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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022099191
(43)【公開日】2022-07-04
(54)【発明の名称】マスク用抗ウイルスカバー
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220627BHJP
【FI】
A41D13/11 M
A41D13/11 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020213019
(22)【出願日】2020-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】596177559
【氏名又は名称】インターマン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】上田平 美嗣
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ウイルス、細菌といった病原体の感染を防止する機能を有するマスク用抗ウイルスカバーを提供する。
【解決手段】マスク用抗ウイルスカバー1は、抗ウイルス活性を有する酸化銅不織布からなり、多数の微少なカギ状フックからなる雄ファスナーからなる面ファスナー13を備えている。
【効果】この面ファスナーを利用して抗ウイルスカバーをマスクに装着すれば、マスクの表面に感染力のあるウイルスが残ることを防止し、マスクそのものが感染経路となることを防止することができる。また、洗って再利用できるもののウイルス除去性能が不十分な布マスクに装着すれば、この布マスクに一定のウイルス除去性能を付与できる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗ウイルス活性を有する成分を含有すると共にウイルスを除去するフィルター効果を備えた素材からなるシート状のカバーであって、マスクに接着するための面ファスナーを備えたマスク用抗ウイルスカバー。
【請求項2】
前記面ファスナーは、多数の微少なカギ状フックからなる雄ファスナーからなることを特徴とする請求項1に記載のマスク用抗ウイルスカバー。
【請求項3】
前記抗ウイルス活性を有する成分を含有すると共にウイルスを除去するフィルター効果を備えた素材とは、不織布であることを特徴とする請求項1に記載のマスク用抗ウイルスカバー。
【請求項4】
前記抗ウイルス活性を有する成分は、銅酸化物であることを特徴とする請求項3に記載のマスク用抗ウイルスカバー。
【請求項5】
前記不織布は、銅酸化物の水不溶性の微細な粒子がその繊維中に取り込まれているポリマーから製造されていることを特徴とする請求項4に記載のマスク用抗ウイルスカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウイルス、細菌といった病原体の感染拡大を防止する機能を有するマスク用抗ウイルスカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
今般の新型コロナウイルスによって引き起こされたパンデミックは、人口密度があがり、高速大量輸送時代となった21世紀が、いかに感染症に弱い社会であるかを人々に思い知らせることとなった。
【0003】
このような状況においては、身の回りのあらゆる物が感染源に思え、生活状況が非常に窮屈なものとなる。事実、感染拡大の中では、全てを疑ってかかる必要がある。
【0004】
密閉、密集、密接を避けるといった対策を講じることが重要であるが、中でも基本中の基本は、マスクの着用である。感染拡大を抑止する為に、まず第一になすべきことは、マスクの着用の徹底である。
【0005】
本人が感染者であれば、マスクの着用は、他人へ感染させてしまうというリスクを減らす効果がある。すなわち、飛沫の拡散防止である。また、本人が感染者でない場合には、口や鼻からの病原体侵入による感染を予防できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-16904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
洗って再利用できる布マスクは、飛沫防止の効果はあるものの、ウイルス侵入による感染予防については疑問が持たれている。つまり、一般的なウイルスの大きさは、1μm以下であり、ガーゼなどでは、メッシュ(目)が粗く、ウイルス除去性能においては十分ではないと考えられる。
【0008】
一方で、現在主流の不織布のマスクについては、一定レベルのウイルスを除去するフィルター効果が期待できる。また、ウイルス除去を目的としたフィルターも提案されている(特許文献1)。
【0009】
しかし、不織布マスクを着用していれば、浮遊するウイルスの大部分は通過させずに、口や鼻からのウイルス侵入は抑止されるものの、ウイルスの多くはマスクの表面に付着することになる。従って、不用意にマスクの表面に触れることはウイルスの拡散を招くことにもなり得る。また、そのままゴミ箱などに捨てると、マスクの表面に付着したウイルスが空中に浮遊することになりかねず、マスクそのものが感染経路となることも考えられる。
【0010】
そこで、本発明の目的は、マスクの表面に付着したウイルスを不活性化することのできるマスク用抗ウイルスカバーを提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、マスクのウイルス除去性能を補強することのできるマスク用抗ウイルスカバーを提供することである。
【0012】
本発明の更に別の目的は、洗って再利用できる布マスクに対しても、ウイルス除去性能を付与できるマスク用抗ウイルスカバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の1つの様相によるマスク用抗ウイルスカバーは、抗ウイルス活性を有する成分を含有すると共にウイルスを除去するフィルター効果を備えた素材からなるシート状のカバーであって、マスクに接着するための面ファスナーを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、一つの実施例では、前記面ファスナーは、多数の微少なカギ状フックからなる雄ファスナーからなることを特徴とする。
【0015】
更に、一つの実施例では、前記抗ウイルス活性を有する成分を含有すると共にウイルスを除去するフィルター効果を備えた素材とは、不織布であることを特徴とする。
【0016】
更に、一つの実施例では、前記抗ウイルス活性を有する成分は、銅酸化物であることを特徴とする。
【0017】
更に、一つの実施例では、前記不織布は、銅酸化物の水不溶性の微細な粒子がその繊維中に取り込まれているポリマーから製造されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係わるマスク用抗ウイルスカバーによれば、マスクの表面に感染力のあるウイルスが残ることを防止すると共に、マスクそのものが感染経路となることを防止できる。また、本発明に係わるマスク用抗ウイルスカバーによれば、洗って再利用できるもののウイルス除去性能が不十分な布マスクに対して、一定のウイルス除去性能を付与できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の実施例1によるマスク用抗ウイルスカバー1を示す正面図である。
図2図2は、図1のAーA線に沿った断面図である。
図3図3は、本発明の実施例1によるマスク用抗ウイルスカバー1を示す背面図である。
図4図4は、本発明の実施例1によるマスク用抗ウイルスカバー1を、マスクMに装着する様子を示す斜視図である。
図5図5は、本発明の実施例1による抗ウイルスカバー1が装着されたマスクMを示す斜視図である。
図6図6は、本発明の実施例2の抗ウイルスカバー2を示す図であり、折り畳まれた状態を示している。
図7図7は、本発明の実施例2の抗ウイルスカバー2を使用するために広げた状態を示している。
図8図8は、本発明の実施例3によるマスク用抗ウイルスカバー3を示す正面図である。
図9図9は、図8のAーA線に沿った断面図である。
図10図10は、本発明の実施例3によるマスク用抗ウイルスカバー3を示す背面図である。
図11図11は、本発明の実施例3による抗ウイルスカバー3を、マスクMに装着した様子を示す部分拡大斜視図である。
図12図12は、本発明の実施例4によるマスク用抗ウイルスカバー4を示す正面図である。
図13図13は、図12のAーA線に沿った断面図である。
図14図14は、本発明の実施例4によるマスク用抗ウイルスカバー4を示す背面図である。
図15図15は、本発明の実施例4による抗ウイルスカバー4を、マスクMに装着する様子を示す斜視図である。
図16図16は、本発明の実施例5の抗ウイルスカバー5を示す断面図である。
図17図17は、本発明のマスク用抗ウイルスカバーの変形例を示す正面図である。
図18図18は、本発明のマスク用抗ウイルスカバーの変形例を示す背面図である。
図19図19は、本発明のマスク用抗ウイルスカバーの別の変形例を示す図である。
図20図20は、本発明のマスク用抗ウイルスカバーの更に別の変形例を示す図である。
図21図21は、本発明のマスク用抗ウイルスカバーの更に別の変形例を示す図である。
図22図22は、本発明のマスク用抗ウイルスカバーの更に別の変形例を示す図である。
図23図23は、本発明のマスク用抗ウイルスカバーの更に別の変形例を示す図である。
図24図24は、本発明の実施例1によるマスク用抗ウイルスカバー1を、内側からマスクMに装着する様子を示す斜視図である。
図25図25は、本発明のマスク用抗ウイルスカバーの更に別の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0020】
以下、添付図面を参照しながら、本発明によるマスク用抗ウイルスカバーの実施例1を説明する。図1は、本発明の実施例によるマスク用抗ウイルスカバー1を示す正面図である。図2は、図1のAーA線に沿った断面図である。図3は、本発明の実施例によるマスク用抗ウイルスカバー1を示す背面図である。図4は、本発明の実施例による抗ウイルスカバー1を、マスクMに装着する様子を示す斜視図である。図5は、本発明の実施例による抗ウイルスカバー1が装着されたマスクMを示す斜視図である。
【0021】
この抗ウイルスカバー1は、酸化銅不織布からなることが特徴の一つとなっている。この酸化銅不織布は、銅酸化物の水不溶性の微細な粒子がその繊維中に取り込まれているポリマーから製造されている。具体的には、ポリアミド、ポリアルキレン、ポリウレタン及びポリエステルといったポリマーを約80度から170度の範囲の温度において加熱し溶解させ、カチオン型酸化銅の水不溶性の粉末を加え分散させる。分散された酸化銅の微粒子サイズは好ましくは0.2から20ミクロンの間である。このポリマーの液体スラリーは、紡糸口金へ圧力で押し出され、不織布が製造される。この製造方法の詳細は、例えば、特表2008-534708に記載されている。
【0022】
図に示したように、抗ウイルスカバー1には、プリーツ状にヒダ11が形成されており、このヒダ11を広げるようにすると図4に示したような立体的な形状となる。また、この抗ウイルスカバー1の裏面の左右両端には、面ファスナー13が設けられている。図4に示したように、この面ファスナー13を用いて、マスクMへ抗ウイルスカバー1を貼り付けることができる。
【0023】
この面ファスナー13は、マジックテープ(登録商標)、マジックファスナー(登録商標)、ベルクロ(登録商標)、フックアンドループテープ等の商品名で知られているもので、雌ファスナーと雄ファスナーからなる。通常、接続固定したい一方には雌ファスナーを設け、他方には雄ファスナーを設ける。
【0024】
ここで用いる面ファスナー13は、雄ファスナーのみを用いる。雄ファスナーは多数の微少なカギ状フックからなり、通常は、対応する雌ファスナーの多数の微少なループと係合する構造となっており、一旦係合すると容易にはずれず、広範な応用が可能となっている。しかし、雄ファスナーのみであっても、他方の面が不織布や綿布のような細かい繊維状の面となっている場合には、一定レベルの固定力が期待でき、抗ウイルスカバー1のような非常に軽いものであれば、十分しっかりとマスクMへ固定することができる。
【0025】
これにより、図5に示したように、マスクMの外側を抗ウイルスカバー1が覆うようになる。この抗ウイルスカバー1の装着された状態でマスクMを使用した場合、ウイルスは抗ウイルスカバー1の表面に付着するが、一部は通過してマスクMに付着する。
【0026】
抗ウイルスカバー1の厚みが大きかったり、数枚重畳された構造となっていれば、ほとんどのウイルスは抗ウイルスカバー1を通過できないことになるが、その場合、空気抵抗が大きくなり息苦しさが増大してしまう。従って、ここでは抗ウイルスカバー1は一枚の酸化銅不織布とする。
【0027】
抗ウイルスカバー1の表面に付着したウイルスは、酸化銅不織布が生成する銅イオンによって不活性化される。また、使用に伴いマスクMの外側の面に付着するウイルスも、隣接する酸化銅不織布が接触することにより不活性化される。
【0028】
従って、使用者が、無意識にマスクMに手を触れても、感染力のあるウイルスが手に付着することはない。また、マスクMはウイルスで汚染されていないので、マスクMを捨てる際にも、ビニール袋に入れるなどの配慮は不要となる。なお、マスクMを交換する場合でも、抗ウイルスカバー1は、新たなマスクに装着して再利用できる。抗ウイルスカバー1に付着しているウイルスは不活性化しているので、再利用しても感染リスクの心配はない。
【0029】
なお、マスクMは不織布マスクでも布マスクでも良いが、布マスクに抗ウイルスカバー1を装着する場合には、不織布の持つ微粒子捕集機能(ウイルスを捕集できる能力)と抗ウイルスカバー1の抗ウイルス活性が、布マスクの不十分なウイルス除去機能を補うことが期待できる。
【実施例0030】
次に、本発明による抗ウイルスカバーの実施例2を説明する。図6は、実施例2の抗ウイルスカバー2を示す図であり、折り畳まれた状態を示している。また、図7は、実施例2の抗ウイルスカバー2を使用するために、広げた状態を示している。
【0031】
この抗ウイルスカバー2では、斧の刃型のような形状の酸化銅不織布を2枚重ねて、斧の刃の部分2aを圧着している。これを広げると、図7に示したような立体的な形状となる。このような抗ウイルスカバーを同様の形状を持ったマスクに装着すると、両者はよりフィットするようになる。酸化銅不織布は実施例1と同様のものである。
【0032】
やはり、マスクへの装着には、内側(斧の根本の部分)に設けられた左右一対の面ファスナー(雄ファスナー)23を用いる。この面ファスナー23を対応するマスクの外面に貼り付ける。これにより、マスクのウイルス除去機能を補うことが期待できる。また、実施例1と同様に、抗ウイルスカバーの再利用も可能である。
【実施例0033】
次に、本発明による抗ウイルスカバーの実施例3を説明する。図8は、本発明の実施例3によるマスク用抗ウイルスカバー3を示す正面図である。図9は、図1のAーA線に沿った断面図である。図10は、本発明の実施例3によるマスク用抗ウイルスカバー1を示す背面図である。図11は、本発明の実施例3による抗ウイルスカバー3を、マスクMに装着した様子を示す部分拡大斜視図である。
【0034】
実施例1と同様に、この抗ウイルスカバー3は、プリーツ状にヒダ31が形成されており、このヒダ31を広げるようにすることで立体的な形状となる。そして、抗ウイルスカバー3の両サイドには係止ベルト33が設けられ、この係止ベルト33は、抗ウイルスカバー3の両サイドと上下端35のみで固定されている。従って、図9に示すように、抗ウイルスカバー3の本体と係止ベルト33との間に開口部33hが形成されている。
【0035】
また、係止ベルト33の中央にはマジックテープ(登録商標)の雄ファスナー33mが設けられ、この雄ファスナー33mと対向する抗ウイルスカバー3の両サイド面には雌ファスナー33fが設けられている。これら雄ファスナー33mと雌ファスナー33fを接着させることで、開口部33hが上下に分割される。
【0036】
この抗ウイルスカバー3をマスクに装着するには、雄ファスナー33mと雌ファスナー33fが離れた状態で、図11に示すように、マスクの紐3Mを開口部33hに通し、その後、雄ファスナー33mと雌ファスナー33fを接着させる。このようにして、抗ウイルスカバー3が上下にずれることなく、マスクに装着することができる。
【0037】
ここでも、抗ウイルスカバー3の本体と係止ベルト33は、実施例1と同様の酸化銅不織布からなっており、抗ウイルスカバー3をマスクに装着することで、マスクのウイルス除去機能を補うことが期待できる。また、実施例1と同様に、抗ウイルスカバーの再利用も可能である。
【実施例0038】
次に、本発明による抗ウイルスカバーの実施例4を説明する。紐を使って装着するマスクとしては、一般的な耳に懸けるタイプの衛生マスクの他に、医療用マスクに見られる頭部(首部)に懸けるタイプがある。実施例3は、一般的な耳に懸けるタイプに対応しており、頭部(首部)に懸けるタイプには対応していない。この実施例4によるマスク用抗ウイルスカバー4は、頭部(首部)に懸けるタイプにも対応する。
【0039】
図12は、本発明の実施例4によるマスク用抗ウイルスカバー4を示す正面図である。図13は、図1のAーA線に沿った断面図である。図14は、本発明の実施例4によるマスク用抗ウイルスカバー4を示す背面図である。図15は、本発明の実施例による抗ウイルスカバー4を、マスクMに装着する様子を示す斜視図である。
【0040】
実施例3と同様に、この抗ウイルスカバー4は、プリーツ状にヒダ41が形成されており、このヒダ41を広げるようにすることで立体的な形状となる。そして、抗ウイルスカバー4の両サイドには、夫々上下一対の係止ベルト43a、43bが設けられている。
【0041】
この係止ベルト43a、43bは、抗ウイルスカバー4の両サイドと上下端45のみで固定されている。また、係止ベルト43a、43bは、抗ウイルスカバー4の縦方向の長さの約半分の長さを有し、上から伸びた係止ベルト43aの下端と、下から伸びた係止ベルト43bの上端は、自由端となっており、若干の隙間を空けて向かい合っている。
【0042】
また、係止ベルト43aの下端と係止ベルト43bの上端には、マジックテープ(登録商標)の雄ファスナー43mが設けられ、この雄ファスナー43mと対向する抗ウイルスカバー4の両サイド面には雌ファスナー43fが設けられている。従って、これら雄ファスナー43mと雌ファスナー43fを接着させることで、抗ウイルスカバー4の両サイドにマスクの紐を係止することができる。
【0043】
この抗ウイルスカバー4を医療用マスクMに装着するには、図15に示すように、医療用マスクMの上側の紐4aを挟むようにして、係止ベルト43aの下端の雄ファスナー43mを、雌ファスナー43fに接着させる。同様に、医療用マスクMの下側の紐4bを挟むようにして、係止ベルト43bの上端の雄ファスナー43mを、雌ファスナー43fを接着させる。このようにして、抗ウイルスカバー4がずれることなく、医療用マスクMに装着することができる
【0044】
ここでも、抗ウイルスカバー4の本体と係止ベルト43は、実施例1と同様の酸化銅不織布からなっており、抗ウイルスカバー4をマスクに装着することで、マスクのウイルス除去機能を補うことが期待できる。また、実施例1と同様に、抗ウイルスカバーの再利用も可能である。
【実施例0045】
次に、本発明による抗ウイルスカバーの実施例5を説明する。実施例4では、マジックテープ(登録商標)を用いて、上から伸びた係止ベルト43aの下端と下から伸びた係止ベルト43bの上端を、抗ウイルスカバー4の両サイドに接着させている。しかし、図16の断面図に示したように、上から伸びた係止ベルト53aの下端と下から伸びた係止ベルト53bの上端を、互いに重ね合わせて接着させてもよい。図16は、実施例4の図13に対応する実施例5の断面図である。図では、係止ベルト53aの下端の外側に雌ファスナー53fが設けられ、係止ベルト53bの上端に設けられた雄ファスナー53mと接着可能なように、係止ベルト53aおよび係止ベルト53bは、実施例4の係止ベルト43a、43bに比べやや長めとなっている。
【実施例0046】
次に、幾つかの変形例を説明する。実施例3,4、5では、抗ウイルスカバーとは別の部材として係止ベルトを設けている。しかし、これに限らず、抗ウイルスカバーの両サイドを延長させ、この延長部分を折り曲げるようにして、係止ベルトとして用いても良い。例えば、図16に示した実施例5の代わりに、図17の正面図および図18の背面図に示したように、抗ウイルスカバーの両サイドを延長させ、この延長部分63aおよび延長部分63bに、雌ファスナー63fおよび雄ファスナー63mを設けて、係止ベルトとして用いても良い。
【0047】
図17図18の例では、抗ウイルスカバーの両サイドを上下方向に延長させ、この延長部分を折り曲げるようにしているが、一方向にのみ延長させても良い。すなわち、図19の正面図および図20の背面図に示したように、抗ウイルスカバーの両サイドを上方向にのみ延長させ、この延長部分65aの内側(背面側)に雄ファスナー67mを設け、この延長部分65aを折り曲げた際に対向する抗ウイルスカバーの両サイドに雌ファスナー67fを設ける。この例では、延長部分65aおよび抗ウイルスカバーの両サイドのほぼ全面に雌ファスナー67fおよび雄ファスナー67mが設けられている。従って、雌ファスナー67fおよび雄ファスナー67mで直接マスクの紐を挟み込むようにする。なお、図21に示したように、この延長部分65aを切り離して、別部材67aとしても良い。
【0048】
また、実施例3,4、5では、ファスナーとして雄ファスナーおよび雌ファスナーからなるマジックテープ(登録商標)を用いている。しかし、これに限らず、様々なタイプのファスナーが使用可能である。例えば、実施例5で、係止ベルト53a、53bの先端に、マジックテープ(登録商標)の代わりに図22に示したような切れ目63cを形成して、これらを引っ掛けて接続するようにしても良い。また、実施例3,4、5で、雄ファスナーの代わりに雄のスナップボタンを、雌ファスナーの代わりに雌のスナップボタンを、夫々用いても良い。例えば、実施例5で、雄ファスナー53mと雌ファスナー53fの代わりに、係止ベルト53a、53bの先端に、図23に示したように雄のスナップボタン64mと雌のスナップボタン64fを用いる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明に係わるマスク用抗ウイルスカバーによれば、マスクの表面に感染力のあるウイルスが残ることを防止し、マスクそのものが感染経路となることを防止する。
【0050】
また、本発明に係わるマスク用抗ウイルスカバーによれば、洗って再利用できるもののウイルス除去性能が不十分な布マスクに対して、一定のウイルス除去性能を付与できる。
【0051】
なお、上記抗ウイルスカバーでは、抗ウイルス活性を有する素材として酸化銅を利用しているが、本発明はこれに限らない。例えば、同じ目的で、ダチョウ抗体や、カテキンなどの素材を酸化銅の代わりに利用しても良い。
【0052】
また、抗ウイルスカバーにアロマ用の香りを染み込ませておくこともできる。この場合、リラクゼーション効果が高まり、マスクを着用した際のストレスを緩和できる。
【0053】
更に、抗ウイルスカバーのファッション性を高める目的で、キャラクターや企業トレードマークなどを印刷しても良いし、その他、デザイン性の高い図柄を印刷しても良い。この場合、抗ウイルスカバーが、広告媒体となり収益に寄与することが考えられる。
【0054】
また、上記実施例では、抗ウイルス活性を有する素材の担体として不織布を用いているが、本発明はこれに限らない。例えば、ジャージー素材やスポンジ素材を担体として、酸化銅などの抗ウイルス活性を有する素材を含有させることもできる。このジャージー素材やスポンジ素材の抗ウイルスカバーの表面に、サッカーや野球チーム等のロゴや各種デザインを印刷すれば、見た目がよく広告効果を向上させることができる。
【0055】
なお、本発明に係わるマスク用抗ウイルスカバーは、基本的にはマスクの外面に装着するが、マスクの内側に装着することもできる。本人が感染者であれば、内側に装着することで、他人へ感染させてしまうというリスクを更に減らす効果がある。例えば、実施例1の場合、図24に示したように、抗ウイルスカバー1を裏返しに用いることで、マスクの内側に装着することができる。本発明に係わるマスク用抗ウイルスカバーは、基本的に表裏を区別することなく用いることができるので、実施例3乃至実施例6の抗ウイルスカバーも、裏返しに用いることで、そのままマスクの内側に装着することができる。ただし、実施例2の抗ウイルスカバー2をマスクの内側に装着するには、図25に示したように面ファスナー(雄ファスナー)23を外側に設ける必要がある。
【符号の説明】
【0056】
1、2、3、4、5、6 マスク用抗ウイルスカバー
2a 斧刃部分
3M、4a、4b 紐
11、31、41 ヒダ
13、23 面ファスナー
33、43 係止ベルト
33f、43f 雌ファスナー
33h 開口部
33m、43m 雄ファスナー
43a、43b 係止ベルト
45 上下端
53a、53b 係止ベルト
53f、63f、67f 雌ファスナー
53m、63m、67m 雄ファスナー
63a、63b 延長部分
63c 切れ目
64f 雌スナップボタン
64m 雄スナップボタン
M マスク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
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図20
図21
図22
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