(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022098684
(43)【公開日】2022-07-04
(54)【発明の名称】多軸制御機構
(51)【国際特許分類】
B24B 27/00 20060101AFI20220627BHJP
B25J 17/02 20060101ALI20220627BHJP
B24B 47/04 20060101ALI20220627BHJP
B23Q 5/20 20060101ALI20220627BHJP
【FI】
B24B27/00 A
B25J17/02 G
B25J17/02 F
B24B47/04
B23Q5/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020212218
(22)【出願日】2020-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000149505
【氏名又は名称】大同マシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002033
【氏名又は名称】特許業務法人東名国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】高橋 恒雄
(72)【発明者】
【氏名】青山 敬志
【テーマコード(参考)】
3C034
3C158
3C707
【Fターム(参考)】
3C034AA19
3C034BB06
3C034BB11
3C034BB31
3C034DD20
3C158AA05
3C158AA12
3C158AA13
3C158AA16
3C158BB02
3C158BC02
3C158CB01
3C158CB03
3C707AS12
3C707BT13
3C707BT14
3C707BT18
3C707HS14
(57)【要約】
【課題】研磨用工具の金型の加工面に対する相対的位置を制御し、研磨作業等の自動化を可能とする多軸制御機構の提供の提供を課題とする。
【解決手段】多軸制御機構1は、加工装置本体2、及び研磨用工具3の間に介設され、金型の加工面Fに対する研磨用工具3の相対的位置をX軸、Y軸、及びZ軸に沿って制御可能であり、ツール装着部4と、ツール装着部4に装着された研磨用工具3をX軸方向xに沿って往復摺動可能なX軸摺動機構部5と、Y軸方向yに沿って往復摺動可能なY軸摺動機構部6と、Z軸方向zに沿って往復摺動可能なZ軸摺動機構部7と、X軸周り方向及び/またはY軸周り方向に沿って揺動可能な揺動機構部8と、Z軸周り方向に従って回転させるZ軸回転機構部9とを具備する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工装置本体、及び加工用ツールの間に介設され、前記加工用ツールによって加工作業の行われる加工対象物に対する前記加工用ツールの相対的位置を互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸に沿って制御可能な多軸制御機構であって、
前記加工用ツールを装着可能なツール装着部と、
前記ツール装着部に装着された前記加工用ツールをX軸方向に沿って往復摺動可能なX軸摺動機構部と、
前記X軸摺動機構部に積重され、前記ツール装着部に装着された前記加工用ツールをY軸方向に沿って往復摺動可能なY軸摺動機構部と、
前記X軸摺動機構部及び前記Y軸摺動機構部に積重され、前記ツール装着部に装着された前記加工用ツールをZ軸方向に沿って往復摺動可能なZ軸摺動機構部と、
前記Y軸摺動機構部及び前記Z軸摺動機構部の間に介設され、前記ツール装着部に装着された前記加工用ツールをX軸周り方向、及び/または、Y軸周り方向に沿って揺動可能な揺動機構部と、
前記ツール装着部に装着された前記加工用ツールをZ軸周り方向に従って回転させるZ軸回転機構部と
を具備する多軸制御機構。
【請求項2】
前記X軸摺動機構部は、
一方の面に前記ツール装着部が形成された平板状のX軸摺動板と、
前記Y軸摺動機構部と相対する前記X軸摺動板の他方の面に配設され、X軸方向に沿って平行に配置された一対のX軸リニアガイド部と、
一対の前記X軸リニアガイド部とそれぞれ当接可能に形成され、X軸方向に沿って平行に配置された一対のX軸レール部と
を更に備え、
前記Y軸摺動機構部は、
一方の面に前記X軸レール部が取設された平板状のY軸摺動板と、
前記Y軸摺動板の他方の面に配設され、Y軸方向に沿って平行、かつ、前記X軸リニアガイド部及び前記X軸レール部とそれぞれ直交して配置された一対のY軸リニアガイド部と、
一対の前記リニアガイド部とそれぞれ当接可能に形成され、Y軸方向に沿って平行に配置された一対のY軸レール部と
を更に備える請求項1に記載の多軸制御機構。
【請求項3】
前記Z軸摺動機構部は、
前記加工装置本体とZ軸方向に沿って互いに離間して配置されたZ軸基体部と、
前記加工装置本体及び前記Z軸基体部の間を連結するZ軸連結部と、
前記Z軸連結部によって連結された前記加工装置本体及び前記Z軸基体部の間の距離を伸縮させるZ伸縮機構部と
更に備える請求項1または2に記載の多軸制御機構。
【請求項4】
前記揺動機構部は、
前記Y軸レール部の取設されたY軸基体部と前記Z軸基体部との間に介設され、
前記Y軸基体部及び前記Z軸基体部のいずれか一方に取設され、凹状の湾曲面部を有する軸受部と、
前記Y軸基体部及び前記Z軸基体部のいずれか他方に取設され、前記湾曲面部と当接するボールローラ部と、
前記軸受部及び前記ボールローラ部の周囲に配置され、前記Y軸基体部及び前記Z軸基体部のいずれか一方から前記Y軸基体部及び前記Z軸基体部のいずれか他方に向かって延設され、一端に球形状のボールピン部を有し、シリンダ軸に従って伸縮可能な揺動シリンダ部と、
前記Y軸基体部及び前記Z軸基体部のいずれか他方に形成され、前記揺動シリンダ部の前記ボールピン部と当接可能な逆円錐形状を呈するピン受部と
を更に備える請求項3に記載の多軸制御機構。
【請求項5】
前記X軸摺動機構部、前記Y軸摺動機構部、前記Z軸摺動機構部、前記揺動機構部、及び前記Z軸回転機構部による摺動または回転の駆動力を発生させる駆動用エアシリンダを更に具備する請求項1~4のいずれか一項に記載の多軸制御機構。
【請求項6】
前記加工装置本体は、
複数のアーム部を組合せて形成された多軸制御可能なロボットハンド機構の一部であり、
前記ツール装着部に装着される前記加工用ツールは、
前記加工対象物としての金型の加工面を研磨するための研磨用工具である請求項1~5のいずれか一項に記載の多軸制御機構。
【請求項7】
前記研磨用工具は、
レシプロサンダー、ベルトサンダー、スピンドル、及び精密ポリッシャーのいずれか一つから選択され、
前記ツール装着部は、
選択された前記研磨用工具を換装可能に装着する請求項6に記載の多軸制御機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多軸制御機構に関する。更に詳しくは、装着された加工用ツールの位置を制御し、加工精度の向上を図るものであり、例えば、金型の加工面を研磨する金属加工の研磨作業の自動化を可能とする多軸制御機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の産業技術分野において、ロボットハンド機構を有する多関節ロボットを用いて、溶接作業や塗装作業等を自動化することが行われている。これにより、自動車等の製品を効率的、かつ高精度に大量生産することが可能となっている。
【0003】
一方、予め製作された金型を用いた金型加工技術も従来から知られており、同一形状の製品や部品等を効率的、かつ安価に製造することが行われている。これらの金型は、例えば、射出成形や圧縮成形、或いは真空成形等によって溶融した樹脂を型内に流し込むための「プラスチック用金型」、鋼材等の板状部材を金型間に配置し、高圧で挟み込むことで板状部材を変形させるための「プレス金型」、金属を加熱し溶融状態にした溶湯を型内に流し込み、冷却及び固化させるための「鋳造型」、鋳造型の一種であり、アルミニウム合金や亜鉛合金、或いはマグネシウム合金を型内に高温で圧入するための「ダイカスト金型」、及び、熱間鍛造や冷間鍛造によりピストンや歯車等の機械部品を製造するための「鍛造金型」等が知られている。
【0004】
金型は、原材料となる金属ブロックをマシニングセンタにセットし、NC制御によって放電加工や切削加工を行うことで、設計図通りにプログラミングされた所望の形状に型彫りされた加工面(キャビティ面)を有するように一般的に製作されている。このとき、射出成形等で樹脂や溶湯等が流し込まれ、樹脂等が直に接する加工面の面粗さ、すなわち、当該加工面の加工精度が金型により成形される製品や部品等の品質に大きな影響を及ぼすことが知られている。
【0005】
したがって、金型の製作過程において、上述した放電加工等によって粗加工された加工面に対し、最終仕上げ工程(最終みがき工程)を実施し、当該加工面を鏡面に近い状態まで平滑化する研磨作業が行われている。これにより、金型の加工精度が更に高められ、最終的に成形される製品等の品質を向上させることができる。
【0006】
しかしながら、最終仕上げ工程における加工面の研磨作業は、当該加工面が複雑な凹凸を有して形成されており、また個々の金型において僅かな固体差が生じるため、主として熟練の作業員が手作業でかかる研磨作業を行っていた。
【0007】
これにより、最終仕上げ工程に要する作業時間が長くなる傾向があり、作業効率や金型の製造効率が低下するおそれがあった。更に、研磨作業を行うことのできる熟練の作業員となるまでに多くの時間及び経験が必要となるため、かかる作業員に育成に時間がかかるといった問題もあった。
【0008】
そこで、手作業により行われる最終仕上げ工程の代替として、前述したロボットハンド機構を有する多関節ロボット用いて、かかる研磨作業を自動化する試みも提案されている。
【0009】
例えば、「垂直多関節ロボットのアームの作業端にツールヘッドを取り付け、このツールヘッドの先端に研磨部材ホルダーを取り付け、前記研磨部材ホルダーで研磨部材を自在継手を介して保持し、前記ツールヘッドに、前記研磨部材を回転させるモータ装置と、前記研磨部材を被研磨面に対して略一定の圧力で加圧する加圧装置とを設け、さらに前記研磨部材に、異なる研磨方向を持つ少なくとも2つの研磨工程を所望の回数だけ実施させる動作制御装置を設け、この動作制御装置により第1の研磨工程では被研磨面の予定の開始点から被研磨面の予定の終了点まで、予定の方向に沿って順次前記研磨部材を動かし、次の研磨工程では上記予定の終了点を開始点として、上記予定の方向と異なった方向に沿って、第1の工程における上記予定の開始点に向かって研磨部材を動かすように構成したこと」を特徴する自動金型研磨装置が既に提案されている(特許文献1参照)。これにより、作業時間の短縮化や高精度の加工が可能となる。
【0010】
なお、上記の金型の加工面に対する研磨作業は一例であり、その他一般的な金属の表面磨きも多く実施されている。このような場合であっても、金属の表面に対する高精度な加工や作業時間の短縮化が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述したように、金型やその他金属の加工面(表面)は複雑な凹凸形状を有して構成されており、多関節ロボットによる研磨作業の自動化は困難であった。特に、特許文献1に開示された自動金型研磨装置の場合、金型を研磨するための研磨用工具が取設されたツールヘッドの位置の制御を、複数のロボットアームが連結された多関節のロボットハンド機構によって行われるものであり、研磨用工具と、アーム同士が連結された関節(軸)との間の距離が大きく離れていることがあった。
【0013】
そのため、ロボットアームを連結する軸(関節)の僅かな変位量(変位角)に対し、先端に装着された研磨用工具の変位量(移動量)が箇条に大きくなり易く、研磨用工具の正確な位置の制御が困難となる場合があった。特に、金型の加工面の研磨においては、1mm以下、場合によっては数100μm以下の加工精度で研磨用工具の位置を制御し、変化させる必要があり、上述した既存の多関節ロボットでは、このような高い精度での研磨用工具の制御が難しかった。そのため、依然として作業者による手作業で研磨作業が行われていた。
【0014】
すなわち、熟練した作業員による研磨作業を、従来の多関節ロボットを用いて完全に再現することができなかった。また、上記の金型の加工面に対する研磨作業以外にも、多関節ロボットと力覚センサの併用、或いはその他のロボットを用い、精細な動きを再現し、自動化等をすることができないことがあった。そのため、加工対象物に対する相対的位置を微小なスケールで移動或いは変化させることが可能な多軸制御機構の開発が期待されていた。
【0015】
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、研磨用工具等の加工用ツールの加工対象物に対する相対的位置を微小なスケールで制御し、金型の加工面や金属の表面の研磨作業のような高精度の位置制御が可能な加工を可能とし、研磨作業等の自動化を可能とする多軸制御機構の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
[1] 加工装置本体、及び加工用ツールの間に介設され、前記加工用ツールによって加工作業の行われる加工対象物に対する前記加工用ツールの相対的位置を互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸に沿って制御可能な多軸制御機構であって、前記加工用ツールを装着可能なツール装着部と、前記ツール装着部に装着された前記加工用ツールをX軸方向に沿って往復摺動可能なX軸摺動機構部と、前記X軸摺動機構部に積重され、前記ツール装着部に装着された前記加工用ツールをY軸方向に沿って往復摺動可能なY軸摺動機構部と、前記X軸摺動機構部及び前記Y軸摺動機構部に積重され、前記ツール装着部に装着された前記加工用ツールをZ軸方向に沿って往復摺動可能なZ軸摺動機構部と、前記Y軸摺動機構部及び前記Z軸摺動機構部の間に介設され、前記ツール装着部に装着された前記加工用ツールをX軸周り方向、及び/または、Y軸周り方向に沿って揺動可能な揺動機構部と、前記ツール装着部に装着された前記加工用ツールをZ軸周り方向に従って回転させるZ軸回転機構部とを具備する多軸制御機構。
【0017】
[2] 前記X軸摺動機構部は、一方の面に前記ツール装着部が形成された平板状のX軸摺動板と、前記Y軸摺動機構部と相対する前記X軸摺動板の他方の面に配設され、X軸方向に沿って平行に配置された一対のX軸リニアガイド部と、一対の前記X軸リニアガイド部とそれぞれ当接可能に形成され、X軸方向に沿って平行に配置された一対のX軸レール部とを更に備え、前記Y軸摺動機構部は、一方の面に前記X軸レール部が取設された平板状のY軸摺動板と、前記Y軸摺動板の他方の面に配設され、Y軸方向に沿って平行、かつ、前記X軸リニアガイド部及び前記X軸レール部とそれぞれ直交して配置された一対のY軸リニアガイド部と、一対の前記リニアガイド部とそれぞれ当接可能に形成され、Y軸方向に沿って平行に配置された一対のY軸レール部とを更に備える前記[1]に記載の多軸制御機構。
【0018】
[3] 前記Z軸摺動機構部は、前記加工装置本体とZ軸方向に沿って互いに離間して配置されたZ軸基体部と、前記加工装置本体及び前記Z軸基体部の間を連結するZ軸連結部と、前記Z軸連結部によって連結された前記加工装置本体及び前記Z軸基体部の間の距離を伸縮させるZ伸縮機構部と更に備える前記[1]または[2]に記載の多軸制御機構。
【0019】
[4] 前記揺動機構部は、前記Y軸レール部の取設されたY軸基体部と前記Z軸基体部との間に介設され、前記Y軸基体部及び前記Z軸基体部のいずれか一方に取設され、凹状の湾曲面部を有する軸受部と、前記Y軸基体部及び前記Z軸基体部のいずれか他方に取設され、前記湾曲面部と当接するボールローラ部と、前記軸受部及び前記ボールローラ部の周囲に配置され、前記Y軸基体部及び前記Z軸基体部のいずれか一方から前記Y軸基体部及び前記Z軸基体部のいずれか他方に向かって延設され、一端に球形状のボールピン部を有し、シリンダ軸に従って伸縮可能な揺動シリンダ部と、前記Y軸基体部及び前記Z軸基体部のいずれか他方に形成され、前記揺動シリンダ部の前記ボールピン部と当接可能な逆円錐形状を呈するピン受部とを更に備える前記[3]に記載の多軸制御機構。
【0020】
[5] 前記X軸摺動機構部、前記Y軸摺動機構部、前記Z軸摺動機構部、前記揺動機構部、及び前記Z軸回転機構部による摺動または回転の駆動力を発生させる駆動用エアシリンダを更に具備する前記[1]~[4]のいずれかに記載の多軸制御機構。
【0021】
[6] 前記加工装置本体は、複数のアーム部を組合せて形成された多軸制御可能なロボットハンド機構の一部であり、前記ツール装着部に装着される前記加工用ツールは、前記加工対象物としての金型の加工面を研磨するための研磨用工具である前記[1]~[5]に記載の多軸制御機構。
【0022】
[7] 前記研磨用工具は、レシプロサンダー、ベルトサンダー、スピンドル、及び精密ポリッシャーのいずれか一つから選択され、前記ツール装着部は、選択された前記研磨用工具を換装可能に装着する前記[6]に記載の多軸制御機構。
【発明の効果】
【0023】
本発明の多軸制御機構は、加工用ツールの相対的位置をX軸、Y軸、及びZ軸に沿って制御し、かつ、X軸及びY軸の軸周りに対する揺動、及び、Z軸の軸周りの回転を制御することで、加工用ツールの精細な位置制御を行うことが可能となり、金型の加工面の研磨作業のような精密な加工であっても自動化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本実施形態の多軸制御機構の概略構成を示す説明図である。
【
図2】多軸制御機構の概略構成を模式的に示す側方から視た説明図である。
【
図3】多軸制御機構の概略構成を模式的に示す、
図2の側方視方向と直交すする側方から見た説明図である。
【
図4】多軸制御機構のX軸方向の摺動を模式的に示す説明図である。
【
図5】多軸制御機構のY軸方向の摺動を模式的に示す説明図である。
【
図6】多軸制御機構のZ軸方向の摺動を模式的に示す説明図である。
【
図7】多軸制御機構の揺動を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しつつ、本発明の多軸制御機構の実施の形態について説明する。なお、本発明の多軸制御機構は、以下に示すものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、種々の設計の変更、修正、及び改良等を加え得るものである。
【0026】
1.多軸制御機構
本発明の一実施形態の多軸制御機構1は、
図1~
図11に示すように、加工装置本体2及び研磨用工具3の間に介設され、当該研磨用工具3を用いて実施される金型の加工面Fに対する研磨作業を自動化するためのものであり、金型の加工面Fに対する研磨用工具の相対的位置を互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸に沿って制御可能なものである。
【0027】
本実施形態の多軸制御機構1の装着される加工装置本体2は、複数のアーム部(図示しない)を組み合わせて形成され、多軸制御可能なロボットハンド機構(多関節ロボット)の一部であり、加工装置本体2に相対する側の多軸制御機構1に装着された研磨用工具3が本発明における加工用ツールに相当し、金型の加工面Fが本発明における加工対象物に相当する。なお、本発明の多軸制御機構は、金型の加工面Fの研磨作業のための使用に限定されるものではなく、金属或いはその他種々の材料における表面の研磨等の加工作業に使用することができる。
【0028】
すなわち、既存のロボットハンド機構を有する多関節ロボットを利用し、金型の加工面Fに対して研磨用工具3を近接させた状態に制御し、更に本実施形態の多軸制御機構1を用いて研磨用工具3による研磨作業(本発明における加工作業に相当)を精細に制御するものである。これにより、金型の加工面Fに対する移動量の大きな動きは、多関節ロボットによって行い、更に研磨作業における精細な相対的位置や角度等を本実施形態の多軸制御機構1によって行うことができる。ここで、ロボットハンド機構、及び多関節ロボット等の構成及び制御については、既に周知のものであり、ここでは詳細な説明は省略する。
【0029】
上記構成を備える多軸制御機構1を採用することで、金型の製造過程において実施される金型の加工面Fの凹凸形状を整え、最も人手で労力のかかる機械加工目の均し作業の自動化を図ることができる。特に、従来の多関節ロボットを用いた金型の自動研磨(例えば、特許文献1参照)と比較し、研磨用工具3の相対的位置を制御する多軸制御が研磨用工具3と近接した位置で実施することが可能となり、多軸制御に伴う位置のずれやブレ、振動等を発生する可能性が低くなり、より精細な制御が可能となる。そのため、数100μm以下の精細な制御が必要とされる金型の加工面Fに対する研磨作業であっても高精度の加工が可能となる。
【0030】
以下、本実施形態の多軸制御機構1における各構成について具体的に説明を行う。また、
図1~
図11(特に、
図2~
図7)において、図面及び説明を簡略化するため、本実施形態の多軸制御機構1の一部構成についての図示を省略し、模式化したものを示している。本実施形態の多軸制御機構1は、一例として、金型3(本発明における加工対象物に相当)の加工面Fに対する研磨作業を行うものを以下に説明するものであり、本願発明の多軸制御機構はこれに限定されるものではなく、その他の金属で構成された部材を加工対象物とし、かかる金属の表面の磨き作業(研磨作業)の自動化のために用いるものであってもよい。
【0031】
本実施形態の多軸制御機構1は、研磨用工具3の金型の加工面Fに対する相対的位置を互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸に沿って制御可能なものであり、多軸制御機構1の一端側(加工装置本体2の連結側と相対する側)に、研磨用工具3を装着可能なツール装着部4が設けられている。なお、本実施形態の多軸制御機構1において、X軸方向は、
図1における紙面手前から紙面奥行き方向に相当し、Y軸方向は、X軸方向に直交し、
図1における紙面左右方方向に相当し、Z軸方向は、X軸方向及びY軸方向に直交し、
図1における紙面上下方向に相当する(
図2,
図5~
図7においても同様)。X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向は、それぞれx、y、zの符号を付して図面に適宜示している。
【0032】
加えて、本実施形態の多軸制御機構1は、その具体的な構成として、ツール装着部4に装着された研磨用工具3をX軸方向xに沿って往復摺動可能なX軸摺動機構部5と、Y軸方向yに沿って往復摺動可能なY軸摺動機構部6と、Z軸方向zに沿って往復摺動可能なZ軸摺動機構部7と、X軸周り方向rx、及び/または、Y軸周り方向ryに沿って揺動可能な揺動機構部8と、Z軸周り方向rzに従って回転させるZ軸回転機構部9とを具備して主に構成されている。
【0033】
これにより、本実施形態のツール装着部4に装着された研磨用工具3は、X軸、Y軸、及びZ軸の三つの軸方向に沿った位置制御に加え、X軸周り及びY軸周りの揺動、及び、Z軸周りの回転による位置制御が可能となる。その結果、研磨用工具3の金型の加工面Fに対する相対的位置を精細かつ複雑に制御することが可能となる。
【0034】
2.ツール装着部
本実施形態の多軸制御機構1におけるツール装着部4は、研磨用工具3等の加工用ツールを装着可能なものであり、ボルト及びナット、或いは固定ネジ等による締結、或いはそのた周知のロック機構や固定手段を採用することができる。更に、金型の加工面Fに対する研磨の状態や研磨作業の進捗に応じて、ツール装着部4に装着する研磨用工具3等を容易に換装することが可能なオートツールチェンジャー等の機構を備えるものであっても構わない。例えば、研磨用工具3として、
図1にはレシプロサンダーを装着したものが図示されている。
【0035】
更に、その他の研磨用工具として、例えば、
図9に示すようなベルトサンダー3a、
図10に示すようなスピンドル3b、及び
図11に示すような精密ポリッシャー3c等を研磨の状況に応じて適宜交換することが可能である。
【0036】
3.X軸摺動機構部
本実施形態の多軸制御機構1におけるX軸摺動機構部5は、一方の面10aに上述のツール装着部4が設けられるとともに、X軸方向x(
図2における紙面左右方向に相当)に沿って摺動(スライド)可能な平板状のX軸摺動板10と、Y軸摺動機構部6の一部構成であるY軸基体部32(詳細は後述する。)と相対するX軸摺動10の他方の面10bに配設され、X軸方向xに沿って平行に配置された一対のX軸リニアガイド部11a,11bと、一対のX軸リニアガイド部11a,11bとそれぞれ当接可能に形成され、X軸方向xに沿って平行に配置された一対のX軸レール部12a,12bとを備えて構成されている。
【0037】
X軸リニアガイド部11a,11bは、
図2に示すように、断面凹状のガイド溝部13を有し、当該ガイド溝部13の幅とX軸レール部12a,12bの幅が一致するように形成されている。これにより、直線状(リニア状)のX軸レール部12a,12bに沿って平板状のX軸摺動板10が摺動(スライド)することができる。なお、X軸摺動板10を摺動させるための駆動力は、
図3等に示すように、X軸摺動板10の紙面左右方向にそれぞれ設置されたX軸駆動用エアシリンダ14a,14bによって発生させることができる。
【0038】
すなわち、X軸駆動用エアシリンダ14a,14bのシリンダ軸15a,15bを伸縮させるように空気圧で制御することで、X軸摺動板10をシリンダ軸15a,15bで左右から押し出してX軸摺動板10の位置を変位させることができる。かかるX軸駆動用エアシリンダ14a,14bの制御は、予めプログラミングされており、研磨作業の進捗状況においてX軸摺動板10及びこれに装着された研磨用工具3のX軸方向xにおける相対的位置を変化させることができる。
【0039】
なお、
図3は、
図2の多軸制御機構1を直交する側方向(紙面左方向)から視た図を示している。そのため、X軸方向は、
図3における紙面左右方向に相当し、Y軸方向は、X軸方向に直交し、
図3における紙面手前から紙面奥行き方向に相当し、Z軸方向は、X軸方向及びY軸方向に直交し、
図1における紙面上下方向に相当する(
図4においても同様)。ここで、
図4は、X軸駆動用シリンダ14a,14bを用い、X軸摺動板10を紙面左方向に移動するように制御した状態を示している。
【0040】
このように、一対のX軸駆動用エアシリンダ14a,14bを利用し、空気圧を用いてX軸摺動板10を所望の位置に正確、かつ、速やかに移動させることができる。これにより、X軸摺動板10とツール装着部4を介して接続された研磨用工具3の金属の加工面に対するX軸の相対的位置を高精度に制御することができる。
【0041】
4.Y軸摺動機構部
本実施形態の多軸制御機構1におけるY軸摺動機構部6は、一方の面16aに前述のX軸レール部が取設され、Y軸方向yに沿ってスライド可能な平板状のY軸摺動板16と、Y軸摺動板16の他方の面16bに配設され、Y軸方向yに沿って、かつ、X軸リニアガイド部11a,11b及びX軸レール部12a,12bとそれぞれ直交して配置された一対のY軸リニアガイド部17a,17bと、一対のY軸リニアガイド部17a,17bとそれぞれ当接可能に形成され、Y軸方向yに沿って平行に配置された一対のY軸レール部18a,18bとを備えて構成されている。
【0042】
Y軸リニアガイド部17a,17bは、
図2に示すように、断面凹状のガイド溝部19を有し、当該ガイド溝部19の幅とY軸レール部18a,18bの幅が一致するように形成されている。これにより、直線状(リニア状)のY軸レール部18a,18bに沿って平板状のY軸摺動板16が摺動(スライド)することができる。
【0043】
なお、Y軸摺動板16を摺動させるための駆動力は、
図2等に示すように、Y軸摺動板16の紙面左右方向にそれぞれ配置されたY軸駆動用エアシリンダ20a,20bによって発生させることができる。すなわち、Y軸駆動用エアシリンダ20a,20bのシリンダ軸21a,21bを伸縮させることにより、Y軸摺動板16の位置を変位させることができる。ここで、
図5は、Y軸駆動用エアシリンダ20a,20bを用い、Y軸摺動板16を紙面左方向に移動させた状態を示している。Y軸駆動用エアシリンダ20a,20bbを用いたY軸摺動板16の摺動は、X軸駆動用エアシリンダ14a,14bを用いたX軸摺動板10の摺動と略同一のため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0044】
一対のY軸駆動用エアシリンダ20a,20bを利用することで、Y軸摺動板16を所望の位置に正確、かつ、速やかに移動させることができる。これにより、Y軸摺動板16とツール装着部4及びX軸摺動板10を介して接続された研磨用工具3の金属の加工面に対するY軸の相対的位置を高精度に制御することができる。
【0045】
特に、本実施形態の多軸制御機構1は、
図1~
図3等に示すように、X軸摺動機構部5及びY軸摺動機構部6は、いずれもZ軸方向zの高さが低く、略扁平状を呈して構成されている。すなわち、X軸摺動機構部5及びY軸摺動機構部6は、平板状のX軸摺動板10及びY軸摺動板16によって主に構成され、これらが互いにZ軸方向zに沿って積重するように形成されている。
【0046】
これにより、X軸方向x及びY軸方向yに沿った研磨用工具3の相対的位置の制御を、略平面上で制御することができる。これにより、従来の多関節ロボットと比較して、研磨用工具3の相対的位置の制御のための機構をコンパクトなものとすることができる。これにより、既存の多関節ロボットやロボットハンド機構の一部に取り付け、更に研磨用工具3の精細な制御を行うことができる。
【0047】
5.Z軸摺動機構部
本実施形態の多軸制御機構1におけるZ軸摺動機構部7は、加工装置本体2とZ軸方向zに沿って互いに離間して配置された平板状のZ軸基体部22と、加工装置本体2及びZ軸基体部22の間を連結するZ軸連結部23と、Z軸連結部23によって連結された加工装置本体2及びZ軸基体部の間の距離を伸縮させるZ軸伸縮機構部24とを更に備えて構成されている。
【0048】
更に具体的に説明すると、Z軸連結部23は、加工装置本体2とZ軸基体部22との間を連結するものであって、加工装置本体2からZ軸基体部22に向かって延設された棒軸上のZ軸部25a,25bと、Z軸基体部22から加工装置本体2に向かって延設され、Z軸部25a,25bを挿通可能な軸孔部26a,26bを有するZ軸支持部27a,27bとを備えている。ここで、Z軸部25a,25bの軸径と、軸孔部26a,26bの孔径とが略同一に形成されており、軸孔部26a等に対してZ軸部25a等を嵌設することができる。これにより、加工装置本体2に対するZ軸基体部22のZ軸方向zに沿った摺動をガイドすることができる。
【0049】
更に、Z軸伸縮機構部24は、上記の加工装置本体2に対するZ軸基体部22の摺動を可能とするための駆動力を発生させるZ軸駆動用エアシリンダ28によって構成されており、加工装置本体2に取設されたシリンダ本体29から突出し、Z軸基体部22と一端が接続したシリンダ軸30のシリンダ軸長さを変化させることにより、上記のZ軸方向zに沿った摺動が可能となる。ここで、本実施形態の多軸制御機構1におけるZ軸摺動機構部7は、Z軸基体部22を、空気圧を利用して加工装置本体2側に持ち上げるバランス用エアシリンダ31a,31bを更に備えている。ここで、
図6は、Z軸駆動用エアシリンダ28を用い、加工装置本体2に対してZ軸基体部22を離間させた状態、換言すれば、シリンダ本体29からシリンダ軸30を最大限突出させた状態を示している。
【0050】
6.揺動機構部
本実施形態の多軸制御機構1における揺動機構部8は、
図2及び
図3等に示すように、Y軸レール部18a,18bの取設されたY軸基体部32とZ軸基体部22との間に介設され、Z軸基体部22に取設され、凹状の湾曲面部33を有する軸受部34と、Y軸基体部32に取設され、湾曲面部33と当接するボールローラ部35と、軸受部34及びボールローラ部35の周囲に配置され、Z軸基体部22からY軸基体部32に向かって延設され、一端に球形状のボールピン部36を有し、シリンダ軸37に従って揺動可能な揺動シリンダ部38と、Y軸基体部32に形成され、揺動シリンダ部38のボールピン部36と 当接可能な逆円錐形状を呈するピン受部39とを更に備えて構成されている。
【0051】
湾曲面部33を有する軸受部34及び当該湾曲面部33と面接触するローラ表面を有するボールローラ部35を備えることにより、Z軸基体部22に対し、Y軸基体部32をX軸周り方向rx及びY軸周り方向ryに沿って揺動することができる(
図7参照)。これにより、多軸制御機構1の先端側、換言すれば、ツール装着部4に装着された研磨用工具3に近接する位置で、研磨用工具3のX軸周り方向rx及びY軸周り方向ryの角度を変位させることができる。これにより、3軸制御に加え、研磨用工具3に人間の手の動き、例えば、ひねりのような複雑な動きを再現させることができる。これにより、従来は手作業で行われていた動きが可能となり、研磨作業の自動化のための制御が可能となる。
【0052】
ここで、かかる揺動を可能とするための駆動力は、揺動シリンダ部38によって得ることができる。すなわち、揺動シリンダ部38のシリンダ軸37の伸縮によって、シリンダ軸37の先端に設けられたボールピン部36と、相対する逆円錐形状のピン受部39との当接状態が変化する。例えば、一方の揺動シリンダ部38(
図7における紙面左側に位置)のシリンダ軸37を縮むように制御し、他方の揺動シリンダ部38(
図7における紙面右側に位置)のシリンダ軸37を伸ばすように制御することで、Y軸基体部32が右側を下にして斜めに傾いた状態にすることができる。これにより、Y軸基体部32を有するY軸摺動機構部6、Y軸摺動機構部6に積重されたX軸摺動機構部5、及びX軸摺動機構部5とツール装着部4を介して接続された研磨用工具3が全て同様に傾いた状態となる。
【0053】
このとき、Z軸基体部22に取設された軸受部34の位置は変化させず、軸受部34の湾曲面部33と当接するボールローラ部35の当接位置が変位する。また、シリンダ軸37の伸縮によって、シリンダ軸37の先端のボールピン部36と円錐形状のピン受部39との当接位置が変化する。更に、シリンダ軸37の伸縮を元の状態に復帰させることにより、Z軸基体部22及びY軸基体部32が平行になる元の状態に戻る。
【0054】
なお、上述した揺動機構部8による揺動シリンダ部38の動きを組み合わせることにより、Y軸基体部32の傾き状態の創出の他に、Z軸基体部22に対してY軸基体部32をZ軸周り方向rzに従って回転させることもできる。なお、
図8に示すように、Y軸基体部32にはZ軸周り方向rzの回転をガイドするZ軸回転ガイド部40が設けられている。
【0055】
以上、示したように、本実施形態の多軸制御機構1は、X軸、Y軸、Z軸の三つの軸方向x,y,zの制御、X軸周り方向rx及びY軸周り方向ryの揺動、及び、Z軸周り方向rzの回転を行うことができる。これにより、本実施形態の多軸制御機構1は、従来は再現することができなかった複雑な動きをツール装着部4に装着された研磨用工具3に対して行うことができる。特に、既存の多関節ロボット(加工装置本体2)の動きと組み合わせることにより、金型の加工面Fのような加工対象物に対する精細な相対的位置の制御が可能となり、人間の手の動きに近い動作を研磨用工具3に対して再現させることが可能となる。その結果、これらの制御動作を予めプログラミングすることで、金型の加工面Fに対する研磨作業を自動化することができ、金型製造にかかる効率化、及び製造コストの削減が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の多軸制御機構は、金型の加工面の研磨作業やその他金属加工における金属の表面の研磨作業等の種々の機械加工の分野において産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0057】
1:多軸制御機構、2:加工装置本体、3:研磨用工具(加工用ツール)、3a:ベルトサンダー(加工用ツール)、3b:スピンドル(加工用ツール)、3c:精密ポリッシャー(加工用ツール)、4:ツール装着部、5:X軸摺動機構部、6:Y軸摺動機構部、7:Z軸摺動機構部、8:揺動機構部、9:Z軸回転機構部、10:X軸摺動板、10a,16a:一方の面、10b,16b:他方の面、11a,11b:X軸リニアガイド部、
12a,12b:X軸レール部、13,19:ガイド溝部、14a,14b:X軸駆動用エアシリンダ、15a,15b,21a,21b,30,37:シリンダ軸、16:Y軸摺動板、17a,17b:Y軸リニアガイド部、18a,18b:Y軸レール部、20a,20b:Y軸駆動用エアシリンダ、22:Z軸基体部、23:Z軸連結部、24:Z軸伸縮機構部、25a,25b:Z軸部、26a,26b:軸孔部、27a,27b:Z軸支持部、28:Z軸駆動用エアシリンダ、29:シリンダ本体、31a,31b:バランス用エアシリンダ、32:Y軸基体部、33:湾曲面部、34:軸受部、35:ボールローラ部、36:ボールピン部、38:揺動シリンダ部、39:ピン受部、F:金型の加工面、rx:X軸周り方向、ry:Y軸周り方向、rz:Z軸周り方向、x:X軸方向、y:Y軸方向、z:Z軸方向。