(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022098818
(43)【公開日】2022-07-04
(54)【発明の名称】商品取出装置及び商品取出システム
(51)【国際特許分類】
A47F 10/00 20060101AFI20220627BHJP
G07F 11/00 20060101ALI20220627BHJP
【FI】
A47F10/00
G07F11/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020212425
(22)【出願日】2020-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148655
【弁理士】
【氏名又は名称】諏訪 淳一
(72)【発明者】
【氏名】中上 紀之
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 治
(72)【発明者】
【氏名】ステインリン アンドレアス
【テーマコード(参考)】
3E046
【Fターム(参考)】
3E046BA01
3E046BB02
3E046CA11
3E046CA14
3E046DA01
(57)【要約】
【課題】商品取出装置によって、店舗で行われる商品の様々な販売形態に対応する。
【解決手段】利用者が商品を取り出すための商品取出装置を、商品を収納する収納部と、利用者が商品を装置外へ取り出すための複数の取出口と、収納部から商品を抜き取って複数の取出口へ搬送可能な搬送部とを備え、搬送部が、利用者が指定した商品を、複数の取出口のうち利用者が商品を取り出す取出口へ搬送するよう構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が商品を取り出すための商品取出装置であって、
商品を収納する収納部と、
利用者が商品を装置外へ取り出すための複数の取出口と、
前記収納部から商品を抜き取って複数の前記取出口へ搬送可能な搬送部と
を備え、
前記搬送部は、利用者が指定した商品を、複数の前記取出口のうち前記利用者が前記商品を取り出す取出口へ搬送する
ことを特徴とする商品取出装置。
【請求項2】
装置筐体の複数の面それぞれに少なくとも1つの前記取出口が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の商品取出装置。
【請求項3】
装置筐体を構成する上面、下面及び4つの側面のうち少なくとも2つの面それぞれに少なくとも1つの前記取出口が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の商品取出装置。
【請求項4】
前記利用者が店舗の外から商品を取り出せるように、複数の前記取出口のうち少なくとも1つの取出口が前記店舗の外壁に設けられている
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の商品取出装置。
【請求項5】
前記利用者が商品及び取出口を指定するための操作部
をさらに備える
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の商品取出装置。
【請求項6】
前記利用者が商品及び取出口を指定するための操作部を有する外部装置から、指定された商品及び取出口を示す情報を受信する通信部
をさらに備える
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の商品取出装置。
【請求項7】
前記操作部で商品及び取出口が指定された場合、前記搬送部は、指定された商品を指定された取出口へ搬送することを特徴とする請求項5又は6のいずれか1項に記載の商品取出装置。
【請求項8】
商品の種類と複数の前記取出口との対応関係を示す情報を記憶する記憶部
をさらに備え、
前記操作部で商品が指定された場合、前記搬送部は、前記記憶部の情報に基づいて特定される、前記商品に対応する取出口へ、前記商品を搬送する
ことを特徴とする請求項5~7のいずれか1項に記載の商品取出装置。
【請求項9】
前記操作部が複数あって、複数の前記操作部それぞれと複数の前記取出口との対応関係を示す情報を記憶する記憶部
をさらに備え、
前記操作部で商品が指定された場合、前記搬送部は、前記記憶部の情報に基づいて特定される、前記操作部に対応する取出口へ、前記商品を搬送する
ことを特徴とする請求項5~7のいずれか1項に記載の商品取出装置。
【請求項10】
前記操作部で、購入資格を要する商品が指定された場合、前記商品を購入する客が購入資格を有することが確認されたことを条件に、前記搬送部が前記商品を前記取出口へ搬送することを特徴とする請求項5~9のいずれか1項に記載の商品取出装置。
【請求項11】
前記操作部で、前記客が購入資格を有することを示す情報の入力操作が行われたことを条件に、前記搬送部が前記商品を前記取出口へ搬送することを特徴とする請求項10に記載の商品取出装置。
【請求項12】
前記購入資格に関する資格情報が記録された媒体から前記資格情報を読み出す読取装置
をさらに備え、
前記読取装置が、前記客が所持する媒体から前記資格情報を読み取ったことを条件に、前記搬送部が前記商品を前記取出口へ搬送することを特徴とする請求項10に記載の商品取出装置。
【請求項13】
前記購入資格に関する資格情報が記録された媒体から前記資格情報を読出可能な外部装置から、前記購入資格情報の読取可否を示す情報を受信する通信部
をさらに備え、
前記通信部で、前記客が所持する媒体から前記資格情報を読み取ったことを示す情報を受信したことを条件に、前記搬送部が前記商品を前記取出口へ搬送することを特徴とする請求項10に記載の商品取出装置。
【請求項14】
前記収納部は、収納口及び抜取口を有し、前記収納口から受けた商品を収納すると共に、収納した複数の商品のうち1つの商品のみを前記抜取口から前記収納部の外へ抜取可能に収納し、
前記搬送部は、前記抜取口から抜き取った商品を前記取出口へ搬送する
ことを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の商品取出装置。
【請求項15】
前記搬送部は、
前記収納部の前記抜取口から商品を抜き取る保持部と、
前記保持部を回転する回転部と、
前記保持部を移動する移動部と
を含むことを特徴とする請求項14に記載の商品取出装置。
【請求項16】
前記保持部は、
前記商品を載置可能なトレイ部と、
前記トレイ部から上方へ突出したフック部と
を含み、
前記収納部は、
複数の商品を上下方向に積み重ねて収納すると共に、
複数の前記商品のうち最下端の商品を、該商品が抜き取られる方向側の側面全体と、下面の一部と、背面の一部とを前記収納部の外に露出した状態で収納し、
前記搬送部は、
前記保持部の前記フック部を前記最下端の商品の背面に引っ掛けて前記収納部から抜き取り、前記トレイ部の上に載せて搬送する
ことを特徴とする請求項14又は15いずれか1項に記載の商品取出装置。
【請求項17】
前記取出口は、前記取出口から取り出される商品が載置される載置部を含み、前記載置部には溝部が形成され、
前記搬送部は、前記フック部を前記溝部に通しながら前記トレイ部を前記載置部の下方に進入させて、前記トレイ部に載せていた商品を前記載置部の上に載せた後、前記フック部が前記載置部の上に載せた前記商品から離間する位置まで降下してから後退することにより、前記取出口へ商品を搬送する
ことを特徴とする請求項16に記載の商品取出装置。
【請求項18】
利用者が商品を取り出すための商品取出システムであって、
商品を収納する収納部と、
利用者が商品を装置外へ取り出すための複数の取出口と、
前記収納部から商品を抜き取って複数の前記取出口へ搬送可能な搬送部と
を備え、
前記搬送部は、利用者が指定した商品を、複数の前記取出口のうち前記利用者が前記商品を取り出す取出口へ搬送する
ことを特徴とする商品取出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、利用者が装置内の商品を装置外へ取り出すことができる商品取出装置及び商品取出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者が、装置内に収納されている複数種類の商品の中から、選択した商品を装置外へ取り出すことができる様々な装置が利用されている。例えば、特許文献1には、複数の収納ラックに商品を収納しておいて、利用者が選択した商品をアームによって収納ラックから取り出して、商品取出口から装置外へ排出する自動販売機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、例えば、店舗のカウンタに、商品取出口を客の方へ向けて装置が設置され、店員がカウンタを挟んで客と向かい合う場合、装置の背面側にいる店員は、装置前面側にある商品取出口から商品を取り出すことができない。
【0005】
本開示は、上記課題を含む従来技術を鑑みてなされたもので、その目的の1つは、店舗で行われる商品の様々な販売形態に対応できる商品取出装置及び商品取出システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る商品取出装置は、利用者が商品を取り出すための商品取出装置であって、商品を収納する収納部と、利用者が商品を装置外へ取り出すための複数の取出口と、前記収納部から商品を取り出して複数の前記取出口へ搬送可能な搬送部とを備え、前記搬送部は、利用者が指定した商品を、複数の前記取出口のうち前記利用者が前記商品を取り出す取出口へ搬送する。利用者には、例えば、店員と客とが含まれる。
【0007】
上記構成において、装置筐体の複数の面それぞれに少なくとも1つの前記取出口が設けられていてもよい。
【0008】
上記構成において、装置筐体を構成する上面、下面及び4つの側面のうち少なくとも2つの面それぞれに少なくとも1つの前記取出口が設けられていてもよい。
【0009】
上記構成において、前記利用者が店舗の外から商品を取り出せるように、複数の前記取出口のうち少なくとも1つの取出口が前記店舗の外壁に設けられていてもよい。
【0010】
上記構成において、前記利用者が商品及び取出口を指定するための操作部をさらに備えていてもよい。
【0011】
上記構成において、前記利用者が商品及び取出口を指定するための操作部を有する外部装置から、指定された商品及び取出口を示す情報を受信する通信部をさらに備えていてもよい。
【0012】
上記構成において、前記操作部で商品及び取出口が指定された場合、前記搬送部は、指定された商品を指定された取出口へ搬送してもよい。
【0013】
上記構成において、商品の種類と複数の前記取出口との対応関係を示す情報を記憶する記憶部をさらに備え、前記操作部で商品が指定された場合、前記搬送部は、前記記憶部の情報に基づいて特定される、前記商品に対応する取出口へ、前記商品を搬送してもよい。
【0014】
上記構成において、前記操作部が複数あって、複数の前記操作部それぞれと複数の前記取出口との対応関係を示す情報を記憶する記憶部をさらに備え、前記操作部で商品が指定された場合、前記搬送部は、前記記憶部の情報に基づいて特定される、前記操作部に対応する取出口へ、前記商品を搬送してもよい。
【0015】
上記構成において、前記操作部で、購入資格を要する商品が指定された場合、前記商品を購入する客が購入資格を有することが確認されたことを条件に、前記搬送部が前記商品を前記取出口へ搬送してもよい。
【0016】
上記構成において、前記操作部で、前記客が購入資格を有することを示す情報の入力操作が行われたことを条件に、前記搬送部が前記商品を前記取出口へ搬送してもよい。
【0017】
上記構成において、前記購入資格に関する資格情報が記録された媒体から前記資格情報を読み出す読取装置をさらに備え、前記読取装置が、前記客が所持する媒体から前記資格情報を読み取ったことを条件に、前記搬送部が前記商品を前記取出口へ搬送してもよい。
【0018】
上記構成において、前記購入資格に関する資格情報が記録された媒体から前記資格情報を読出可能な外部装置から、前記購入資格情報の読取可否を示す情報を受信する通信部をさらに備え、前記通信部で、前記客が所持する媒体から前記資格情報を読み取ったことを示す情報を受信したことを条件に、前記搬送部が前記商品を前記取出口へ搬送してもよい。
【0019】
上記構成において、前記収納部は、収納口及び抜取口を有し、前記収納口から受けた商品を収納すると共に、収納した複数の商品のうち1つの商品のみを前記抜取口から前記収納部の外へ抜取可能に収納し、前記搬送部は、前記抜取口から抜き取った商品を前記取出口へ搬送してもよい。
【0020】
上記構成において、前記搬送部は、前記収納部の前記抜取口から商品を抜き取る保持部と、前記保持部を回転する回転部と、前記保持部を移動する移動部とを含んでいてもよい。
【0021】
上記構成において、前記保持部は、前記商品を載置可能なトレイ部と、前記トレイ部から上方へ突出したフック部とを含み、前記収納部は、複数の商品を上下方向に積み重ねて収納すると共に、複数の前記商品のうち最下端の商品を、該商品が抜き取られる方向側の側面全体と、下面の一部と、背面の一部とを前記収納部の外に露出した状態で収納し、前記搬送部は、前記保持部の前記フック部を前記最下端の商品の背面に引っ掛けて前記収納部から抜き取り、前記トレイ部の上に載せて搬送してもよい。
【0022】
上記構成において、前記取出口は、前記取出口から取り出される商品が載置される載置部を含み、前記載置部には溝部が形成され、前記搬送部は、前記フック部を前記溝部に通しながら前記トレイ部を前記載置部の下方に進入させて、前記トレイ部に載せていた商品を前記載置部の上に載せた後、前記フック部が前記載置部の上に載せた前記商品から離間する位置まで降下してから後退することにより、前記取出口へ商品を搬送してもよい。
【0023】
本開示に係る商品取出システムは、利用者が商品を取り出すための商品取出装置であって、商品を収納する収納部と、利用者が商品を装置外へ取り出すための複数の取出口と、前記収納部から商品を取り出して複数の前記取出口へ搬送可能な搬送部とを備え、前記搬送部は、利用者が指定した商品を、複数の前記取出口のうち前記利用者が前記商品を取り出す取出口へ搬送する。利用者には、例えば、店員と客とが含まれる。
【発明の効果】
【0024】
本開示によれば、商品取出装置によって、店舗で行われる商品の様々な販売形態に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る商品取出装置の概要を説明するための模式図である。
【
図2】
図2は、商品取出装置の例を説明するための模式図である。
【
図3】
図3は、商品取出装置の構成概略を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、店内で利用される商品取出装置の例を説明するための模式図である。
【
図5】
図5は、店内及び店外に取出口を有する商品取出装置の例を説明するための模式図である。
【
図6】
図6は、店外に取出口を有する商品取出装置の例を説明するための模式図である。
【
図7】
図7は、商品取出装置の収納部について説明するための図である。
【
図8】
図8は、多段収納と商品の搬送を説明するための模式図である。
【
図9】
図9は、収納部における商品の収納方法を説明するための図である。
【
図11】
図11は、商品の異なる収納方法の例を示す図である。
【
図13】
図13は、ピッカによる商品の移動方法を説明するための図である。
【
図14】
図14は、取出口の載置部に商品を載置する方法を説明するための図である。
【
図15】
図15は、商品取出装置の筐体内側下面に設けた取出口の例を示す図である。
【
図18】
図18は、収納部の商品を取り出すピッカを上方から見た図である。
【
図19】
図19は、収納部の商品を取り出すピッカを側方から見た図である。
【
図20】
図20は、取出口の載置部へ商品を載せるピッカを上方から見た図である。
【
図21】
図21は、取出口の載置部へ商品を載せるピッカを側方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照しながら、本開示に係る商品取出装置及び商品取出システムの実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る商品取出装置1の概要を説明するための模式図である。商品取出装置1は、商品を販売する店舗に設置され、店員又は客(以下「利用者」と記載する)が、客が購入する商品を取り出すために利用される。本実施形態で商品取出装置1の構成を示す図には、各構成の関係が分かるように座標軸を示している。Z軸方向が上下方向で、XY平面が水平面を成しているが、各図に示した方向は例示であって各構成の設置方法及び動作時の方向を限定するものではない。
【0027】
商品取出装置1は、装置内に複数種類の商品を収納している。商品取出装置1には、利用者が商品を取り出すための複数の取出口2が設けられている。
図1は、商品取出装置1に設けられる取出口2の例を示している。
【0028】
取出口2は、商品取出装置1の前面、背面、左側面及び右側面の4側面と、上面と、下面との6つの面のうち少なくともいずれか1つの面に設けられる。取出口2は、商品取出装置1の筐体を構成する複数の面に設けることができる。取出口2は、1つの面に1又は複数設けられる。複数の取出口2を設けることにより、商品取出装置1から商品を取り出す利用者は、複数の異なる方向から商品を取り出すことができる。取出口2を設ける面と、各面に設ける取出口2の位置及び数とは特に限定されず、店舗における商品取出装置1の利用態様に応じて取出口2が設けられる。
【0029】
図1に示すように、商品取出装置1は、商品を指定する情報の入力と、該商品を装置外へ取り出す取出口2を指定する情報の入力とを受け付けることができる(A1)。情報の入力方法は特に限定されない。例えば、商品取出装置1が操作部を備え、利用者が操作部を操作して指定した指定情報が商品取出装置1に入力されてもよい。例えば、利用者が、操作端末、キャッシュレジスタ等の外部装置が備える操作部を操作して指定した指定情報が商品取出装置1に入力されてもよい。
【0030】
商品取出装置1は、指定情報に基づいて、装置内に収納されている商品の中から、指定された商品を、指定された取出口2へ搬送する(A2)。これにより、利用者は、所望の商品を、所望の取出口2から取り出すことができる(A3)。
【0031】
取出口2は、常時開放されていてもよいし、シャッターによって開閉される態様であってもよい。シャッターはスライド移動して開閉してもよいし、取出口2の内側と外側の少なくともいずれか一方へ回動することにより開閉してもよい。シャッターは、利用者によって手動で開閉される態様であってもよいし、商品取出装置1によって自動開閉される態様であってもよい。例えば、装置内で商品100の搬送を終えた商品取出装置1が、通常はシャッターが閉じている複数の取出口2のうち、商品100を搬送した取出口2のシャッターを自動的に開く態様であってもよい。この場合、例えば、商品取出装置1が、取出口2に設けた図示しないセンサを利用して商品100が取り出されたことを検知して、シャッターを自動的に閉じればよい。
【0032】
利用者が、商品及び取出口2の両方を指定する態様に限定されず、利用者が商品のみを指定する態様であってもよい。この場合、商品取出装置1が、指定された商品に対応する取出口2を自動的に特定し、特定した取出口2へ、指定された商品を搬送する。
【0033】
例えば、商品の種類と取出口2との対応関係を示す情報が予め準備され、該情報に基づいて、利用者が指定した商品に応じて取出口2が特定される態様であってもよい。年齢制限等、商品購入時に特定の条件を満たす必要がある商品は、店員200側の取出口2に搬送されるようにしてもよい。商品の指定情報の入力元となる操作部が複数あって、各操作部と取出口2との対応関係を示す情報が予め準備され、該情報に基づいて、商品の指定操作が行われた操作部に対応する取出口2が特定される態様であってもよい。取出口2の特定は、商品取出装置1が行う態様であってもよいし、商品取出装置1に接続された外部装置が行う態様であってもよい。
【0034】
図1には、カウンタ式の商品取出装置1を示したが、商品取出装置1の構成がこれに限定されるものではない。
図1に示す商品取出装置1は、上面にキャッシュレジスタ、操作端末等の外部装置を設置して利用できる高さとなっているが、商品取出装置1の高さは特に限定されない。同様に商品取出装置1の左右及び前後の寸法も特に限定されない。
【0035】
商品取出装置1が床面に設置される態様に限定されない。
図2は、商品取出装置1の例を説明するための模式図である。
図2は、床面に設置されたカウンタ式の商品取出装置1と、床面から離れた位置に設置された吊り下げ式の商品取出装置1を示している。吊り下げ式の商品取出装置1は、店舗の天井から吊り下げられる態様であってもよいし、店舗の壁面に固定される態様であってもよい。
【0036】
店員200は、カウンタ式の商品取出装置1を挟んで客300に対応し、この商品取出装置1の取出口2から、客300が購入する商品を取り出すことができる。商品取出装置1が、客300がいる側の側面に取出口2を有し、取出口2の商品を客が自ら取り出す態様であってもよい。
【0037】
店員200は、
図2に示すように、吊り下げ式の商品取出装置1の取出口2から、客300が購入する商品100を取り出すこともできる。吊り下げ式の商品取出装置1が下面に取出口2を有し、店員200が、商品取出装置1の下面から商品100を取り出す態様であってもよい。
【0038】
図3は、商品取出装置1の構成概略を示すブロック図である。商品取出装置1は、搬送部10、制御部20、通信部30及び記憶部40を有する。搬送部10は、装置内の収納部に収納されている商品を、収納部から抜き取って取出口2へ運ぶが、詳細は後述する。
【0039】
記憶部40は、不揮発性の記憶装置である。記憶部40は、商品取出装置1の動作に必要な情報を保存するために利用される。例えば、装置内にある複数の収納部と、各収納部に収納されている商品の種類との対応関係を示す情報が記憶部40に保存される。例えば、複数の商品の種類と、複数の取出口2との対応関係を示す情報が記憶部40に保存される。例えば、複数の操作部及び操作部を有する外部装置と、複数の取出口2との対応関係を示す情報が記憶部40に保存される。
【0040】
通信部30は、有線通信又は無線通信により、外部装置と情報を送受信する。例えば、外部装置と商品取出装置1とを含む商品取出システムが構築される。通信部30は、操作部として機能する操作端末50から、利用者が指定した商品及び取出口2の指定情報を受信することができる。例えば、操作部及び表示部を含むタブレット型のコンピュータ端末が操作端末50として利用される。例えば、操作部及び表示部を含むキャッシュレジスタが操作端末50として利用される。
【0041】
制御部20は、通信部30が受信した情報と、記憶部40に保存された情報とに基づいて、商品が収納されている収納部の位置と、商品の搬送先となる取出口2とを特定する。制御部20は、搬送部10を制御して、特定した収納部から商品を抜き取って、特定した取出口2へ搬送する。制御部20が、外部から入力された情報と、記憶部40に保存された情報とに基づいて、各部を制御することによって、本実施形態に記載する商品取出装置1の機能及び動作が実現されている。
【0042】
図3に示すように、操作端末50が、商品代金の精算処理を行う精算装置60と接続されていてもよい。例えば、操作端末50として機能するコンピュータ端末に、精算装置60として機能するキャッシュレジスタが接続される。例えば、操作端末50として機能するキャッシュレジスタに、精算装置60として機能する貨幣処理装置が接続される。
【0043】
精算装置60が、現金による精算処理を行う装置に限定されるものではなく、現金決済に代えて又は加えて、電子決済を行う装置であってもよい。例えば、精算装置60が、デビットカード、クレジットカード、プリペイドカード、電子マネー等を利用した電子決済による商品代金の精算処理を行ってもよい。
【0044】
商品取出装置1が、精算装置60で商品代金の精算処理が完了したことを条件に、取出口2への商品の搬送を行ってもよい。例えば、精算装置60が、商品の代金精算を終えたことを示す情報を操作端末50に入力し、操作端末50が、精算を終えた商品の指定情報を商品取出装置1に入力して、商品取出装置1が商品を取出口2へ搬送する。
【0045】
操作端末50と精算装置60の少なくともいずれか一方が、客が商品の購入資格を有することを確認する確認装置として機能する態様であってもよい。商品の中には、購入者が制限されるものがある。記憶部40には、購入資格を要する商品の種類を示す情報が予め保存されている。商品取出装置1は、記憶部40の情報に基づいて、操作端末50で指定された商品が、購入資格を要する商品であるか否かを判定することができる。購入資格を要する商品が指定されたことを検知した商品取出装置1は、客の購入資格の確認を求める報知処理を実行する。例えば、操作端末50の表示部に、客の購入資格の確認を指示する情報が表示される。
【0046】
たばこ及び酒のように、購入者の年齢が制限されるものがある。これらの商品が指定された場合、確認装置は、購入者の年齢が、予め定められた年齢を超えていることを証明書によって確認する確認処理を行う。公的機関が発行した運転免許証等が証明書として利用される。
【0047】
例えば、確認処理が必要であることを認識した店員は、購入資格を要する商品を購入する客に証明書の提示を求める。店員が証明書を目視確認して確認装置で所定操作を行うことにより確認処理が完了する。
【0048】
例えば、確認装置が、証明書の情報を読み取り可能な読取装置を備えていてもよい。この場合、客が読取装置に証明書の情報を読み取らせる。確認装置は、読取装置で読み取った証明書の情報に基づいて、客が商品の購入資格を有するか否かを判定して確認処理を完了する。磁気カード、ICカード等のカード型の媒体に購入資格が記録されている場合は、カード型媒体から情報を読み取る読取装置を利用して確認処理が行われる。客のスマートフォン等、携帯通信端末を利用して購入資格を確認する場合は、この携帯通信端末から情報を読取可能な読取装置を利用して確認処理が行われる。
【0049】
処方箋を有する者だけが購入できる医薬品のように、購入者が制限されるものがある。これらの商品が指定された場合も、確認装置は、上述したように、店員による目視確認又は読取装置によって、客が商品の購入資格を有することを確認して確認処理を完了する。
【0050】
確認処理を終えた確認装置、すなわち操作端末50と精算装置60の少なくともいずれか一方で得られた確認処理の結果が商品取出装置1に入力される。商品取出装置1は、客が商品の購入資格を有することが操作端末50又は精算装置60で確認されたことを条件に商品を取出口2へ搬送する。
【0051】
商品取出装置1は購入資格を要する商品の検知を行わず、操作端末50又は精算装置60が、購入資格を要する商品の選択を検知して確認処理を開始する態様であってもよい。この場合、操作端末50又は精算装置60で確認処理の結果が得られた後、操作端末50が、商品の指定情報を商品取出装置1に入力して、商品取出装置1が指定された商品を取出口2へ搬送すればよい。
【0052】
図3に示す構成は例示であって、商品取出装置1の構成、及び商品取出装置1と接続して利用される装置を限定するものではない。各装置の分散、統合の形態は上述した例に限定されず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散、統合して構成することができる。例えば、商品取出装置1が操作部を内蔵し、本実施形態に記載する操作端末50の機能を商品取出装置1が実現する態様であってもよい。また、例えば、操作端末50が精算装置60を兼ねていてもよい。
【0053】
次に、商品取出装置1の利用例を説明する。
図4は、店内で利用される商品取出装置1の例を説明するための模式図である。
図4に示す例では、商品取出装置1は、店舗のチェックアウトカウンタに設置され、複数の操作端末50(50a、50b)及び複数の精算装置60(60a、60b)と接続して利用されている。店員200は、商品取出装置1を挟んで客300に対応する。商品取出装置1は複数の取出口2(2a、2b)を有する。取出口2aは店員200のいる側の側面に設けられ、取出口2bは客300のいる側の側面に設けられている。
【0054】
客300に対応する店員200は、商品取出装置1の上に設置された操作端末50aを操作して、客300が購入する商品を指定する。また、店員200は、操作端末50a及び精算装置60aを利用して、客300が購入する商品の代金の精算処理を行う。例えば、店員200は、客300から受け取った現金を精算装置60aに入金して、必要に応じて精算装置60aから出金した釣銭を客300に返す。また、例えば、客300の希望に応じて電子決済による商品代金の精算処理が行われる。
【0055】
客300が、購入資格を要する商品の購入を希望する場合は、購入資格の確認処理が行われる。例えば、店員200が、客300に証明書の提示を求め、客300が商品の購入資格を有することを証明書で目視確認することによって確認処理が行われる。また、例えば、客300が、操作端末50a又は精算装置60aに接続された読取装置に証明書の情報を読み取らせることによって確認処理が行われる。目視確認又は読取装置により確認処理が行われた場合、客300が購入資格を有するとの確認結果が得られたことを条件に、商品取出装置1から商品を取り出せるようになる。
【0056】
商品取出装置1の記憶部40には、予め、商品の種類と装置内にある収納部との対応を示す収納情報が保存されている。また、記憶部40には、操作端末50aと取出口2aを関連付け、操作端末50bと取出口2bを関連付けた取出情報が保存されている。商品取出装置1の制御部20は、収納情報及び取出情報に基づいて、操作端末50aで指定された商品が収納されている収納部を特定すると共に、操作端末50aと関連付けられた取出口2aを特定する。
【0057】
制御部20は、搬送部10を制御して、特定した収納部から商品を抜き取って取出口2aに搬送する。制御部20は、取出口2aへの商品の搬送を終えたことを店員200に知らせる報知処理を実行する。報知処理では、例えば、操作端末50aが備える表示部に、取出口2aから商品を取出可能になったことを示す情報が表示される。表示を確認した店員200が、
図4に示すように取出口2aから取り出した商品100を客300に渡して取引が完了する。
【0058】
店員200が対応せずに客301が自ら商品を購入するセルフ式の取引を行うこともできる。
図4に示すように、カウンタ内に精算装置60bが設置されている。セルフ取引用の取出口2bが設けられているカウンタの側面に、精算装置60bの入出金口61が設けられている。客301は、商品代金として支払う紙幣及び硬貨を入出金口61から精算装置60bに入金することができる。客301は、精算装置60bが釣銭として払い出す紙幣及び硬貨を入出金口61から受け取ることができる。
【0059】
客301は、操作端末50bを操作して商品を選択し、精算装置60bで商品代金の精算処理を行う。例えば、客301は、商品代金を支払うための現金を精算装置60bに入金して、精算装置60bから出金された釣銭を受け取る。例えば、客301は、操作端末50bを操作して電子決済によって商品の代金を支払う。
【0060】
客301が、購入資格を要する商品を操作端末50bで選択した場合、操作端末50bは、購入資格の確認処理を開始する。操作端末50bが備える読取装置に、客300が証明書の情報を読み取らせることによって確認処理が行われる。確認処理が行われて、客301が購入資格を有するとの確認結果が得られた場合にのみ、商品取出装置1から商品を取り出せるようになる。
【0061】
商品取出装置1の制御部20は、記憶部40に保存されている収納情報及び取出情報を参照して、操作端末50bで客301が指定した商品の収納部を特定すると共に、操作端末50bと関連付けられた取出口2bを特定する。制御部20は、搬送部10を制御して、特定した収納部から商品を抜き取って取出口2bに搬送する。制御部20は、取出口2bから商品を取出可能になったことを示す情報を操作端末50bの表示部に表示して客301に報知する。表示を確認した客301が取出口2bから商品を取り出して取引が完了する。
【0062】
この他、店員200が、客に対応して商品を指定する操作と商品代金の精算とを行って、取出口2からの商品の取り出しは客が行うセミセルフ式の取引を行うこともできる。この場合、店員200は、操作端末50a及び精算装置60aを利用して、客が購入する商品の指定操作と、商品の代金精算とを行う。店員200は、操作端末50aで、取出口2bを商品の搬送先として指定するための操作を行う。商品取出装置1の制御部20は、精算装置60aで精算処理が完了したことを条件に、搬送部10を制御して商品を取出口2bへ搬送する。客が取出口2bから商品を取り出して取引が完了する。
【0063】
店員200が、客に対応して商品を指定する操作を行って、商品代金の精算及び取出口2からの商品の取り出しは客が行うセミセルフ式の取引を行うこともできる。この場合、店員200は、操作端末50aを利用して、客が購入する商品の指定操作を行う。店員200が、操作端末50aで所定操作を行うことにより、商品代金を示す情報が精算装置60bへ入力され、取出口2bが商品の搬送先に指定される。客は、精算装置60bで精算処理を行って商品代金を支払う。商品取出装置1の制御部20は、精算装置60bで精算処理が完了したことを条件に、搬送部10を制御して商品を取出口2bへ搬送する。客が取出口2bから商品を取り出して取引が完了する。
【0064】
商品を指定する操作は客が自ら行って、店員200が商品代金の精算と商品受け渡しの対応を行うセミセルフ式の取引を行うこともできる。この場合、客が操作端末50bを操作して商品を指定する。客が、操作端末50bで所定操作を行うことにより、指定した商品を示す情報が操作端末50aへ入力され、取出口2aが商品の搬送先に指定される。店員200は、操作端末50aに受信した商品の情報に基づいて、精算装置60aを利用して商品代金の精算処理を行う。商品取出装置1の制御部20は、精算装置60aで精算処理が完了したことを条件に、搬送部10を制御して商品を取出口2aへ搬送する。店員200が取出口2aから取り出した商品を客に渡して取引が完了する。
【0065】
図5は、店内及び店外に取出口2を有する商品取出装置1の例を説明するための模式図である。
図5は各装置を上から見た図を示している。例えば、商品取出装置1が店内で壁3の近傍に設置され、取出口2bは、客が店外で商品を取り出せるように店舗の外壁に設けられる。精算装置60bは店内で壁3の近傍に設置され、入出金口61は、客が店外で現金を入出金できるように店舗の外壁に設けられる。操作部及び表示部を含む操作端末50bは、客が店外から操作できるように店舗の外壁に固定して設けられる。
【0066】
店員200は、
図4で説明したように店内の客300に対応して取引することに加えて、店外にいる客301と取引することもできる。この場合、
図4で説明したセミセルフ式の取引が行われ、商品の指定、商品代金の精算、商品の受け取りの少なくともいずれか1つが店外で客301によって行われる。例えば、客301は、
図4で説明したセルフ式の取引を行って、操作端末50bで指定した商品の代金を精算装置60bで精算し、取出口2bから商品を受け取ることができる。これにより客301は店舗の開店時間外にも商品を購入することができる。
【0067】
図6は、店外に取出口2を有する商品取出装置1の例を説明するための模式図である。商品取出装置1は、店内で壁の近傍に設置され、客が店外から商品を取り出せるように、複数の取出口2(2a、2b)が店舗の外壁に設けられる。
図6に示すように、店舗の異なる外壁それぞれに取出口2が設けられてもよいし、同じ外壁に複数の取出口2が設けられてもよい。操作端末50b及び精算装置60bは、
図5と同様に、客が店外で精算処理及び商品の受け取りを行えるように設置される。
【0068】
取出口2aが設けられた店舗の壁面には窓口4が形成されている。店員は、窓口4を利用して、店内にいながら店外にいる客に対応することができる。例えば、店員は、
図4で説明したセミセルフ式の取引を行って、操作端末50a及び精算装置60aを利用して商品の指定と商品代金の精算とを行い、商品を店外壁面の取出口2aから客に取り出させることができる。また、客は、
図4で説明したセルフ式の取引を行って、操作端末50bで指定した商品の代金を精算装置60bで精算し、取出口2bから商品を受け取ることもできる。
【0069】
図4~
図6を参照しながら説明した取引方法は例示であって、商品取出装置1を利用する取引の方法がこれらに限定されるものではない。例えば、商品取出装置1を利用して、上述した取引方法の一部のみが行われる態様であってもよい。また、例えば、複数の店員が同時に客に対応できるように、操作端末50a及び精算装置60aの組み合わせが複数設けられていてもよい。同様に、複数の客が同時にセルフ式の取引を行えるように、操作端末50b及び精算装置60bの組み合わせが複数設けられていてもよい。これらの場合も、各操作端末50及び精算装置60を利用して上述したように取引を行えばよい。また、取出口2が3つ以上あってもよい。例えば、記憶部40の取出情報で商品の種類と取出口2とが関連付けられ、商品取出装置1が、商品の種類に応じて、異なる取出口2に商品を搬送する態様であってもよい。
【0070】
次に、商品取出装置1における商品の収納について説明する。
図7は、商品取出装置1の収納部70について説明するための図である。
図7に示すように、商品取出装置1は、一部の面が開いて、装置内に設けられた収納部70に商品を収納できるようになっている。
【0071】
図7は、商品取出装置1が、店舗のカウンタに設置した際に店員側となる側面に、略中央部で分かれた2つの扉5(5a、5b)を有する例を示している。これらの扉5を回動して両外側へ開くと装置内部が開放され、店員は収納部70に商品を収納することができる。
【0072】
図7に示す例では、収納部70は、2つの扉5それぞれの内側と、扉5を開いた店員から見て左右両側面の装置内側と、背面の装置内側とに設けられている。すなわち、装置内側の4側面全てに収納部70が設けられている。ただし、収納部70を設ける側面は特に限定されず、4側面のうち一部の側面にのみ設けられる態様であってもよいし、装置内側の上面と下面の少なくとも一方にも収納部70が設けられる態様であってもよい。
【0073】
収納部70は、例えば上下方向(Z軸方向)に多段設けられ、格段に複数の商品を収納できるようになっている。
図8は、多段収納と商品の搬送を説明するための模式図である。
【0074】
図8に示すように、商品取出装置1の装置内に搬送部10が設けられている。搬送部10は、ピッカ14と、複数のレール11~13とを含む。ピッカ14は、収納部70から商品を抜き取って保持した状態で搬送する保持部として機能する。ピッカ14は、収納部70(70a、70b)からの商品の抜き取りと、抜き取った商品の取出口2への搬送及び載置とを行う。ピッカ14は、少なくともXY平面内で回転すると共に、複数のレール11~13によって前後、左右、上下に移動することができる。すなわち、搬送部10は、収納部70の商品を抜き取って保持するピッカ14と、ピッカ14を回転する回転部と、ピッカ14を移動する移動部とを備えるが、詳細は後述する。
【0075】
図8(a)に示すように、取出口2がない段では、装置内の4側面それぞれに収納部70aが設けられている。一方、取出口2がある段では、
図8(b)に示すように取出口2がある領域を避けて収納部70bが設けられている。
【0076】
商品取出装置1は、レール11~13を利用してピッカ14を移動することにより、
図8(a)に示すように、各側面の収納部70aから商品100を抜き取ることができる。商品取出装置1は、ピッカ14を移動することにより、
図8(b)に示すように各側面の取出口2へ商品100を搬送することができる。
【0077】
図8(a)及び(b)では装置内の4側面それぞれに対応してピッカ14及びレール13を示しているが、商品取出装置1は、1つのピッカ14を移動、回転することにより、各収納部70からの商品100の抜き取りと、取出口2への商品100の載置とを行うことができる。
【0078】
図8(a)に示すように取出口2がない段の収納部70aと、
図8(b)に示すように取出口2がある段の収納部70bとによって、装置内に多段の収納部70が形成される。
図9は、収納部70における商品100の収納方法を説明するための図である。
図9以降の図では、
図8に示す収納部70のうち、X軸正方向側の背面にある収納部70、すなわち扉5を開いた店員から見て奥にある収納部70を例に座標軸を示しているが、他の収納部70でも商品100の収納、抜取、搬送、載置が同様に行われる。
【0079】
図9に示すように、収納部70(70a、70b)は複数の仕切部材81を有する。隣接する仕切部材81の間に、複数の商品100が上下に積み重ねられた状態で収納される。仕切部材81は、商品100の間を仕切る本体部81bを含む。本体部81bの底面に、隣接する本体部81bの間に集積された商品100を下方から支持する支持部材81cが設けられている。上下に集積された複数の商品100のうち一番下の商品100が、Y軸方向の両外側から、下面の一部を支持部材81cによって支持されている。両外側の支持部材81cの間で商品100の下面中央部がX軸方向全面にわたって露出している(
図10(a)参照)。
【0080】
仕切部材81の本体部81b前面には、集積された複数の商品100のうち一番下から2つめの商品100と、該商品100より上にある商品100とを、前方(
図9手前側のX軸負方向側)から押さえる押さえ部材81aが設けられている。押さえ部材81aは、Y軸方向の両外側から商品100の前面(X軸負方向側の側面)の一部を押さえており、両外側の押さえ部材81aの間で各商品100の前面中央部が露出している。一番下の商品100は、ピッカ14によって前方へ抜き取ることができるように、前面全てが露出している。
【0081】
商品100は、商品名等、商品100の種類を示す情報が印刷された側面を押さえ部材81aの間から露出するように収納部70に収納される。これにより、店員は、各収納部70に収納されている商品100の種類を容易に確認することができる。例えば、商品取出装置1が、ピッカ14に装着されたカメラを有し、ピッカ14を移動しながら、カメラによって収納部70の商品100を撮像してもよい。利用者指定した商品の位置を記憶部40の収納情報に基づいて特定して、該商品を収納部70から抜き取る際、商品取出装置1は、カメラで撮像した画像を解析することにより、収納部70から抜き取ろうとしている商品が、利用者が指定した商品であることを確認することができる。また、商品取出装置1は、カメラによって収納部70の商品を撮像し、得られた画像を解析することにより、収納部70に収納されている商品100の種類及び個数を管理することができる。
【0082】
図9に示すように、取出口2がある段の収納部70bでは、取出口2を避けるために、他とは異なる仕切部材82、83が利用されるが、機能は仕切部材81と同一である。具体的には、仕切部材82、83も、集積された複数の商品100のうち一番下にある商品100の下面一部を支持すると共に、一番上にある商品100から、一番下から2番目の商品100までの前面一部を押さえている。
【0083】
収納部70aの上端と、収納部70aの上方に隣接する収納部70bの下端との隙間から、商品100が、
図9に矢印400で示すように収納部70aに収納される。他の段の収納部70でも同様に、上段にある収納部70との隙間から商品100が収納される。
【0084】
すなわち、収納部70は、上面に、商品100を上方から収納するための収納口を有し、下端には、一番下の商品100を側方(
図9の例ではX軸負方向側)へ抜き取ることができる抜取口を有する。収納部70は、収納口から収納された商品100を上下方向に積み重ねて複数収納する。また、収納部70は、複数の商品100のうち一番下にある1つの商品100のみを抜取口から抜き取ることができるように、各商品100を収納する。
【0085】
図9右下に示すように、収納部70に集積された商品100の背面側(X軸正方向側)に、隣接する仕切部材81を接続する背面部材81dが設けられている。背面部材81dの下方には、底面から一部を切り欠いた切欠部81fが形成されている。例えば、切欠部81fは、高さが、支持部材81cの下面から押さえ部材81aの下端までの寸法となるように形成される。例えば、切欠部81fは、その幅が、支持部材81cの隙間寸法となるように形成される。収納部70に収納された各商品100は、背面側へ落下しないよう、背面の少なくとも一部が背面部材81dによって押さえられる。
【0086】
図9に示す各段の収納部70は、例えば複数の収納容器80をY軸方向に並べることによって実現される。
図10は、収納容器80の例を示す図である。
図10(a)は収納容器80に商品100を収納した状態を示し、
図10(b)は収納容器80に商品100を収納していない状態を示している。
【0087】
収納容器80は、商品取出装置1の筐体内壁に延設固定された複数の部材6に固定して利用される。隣接する2つの収納容器80を密着配置することによって、
図10に示す2つの押さえ部材181aが、
図9に示す押さえ部材81aを形成する。同様に、
密着する2つの収納容器80の側板181bが、
図9に示す本体部81bを形成し、密着する2つの収納容器80の支持部材181cが、
図9に示す支持部材81cを形成する。
【0088】
図10(a)に示すように、収納容器80に収納された商品100のうち一番下に収納されている商品100は、前面(X軸負方向側側面)全てと、左右(Y軸方向)両側面の前方側一部とを、収納容器80から露出している。また、この最下端の商品100は、左右方向両外側の支持部材181cの隙間81eから、下面の幅方向(Y軸方向)中央部を、下面のX軸方向全体にわたって露出している。さらに、最下端の商品100の背面側で、
図10(b)に示すように背面部材81dの下端に切欠部81fが形成されているため、この商品100は、背面部材81dの切欠部81fから、背面の幅方向中央部も露出している。
【0089】
これにより、収納容器80の一番下に収納されている商品100、すなわち収納部70の最下端の商品100は、露出している左右両側面の前方側(X軸負方向側)をロボットハンドで掴んで、収納部70から前方側へ抜き取ることができる。また、フック形状を有する部材を最下端の商品100の背面側(X軸正方向)へ進入させて、この商品100の背面にフックを引っ掛けて前方側へ引くことにより、この商品100を収納部70から前方側へ抜き取ることができる。搬送部10は、こうして収納容器80、すなわち収納部70から商品100を抜き取るが、詳細は後述する。
【0090】
図9に示す収納部70の構成は例示であって、
図10に示す収納容器80を密着して利用する態様に限定されず、収納容器80をY軸方向に離間して配置する態様であってもよい。また、商品100の収納方法が、収納部70に商品100を上下方向に集積する方法に限定されるものではない。例えば、
図10に示す収納容器80がX軸周りに90度回転して利用され、収納部70の商品100が横方向(Y軸方向)に並べて収納される態様であってもよい。
【0091】
図11は、商品100の異なる収納方法の例を示す図である。
図11(a)に示すように、収納部70が仕切部材84によって複数の収納空間に仕切られて、各収納空間に商品100が1つずつ収納される態様であってもよい。
図11(b)に示すように、収納部70が、商品100を吊り下げるための複数のアーム85を有し、商品100の吊り下げ穴86にアーム85を挿通することにより、複数の商品100を前後方向(X軸方向)に並べて吊り下げて収納する態様であってもよい。
【0092】
次に、商品取出装置1における商品100の搬送について説明する。
図12は、搬送部10の例を示す図である。搬送部10は、複数のレール11~13と、ピッカ14とを含む。搬送部10は図示しない複数の駆動部を含み、制御部20が各駆動部の駆動を制御することにより、以下に説明する搬送部10の動作が実現される。
【0093】
第1レール11は、上下方向(Z軸方向)に長いレール部11aを含む。第1レール11は、
図8に示したように、商品取出装置1の内部に固定されている。
【0094】
第2レール12は、本体部12aと、本体部12aの側面に固定された左右方向(Y軸方向)に長いレール部12bとを含む。本体部12aに、第1レール11のレール部11aが挿通されている。第2レール12は、
図12に矢印401で示すように、レール部11aに沿って上下方向に移動することができる。
【0095】
第3レール13は、本体部13aと、本体部13aの上面に固定された前後方向(X軸方向)に長いレール部13bとを含む。本体部13aに、第2レール12のレール部12bが挿通されている。第3レール13は、矢印402で示すように、レール部12bに沿って左右方向(Y軸方向)に移動することができる。
【0096】
ピッカ14は、基体部14aと、本体部14bと、複数の指部14fとを含む。第3レール13のレール部13bに取り付けられた基体部14aは、矢印403で示すように、レール部13bに沿って前後方向(X軸方向)に移動することができる。基体部14aは、第3レール13の本体部13aよりX軸負方向側へ移動することもできるしX軸正方向側へ移動することもできる。基体部14aは、矢印404で示すように軸14c周りに回転することもできる。
【0097】
基体部14aに、矢印405で示すように回転可能な接続部14dが取り付けられ、この接続部14dと本体部14bとが軸14eによって接続されている。これにより、本体部14bは、矢印405で示すように基体部14aに対して回転することができる。本体部14bは、矢印406で示すように軸14e周りに回動することもできる。本体部14bは複数の指部14fを有し、指部14fによって商品100を掴んだり離したりすることができる。
【0098】
図13は、ピッカ14による商品100の移動方法を説明するための図である。収納部70に収納されている一番下の商品100は、
図10で説明したように、ピッカ14側から見て手前側で、左右両側面が露出している。搬送部10は、ピッカ14の指部14fによって、この露出部分を左右両外側から掴んで手前に引くことにより、商品100を収納部70から抜き取ることができる。
【0099】
搬送部10は、商品取出装置1の装置内で、前後、左右、上下にピッカ14を移動することができる。搬送部10は、商品100を掴んだピッカ14を取出口2へ移動して、掴んでいた商品100を離す。これにより、利用者は取出口2から商品100を取り出せるようになる。
【0100】
図13に示すように、取出口2の載置部22(22a、22b)に、載置面22aから装置内へ商品100が落下することを防止するガード部22bが設けられていてもよい。載置面22aに商品100を載置する方法は、ピッカ14が載置面22aの上方に進入して、掴んでいた商品100を離して載置面22a上に載置する態様に限定されない。載置面22aに、ピッカ14の指部14fが通る溝を形成して、この溝に指部14fを通しながらピッカ14の本体部14bが載置面22aの下方に進入して、商品100を載置面22a上に載置してもよい。商品取出装置1の上面に設けた取出口2を例に具体的に説明する。
【0101】
図14は、取出口2の載置部23に商品100を載置する方法を説明するための図である。例えば、
図14(a)に示すように、箱形状を有する載置部23は、上面と側面の1つとが開放されている。取出口2の載置面23aとなる載置部23の底面には、ピッカ14の指部14fが通る溝部23bが形成されている。例えば、
図14(b)に示すように、商品取出装置1の筐体内側上面に載置部23が固定される。載置部23の開放された上面に対応して取出口2が設けられ、取出口2のシャッターを手動又は自動で開いて、載置部23から商品100を取り出せるようになっている。搬送部10は、
図14(c)に示すように、商品100を掴んだピッカ14の複数の指部14fを上方に向けて溝部23bを通しながら、本体部14bを載置部23の下方に進入させる。搬送部10は、指部14fで掴んだ商品100を載置面23a上に移動した後、商品100を離した指部14fを載置部23の下方外側へ移動して、載置面23aへの商品100の載置を完了する。
【0102】
図15は、商品取出装置1の筐体内側下面に設けた取出口2の例を示す図である。装置下面に取出口2を設ける場合は、搬送部10が、
図15に示すように筐体内側下面に商品100を載置すればよい。利用者は、取出口2から商品取出装置1の装置内に手を入れて、矢印で示すように商品100を取り出すことができる。
【0103】
搬送部10が、
図12に示すようにロボットハンド型のピッカ14を有する態様に限定されるものではない。
図16は、異なるピッカ114の例を示す図である。
図16に示すように搬送部10がトレイ型のピッカ114を有する態様であってもよい。搬送部10は、
図12で説明した複数のレール11~13を利用して、商品取出装置1の装置内で前後、左右、上下にピッカ114を移動することができる。搬送部10は、第3レール13に対してピッカ14を回転させることもできる。
【0104】
ピッカ114は、薄板状の底板114a、背板114c及び2つの側板114bで形成されたトレイ形状を有し、上面と側面の1つが開放されている。ピッカ114は、開放された側面に底板114aの上面から突出したフック部114dを有する。2つの側板114bは、背板114c側では背板114cと同じ高さであるが、フック部114d側の一部の領域は、フック部114dに近付くにつれて高さが低くなる勾配形状になっている。底板114aに商品100を載せて移動する際には、背板114c、側板114b及びフック部114dが、商品100がピッカ114の外へ落下することを防止する。
【0105】
図17は、
図16に示すピッカ114による商品100の移動方法を説明するための図である。収納部70に収納されている一番下の商品100は、
図10で説明したように、底面の一部及び背面の一部が収納部70の外へ露出している。搬送部10は、ピッカ14のフック部114dを商品100の背面に引っ掛けて手前に引くことにより、商品100を収納部70から抜き取ることができる。搬送部10は、商品取出装置1の装置内で、前後、左右、上下にピッカ14を移動することができる。搬送部10は、
図17に示す取出口2の載置部32(32a~32c)で、溝部32b、32cに側板114b及びフック部114dを通しながら、商品100を載せたピッカ114の底板114aを載置部32の下方に進入させて、商品100を載置面32aに載置する。
図18~
図21を参照しながら具体的に説明する。
【0106】
図18は、収納部70の商品100aを取り出すピッカ114を上方から見た図である。
図19は、収納部70の商品100aを取り出すピッカ114を側方から見た図である。
図19(a)~(d)は、それぞれ
図18(a)~(d)に示すピッカ114を側方から見た図を示している。
【0107】
図18(a)に示すように、ピッカ114の側板114bの間の寸法w1は、収納部70で隣接する2つの支持部材81cの両外側までの寸法w2より大きい(w1>w2)。ピッカ114は、
図18(a)及び
図19(a)に示すように、底板114a及びフック部114dを、収納部70の支持部材81cより下方にした状態で収納部70へ進入してから上昇する。ピッカ114は、
図18(b)及び
図19(b)に示すように、フック部114dの一部が支持部材81cの上面より上に出る位置まで上昇してから後退を開始する。ピッカ114は、2つの側板114bを、隣接する2つの支持部材81cの外側にして、これらの支持部材81cの隙間81eにフック部114dを通しながら後退する。
【0108】
図18(c)及び
図19(c)に示すように、収納部70に収納されている複数の商品100(100a~100c)のうち、一番下にある商品100aの背面のみが、後退するピッカ114のフック部114dに接触する。ピッカ114の後退に伴って、一番下の商品100aは、隣接する仕切部材81の本体部81bの間をX軸負方向に移動して収納部70の外へ抜き取られる。このとき、収納部70の押さえ部材81aが、他の商品100b、100cを押さえて、抜き取られる商品100aによって収納部70から連れ出されることを防止する。この結果、
図18(d)及び
図19(d)に示すように、1つの商品100aのみが収納部70から抜き取られてピッカ114の底板114aの上に載った状態となる。
【0109】
図20は、取出口2の載置部32へ商品100を載せるピッカ114を上方から見た図である。
図21は、取出口2の載置部32へ商品100を載せるピッカ114を側方から見た図である。
図20(a)~(c)は、それぞれ
図21(a)~(c)に示すピッカ114を側方から見た図を示している。
図20(a)に示すように、載置部32には、ピッカ114の2つの側板114bに対応する2つの溝部32bと、フック部114dに対応する溝部32cとが形成されている。
【0110】
ピッカ114は、底板114aを載置部32より下方にして、溝部32bに側板114bを通して溝部32cにフック部114dを通しながら、
図20(a)及び
図21(a)に矢印で示すように載置部32へと進入した後、フック部114dが載置部32の下方外側となる位置まで降下する。
【0111】
図20(b)及び
図21(b)に示すように、ピッカ114の底板114a上にあった商品100は、ピッカ114が載置部32へ進入する際に、載置面32a上に載った状態となる。ピッカ114の進入時に底板114a上の商品100が載置面32aへ円滑に乗り上げるよう、
図20(a)及び
図21(a)に示すように載置部32の3つの溝部32b、32cの間に、取出口2から離れるにつれて厚みが薄くなる勾配領域32dが形成されていることが好ましい。
【0112】
商品100を載置面32aに載せて降下したピッカ114は、
図20(c)及び
図21(c)に示すように、載置部32から離れた位置まで後退する。利用者は、
図20(c)及び
図21(c)に矢印で示すように取出口2から商品100を取り出すことができる。
【0113】
図17及び
図20では、載置部32に、ピッカ114の側板114bに対応する溝部32bが形成された例を示したが、載置部32の構成がこれに限定されるものではない。
図22は、載置部32の異なる例を示す図である。
図22に示すように、載置部32には、ピッカ114のフック部114dに対応する溝部32cのみが形成され、ピッカ114の側板114bは、載置部32と、載置部32に隣接する収納部70との間を通る態様であってもよい。
【0114】
本実施形態では、ピッカ14、114を複数のレール11~13を利用して移動する態様を示したが、ピッカ14、114の移動方法は特に限定されない。例えば、ピッカ14、114が、複数の関節を有するロボットアームの先端に設けられ、ロボットアームによって移動する態様であってもよい。ピッカ14、114が収納部70の全ての商品100及び全ての取出口2に届くように、ロボットアームを商品取出装置1の内側に設置することにより、商品取出装置1は上述した各動作を行うことができる。
【0115】
本実施形態では、模式的に直方体形状の商品100を示したが、商品100の形状及び種類は特に限定されない。例えば、箱形のケースに商品を収納して、このケースを上述した商品100と同様に取り扱うことにより、商品取出装置1を利用して様々な商品を取り出すことが可能となる。
【0116】
本実施形態では商品100の様々な取出方法を示したが、商品取出装置1が全ての取出方法を実現する態様に限定されず、店舗での利用態様に応じて一部の取出方法のみを実現する態様であってもよい。
【0117】
上述したように、本実施形態に係る商品取出装置は、装置内の収納部に複数種類の商品を収納して、利用者が指定した商品を取出口に搬送することができる。商品取出装置は複数の取出口を有し、例えば、利用者が指定した取出口へ商品を搬送することができる。これにより、利用者は、所望の商品を所望の取出口から取り出すことができる。例えば、商品取出装置は、商品の種類に応じて、異なる取出口へ商品を搬送することができる。例えば、商品取出装置は、商品を指定する操作が行われた操作端末の位置に応じて、異なる取出口へ商品を搬送することができる。これにより、店舗で行われる商品の様々な販売形態に対応することができる。
【産業上の利用可能性】
【0118】
以上のように、本開示に係る商品取出装置及び商品取出システムは、店舗で行われる商品の様々な販売形態に対応するために有用である。
【符号の説明】
【0119】
1 商品取出装置
2 取出口
10 搬送部
11~13 レール
14、114 ピッカ
20 制御部
22、23、32 載置部
30 通信部
32 載置部
40 記憶部
50 操作端末
60 精算装置
61 入出金口
70 収納部
80 収納容器