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特開2022-98969保温シートおよび保温シートの使用方法
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  • 特開-保温シートおよび保温シートの使用方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022098969
(43)【公開日】2022-07-04
(54)【発明の名称】保温シートおよび保温シートの使用方法
(51)【国際特許分類】
   A41D 3/08 20060101AFI20220627BHJP
【FI】
A41D3/08 C
A41D3/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020212668
(22)【出願日】2020-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】513133778
【氏名又は名称】株式会社タイムリンク
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100214813
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 幸江
(74)【代理人】
【識別番号】100130281
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 道幸
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(72)【発明者】
【氏名】清水 譲治
【テーマコード(参考)】
3B031
【Fターム(参考)】
3B031AA22
3B031AB01
3B031AC01
3B031AC13
3B031AC15
3B031AD02
(57)【要約】
【課題】
シンプルな構造でありながら、身体に保持することができ、ずり落ちを抑えて保温性に優れた保温シートおよび保温シートの使用方法を提供することにある。
【解決手段】
保温シートは、略矩形状の保温シートの一つの角部を挿通可能な大きさに穿設されたスリットを有すること、スリットが、保温シートの一つの角部と長手方向に対向する縁部の近傍に設けられていること、また、スリットが、保温シートの幅方向に延びる直線状の切れ目からなり、50mm~200mmであることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略矩形状の保温シートであって、
前記保温シートの一つの角部を挿通可能な大きさに穿設されたスリットを有することを特徴とする保温シート。
【請求項2】
前記スリットは、前記保温シートの前記一つの角部と長手方向に対向する縁部の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の保温シート。
【請求項3】
前記スリットは、前記保温シートの幅方向に延びる直線状の切れ目からなり、50mm~200mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の保温シート。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の保温シートの使用方法であって、
前記保温シートで身体を覆い、
前記保温シートの前記一つの角部を前記スリットに挿入し、挿入した前記一つの角部を引き出すことにより、前記保温シートを身体に保持させることを特徴とする保温シートの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防寒のための略矩形状の保温シートおよび保温シートの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、飛行機で移動する際、乗客の多くは肌寒いため、ブランケットを首元まで掛けた状態で座席に座って、仮眠を取ったり、食事をしたり、本を読んだりして過ごしている。また、冬季に椅子に座って勉強や作業等をしたり、ソファで過ごしたりする場合も、ブランケット(毛布)、膝掛け、ショール等を掛けたり、これらを組み合わせて使用したりして防寒している。しかし、ブランケット等を掛けた状態で仮眠や勉強等をしていて体を動かすと、ブランケット等がずり落ちて、冷気が侵入してしまう。あるいは、ずり落ちないようにしようとすると、動きが制限されてしまう。
【0003】
このような問題を解決するために、特許文献1には、略方形の毛布本体に、毛布本体を上掛けしたときの使用者側の面とは反対側となる面に配置される袖部材が取り付けられ、袖部材の袖口が達する位置に開口を配した袋部が、毛布本体の下部側に使用者の足を差し入れできる開放部分がある足入れ用袋部が設けられている毛布が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、毛布本体の長手方向中央部から所定長離れ且つ少なくとも一方の長手方向周縁部近傍に設けられた係止手段と、長手方向中央部を境に係止手段と対称となる位置に設けられた被係止手段とを有する難燃毛布が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3159049号公報
【特許文献2】実用新案登録第3178557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の毛布は、袖部材、袋部、および、足入れ用袋部が設けられており、毛布本体にいろいろな物が付いている。また、特許文献2の難燃毛布は、ボタンや面ファスナといった係止手段が取り付けられている。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、シンプルな構造でありながら、身体に保持することができ、ずり落ちを抑えて保温性に優れた保温シートおよび保温シートの使用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の保温シートは、略矩形状の保温シートの一つの角部を挿通可能な大きさに穿設されたスリットを有することを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の保温シートは、スリットが、保温シートの一つの角部と長手方向に対向する縁部の近傍に設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の保温シートは、スリットが、保温シートの幅方向に延びる直線状の切れ目からなり、50mm~200mmであることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の保温シートの使用方法は、請求項1~3のいずれか一項に記載の保温シートで身体を覆い、保温シートの一つの角部をスリットに挿入し、挿入した一つの角部を引き出すことにより、保温シートを身体に保持させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本願の発明によれば、シンプルな構造でありながら、スリットに保温シートの一つの角部を挿通することにより、保温シートを身体に保持することができ、ずり落ちを抑えて保温性に優れた保温シートおよび保温シートの使用方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る保温シートの第一の実施例を示す説明図である。
図2】同第一の実施例の保温シートの使用態様を示す説明図である。
図3】本発明に係る保温シートの第二の実施例の使用態様を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。図1は、本発明に係る保温シートの第一の実施例の正面図である。図2は、図1の保温シートの使用態様を示す説明図である。図3は、本発明に係る保温シートの第二の実施例の使用態様を示す説明図である。
【0015】
本発明に係る保温シート1、2は、略矩形状のシートであって、例えば、ブランケット(毛布)、タオルケット、キルト製のケット、適当な大きさの布帛等からなり、屋内に限らず、屋外で使用してもよい。保温シート1、2の素材、厚さ、大きさ等は任意であり、寒さの程度、使用者の身長、活動の内容等の条件に応じて選択し組み合わせればよい。素材は、例えば、アクリル、ポリエステル、レーヨン、いずれかの混紡等の化学繊維や、ウール、カシミヤ、アルパカ、キャメル等の獣毛、シルク、綿、麻等の天然素材が挙げられる。本発明の略矩形状とは、矩形、正方形、これらの角部が丸みを帯びたもの、矩形を変形させたものなどを含むものである。
【0016】
保温シート1、2は、スリット10、30を有している。スリット10、30は、図1に示すように、保温シート1、2の一つの角部20、40が挿通可能な大きさに穿設されたものである。つまり、保温シート1、2には、一つの角部20、40が挿通できる大きさに、保温シート1、2の表裏面を貫通した切れ目であるスリット10、30が設けられている。また、スリット10、30は、切れ目の周りを図1~3のようにテープを用いたり、端部をかがる等して縁取りすることが好ましい。なお、一つの角部20、40とは、略矩形状の保温シート1、2を構成する4つの角部のうちの一つであって、スリット10、30に挿通可能な保温シート1、2の一部である、一つの角とその周辺部を意味する。
【0017】
本発明の保温シート1、2は、スリット10、30を有するというシンプルな構造でありながら、スリット10、30に保温シート1、2の一つの角部20、40を挿通することにより、保温シート1、2を身体に保持することができ、ずり落ちを防いで保温性に優れている。
【0018】
スリット10、30の位置は特に限定されないが、スリット10、30が、保温シート1、2の一つの角部20、40と長手方向Lに対向する縁部12、32の近傍に設けられていることが好ましい。また、保温シート1、2の幅方向W略中央からオフセットした位置にスリット10、30が設けられていることがより好ましい。挿通する一つの角部20、40と、一つの角部20、40と長手方向Lに対向する位置にある縁部12、32の近傍に設けられたスリット10、30は、互いに離れて配置されている。このため、一つの角部20、40をスリット10、30に挿通することにより、身体を保温シート1、2で包み込んだ状態で、保温シート1、2を身体に保持することができる。
【0019】
スリット10、30の形状は任意であるが、直線状、円弧状、波状等が挙げられる。スリット10、30が直線状の場合、保温シート1、2の幅方向Wもしくは長手方向Lに延びる、または、傾斜した切れ目であってもよいが、保温シート1、2の幅方向Wに延びる直線状の切れ目であることが好ましい。また、スリット10、30の大きさは、保温シート1、2の一つの角部20、40が挿通可能であれば任意であるが、50mm~200mm程度が好ましい。
【0020】
上述した保温シート1、2の使用方法については、保温シート1、2で身体を覆い、保温シート1、2の一つの角部20、40をスリット10、30に挿入し、挿入した一つの角部20、40を引き出すことにより、保温シート1、2を身体に保持させる。スリット10、30に挿入した一つの角部20、40を引き出す方向は、図2に示すように保温シート1、2の外面側から挿入して、身体と接触している内面側に引き出してもよいし、図3に示すようにその逆でもよい。また、挿入する一つの角部20、40は、保温シート1、2を身体に保持させることが可能であれば、保温シート1、2の大きさや身体の覆い方により、いずれか適した角部でよい。
【0021】
使用者は、スリット10、30に保温シート1、2の一つの角部20、40を挿通して使用することにより、保温シート1、2を身体に保持してずり落ち難くすることができ、冷気の侵入を防ぐことができる。
【実施例0022】
以下、図1~3に示す実施例を用いて本発明を詳細に説明する。本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
【0023】
[実施例1]
本発明の実施例において、保温シート1は、1000mm×1500mmのフリース素材からなる矩形のブランケットである。図1に示すように、保温シート1の左上の一つの角部20と長手方向Lに対向する縁部12の近傍である右下の他の角部にスリット10が設けられている。スリット10は、幅方向Wに延在する縁部12から70mm、長手方向Lに延在する縁部から50mm内側に入った位置に、幅方向Wの縁部12と平行に延びる直線状の150mmの切れ目として穿設されている。スリット10は、幅10mmのテープで切れ目の周りを縁取りしている。
【0024】
使用方法については、まず、使用者は、保温シート1で身体を覆う。次に、保温シート1の一つの角部20を対角に位置するスリット10に保温シート1の外面側から挿入する。そして、挿入した一つの角部20を図2に示すように保温シート1の内面側に引き出す。使用者は、その状態で、椅子に座ってもよいし、動き回ってもよく、窮屈さを感じることなく、保温シート1を身体に保持して保温効果を維持することができる。なお、挿入する一つの角部20は、保温シート1の身体の覆い方により、スリット10を有する角部以外のいずれの角部であってもよい。
【0025】
[実施例2]
保温シート2は、600mm×1000mmのフリース素材からなる矩形のブランケットである。保温シート2の右上の一つの角部40と長手方向Lに対向する縁部32の近傍である、左上の他の角部にスリット30が設けられている。スリット30は、幅方向Wに延在する縁部32から60mm、長手方向Lに延在する縁部から40mm内側に入った位置に、幅方向Wの縁部32と平行に延びる直線状の100mmの切れ目として穿設されている。スリット30は、幅10mmのテープで切れ目の周りを縁取りしている。
【0026】
使用方法については、まず、使用者は、保温シート2で身体を覆う。次に、保温シート2の一つの角部40をスリット30に保温シート2の内面側から挿入する。そして、挿入した一つの角部40を図3に示すように保温シート2の外面側に引き出す。使用者は、その状態で、椅子に座ってもよいし、動き回ってもよく、窮屈さを感じることなく、保温シート2を身体に保持して保温効果を維持することができる。
【0027】
本発明の保温シート1、2は、シートにスリット10、30を設けるというシンプルな構造である。しかしながら、保温シート1、2の一つの角部20、40をスリット10、30に挿入して使用することにより、保温シート1、2を身体に保持することができ、ずり落ちることがなく保温性に優れている。また、保温シート1、2は、スリット10、30に一つの角部20、40を挿通しない場合には、スリット10、30を設ける前と同様に1枚のシートとして使用することができる。
【0028】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
以上のように、本発明によれば、シンプルな構造でありながら、スリットに保温シートの一つの角部を挿通することにより、保温シートを身体に保持することができ、ずり落ちを抑えて保温性に優れた保温シートおよび保温シートの使用方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0030】
1・・・・・保温シート
2・・・・・保温シート
10・・・・スリット
12・・・・(長手方向に対向する)縁部
20・・・・一つの角部
30・・・・スリット
32・・・・(長手方向に対向する)縁部
40・・・・一つの角部
図1
図2
図3