(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022098917
(43)【公開日】2022-07-04
(54)【発明の名称】濁度予測システム、濁度予測方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20120101AFI20220627BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020212591
(22)【出願日】2020-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】519217814
【氏名又は名称】株式会社JEMS
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 寿章
(72)【発明者】
【氏名】池田 恭彰
(72)【発明者】
【氏名】岩渕 雅和
(72)【発明者】
【氏名】松▲崎▼ 飛鳥
(72)【発明者】
【氏名】平沢 智史
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 譲
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】監視者や作業者が、濁度が常に第1の閾値及び第2の閾値を超えるか否かの監視を行うことなく、第1の閾値及び第2の閾値を超えるタイミングを容易に予測値として取得することできる濁度予測システムを提供する。
【解決手段】本発明の濁度予測システムは、所定のタイミングにおける河川の濁度の予測値である予測濁度を、当該タイミングに対する過去における所定の期間の濁度と、当該期間における流量に関連したデータである関連データとの入力データから予測する機械学習モデルを用いて取得する予測部を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のタイミングにおける河川の濁度の予測値である予測濁度を、当該タイミングに対する過去における所定の期間の濁度と、当該期間における流量に関連したデータである関連データとの入力データから予測する機械学習モデルを用いて取得する予測部
を備えることを特徴とする濁度予測システム。
【請求項2】
前記機械学習モデルが、
一時間単位で前記予測濁度を予測する構成であり、前記タイミングとして現在の時間からn時間先の予測濁度を、現在の時間からm時間前までの各々の時間に計測された前記濁度と、現在の時間からm時間前までの各々の時間に計測された前記関連データとにより時間単位予測濁度として前記予測濁度を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の濁度予測システム。
【請求項3】
前記機械学習モデルが、一日単位で前記予測濁度を予測する構成であり、前記タイミングとして現在の日からp日先の予測濁度を、現在の日からq日前までの各々の日において時間毎に計測される前記濁度における最大値と、前記関連データである現在の日の翌日から前記p日の前日までの各々の日における天気データとを入力データとして、前記予測濁度としてp日先の日における濁度の最大値として出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の濁度予測システム。
【請求項4】
前記機械学習モデルへの前記入力データが、前記関連データである現在の日からq日前までの各々の日において時間毎に計測される前記関連データにおける最大値を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の濁度予測システム。
【請求項5】
予測部が、所定のタイミングにおける河川の濁度の予測値である予測濁度を、当該タイミングに対する過去における所定の期間の濁度と、当該期間における流量に関連したデータである関連データとの入力値から得る機械学習モデルを用いて、前記予測濁度を予測する過程
を含むことを特徴とする濁度予測方法。
【請求項6】
コンピュータを、
所定のタイミングにおける河川の濁度の予測値である予測濁度を、当該タイミングに対する過去における所定の期間の濁度と、当該期間における流量に関連したデータである関連データとの入力値から得る機械学習モデルを用いて、前記予測濁度を予測する予測手段
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濁度予測システム、濁度予測方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、水道水として利用するため、河川から取水した水を浄水場へ送り、取水した水に対して必要な水質基準を満たす水質浄化を行なった後、利用者の水道に供給している。
河川から取水する水(以下、取得水)には、土砂などの有機物による濁度の汚れ、大腸菌などの細菌類やpHなどの色々な濁りの成分が含まれており、浄水場においては、それぞれの成分に対応した浄化を行っている(例えば、特許文献1参照)。
上述した浄化処理において、評価が透明さという視認し易さから、濁度の浄化処理が特に重要な項目となっている。
【0003】
河川からの取得水における濁度は、降雨により大きく左右され、大量の雨が降るほど河川の水位が上昇し、この大量の流水が川底や川縁などの土砂を削りながら移動することにより発生する。
この濁度に関しては、浄水場の取水を行う上流にある所定の位置の濁度計から一時間毎に濁度を計測する管理を行っている。一般的に、濁度計による濁度の計測は、管理者が目視によって数値を読み取る手法で行われる。
【0004】
そして、濁度が所定の第1閾値を超え、高濁度対応準備ゾーンとなった場合、浄水場は人手を集めて警戒配備の準備作業に入る。
また、濁度が第2閾値を超え、高濁度警戒配備ゾーンとなった場合、河川から取水している取水ポンプの汚れによる閉塞を抑制する管理をしたり、濁度に応じて汚れを沈下させる薬剤を増加させたり、水質が満足されない最悪の状態において利用者に対しての警報を発したりなどの処理の準備を行う。
【0005】
すなわち、大雨、台風による降雨などによる洪水などの際、いずれの浄水場も予め定められた上記第1閾値及び第2閾値の各々に対応したタイムラインに従った警戒配備の準備や警戒配備の各々の処理が行われる。
このとき、管理者が濁度が第1閾値を超えた場合、警戒配備の人手を集めて、濁度が第2閾値を超えると集めた人手により、取水ポンプの閉塞を監視したり、汚れを沈下させる薬剤の調整の準備を開始したりの作業管理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、大雨や台風による降雨などがあった際、第1閾値を超えるまでの期間、常に濁度計を監視する必要があり、さらに、いつ人手としての作業者を集めるかの検討を行う負荷が管理者にかかることになる。
また、人手を集めた後、実際に第2閾値を超えるまでの期間、常に作業者が取水ポンプの閉塞を監視したり、汚れを沈下させる薬剤の調整の準備をしつつ待機するため、作業者にとっても負荷がかかってしまう。
【0008】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、監視者や作業者が、濁度が常に第1閾値及び第2閾値を超えるか否かの監視を行うことなく、第1閾値及び第2閾値を超えるタイミングを容易に予測値として取得することできる濁度予測システム、濁度予測方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の濁度予測システムは、所定のタイミングにおける河川の濁度の予測値である予測濁度を、当該タイミングに対する過去における所定の期間の濁度と、当該期間における流量に関連したデータである関連データとの入力データから予測する機械学習モデルを用いて取得する予測部を備えることを特徴とする。
ことを特徴とする。
【0010】
本発明の濁度予測システムは、前記機械学習モデルが、一時間単位で前記予測濁度を予測する構成であり、前記タイミングとして現在の時間からn時間先の予測濁度を、現在の時間からm時間前までの各々の時間に計測された前記濁度と、現在の時間からm時間前までの各々の時間に計測された前記関連データとにより時間単位予測濁度として前記予測濁度を出力することを特徴とする。
【0011】
本発明の濁度予測システムは、前記機械学習モデルが、一日単位で前記予測濁度を予測する構成であり、前記タイミングとして現在の日からp日先の予測濁度を、現在の日からq日前までの各々の日において時間毎に計測される前記濁度における最大値と、前記関連データである現在の日の翌日から前記p日の前日までの各々の日における天気データとを入力データとして、前記予測濁度としてp日先の日における濁度の最大値として出力することを特徴とする。
【0012】
本発明の濁度予測システムは、前記機械学習モデルへの前記入力データが、前記関連データである現在の日からq日前までの各々の日において時間毎に計測される前記関連データにおける最大値を含む、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、監視者や作業者が、濁度が常に第1の閾値及び第2の閾値を超えるか否かの監視を行うことなく、第1の閾値及び第2の閾値を超えるタイミングを容易に予測値として取得することできる濁度予測システム、濁度予測方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1の実施形態による濁度予測システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態における時間単位濁度予測モデルの入力データと出力データとの関係を示す概念図である。
【
図3】第1の実施形態における時間単位濁度予測モデルと予測対象の時間との対応関係を示す概念図である。
【
図4】本実施形態による濁度予測システムにおける所定の時間先の濁度予測モデルの生成及び所定の時間先の濁度を予測する処理の動作例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の第2の実施形態による濁度予測システムの構成例を示すブロック図である。
【
図6】第2の実施形態における時間単位濁度予測モデルの入力データと出力データとの関係の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の第1の実施形態による濁度予測システムの構成例を示すブロック図である。
図1において、濁度予測システム10は、データ入出力部11、時間単位濁度予測モデル生成部12、時間単位濁度予測部13、予測結果出力部14、過去データ記憶部15、機械学習モデル記憶部16及び予測結果記憶部17の各々を備えている。データ入出力部11は、機械学習モデルである時間単位濁度予測モデルの学習に用いる教師データを、外部装置から読み込み、過去データ記憶部15に書き込んで記憶させる。
【0016】
ここで、上記教師データは、過去数年間、例えば3.5年間における濁度(mg/L)のデータである濁度データと、同様に3.5年間における水位(m)のデータである水位データである。濁度データは、0時~23時までの一時間周期において、浄水場の取水口近傍に配置された濁度計により取得されるデータである。また、水位データは、0時~23時までの一時間周期において、浄水場の取水口が設けられた河川の上流に配置された水位計、できれば当該取水口に最も近い水位計により取得されるデータである。
【0017】
本実施形態においては、水位を用いているが、河川における上記取水口近傍における水量と相関のある関連データ、例えば流速でもよい。すなわち、流量は、河川に流れている水の流れる方向に垂直な断面積と、水の流速とで表される。水位は、河川に流れる水の断面積を代表する高さに対応している。そして、データ入出力部11は、教師データとしても濁度データ及び水位データとを、タイムスタンプ(日時)に対応させて書き込んで記憶させる。
【0018】
時間単位濁度予測モデル生成部12は、機械学習モデルの学習を行うモードにおいて、過去データ記憶部15に記憶されている過去の濁度データ及び水位データの各々を教師データとして、所定の機械学習モデルを学習させて、時間単位濁度予測モデルの生成を行う。以下に説明する実施形態において、本実施形態における上記機械学習モデルは、所定数の入力データ、例えば6つの入力データを入力し、出力データとして1つの予測値を出力する構成であり、ディープラーニングやニューラルネットワークなどが用いられる。
【0019】
本実施形態における時間単位濁度予測モデルを以下に説明する。
図2は、本実施形態における時間単位濁度予測モデルの入力データと出力データとの関係の一例を示す概念図である。
図2おいては、現在時刻から5時間先の濁度データを予測値として出力する時間単位濁度予測モデルの入力データである濁度データ及び水位データと、出力データである現在の時間(現在時刻)の5時間先(n時間先)における濁度データとの関係を示している。この5時間先という時間単位は、濁度データの数値が高濁度対応準備ゾーンとなった後、高濁度警戒配備ゾーンに移行する時間が、過去データの統計において5時間であることから設定されている。
【0020】
ここで、濁度データは、予測対象の時間が現在時刻の5時間先である場合、予測対象の時間に対しての現在時刻、1時間前、2時間前(m時間前)の計測値(実績値)が用いられる。同様に、水位データは、予測対象の時間が現在時刻の5時間先である場合、予測対象の時間に対しての現在時刻、1時間前、2時間前の計測値(実績値)が用いられる。時間単位濁度予測モデルは、上述した過去の計測値である濁度データ及び水位データの各々を入力データとして入力することにより、予測対象の時間の濁度データの予測値を出力する。
【0021】
図1に戻り、時間単位濁度予測モデル生成部12は、上述した時間単位濁度予測モデルを生成する際、機械学習モデルを学習させる教師データを過去データから抽出して作成する。時間単位濁度予測モデル生成部12は、過去データにおいてタイムスタンプの古い順番に濁度データ及び水位データを、2時間前、1時間前、現在時刻の濁度データ及び水位データとして抽出し、同様に過去データから現在時刻とした時間に対して5時間先の濁度データをラベルとして抽出し、6個の入力データと1個の出力データのラベルからなる教師データを生成する。そして、時間単位濁度予測モデル生成部12は、過去データ記憶部15の過去データにおいて、上述した入力データとする時間単位の濁度データ及び水位データと、ラベルとする濁度データとの各々を抽出する処理を、1時間ずつ時間進行方向に移動させて、順次、機械学習モデルを学習させる教師データを生成する。
【0022】
時間単位濁度予測モデル生成部12は、例えば、予測対象の時間の2時間前、1時間前、現在時刻の濁度データ及び水位データの各々の6個の入力データを入力し、予測対象の時間のラベルとしての濁度データが出力されるように、機械学習モデルの学習を行わせる。このとき、時間単位濁度予測モデル生成部12は、例えば、過去データから抽出された全ての教師データによる学習を、予め設定された回数だけ繰返して行ない、時間単位濁度予測モデルを生成する。
【0023】
また、時間単位濁度予測モデル生成部12は、教師データにおけるラベルの濁度データと、予測された濁度データとの差分の二乗平均が予め設定された範囲内に含まれるまで繰返して行う。そして、時間単位濁度予測モデル生成部12は、生成した時間単位濁度予測モデルを、機械学習モデル記憶部16に書き込んで記憶させる。
【0024】
時間単位濁度予測部13は、予測値を出力するモードにおいて、データ入出力部11を介して、予測対象の時間に対して現在時刻、1時間前、2時間前の濁度データ及び水位データの各々の計測値が入力された場合、機械学習モデル記憶部16から時間単位濁度予測モデルを読み出す。そして、時間単位濁度予測部13は、読み出した時間単位濁度予測モデルに入力データとして、現在時刻、1時間前、2時間前の濁度データ及び水位データの各々の6個のデータを入力する。
【0025】
これにより、時間単位濁度予測モデルは、上記入力データに対応して、予測対象の時間の濁度データの予測値(予測濁度データ)を出力する。
時間単位濁度予測部13は、時間単位濁度予測モデルが出力した予測濁度データを、予測結果出力部14に対して出力するとともに、予測結果記憶部17に対して書き込んで記憶させる。
【0026】
予測結果出力部14は、時間単位濁度予測部13から供給される予測濁度データを、予測対象の時間を示す日時とともに、浄水場における管理者及び作業者の携帯する携帯端末(スマートフォン)などに供給する。上述した実施形態においては、時間単位濁度予測モデルが予測濁度データを取得する予測対象の時間として、現在の時間から5時間先としているが、1時間先以降であれば、2時間先、3時間先、4時間先、6時間先など、予測汚濁の予測対象の時間を何時間先として設定する構成としてもよい。
【0027】
例えば、予測濁度データを取得する予測対象の時間が現在の時刻の1時間先であれば、時間単位濁度予測モデル(後述する1時間先濁度予測モデル)に予測対象の時間に対して現在時刻、1時間前、2時間前が入力データとなる。この場合、過去データにおいてタイムスタンプの古い順番に、教師データにおける2時間前、1時間前、現在時刻の濁度データ及び水位データとして用いる過去データを抽出し、同様に過去データから現在時刻とした時間の1時間先の濁度データをラベルとして、6個の入力データと1個の出力データのラベルからなる教師データを生成し、この教師データの各々により機械学習モデルを学習させ、時間単位濁度予測モデルを生成する。
【0028】
図3は、第1の実施形態における時間単位濁度予測モデルと予測対象の時間との対応関係を示す概念図である。
図3において、5時間先濁度予測モデルは、例えば、現在時刻から5時間後を、予測汚濁を出力する予測対象の時間として生成された時間単位濁度予測モデルである。同様に、他の1時間先濁度予測モデル、2時間先濁度予測モデル、3時間先濁度予測モデル及び4時間先濁度予測モデルの各々は、現在時刻から1時間後、2時間後、3時間後、4時間後それぞれを、予測汚濁を出力する予測対象の時間として生成された時間単位濁度予測モデルである。
【0029】
例えば、1時間先濁度予測モデル及び3時間先濁度予測モデルの各々は、同一の現在時刻、1時間前、2時間前、3時間前、4時間前それぞれの濁度データ、水位データそれぞれを入力データとしているが、予測汚濁の予測対象の時間が1時間先と3時間先として異なった時間単位濁度予測モデルである。
【0030】
これは、1時間先濁度予測モデルの生成に用いる教師データを抽出する際、過去データにおいてタイムスタンプの古い順番に濁度データ及び水位データを、4時間前、3時間前、2時間前、1時間前、現在時刻の濁度データ、水位データとして抽出し、現在時刻から1時間先の濁度データをラベル(出力データ)として抽出し、10個の入力データと1個の出力データのラベルからなる教師データを生成する。時間単位濁度予測モデル生成部12は、上述した教師データを用いて機械学習モデルを学習させて1時間先濁度予測モデルを生成する。
【0031】
また、3時間先濁度予測モデルの生成に用いる教師データを抽出する際、過去データにおいてタイムスタンプの古い順番に濁度データ及び水位データを、4時間前、3時間前、2時間前、1時間前、現在時刻の濁度データ、水位データとして抽出し、現在時刻から3時間先の濁度データをラベル(出力データ)として抽出し、10個の入力データと1個の出力データのラベルからなる教師データを生成する。時間単位濁度予測モデル生成部12は、上述した教師データを用いて機械学習モデルを学習させて3時間先濁度予測モデルを生成する。
【0032】
図4は、本実施形態による濁度予測システムにおける所定の時間先の濁度予測モデルの生成及び所定の時間先の濁度を予測する処理の動作例を示すフローチャートである。例として、時間単位濁度予測モデルが、現在時刻、1時間前及び2時間前の各々における濁度データ及び水位データの各々により5時間先の濁度データ(予測濁度データ)を予測する5時間先濁度予測モデルである場合を説明する。
【0033】
ステップS11:データ入出力部11は、複数年において1時間単位で取得された濁度データ及び水位データの各々を過去データとして、外部装置から読み込み、過去データ記憶部15に書き込んで記憶させる。ここで、データ入出力部11は、1時間毎に取得される現時刻の濁度データ及び水位データの各々を、過去データ記憶部15に書き込んで記憶させて、上記過去データに追加する編集処理を行う。
【0034】
ステップS12:時間単位濁度予測モデル生成部12は、過去データ記憶部15に記憶されている過去の濁度データ及び水位データの各々を教師データとして、所定の機械学習モデルを学習させて、所定の時間先の濁度データの予測値を出力する時間単位濁度予測モデル(上述した1時間先濁度予測モデルから5時間先濁度予測モデルなど)の生成を行う。このとき、時間単位濁度予測モデル生成部12は、機械学習モデル記憶部16から学習させる機械学習モデルとして、生成しようとする時間単位濁度予測モデルの入力データの数及び出力データの数に対応する構成の機械学習モデルを読み込む。
【0035】
また、時間単位濁度予測モデル生成部12は、すでに予測対象の時間の汚濁を予測する時間単位濁度予測モデルが生成されている場合、新たな濁度データ及び水位データが過去データに追加されているときのみ、新たな濁度データ及び水位データを過去データに含めて、当該時間単位濁度予測モデルの追加学習を行う。そして、時間単位濁度予測モデル生成部12は、生成した時間単位濁度予測モデルを機械学習モデル記憶部16に書き込んで記憶させる。
【0036】
ステップS13:時間単位濁度予測部13は、予測汚濁の予測を行う要求が入力手段(不図示)から入力されたか否かの判定を行う。このとき、時間単位濁度予測部13は、予測汚濁の予測を行う要求が入力手段から入力された場合、処理をステップS13へ進める。一方、時間単位濁度予測部13は、予測汚濁の予測を行う要求が入力手段から入力された場合、処理をステップS11へ進める。
【0037】
ステップS14:時間単位濁度予測部13は、予測汚濁の予測を行う要求が入力手段(不図示)から入力された場合、機械学習モデル記憶部16から時間単位濁度予測モデルを読み出す。そして、時間単位濁度予測部13は、読み出した時間単位濁度予測モデルに対して、現在時刻、1時間前及び2時間前の濁度データ及び水位データを、過去データ記憶部15に記憶されている過去データから抽出する(入力データの取得)。ここで、現在時刻の濁度データ及び水位データが要求に付加されている場合、このデータを用いる。
【0038】
ステップS15:時間単位濁度予測部13は、時間単位濁度予測モデルに対して、現在時刻、1時間前及び2時間前の各々の濁度データ及び水位データを入力データとして入力する。
ここで、時間単位濁度予測部13は、上記時間単位濁度予測モデルが入力データにより予測して出力する出力データを、5時間先の予測濁度データとして取得する。
【0039】
ステップS16:予測結果出力部14は、時間単位濁度予測部13から供給される予測濁度データを、予め設定されている時間単位汚濁閾値(第2閾値)と比較する。
そして、予測結果出力部14は、予測濁度データが時間単位汚濁閾値以上の場合、5時間先に汚濁が時間単位汚濁閾値を超え、高濁度警戒配備ゾーンとなる可能性があることを、予測対象の時間を示す日時とともに、浄水場における管理者及び作業者の携帯する携帯端末などに供給する。そして、予測結果出力部14は、処理をステップS13へ進める。
【0040】
一方、予測結果出力部14は、予測濁度データが時間単位汚濁閾値未満の場合、5時間先に汚濁が時間単位汚濁閾値を超えず、高濁度警戒配備ゾーンとならないことを、予測対象の時間を示す日時とともに、浄水場における管理者及び作業者の携帯する携帯端末などに供給する。そして、予測結果出力部14は、処理をステップS13へ進める。
【0041】
上述した構成により、本実施形態によれば、時間単位濁度予測モデルを用いることにより、現在時刻及び過去データにおける所定の時間前における濁度データ及び水位データの各々を入力データとして、現在時刻に対する将来における予測対象の時間における濁度を予測濁度データとして取得することが可能となる。このため、本実施形態によれば、汚濁が高濁度警戒配備ゾーンと判定する時間単位汚濁閾値と1時間毎に比較して、汚濁が高濁度警戒配備ゾーンとなる時間を予測対象の時間として検出することにより、作業者の浄水場における取水口の閉塞の確認や、汚れを沈下させる薬剤の調整の準備の対応の時間を短縮し、管理者や作業者の負荷を低減することができる。
【0042】
また、本実施形態においては、例えばダムなどの上流の水源から浄水場の取水口まで河川が1本の場合である。一方、複数の水源からの河川が浄水場の上流で1つの河川として合流している場合には、合流前の複数の河川と、合流後の河川とにおける、過去データの濁度データ及び水位データの各々を入力データとし、浄水場の取水口の濁度を推定する時間単位濁度予測モデルを生成して用いる。例えば、3本の河川が合流した河川から取水する場合、合流する前の3つの河川、交流後の河川の現在時刻、1時間前及び2時間前の濁度データ及び水位データの24個が入力データとなる。
【0043】
<第2の実施形態>
図5は、本発明の第2の実施形態による濁度予測システムの構成例を示すブロック図である。
図5において、濁度予測システム20は、データ入出力部21、日単位濁度予測モデル生成部22、日単位濁度予測部23、予測結果出力部24、過去データ記憶部25、機械学習モデル記憶部26及び予測結果記憶部27の各々を備えている。
データ入出力部21は、第1の実施形態におけるデータ入出力部21と同様の構成である。
【0044】
日単位濁度予測モデル生成部22は、機械学習モデルの学習を行うモードにおいて、過去データ記憶部25に記憶されている過去の濁度データ及び水位データの各々を教師データとして、所定の機械学習モデルを学習させて、日単位濁度予測モデルの生成を行う。以下に説明する実施形態において、上記機械学習モデルは、例えば、6つの入力データを入力し、出力データとして1つの予測値を出力する構成であり、ディープラーニングやニューラルネットワークなどが用いられる。
【0045】
本実施形態における日単位濁度予測モデルを以下に説明する。
図6は、本実施形態における時間単位濁度予測モデルの入力データと出力データとの関係の一例を示す概念図である。
図6おいては、現在日(予測を行う日としての現在の日)から7日先(一週間先)の濁度データを予測値として出力する日単位濁度予測モデルの入力データである濁度データ及び水位データと、出力データである7日先の濁度データとの関係を示している。この7日先という日単位は、濁度が高濁度対応準備ゾーンとなった際に、浄水場の管理者が作業者を集める必要があるが、7日間の前から作業者を集める準備を行う必要があることから設定されている。
【0046】
図6(a)は、日単位濁度予測モデルとして、予測対象の日における濁度(1日の最大値である日最大値)を予測する際、現在日及び過去データの各々における濁度の日最大値(濁度日最大値)と、現在日の次の日から予測対象の日の前日までの予報データとを入力データとして入力する構成の予測モデルを示している。
ここで、濁度の日最大値は、一日における0時~23時までの1時間毎に取得した24個の濁度において、最大の数値の濁度を示している。
また、予報データは、例えば、天気予報で予想される1日の総雨量、あるいは雨、曇り、晴れ、雪などの天気の名称を示している。
【0047】
図6(a)において、日単位濁度予測モデル生成部22は、上述した日単位濁度予測モデルを生成する際、機械学習モデルを学習させる教師データを過去データから抽出して作成する。時間単位濁度予測モデル生成部12は、過去データにおいて1日毎に濁度日最大値をタイムスタンプの古い日の順番に、1日の濁度データにおける日最大値の各々を、2日前、1日前、現在日の濁度日最大値として抽出し、同様に過去データから現在日とした日に対して7日先の日の濁度日最大値をラベルとして抽出する。
【0048】
また、時間単位濁度予測モデル生成部12は、現在日とした次の日から6日先(7日先の前日)の天気データを抽出する。ここで、天気データは、降雨の状態及び雨量などが河川の流量に関連するため、第1の実施形態において説明した関連データの一つに含まれる。
そして、日単位濁度予測モデル生成部22は、10個の入力データと1個の出力データのラベルからなる教師データを生成する。そして、日単位濁度予測モデル生成部22は、過去データ記憶部15の過去データにおいて、上述した入力データとする一日単位の濁度日最大値及び予報データと、ラベルとする濁度日最大値との各々を抽出する処理を、1日ずつ時間進行方向に移動させて、順次、機械学習モデルを学習させる教師データを生成する。
【0049】
図6(b)は、日単位濁度予測モデルとして、予測対象の日における濁度(1日の最大値である日最大値)を予測する際、現在日及び過去データの各々における濁度日最大値と、外部データとして現在日及び過去データの各々における水位データの日最大値(水位日最大値)と、現在日の次の日から予測対象の日の前日までの予報データとを入力データとして入力する構成の予測モデルを示している。ここで、水位の日最大値は、一日における0時~23時までの1時間毎に取得した24個の水位において、最大の数値の水位を示している。
【0050】
図6(b)において、時間単位濁度予測モデル生成部12は、過去データにおいて1日毎に濁度日最大値をタイムスタンプの古い日の順番に、1日の濁度データにおける日最大値の各々を、2日前、1日前、現在日の汚濁最大値として抽出し、同様に過去データから現在日とした日に対して7日先の日の濁度日最大値をラベルとして抽出する。
また、時間単位濁度予測モデル生成部12は、過去データにおいて1日毎に濁度日最大値をタイムスタンプの古い日の順番に、1日の水位データにおける日最大値の各々を、2日前、1日前、現在日の水位日最大値として抽出する。
【0051】
また、時間単位濁度予測モデル生成部12は、現在日とした次の日から6日先(7日先の前日)の天気データを抽出する。そして、日単位濁度予測モデル生成部22は、13個の入力データと1個の出力データのラベルからなる教師データを生成する。そして、日単位濁度予測モデル生成部22は、過去データ記憶部15の過去データにおいて、上述した入力データとする一日単位の濁度日最大値、水位日最大値及び予報データと、ラベルとする濁度日最大値との各々を抽出する処理を、1日ずつ時間進行方向に移動させて、順次、機械学習モデルを学習させる教師データを生成する。
【0052】
日単位濁度予測部23は、
図6(a)に示す日単位濁度予測モデルの場合、予測値を出力するモードにおいて、データ入出力部21を介して、予測対象の日(例えば、7日先)に対して現在時刻、1日前、2日前の濁度日最大値と、1日先から6日先までの天気データとが入力された場合、これらを入力データとして、機械学習モデル記憶部16読み出した日単位濁度予測モデル(
図6(a))に入力する。これにより、
図6(a)に示す日単位濁度予測モデルは、上記入力データに対応して、予測対象の日の濁度日最大値の予測値(予測濁度日最大値)を出力する。
【0053】
一方、日単位濁度予測部23は、
図6(b)に示す日単位濁度予測モデルの場合、予測値を出力するモードにおいて、データ入出力部21を介して、予測対象の日(例えば、7日先)に対して現在時刻、1日前、2日前の濁度日最大値及び水位日最大値の各々と、1日先から6日先までの天気データとが入力された場合、これらを入力データとして、機械学習モデル記憶部16読み出した日単位濁度予測モデル(
図6(b))に入力する。これにより、
図6(b)に示す日単位濁度予測モデルは、上記入力データに対応して、予測対象の日の濁度日最大値の予測値(予測濁度日最大値)を出力する。
【0054】
予測結果出力部24は、日単位濁度予測部23から供給される予測濁度日最大値を、予測対象の日を示す日時とともに、浄水場における管理者及び作業者の携帯する携帯端末などに供給する。また、予測結果出力部24は、予測濁度日最大値を、予測対象の日を示す日時とともに、予測結果記憶部27に書き込んで記憶させる。
上述した実施形態においては、日単位濁度予測モデルが予測濁度日最大値を取得する予測対象の日として、現在の日から7日先としているが、1日先以降であれば、2日先から6日先、あるいは8日先以降などと、濁度日最大値の予測対象の日を何日先として設定する構成としてもよい。
【0055】
上述した構成により、本実施形態によれば、日単位濁度予測モデルを用いることにより、現在日及び過去データにおける所定の日数前における濁度データ(及び水位データ)の各々の日最大値と、現在日の次の日から予測を行う日の前日までの天気データとを入力データとして、現在日に対する将来における予測対象の時間における濁度日最大値を予測濁度日最大値として取得することが可能となる。このため、本実施形態によれば、濁度日最大値が高濁度対応準備ゾーンと判定する日単位汚濁閾値(第1閾値)と1日毎に比較して、濁度日最大値が高濁度対応準備ゾーンとなる時間を予測対象の日として検出することにより、管理者が浄水場における取水口の閉塞の確認や、汚れを沈下させる薬剤の調整を行う作業者の手配の準備を余裕を持って行え、また作業者を早く集めることがないため、浄水場での待機の時間を短縮し、管理者や作業者の負荷を低減することができる。
【0056】
上述した本実施形態においては、一例として、過去の濁度データの日毎の変化により経験的に設定した、高濁度対応準備ゾーンとなったことを示す日単位汚濁閾値と比較する数値として、一日の濁度データの最大値である濁度日最大値を用いている。
しかしながら、本実施形態の他の構成例として、上記日単位汚濁閾値としては、例えば、以下に示すように、濁度日最大値が所定の数値以上の日における濁度データの平均値である日平均濁度を求め、求めた日平均濁度の各々において最小値を抽出し用いる構成としてもよい。
この構成の場合には、日単位濁度予測モデルを生成する際、教師データにおける濁度データとして、上述した濁度日最大値を用いるのではなく、一日に計測された濁度データの平均値である日平均濁度を用い、出力する予測値として予測日平均濁度を出力する日単位濁度予測モデルとして生成する。
【0057】
そして、教師データに使用した過去の濁度データにおいて、濁度の日最大値である濁度日最大値が、高濁度対応準備ゾーンとするために従来用いていた閾値(例えば、濁度が100mg/L、すなわち上記所定の数値)を超える日を候補日として抽出する。そして、抽出した候補日の各々における濁度データから日平均濁度を求め、最小の日平均濁度を濁度データを日単位汚濁閾値として抽出する。すなわち、候補日の各々の日平均濁度のそれぞれを比較し、各候補日の日平均濁度のなかから最小の日平均濁度(例えば、30mg/L)を抽出し、この抽出した日平均濁度を日単位汚濁閾値とする。
【0058】
すなわち、本実施形態の場合、濁度の日単位の変化が、通常、濁度データの日平均であるため、日単位濁度予測モデルがその日のいずれかの時間に発生するか判らない予測濁度日最大値を予測するように学習させた場合に比較し、濁度の日平均の変化としての予測日平均濁度を予測するように学習させた方が日単位濁度予測モデルの予測の精度を向上させることができる。
【0059】
また、高濁度対応準備ゾーンとして用いていた閾値ではなく、上述したように、上記候補日の各々の日平均濁度における最小の日平均濁度を日単位汚濁閾値として設定することにより、上記候補日の各々の日平均濁度を日単位濁度予測モデルが予測した予測日平均濁度が日単位汚濁閾値を超えた日が、濁度日最大値が高濁度対応準備ゾーンとして用いていた閾値を超える日に相対的に対応することが予想される。
【0060】
また、上記所定の数値を高濁度対応準備ゾーンと判定するために従来用いていた閾値としていたが、7日先の予測日平均濁度を求める日単位濁度予測モデルを生成する場合、教師データとして用いた過去の濁度データにおいて、7日先の日における濁度日最大値が高濁度警戒配備ゾーンとなる日からこの日の2日前までの日平均濁度のなかで最小の日平均濁度、あるいは各日の日平均濁度の平均値などを用いる構成としてもよい。
【0061】
また、本実施形態においては、第1の実施形態と同様に、例えばダムなどの上流の水源から浄水場の取水口まで河川が1本の場合である。一方、複数の水源からの河川が浄水場の上流で1つの河川として合流している場合には、合流前の複数の河川と、合流後の河川とにおける、過去データの日毎の濁度日最大値(及び水位日最大値)と天気データとの各々を入力データとし、浄水場の取水口の濁度を推定する日単位濁度予測モデルを生成して用いる。例えば、3本の河川が合流した河川から取水する場合、合流する前の3つの河川、交流後の河川の現在日、1日前及び2日前の濁度日最大値(及び水位日最大値)及び天気データの40個(または52個)が入力データとなる。
【0062】
<第3の実施形態>
第3の実施形態は、第1の実施形態の濁度予測システム10の機能と、第2の実施形態の濁度予測システム20の機能とを組み合わせて用いる構成の濁度予測システム1である。
ここで、濁度予測システム1においては、例えば、濁度予測システム10が5時間先の濁度データを予測濁度データとして予測し、濁度予測システム20が7日先の濁度日最大値を予測濁度日最大値として予測する。
【0063】
そして、濁度予測システム20が予測した濁度日最大値が日単位汚濁閾値を超えた場合、予測結果出力部24が管理者の携帯端末に、7日先において高濁度対応準備ゾーンになることを通知する。これにより、管理者が濁度日最大値が日単位汚濁閾値を超えた現在日において作業者の手配の準備を開始する。また、管理者は作業者の手配を日単位汚濁閾値を超えた日から7日後までに行うとともに、日単位汚濁閾値を超えた日から7日後から、濁度予測システム10による時間単位の濁度データの予測を開始する。
【0064】
そして、濁度予測システム10が予測した予測濁度データが時間単位汚濁閾値を超えた場合、予測結果出力部14が管理者の携帯端末に、5時間において高濁度警戒配備ゾーンになることを通知する。この通知を受けて、管理者は、現在時刻から5時間後までに、作業者を浄水場の取水口や沈殿槽などに配置する処理を行う。
【0065】
本実施形態によれば、濁度日最大値が高濁度対応準備ゾーンとなる可能性のある日を予測し、また濁度データが高濁度警戒配備ゾーンとなる可能性のある時間を予測することが可能となるため、管理者が浄水場における取水口の閉塞の確認や、汚れを沈下させる薬剤の調整を行う作業者の手配の準備を余裕を持って行え、また作業者を早く集め、長い期間にわたり、浄水場で作業者を待機させる時間を短縮し、さらに取水口や沈殿槽などにおける作業者の観察する時間を短縮することが可能となり、管理者や作業者の負荷を低減することができる。
【0066】
なお、本発明における
図1の濁度予測システム10及び
図4の濁度予測システム20の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、所定の予測対象の時間の汚濁、あるいは所定の予測対象の日の濁度日最大値を予測する処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWW(World Wide Web)システムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disc - Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM(Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0067】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0068】
10,20…濁度予測システム 11,21…データ入出力部 12…時間単位濁度予測モデル生成部 13…時間単位濁度予測部 14,24…予測結果出力部 15,25…過去データ記憶部 16,26…機械学習モデル記憶部 17,27…予測結果記憶部 22…日単位濁度予測モデル生成部 23…日単位濁度予測部