(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022099024
(43)【公開日】2022-07-04
(54)【発明の名称】葬儀手配システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220627BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020212757
(22)【出願日】2020-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】519372788
【氏名又は名称】ライフエンディングテクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179822
【弁理士】
【氏名又は名称】中畑 稔
(72)【発明者】
【氏名】白石 和也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC14
(57)【要約】
【課題】依頼者の逝去に関連して発生する葬儀に先立って行われる生前葬を依頼者が満足のいく形で実現することのできる葬儀手配システムを構築すること。
【解決手段】本発明の葬儀手配システムは、依頼者の逝去に関連して発生する葬儀を支援する葬儀計画支援システムであって、前記依頼者に関連する依頼者端末に対して、前記葬儀に関する依頼内容の入力を受け付ける受付部と、前記葬儀に先立って行われる生前葬の様子を模した疑似映像を、前記受け付けた依頼内容に基づいて生成する生成部と、前記依頼者端末からの表示要求に応じて、前記生前葬の発注を促す態様で前記疑似映像を前記依頼者端末に表示する表示部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
依頼者の逝去に関連して発生する葬儀を支援する葬儀手配システムであって、
前記依頼者に関連する依頼者端末に対して、前記葬儀に関する依頼内容の入力を受け付ける受付部と、
前記葬儀に先立って行われる生前葬の様子を模した疑似映像を、前記受け付けた依頼内容に基づいて生成する生成部と、
前記依頼者端末からの表示要求に応じて、前記生前葬の発注を促す態様で前記疑似映像を前記依頼者端末に表示する表示部と、
を備える、
葬儀手配システム。
【請求項2】
請求項1に記載の葬儀手配システムにおいて、
前記疑似映像を構成する複数の領域について、祭壇又は供物の配置を特定する特定部と、
前記特定部により配置が特定された祭壇又は供物の発注要求を受信する発注要求受信部と、
を備える、
葬儀手配システム。
【請求項3】
請求項2に記載の葬儀手配システムにおいて、
前記供物は、香典、果物、蝋燭、線香、花輪、鈴、焼香台、天幕、献花、提灯の少なくとも何れかを含む、
葬儀手配システム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の葬儀手配システムにおいて、
前記葬儀に関する依頼内容は、依頼者名、故人名、続き柄、希望日時の少なくとも何れかを含む、
葬儀手配システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、依頼者の逝去に関連して発生する葬儀を支援する葬儀手配システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、葬儀は自宅、葬儀場、公民館等で行われるもので、故人の知り合い又は親戚の人々が集まり、故人を偲ぶものである。勿論、葬儀は結婚式等と異なり、突然生じるものであり、予めその日を決めて準備することはできない。
【0003】
このため、喪主にとって満足のいく通夜又は葬儀を行うことができない場合がある。かかる背景を受け、時間をかけずに、喪主等のユーザに適した葬儀に必要な情報を提供することができる仕組みが提案されている。具体的に、特許文献1に開示された葬儀支援システムによれば、葬儀に詳しくないユーザであっても、葬儀を行いたい対象者の情報を入力するだけで、葬儀に関する情報の提供を受けることができる仕組みが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された技術において、葬儀を行いたい対象者の情報を入力する主体は、故人の遺族等に限られ、故人の意見は反映されない。このため、必ずしも故人にとって満足のいく葬儀が執り行われるとは限らない。
【0006】
そこで、本発明は、依頼者の逝去に関連して発生する葬儀に先立って行われる生前葬を依頼者が満足のいく形で実現することのできる葬儀手配システムを構築することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、下記の構成により、依頼者の逝去に関連して発生する葬儀に先立って行われる生前葬を依頼者が満足のいく形で実現することのできる葬儀手配システムを構築することができることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、依頼者の逝去に関連して発生する葬儀を支援する葬儀計画支援システムであって、前記依頼者に関連する依頼者端末に対して、前記葬儀に関する依頼内容の入力を受け付ける受付部と、前記葬儀に先立って行われる生前葬の様子を模した疑似映像を、前記受け付けた依頼内容に基づいて生成する生成部と、前記依頼者端末からの表示要求に応じて、前記生前葬の発注を促す態様で前記疑似映像を前記依頼者端末に表示する表示部と、を備える、葬儀手配システムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、依頼者の逝去に関連して発生する葬儀に先立って行われる生前葬を依頼者が満足のいく形で実現することのできる葬儀手配システムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る葬儀手配システム1の構成例を示す図である。
【
図2】に係る葬儀手配装置10を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る葬儀手配装置10のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】生前葬に関する依頼内容の一例を示すデータ構造図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る依頼者端末20のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る疑似映像の生成手順を示すフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、以下のような構成を備える。
[項目1]
依頼者の逝去に関連して発生する葬儀を支援する葬儀手配システムであって、
前記依頼者に関連する依頼者端末に対して、前記葬儀に関する依頼内容の入力を受け付ける受付部と、
前記葬儀に先立って行われる生前葬の様子を模した疑似映像を、前記受け付けた依頼内容に基づいて生成する生成部と、
前記依頼者端末からの表示要求に応じて、前記生前葬の発注を促す態様で前記疑似映像を前記依頼者端末に表示する表示部と、
を備える、
葬儀手配システム。
[項目2]
項目1に記載の葬儀手配システムにおいて、
前記疑似映像を構成する複数の領域について、祭壇又は供物の配置を特定する特定部と、
前記特定部により配置が特定された祭壇又は供物の発注要求を受信する発注要求受信部と、
を備える、
葬儀手配システム。
[項目3]
項目2に記載の葬儀手配システムにおいて、
前記供物は、香典、果物、蝋燭、線香、花輪、鈴、焼香台、天幕、献花、提灯の少なくとも何れかを含む、
葬儀手配システム。
[項目4]
項目1乃至項目3のいずれか一項に記載の葬儀手配システムにおいて、
前記葬儀に関する依頼内容は、依頼者名、故人名、続き柄、希望日時の少なくとも何れかを含む、
葬儀手配システム。
【0012】
<実施の形態の詳細>
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
<システム構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る葬儀手配システム1の構成例を示す図である。葬儀手配システム1は、依頼者の逝去に関連して発生する葬儀を支援する葬儀手配システムであって、葬儀業者に相当する管理センタに設置される葬儀手配装置10、葬儀の依頼者に関連する依頼者端末20がネットワークNWを介して通信可能に接続されている。なお、本構成は一例であり、ある構成が他の構成を兼ね備えていたり、他の構成が含まれていたりしてもよい。
【0014】
<ハードウェア構成>
図2は、本実施形態に係る葬儀手配装置10を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。コンピュータは、少なくとも、制御部11、メモリ12、ストレージ13、通信部14、入出力部15、ビデオカメラ16等を備える。これらはバス17を通じて相互に電気的に接続される。
【0015】
制御部11は、葬儀手配装置10全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行及び認証処理に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えば制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、ストレージ13に格納されメモリ12に展開されたプログラム等を実行して各情報処理を実施する。
【0016】
メモリ12は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリ又はHDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ12は、制御部11のワークエリア等として使用され、また、葬儀手配装置10の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種設定情報等を格納する。
【0017】
ストレージ13は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。各処理に用いられるデータを格納したデータベースがストレージ13に構築されていてもよい。
【0018】
通信部14は、葬儀手配装置10をネットワークNWに接続する。通信部14は、例えば、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、Wi-Fi(Wireless Fidelity、登録商標)、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)、近距離または非接触通信等の方式で、外部機器と直接またはネットワークアクセスポイントを介して通信する。
【0019】
入出力部15は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等の情報入力機器、及びディスプレイ等の出力機器である。
【0020】
バス17は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各種制御信号を伝達する。
【0021】
本実施形態に係る依頼者端末20を実現するコンピュータ又はスマートフォン等の端末のハードウェア構成は、
図2に示す葬儀手配装置10のハードウェア構成例と同様であるため、説明を省略する。
【0022】
<ソフトウェア構成>
図3は、本実施形態に係る葬儀手配装置10のソフトウェア構成例を示す図である。葬儀手配装置10は、受付部100、生成部101、表示部102、発注要求受信部103を備える。
【0023】
受付部100は、依頼者に関連する依頼者端末20に対して、葬儀に関する依頼内容の入力を受け付ける機能を有する。葬儀の概念には、告別式、お別れの会、偲ぶ会、会社などの法人主催で行われる社葬又は団体葬などが含まれる。
【0024】
図4は、葬儀に関する依頼内容の一例を示すデータ構造図である。葬儀に関する依頼内容は、依頼者名、故人名、続き柄、希望日時の少なくとも何れかを含む。依頼内容にこれ以外の情報を含めても問題は無い。例えば、宗派、戒名、年齢、職業、学歴、住所、家族構成等である。
【0025】
生成部101は、葬儀に先立って行われる生前葬の様子を模した疑似映像を、受付部100が受け付けた依頼内容に基づいて生成する機能を有する。ここでの生前葬は、存命している依頼者が自分自身の葬儀を行うことをいう。
【0026】
疑似映像とは、例えば、仮想空間で執り行われる葬儀に関する映像であり、静止画像の部分については実際の葬儀をビデオカメラ16で撮像したビデオ映像を利用して再現するようにし、動画像の部分については3次元グラフィック装置などのコンピュータグラフィック処理で画像を作り、これら映像を合成することで得られる。
【0027】
表示部102は、依頼者端末20からの表示要求に応じて、生前葬の発注を促す態様で疑似映像を依頼者端末20に表示する機能を有する。生前葬の発注を促す態様は特に制限されないが、例えばスピーカ(不図示)を介して行われる音声案内(音声出力)、文字又は画像等の表示が例として挙げられる。
【0028】
発注要求受信部103は、依頼者端末20が備える送信部201から送られてくる発注要求を受信する機能を有する。
【0029】
図5は、本実施形態に係る依頼者端末20のソフトウェア構成例を示す図である。依頼者端末20は、特定部200、送信部201を備える。
【0030】
特定部200は、疑似映像を構成する複数の領域について、祭壇又は供物の配置を特定する機能を有する。例えば、この機能により、供物の配置が特定されると、仮想空間内における各領域に、特定された供物についてのオブジェクトが配置される。
【0031】
送信部201は、特定部200により配置が特定された祭壇又は供物の発注要求を葬儀手配装置10に送信する機能を有する。
【0032】
<処理の流れ>
次に、
図6を参照しながら、本実施形態の葬儀手配システム1が実行する処理の流れについて説明する。
図6は、本実施形態に係る疑似映像の生成手順を示すフローチャートの一例である。
【0033】
まず、葬儀の依頼者は、葬儀手配装置10の管理者が提供するホームページにアクセスする(ステップS100)。この管理者が提供するホームページは、例えば、葬儀に先立って行われる生前葬の様子を模した疑似映像を生成するページと、生成された疑似映像をホームページ上で公開するページとを有する。
【0034】
依頼者は、疑似映像を生成するページにおける画面上の入力指示に従うことで、所望の疑似映像を作成することができる。依頼者端末20の表示部には、葬儀の宗教を選択する画面が表示される(ステップS101)。本実施形態では、例えば、一般的な仏教の他に、神道、キリスト教の他、無宗教方式などが用意される。
【0035】
依頼者により仏教が選択されると(ステップS102)、疑似映像の生成及び仮想葬儀の運営は仏式で行われる。葬儀手配装置10は、メモリ12の中から仏式の祭壇又は供物を選択し依頼者端末20に表示する(ステップS103)。さらに同じ仏式であってもさらに細かく宗派毎に異なる祭壇を選択できるようにすることもできる。
【0036】
一方、ステップS102において、仏教以外の例えばキリスト教が選択された場合にはメモリ12の中からキリスト教用の祭壇又は供物が選択される(ステップS104)。そしてキリスト教用の祭壇又は供物が表示される(ステップS105)。なお、以下では、仏式の葬儀が行われる場合について説明する。
【0037】
仏式の葬儀に係る供物は、例えば、香典、果物、蝋燭、線香、花輪、鈴、焼香台、天幕、献花、提灯等が挙げられる。依頼者は、表示された祭壇又は供物の中から所望の祭壇又は供物を選択する。かかる選択操作を受け付け、葬儀手配装置10において、疑似映像を構成する祭壇又は供物が特定される(ステップS106)。
【0038】
続いて、依頼者の遺影画像を送信可能か否か選択するための選択画面が表示される(ステップS107)。デジタルカメラ等により撮影された画像があり、送信可能な場合には、「送信可能」が選択される。この場合、画像データをアップロードするための画面が表示される。依頼者は、遺影画像をアップロードする(ステップS108)。アップロードされた遺影画像データは、葬儀手配装置10が備える受付部100で受け付けられた後、受付部100から生成部101に送信される。
【0039】
生成部101において、遺影画像データが加工される。遺影画像は、祭壇に展示するために、例えば画像の縁に黒枠が設けられ、黒枠の周りは白い花で飾られるように画像加工が施される。生成部101は、選択された祭壇の中央に展示されるように祭壇と供物と遺影とを合成して疑似映像を生成する(ステップS109)。表示部102は、依頼者端末20からの表示要求に応じて、生前葬の発注を促す態様で疑似映像を依頼者端末20に表示する(ステップS110)。
【0040】
図7は、疑似映像の一例を示す説明図である。祭壇30の中央上部には、依頼者の遺影31が置かれ、祭壇の両脇には、献花32が飾られている。依頼者は、画面上の入力指示に従うことで、疑似映像中の祭壇又は供物の配置を選択することができる。依頼者端末20が備える特定部200は、かかる選択操作を受け付け、疑似映像を構成する複数の領域について、祭壇又は供物の配置を特定する(ステップS111)。送信部201は、特定部200により配置が特定された祭壇又は供物の発注要求を葬儀手配装置10に送信する(ステップS112)。
【0041】
葬儀手配装置10が備える発注要求受信部103は、依頼者端末20から送られてくる発注要求を受信する(ステップS113)。
【0042】
以上、本実施形態に係る葬儀手配システム1によれば、葬儀に先立って行われる生前葬の様子を模した疑似映像が依頼者から寄せられた依頼内容に基づいて生成され依頼者に表示されるので、依頼者はリハーサルを経て満を持して生前葬に臨むことができる。このような仕組みにより、依頼者の満足度を向上させることができ、ひいては、依頼者が葬儀手配装置10の管理者の提供する各種葬儀サービスを利用する意欲を喚起できる。
【0043】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換および変更を行なって実施することが出来る。これらの実施形態および変形例ならびに省略、置換および変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【0044】
本明細書において説明した装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0045】
また、本明細書においてフローチャート図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0046】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本発明に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【符号の説明】
【0047】
1 葬儀手配システム
10 葬儀手配装置
100 受付部
101 生成部
102 表示部
103 発注要求受信部
20 依頼者端末
200 特定部
201 送信部