(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022099272
(43)【公開日】2022-07-04
(54)【発明の名称】三次元イメージング用ウルトラミクロトーム
(51)【国際特許分類】
G01N 1/06 20060101AFI20220627BHJP
H01J 37/20 20060101ALI20220627BHJP
【FI】
G01N1/06 E
G01N1/06 L
H01J37/20 F
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021199444
(22)【出願日】2021-12-08
(31)【優先権主張番号】10-2020-0180739
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】513236264
【氏名又は名称】コリア ベーシック サイエンス インスティテュート
【氏名又は名称原語表記】KOREA BASIC SCIENCE INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】(Eoeun-dong)169-148,Gwahak-ro,Yuseong-Gu Daejeon 34133,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】特許業務法人ナガトアンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ホ, ファン
(72)【発明者】
【氏名】クォン, ヒ ソク
【テーマコード(参考)】
2G052
5C101
【Fターム(参考)】
2G052AD32
2G052AD52
2G052EC05
2G052GA35
2G052HA19
2G052JA01
2G052JA11
5C101AA03
5C101BB06
5C101BB07
5C101FF12
5C101FF23
(57)【要約】
【課題】本発明は、試験片の三次元イメージの生成のために試験片を薄片化する三次元イメージング用ウルトラミクロトームに関する。
【解決手段】本発明に係る三次元イメージング用ウルトラミクロトームは、三次元イメージング装置の観察対象である試験片を薄片化するウルトラミクロトームであって、前記試験片が固定される試験片台、及び前記試験片台の移動を調節する移動調節手段を備えた試験片収容部と、前記試験片を切削するブレードが一端に備えられたナイフ、及び前記ナイフを固定するナイフホルダーを含む切削部と、前記ブレードが前記試験片を切削するモーションが行われるように駆動エネルギーを生成する動力生成部と、前記駆動エネルギーを前記切削部に伝達する動力伝達部と、を含み、前記動力生成部及び前記動力伝達部はワイヤにより連結され、前記ワイヤにより、前記駆動エネルギーが前記切削部に伝達される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元イメージング装置の観察対象である試験片を薄片化するウルトラミクロトームであって、
前記試験片が固定される試験片台、及び前記試験片台の移動を調節する移動調節手段を備えた試験片収容部と、
前記試験片を切削するブレードが一端に備えられたナイフ、及び前記ナイフを固定するナイフホルダーを含む切削部と、
前記ブレードが前記試験片を切削するモーションが行われるように駆動エネルギーを生成する動力生成部と、
前記切削部が固定される支持手段、及び一端は固定端であり、他端は前記支持手段と連結される自由端からなる板バネを含み、前記駆動エネルギーを前記切削部に伝達する動力伝達部と、を含み、
前記動力生成部及び前記動力伝達部はワイヤにより連結され、かつ前記ワイヤの一端が前記板バネの自由端に連結されて前記自由端の回転変形を起こすことで、前記駆動エネルギーが前記切削部に伝達される、三次元イメージング用ウルトラミクロトーム。
【請求項2】
前記試験片収容部、前記動力生成部、及び前記動力伝達部が置かれるベースをさらに含み、
前記ミクロトームは、前記ベースに備えられた連結手段により、前記三次元イメージング装置内に備えられた収容空間に収容される、請求項1に記載の三次元イメージング用ウルトラミクロトーム。
【請求項3】
前記ブレードの前記試験片への接近状態を観察する少なくとも一つのカメラを含む観察部をさらに含む、請求項1に記載の三次元イメージング用ウルトラミクロトーム。
【請求項4】
前記観察部は、
前記試験片を第1方向から観察する第1カメラと、
前記第1方向に対して一定の角度を有する第2方向から前記試験片を観察する第2カメラと、を含む、請求項3に記載の三次元イメージング用ウルトラミクロトーム。
【請求項5】
前記板バネの自由端の回転は単一の自由度を有し、前記板バネの自由端の回転変形に前記ブレードの切削モーションが拘束される、請求項1に記載の三次元イメージング用ウルトラミクロトーム。
【請求項6】
前記動力生成部が前記ワイヤの他端を巻き取って前記自由端の回転変形を起こす、請求項1に記載の三次元イメージング用ウルトラミクロトーム。
【請求項7】
前記動力生成部は、
回転動力を提供するモータと、前記ワイヤが巻かれたシャフトに前記モータの回転動力を伝達するギヤと、を含む、請求項6に記載の三次元イメージング用ウルトラミクロトーム。
【請求項8】
前記試験片収容部、前記動力生成部、及び前記動力伝達部が配置されるベースをさらに含み、
前記動力生成部と前記ベースとの間に少なくとも一つ以上のダンパが備えられる、請求項7に記載の三次元イメージング用ウルトラミクロトーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元イメージング用ウルトラミクロトームに関し、より詳細には、試験片の三次元イメージの生成のために試験片を薄片化する三次元イメージング用ウルトラミクロトームに関する。
【背景技術】
【0002】
バイオ試験片の三次元イメージを構成するための技術的需要がさらに増大しており、電子顕微鏡を利用して三次元イメージを構成する技術では、試験片を超薄切片に切削し、切削面をスキャニングする作業を繰り返すことで試験片の三次元イメージを得る。そこで、試験片をナノメートル単位に薄片化できるウルトラミクロトームが必要とされている。
【0003】
三次元イメージングのためのウルトラミクロトームは、切削面製作の品質を高めるために、ブレードの正確な切削モーションを実現できる駆動系が必要であり、シリアルブロックフェイス走査電子顕微鏡(SBF-SEM)のような三次元イメージング装置の載物台として三次元イメージング装置と連携できるように、サイズに制限がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、試験片の三次元イメージングのために試験片を薄片化するウルトラミクロトームであって、三次元イメージング装置に設けられた狭い空間に挿入されるようにコンパクトな構造を有するとともに、低振動の切削モーションが一つの自由度で実現される三次元イメージング用ウルトラミクロトームを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に係る三次元イメージング用ウルトラミクロトームは、三次元イメージング装置の観察対象である試験片を薄片化するウルトラミクロトームであって、前記試験片が固定される試験片台、及び前記試験片台の移動を調節する移動調節手段を備えた試験片収容部と、前記試験片を切削するブレードが一端に備えられたナイフ、及び前記ナイフを固定するナイフホルダーを含む切削部と、前記ブレードが前記試験片を切削するモーションが行われるように駆動エネルギーを生成する動力生成部と、前記駆動エネルギーを前記切削部に伝達する動力伝達部と、を含み、前記動力生成部及び前記動力伝達部はワイヤにより連結され、前記ワイヤにより、前記駆動エネルギーが前記切削部に伝達されることができる。
【0006】
前記試験片収容部、前記動力生成部、及び前記動力伝達部が置かれるベースをさらに含み、前記ミクロトームは、前記ベースに備えられた連結手段を介して前記三次元イメージング装置内に備えられた収容空間に収容されることができる。
【0007】
前記ブレードの前記試験片への接近状態を観察する少なくとも一つのカメラを含む観察部をさらに含むことができる。
【0008】
前記観察部は、前記試験片を第1方向から観察する第1カメラと、前記第1方向に対して一定の角度を有する第2方向から前記試験片を観察する第2カメラと、を含むことができる。
【0009】
前記動力伝達部は、前記切削部が固定される支持手段と、一端は固定端であり、他端は前記支持手段と連結される自由端からなり、前記自由端の回転が単一の自由度を有する板バネを含み、前記板バネの自由端の回転変形により、前記ブレードの切削モーションが行われることができる。
【0010】
前記板バネの自由端は前記ワイヤの一端と連結されており、前記動力生成部が前記ワイヤの他端を巻き取って前記自由端の回転変形を起こすことができる。
【0011】
前記動力生成部は、回転動力を提供するモータと、前記ワイヤが巻かれたシャフトに前記モータの回転動力を伝達するギヤと、を含むことができる。
【0012】
前記試験片収容部、前記動力生成部、及び前記動力伝達部が配置されるベースをさらに含み、前記動力生成部と前記ベースとの間に少なくとも一つ以上のダンパが備えられることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る三次元イメージング用ウルトラミクロトームは、試験片を薄片化する刃に動力を伝達する構成がコンパクトに設計されることで、従来の三次元イメージング装置に設けられた収容空間に挿入され、前記装置の載物台として前記装置と容易に連携されることができる。
【0014】
また、本発明に係る三次元イメージング用ウルトラミクロトームは、刃が一つの自由度で動作することで、複数回の切削モーションで、指定された一軌跡を描くことになり、刃に動力を伝達する構成らが振動を低減するように設計されることで、試験片を平らに切削することができる。
【0015】
また、本発明に係る三次元イメージング用ウルトラミクロトームは、刃と試験片との接近を観察することができる構成を有することで、三次元イメージング装置に前記ミクロトームが収容された後、試験片の切削作業が直ちに行われることができる。
【0016】
本発明から得られる効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及していないさらなる効果は、下記の記載から、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に明確に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る三次元イメージング用ウルトラミクロトームの斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る三次元イメージング用ウルトラミクロトームの上面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る三次元イメージング用ウルトラミクロトームの板バネを示す。
【
図4】本発明の一実施形態に係る三次元イメージング用ウルトラミクロトームが、三次元イメージング装置に設けられた収容空間に収容される様子の斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る三次元イメージング用ウルトラミクロトームが、三次元イメージング装置に設けられた収容空間に収容される様子の正面図である。
【
図6a】本発明の一実施形態に係る三次元イメージング用ウルトラミクロトームの切削モーションの前の状態を示す。
【
図7a】本発明の一実施形態に係る三次元イメージング用ウルトラミクロトームの切削モーション中の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
本明細書で用いられる用語は、本発明の機能を考慮して定義された用語であり、これは、使用者、運用者の意図または慣例によって変わり得る。したがって、かかる用語についての定義は、本明細書の全般にわたる内容に基づいて下すべきである。
【0020】
なお、以下で開示された実施形態は、本発明の権利範囲を限定するためのものではなく、本発明の特許請求の範囲で提示された構成要素の例示的な事項にすぎず、本発明の明細書全般にわたった技術思想に含まれ、特許請求の範囲の構成要素において均等物として置き換え可能な構成要素を含む実施形態は、本発明の権利範囲に含まれ得る。
【0021】
そして、以下で開示された実施形態における「第1」、「第2」、「一面」、「他面」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するために用いられるものであって、その構成要素が前記用語により制限されるものではない。以下、本発明を説明するにあたり、本発明の要旨を不明瞭にする可能性のある公知技術についての詳細な説明は省略する。
【0022】
図1及び
図2は、本発明の一実施形態に係る三次元イメージング用ウルトラミクロトームの斜視図及び上面図である。
【0023】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施形態に係る三次元イメージング用ウルトラミクロトームは、試験片収容部100と、切削部200と、動力生成部300と、動力伝達部400と、ワイヤ700と、を含み、三次元イメージング装置の観察対象である試験片をナノメートル単位の厚さに薄片化する。この際、前記ミクロトームが試験片を超薄切片に切削し、三次元イメージング装置が切削面をスキャニングする過程を繰り返すことで、試験片の三次元イメージが生成される。ここで、前記ミクロトームは、三次元イメージング装置の載物台として三次元イメージング装置と連携され、三次元イメージングの対象である試験片の切削面を順に提供する。
【0024】
一実施形態において、試験片収容部100は、試験片10を固定する試験片台110と、試験片台110の移動を調節する移動調節手段120と、を備える。
【0025】
移動調節手段120は、試験片が三次元、すなわち、x、y、z軸方向に移動するように試験片台の移動を調節する。前記ミクロトームが試験片を第一の切削面を形成し、次の切削面を形成するために、試験片は、ナノメートル単位の高さ、すなわち、三次元イメージングのために要求される切削厚さだけ、z軸方向に移動すべきである。そのために、移動調節手段120は、試験片台を微小移動可能とする自動化装置を備える。例えば、自動化装置は、圧電方式により運営されるピエゾタイプのアクチュエータであることができる。
【0026】
図示された実施形態において、移動調節手段120は、試験片10及び試験片台110をx軸及びy軸方向に移動させるための移動調節ネジ121、122を含む。試験片10が後述のブレード211と当接するように、すなわち、ブレードの切削のための移動軌跡上に試験片が存在するように、移動調節ネジ121、122の手動操作により試験片台110がx軸及びy軸方向に移動する。
【0027】
切削部200は、試験片を切削するブレード211が一端に備えられたナイフ210と、ナイフ210を固定するナイフホルダー220と、を含む。ブレード211はダイヤモンド製であることができる。切削部200は、後述の動力伝達部400に含まれる支持手段430に着脱可能に固定され、前記支持手段430の移動に沿って空中で移動する。
【0028】
動力生成部300は、ブレードが試験片を切削するモーションが行われるように駆動エネルギーを生成する。一実施形態において、動力生成部300は、回転力を提供するモータ310と、モータの回転力を伝達するギヤボックス320と、を含む。前記ギヤボックス320内のギヤは、ウォームホイール及びウォームが互いにかみ合って対を成すウォームギヤであることができる。モータ310の回転力は、ウォームギヤを介して後述のワイヤ700が巻かれたシャフトに伝達され、結果として、ワイヤ700を巻き取りまたは巻き解く。
【0029】
動力伝達部400は、動力生成部300で生成された駆動エネルギーを切削部200に伝達する。動力伝達部400は、切削部200が固定される支持手段430と、板バネ410と、固定手段420と、を含む。
【0030】
支持手段430は切削部200と結合される構成であり、ナイフホルダー220が載置されるプレート、及びナイフホルダー220を着脱及び固定するように結合手段、例えば、ネジなどを含む。支持手段430は、後述の板バネ410の自由端と連結され、板バネ410の変形による回転移動に拘束されて従う。これにより、切削部のブレード211の切削モーションの軌跡は、板バネの変形による回転移動に拘束される。
【0031】
固定手段420は後述のベース500に固定され、板バネ410の固定端を固定するように、固定端の形状に対応する外観を有する固定構造体440を含む。
【0032】
図3は、本発明の一実施形態に係る三次元イメージング用ウルトラミクロトームの板バネを示す。
【0033】
図3を参照すると、板バネ410は、一端は固定端であり、他端は自由端からなる。板バネ410の固定端411は、固定構造体440と結合して固定された位置を有する。板バネ410の自由端412は、ワイヤ700及び支持手段430と連結される。動力生成部300によるワイヤ700の巻き取り動作により、ワイヤ700が引っ張る力(F)を板バネの自由端412に加え、板バネ410の撓みが誘導され、自由端412が回転する。
【0034】
本発明の一実施形態に係る板バネ410の変形は、すなわち、自由端412の回転変形(O)は単一の自由度を有する。換言すれば、板バネ410は、構造的に、単一の自由度に拘束された変形、すなわち、自由端の回転のみが可能であり、板の歪みなどの変形に対する自由度は絶対的に排除される。これにより、ブレードの切削モーションは、板バネの自由端の回転変形に対応する単一の自由度を有し、複数回の切削動作で常に同一の移動軌跡を描く。
【0035】
また、板バネ410の変形を誘導する力(F)の伝達がワイヤ700を介して行われることで、動力生成部300で発生した振動が、板バネ410の変形、板バネの自由端の回転運動に及ぶ影響が最小化される。結果として、ワイヤを介した駆動エネルギーの伝達は、動力生成部300で発生した振動がブレードの切削モーションに及ぶ影響を最小化し、かつブレードの切削モーションが一定の軌跡上で行われるように保障する。ワイヤ700は、弾性が極めて少ない材質からなることができる。
【0036】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施形態に係る三次元イメージング用ミクロトーム1000は、ベース500と、観察部600と、をさらに含む。
【0037】
ベース500は、試験片収容部100、動力生成部300、及び動力伝達部400が配置される堅い材質のプレートである。ベース500上に、試験片収容部100、動力生成部300、及び動力伝達部400に含まれる一部の構成が直接固定連結されるように、ベース500は連結及び固定手段を含む。図示された実施形態において、試験片収容部100の移動調節手段120、動力生成部300のギヤ及び動力伝達部400の固定手段420が、このベース500上に配置される。また、後述の観察部600に含まれるカメラを支持するクランプが取り付けられたスタンド611、621がベース500上に配置される。
【0038】
動力生成部300のギヤを含むギヤボックス320がベース500上に配置される際に、動力生成部で発生した振動がミクロトーム1000の他の構成に伝達されることを最小化するために、振動吸収のための少なくとも一つのダンパ330がギヤボックス320とベース500との間に備えられる。
【0039】
ベース500は、ミクロトーム1000が三次元イメージング装置に取り付けられるための連結手段を備え、一例として、前記連結手段は、雄ねじ及び雄ねじのねじ山とかみ合う雌ねじのねじ山が内壁に形成された貫通孔であることができる。
【0040】
観察部600は、ブレード211の試験片10への接近状態を観察する構成であり、少なくとも一つのカメラを含む。観察部600は、ブレードと試験片が含まれた映像を提供することで、試験片が前記ブレードの移動軌跡上に置かれるように移動調節手段120を調整することを援助し、三次元イメージング装置に前記ミクロトームが収容された後、試験片の切削作業が直ちに行われるようにする利点を提供する。
【0041】
一例として、観察部600は、試験片を第1方向から見る第1カメラ610と、第1方向に対して一定の角度を有する第2方向から試験片を見る第2カメラ620と、を含む。第1カメラ610及び第2カメラ620は、ベース500に配置されるスタンド611、612に取り付けられたクランプにより支持され、それぞれ第1方向及び第2方向に試験片の周辺の映像を提供する。この際、試験片は目視観察が不可能な程度に非常に小さい物体であり、試験片とブレードとの距離差もナノメートル単位またはマイクロメートル単位の水準であるため、試験片及び試験片とブレードとの距離差の映像を提供するためには、第1カメラ610及び第2カメラ620は、33.5mmの最小作動距離(Working Distance)、30倍の最大倍率、及び13mmx9.7mmの視野角(Field Of View:FOV)の要件を有する。
【0042】
図4及び
図5は、それぞれ本発明の一実施形態に係る三次元イメージング用ウルトラミクロトームが、三次元イメージング装置に設けられた収容空間に収容される様子の斜視図及び正面図である。
【0043】
図4及び
図5を参照すると、本発明に係る三次元イメージング用ウルトラミクロトーム1000は、三次元イメージング装置に観察対象である試料及び試料の切削面を連続的に提供するように、三次元イメージング装置の載物台として、三次元イメージング装置に設けられた収容空間に収容される。
【0044】
一例として、三次元イメージング装置は走査型電子顕微鏡であり、走査型電子顕微鏡の真空チャンバー内に前記ミクロトーム1000が収容される。ミクロトーム1000は、ベース500上に備えられた連結手段により前記真空チャンバーの蓋22と結合され、真空チャンバーの本体21に入る。
【0045】
三次元イメージング装置に設けられ、前記ミクロトームが収容される収容空間は制限的であるため、ミクロトーム1000のサイズに制限がある。したがって、本発明に係る三次元イメージング用ウルトラミクロトームは、収容空間の制限によって、コンパクトな構造を有するように複数の構成がそれぞれ設計される。
【0046】
図6aは本発明の一実施形態に係る三次元イメージング用ウルトラミクロトームの切削モーションの前の状態を示し、
図6bは
図6aの試験片を示す。
図7aは本発明の一実施形態に係る三次元イメージング用ウルトラミクロトームの切削モーション中の状態を示し、
図7bは
図7aの試験片を示す。
【0047】
図6aから
図7bを参照すると、本発明の一実施形態に係る三次元イメージング用ウルトラミクロトーム1000は、三次元イメージング装置の収容空間に配置され、
図6aと
図7aの動作状態を繰り返して行う。
図6a及び
図6bに示されたように、ブレード211と試験片10とが一定の距離にある状態で、ワイヤ700の巻き取りにより板バネ410の変形が誘導される。
図7a及び
図7bに示されたように、板バネ410の自由端412に連結された切削部200のブレード211は、単一の自由度を有する自由端412の移動経路に沿った移動軌跡を描きながら試験片10を切削し、切削面を三次元イメージング装置に提供する。三次元イメージング装置の走査部23は、ブレードが提供した試験片の切削面をスキャニングする。
【符号の説明】
【0048】
1000 三次元イメージング用ウルトラミクロトーム
100 試験片収容部
200 切削部
300 動力生成部
400 動力伝達部
500 ベース
600 観察部
700 ワイヤ
10 試験片