(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022098785
(43)【公開日】2022-07-04
(54)【発明の名称】衝撃吸収構造体
(51)【国際特許分類】
F16F 7/12 20060101AFI20220627BHJP
F16F 15/02 20060101ALI20220627BHJP
F16F 7/00 20060101ALI20220627BHJP
B62D 21/15 20060101ALI20220627BHJP
B60R 19/34 20060101ALI20220627BHJP
【FI】
F16F7/12
F16F15/02 Z
F16F7/00 B
F16F7/00 K
B62D21/15 B
B60R19/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020212379
(22)【出願日】2020-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】高島 宏明
【テーマコード(参考)】
3D203
3J048
3J066
【Fターム(参考)】
3D203BB16
3D203CA40
3D203DA22
3J048AA06
3J048AC06
3J048AD05
3J048BD01
3J048DA04
3J048EA36
3J066AA23
3J066BA03
3J066BB01
3J066BC03
3J066BD05
3J066BE01
3J066BF01
3J066BG04
(57)【要約】
【課題】製造コストを低減すること。
【解決手段】複数の繊維束30が、低強度部32の占める割合が一般部形成部31の占める割合以上となるように脆弱部15を形成し、且つ、一般部形成部31の占める割合が低強度部32の占める割合よりも大きくなるように一般部14を形成すべく配置される。これにより、繊維束30からなる繊維構造体20が形成され、ひいては衝撃吸収構造体が製造される。したがって、衝撃吸収構造体を製造する際に、一般部14を形成する繊維構造体20と、脆弱部15を形成する繊維構造体20と、をそれぞれ別々に製造する必要が無い。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の繊維束を有する繊維構造体にマトリックス材料を複合化して構成されるとともに、一般部と、前記一般部よりも強度が低い脆弱部と、を有し、衝撃荷重を受けた際に衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収構造体であって、
複数の前記繊維束の少なくとも一部は、一般部形成部と、前記一般部形成部よりも強度が低い低強度部と、を有し、
前記一般部形成部及び前記低強度部は、前記繊維束の延びる方向に互いに配列されており、
前記複数の繊維束の少なくとも一部は、前記低強度部の占める割合が前記一般部形成部の占める割合以上となるように前記脆弱部を形成し、且つ、前記一般部形成部の占める割合が前記低強度部の占める割合よりも大きくなるように前記一般部を形成すべく配置されていることを特徴とする衝撃吸収構造体。
【請求項2】
前記繊維束は、前記一般部形成部を形成する第1繊維と、前記低強度部を形成する第2繊維と、を有していることを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝撃吸収構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、バンパと車体のサイドメンバとの間には、衝撃吸収構造体が配置されている。衝撃吸収構造体は、車両がバンパ側から過大な衝撃荷重を受けた場合に、破壊されることにより衝撃エネルギーを吸収する。衝撃吸収構造体は、一般部と、一般部よりも強度が低い脆弱部と、を有している場合がある。この場合、衝撃吸収構造体が衝撃荷重を受けた際に、一般部よりも脆弱部の方が座屈し易いため、例えば、衝撃吸収構造体が脆弱部を有していない構成に比べると、衝撃吸収構造体の破壊が安定的に行われ易くなり、衝撃エネルギーを効率良く吸収することができる。このような衝撃吸収構造体において、例えば、特許文献1では、一般部と脆弱部とを、種類の異なる繊維構造体によってそれぞれ形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のように、一般部と脆弱部とを種類の異なる繊維構造体によってそれぞれ形成する場合、一般部を形成する繊維構造体と、脆弱部を形成する繊維構造体と、をそれぞれ別々に製造する必要があるため、製造コストが増大する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための衝撃吸収構造体は、複数の繊維束を有する繊維構造体にマトリックス材料を複合化して構成されるとともに、一般部と、前記一般部よりも強度が低い脆弱部と、を有し、衝撃荷重を受けた際に衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収構造体であって、複数の前記繊維束の少なくとも一部は、一般部形成部と、前記一般部形成部よりも強度が低い低強度部と、を有し、前記一般部形成部及び前記低強度部は、前記繊維束の延びる方向に互いに配列されており、前記複数の繊維束の少なくとも一部は、前記低強度部の占める割合が前記一般部形成部の占める割合以上となるように前記脆弱部を形成し、且つ、前記一般部形成部の占める割合が前記低強度部の占める割合よりも大きくなるように前記一般部を形成すべく配置されている。
【0006】
これによれば、複数の繊維束の少なくとも一部が、低強度部の占める割合が一般部形成部の占める割合以上となるように脆弱部を形成し、且つ、一般部形成部の占める割合が低強度部の占める割合よりも大きくなるように一般部を形成すべく配置されることにより繊維束からなる繊維構造体が形成され、ひいては衝撃吸収構造体が製造される。したがって、衝撃吸収構造体を製造する際に、一般部を形成する繊維構造体と、脆弱部を形成する繊維構造体と、をそれぞれ別々に製造する必要が無く、製造コストを低減できる。
【0007】
上記衝撃吸収構造体において、前記繊維束は、前記一般部形成部を形成する第1繊維と、前記低強度部を形成する第2繊維と、を有しているとよい。
これによれば、繊維構造体を構成する繊維束を、一般部形成部を形成する第1繊維と、低強度部を形成する第2繊維と、から形成することによって、衝撃吸収構造体の一般部の強度と、脆弱部の強度と、を所望の大きさに調整し易くすることができる。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、衝撃吸収構造体を具体化した一実施形態を
図1~
図4にしたがって説明する。本実施形態の衝撃吸収構造体は、例えば、車両に用いられる。具体的には、車両の前方に設けられる。なお、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」とは、車両の運転者が前方(前進方向)を向いた状態を基準とした場合の「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」のことをいう。
【0011】
図1に示すように、車両において、左右両側に設けられたフロントサイドメンバ11の前端部同士の間には、フロントクロスメンバ12が車幅方向に連結するように設けられている。フロントサイドメンバ11の前端部には、衝撃吸収構造体10がフロントバンパ13を支持するように設けられている。
【0012】
図2及び
図3に示すように、衝撃吸収構造体10は、四角筒状の繊維強化複合材製である。衝撃吸収構造体10は、繊維構造体20にマトリックス材料21を複合化して構成される繊維強化複合材である。衝撃吸収構造体10の軸線Lの延びる方向は、車両の前後方向と一致する。マトリックス材料21としては、例えば、エポキシ樹脂等が挙げられる。衝撃吸収構造体10は、一般部14と、一般部14よりも強度が低い脆弱部15と、を有している。一般部14と脆弱部15とは、一体形成されている。
【0013】
繊維構造体20は、複数の経糸層22と、複数の緯糸層23と、を有している。複数の経糸層22は、衝撃吸収構造体10の軸線方向に延びる経糸24が衝撃吸収構造体10の周方向に複数配列されることにより形成されている。複数の緯糸層23は、衝撃吸収構造体10の周方向に延びる緯糸25が衝撃吸収構造体10の軸線方向に複数配列されることにより形成されている。したがって、経糸24と緯糸25とは互いに直交している。複数の経糸層22と複数の緯糸層23とは、衝撃吸収構造体10の内周面から外周面に向かう方向に交互に配置された状態で積層されている。なお、以下の説明において、複数の経糸層22と複数の緯糸層23とが積層される方向を、単に、「積層方向Z」と記載する。積層方向Zは、経糸24が延びる方向に対して直交し、且つ緯糸25が延びる方向に対して直交する。
【0014】
繊維構造体20は、複数の層間結合糸26を有している。複数の層間結合糸26は、衝撃吸収構造体10の周方向に配列されている。各層間結合糸26は、経糸層22に対して積層方向Zの一方の端部に位置する緯糸層23の緯糸25の外面で折り返されながら緯糸25に係合される。その後、各層間結合糸26は、隣り合う経糸24同士の間を通過しながら、経糸層22に対して積層方向Zの他方の端部に位置する緯糸層23に向かって延び、経糸層22に対して積層方向Zの他方の端部に位置する緯糸層23の緯糸25の外面で折り返されながら緯糸25に係合される。そして、各層間結合糸26は、隣り合う経糸24同士の間を通過しながら、経糸層22に対して積層方向Zの一方の端部に位置する緯糸層23に向かって延び、経糸層22に対して積層方向Zの一方の端部に位置する緯糸層23の緯糸25の外面で折り返されながら緯糸25に係合される。これが繰り返し行われることにより、各層間結合糸26が、各緯糸層23の緯糸25にそれぞれ係合され、経糸層22と各緯糸層23とを結合している。繊維構造体20は、多層織によって製造された多層織物である。本実施形態では、経糸24は、繊維束30により形成されている。繊維束30は、混紡糸である。
【0015】
図4に示すように、繊維束30は、一般部形成部31と、一般部形成部31よりも強度が低い低強度部32と、を有している。一般部形成部31及び低強度部32は、繊維束30の延びる方向に互いに配列されている。一般部形成部31は、第1繊維33を有している。低強度部32は、第2繊維34を有している。本実施形態では、第1繊維33として中弾性率の炭素繊維が使用されている。第2繊維34として低弾性率の炭素繊維が使用されている。中弾性率の炭素繊維の引張強度は、低弾性率の炭素繊維の引張強度よりも高いため、第1繊維33の引張強度は、第2繊維34の引張強度よりも高い。第1繊維33及び第2繊維34は、短繊維である。
【0016】
本実施形態の繊維束30は、例えば、練条工程の際に、第1繊維33により形成されている繊維束形成糸に対して、第2繊維34を混ぜることにより、第1繊維33からなる一般部形成部31と、第1繊維33及び第2繊維34からなる低強度部32と、を有する繊維束30が製造されている。低強度部32における単位断面積当たりの第1繊維33の数は、一般部形成部31における単位断面積当たりの第1繊維33の数よりも第2繊維34が存在する分だけ少ない。したがって、低強度部32は、一般部形成部31よりも強度が低くなっている。繊維束30において、一般部形成部31の占める割合は、繊維束30における低強度部32の占める割合よりも大きい。なお、緯糸25及び層間結合糸26は、例えば、第1繊維33と同等な引張強度である繊維によって形成されている。
【0017】
図3に示すように、一般部14は、経糸24の一般部形成部31と、複数の緯糸25のうち、経糸24の一般部形成部31と積層方向Zで重なる緯糸25と、各層間結合糸26における経糸24の配列方向で隣り合う経糸24の一般部形成部31同士の間を通過する部位と、によって形成されている。脆弱部15は、経糸24の低強度部32と、複数の緯糸25のうち、経糸24の低強度部32と積層方向Zで重なる緯糸25と、各層間結合糸26における経糸24の配列方向で隣り合う経糸24の低強度部32同士の間を通過する部位と、によって形成されている。よって、一般部14は、繊維束30の一般部形成部31が複数配置されることにより形成されている。脆弱部15は、繊維束30の低強度部32が複数配置されることにより形成されている。
【0018】
なお、本実施形態の一般部14には、繊維束30の低強度部32は配置されていない。また、本実施形態の脆弱部15には、繊維束30の一般部形成部31は配置されていない。したがって、複数の繊維束30は、低強度部32の占める割合が一般部形成部31の占める割合以上となるように脆弱部15を形成し、且つ、一般部形成部31の占める割合が低強度部32の占める割合よりも大きくなるように一般部14を形成すべく配置されている。
【0019】
次に、本実施形態の作用について説明する。
図1、
図2及び
図3に示すように、衝撃吸収構造体10に対して衝撃荷重が加わる方向を「荷重方向X」とする。例えば、荷重方向Xは、車両の前方から後方へ向かう方向である。フロントバンパ13が荷重方向Xに過大な衝撃荷重を受けると、フロントバンパ13を介して衝撃吸収構造体10に衝撃荷重が加わる。このとき、脆弱部15は、一般部14よりも強度が低いため、一般部14よりも脆弱部15の方が座屈し易い。したがって、例えば、脆弱部15が一般部14よりも先に座屈して、脆弱部15が一般部14よりも先に破壊される。その後、一般部14も座屈して破壊されることで、衝撃吸収構造体10の全体が破壊される。これにより、衝撃エネルギーが吸収される。よって、例えば、衝撃吸収構造体10が脆弱部15を有していない構成に比べると、衝撃吸収構造体10の破壊が安定的に行われ易く、衝撃吸収エネルギーが効率良く吸収される。
【0020】
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)複数の繊維束30が、低強度部32の占める割合が一般部形成部31の占める割合以上となるように脆弱部15を形成し、且つ、一般部形成部31の占める割合が低強度部32の占める割合よりも大きくなるように一般部14を形成すべく配置される。これにより、繊維束30からなる繊維構造体20が形成され、ひいては衝撃吸収構造体10が製造される。したがって、衝撃吸収構造体10を製造する際に、一般部14を形成する繊維構造体20と、脆弱部15を形成する繊維構造体20と、をそれぞれ別々に製造する必要が無く、製造コストを低減できる。
【0021】
(2)繊維構造体20を構成する繊維束30を、一般部形成部31を形成する第1繊維33と、低強度部32を形成する第2繊維34と、から形成することによって、衝撃吸収構造体10の一般部14の強度と、脆弱部15の強度と、を所望の大きさに調整し易くすることができる。
【0022】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0023】
○ 実施形態において、繊維束30は、練条工程の際に、第1繊維33により形成されている繊維束形成糸に対して、第2繊維34を混ぜることにより製造されていたが、練条工程の際に、第2繊維34により形成されている繊維束形成糸に対して、第1繊維33を混ぜることにより製造されていてもよい。
【0024】
○ 実施形態において、繊維束30は、練条工程の際に、第1繊維33により形成されている繊維束形成糸に対して、第2繊維34を混ぜることにより、第1繊維33からなる一般部形成部31と、第1繊維33と第2繊維34とからなる低強度部32と、を有するように製造されていたが、これに限らない。例えば、第1繊維33からなる繊維束形成糸に対して、繊維束形成糸の一部を構成する第1繊維33を第2繊維34に置き換えることによって、繊維束30を製造してもよい。この場合、低強度部32は、第2繊維34のみから形成される。要は、第1繊維33が一般部形成部31を形成し、第2繊維34が低強度部32を形成するように繊維束30が製造されていればよい。
【0025】
○ 実施形態において、繊維束30は、練条工程の際に製造されていたが、これに限らない。例えば、粗紡工程の際に製造されていてもよいし、精紡工程の際に製造されていてもよい。
【0026】
○ 実施形態において、一般部14に、繊維束30の低強度部32が配置されていてもよい。この場合、一般部形成部31の占める割合が低強度部32の占める割合よりも大きくなるように一般部14が形成されている必要がある。要は、一般部14よりも脆弱部15の方が座屈し易い程度に一般部14に繊維束30の低強度部32が配置されていればよい。なお、一般部14における一般部形成部31の配置される位置、及び一般部14における低強度部32の配置される位置は、特に限定されるものではない。例えば、一般部14において、積層方向Zの一方の端部寄りに一般部形成部31が配置され、積層方向Zの他方の端部寄りに低強度部32が配置されていてもよいし、積層方向Zにおいて、一般部形成部31と低強度部32とが、交互に配置されていてもよい。
【0027】
○ 実施形態において、脆弱部15に、繊維束30の一般部形成部31が配置されていてもよい。この場合、低強度部32の占める割合が一般部形成部31の占める割合以上となるように脆弱部15が形成されている必要がある。要は、一般部14よりも脆弱部15の方が座屈し易い程度に脆弱部15に繊維束30の一般部形成部31が配置されていればよい。なお、脆弱部15における一般部形成部31の配置される位置、及び低強度部32の配置される位置は、特に限定されるものではない。例えば、脆弱部15において、積層方向Zの一方の端部寄りに一般部形成部31が配置され、積層方向Zの他方の端部寄りに低強度部32が配置されていてもよいし、積層方向Zにおいて、一般部形成部31と低強度部32とが、交互に配置されていてもよい。
【0028】
○ 実施形態において、繊維束30における一般部形成部31の占める割合は低強度部32の占める割合よりも大きい構成であったが、一般部形成部31の占める割合と低強度部32の占める割合とが等しい構成であってもよい。また、繊維束30における一般部形成部31の占める割合が低強度部32の占める割合よりも小さい構成であってもよい。
【0029】
○ 実施形態において、繊維束30は、第1繊維33及び第2繊維34のような強度の異なる2種類の繊維を使用することによって形成されていたが、繊維束30は、1種類の繊維のみから形成されていてもよい。例えば、第1繊維33のみからなる繊維束形成糸を用意して、繊維束形成糸の一部を梳くことによって機械的に強度を低下させてもよい。このように、繊維束形成糸の一部を機械的に強度を低下させることで低強度部32を形成し、一般部形成部31と低強度部32とを有する繊維束30を形成してもよい。また、第1繊維33のみからなる繊維束形成糸の一部に対して薬品等によって化学的に強度を低下させてもよい。このように、繊維束形成糸の一部を化学的に強度を低下させることにより低強度部32を形成し、一般部形成部31と低強度部32とを有する繊維束30を形成してもよい。
【0030】
○ 実施形態において、経糸24は、一般部形成部31及び低強度部32を有する繊維束30のみによって形成されていたが、これに限られない。例えば、経糸24は、一般部形成部31及び低強度部32を有する繊維束30と、一般部形成部31のみを有する繊維束と、によって形成されていてもよい。要は、一般部14よりも脆弱部15の方が座屈し易い程度に繊維束30の少なくとも一部は、一般部形成部31と、低強度部32と、を有していればよい。つまり、複数の繊維束30によって繊維構造体20を形成した際に、一般部14と脆弱部15とが形成されればよい。よって、経糸24における一般部形成部31及び低強度部32を有する繊維束30の占める割合と、一般部形成部31のみを有する繊維束の占める割合と、は特に限定されるものではない。
【0031】
○ 実施形態において、繊維束30を構成する第1繊維33及び第2繊維34は、炭素繊維であったが、ガラス繊維、バサルト繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、及びPET繊維等であってもよい。
【0032】
○ 実施形態において、第1繊維33は、中弾性率の炭素繊維であり、第2繊維34は、低弾性率の炭素繊維であったが、例えば、第1繊維33が高弾性率の炭素繊維であり、第2繊維34が低弾性率の炭素繊維であってもよい。また、中弾性率の炭素繊維の引張強度は、高弾性率の炭素繊維の引張強度よりも高い。したがって、第1繊維33が中弾性率の炭素繊維であり、第2繊維34が高弾性率の炭素繊維であってもよい。要は、第1繊維33の引張強度が第2繊維34の引張強度よりも高いような組み合わせであればよい。
【0033】
○ 実施形態において、第1繊維33及び第2繊維34は、炭素繊維であったが、これに限らない。例えば、第1繊維33が炭素繊維であり、第2繊維34がガラス繊維であってもよい。要は、繊維束30は、互いに異なる種類の材料からなる第1繊維33及び第2繊維34を混繊したものであってもよい。なお、この場合、一般部形成部31における第1繊維33の占める割合は、第2繊維34の占める割合よりも大きい構成であればよい。また、低強度部32における第1繊維33の占める割合は、第2繊維34の占める割合以上である構成であればよい。
【0034】
○ 実施形態において、衝撃吸収構造体10を車両以外に適用してもよい。
○ 実施形態において、衝撃吸収構造体10は、四角筒状でなくてもよく、例えば、円筒状や三角筒状であってもよい。
【0035】
○ 実施形態において、繊維構造体20は、多層織であったが、例えば、平織や綾織であってもよい。
○ 実施形態において、衝撃吸収構造体10は、車両の前方に設けられていたが、車両の後方に設けられていてもよい。この場合、衝撃吸収構造体10は、例えば、リアサイドメンバの後端部に、リアバンパを支持するように設けられていればよい。要は、車両において、衝撃吸収構造体10の配置位置は特に限定されるものではない。
【0036】
○ 実施形態において、繊維構造体20は、車両の前後方向において、一般部14の前方に脆弱部15が配置されている構成であったが、これに限らない。例えば、繊維構造体20は、車両の前後方向において、一般部14の間に脆弱部15が配置されている構成であってもよい。つまり、繊維構造体20は、脆弱部15の前方、及び脆弱部15の後方に一般部14がそれぞれ一つずつ配置されている構成であってもよい。
【符号の説明】
【0037】
10…衝撃吸収構造体、14…一般部、15…脆弱部、20…繊維構造体、21…マトリックス材料、30…繊維束、31…一般部形成部、32…低強度部、33…第1繊維、34…第2繊維。