(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022098625
(43)【公開日】2022-07-04
(54)【発明の名称】シート繰り出し装置
(51)【国際特許分類】
B65H 1/00 20060101AFI20220627BHJP
【FI】
B65H1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020212115
(22)【出願日】2020-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000151461
【氏名又は名称】株式会社東京自働機械製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】増田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】八田 昌幸
【テーマコード(参考)】
3F343
【Fターム(参考)】
3F343FA01
3F343FB13
3F343FC01
3F343FC12
3F343GA06
3F343GA08
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD04
3F343HA12
3F343HD08
3F343KB03
3F343KB17
3F343LA02
3F343LA17
3F343LB01
3F343LC12
3F343MA02
3F343MA12
3F343MA22
3F343MB02
3F343MB09
3F343MC17
(57)【要約】
【課題】シート集積体からシートを分離して繰り出す際にシートの重なりや乱れ等の誤作動を抑制する。
【解決手段】シート繰り出し装置の押圧シート7は、シート起こしレバー26の作動によって初期位置と作動位置との間で揺動する。作動位置で、シート集積体は表面のシートを接着テープに接着させる。シート起こしレバー26の揺動を角度検出センサ50で検出し、制御手段によって中途屈曲手段を作動させる。中途屈曲手段では、くさびバー33でシート集積体の中途部を屈曲させて他のシート集積体をシートから分離させる。シート集積体が多数枚の場合、シート起こしレバー26の揺動が制限され、角度検出センサ50で検出できないためくさびバー33の作動を阻止する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを積層したシート集積体を保持する給紙部と、
前記給紙部に保持された前記シート集積体の先端部を屈曲させるシート起こし部材と、
前記シート起こし部材で屈曲された前記シート集積体の1枚のシートを保持するシート保持部材と、
前記シート集積体の中途部を屈曲させて残りの前記シート集積体を前記1枚のシートから離間させる中途屈曲手段と、
前記シート保持部材で保持された前記1枚のシートを繰り出す搬送手段と、
前記中途屈曲手段を作動させるか否かを選択する制御手段と、
を備えたことを特徴とするシート繰り出し装置。
【請求項2】
前記シート起こし部材を前記シート集積体の先端部を屈曲させる位置に駆動させるシート起こし駆動手段と、
前記シート起こし駆動手段に設けられていて、前記シート集積体の枚数に応じて前記シート起こし部材の移動範囲を変化させる第一弾性部材と、
前記シート起こし部材が予め設定された動作範囲を移動することを検出するセンサと、を備え、
前記センサで前記シート起こし部材の移動を検出した場合には前記中途屈曲手段を作動させ、前記シート起こし部材の移動を検出しない場合には前記中途屈曲手段を作動させないようにした請求項1に記載されたシート繰り出し装置。
【請求項3】
前記中途屈曲手段を作動させるか否かについて、手動で操作する手動モードと自動的に選択させる自動モードの少なくともいずれかを前記制御手段に指示する設定入力手段を備えた請求項1または2に記載されたシート繰り出し装置。
【請求項4】
前記中途屈曲手段は、前記シート集積体の枚数に応じて前記シート集積体の中途部の屈曲量を増減させる第二弾性部材を備えている請求項1から3のいずれか1項に記載されたシート繰り出し装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数枚のシートを積層したシート集積体を載置した給紙部から1枚ずつシートを分離して繰り出すことができるシート繰り出し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば包装用のシートを多数積層したシート集積体から1枚のシートを繰り出して、適宜形状の商品を自動的に胴巻き包装等することができる包装装置が提案されている。
例えば特許文献1に記載された包装装置では、シートが多数枚積層されたシート集積体の先端部をシート貼り付け機構によって上方に屈曲させて、表面側の1枚目のシートを接着テープ等に貼り付ける。そして、シート貼り付け機構に設けた起こしバーによって先端部が屈曲されたシート集積体の中途部(シートの長手方向中間部)を押して反対側に屈曲させることで、1枚目のシートと残りのシートからなるシート集積体を分離させる。
分離された1枚目のシートは押えローラと搬送用の固定ローラとで挟まれて接着テープを付着させた状態で包装位置に繰り出される。包装位置では、シートを商品の下側に位置させてエレベータ等で上下動させながら包装する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1に記載された包装装置は、シートの繰り出しと包装の効率を向上させるために、より多数枚のシートを積層させたシート集積体を給紙台に載置する必要があった。一方、シート集積体の集積枚数が多くなると、シート集積体の中途部を屈曲させる位置にくさびバーを押し付けて残すことでシート集積体の積層状態が乱れてしまうことがある。しかも、シート集積体はシートの目の方向や湿度等により、隣り合うシート同士が摩擦で絡み合って乱れたり、複数枚のシートが同時に繰り出されたりすることがある。
そのため、多数枚のシート集積体をくさびバーで屈曲させることによって、シート繰り出し時に複数枚のシートが乱れたり重ねて繰り出されたりする等の誤作動の原因になっていた。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、シート集積体からシートを分離して繰り出す際にシートの重なりや乱れ等の誤作動を抑制するようにしたシート繰り出し装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるシート繰り出し装置は、シートを積層したシート集積体を保持する給紙部と、給紙部に保持されたシート集積体の先端部を屈曲させるシート起こし部材と、シート起こし部材で屈曲されたシート集積体の1枚のシートを保持するシート保持部材と、シート集積体の中途部を屈曲させて残りのシート集積体を1枚のシートから離間させる中途屈曲手段と、シート保持部材で保持された1枚のシートを繰り出す搬送手段と、中途屈曲手段を作動させるか否かを選択する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、シート集積体の集積枚数やシートの目の方向や湿度等に応じて制御手段によって中途屈曲手段を作動させるか否か選択でき、作動させる場合にはシート起こし部材で先端部を屈曲させて1枚のシートをシート保持部材で保持し、中途屈曲手段でシート集積体の中途部を屈曲させることで2枚目以上の残りのシート集積体を1枚のシートから分離できる。そして、シート保持部材で保持された1枚のシートを搬送手段で搬送して繰り出すことができる。また、例えば集積したシート枚数が多い等により中途屈曲手段を作動させない場合には、シート起こし部材を屈曲位置から戻すことでシート保持手段で保持された1枚目のシートと分離できる。
【0007】
また、本発明によるシート繰り出し装置は、シート起こし部材をシート集積体の先端部を屈曲させる位置に駆動させるシート起こし駆動手段と、シート起こし駆動手段に設けられていて、シート集積体の枚数に応じてシート起こし部材の移動範囲を変化させる第一弾性部材と、シート起こし部材が予め設定された動作範囲を移動することを検出するセンサと、を備え、センサでシート起こし部材の移動を検出した場合には中途屈曲手段を作動させ、シート起こし部材の移動を検出しない場合には中途屈曲手段を作動させないようにすることが好ましい。
自動モードの場合、シート起こし駆動手段によってシート起こし部材をシート集積体の先端部を屈曲させる位置に駆動させ、シート集積体の枚数が比較的少ない第一弾性部材の付勢力によるシート起こし部材の動作をセンサで検出できた場合には、中途屈曲手段を作動させてシート集積体の中途部を反対側に屈曲させてシート保持部材で保持された1枚目のシートと残りのシート集積体を分離させる。また、シート集積体の枚数が比較的多いためにシート起こし部材の動作範囲が小さくてセンサで検出できない場合には、中途屈曲手段を作動させず、シート集積体の中途部を反対側に屈曲させずにシート保持部材で保持された一枚目のシートと残りのシート集積体を分離させる。
【0008】
また、中途屈曲手段を作動させるか否かについて、手動で操作する手動モードと自動的に選択させる自動モードの少なくともいずれかを制御手段に指示する設定入力手段を備えていてもよい。
設定入力手段によって手動モードを選択した場合には、手動で中途屈曲手段を作動させるか否かを選択し、自動モードを選択した場合にはシート集積体の集積量に応じて自動的に中途屈曲手段を作動させるか否かを選択できる。
【0009】
また、中途屈曲手段は、シート集積体の枚数に応じてシート集積体の中途部の屈曲量を増減させる第二弾性部材を備えていることが好ましい。
中途屈曲手段の作動の経路に第二弾性部材を設けることで、シート集積体の枚数に応じてシート集積体の中途部を屈曲させる量を変動させることができるので、無理な中途屈曲によってシート集積体に乱れを生じることを抑制でき、安定したシートの保持と繰り出しを行える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によるシート繰り出し装置によれば、シート集積体のシート枚数に応じて中途屈曲手段の作動と非作動を切り換えることでシート集積体を最適な屈曲状態に保持できる。そのため、シートの枚数に応じてシート集積体を中途部で屈曲させた状態または屈曲させない状態に制御して、シートの乱れや重なりを抑制して確実に1枚ずつ分離して繰り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態によるシート繰り出し装置で繰り出されたシートにより商品を胴巻き包装する工程を示す説明図である。
【
図2】実施形態によるシート繰り出し装置の斜視図である。
【
図3】
図2に示すシート繰り出し装置における中途屈曲手段を作動させた状態の説明図である。
【
図4】シート繰り出し装置の要部構成を示す斜視図である。
【
図5】シート起こし部材の駆動機構を示す図である。
【
図8】(a)~(e)は中途屈曲手段を作動させる場合のシート繰り出し工程を示す図である。
【
図9】(a)~(d)は中途屈曲手段を作動させない場合のシート繰り出し工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態による包装装置1におけるシート繰り出し装置5について添付図面により説明する。
図1は本発明の実施形態による包装装置1における包装用のシート2の繰り出し及び包装の工程を示す説明図である。シート2は例えば長方形に形成されているが、適宜の形状を選択できる。シート2は紙であるが、フィルム等の他の材質でもよい。
図1において、先端部が上方に屈曲されたシート集積体から繰り出された1枚のシート2は、先端縁の中央と両端に接着テープ3a、3b、3cがそれぞれのテープリール(図示せず)から繰り出されて接着され、それぞれ不図示のカッタで切断される。
【0013】
接着テープ3a、3b、3cは一部がシート2の先端に接着され、残りが露出している。接着テープ3a、3b、3cは適宜の材質のものを採用できるが、本実施形態では例えばガムテープを用いた。
そして、繰り出されたシート2は上方に移動させられ、その上に略直方体形状の商品Sが載置される。次に、シート2は不図示のエレベータで降下させられて胴巻き包装されて中央の接着テープ3aで両側縁が接着される。更に、商品の両サイドに形成されるシート2のサイドフラップを上下に折り込んで接着テープ3b、3cで接着する。
【0014】
次に包装のために1枚のシート2を順次繰り出すシート繰り出し装置5について
図2から
図7により説明する。
図2及び
図4に示す包装装置1のシート繰り出し装置5は、
図3に示す給紙台8に載置されたシート集積体2Aから1枚のシート2を繰り出してエレベータ上の商品Sを包装する位置に搬送する装置である。
図2に示すシート繰り出し装置5において、繰り出し装置本体6の高さ方向中間部に包装用のシート2を積層したシート集積体2Aを載置するための略U字状の押圧シート7が、斜め上方に向けて揺動可能に設置されている。
【0015】
押圧シート7の下方側には、
図3の断面図に示すように、シート集積体2Aを載置する給紙台8が給紙部として水平方向に配設され、給紙台8の先端部8aは上方に向けて湾曲形成されている。先端部8aの上方に押圧シート7が配設されており、押圧シート7によって給紙台8に略水平に載置されたシート集積体2Aの先端部が上方に湾曲されて先端部8aから押圧シート7に載置されている。
図2及び
図3において、押圧シート7の上方にはシート集積体2Aから分離された表面側の1枚のシート2を繰り出すための搬送手段10が配設されている。搬送手段10は、固定配置された回転ローラ11と上下方向に揺動可能な可動ローラ12とが水平方向に配設されている。回転ローラ11の両側の側壁13には不図示の駆動モータで周回可能な周回ベルト14が設けられている。この周回ベルト14によって回転ローラ11の伝動ローラ11aが回転させられ、回転ローラ11が自転する。
【0016】
可動ローラ12の両端はアーム部16に連結され、アーム部16は側壁13に設けた揺動軸17に連結されている。アーム部16の反対端は不図示のリンクに連結され、不図示のリンクは不図示の駆動源により作動し揺動軸17を所定角度回転させる。揺動軸17が所定角度の範囲で回転することで、アーム部16を介して可動ローラ12がシート2を挟んで回転ローラ11に当接した当接位置と上方に離間した退避位置とに選択的に揺動可能である。可動ローラ12が回転ローラ11に当接した位置でシート集積体2Aから分離された1枚のシート2を挟んで繰り出し可能であり、可動ローラ12が上方に揺動して離間する状態で押圧シート7及びシート集積体2Aを引き起こして回転ローラ11に当接可能とされている。
【0017】
繰り出し装置本体6において、回転ローラ11の上部には、テープリールから繰り出される接着テープ3a、3b、3cを位置決めするテープ受け板部19a、19b、19cが水平方向に離間して配設されている。各テープ受け板部19a、19b、19c上に繰り出された接着テープ3a、3b、3cが位置決めされた状態で、シート集積体2Aが載置された押圧シート7が時計回りに引き起こされることで、回転ローラ11に近接する側の表面の1枚のシート2の先端縁に接着テープ3a、3b、3cが貼着される(
図1参照)。
そして、押圧シート7が回転ローラ11から離間する方向に戻されると、接着テープ3a、3b、3cが貼着された1枚のシート2以外のシート集積体2Aも一緒に離間することになる。
図3において、離間位置にある可動ローラ12の上方には、先端部に接着テープ3a、3b、3cが貼着された1枚のシート2を商品Sの包装位置まで搬送するためのシート搬送ガイド部20が配設されている。シート搬送ガイド部20はシート2の搬送用の隙間空間20aを有する略凸曲面状に形成されている。
【0018】
次に押圧シート7のシート起こし駆動手段21及びシート集積体2Aの中途屈曲手段22について、
図2乃至
図6を中心に説明する。
押圧シート7は水平方向に延びるシート用バー25に略U字状に巻回されており、シート2の横幅より広い横幅を有している。押圧シート7は、繰り出し装置本体6側の面が後述のくさびバー33の下方に延びて給紙台8の先端部8aの裏面側で係止されている。押圧シート7の他方の面はシートテンションバー23に係止されている。シートテンションバー23の両端はばね部材24を介してくさびバー33に連結されている。これによって押圧シート7は緊張状態で架設されている。
シート用バー25はその両端部が後述するシート起こしレバー26によってそれぞれ回転ローラ11に接近及び離間する方向に揺動可能に支持されている。これらの部材はシート起こし駆動手段21に含まれる。
図4において、押圧シート7とシート起こしレバー26の間には例えば略くの字形状の揺動レバー27がそれぞれ配設され、揺動レバー27の上端部はシート用バー25に揺動可能に支持されている。各揺動レバー27を貫通して作動軸28が設けられ、作動軸28の外側には係合片としてローラ29が設けられている。ローラ29は作動軸28に対して自由に回転可能に支持されており、後述する係合フック34が当接した際にも自由に回転する。
【0019】
図3及び
図4において、作動軸28には例えば略くの字形状のくさびレバー30が揺動レバー27に対して揺動可能に支持されている。揺動レバー27には作動軸28の上部に長穴27aが形成され、この長穴27aには、くさびレバー30に設けたピン30aが挿入されている。そのため、くさびレバー30は作動軸28を中心に長穴27aとピン30aの範囲で揺動レバー27に対して揺動可能とされている。しかも、揺動レバー27の下端部とくさびレバー30の上端部にはスプリング31が張架されている。このスプリング31によって、揺動レバー27とくさびレバー30が相互に直線状になる方向に付勢されている。
また、押圧シート7の両側にそれぞれ配設されたくさびレバー30の下端部には、水平方向に延びるくさびバー33が連結されている。くさびバー33は、後述するリンク部材37の作動時に、押圧シート7の一方側の面を押動してシート集積体2A側に揺動してシート集積体2Aを中途部分で屈曲可能とされている(
図3参照)。
【0020】
また、くさびバー33の両側において、揺動レバー27とシート起こしレバー26の間には係合フック34が配設されている。各係合フック34はその一端部が側壁13に固定された揺動軸35に揺動可能に支持され、揺動軸35は側壁13に固定された略U字形状の受け板36に支持されて係合フック34の一端部を受けている。係合フック34は例えば略V字状に形成されていて、V字状の凹陥部の近傍に上下動可能なリンク部材37が連結支持されている(
図6参照)。
係合フック34はリンク部材37の上方への揺動によって揺動軸35を中心に時計回りに揺動させて、揺動レバー27に設けられたローラ29(作動軸28)を当接可能としている。シート起こしレバー26が反時計方向に揺動した際にローラ29(作動軸28)に係合フック34が当接することで揺動レバー27及びくさびレバー30を揺動させて、くさびバー33でシート集積体2Aの中途部を押して屈曲可能としている。くさびバー33とくさびレバー30と揺動レバー27と係合フック34とリンク部材37はシート集積体2Aの中間部分を屈曲させる中途屈曲手段22に含まれている。
【0021】
次に、
図5により、押圧シート7の両側に配設されたシート起こしレバー26の駆動機構を説明する。この駆動機構はシート起こし駆動手段21に含まれる。
各シート起こしレバー26は例えば略くの字状に屈曲して形成されている。シート起こしレバー26の上端部に押圧シート7に覆われるシート用バー25が設けられ、下端部には回動ローラ38が設けられている。シート起こしレバー26の長手方向中間部には、シート起こしレバー26の揺動中心をなす揺動軸39が側壁13に回転可能に支持されている。
図5において、シート起こしレバー26の実線で示す位置がシート集積体2Aを離間させた初期位置であり、二点鎖線で示す位置がシート集積体2Aを回転ローラ11に当接させた作動位置である。
【0022】
シート起こしレバー26の下方には第一駆動モータM1が固定配置され、その一側部にはスライド受け部40が設置されている。スライド受け部40の上部には所定範囲に亘ってスライド可能なスライダー41が配設され、その上面には略L字状に屈曲されたスライド板42が固定されている。スライド板42の底面42aには略L字板状のストッパー43が固定され、他方の側板42bには弾性部材として例えばコイルスプリングからなる引張ばね44の一端が固定されている。引張ばね44の他端は回動ローラ38に固定した固定板46に連結されている。
【0023】
シート起こしレバー26において、回動ローラ38と揺動軸39の間の部分をレバー作動部26aとする。シート起こしレバー26のレバー作動部26aには例えば長溝47aが形成された略円弧状の角度検出部材47が配設されている。レバー作動部26aには、角度検出部材47の長溝47aを挿通して位置検出ボルト48が締め込まれている。位置検出ボルト48を緩めた状態で、角度検出部材47と後述する角度検出センサ50との距離を調整することができる。シート起こしレバー26の揺動角度は角度検出センサ50によって、揺動する角度検出部材47を感知することで検出することができる。
【0024】
図5において、第一駆動モータM1を駆動してスライダー41及びスライド板42を左方向にスライド移動させることで、引張ばね44の付勢力が増大するため回動ローラ38が引っ張られてシート起こしレバー26が揺動する。回動ローラ38はストッパー43に当接することで、その揺動範囲が規制される。シート起こしレバー26は引張ばね44の付勢力によって回動ローラ38がストッパー43に当接している。
ストッパー43がスライダー41と一体にスライド移動すると、回動ローラ38は引張ばね44の付勢力でストッパー43に当接する状態を維持して揺動する。第一駆動モータM1を駆動することでシート起こしレバー26を初期位置から時計回りに揺動させ、作動位置で押圧シート7を回転ローラ11に接近させてシート集積体2Aを回転ローラ11に当接させることができる。
【0025】
また、シート用バー25に掛けられた押圧シート7に載置されたシート集積体2Aの厚みが比較的大きい場合には、その厚みによってシート起こしレバー26の揺動が規制される。そのため、スライダー41の最大移動時にスライド移動するストッパー43は回動ローラ38と離間する。
シート集積体2Aの厚みが比較的小さい場合には、シート起こしレバー26の揺動する範囲が広くなり、スライダー41及びスライド板42のスライド移動に連動してシート起こしレバー26が揺動させられる。この場合には、回動ローラ38がストッパー43に当接した状態でストッパー43のスライド移動に沿って移動する。
【0026】
また、シート起こしレバー26のレバー作動部26aに固定された角度検出部材47が所定の動作範囲以上揺動した場合に、角度検出部材47を検出するための角度検出センサ50が配設されている。シート集積体2Aの厚みが比較的大きい場合には、シート起こしレバー26の揺動角度が設定された動作範囲より小さく制限されるため、角度検出センサ50は角度検出部材47を検出できない。また、シート集積体2Aの厚みが比較的小さい場合には、スライド移動するスライダー41の引張ばね44の付勢力でシート起こしレバー26が所定の動作範囲以上揺動させられるため、角度検出センサ50で角度検出部材47を検出できる。
【0027】
また、本実施形態では、シート集積体2Aの厚さ(枚数)に応じて、くさびバー33でシート集積体2Aの中途部分を屈曲させるか否かを自動的に判別することができる。即ち、第一駆動モータM1の駆動時にスライド移動するスライダー41によって変位する引張りばね44の付勢力に応じてシート起こしレバー26が揺動軸39回りに揺動する。その際、レバー作動部26aと一体に揺動する角度検出部材47を角度検出センサ50で検出することで、後述する第二駆動モータM2を駆動させて中途屈曲手段22のくさびバー33によってシート集積体2Aの中途部分を屈曲させることができる。
なお、押圧シート7に設けたシート集積体2Aの枚数が多いと厚みが大きくなるためシート集積体2Aを屈曲させる際に、シート起こしレバー26が所定角度揺動して起こしきる前に回転ローラ11に接触し、揺動を停止させることがある。この場合のシート集積体2Aと回転ローラ11との干渉を回避するために引張ばね44の弾性力を作用させることでシート起こしレバー26の移動範囲が調整される。
【0028】
次に、
図4及び
図6により、中途屈曲手段22におけるリンク部材37の駆動機構について説明する。
係合フック34を揺動可能に支持するリンク部材37の下端部には、揺動軸52を中心に揺動可能な揺動アーム53の他端部が軸部53aを介して支持されている。リンク部材37及び揺動アーム53は繰り出し装置本体6の両側部にそれぞれ設けられ、一対の揺動アーム53の間に回転可能な揺動軸52が水平方向に配設されている。揺動軸52はその両端部でそれぞれ保持部材54によって床面に支持されている。揺動軸52の長手方向中央部には、中途屈曲手段22用の第二駆動モータM2を内蔵したスライダユニット57が設置されている。
【0029】
揺動軸52の長手方向中央部には略コの字状の動力レバー55が固定されている。動力レバー55の第二駆動モータM2に対向する部分の内面には略L字板状のアングル部材55aの一方の片が固定され、アングル部材55aの他方の片にはローラ51が固定されている。スライダユニット57の側面には上下方向に摺動可能な略L字形状の板部材からなるスライダー58が設けられている。
スライダー58の一側板58aには弾性部材として例えばコイルスプリングからなる引張ばね59の一端が係止されている。スライダー58の底板58bは上端部で水平方向に屈曲してローラ51のストッパー部58cを形成している。また、動力レバー55のアングル部材55aに固定されたローラ51には固定板51aが固定され、この固定板51aに引張ばね59の他端部が係止されている。
【0030】
図6において、第二駆動モータM2を駆動することでスライダー58がスライダユニット57の側面に沿って下方にスライド移動すると、引張ばね58の付勢力でローラ51が下方に引っ張られて動力レバー55が揺動軸52を中心に反時計回りに揺動させられる。これに応じて揺動アーム53も同一方向に揺動するため、リンク部材37が上方に移動する。これにより、係合フック34が揺動軸35を中心に時計回りに揺動してローラ29と当接する位置に移動する。その後、シート起こしレバー26が反時計方向に揺動してシート集積体2Aの屈曲を戻す方向に揺動する途中で、ローラ29が係合フック34に押されて、くさびレバー30のくさびバー33がシート集積体2Aの中途部を屈曲させることができる。
揺動レバー27はシート起こしレバー26のシート起こしバー25に支持されているので、シート集積体2Aの厚みが所定の値より大きい場合、シート起こしレバー26の揺動角度が小さくなるのに伴い、揺動レバー27およびローラ29はシート起こしレバー26の揺動角度が大きい場合に較べて低い位置に移動する。
中途屈曲手段22はその駆動機構に引張ばね59を備えているため、シート集積体2Aの厚みに応じた位置で係合フック34をローラ29と接触させ、くさびレバー34及びくさびバー33の位置を移動させることができる。くさびバー33の位置により中途屈曲量は変動するのでシート集積体2Aの集積量に応じてくさびバー33によるシート集積体2Aの中途屈曲量を増減させることができる。そのため、シート集積体2Aの中途部が無理に強く屈曲させられてシート集積体2Aのシート2に乱れを生じることがなく、安定して1枚のシート2の分離と繰り出しを行える。
【0031】
次に、本実施形態によるシート繰り出し装置5の制御部61について、
図7により説明する。
シート繰り出し装置5を作動制御する際、シート集積体2Aから1枚のシート2を繰り出す場合、シート集積体2Aの中途部をくさびバー33で屈曲させると、シート数が多いとシートが乱れて誤って複数枚のシート2を繰り出すことがある。また、シート2の繊維の目の方向や湿度等によっても摩擦等で複数枚のシート2を繰り出すことがある。このような不具合を避けるために、例えばシート集積体2Aの枚数が多いか少ないか等によって、シート集積体2Aの中途部を屈曲する場合と屈曲しない場合のいずれかを選択することができる。
【0032】
本実施形態によるシート繰り出し装置5では、シート集積体2Aの集積数が多い場合や、シート2の目の方向が干渉する場合や湿度等に応じて、手動モードによって、シート集積体2Aの中途部を屈曲させるモード(例えばON)と、屈曲させないモード(OFF)を選択することができる。また、自動モードを選択した場合、シート集積体2Aの集積量を角度検出センサ50で検出してシート集積体2Aの中途部を屈曲させるモードと屈曲させないモードの一方を自動的に選択することができる。これら手動モードと自動モードの選択操作ボタンを備えたものを設定入力手段62とする。
【0033】
図7に示す制御部61において、制御手段63には設定入力手段62と角度検出センサ50から信号が入力され、制御手段63からシート起こし部材駆動手段64、中途屈曲駆動手段65、可動ローラ移動手段66、回転ローラ回転手段67に信号が出力される。
設定入力手段62ではシート集積体2Aの中途部を屈曲するかしないかについて、手動モードを選択してON、OFFするか、自動モードを選択する。また、角度検出センサ50では、シート起こしレバー26の揺動時に角度検出部材47によって揺動角度が動作範囲以上か未満を検出する。シート起こし部材駆動手段64は、シート起こしレバー26を揺動させてシート集積体2Aを回転ローラ11側に倒すために第一駆動モータM1を駆動させる。
中途屈曲駆動手段65では、シート集積体2Aを中途屈曲させるよう、くさびバー33を作動させるために第二駆動モータM2を駆動させる。可動ローラ移動手段66は、シート起こし部材駆動手段64のONに連動して選択された1枚目のシート2を挟んで可動ローラ12を回転ローラ11に当接するよう揺動させる。回転ローラ回転手段67は、可動ローラ12との間に挟まれたシート2を繰り出すために回転ローラ11を回転させる。
【0034】
本実施形態による包装装置1におけるシート繰り出し装置5は上述した構成を有しており、次にシート2の繰り出し方法について説明する。
制御部61において、包装装置1の作業者が設定入力手段62で自動的にシート集積体2Aの中途屈曲の要否を判断する自動モードを選択するものとする。例えば、
図8(a)に示すように、給紙台8に比較的少量のシート2からなるシート集積体2Aを載置し、先端側部分を上方に湾曲させて押圧シート7上に載置させておく。
自動モードを選択することで、制御手段63によってシート起こし部材駆動手段64を作動させると第一駆動モータM1が駆動させられる。すると、
図5におけるスライダー41及びスライド板42が回動ローラ38から離間する方向に移動することで、スライド板42に設けられた引張ばね44が伸張する。引張ばね44の付勢力によって回動ローラ38が引張ばね44方向に引っ張られる。これにより、シート起こしレバー26が初期位置から揺動軸39回りに時計回りに揺動して作動位置に至る。
【0035】
その際、押圧シート7に載置されたシート集積体2Aのシート枚数が多ければ、シート集積体2Aが早期に回転ローラ11に当接し、シート起こしレバー26の揺動が規制され、揺動範囲が小さい。しかし、シート集積体2Aが比較的少量であれば、シート起こしレバー26は予め設定された動作範囲揺動する。シート集積体2Aの厚みによるシート起こしバー26の揺動角度の変動は引張ばね44により吸収する。しかも、揺動するレバー作動部26aに設置した角度検出部材47が角度検出センサ50に到達するため、角度検出センサ50によって検出される。角度検出センサ50により検出された信号に基づいて制御手段63によって中途屈曲駆動手段65を駆動させる。
なお、レバー作動部26aに対する角度検出部材47の位置を調整して角度検出センサ50との距離を予め設定しておくことで、角度検出センサ50で角度検出部材47を検出するシート集積体2Aの枚数、即ち厚みを予め決定することができる。これにより、中途屈曲手段22の作動の要否を判別するシート集積体2Aの枚数を設定できる。
【0036】
図8(b)に示すように、シート起こしレバー26が時計回りに所定角度揺動すると、シート起こしレバー26のシート用バー25を覆う押圧シート7に載置されたシート集積体2Aが作動位置で回転ローラ11に当接する。シート集積体2Aの先端部が回転ローラ11側に屈曲されて、表面のシート2が回転ローラ11に当接する。この状態で、シート集積体2Aの表面のシート2が、繰り出し装置本体6のテープ受け板部19a、19b、19c上に位置決めされた接着テープ3a、3b、3cに部分的に接着される。各接着テープ3a、3b、3cは、1枚目のシート2の先端縁の中央とその両側端部とに接着されて、その位置に保持される。
【0037】
次に、中途屈曲駆動手段65によって第二駆動モータM2を駆動させる。
図6に示すように、スライダー58がスライダユニット57の側面に沿って下方に移動する。すると、スライダユニット57に設けられた引張ばね59が伸張し、引張ばね59の付勢力によってローラ51が引っ張られて動力レバー55が揺動軸52を中心に反時計回りに揺動する。揺動軸52の回転によって揺動アーム53も同一方向に一体揺動するため、リンク部材37が上方移動する(
図8(c)参照)。
リンク部材37の上方移動により、係合フック34が揺動軸35を中心に上方に揺動するため、係合フック34がローラ29と係合する位置に移動する。
【0038】
更に、第一駆動モータM1を逆方向に駆動させると、スライダー41及びスライド板42が作動位置から初期位置に移動する。しかも、スライド板42に設けたストッパー43が回動ローラ38を押動するため、シート起こしレバー26が反時計回りに揺動して初期位置に戻る。そのため、押圧シート7上のシート集積体2Aは、各接着テープ3a、3b、3cに被着された表面のシート2がその位置に残り、他のシート集積体2Aが分離して押圧シート7と共に反時計回り方向に揺動させられる。
この際、ローラ29が係合フック34に当接して揺動レバー27とくさびレバー30がシート用バー25を中心に反時計回り方向に揺動する。これによって、
図8(d)に示すように、くさびレバー30に設けられたくさびバー33がシート集積体2Aの中途部を押圧して外側に屈曲させる。
【0039】
その後、接着テープ3a、3b、3cは不図示のカッタで切断される。
図8(e)に示すように、可動ローラ移動手段66によって揺動軸17を駆動させ、可動ローラ12はアーム部16によって下方に揺動されて表面のシート2を回転ローラ11との間で挟み込む。次いで、回転ローラ回転手段67により回転ローラ11を回転させることで、表面のシート2をエレベータ方向に送り出す。
給紙台8及び押圧シート7に載置するシート集積体2Aのシート枚数が比較的少ない場合には、くさびバー33によってシート集積体2Aの中途部を押して屈曲させることでシート2が乱れることなく、確実に表面の1枚のシート2を分離して繰り出すことができる。
【0040】
次に、自動モードにおいて、シート集積体2Aのシート枚数が比較的多い場合について、
図9を中心に説明する。
この場合、
図5及び
図9(a)において、数枚が多いシート集積体2Aを給紙台8及び押圧シート7に載置させた状態で、シート起こし部材駆動手段64を作動させると第一駆動モータM1が駆動させられる。すると、スライダー41及びスライド板42が回動ローラ38から離間する方向に移動し、スライド板42に設けられた引張ばね44が伸張する。引張ばね44の付勢力によって回動ローラ38が引張ばね44方向に引っ張られ、
図9(b)に示すように、シート起こしレバー26が揺動軸39回りに時計回りに揺動する。すると、シート起こしレバー26の押圧シート7に設けられた厚みの大きいシート集積体2Aの先端部が回転ローラ11に当接する。これにより、シート集積体2Aの表面のシート2が回転ローラ11に当接し、先端縁が繰り出し装置本体6のテープ受け板部19a、19b、19c上に位置決めされた接着テープ3a、3b、3cを部分的に接着させる。
【0041】
押圧シート7に載置されたシート集積体2Aの枚数が多いと回転ローラ11に当接するよう揺動する角度が小さくなり、シート起こしレバー26の揺動が制限される。そのため、レバー作動部26aに設けた角度検出部材47が角度検出センサ50に到達せず、動作範囲に足りないため角度検出部材47を検出できない。角度検出センサ50の信号が制御手段63に出力せず、中途屈曲駆動手段65が作動されない。なお、シート起こしレバー26の揺動範囲の狭さは引張ばね44の伸び量により吸収され、第一駆動モータM1がスライダー41、スライド板42を移動させる移動量はシート集積体2Aの枚数が少ない場合と同じである。
【0042】
次に、第一駆動モータM1を逆方向に駆動させると、
図9(c)に示すように、シート起こしレバー26が反時計回りに揺動して初期位置に戻る。押圧シート7上のシート集積体2Aは、各接着テープ3a、3b、3cに被着された表面のシート2を残して、他のシート集積体2Aが分離して押圧シート7と共に反時計回り方向に揺動させられる。
その後、接着テープ3a、3b、3cは不図示のカッタで切断される。
図9(d)に示すように、可動ローラ移動手段66によって可動ローラ12がアーム部16によって揺動されて表面のシート2を回転ローラ11との間で挟み込む。次いで、回転ローラ回転手段67により回転ローラ11を回転させることで、表面のシート2がエレベータ方向に送り出される。
【0043】
このように、給紙台8及び押圧シート7に載置するシート集積体2Aの数が多数枚の場合には、くさびバー33によってシート集積体2Aの中途部を押さない。シート集積体2Aを中途部で屈曲させることに起因して表面のシート2を複数枚重ねて分離したり複数のシート2が乱されたりすることを防止できる。そのため、シート集積体2Aの枚数が多くても、確実に1枚のシート2を分離して繰り出すことができる。
【0044】
また、設定入力手段62において、手動モードを選択してON操作またはOFF操作する場合には、中途屈曲駆動手段65が作動または遮断される。この選択に応じてくさびバー33でシート集積体2Aの中途部を屈曲させるモードや屈曲させないモードを選択できる。
また、手動モードを選択した場合には、シート集積体2Aの枚数に限らず、シート2同士の目の方向や湿度等に応じてシート集積体2Aの中途部を屈曲させるモードや屈曲させないモードを任意に選択できる。
【0045】
上述したように、本実施形態による包装装置1のシート繰り出し装置5によれば、設定入力手段62によってシート集積体2Aの枚数、或いはシート2同士の繊維の目の方向や湿度等に応じてシート集積体2Aの中途部を屈曲させるモードや屈曲させないモードを選択することができる。そのため、シート集積体2Aからシート2を確実に1枚ずつ分離して繰り出すことができる。
また、シート集積体2Aのシート枚数が多くても、手動モードと自動モードのいずれかを選択して、くさびバー33によるシート集積体2Aの中途屈曲の要否を選択できるため、シート2の繰り出し作業を確実に行なえる。
【0046】
特に自動モードを選択した場合には、角度検出センサ50とシート起こし駆動手段21の角度検出部材47及び引張ばね44とによって、シート集積体2Aの厚みに応じて自動的にシート集積体2Aの中途屈曲の要否を判別できるため、安定してシート2の繰り出しができる。
更に、中途屈曲手段22に引張ばね59を配設したため、シート集積体2Aが厚い場合に、くさびバー33を厚みに応じた位置で屈曲させるので、無理な中途屈曲をさせることがなく、シート集積体2Aが乱れることがない。そのため、安定してシート2の分離と繰り出しを行える。
【0047】
以上、本発明の実施形態による包装装置1のシート繰り出し装置5について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や置換等が可能であり、これらはいずれも本発明に含まれる。以下に、本発明の変形例等について説明するが、上述した実施形態と同一または同様な部分、部材には同一の符号を用いて説明を省略する。
【0048】
上述した実施形態による包装装置1のシート繰り出し装置5によれば、シート起こしレバー26及び押圧シート7の作動によってシート集積体2Aを回転ローラ11に当接する位置まで揺動させる。その際、表面のシート2を接着テープ3a、3b、3cによって接着して他のシート集積体2Aと分離可能にしたが、接着テープ3a、3b、3cに代えてエアを吸引する吸着手段等で吸着させてもよい。接着テープ3a、3b、3cや吸着手段等はシート保持部材に含まれる。
【0049】
シート起こしレバー26はシート起こし部材に含まれる。また、シート起こし駆動手段21における引張ばね44は第一弾性部材に含まれ、中途屈曲手段22における引張ばね59は第二弾性部材に含まれる。
また実施形態では、シート起こし駆動手段21において、シート起こしレバー26が揺動する動作範囲について、角度検出センサ50によってレバー作動部26aに設けた角度検出部材47を検出するようにした。しかし、角度検出部材47を設けずに、角度検出センサ50によって揺動するシート起こしレバー26を直接検出するようにしてもよい。この場合、角度検出センサ50の設置位置を移動調整可能として、移動前のシート起こしレバー26との距離を設定してシート集積体2Aの枚数に応じた中途屈曲手段22の作動の要否を判別することが好ましい。なお、角度検出センサ50はセンサに含まれる。さらに、本実施例では角度検出センサ50がONになった際の信号を出力するようにしたが、角度検出部材47の位置や形状等によりOFFになった際の信号を出力して作動の判別の要否に利用するようにしてもよい。
なお、上述した実施形態では、包装装置1のシート繰り出し装置5について説明したが、これに代えて本発明は包装用以外の他の適宜のシートを繰り出すシート繰り出し装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 包装装置
2 シート
2A シート集積体
3a、3b、3c 接着テープ
7 押圧シート
8 給紙台
10 搬送手段
11 回転ローラ
12 可動ローラ
21 シート起こし駆動手段
22 中途屈曲手段
26 シート起こしレバー
27 揺動レバー
28 作動軸
29 ローラ
30 くさびレバー
33 くさびバー
34 係合フック
35 揺動軸
37 リンク部材
38 回動ローラ
39 揺動軸
40 スライド受け部
41 スライダー
44、59 引っ張りばね
47 角度検出部材
50 角度検出センサ
53 揺動アーム
53a 軸部
58 スライダー
62 設定入力手段
63 制御手段
64 シート起こし部材駆動手段
65 中途屈曲駆動手段
M1 第一駆動モータ
M2 第二駆動モータ