(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022099001
(43)【公開日】2022-07-04
(54)【発明の名称】商品購入システム、商品購入プログラム、及び商品購入方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20220627BHJP
【FI】
G06Q30/06 304
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020212720
(22)【出願日】2020-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】520506279
【氏名又は名称】株式会社AIRハンズ
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】金子 峰
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB33
(57)【要約】
【課題】共同購入の成立性を高めて商品の購入価格を抑制するとともに、購入者が注文商品を安心して受け取ることができるも商品購入システム、商品購入プログラム、及び商品購入方法を提供することを目的とする。
【解決手段】商品購入システム1は、注文者が注文者端末10を介して加盟店に注文した特定商品の商品数が所定の共同購入条件を満たさない場合に、同一の特定商品を注文する他の注文者の中で、特定商品の配送エリアが同一の注文者を抽出するとともに、配送エリアまでの配送距離を考慮して特定商品の受注者を加盟店の中から決定する。特定商品の受注者が決定されると、配送エリアが同一の注文者による特定商品の商品注文数の合算が、受注者が任意に設定する共同購入成立のための商品数以上の場合には共同購入を成立させる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売者である複数の加盟店に対してネットワークを介して複数の注文者からの商品の注文を受け付ける管理サーバを有する商品購入システムにおいて、
前記管理サーバは、
商品の配送起点住所を含む加盟店に関する情報が登録された加盟店登録部と、
注文者が購入を希望する商品識別、商品注文数、及び商品配送先住所を含む注文情報を受け付ける注文受付部と、
該注文受付部で受け付けた前記注文情報に基づいて、特定商品の商品注文数が前記加盟店により任意に設定された第1の注文数以上であるか否かを判定する第1の注文数判定部と、
該第1の注文数判定部により、前記特定商品の商品注文数が前記第1の注文数未満であると判定された場合に、前記注文情報のうち前記商品配送先住所に基づいて設定された所定の配送エリア内の注文者の注文数をカウントする配送エリア内注文数カウント部と、
前記加盟店のうちから所定の条件に基づいて前記特定商品を受注する一の受注者を決定する受注者決定部と、
前記配送エリア内注文数カウント部でカウントされた前記特定商品の商品注文数が、前記第1の注文数よりも少ない注文数であって前記受注者が任意に設定した第2の注文数以上であるか否かを判定する第2の注文数判定部と、
該第2の注文数判定部により、前記特定商品の商品注文数が前記第2の注文数以上であると判定された場合に、前記受注者に対して商品の受注を通知する受注通知部と、を備える
商品購入システム。
【請求項2】
前記管理サーバは、
前記受注通知部からの前記特定商品の受注の通知を受けた前記受注者の代表者が前記管理サーバにログイン認証を行うログイン認証部を有し、
該ログイン認証部は、代表者のログイン認証時における体温を含む生体情報に基づいてログイン認証を行い、ログイン認証時における体温が予め設定された体温以上である場合には、代表者によるログイン認証を許可しない
請求項1に記載の商品購入システム。
【請求項3】
前記管理サーバは、
前記受注通知部から前記特定商品の受注の通知を受けた時点で検温した前記受注者の代表者の体温を記録する第1の体温記録部、前記特定商品を前記配送起点住所から前記配送先住所まで配送する配送者の配送開始時点で検温した体温を記録する第2の体温記録部、及び前記配送者による前記特定商品の配送完了時点で検温した体温を記録する第3の体温記録部を含む体温記録部を有する請求項1または請求項2に記載の商品購入システム。
【請求項4】
前記管理サーバは、
前記配送者による特定商品の配送エリアへの配送が完了した場合に、
前記体温記録部に記録されている情報を含む配達完了通知を前記特定商品の注文者が保有する端末に通知する配達完了通知部を有する
請求項3に記載の商品購入システム。
【請求項5】
前記配送エリア内の特定地点には、配送された特定商品を一時的に保管するための宅配ロッカーを有し、
該宅配ロッカーには、前記管理サーバとネットワークを介して接続された前記配送者の体温を検温するための検温装置を含み、
該検温装置で検温した前記配送者の体温が前記第3の体温記録部に記録される
請求項3または請求項4に記載の商品購入システム。
【請求項6】
前記受注者決定部は、
前記配送起点住所から前記配送エリアの特定地点までの配送距離、各加盟店の相対的な評価値、各加盟店が過去に受注した商品受注数、各加盟店が特定商品に対して設定する商品価格の少なくとも一つ以上のパラメータに基づいて前記受注者を決定する
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の商品購入システム。
【請求項7】
販売者である複数の加盟店に対してネットワークを介して複数の注文者からの商品の注文を受け付ける管理サーバに対して、
商品の配送起点住所を含む加盟店に関する情報を登録するステップと、
注文者が購入を希望する商品識別、商品注文数、及び商品配送先住所を含む注文情報を受け付けるステップと、
前記注文情報に基づいて、特定商品の商品注文数が、前記加盟店が任意に設定した第1の注文数以上であるか否かを判定するステップと、
前記特定商品の商品注文数が前記第1の注文数未満であると判定された場合に、前記注文情報のうち前記商品配送先住所に基づいて設定された所定の配送エリア内の注文者の商品注文数をカウントするステップと、
前記複数の加盟店のうちから所定の条件に基づいて前記特定商品を受注する一の受注者を決定するステップと、
前記配送エリア内の注文者による特定商品の商品注文数が、前記第1の注文数よりも少ない商品注文数であって、前記受注者が任意に設定した第2の注文数以上であるか否かを判定するステップと、
前記特定商品の商品注文数が前記第2の注文数以上であると判定された場合に、前記受注者に対して、前記特定商品の受注を通知するステップと、を指示する
商品購入プログラム。
【請求項8】
前記受注者の代表者による前記管理サーバへのログイン認証を行うステップを有し、
該ログイン認証を行うステップは、
代表者のログイン認証時における体温を含む生体情報を認証するステップと、
ログイン認証時における代表者の体温が予め設定された体温以上であるか否かを判定するステップと、
ログイン認証時における代表者の体温が予め設定された体温以上であると判定された場合に、代表者によるログイン認証を許可しないステップと、を含む
請求項7に記載の商品購入プログラム。
【請求項9】
前記受注者から注文者に対する前記特定商品の配送情報を通知するステップを有し、
該配送情報を通知するステップは、
前記特定商品の受注の通知を受けた時点で検温した前記受注者の代表者の体温である第1の体温を記録するステップと、
前記特定商品を前記配送起点住所から前記配送エリアの特定地点まで配送する配送者の配送開始時点で検温した体温である第2の体温を記録するステップと、
前記配送者による前記特定商品の配送完了時点で検温した体温である第3の体温を記録するステップと、
前記第1の体温を記録するステップ乃至前記第3の体温を記録するステップで記録した情報を、前記特定商品の注文者が保有する端末に通知するステップと、を含む
請求項7または請求項8に記載の商品購入プログラム。
【請求項10】
商品の配送起点住所を含む加盟店に関する情報を登録する工程と、
注文者が購入を希望する商品識別、商品注文数、及び商品配送先住所を含む注文情報を受け付ける工程と、
前記注文情報に基づいて、特定商品の商品注文数が、前記加盟店が任意に設定した第1の注文数以上であるか否かを判定する工程と、
前記特定商品の商品注文数が前記第1の注文数未満であると判定された場合に、前記注文情報のうち前記商品配送先住所に基づいて設定された所定の配送エリア内の注文者の商品注文数をカウントする工程と、
前記複数の加盟店のうちから所定の条件に基づいて前記特定商品を受注する一の受注者を決定する工程と、
前記配送エリア内の注文者による特定商品の商品注文数が、前記第1の注文数よりも少ない商品注文数であって、前記受注者が任意に設定した第2の注文数以上であるか否かを判定する工程と、
前記特定商品の商品注文数が前記第2の注文数以上であると判定された場合に、前記受注者に対して、前記特定商品の受注を通知する工程と、を備える
商品購入方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品購入システム、商品購入プログラム、及び商品購入方法に関する。詳しくは、共同購入の成立性を高めて商品の購入価格を抑制するとともに、購入者が注文商品を安心して受け取ることができる商品購入システム、商品購入プログラム、及び商品購入方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
近年、情報通信技術に発展に伴い、インターネットを利用した商品購入システムが急速に普及している。このような商品購入システムとしては、例えば複数のオンラインショップが軒を連ねるオンラインモールの形態と、主に自社の商品を独自運営のウェブサイトで販売するECサイトがある(以下、これらを総称して「オンラインショップ」という。)。オンラインショップの中でも、特にオンラインモールは大手企業をはじめとして数多くの運営会社により運営され需要者の目に止まる機会も多いことから、その利用者が拡大している。
【0003】
オンラインショップの普及に伴い、様々なサービスも開発されている。例えば、特許文献1には、特定の商品の共同購入者を募り、購入者数が予め定めた所定人数以上となった場合には、商品価格を割り引くサービスを提供するための商品購入システムが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、オンラインショップで注文者が注文した商品の配送コストを削減する商品購入システムが開示されている。具体的には、データベース上に注文者が希望する配送希望条件が設定され、設定された配送希望条件、及び配送に係わる現在の商品の状態に基づいて注文者への配送日が設定される。そして、同一の注文者による注文商品が一定数以上となった時点で、複数の商品を同一の注文者にまとめて配送することで、配送コストの削減、及び注文者による商品受け取りの利便性を向上させることができるものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-132243号公報
【特許文献2】特開2003-58787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記した特許文献1によれば、注文者数が増えるにつれて実販売価格が段階的に安くなっていくため、購入希望者が自分だけでなく知人にも商品の購入を促すなどすることで、商品の販売数を向上させるために有効なシステムであるといえる。
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示の商品購入システムでは、販売価格が既に確定していて変動することがない通常の販売形態とは異なり、所定の販売期間が満了して注文総数が確定するまでは商品の実販売価格が確定しない。
【0008】
従って、共同購入方式の商品販売形態では、最終的に売買が成立した時点の実販売価格が、各注文者の注文時点の価格と相違していたり、共同購入自体が不成立となってしまう事態も想定され、さらに販売者側にとっても最終的な実販売価格が確定しない限り、売上処理を行うことができないという問題がある。
【0009】
また、特許文献2によれば、特許文献1に開示のシステムのように商品の取引が不成立となったりすることはないものの、同一注文者による注文商品数が一定程度に達するまでには商品の配送が行われない。そのため、例えば賞味期限のある食料品の配送には適用することができないという問題がある。
【0010】
さらに、近年においてはインフルエンザ、及び新型コロナウイルスをはじめとする感染症が社会問題となっているが、これら感染症は物を媒介として拡大することが懸念されている。この点、オンラインショップで購入した商品については、商品の梱包や調理、或いは商品の配送のように複数の工程を経て注文者のもとに届けられるが、このとき商品の受注者や配送者の一人が感染症を患っている場合、その作業工程で商品に付着したウイルスが感染源となって感染症が拡大することも懸念されるが、前記特許文献1、及び特許文献2においては、このような感染対策については何ら講じられていない。
【0011】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、共同購入の成立性を高めて商品の購入価格を抑制するとともに、購入者が注文商品を安心して受け取ることができる、商品購入システム、商品購入プログラム、及び商品購入方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を達成するために、本発明の商品購入システムは、販売者である複数の加盟店に対してネットワークを介して複数の注文者からの商品の注文を受け付ける管理サーバを有する商品購入システムにおいて、前記管理サーバは、商品の配送起点住所を含む加盟店に関する情報が登録された加盟店登録部と、注文者が購入を希望する商品識別、商品注文数、及び商品配送先住所を含む注文情報を受け付ける注文受付部と、該注文受付部で受け付けた前記注文情報に基づいて、特定商品の商品注文数が前記加盟店により任意に設定された第1の注文数以上であるか否かを判定する第1の注文数判定部と、該第1の注文数判定部により、前記特定商品の商品注文数が前記第1の注文数未満であると判定された場合に、前記注文情報のうち前記商品配送先住所に基づいて設定された所定の配送エリア内の注文者の商品注文数をカウントする配送エリア内注文数カウント部と、前記加盟店のうちから所定の条件に基づいて前記特定商品を受注する一の受注者を決定する受注者決定部と、前記配送エリア内注文数カウント部でカウントされた前記特定商品の商品注文数が、前記受注者が任意に設定した第2の注文数以上であるか否かを判定する第2の注文数判定部と、該第2の注文数判定部により、前記特定商品の商品注文数が前記第2の注文数以上であると判定された場合に、前記受注者に対して商品の受注を通知する受注通知部とを備える。
【0013】
ここで、管理サーバが商品の配送起点住所を含む加盟店に関する情報が登録された加盟店登録部を備えることにより、オンライショップに加盟する加盟店の所定の情報を登録することができる。また、オンラインショップには複数の加盟店が登録されるため、注文者は、同一の商品を注文する場合でも、商品価格や商品の配送費用等を比較しながら、注文者にとって最もメリットのある加盟店を選択することができる。
【0014】
また、注文者が購入を希望する商品識別、商品注文数、及び商品配送先住所を含む注文情報を受け付ける注文受付部を備えることにより、加盟店はオンライン上において注文者からの注文を受け付けることができる。
【0015】
また、注文受付部で受け付けた注文情報に基づいて、特定商品の商品注文数が加盟店により任意に設定された第1の注文数以上であるか否かを判定する第1の注文数判定部を備えることにより、第1の注文数判定部において、特定の加盟店において共同購入の成立の成否を判定することができる。そして共同購入が成立したと認められると、注文者は共同購入により商品価格の値引きの利益を享受することができる。
【0016】
第1の注文数判定部により、特定商品の商品注文数が第1の注文数未満であると判定された場合に、注文情報のうち商品配送先住所に基づいて設定された所定の配送エリア内の注文者の商品注文数をカウントする配送エリア内注文数カウント部を備えることにより、配送エリアを共通にする注文者による特定商品の商品注文数の総数をカウントすることができる。
【0017】
加盟店登録部に登録されている加盟店のうちから所定の条件に基づいて特定商品を受注する一の受注者を決定する受注者決定部を備えることにより、各加盟店の中から特定商品の受注に適する加盟店を受注者として決定することができる。
【0018】
また、配送エリア内注文数カウント部でカウントされた特定商品の商品注文数が、受注者が任意に設定した第2の注文数以上であるか否かを判定する第2の注文数判定部を備えることにより、例え第1の注文数判定部で定められた商品注文数に満たない場合でも、配送エリアが同一の注文者により同一の商品について所定数の注文がされていることを条件に、共同購入の成立の成否を判定することができる。
【0019】
また、第2の注文数判定部により定められた第2の注文数は、第1の注文数判定部により定められた第1の注文数よりも少ないため、共同購入の成立性を高めることができる。さらに、第2の注文数は、注文者の配送先住所に基づいて設定された配送エリア内の注文者による注文であるため、加盟店は商品を同一の配送エリアに一度にまとめて配送することができるため、受注した商品の配送コストを抑制することができる。
【0020】
また、第2の注文数判定部により、特定商品の商品注文数が第2の注文数以上であると判定された場合に、受注者に対して商品の受注を通知する受注通知部を備えることにより、受注者は特定商品を受注したこと、及び受注内容を把握することができる。
【0021】
また、管理サーバは、受注者の代表者が管理サーバにログイン認証を行うログイン認証部を有する場合には、管理サーバに対しログイン権限のある受注者の代表者のみがアクセスすることができるため、管理サーバに対する不正アクセスを防止することができる。
【0022】
また、ログイン認証部は、代表者のログイン認証時における体温を含む生体情報に基づいてログイン認証を行い、ログイン認証時における体温が予め設定された体温以上であるときは、代表者によるログイン認証を許可しない場合には、代表者の体温が所定温度以上の場合には、代表者が体調不良、或いは何らかのウイルスに感染して感染症を患っているものと判断して、管理サーバへのアクセスを制限し、受注者の代表者は特定商品の受注情報を得ることができないため、受注がキャンセルされる。これにより、代表者が受注した特定商品の発送準備(商品の梱包や調理)に取り掛かることができないため、例えば代表者が感染症を患っている場合に、特定商品を媒介とするウイルス感染の拡大を防止することができる。
【0023】
また、管理サーバは、受注通知部から特定商品の受注の通知を受けた時点で検温した加盟店の代表者の体温を記録する第1の体温記録部、特定商品を配送起点住所から配送先住所まで配送する配送者の配送開始時点で検温した体温を記録する第2の体温記録部、及び配送者による特定商品の配送完了時点で検温した体温を記録する第3の体温記録部を有する体温記録部を有する場合には、受注、配送開始、配送完了の各工程において関与する加盟店の代表者、及び配送者の体温を記録することができる。
【0024】
また、管理サーバは、配送者による特定商品の配送エリアへの配送が完了した場合に、体温記録部に記録されている情報を含む配送完了通知を特定商品の注文者が保有する端末に通知する配送完了通知部を有する場合には、管理サーバに記録された各工程における加盟店の代表者、及び配送者の体温が配送完了と同時に注文者に通知される。従って、注文者はその体温情報を確認して注文した特定商品を開封したり喫食したりすることができるため、特定商品を介したウイルス感染の予防を図ることができる。
【0025】
また、配送エリア内の特定地点には、配送された特定商品を一時的に保管するための宅配ロッカーを有する場合には、例えば配送エリアとして集合住宅である場合には、集合住宅の一角に該宅配ロッカーを設置することで、注文者が不在の場合であっても、特定商品を確実に配送することができる。
【0026】
また、宅配ロッカーには、管理サーバとネットワークを介して接続された配送者の体温を検温するための検温装置を含み、検温装置で検温した配送者の体温が第3の体温記録部に記録される場合には、配送完了時点における配送者の検温を確実に行い、管理サーバに送信することができる。このとき、例えば検温実施後に宅配ロッカーのロックが解除される仕様とすることで、配送者が検温を失念することを防止することができる。
【0027】
また、受注者決定部は、配送起点住所から配送エリアの特定地点までの配送距離、各加盟店の相対的な評価値、各加盟店が過去に受注した商品受注数、各加盟店が特定商品に対して設定する商品価格の少なくとも一つ以上のパラメータに基づいて受注者を決定する場合には、特定商品の配送コストや、加盟店の相対的な評価等のあらゆる側面に基づいて特定商品の受注者が決定されるため、特定商品についての価格や品質が担保されたものになるため、注文者は安心して商品の注文を行うことができる。
【0028】
前記の目的を達成するために、本発明の商品購入プログラムは、販売者である複数の加盟店に対してネットワークを介して複数の注文者からの商品の注文を受け付ける管理サーバに対して、商品の配送起点住所を含む加盟店に関する情報を登録するステップと、注文者が購入を希望する商品識別、商品注文数、及び商品配送先住所を含む注文情報を受け付けるステップと、前記注文情報に基づいて、特定商品の商品注文数が、前記複数の加盟店がそれぞれ任意に設定した第1の注文数以上であるか否かを判定するステップと、前記特定商品の商品注文数が前記第1の注文数未満であると判定された場合に、前記注文情報のうち前記商品配送先住所に基づいて設定された所定の配送エリア内の注文者の商品注文数をカウントするステップと、前記複数の加盟店のうちから所定の条件に基づいて前記特定商品を受注する一の受注者を決定するステップと、前記配送エリア内の注文者による特定商品の商品注文数が、前記受注者が任意に設定した第2の注文数以上であるか否かを判定するステップと、前記特定商品の商品注文数が前記第2の注文数以上であると判定された場合に、前記受注者に対して、前記特定商品の受注を通知するステップとを指示する。
【0029】
ここで、管理サーバに対して、商品の配送起点住所を含む加盟店に関する情報を登録するステップを備えることにより、オンライショップに加盟する加盟店の所定の情報を登録することができる。また、オンラインショップには複数の加盟店が登録されるため、注文者は、同一の商品を注文する場合でも、商品価格や商品の配送費用等を比較しながら、注文者にとって最もメリットのある加盟店を選択することができる。
【0030】
また、注文者が購入を希望する商品の識別、商品注文数、及び商品の配送先住所を含む注文情報を受け付けるステップを備えることにより、加盟店はオンライン上において注文者からの注文を受け付けることができる。
【0031】
また、注文情報に基づいて、特定商品の商品注文数が第1の注文数以上であるか否かを判定するステップを備えることにより、第1の注文数判定部において、特定の加盟店において共同購入の成立の成否を判定することができる。そして共同購入が成立したと認められると、注文者は共同購入により商品価格の値引きの利益を享受することができる。
【0032】
また、特定商品の商品注文数が第1の注文数未満であると判定された場合に、注文情報のうち商品配送先住所に基づいて設定された所定の配送エリア内の注文者の商品注文数をカウントするステップを備えることにより、配送エリアを共通にする注文者による特定商品の商品注文数の総数をカウントすることができる。
【0033】
また、複数の加盟店のうちから所定の条件に基づいて特定商品を受注する受注者を決定するステップを備えることにより、各加盟店の中から特定商品の受注に適する加盟店を受注者として決定することができる。
【0034】
また、配送エリア内の注文者による特定商品の商品注文数が、前記第1の注文数よりも少な商品注文数であって、受注者が任意に設定した第2の注文数以上であるか否かを判定するステップを備えることにより、例え特定商品の商品注文数が第1の注文数に満たない場合でも、配送エリアが同一の注文者により同一の商品について所定数の注文がされていることを条件に、共同購入の成立の成否を判定することができる。
【0035】
また、特定商品の商品注文数が第2の注文数以上であると判定された場合に、受注者に対して、特定商品の受注を通知するステップを備えることにより、受注者は特定商品を受注したこと、及び受注内容を把握することができる。
【0036】
また、受注者の代表者による管理サーバへのログイン認証を行うステップを有する場合には、管理サーバに対しログイン権限のある受注者の代表者のみがアクセスすることができるため、管理サーバに対する不正アクセスを防止することができる。
【0037】
また、ログイン認証を行うステップは、代表者のログイン認証時における体温を含む生体情報を認証するステップと、ログイン認証時における代表者の体温が予め設定された体温以上であるか否かを判定するステップと、ログイン認証時における代表者の体温が予め設定された体温以上であると判定された場合に、代表者によるログイン認証を許可しないステップとを含む場合には、代表者の体温が所定温度以上の場合には、代表者が体調不良、或いは何らかのウイルスに感染しているものと判断して、管理サーバへのアクセスを制限し、加盟店の代表者は特定商品の受注情報を得ることができないため、加盟店としての受注がキャンセルされる。これにより、代表者が受注した特定商品の発送準備(商品の梱包や調理)に取り掛かることができないため、例えば代表者が感染症を患っている場合に、特定商品を媒介としてウイルス感染の拡大を防止することができる。
【0038】
また、受注者から注文者に対する特定商品の配送情報を通知するステップを有し、配送情報を通知するステップは、特定商品の受注の通知を受けた時点で検温した受注者の代表者の体温を記録する第1の体温を記録するステップと、特定商品を配送起点住所から配送エリアの特定地点まで配送する配送者の配送開始時点で検温した体温を記録する第2の体温を記録するステップと、配送者による特定商品の配送完了時点で検温した体温を記録する第3の体温を記録するステップとを含む場合には、受注、配送開始、配送完了の各工程において関与する加盟店の代表者、及び配送者の体温を記録することができる。
【0039】
また、第1の体温を記録するステップ乃至前記第3の体温を記録するステップで記録した情報を、特定商品の注文者が保有する端末に通知するステップを含む場合には、管理サーバに記録された各工程における加盟店の代表者、及び配送者の体温が注文者に通知がされるため、注文者はその体温情報を確認して注文した特定商品を開封したり喫食したりすることができるため、特定商品を介したウイルス感染の予防を図ることができる。
【0040】
前記の目的を達成するために、本発明の商品購入方法は、商品の配送起点住所を含む加盟店に関する情報を登録する工程と、注文者が購入を希望する商品識別、商品注文数、及び商品配送先住所を含む注文情報を受け付ける工程と、前記注文情報に基づいて、特定商品の商品注文数が、前記複数の加盟店がそれぞれ任意に設定した第1の注文数以上であるか否かを判定する工程と、前記特定商品の商品注文数が前記第1の注文数未満であると判定された場合に、前記注文情報のうち前記商品配送先住所に基づいて設定された所定の配送エリア内の注文者の商品注文数をカウントする工程と、前記複数の加盟店のうちから所定の条件に基づいて前記特定商品を受注する一の受注者を決定する工程と、前記配送エリア内の注文者による特定商品の商品注文数が、前記第1の注文数よりも少ない商品注文数であって、前記受注者が任意に設定した第2の注文数以上であるか否かを判定する工程と、前記特定商品の商品注文数が前記第2の注文数以上であると判定された場合に、前記受注者に対して、前記特定商品の受注を通知する工程とを備える。
【0041】
ここで、商品の配送起点住所を含む加盟店に関する情報を登録する工程を備えることにより、加盟店の所定の情報を登録することができる。また、複数の加盟店が登録されるため、注文者は、同一の商品を注文する場合でも、商品価格や商品の配送費用等を比較しながら、注文者にとって最もメリットのある加盟店を選択することができる。
【0042】
また、注文者が購入を希望する商品の識別、商品注文数、及び商品の配送先住所を含む注文情報を受け付ける工程を備えることにより、加盟店は注文者からの注文を受け付けることができる。
【0043】
また、注文情報に基づいて、特定商品の商品注文数が第1の注文数以上であるか否かを判定する工程を備えることにより、第1の注文数判定部において、特定の加盟店において共同購入の成立の成否を判定することができる。そして共同購入が成立したと認められると、注文者は共同購入により商品価格の値引きの利益を享受することができる。
【0044】
また、特定商品の商品注文数が第1の注文数未満であると判定された場合に、注文情報のうち商品配送先住所に基づいて設定された所定の配送エリア内の注文者の商品注文数をカウントする工程備えることにより、配送エリアを共通にする注文者による特定商品の商品注文数の総数をカウントすることができる。
【0045】
また、複数の加盟店のうちから所定の条件に基づいて特定商品を受注する一の受注者を決定する工程を備えることにより、各加盟店の中から特定商品の受注に適する加盟店を受注者として決定することができる。
【0046】
また、配送エリア内の注文者による特定商品の商品注文数が、前記第1の注文数よりも少ない商品注文数であって、受注者が任意に設定した第2の注文数以上であるか否かを判定する工程を備えることにより、例え特定商品の商品注文数が第1の注文数に満たない場合でも、配送エリアが同一の注文者により同一の商品について所定数の注文がされていることを条件に、共同購入の成立の成否を判定することができる。
【0047】
また、特定商品の商品注文数が第2の注文数以上であると判定された場合に、受注者に対して、特定商品の受注を通知する工程を備えることにより、受注者は特定商品を受注したこと、及び受注内容を把握することができる。
【発明の効果】
【0048】
本発明に係る商品購入システム、商品購入プログラム、及び商品購入方法は、共同購入の成立性を高めて商品の購入価格を抑制するとともに、購入者が注文商品を安心して受け取ることができるものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】本発明の実施形態に係る商品購入システムの全体構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る商品購入システムを構成する管理サーバのブロック図である。
【
図3】注文者端末に送信される配送完了通知画面の一例である。
【
図4】本発明の実施形態に係る宅配ロッカーの全体図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る商品購入方法の工程図を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る商品購入プログラムの処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、商品購入システム、商品購入プログラム、及び商品購入方法に関する本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
【0051】
まず、本発明の実施形態に係る商品購入システム1の全体構成について
図1を用いて説明する。本発明の実施形態に係る商品購入システム1は、各注文者が使用する通信端末である注文者端末10、各加盟店が使用する通信端末である加盟店端末20、管理サーバ30、及び宅配ロッカー40がインターネット回線50を介して互いに通信可能なように接続されている。
【0052】
ここで、必ずしも、注文者端末10、加盟店端末20、及び管理サーバ30はインターネット回線50を介して互いに接続されている必要はなく、いかなる通信手段により接続されていてもよい。
【0053】
なお、注文者端末10、及び加盟店端末20は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯端末、タブレット型端末等、通信機能を有する情報端末であれば特に限定されるものではない。
【0054】
次に、
図2のブロック図を用いて商品購入システム1の詳細な構成について説明する。
【0055】
〔管理サーバ〕
管理サーバ30は、加盟店登録部301、注文受付部302、第1の注文数判定部303、配送エリア内注文数カウント部304、第2の注文数判定部305、受注者決定部306、受注通知部307、ログイン認証部308、体温記録部309、配送完了通知部310がバスラインを通じて双方向通信可能なように接続されている。
【0056】
[加盟店登録部]
加盟店登録部301は、各加盟店に関する所定の情報が登録される記憶装置である。加盟店の情報としては、店名、会社情報、取扱商品等が登録され、会社情報には商品の配送起点となる配送起点住所が登録される。また、取扱商品としては、商品画像、商品名、及び各商品の価格が登録されている。これら加盟店登録部301に登録されている各情報は、加盟店端末20から管理サーバ30にログインしたうえで、適宜更新することができる。
【0057】
ここで、必ずしも、加盟店の取扱商品については、各加盟店に個別の商品が登録がされている必要はない。例えば、各加盟店に共通の取扱商品(共通メニュー表)が登録されており、各加盟店は共通メニュー表に登録されている商品価格のみを登録するようにしてもよい。
【0058】
[注文受付部]
注文受付部302は、注文者が注文者端末10から送信した商品の発注を受け付ける機能を有している。注文情報としては、加盟店登録部301に登録されている商品のうちから選択した一の商品(以下、「特定商品」という。)の識別情報、特定商品の商品注文数、特定商品の配送先住所が含まれる。
【0059】
[第1の注文数判定部]
第1の注文数判定部303は、注文者からの特定商品の商品注文数をカウントし、任意に設定された共同購入の要件を満たすか否かを判定するための装置であり、各注文者から特定の加盟店に対して注文された特定商品の商品注文数がカウントされる。
【0060】
具体的には、所定の時間内において、各注文者から注文された特定商品のうち、識別情報が同一の特定商品の総注文数がカウントされ、総注文数が所定の閾値以上となった場合に、特定商品の共同購入が成立したものとして(第1の共同購入条件)、注文者は特定商品を標準価格から値引きされた価格で特定商品を購入することが可能となる。
【0061】
[配送エリア内注文数カウント部]
配送エリア内注文数カウント部304は、第1の注文数判定部303にて特定商品の商品注文数が第1の注文数未満であると判定された場合に、商品識別が同一の特定商品を注文する注文者のうち、商品配送先住所に基づいて設定された所定の配送エリア内の注文者からの特定商品の商品注文数をカウントする機能を有している。
【0062】
ここで、必ずしも、配送エリアとしては配送先住所が完全に一致する必要はない。例えば、登録されている住所が集合住宅やオフィスビルである場合には、部屋番号までの完全一致ではなく、建物名が一致することをもって配送エリアが一致すると判定することができる。また、配送先として集合住宅やオフィスビルでない場合でも、例えば住所表記の番地名までの完全一致ではなく、区町村名までの表記が同一であれば、配送エリアが一致すると判定することができる。
【0063】
以上のように、配送エリアについては、加盟店から特定商品を複数の注文者に対して配送する場合に、配送負担を軽減することを目的として、一度の配送で全ての注文者に対して効率的に特定商品を配送することができる範囲内で任意に設定することができるものとする。
【0064】
[第2の注文数判定部]
第2の注文数判定部305は、第1の共同購入条件を満足しない場合に機能するものである。具体的には、第1の注文数判定部303で第1の共同購入条件が成立しないと判定されると、特定商品の総注文数が後記する受注者決定部306で決定された加盟店が任意に設定する閾値以上であるか否かが判定される。
【0065】
第2の注文数判定部305により、総注文数が受注者決定部306で決定された加盟店が任意に設定する注文数以上であると判定されると、特定商品の共同購入が成立したものとして(第2の共同購入条件)、注文者は特定商品を標準価格から値引きされた価格で特定商品を購入することが可能となる。なお、第1の共同購入条件と第2の共同購入条件を満足する場合の特定商品の値引き率は、それぞれ同一としてもよく、或いは何れか一方を高く(又は低く)設定するようにしてもよい。
【0066】
[受注者決定部]
受注者決定部306は、第1の注文数判定部303で注文者による特定商品の商品注文数が所定未満となり、第1の共同購入条件を満たさないと判定された場合に、第2の共同購入条件に基づいて、加盟店登録部に登録されている複数の加盟店の中から一つの加盟店を、特定商品を受注する受注者として決定する機能を有している。
【0067】
特定商品の受注者の決定においては、例えば加盟店が事前に登録している配送起点住所と、前記した配送エリアの住所に基づいて、最も最短距離に位置する加盟店を受注者として決定することができる。
【0068】
ここで、必ずしも、受注者決定部306で決定される受注者は、加盟店の配送起点住所から配送エリアまでの距離に基づいて決定される必要はない。例えば、加盟店の過去の商品受注数、過去の注文者からの各加盟店に対する相対的な評価値、特定商品に対する各加盟店が設定する商品価格等に基づいて決定してもよく、或いはこれらパラメータを総合的に勘案して受注者を決定するようにしてもよい。例えば、配送起点住所から配送エリアまでの距離に関するパラメータを、その他のパラメータで重み付けすることで最終的な受注者を決定することもできる。
【0069】
[受注通知部]
受注通知部307は、受注者決定部306により特定商品の受注者が決定した場合に、受注者である加盟店に対して受注決定の通知をする機能を有している。受注決定の通知は、例えば加盟店登録部301に登録されている加盟店のメールアドレス宛にメール送信され、加盟店は加盟店端末20を通じて受注決定の通知を受け取ることができる。
【0070】
[ログイン認証部]
ログイン認証部308は、受注通知部307から商品の受注の通知を受けた受注者の代表者が、加盟店端末20で通知内容を確認するために管理サーバ30にアクセスする際に機能するものである。ログイン認証部308には、加盟店の代表者の生体情報(指紋情報や顔面画像情報)が予め登録されており、該生体情報と加盟店端末20が認識した生体情報が合致した場合に、加盟店の代表者は管理サーバ30にアクセスできるものとなっている。
【0071】
また、加盟店端末20には、管理サーバ30にアクセスしようとする代表者の体温を検温する機能が備わっており、例えば加盟店端末20を通じて顔認証や指紋認証すると同時に代表者の検温も実施し、検温した際の体温がログイン認証部308に通知される。
【0072】
ここで、必ずしも、加盟店端末20には、検温機能が備わっている必要はない。例えば、代表者が別途の検温装置で検温した体温を、ログイン認証の画面に入力するようにしてもよい。但し、代表者が検温した体温を入力する場合には、誤入力や意図的に低い体温を入力する虞があるため、正確な体温を保証するためにも、加盟店端末20の操作に連動して代表者の検温を行うシステムであることが好ましい。
【0073】
[体温記録部]
体温記録部309は、第1の体温記録部309a、第2の体温記録部309b、及び第3の体温記録部309cから構成されている。第1の体温記録部309aは、前記したログイン認証部308による認証に際して、加盟店端末20から送信された代表者の体温を記録する記憶装置である。
【0074】
また、第2の体温記録部309bは、特定商品を配送起点住所から配送エリアに配送する際に、配送を担当する配送者の体温を記録する記憶装置である。配送起点住所における配送者の検温は、加盟店端末20の検温機能を利用してもよく、或いは配送者が検温した体温を、配送者が保有する携帯端末から入力するようにしてもよい。
【0075】
また、第3の体温記録部309cは、配送エリアへの特定商品の配送を完了した時点における配送者の体温を記録する記憶装置である。配送エリアにおける配送者の検温は、後述する宅配ロッカー40に備えられた生体認証装置401で検温した結果を管理サーバ30に送信することで記録することができる。なお、配送先エリアにおいて宅配ロッカー40が備えられていない場合には、配送者が携帯する携帯端末を通じて、検温結果を管理サーバ30に送信することができる。
【0076】
[配送完了通知部]
配送完了通知部310は、配送者による特定商品の配送エリアへの配送が完了した時点で特定商品の注文者が保有する注文者端末10にメール送信される。このとき、
図3に示すように、加盟店での受注の日時と第1の体温記録部309aに記録されている代表者の体温、配送起点住所を出発した日時と第2の体温記録部309bに記録されている配送者の体温、及び配送エリアでの配送が完了した日時と第3の体温記録部309cに記録されている配送者の体温がそれぞれ一覧表示として通知される。
【0077】
〔宅配ロッカー〕
宅配ロッカー40は、配送エリア内の特定地点(例えば集合住宅やオフィスビルの場合にはロビーの一角)に設置されるもので、配送者が配送した特定商品を一時的に保管しておくための装置である。宅配ロッカー40は、
図4に示すように、複数の収納部402と各収納部402を開錠するためのカードリーダー403、及び検温機能付きの生体認証装置401から構成されている。
【0078】
ここで、必ずしも、商品購入システム1の構成として宅配ロッカー40は必須の構成ではない。但し、宅配ロッカー40を備えることにより、配送者は各注文者宅に個別に特定商品を配送することなく宅配ロッカー40に保管することで配送が完了するため、配送者の負担が軽減される。
【0079】
配送者は配送エリアの特定地点に到着すると、カードリーダーで所定の収納部402を開錠して、特定商品を収納したうえで施錠する。続いて生体認証装置401の前に立つことで非接触で配送者の検温が実施される。生体認証装置401と管理サーバ30はネットワークで接続されており、生体認証装置401で検温した結果は管理サーバ30に送信されて第3の体温記録部309cに記録される。
【0080】
〔商品購入方法の全体の流れ〕
次に、本発明の実施形態に係る商品購入方法の全体的な流れについて
図5に基づいて説明する。なお、以下の処理フローでは、第1の共同購入条件を満足せず、第2の共同購入条件を満足する場合を前提として説明する。
【0081】
まず、注文者は注文者端末10を通じて管理サーバ30にアクセスしたうえで、特定商品の注文を行う(S101)。
【0082】
管理サーバ30では、注文者からの特定商品の商品注文数に基づいて第1の共同購入条件、及び第2の共同購入条件の成立の可否を判断する(S102)。
【0083】
S102においては、第1の共同購入条件を満足しないが、第2の共同購入条件を満足すると判定されると、特定商品を受注する受注者が加盟店の中から決定され、受注が決定した加盟店に対して、特定商品を受注した旨が通知される(S103)。
【0084】
特定商品の注文を受注した加盟店の代表者は、受注内容を確認するため、管理サーバにログイン認証し、このとき加盟店の代表者の検温が実施されたうえで、代表者の体温が第1の体温記録部309aに記録される(S104)。
【0085】
ログイン認証の結果、加盟店の代表者が正常体温の範囲(例えば37℃未満)であると判定されると、専用サイトへのログインが許可される(S105)。ログインの許可がされた代表者は、受注した特定商品の内容を確認し、商品の梱包(特定商品が飲食物である場合には調理)に着手をする(S106)。
【0086】
特定商品の梱包、或いは特定商品の調理が完了したら、加盟店の代表者は配送者に対して配送依頼を行う(S107)。配送依頼を受けた配送者は配送を受注し(S108)、加盟店は配送者に商品を出荷する(S109)。配送者は加盟店から特定商品を受け取り、その際に配送者の検温が実施されて第2の体温記録部309bに記録される(S110)。
【0087】
配送者による体温が正常体温の範囲(例えば37℃未満)である場合には、配送者は特定商品を配送エリアに向けて配送を行う(S111)。配送エリアに到着すると、宅配ロッカー40を開錠して、特定商品を収納部402に納品し、生体認証装置401で検温して配送(納品)が完了する(S112)。生体認証装置401で検温された結果は、配送者の配送完了時における体温として第3の体温記録部309cに記録される。
【0088】
配送者による特定商品の配送が完了すると、注文者端末に配送完了の通知がされる(S113)。配送完了の通知を受領した注文者は、宅配ロッカー40を開錠して特定商品を受領し(S114)、必要に応じて加盟店に対する評価コメントを入力し一連の工程が終了する。
【0089】
次に、
図6に基づいて、本発明の実施形態に係る共同購入の成立性判定のための処理フローついて説明する。
【0090】
なお、以下の説明では、特定商品を商品Aとして表記し、説明の便宜上、注文者として注文者1、注文者2による注文がされた場合を想定するが、注文者数は特に限定されるものではない。また、注文者1と注文者2がそれぞれ注文する注文Aは共通の商品であるが、必ずしも完全一致する必要はなく、同種の範囲内の商品であってもよい。
【0091】
まず、注文受付部302において、注文者1、及び注文者2から商品Aの注文をそれぞれ受け付ける(S201)。このとき、注文者1は加盟店1に対して商品AをX1個(X1は1以上の整数)注文し、注文者2は同じく商品Aを加盟店2に対してX2個(X2は1以上の整数)注文したと仮定する。
【0092】
次に、第1の注文数判定部303において、注文者1、及び注文者2による商品Aの商品注文数が第1の共同購入条件、即ち所定の共同購入価格で購入可能な最低購入数である商品数Y1以上であるか否かが判定される(S202)。
【0093】
S202の判定において、注文者1、注文者2の商品Aの商品注文数がY1以上であると判定されると、第1の共同購入条件が成立したものとしてS203に進んで、注文者1は加盟店Aから商品Aを、注文者2は加盟店Bから商品Aをそれぞれ購入してフローが終了する。
【0094】
S202の判定において、注文者1、或いは注文者2の商品Aの商品注文数がY1未満であると判定されると、同じ商品Aを注文する注文者1と注文者2の配送先住所が一致するか否かを判定し(S204)、一致する場合には、受注者決定部306により商品Aを受注する受注者が決定される(S205)。なお、S205において、商品Aを注文する注文者1と注文者2の配送先住所が不一致の場合には、第2の共同購入条件が不成立のため受注失敗(S208)となり、処理を終了する。
【0095】
この受注者決定部306では、前記した通り、各加盟店の配送起点住所から注文者1、注文者2の配送先住所までの距離等をパラメータとして、最も最適な一の加盟店が決定される。
【0096】
S205において商品Aを受注する加盟店(受注者)が決定すると、第2の注文数判定部305において、注文者1、及び注文者2の商品Aの商品注文数の合算(X1+X2)が、第2の共同購入条件、即ち各加盟店が設定する最低購入数Y2(Y2はY1よりも少ない)以上であるか否かが判定される(S206)。
【0097】
商品Aの商品注文数が受注者決定部306で決定された加盟店が定める最低購入数Y2未満であると判定されると、第2の共同購入条件が不成立のため受注失敗(S208)となり、処理を終了する。
【0098】
一方、商品Aの商品注文数が受注者決定部306で決定された加盟店が定める最低購入数Y2以上であると判定された場合には第2の共同購入条件が成立(S207)となり、受注者決定部306より商品Aを受注した加盟店に対して受注の通知がされて処理を終了する。
【0099】
以上の処理フローに基づいて、受注者が決定されると、
図5に示した通り、受注者の代表者によるログイン認証が行われ、検温の実施、及び配送により一連の作業が完了する。このように、本発明の実施形態の商品購入プログラムについては、共同購入条件を2段階で判定するため、共同購入の成立性を高めることができる。
【0100】
また、注文者が注文をした特定商品の受注から配送までに関与する担当者(代表者、及び配送者)による検温がその都度実施され、検温結果が注文者に対して通知がされるため、商品を介したウイルス感染を未然に防止することができる。
【0101】
以上、本発明に係る商品購入システム、商品購入プログラム、及び商品購入方法は、共同購入の成立性を高めて商品の購入価格を抑制するとともに、購入者が注文商品を安心して受け取ることができるものとなっている。
【符号の説明】
【0102】
1 商品購入システム
10 注文者端末
20 加盟店端末
30 管理サーバ
301 加盟店登録部
302 注文受付部
303 第1の注文数判定部
304 配送エリア内注文数カウント部
305 第2の注文数判定部
306 受注者決定部
307 受注通知部
308 ログイン認証部
309 体温記録部
309a 第1の体温記録部
309b 第2の体温記録部
309c 第3の体温記録部
310 配達完了通知部
40 宅配ロッカー
401 生体認証装置
402 収納部
403 カードリーダー
50 インターネット回線