンネラの先端部分のアダプタ上に装填される。ポートは、第1体内位置において切開部内に挿入され、この切開部は、切開部を閉鎖するために1つ又は2つ以下の縫合を必要とするようなサイズである。ポートは、ポートのチップを使用して第2体内位置における埋込み部位まで皮下的にトンネリングされる。ポートは、ポートトンネラの解放機構でアダプタから解放される。ポートトンネラのアダプタは、ポートの安定化要素を折畳み状態で保持するように構成される。アダプタからポートを解放することによって、ポートの安定化要素は、生体内でポートを安定させ、且つポートのセプタムへのニードルアクセスを維持するための拡張状態を呈することができる。
【0104】
流線型ポートを埋め込む際、カテーテルの心臓側端部も上大静脈内に埋め込まれる。カテーテルのポート側端部は、ポートトンネラのアダプタ上にポートを装填する前に、ポートに接続されカテーテルロックによってロックされる。ポート上にカテーテルのポート側端部を接続しロックすることは、上大静脈にカテーテルの心臓側端部を埋め込む前又は埋め込んだ後のいずれかである。
【0105】
流線型ポートは、ポート回収器を用いて第2体内位置から取り除かれる。ポート回収器は、ポートのチップの穴によって第2体内位置からポートを引き出すためのフックを含む。代わりに、ポートは、1つ又は複数の標準的な外科用器具を用いて第2体内位置から取り除かれる。
【0106】
さらに本明細書で提供する流線型ポートを埋め込むことに関して、ポートは、以下のように埋め込むことができる。第1体内位置に切開部が形成され、その切開部は、切開部を閉鎖するために必要な縫合が1、2回以下であるようなサイズである。第2体内位置に経路が確立される。経路は、連続拡張器セットを用いて連続的に拡張される。拡張器セットによる拡張に続き、流線型ポートを装填するためにシースが適所に残される。ポートは、シースの基端部内に装填される。ポートは、シースの先端部における第2体内位置の埋込み部位までトンネリングされる。ポートは、シースの先端部から解放される。シースは、ポートの安定化要素をシースの長さに沿って折畳み状態で保持するように構成される。シースからポートを解放することによって、ポートの安定化要素は、生体内でポートを安定させ、且つポートのセプタムへのニードルアクセスを維持するための拡張状態を呈することができる。
【0107】
流線型ポートを埋め込む際、カテーテルの心臓側端部も上大静脈に埋め込まれる。カテーテルのポート側端部は、シース内にポートを装填する前に、ポートに接続され、且つカテーテルロックでポートにロックされる。ポートにカテーテルのポート側端部を接続しロックすることは、上大静脈にカテーテルの心臓側端部を埋め込む前又は埋め込んだ後のいずれかである。
【0108】
流線型ポートは、ポート回収器を用いて第2体内位置から取り除かれる。ポート回収器は、ポートのチップの穴によって第2体内位置からポートを引き出すためのフックを含む。代わりに、ポートは、1つ又は複数の標準的な外科用器具を用いて第2体内位置から取り除かれる。代わりに、ポートは、第1体内位置から第2体内位置までの経路に沿って別のシースで第2体内位置から取り除かれる。
【0109】
本明細書では、いくつかの特定の実施形態を提供し、特定の実施形態を幾分か詳細に提供したが、特定の実施形態は、本明細書に提示した概念の範囲を限定するように意図されていない。さらなる適応形態及び/又は変更形態が当業者に明らかとなる可能性があり、より広い態様において、これらの適応形態及び/又は変更形態は、同様に包含される。したがって、本明細書で提供する概念の範囲から逸脱することなく、本明細書で提供する特定の実施形態からの逸脱がなされ得る。