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特開2022-99224モビリティーの非常電力管理システム及びその制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022099224
(43)【公開日】2022-07-04
(54)【発明の名称】モビリティーの非常電力管理システム及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/033 20060101AFI20220627BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20220627BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220627BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20220627BHJP
【FI】
B60R16/033 B
H02J1/00 304H
H02J7/00 P
B60R16/02 650S
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021124621
(22)【出願日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0181246
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【弁理士】
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ユンチョル
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ヒョンウ
(72)【発明者】
【氏名】イ、ヒクワン
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ヒョンキ
(72)【発明者】
【氏名】キム、クウィテク
(72)【発明者】
【氏名】ホン、ヒョンソク
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ウスク
【テーマコード(参考)】
5G165
5G503
【Fターム(参考)】
5G165BB02
5G165BB06
5G165DA01
5G165EA02
5G165GA01
5G165LA01
5G165LA02
5G165PA05
5G503AA01
5G503BA03
5G503BB01
5G503EA08
5G503FA06
5G503GA19
5G503GB06
5G503GD03
(57)【要約】
【課題】メインヒューズの両側の電圧差又は印加電流を感知し、これに基づいてメインヒューズの異常を判断し、メインヒューズの異常が判断されるときにパイロスイッチを作動させてサブヒューズに電流が流れるように連結することにより、モビリティーが停止せずに連続的に作動するようにするモビリティーの非常電力管理システム及びその制御方法を提供する。
【解決手段】モビリティーの非常電力管理システムは、高電圧バッテリーと連結され、メインヒューズ及びサブヒューズをそれぞれ備え、互いに並列で連結されたメイン回路及びサブ回路を備えるヒューズ装置と、メイン回路とサブ回路との間に備えられ、普段はメイン回路を連結し、非常作動の際にメイン回路の連結を解除してサブ回路を連結するパイロスイッチと、高電圧バッテリーから印加される電流又はメインヒューズ両端の電圧に基づいてメインヒューズの異常を判断する判断部と、メインヒューズの異常の際にパイロスイッチを作動させる制御部とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電圧バッテリーと連結され、メインヒューズ及びサブヒューズをそれぞれ備え、互いに並列で連結されたメイン回路及びサブ回路を備えるヒューズ装置と、
メイン回路とサブ回路との間に備えられ、普段はメイン回路を連結し、非常作動の際にメイン回路の連結を解除してサブ回路を連結するパイロスイッチと、
高電圧バッテリーから印加される電流又はメインヒューズ両端の電圧に基づいてメインヒューズの異常を判断する判断部と、
メインヒューズの異常の際にパイロスイッチを作動させる制御部と、を含む、モビリティーの非常電力管理システム。
【請求項2】
パイロスイッチは、メイン回路と連結される第1連結部と、サブ回路と連結される第2連結部と、普段はメイン回路に連結され、非常の際に移動してメイン回路と短絡し、サブ回路と連結される移動部と、制御部の制御によって非常の際に移動部を移動させる作動部と、移動部と連結され、移動部の移動によってメイン回路又はサブ回路に連結するバスバー部とを含むことを特徴とする、請求項1に記載のモビリティーの非常電力管理システム。
【請求項3】
パイロスイッチは、移動部が内部で移動し、移動部の位置によって第1連結部又は第2連結部と移動部を連結するシリンダー部を含み、
移動部は、シリンダー部の内部で作動部の火薬爆発によって移動することを特徴とする、請求項2に記載のモビリティーの非常電力管理システム。
【請求項4】
メインヒューズの両端部に連結されてメインヒューズの両端部の電圧差を測定する電圧測定装置をさらに含み、
判断部は、電圧測定装置で測定した電圧差が既設定の基準値以上であれば、メインヒューズの異常を判断することを特徴とする、請求項1に記載のモビリティーの非常電力管理システム。
【請求項5】
メイン回路に連結されてメイン回路の電流を測定する電流測定装置をさらに含み、
判断部は、電流測定装置で測定した電流に基づいてメインヒューズの異常を判断することを特徴とする、請求項1に記載のモビリティーの非常電力管理システム。
【請求項6】
電流測定装置で測定した電流に基づいてメインヒューズの耐久劣化度を演算する演算部をさらに含み、
判断部は、演算部で演算した耐久劣化度が既設定値以上であれば、メインヒューズの異常を判断することを特徴とする、請求項5に記載のモビリティーの非常電力管理システム。
【請求項7】
判断部は外部システムと連結され、演算部のデータ容量超過によって演算が不可能であれば、外部システムで耐久劣化度を演算したものを受信することを特徴とする、請求項5に記載のモビリティーの非常電力管理システム。
【請求項8】
モビリティーはエアモビリティーであり、高電圧バッテリーは継電器及びインバーターを介してエアモビリティープロペラのモーターに電力を印加し、
制御部は、エアモビリティーが飛行しているうちメインヒューズの異常が発生するときにパイロスイッチを作動させ、エアモビリティーが走行しているうちメインヒューズの異常が発生するときに警告信号を発生させることを特徴とする、請求項1に記載のモビリティーの非常電力管理システム。
【請求項9】
請求項1のモビリティーの非常電力管理システムの制御方法であって、
高電圧バッテリーから印加される電流又はメインヒューズ両端の電圧に基づいてメインヒューズの異常を判断する判断段階と、
判断段階でメインヒューズの異常を判断したとき、パイロスイッチの作動を制御する制御段階と、を含む、モビリティーの非常電力管理システムの制御方法。
【請求項10】
判断段階以前に、メインヒューズ両端の電圧差を測定する電圧測定段階と、
電圧測定段階で測定した電圧差が既設定の基準値以上であることを判断する電圧判断段階と、をさらに含み、
判断段階は、電圧判断段階で電圧差が既設定の基準値以上であることを判断すれば、メインヒューズの異常を判断することを特徴とする、請求項9に記載のモビリティーの非常電力管理システムの制御方法。
【請求項11】
メインヒューズの印加電流を測定する電流測定段階と、
電流測定段階で測定した電流に基づいてメインヒューズの耐久劣化度を演算する演算段階と、
演算段階で演算した耐久劣化度が既設定値以上であるかを判断する劣化度判断段階と、をさらに含み、
判断段階は、劣化度判断段階で耐久劣化度が既設定値以上であると判断する場合、メインヒューズの異常を判断することを特徴とする、請求項9に記載のモビリティーの非常電力管理システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はモビリティーの非常電力管理システム及びその制御方法に関するもので、具体的に複数のヒューズを装着し、メインヒューズの異常が発生するとき、サブヒューズで回路を連結することにより、モビリティーが停止せずに連続的に作動するようにする技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、高電圧バッテリーの電気エネルギーを使うモビリティーにおいて、高電圧バッテリーの使用の際、高電圧バッテリーシステムに適用されるヒューズは、臨界値以下の電流が流れる場合にも繰り返し発生すれば疲労(fatigue)による破断が発生する。
【0003】
従来のモビリティーに適用されたバッテリーシステムのヒューズ劣化の進行状態を運転者が分からないから、走行中にヒューズの溶断が発生すれば、モーターに供給されるバッテリー電源が遮断されるから、作動そのものができなくて安全上の問題が発生することがある。
【0004】
よって、ヒューズの破断又は劣化度の状態をモニタリングし、メインヒューズが破断するとき、補助機能のサブヒューズで連結することができる技術が要求されて来た。
【0005】
前記背景技術として説明した事項は本発明の背景に対する理解増進のためのものであるだけで、当該技術分野で通常の知識を有する者に既に知られた従来技術に相当することを認めるものと受け入れてはいけないであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国特許公開第10-2020-0042238A号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような問題点を解決するために提案されたもので、メインヒューズの両側の電圧差又は印加電流を感知し、これに基づいてメインヒューズの異常を判断し、メインヒューズの異常が判断されるとき、パイロスイッチを作動させてサブヒューズに電流が流れるように連結することにより、モビリティーが停止せずに連続的に作動するようにすることにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるモビリティーの非常電力管理システムは、高電圧バッテリーと連結され、メインヒューズ及びサブヒューズをそれぞれ備え、互いに並列で連結されたメイン回路及びサブ回路を備えるヒューズ装置と、メイン回路とサブ回路との間に備えられ、普段はメイン回路を連結し、非常作動の際にメイン回路の連結を解除してサブ回路を連結するパイロスイッチと、高電圧バッテリーから印加される電流又はメインヒューズ両端の電圧に基づいてメインヒューズの異常を判断する判断部と、メインヒューズの異常の際にパイロスイッチを作動させる制御部とを含む。
【0009】
パイロスイッチは、メイン回路と連結される第1連結部と、サブ回路と連結される第2連結部と、普段はメイン回路に連結され、非常の際に移動してメイン回路と短絡し、サブ回路と連結される移動部と、制御部の制御によって非常の際に移動部を移動させる作動部と、移動部と連結され、移動部の移動によってメイン回路又はサブ回路に連結するバスバー部とを含むことができる。
【0010】
パイロスイッチは、移動部が内部で移動し、移動部の位置によって第1連結部又は第2連結部と移動部を連結するシリンダー部を含むことができ、移動部は、シリンダー部の内部で作動部の火薬爆発によって移動することができる。
【0011】
モビリティーの非常電力管理システムは、メインヒューズの両端部に連結されてメインヒューズの両端部の電圧差を測定する電圧測定装置をさらに含むことができ、判断部は、電圧測定装置で測定した電圧差が既設定の基準値以上であれば、メインヒューズの異常を判断することができる。
【0012】
モビリティーの非常電力管理システムは、メイン回路に連結されてメイン回路の電流を測定する電流測定装置をさらに含むことができ、判断部は、電流測定装置で測定した電流に基づいてメインヒューズの異常を判断することができる。
【0013】
モビリティーの非常電力管理システムは、電流測定装置で測定した電流に基づいてメインヒューズの耐久劣化度を演算する演算部をさらに含むことができ、判断部は、演算部で演算した耐久劣化度が既設定値以上であれば、メインヒューズの異常を判断することができる。
【0014】
判断部は外部システムと連結され、演算部のデータ容量超過によって演算が不可能であれば、外部システムで耐久劣化度を演算したものを受信することができる。
【0015】
モビリティーはエアモビリティーであってもよく、高電圧バッテリーは継電器及びインバーターを介してエアモビリティープロペラのモーターに電力を印加することができ、制御部は、エアモビリティーが飛行しているうちメインヒューズの異常が発生するときにパイロスイッチを作動させ、エアモビリティーが走行しているうちメインヒューズの異常が発生するときに警告信号を発生させることができる。
【0016】
本発明によるモビリティーの非常電力管理システムの制御方法は、高電圧バッテリーから印加される電流又はメインヒューズ両端の電圧に基づいてメインヒューズの異常を判断する判断段階と、判断段階でメインヒューズの異常を判断したとき、パイロスイッチの作動を制御する制御段階とを含む。
【0017】
制御方法は、前記判断段階以前に、メインヒューズ両端の電圧差を測定する電圧測定段階と、電圧測定段階で測定した電圧差が既設定の基準値以上であることを判断する電圧判断段階とをさらに含むことができ、判断段階は、電圧判断段階で電圧差が既設定の基準値以上であることを判断すれば、メインヒューズの異常を判断することができる。
【0018】
制御方法は、メインヒューズの印加電流を測定する電流測定段階と、電流測定段階で測定した電流に基づいてメインヒューズの耐久劣化度を演算する演算段階と、演算段階で演算した耐久劣化度が既設定値以上であるかを判断する劣化度判断段階とをさらに含むことができ、判断段階は、劣化度判断段階で耐久劣化度が既設定値以上であると判断する場合、メインヒューズの異常を判断することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によるモビリティーの非常電力システムは、メインヒューズ両側の電圧を測定してメインヒューズの溶断をモニタリングし、メインヒューズに印加される電流を測定してメインヒューズの劣化耐久度を演算し、前記メインヒューズの溶断又はメインヒューズの劣化耐久度に基づいてメインヒューズの異常を判断し、パイロスイッチを作動させてサブヒューズを連結することにより、モビリティーが停止せずに連続的に作動することができる効果がある。
【0020】
また、メインヒューズの耐久劣化度を演算する演算部のデータ容量を超える場合、外部システムに電流測定データを送信して外部システムで耐久劣化度を演算し、判断部で受信して劣化度を正確に演算することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施例によるモビリティーの非常電力システムの構成図である。
図2】本発明の一実施例によるモビリティーの非常電力システムのパイロスイッチ作動を示す図である。
図3】本発明の一実施例によるモビリティーの非常電力システムの制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書又は出願に開示されている本発明の実施例についての特定の構造的又は機能的説明は単に本発明による実施例を説明するための目的で例示したもので、本発明による実施例は多様な形態に実施されることができ、本明細書又は出願で説明した実施例に限定されるものと解釈されてはいけない。
【0023】
本発明による実施例は多様な変更を加えることができ、さまざまな形態を有することができるので、特定の実施例を図面に例示し、本明細書又は出願に詳細に説明しようとする。しかし、これは本発明の概念による実施例を特定の開示形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物又は代替物を含むものと理解されなければならない。
【0024】
第1及び/又は第2などの用語は多様な構成要素を説明するのに使われることができるが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはいけない。前記用語は一構成要素を他の構成要素と区別する目的のみで、例えば本発明の概念による権利範囲から逸脱しない範疇内で第1構成要素は第2構成要素と名付けることができ、同様に第2構成要素は第1構成要素とも名付けることができる。
【0025】
ある構成要素が他の構成要素に“連結されている”とか“接続されている”とかと言及されたときには、その他の構成要素に直接的に連結されるかあるいは接続されることもできるが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解されなければならないであろう。一方、ある構成要素が他の構成要素に“直接連結されている”とか“直接接続されている”とかと言及されたときには、中間に他の構成要素が存在しないと理解されなければならないであろう。構成要素間の関係を説明する他の表現、すなわち“~の間に”と“すぐ~の間に”又は“~に隣り合う”と“~に直接隣り合う”なども同様に解釈されなければならない。
【0026】
本明細書で使用した用語は単に特定の実施例を説明するために使用したもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に他に指示しない限り、複数の表現を含む。本明細書で、“含む”又は“有する”などの用語は開示した特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組合せが存在することを指示しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組合せなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。
【0027】
他に定義しない限り、技術的な又は科学的な用語を含めてここで使う全ての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味である。一般的に使われる辞書に定義されているもののような用語は関連技術の文脈上有する意味と一致する意味と解釈されなければならなく、本明細書で明白に定義しない限り、理想的な又は過度に形式的な意味と解釈されない。
【0028】
以下、添付図面に基づいて本発明の好適な実施例を説明することによって本発明を詳細に説明する。各図に提示した同じ参照符号は同じ部材を示す。
【0029】
本発明の例示的な実施例による判断部10、制御部20及び演算部30は、車両の多様な構成要素の動作を制御するように構成されたアルゴリズム又は前記アルゴリズムを再生するソフトウェア命令語についてのデータを記憶するように構成された非揮発性メモリ(図示せず)及び当該メモリに記憶されたデータを用いて以下で説明する動作を遂行するように構成されたプロセッサ(図示せず)によって具現されることができる。ここで、メモリ及びプロセッサは個別チップから具現されることができる。代案として、メモリ及びプロセッサは互いに統合した単一チップから具現されることができる。プロセッサは一つ以上のプロセッサの形態を取ることができる。
【0030】
図1は本発明の一実施例によるモビリティーの非常電力システムの構成図、図2は本発明の一実施例によるモビリティーの非常電力システムのパイロスイッチ200の作動を示す図である。
【0031】
図1及び図2を参照して本発明によるモビリティーの非常電力システムの好適な実施例について説明する。
【0032】
本発明のモビリティーは高電圧バッテリー500によって作動し、作動の際にメインヒューズ110の溶断によってモビリティーの作動が中断されることに備えて本発明が考案された。
【0033】
本発明によるモビリティーの非常電力管理システムは、高電圧バッテリー500と連結され、メインヒューズ110及びサブヒューズ120をそれぞれ備え、互いに並列で連結されたメイン回路111及びサブ回路121を備えたヒューズ装置100と、メイン回路111とサブ回路121との間に備えられ、普段はメイン回路111を連結し、非常作動の際、メイン回路111の連結を解除し、サブ回路121を連結するパイロスイッチ200と、高電圧バッテリー500から印加される電流又はメインヒューズ110の両端電圧に基づいてメインヒューズ110の異常を判断する判断部10と、メインヒューズ110の異常の際、パイロスイッチ200を作動させる制御部20とを含む。
【0034】
ヒューズ装置100はメイン回路111と連結されたメインヒューズ110及びサブ回路121と連結されたサブヒューズ120を備え、メインヒューズ110とサブヒューズ120は互いに並列で連結されて配置されることができる。
【0035】
これにより、メインヒューズ110又はサブヒューズ120のいずれか一つが溶断するとき、連結された他の一つに電流が流れることができる。
【0036】
本発明の一実施例では、普段はメインヒューズ110がメイン回路111に連結されて高電圧バッテリー500の電力を伝達し、メインヒューズ110が溶断した非常の際、サブヒューズ120に電流が流れることができる。
【0037】
パイロスイッチ200はヒューズ装置100と連結され、普段はメインヒューズ110と連結されてメイン回路111を連結し、メインヒューズ110が溶断した非常の際に作動してサブヒューズと連結されてサブ回路121を連結することができる。
【0038】
判断部10は、メインヒューズ110の両端部で感知される電圧差を感知してメインヒューズ110の異常を判断するか、又はメインヒューズ110に印加される電流を感知してメインヒューズ110の耐久度を確認してメインヒューズ110の異常を判断することができる。
【0039】
制御部20は、判断部10でメインヒューズ110の異常が発生したことを判断すれば、パイロスイッチ200を作動させてメインヒューズ110の連結を遮断し、サブヒューズ120をサブ回路121を介して連結することができる。
【0040】
これにより、メインヒューズ110が溶断した非常の際にもサブヒューズ120を連結してモビリティーの作動が停止せずに正常に作動することができる効果がある。
【0041】
パイロスイッチ200は、メイン回路111と連結される第1連結部210、サブ回路121と連結される第2連結部220、普段はメイン回路111に連結され、非常の際に移動してメイン回路111と短絡してサブ回路121と連結される移動部230、制御部20の制御によって非常の際に移動部230を移動させる作動部240、及び移動部230と連結され、移動部230の移動によってメイン回路111又はサブ回路121に連結するバスバー部250を含むことができる。
【0042】
パイロスイッチ200は、メイン回路111と連結された第1連結部210及びサブ回路121と連結された第2連結部220を介してヒューズ装置100と連結されることができる。
【0043】
移動部230は、普段は第1連結部210と連結されてメインヒューズ110をメイン回路111を介して連結し、メインヒューズ110が溶断した非常の際に作動部240によって作動してメインヒューズ110との連結が短絡し、サブヒューズ120と連結されてサブヒューズ120をサブ回路121に連結することができる。
【0044】
これにより、非常の際にもモビリティーが正常に作動することができる効果がある。
【0045】
また、バスバー部250は、移動部230が移動の前又は移動の後に電流が正常に流れるように移動部230を連結することができる。
【0046】
パイロスイッチ200は、移動部230が内部で移動し、移動部230の位置によって第1連結部210又は第2連結部220と移動部230を連結するシリンダー部260を含み、移動部230はシリンダー部260の内部で作動部240の火薬爆発によって移動することができる。
【0047】
移動部230は作動部240によって移動することができ、移動部230はシリンダー部260内で移動して正確に第2連結部220と連結されることができる。また、シリンダー部260は、移動部230が移動するとき、第1連結部210との連結を確かに短絡させ、バスバー部250と連結され、第1連結部210又は第2連結部220と連結された移動部230をメイン回路111に連結することができる。
【0048】
また、作動部240は火薬爆発によって移動部230をシリンダー部260の内部で移動させることができ、これにより、メインヒューズ110が溶断した非常状況で速かに移動部230が移動することができる効果がある。
【0049】
メインヒューズ110の両端部に連結されてメインヒューズ110の両端部の電圧差を測定する電圧測定装置300をさらに含み、判断部10は、電圧測定装置300で測定した電圧差が既設定の基準値以上であればメインヒューズ110の異常を判断することができる。
【0050】
電圧測定装置300はメインヒューズ110の両端部に連結されて電圧を測定し、メインヒューズ110が溶断したときに両端部で発生する電圧差を感知することができる。
【0051】
電圧測定装置300は判断部10と連結され、メインヒューズ110の両端部の電圧差を感知したとき、これについての情報を判断部10に伝達することができ、判断部10はこれからメインヒューズ110に異常が発生したと判断することができる。
【0052】
メイン回路111に連結されてメイン回路111の電流を測定する電流測定装置400をさらに含み、判断部10は電流測定装置400で測定した電流に基づいてメインヒューズ110の異常を判断することができる。
【0053】
メイン回路111に連結された電流測定装置400はメインヒューズ110に印加される電流を測定し、メインヒューズ110に印加される電流の累積値が高いほどメインヒューズ110に異常が発生する確率が高い。
【0054】
判断部10は前記電流測定装置400で測定した電流に基づいてメインヒューズ110の異常を判断することができる。
【0055】
電流測定装置400で測定した電流に基づいてメインヒューズ110の耐久劣化度を演算する演算部30をさらに含み、判断部10は、演算部30で演算した耐久劣化度が既設定値以上であれば、メインヒューズ110の異常を判断することができる。
【0056】
演算部30は電流測定装置400で測定した電流に基づいてヒューズの耐久劣化度を測定することができ、判断部10は、演算部30で演算したヒューズの耐久劣化度が既設定値以上であれば、メインヒューズ110に異常が発生したと判断することができる。
【0057】
印加電流に対するヒューズの劣化耐久度による寿命に関連した式は次の通りである。
【数1】
【0058】
ヒューズ劣化度臨界値は、実車の走行パターンによってヒューズに電流を印加して溶断が発生することを評価して選定し、ヒューズの容量と製造社によって違う値を有することができる。
【0059】
判断部10は外部システム40と連結され、演算部30のデータ容量超過によって演算が不可能であれば、外部システム40で耐久劣化度を演算したものを受信することができる。
【0060】
演算部30で劣化耐久度を演算するときにデータの容量が余り多くて演算ができない場合、テレマティックスを介して外部システム40に電流測定装置400で測定したデータを送信し、外部システム40で演算したものを判断部10で受信することができる。
【0061】
これにより、演算部30が正常に作動しなくても判断部10で劣化耐久度に対してヒューズの異常を判断することができる効果がある。
【0062】
モビリティーはエアモビリティーであり、高電圧バッテリー500は継電器600及びインバーター700を介してエアモビリティープロペラのモーター800に電力を印加し、制御部20はエアモビリティーが飛行しているうちメインヒューズ110の異常が発生するときにパイロスイッチ200を作動させ、エアモビリティーが走行しているうちメインヒューズ110の異常が発生するときに警告信号を発生させることができる。
【0063】
図1に示すように、本発明で記載するモビリティーはプロペラが作動するエアモビリティーであり、制御部20は、エアモビリティーが飛行しているうちのみメインヒューズ110の異常が発生するときにパイロスイッチ200の作動を制御し、エアモビリティーが地上で走行しているうちメインヒューズ110の異常が発生するときに警告信号のみ発生させることができる。
【0064】
これにより、エアモビリティーが地上で走行しているうちメインヒューズ110の異常が発生すればすぐ交替することができ、パイロスイッチ200及びサブヒューズ120を使わないのでコスト低減の効果がある。
【0065】
図3は本発明の一実施例によるモビリティーの非常電力システムの制御方法のフローチャートである。
【0066】
本発明によるモビリティーの非常電力管理システムの制御方法は、高電圧バッテリー500から印加される電流又はメインヒューズ110の両端電圧に基づいてメインヒューズ110の異常を判断する判断段階(S600)、及び前記判断段階でメインヒューズ110の異常を判断したとき、パイロスイッチ200の作動を制御する制御段階(S700)を含む。
【0067】
前記判断段階以前に、メインヒューズ110の両端電圧差を測定する電圧測定段階(S100)、及び電圧測定段階(S100)で測定した電圧差が既設定の基準値以上であることを判断する電圧判断段階(S200)をさらに含み、判断段階(S600)は、電圧判断段階(S200)で電圧差が既設定の基準値以上であることを判断すれば、メインヒューズ110の異常を判断することができる。
【0068】
メインヒューズ110の印加電流を測定する電流測定段階(S300)、電流測定段階(S300)で測定した電流に基づいてメインヒューズ110の耐久劣化度を演算する演算段階(S400)、及び演算段階(S400)で演算した耐久劣化度が既設定値以上であるかを判断する劣化度判断段階(S500)をさらに含み、判断段階(S600)は、劣化度判断段階(S500)で耐久劣化度が既設定値以上であると判断する場合、メインヒューズ110の異常を判断することができる。
【0069】
本発明を特定の実施例に基づいて図示して説明したが、以下の特許請求範囲によって決定される本発明の技術的思想を逸脱しない範疇内で本発明が多様に改良及び変化されることができるというのは当該分野で通常の知識を有する者に明らかであろう。
【符号の説明】
【0070】
10 判断部
20 制御部
30 演算部
40 外部システム
100 ヒューズ装置
110 メインヒューズ
111 メイン回路
120 サブヒューズ
121 サブ回路
200 パイロスイッチ
210 第1連結部
220 第2連結部
230 移動部
240 作動部
250 バスバー部
260 シリンダー部
300 電圧測定装置
400 電流測定装置
500 高電圧バッテリー
600 継電器
700 インバーター
800 モーター
図1
図2
図3