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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022098832
(43)【公開日】2022-07-04
(54)【発明の名称】車両のセンターコンソール構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20220627BHJP
   B60R 7/04 20060101ALI20220627BHJP
   B60N 2/75 20180101ALI20220627BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220627BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20220627BHJP
   H02J 50/90 20160101ALI20220627BHJP
【FI】
B60R11/02 W
B60R7/04 C
B60N2/75
H02J7/00 301A
H02J7/00 301D
H02J50/10
H02J50/90
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020212451
(22)【出願日】2020-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】世良 直博
(72)【発明者】
【氏名】上田 修
(72)【発明者】
【氏名】名原 成実
(72)【発明者】
【氏名】古川 浩二
(72)【発明者】
【氏名】黒田 征平
(72)【発明者】
【氏名】大野 宏
【テーマコード(参考)】
3B087
3D020
3D022
5G503
【Fターム(参考)】
3B087DC04
3D020BA06
3D020BB01
3D020BC02
3D020BD03
3D020BD05
3D022CA07
3D022CB01
3D022CC01
3D022CD01
5G503AA04
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA01
5G503GB08
(57)【要約】
【課題】操作部17の操作性と、携帯端末2の取り出し性とを両立して確保できる車両のセンターコンソール構造を提供することを目的とする。
【解決手段】コンソール本体10と、アームレスト20と、携帯端末2が載置される載置面13aを介して、携帯端末2にワイヤレスで電力を伝送する給電部18とを備えた車両のセンターコンソール構造であって、コンソール本体10の上面は、載置面13aを有するとともに、アームレスト20の車両下方に配置された端末収容部13と、乗員の操作を受け付ける操作部17が設けられるともに、端末収容部13の車両前方側に配置された天板部12とを備え、端末収容部13は、車両前後方向に沿った垂直断面において、端末幅Wが67mm以上84mm以下の携帯端末2の前端2aを仮想領域S内に位置させるように、携帯端末2の位置を位置決めする後壁部分133を備えたことを特徴とする。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車室内を車両前後方向に延びるコンソール本体と、
該コンソール本体の車両上方に配置されたアームレストと、
携帯端末が載置される載置面を介して、前記携帯端末にワイヤレスで電力を伝送する給電部とを備えた車両のセンターコンソール構造であって、
前記コンソール本体の上面は、
前記載置面を有するとともに、前記アームレストの車両下方に配置された端末収容部と、
乗員の操作を受け付ける操作部が設けられるともに、前記端末収容部の車両前方側に配置された天板部とを備え、
車両前後方向に沿った垂直断面において、前記操作部の後端と前記アームレストの前端と結ぶ仮想直線を第1仮想直線とし、
前記アームレストの前端よりも所定間隔だけ車両前方の位置、または前記アームレストの前端位置を通る略鉛直な仮想直線を第2仮想直線とし、
前記第1仮想直線、前記第2仮想直線、及び前記コンソール本体の上面で囲われた範囲を仮想領域として、
前記端末収容部は、
車両前後方向に沿った垂直断面において、前記載置面に略平行な方向に沿った長さである端末幅が67mm以上84mm以下の前記携帯端末の前端を前記仮想領域内に位置させるように、前記携帯端末の位置を位置決めする位置決め部分を備えた
車両のセンターコンソール構造。
【請求項2】
前記給電部は、
平面視において、前記アームレスト及び前記端末収容部の前記載置面の双方に重なり合うように配置された
請求項1に記載の車両のセンターコンソール構造。
【請求項3】
前記天板部及び前記端末収容部の前記載置面は、
車両前後方向に沿った垂直断面において、前記携帯端末の前端が前記天板部よりも車両上方に位置するように形成された
請求項1または請求項2に記載の車両のセンターコンソール構造。
【請求項4】
前記アームレストの前端縁は、
平面視において、車幅方向略中央が車両前方へ突出した略湾曲形状に形成された
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の車両のセンターコンソール構造。
【請求項5】
前記アームレストは、
前記載置面に対向する下面が、後端に対して前端が車両上方に位置するように傾斜した傾斜面で形成された
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の車両のセンターコンソール構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば携帯端末を充電するための充電器として、携帯端末にワイヤレスで電力を伝送する給電部を備えたようなセンターコンソール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、スマートフォンなどの携帯端末の普及に伴い、自動車などの車両には、携帯端末に充電するための充電器を備えたものがある。
例えば、特許文献1には、携帯端末を載置する端末収容部と、端末収容部を介して携帯端末にワイヤレスで電力を伝送する給電部とが、コンソールボックスの内部に配置された車両のセンターコンソール構造が開示されている。
【0003】
さらに、この特許文献1では、端末収容部とで携帯端末を把持する固定部が、コンソールボックスの蓋となるアームレストの下面に車両下方へ向けて突設されている。これにより、特許文献1では、車両が走行中であっても、携帯端末の位置ズレを抑えられるため、携帯端末に安定して給電できるとされている。
【0004】
ところで、特許文献1における車両のセンターコンソール構造は、例えば、乗員が降車するたびに、アームレストを開いて携帯端末をコンソールボックスから取り出す必要があるため、利便性が悪いという問題がある。
そこで、例えばセンターコンソールの前部に端末収容部を設けることで、携帯端末の取り出しを容易にして利便性の向上を図ることが考えられる。
【0005】
しかしながら、センターコンソールの前部には、シフトレバーや車両の各種設定を切替えるスイッチなどの操作部が設けられているため、センターコンソールの前部に端末収容部を配置した場合、操作部と端末収容部とが近接することになる。このため、乗員が操作部を操作する際、乗員の手が充電中の携帯端末に接触して、操作部の操作性が低下するおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第9096177号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の問題に鑑み、操作部の操作性と、携帯端末の取り出し性とを両立して確保できる車両のセンターコンソール構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、車両の車室内を車両前後方向に延びるコンソール本体と、該コンソール本体の車両上方に配置されたアームレストと、携帯端末が載置される載置面を介して、前記携帯端末にワイヤレスで電力を伝送する給電部とを備えた車両のセンターコンソール構造であって、前記コンソール本体の上面は、前記載置面を有するとともに、前記アームレストの車両下方に配置された端末収容部と、乗員の操作を受け付ける操作部が設けられるともに、前記端末収容部の車両前方側に配置された天板部とを備え、車両前後方向に沿った垂直断面において、前記操作部の後端と前記アームレストの前端と結ぶ仮想直線を第1仮想直線とし、前記アームレストの前端よりも所定間隔だけ車両前方の位置、または前記アームレストの前端位置を通る略鉛直な仮想直線を第2仮想直線とし、前記第1仮想直線、前記第2仮想直線、及び前記コンソール本体の上面で囲われた範囲を仮想領域として、前記端末収容部は、車両前後方向に沿った垂直断面において、前記載置面に略平行な方向に沿った長さである端末幅が67mm以上84mm以下の前記携帯端末の前端を前記仮想領域内に位置させるように、前記携帯端末の位置を位置決めする位置決め部分を備えたことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、車両のセンターコンソール構造は、操作部の操作性と、携帯端末の取り出し性とを両立して確保することができる。
具体的には、端末収容部の位置決め部分によって、携帯端末の前端が第1仮想直線よりも車両後方に位置するため、車両のセンターコンソール構造は、乗員がアームレストに前腕を載置した状態で、操作部を操作した際、乗員の手が携帯端末に接触することを防止できる。
【0010】
さらに、端末収容部の位置決め部分によって、携帯端末の前端が第2仮想直線よりも車両前方に位置するため、車両のセンターコンソール構造は、携帯端末がアームレストの車両下方に隠れて取り出し難くなることを防止できる。
よって、車両のセンターコンソール構造は、操作部の操作性と、携帯端末の取り出し性とを両立して確保することができる。
【0011】
この発明の態様として、前記給電部は、平面視において、前記アームレスト及び前記端末収容部の前記載置面の双方に重なり合うように配置されてもよい。
この構成によれば、車両のセンターコンソール構造は、充電中の携帯端末と乗員の頭部との間に確実にアームレストを介在させることができる。
【0012】
このため、例えば乗員が携帯端末へ視線を移動させたとしても、車両のセンターコンソール構造は、アームレストによって、乗員の視界から携帯端末を確実に隠すことができる。
これにより、車両のセンターコンソール構造は、携帯端末の取り出しを阻害することなく、乗員のわき見運転を阻止することができる。
【0013】
またこの発明の態様として、前記天板部及び前記端末収容部の前記載置面は、車両前後方向に沿った垂直断面において、前記携帯端末の前端が前記天板部よりも車両上方に位置するように形成されてもよい。
【0014】
この構成によれば、車両のセンターコンソール構造は、携帯端末の前端近傍と天板部との間に隙間を設けることができる。このため、車両のセンターコンソール構造は、乗員が携帯端末を取り出す際、車両上下方向から携帯端末を掴んで取り出すことができる。これにより、車両のセンターコンソール構造は、携帯端末の取り出しをより容易にすることができる。
【0015】
またこの発明の態様として、前記アームレストの前端縁は、平面視において、車幅方向略中央が車両前方へ突出した略湾曲形状に形成されてもよい。
この構成によれば、車両のセンターコンソール構造は、平面視において、載置面における車両前方側の隅部分が、アームレストに隠れることを防止できる。換言すると、車両のセンターコンソール構造は、平面視において、載置面における車両前方側の隅部分を露出させることができる。
【0016】
このため、載置面に略平行な方向の長さが長く重量が重い携帯端末、あるいは載置面に略平行な方向の長さが短い携帯端末であっても、乗員は、アームレストに邪魔されることなく、携帯端末をしっかりと掴んで取り出すことができる。
【0017】
さらに、車両のセンターコンソール構造は、乗員がアームレストに前腕を載置した状態であっても、車幅方向のいずれか一方に手首を動かすだけで、載置面に載置された携帯端末に容易に触れることができる。
【0018】
これにより、車両のセンターコンソール構造は、乗員が大きく視線移動することなく携帯端末を取り出せるため、携帯端末の取り出し性を向上することができる。
【0019】
またこの発明の態様として、前記アームレストは、前記載置面に対向する下面が、後端に対して前端が車両上方に位置するように傾斜した傾斜面で形成されてもよい。
この構成によれば、車両のセンターコンソール構造は、端末収容部の載置面における前端上方の空間を大きく確保することができる。このため、車両のセンターコンソール構造は、携帯端末の取り出しをより一層容易にすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明により、操作部の操作性と、携帯端末の取り出し性とを両立して確保できる車両のセンターコンソール構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】車両前方上方視におけるセンターコンソールの外観を示す外観斜視図。
図2】端末収容部近傍の外観を示す外観斜視図。
図3】コンソール本体を平面視で示す平面図。
図4】センターコンソールを平面視で示す平面図。
図5図4中のA-A矢視断面図。
図6】端末収容部の外観を示す外観斜視図。
図7図4中のB-B矢視断面図。
図8図5中のC-C矢視断面図。
図9】携帯端末と仮想領域との関係を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
本実施形態のセンターコンソール1は、携帯端末2にワイヤレスで電力を伝送する充電機能を備えている。このようなセンターコンソール1の構造について、図1から図9を用いて説明する。
【0023】
なお、図1は車両前方上方視におけるセンターコンソール1の外観斜視図を示し、図2は端末収容部13近傍の外観斜視図を示し、図3はコンソール本体10の平面図を示し、図4はセンターコンソール1の平面図を示し、図5図4中のA-A矢視断面図を示している。
【0024】
さらに、図6は端末収容部13の外観斜視図を示し、図7図4中のB-B矢視断面図を示し、図8図5中のC-C矢視断面図を示し、図9は携帯端末2と仮想領域Sとの関係を説明する説明図を示している。
なお、図中において、図示を明確にするため、携帯端末2を二点鎖線で示し、図5図7図8、及び図9中において、端末収容部13の本体とフレームとを一体化して図示している。
【0025】
また、図中において、矢印Fr及び矢印Rrは前後方向を示しており、矢印Frは前方を示し、矢印Rrは後方を示している。さらに、矢印Rh及び矢印Lhは車幅方向を示しており、矢印Rhは右方向を示し、矢印Lhは左方向を示している。加えて、図中の上側は車両上方を示し、図中の下側は車両下方を示している。
【0026】
本実施形態のセンターコンソール1は、車両の車室内において、左右の前席の間に配置されるとともに、その前端近傍がインストルメントパネル(図示省略)の下部に連結されている。
このセンターコンソール1は、図1に示すように、車両前後方向に延びるコンソール本体10と、コンソール本体10の後部かつ車両上方に配置したアームレスト20とで構成されている。
【0027】
コンソール本体10は、図1に示すように、車幅方向で対向して側面をなす左右一対のコンソール側面部11と、コンソール側面部11の間に配設され、コンソール本体10の上面をなす天板部12及び端末収容部13と、天板部12の車幅方向両側に配置された左右一対の化粧パネル14とを備えている。
【0028】
さらに、コンソール本体10は、図1及び図2に示すように、端末収容部13の車両後方に配置したコンソールボックス15と、天板部12に設けたシフトレバー16及び操作部17と、端末収容部13の車両下方に配置された給電部18(図5参照)と、これらを支持する支持部材19とを備えている。
【0029】
具体的には、左右一対のコンソール側面部11は、図1に示すように、車両前後方向に長いパネル状の部材であって、センターコンソール1の外観意匠面を構成している。このコンソール側面部11は、図1に示すように、車両前後方向に長い側面前部11aと、側面前部11aに対して車両上下方向に長い側面後部11bとを、車両前方からこの順番で連結して形成されている。
【0030】
より詳しくは、側面前部11aは、その上端が他方のコンソール側面部11側、かつ車両下方へ向けて折り返した形状に形成されている(図7参照)。この側面前部11aの上端縁は、側面視において、車両後方へ向かうほど緩やかに車両下方に傾斜している(図5参照)。
一方、側面後部11bは、図1に示すように、側面前部11aの上端縁よりも車両上方の位置に上端縁が位置するように、側面前部11aの車両後方に一体形成されている。
【0031】
また、天板部12は、図1に示すように、上下方向に厚みを有するパネル部材であって、その前端が図示を省略したインストルメントパネルに連続するように形成されている。この天板部12は、図1に示すように、コンソール側面部11の側面前部11aにおける車両前後方向略中央において、側面前部11aの上端縁よりも車両下方の位置に、上面が位置するように配置されている。
【0032】
また、端末収容部13は、図1及び図2に示すように、左右のコンソール側面部11の間において、天板部12の車両後方側に配設され、その上面が天板部12の上面に連続するように形成されている。
さらに、端末収容部13の上面は、図3から図5に示すように、長手方向を車幅方向に略一致させた状態の携帯端末2が載置される載置面13aとして形成されている。
【0033】
なお、上述した天板部12及び端末収容部13は、携帯端末2が載置面13aに載置された状態において、携帯端末2の前端2aが天板部12の上面から車両上方に離間するように形成されている(図9参照)。
【0034】
また、左右一対の化粧パネル14は、図1に示すように、車両前後方向に長い略帯状のパネル部材であって、コンソール側面部11よりも車幅方向内側で車幅方向に対向配置されている。
【0035】
この化粧パネル14は、図1に示すように、コンソール側面部11と天板部12の上面との隙間を覆うように配設されている。
なお、化粧パネル14は、図5に示すように、側面視において、上端縁が、コンソール側面部11の上端縁に略平行となるように形成されている。
【0036】
また、コンソールボックス15は、図2及び図3に示すように、車両上方が開口した略ボックス状の部材であって、端末収容部13の車両後方、かつ側面後部11bの間に配置されている。
【0037】
このコンソールボックス15は、図5に示すように、車両前後方向に沿った垂直断面において、側面後部11bの上端縁に略同じ車両上下方向の位置に上端が位置するように配置されている。
つまり、コンソールボックス15は、天板部12の上面及び端末収容部13の上端よりも車両上方の位置に、上端が位置するように配置されている。
【0038】
また、シフトレバー16は、乗員の操作を受け付けて、車両の変速機(図示省略)を変速させるためのレバーである。このシフトレバー16は、図1に示すように、天板部12の車両前方かつ車幅方向略中央に配置されている。
【0039】
また、操作部17は、図1に示すように、シフトレバー16の車両後方、かつアームレスト20の車両前方の位置において、天板部12の上面に配置されている。この操作部17は、図3に示すように、車幅方向略中央に配置した略円筒状のダイヤル17aと、ダイヤル17aの周囲に配置した複数のボタン17bとで構成され、例えば、車両の各種設定に係る操作やナビゲーションシステムの操作を受け付ける機能を有している。
【0040】
また、給電部18は、図示を省略した電源に接続されるとともに、端末収容部13の載置面13aを介して、携帯端末2にワイヤレスで電力を伝送する装置である。この給電部18は、図5に示すように、端末収容部13(後述する底面部分131)に対して車両下方側から当接するように配置されている。
【0041】
また、アームレスト20は、乗員の前腕(肘から手首まで)が載置される部分であって図1及び図4に示すように、コンソール本体10の後端から天板部12の後端近傍に至る車両前後方向の長さで形成されている。
【0042】
このアームレスト20は、コンソールボックス15の開口を覆う蓋部として機能するように、コンソールボックス15に開閉自在に支持されている。
なお、アームレスト20は、図1に示すように、車幅方向略中央で左右に分割された形状であるが、ここでは一体化されているものとして説明する。
【0043】
具体的には、アームレスト20は、図1及び図5に示すように、コンソールボックス15の開口を覆う蓋部となるアームレスト後部21と、アームレスト後部21から車両前方へ突出するとともに、端末収容部13の載置面13aに車両上下方向で対向するアームレスト前部22とで構成されている。
【0044】
なお、アームレスト前部22は、図4に示すように、平面視において、端末収容部13の載置面13aよりも車両前方に突出しない車両前後方向の長さで、アームレスト後部21から延設されている。
【0045】
さらに、アームレスト前部22は、図4に示すように、平面視において、端末収容部13の載置面13aにおける車両前方側の隅部を露出させるように形成されている。より詳しくは、アームレスト前部22は、図4に示すように、車幅方向略中央が車両前方へ突出するように湾曲した平面視略湾曲形状の前端縁を有する形状に形成されている。
【0046】
引き続き、上述した構成のセンターコンソール1において、端末収容部13、給電部18、及びアームレスト20についてさらに詳述するとともに、端末収容部13に載置される携帯端末2との相対位置関係について説明する。
【0047】
端末収容部13は、図6に示すように、載置面13aを有して車両上方及び車両前方が開口した略ボックス状の本体(符号省略)と、本体を支持するフレーム(符号省略)とで構成されている。なお、フレームには、例えば化粧パネル14が係合する開口や、天板部12が係合する開口が開口形成されている。
【0048】
この端末収容部13は、図5及び図6に示すように、上面が載置面13aである底面部分131と、底面部分131の車幅方向両端から立設した左右一対の側壁部分132と、底面部分131の後端から立設した後壁部分133とを備えている。
【0049】
具体的には、底面部分131は、図3に示すように、平面視において、車両前後方向における携帯端末2の長さよりも短い車両前後方向の長さに形成されている。この底面部分131は、図5に示すように、車両前後方向に沿った垂直断面において、アームレスト前部22の下面に対して車両下方に所定間隔を隔てて対向するとともに、前端に対して後端が車両下方に位置するように配置された略板状に形成されている。
【0050】
より詳しくは、底面部分131は、図5に示すように、車両前後方向に沿った垂直断面において、上面である載置面13aが、略水平な仮想直線に対して15°の角度で傾斜するように形成されている。
【0051】
左右一対の側壁部分132は、携帯端末2の車幅方向の位置を規制する規制部として形成されている。
より詳しくは、左右一対の側壁部分132は、図6及び図7に示すように、底面部分131の車幅方向両端から車両上方、かつ僅かに車幅方向外側へ向けて立設されている。この側壁部分132は、図2図3、及び図5に示すように、底面部分131の前端よりも車両前方の位置に前端が位置するように形成されている。
【0052】
なお、側壁部分132の車幅方向内側の面は、図8に示すように、車両前後方向に沿った水平断面において、化粧パネル14の車幅方向内側の面に連続するように形成されている。
さらに、側壁部分132は、図5及び図7に示すように、側面視において、上端縁が、コンソール側面部11の上端縁に略平行、かつ化粧パネル14の上端縁に連続する形状に形成されている。
【0053】
後壁部分133は、図9に示すように、車両前後方向に沿った垂直断面において、載置面13aに載置された携帯端末2の前端2aの位置を位置決めする位置決め部分として、載置面13aに対して略鉛直に立設されている。
なお、携帯端末2は、図9に示すように、載置面13aに略平行な方向に沿った長さである端末幅Wが67mm以上84mm以下の端末とする。
【0054】
より詳しくは、アームレスト20の前端20aと操作部17の後端17cとを結ぶ仮想直線を第1仮想直線VL1として、端末収容部13の後壁部分133は、図9に示すように、第1仮想直線VL1よりも車両後方、かつ天板部12よりも車両上方に携帯端末2の前端2aが位置するように立設されている。
【0055】
さらに、アームレスト20の前端20aから所定間隔Lだけ車両前方に離間した位置を通る略鉛直な仮想直線を第2仮想直線VL2として、後壁部分133は、図9に示すように、第2仮想直線VL2よりも車両前方、かつ天板部12よりも車両上方に携帯端末2の前端2aが位置するように立設されている。なお、上述した所定間隔Lは、大柄の男性の指先の大きさとし、例えば18mmとする。
【0056】
つまり、後壁部分133は、図9に示すように、車両前後方向に沿った垂直断面において、第1仮想直線VL1、第2仮想直線VL2、及び天板部12で囲われた多角形領域である仮想領域Sに、携帯端末2の前端2aを位置させる車両前後方向の位置に立設されている。
【0057】
このような仮想領域Sは、アームレスト前部22に前腕を載置した状態で、乗員が操作部17を操作した際、乗員の指先が侵入し難い領域、かつ車両前後方向に沿った携帯端末2の出し入れを阻害しない領域として設定されている。
【0058】
また、給電部18は、携帯端末2が端末収容部13の載置面13aに載置された際、例えば携帯端末2の受電コイル(図示省略)に誘導起電力を発生させることで、ワイヤレスで電力を伝送する装置である。この給電部18には、図4に示すように、車幅方向に並置された3つの送電用コイル18aが内蔵されている。
【0059】
なお、3つの送電用コイル18aは、車幅方向略中央の送電用コイル18aが、車幅方向両端の2つの送電用コイル18aに対して車両上下方向で重なり合うように配置されている。
さらに、給電部18は、図4に示すように、平面視において、3つの送電用コイル18aが、端末収容部13の載置面13a及びアームレスト前部22に車両上下方向で重なり合うように配置されている。
【0060】
また、アームレスト20は、図5に示すように、車両前後方向に沿った縦断面において、アームレスト後部21の下面が、車両前方へ向かうほど車両下方へ傾斜した傾斜面で形成され、アームレスト前部22の下面が、後端に対して前端が僅かに車両上方に位置する傾斜面で形成されている。
【0061】
さらに、端末収容部13に略同じ車両前後方向の範囲において、アームレスト前部22の下面は、図7及び図9に示すように、コンソール側面部11の上端縁から車両上方に、携帯端末2の厚みDよりも長い上下間隔Hを隔てた位置に形成されている。
【0062】
より詳しくは、アームレスト前部22は、図7に示すように、車幅方向に沿った垂直断面において、車幅方向略中央が車両下方へ突出した断面略凸形状に形成されている。
このため、アームレスト前部22の下面は、図7に示すように、車幅方向略中央の中央下面22aと、中央下面22aの車幅方向両側に位置するとともに、中央下面22aに対して車両上方に位置する端部下面22bとで、断面略ハット状の下面形状に形成されている。
【0063】
そして、アームレスト前部22の中央下面22aは、図7に示すように、コンソール側面部11の上端縁から携帯端末2の厚みDよりも大きい上下間隔Hを隔てた車両上方の位置に形成されている。
このため、アームレスト前部22の中央下面22aと、端末収容部13の上端との車両上下方向の間隔は、携帯端末2の厚みDよりも大きい間隔となっている。
【0064】
一方、アームレスト前部22の端部下面22bは、図7に示すように、車幅方向に沿った垂直断面において、車幅方向外側の端部が、端末収容部13の側壁部分132に略同じ車幅方向の位置となるように形成されている。
【0065】
このような構成のため、センターコンソール1には、図7及び図9に示すように、アームレスト前部22の下面とコンソール側面部11の上端縁との間に、携帯端末2を車幅方向に沿って出し入れ可能な空間が形成されている。
さらに、センターコンソール1には、アームレスト前部22の下面と端末収容部13の載置面13aとの間に、携帯端末2を車両前後方向に沿って出し入れ可能な空間が形成されている。
【0066】
以上のように、本実施形態における車両のセンターコンソール構造は、車両の車室内を車両前後方向に延びるコンソール本体10と、コンソール本体10の車両上方に配置されたアームレスト20と、携帯端末2が載置される載置面13aを介して、携帯端末2にワイヤレスで電力を伝送する給電部18とを備えている。
【0067】
さらに、コンソール本体10の上面は、載置面13aを有するとともに、アームレスト20の車両下方に配置された端末収容部13と、乗員の操作を受け付ける操作部17が設けられるともに、端末収容部13の車両前方側に配置された天板部12とを備えたものである。
【0068】
ここで、車両前後方向に沿った垂直断面において、操作部17の後端とアームレスト20の前端20aと結ぶ仮想直線を第1仮想直線VL1とし、アームレスト20の前端20aよりも所定間隔Lだけ車両前方の位置を通る略鉛直な仮想直線を第2仮想直線VL2とする。さらに、第1仮想直線VL1、第2仮想直線VL2、及びコンソール本体10の上面で囲われた範囲を仮想領域Sとする。
【0069】
そして、端末収容部13は、車両前後方向に沿った垂直断面において、載置面13aに略平行な方向に沿った長さである端末幅Wが67mm以上84mm以下の携帯端末2の前端2aを仮想領域S内に位置させるように、携帯端末2の位置を位置決めする後壁部分133を備えたものである。
【0070】
これによれば、車両のセンターコンソール構造は、操作部17の操作性と、携帯端末2の取り出し性とを両立して確保することができる。
具体的には、端末収容部13の後壁部分133によって、携帯端末2の前端2aが第1仮想直線VL1よりも車両後方に位置するため、車両のセンターコンソール構造は、乗員がアームレスト20に前腕を載置した状態で、操作部17を操作した際、乗員の手が携帯端末2に接触することを防止できる。
【0071】
さらに、端末収容部13の後壁部分133によって、携帯端末2の前端2aが第2仮想直線VL2よりも車両前方に位置するため、車両のセンターコンソール構造は、携帯端末2がアームレスト20の車両下方に隠れて取り出し難くなることを防止できる。
よって、車両のセンターコンソール構造は、操作部17の操作性と、携帯端末2の取り出し性とを両立して確保することができる。
【0072】
また、給電部18は、平面視において、アームレスト20及び端末収容部13の載置面13aの双方に重なり合うように配置されたものである。
この構成によれば、車両のセンターコンソール構造は、充電中の携帯端末2と乗員の頭部との間に確実にアームレスト20を介在させることができる。
【0073】
このため、例えば乗員が携帯端末2へ視線を移動させたとしても、車両のセンターコンソール構造は、アームレスト20によって、乗員の視界から携帯端末2を確実に隠すことができる。
これにより、車両のセンターコンソール構造は、携帯端末2の取り出しを阻害することなく、乗員のわき見運転を阻止することができる。
【0074】
また、天板部12及び端末収容部13の載置面13aは、車両前後方向に沿った垂直断面において、携帯端末2の前端2aが天板部12よりも車両上方に位置するように形成されたものである。
この構成によれば、車両のセンターコンソール構造は、携帯端末2の前端2a近傍と天板部12との間に隙間を設けることができる。
【0075】
このため、車両のセンターコンソール構造は、乗員が携帯端末2を取り出す際、車両上下方向から携帯端末2を掴んで取り出すことができる。これにより、車両のセンターコンソール構造は、携帯端末2の取り出しをより容易にすることができる。
【0076】
また、アームレスト20の前端縁は、平面視において、車幅方向略中央が車両前方へ突出した略湾曲形状に形成されたものである。
この構成によれば、車両のセンターコンソール構造は、平面視において、載置面13aにおける車両前方側の隅部分が、アームレスト20に隠れることを防止できる。換言すると、車両のセンターコンソール構造は、平面視において、載置面13aにおける車両前方側の隅部分を露出させることができる。
【0077】
このため、端末幅Wが長く重量が重い携帯端末2、あるいは端末幅Wが短い携帯端末2であっても、乗員は、アームレスト20に邪魔されることなく、携帯端末2をしっかりと掴んで取り出すことができる。
【0078】
さらに、車両のセンターコンソール構造は、乗員がアームレスト20に前腕を載置した状態であっても、車幅方向のいずれか一方に手首を動かすだけで、載置面13aに載置された携帯端末2に容易に触れることができる。
【0079】
これにより、車両のセンターコンソール構造は、乗員が大きく視線移動することなく携帯端末2を取り出せるため、携帯端末2の取り出し性を向上することができる。
【0080】
また、アームレスト20は、載置面13aに対向する下面が、後端に対して前端が車両上方に位置するように傾斜した傾斜面で形成されたものである。
この構成によれば、車両のセンターコンソール構造は、端末収容部13の載置面13aにおける前端上方の空間を大きく確保することができる。このため、車両のセンターコンソール構造は、携帯端末2の取り出しをより一層容易にすることができる。
【0081】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の位置決め部分は、実施形態の後壁部分133に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0082】
例えば、上述の実施形態において、左右に分割されたアームレスト20としたが、これに限定せず、左右に分割されていないアームレストであってもよい。
また、コンソール本体10に支持されたアームレスト20としたが、これに限定せず、コンソール本体10とは異なる部位、例えば前席のシートバックに支持されたアームレストであってもよい。
【0083】
また、車両下方へ突出した略凸形状の下面を有するアームレスト20としたが、これに限定せず、携帯端末2の厚みDよりも大きい上下間隔Hであれば、平坦な下面を有するアームレストであってもよい。
【0084】
また、シフトレバー16及び操作部17を備えた天板部12としたが、これに限定せず、シフトレバー16及び操作部17を備えていない天板部としてもよい。あるいは、シフトレバー16を備えた天板部、または操作部17を備えた天板部としてもよい。
【0085】
なお、シフトレバー16のみを備えた天板部の場合、第1仮想直線VL1は、アームレスト20の前端20aとシフトレバーの後端とを結ぶ仮想直線とする。
また、第2仮想直線VL2を、アームレスト20の前端20aから所定間隔Lだけ離間した位置を通る仮想直線としたが、これに限定せず、アームレスト20の前端20aの位置を通る略鉛直な仮想直線を第2仮想直線VL2としてもよい。
【符号の説明】
【0086】
2…携帯端末
2a…前端
10…コンソール本体
12…天板部
13…端末収容部
13a…載置面
17…操作部
17c…後端
18…給電部
20…アームレスト
20a…前端
133…後壁部分
L…所定間隔
S…仮想領域
VL1…第1仮想直線
VL2…第2仮想直線
W…端末幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9