(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022099286
(43)【公開日】2022-07-04
(54)【発明の名称】ガスタービンシステム用の防氷システム
(51)【国際特許分類】
F02C 7/08 20060101AFI20220627BHJP
F01D 25/02 20060101ALI20220627BHJP
F02C 7/047 20060101ALI20220627BHJP
【FI】
F02C7/08 A
F01D25/02
F02C7/047
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021203267
(22)【出願日】2021-12-15
(31)【優先権主張番号】17/131,301
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】フランシスコ・ゴメス
(72)【発明者】
【氏名】ラクシミカント・メルチャント
(57)【要約】
【課題】ガスタービンシステム用の防氷システムを提供する。
【解決手段】ガスタービンシステム(10)用の防氷システム(38)は、複数のノズルアセンブリ(52)を含む。複数のノズルアセンブリ(52)の各ノズルアセンブリ(52)は、加熱された流体を半径方向外側の方向に噴射するように構成された1つまたは複数の出口(102)を有するノズル(40)と、ノズル(40)の少なくとも一部を円周方向に取り囲む環状壁(112)を有するキャップ(44)と、を含む。キャップ(44)は、加熱された流体と空気流(34)との混合を容易にするために、加熱された流体を空気流(34)内に上流方向に流すように導くように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンシステム(10)用の防氷システム(38)であって、前記防氷システム(38)は、
複数のノズルアセンブリ(52)を備え、前記複数のノズルアセンブリ(52)の各ノズルアセンブリ(52)は、
加熱された流体を半径方向外側の方向に噴射するように構成された1つまたは複数の出口(102)を含むノズル(40)と、
前記ノズル(40)の少なくとも一部を円周方向に取り囲む環状壁(112)を含むキャップ(44)と、を含み、前記キャップ(44)は、前記加熱された流体と空気流(34)との混合を容易にするために、前記加熱された流体を前記空気流(34)内に上流方向に流すように導くように構成される、防氷システム(38)。
【請求項2】
前記複数のノズルアセンブリ(52)は、2次元グリッドとして配置される、請求項1に記載の防氷システム(38)。
【請求項3】
前記加熱された流体を前記複数のノズルアセンブリ(52)に分配するように構成されたマニホールド(42)を含む、請求項1に記載の防氷システム(38)。
【請求項4】
前記複数のノズルアセンブリ(52,180)は、前記マニホールド(42,186)の上流に配置される、請求項3に記載の防氷システム(38)。
【請求項5】
前記キャップ(44)は、c形状の断面形状を含む、請求項1に記載の防氷システム(38)。
【請求項6】
前記ノズル(40)の本体(98)の半径方向外面(118)および前記キャップ(44)の前記環状壁(112)の半径方向内面(116)は、前記1つまたは複数の出口(102)に流体結合された環状チャネル(114)を画定する、請求項1に記載の防氷システム(38)。
【請求項7】
前記キャップ(44)の前記環状壁(112)の前記半径方向内面(116)は、1つまたは複数の表面特徴部を含む、請求項1に記載の防氷システム(38)。
【請求項8】
前記キャップ(44)は、前記加熱された流体が下流方向に流れるのを阻止する端部部分(110)を含む、請求項1に記載の防氷システム(38)。
【請求項9】
前記環状壁(112)は、前記1つまたは複数の出口(102)を円周方向に取り囲む、請求項1に記載の防氷システム(38)。
【請求項10】
前記ノズル(40)および前記キャップ(44)は互いに結合される、請求項1に記載の防氷システム(38)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する主題は、ガスタービンシステム用の防氷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ガスタービンシステムは、圧縮空気と燃料との混合物を燃焼させて高温燃焼ガスを生成する。より詳細には、ガスタービンシステムは、空気を圧縮して圧縮空気を生成する圧縮機を含む。ガスタービンシステムはまた、圧縮空気と燃料とを混合して燃焼ガスを生成する燃焼器を含む。燃焼ガスは、タービンブレードおよびタービンブレードに結合されたシャフトの回転を駆動するためにタービンに導かれる。シャフトの回転は、シャフトに結合されている発電機などの負荷を駆動することができる。
【発明の概要】
【0003】
当初に特許請求する主題の範囲に相応する特定の実施形態を以下に要約する。これらの実施形態は特許請求する主題の範囲を限定しようとするものではなく、むしろ、これらの実施形態は特許請求する主題の可能性がある形態の概要を提供しようとするものにすぎない。実際、特許請求する主題は、以下に記載する実施形態に類似してもよく、あるいは異なってもよい様々な形態を含むことができる。
【0004】
一実施形態では、ガスタービンシステム用の防氷システムは、複数のノズルアセンブリを含むガスタービンシステム用の防氷システムを含む。複数のノズルアセンブリの各ノズルアセンブリは、加熱された流体を半径方向外側の方向に噴射するように構成された1つまたは複数の出口を有するノズルと、ノズルの少なくとも一部を円周方向に取り囲む環状壁を有するキャップと、を含む。キャップは、加熱された流体と空気流との混合を容易にするために、加熱された流体を空気流内に上流方向に流すように導くように構成される。
【0005】
一実施形態では、ガスタービンシステムは、タービンと、燃焼器と、吸気システムに結合された圧縮機と、を含む。吸気システムは、加熱された空気流を圧縮機に供給するように構成され、吸気システムは、フィルタシステムおよび防氷システムを含む。防氷システムは、複数のノズルアセンブリを含み、複数のノズルアセンブリの各ノズルアセンブリは、1つまたは複数の出口を有するノズルと、1つまたは複数の出口を円周方向に取り囲む環状壁を有するキャップと、を含む。ノズルは、1つまたは複数の出口を通して、加熱された流体を噴射するように構成され、キャップの環状壁は、加熱された流体を上流方向に空気流に流入させて、加熱された流体と空気流との混合を容易にして、フィルタシステムの上流に加熱された空気流を形成するように構成される。
【0006】
一実施形態では、方法は、ガスタービンシステムの吸気システムの吸気導管内に第1の方向に流れる空気流を受け取るステップを含む。この方法はまた、吸気導管内に配置されたノズルの1つまたは複数の出口を通して、加熱された流体を噴射するステップを含む。本方法は、ノズルと、ノズルの少なくとも一部を円周方向に取り囲むように配置されたキャップとの間に画定された環状チャネルを通して、加熱された流体を誘導するステップをさらに含む。本方法は、加熱された流体と空気流との間の混合を容易にして、吸気導管内に、加熱された空気流を形成するために、吸気導管内の空気流に第2の方向に、加熱された流体を出力するステップをさらに含む。
【0007】
本防氷システムおよび方法のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読解すればより良好に理解され、添付の図面においては、図面全体を通して同一の符号は同一の部分を表している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態による、吸気システムを有するガスタービンシステムのブロック図である。
【
図2】一実施形態による、
図1の吸気システムで使用され得る防氷システムの一部の概略図である。
【
図3】一実施形態による、
図2の防氷システムの防氷アセンブリの側面図である。
【
図4】一実施形態による、
図3の防氷アセンブリのノズルアセンブリの切り欠き側面図である。
【
図5】一実施形態による、
図4のノズルアセンブリの側面図である。
【
図6】一実施形態による、
図4のノズルアセンブリの背面斜視図である。
【
図7】一実施形態による、
図4のノズルアセンブリの正面斜視図である。
【
図8】一実施形態による、
図4のノズルアセンブリの距離に対する温度を示すヒートマップを含む一連のヒートマップを示す図である。
【
図9】一実施形態による、
図4のノズルアセンブリの距離に対する温度を示すグラフである。
【
図10】一実施形態による、
図3の防氷アセンブリに使用され得るノズルアセンブリの側面図であり、ノズルアセンブリは、マニホールドの上流に配置されるように構成される。
【
図11】一実施形態による、
図3の防氷アセンブリのノズルアセンブリの一部として使用され得るキャップの斜視図であり、キャップは延長された長さを含む。
【
図12】一実施形態による、
図3の防氷アセンブリのノズルアセンブリの一部として使用され得るキャップの斜視図であり、キャップは半径方向に拡張された部分を画定する。
【
図13】一実施形態による、
図3の防氷アセンブリのノズルアセンブリの一部として使用され得るキャップの斜視図であり、キャップは、キャップの環状壁部分の半径方向内面に形成された湾曲パターンを含む。
【
図14】一実施形態による、
図3の防氷アセンブリのノズルアセンブリの一部として使用され得るキャップの斜視図であり、キャップは、キャップの環状壁部分の半径方向内面に形成された直線パターンを含む。
【
図15】一実施形態による、
図3の防氷アセンブリのノズルアセンブリの一部として使用され得るキャップの斜視図であり、キャップは、キャップの環状壁部分の半径方向内面に沿って湾曲した突起を画定する。
【
図16】一実施形態による、
図15のキャップの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の1つまたは複数の具体的な実施形態について説明する。これらの実施形態に関する簡潔な説明を提供するために、実際の実施態様に関するすべての特徴について本明細書に説明するわけではない。エンジニアリングまたは設計プロジェクトなどの実際の実施態様の開発においては、開発者の特定の目的を達成するために、例えばシステム関連および事業関連の制約条件への遵守など実施態様に特有の決定を数多くしなければならないし、また、これらの制約条件は実施態様ごとに異なる可能性があることを理解されたい。さらに、そのような開発の努力が、複雑かつ時間を必要とするものであり得るが、それでもなお本開示の恩恵を被る当業者にとって設計、製作、および製造の日常的な取り組みにすぎないと考えられることを、理解すべきである。
【0010】
本開示の様々な実施形態の要素を導入するとき、冠詞「1つの(a、an)」、「この(the)」、および「前記(said)」は、その要素が1つまたは複数存在することを意味することを意図している。「備える」、「含む」、および「有する」という用語は、包含的であって、列挙された要素以外のさらなる要素も存在し得るという意味であることを意図している。
【0011】
ガスタービンシステムは、ガスタービンシステムの圧縮機に空気流を導く吸気システムを通る空気流(例えば、周囲空気流)を受け取る。開示された実施形態は、吸気システム内のフィルタ上の氷の蓄積を阻止するように構成された防氷システムに関する。防氷システムは、吸気システム内のフィルタに隣接する温度を上昇させ、吸気システム内のフィルタ上の氷の蓄積を阻止する加熱された空気流を形成するために、加熱された流体(例えば、圧縮機吐出空気)を噴霧して空気流と混合するように構成されたノズルを含む。ノズルの各々は、上流方向(例えば、空気流に)に流れるように加熱された流体を導くように構成されたキャップに結合され、それによって空気流と吸気システム内の加熱された流体との混合を増加させる。このようにして、傾斜状態(例えば、低温および/または高い相対湿度の周囲条件)であっても、吸気システム内のフィルタを通って流れる加熱された空気流の温度は、吸気システムの適切な動作を可能にして、ガスタービンシステムの満足のいく性能を提供するために、フィルタの面にわたって(例えば、フィルタの面の全部または大部分にわたって)所望の限界内に維持され得る。
【0012】
防氷システムは、一般に、議論を容易にするため、(例えば、防氷機能のために空気流を加熱空気流に変えるために)低温の周囲条件の間に空気流と加熱された流体とを混合して空気流の温度を上昇させるために使用されるものとして説明されているが、防氷システムは、より一般的に入口抽気熱(IBH)システムと呼ばれてもよく、他の条件(例えば、高温周囲条件および/またはIBH最大流量条件)の間に吸気システムのフィルタで極端に高い温度(例えば、フィルタの高温限界を超えるホットスポット)を阻止する仕方で空気流と加熱された流体とを有利に混合することもできることを理解されたい。したがって、防氷システムはまた、普通ならフィルタの材料の早期劣化および/またはフィルタの材料の損傷(例えば、焼け)をもたらし得る極端な高温からフィルタを保護することができる。
【0013】
一例として、高温の周囲条件および/またはIBH最大流量条件では、防氷システムは、フィルタの面の少なくとも50%(または少なくとも55、60、70、80、90、もしくは95%)が、周囲温度(例えば、吸気システムに入る際の空気流の温度、低温周囲条件中)よりも少なくとも2℃(または少なくとも3、4、もしくは5℃)高いそれぞれの温度を有する加熱された空気流によって加熱されるように、空気流と加熱された流体とを混合することができる。さらに、防氷システムは、フィルタの面の50%未満(または40、30、20、10、もしくは5%未満)が極めて高い温度に加熱されるように、空気流と加熱された流体とを混合することもできる(例えば、90℃を超えるホットスポットは、空気流と混合する加熱された流体が400℃を超えるそれぞれの温度を有する場合、すなわち高温周囲条件および/またはIBH最大流量条件中であっても、フィルタのフィルタ面の50%未満にわたって延在するか、または完全に排除される)。より具体的な例として、約425℃の温度を有する加熱された流体の場合、防氷システムは、加熱された空気流の最高温度が0.8メートルの距離にわたって約82℃に達するように空気流と加熱された流体とを混合することができる。しかしながら、キャップを有するがノズルを有さない典型的な防氷システムは、加熱された空気流の最高温度が約82℃の目標温度に達するように空気流と加熱された流体とを混合するために3.8メートル以上の距離を必要とする場合がある。したがって、キャップを有するノズルの使用は、吸気システムの材料およびアセンブリコストを低減する。
【0014】
さらに、防氷システムは、一般に、より良好な混合を提供し、これは、圧縮機の入口における加熱された空気流の熱歪みを低減することによって圧縮機にプラスの影響を与える。本明細書に開示した防氷システムは、非氷結温度および防氷システムが作動していない(例えば、オフ)ガスタービンベース負荷などの追加の動作条件で使用することができることを理解されたい。そのような場合、防氷システムの構造部品(例えば、流れ偏向器)は、(例えば、構造部品のないシステムと比較して)構造部品の存在によって大幅に増加しない圧力損失を生成する可能性がある。
【0015】
ここで図面を参照すると、
図1は、ガスタービンシステム10(例えば、ガスタービンエンジン)の一実施形態のブロック図である。ガスタービンシステム10は、吸気導管13(例えば、ハウジング)を有する吸気システム12を含む。ガスタービンシステム10はまた、圧縮機14と、1つまたは複数の燃焼器16と、タービン18と、を含む。ガスタービンシステム10は、空気流34(例えば、周囲空気)を吸気システム12に取り込み、空気流34を吸気システム12内の加熱された流体と混合して加熱された空気流35を形成し、圧縮機14を通る加熱された空気流35を圧縮して圧縮空気流23を形成し、1つまたは複数の燃焼器16内で圧縮空気流23と共に燃料を燃焼させる。各燃焼器16は、液体燃料および/またはガス状燃料(例えば、天然ガスまたは合成ガス)を1つまたは複数の燃料供給部22から燃焼室17に噴射するように構成された1つまたは複数の燃料ノズル20を有する。図示されていないが、いくつかの実施形態では、燃料ノズル20は、それぞれ一次燃料噴射ゾーンおよび二次燃料噴射ゾーンで燃料を噴射する一次および二次燃料ノズルを含むことができる。
【0016】
各燃焼器16は、燃料ノズル20によって噴射された燃料を圧縮空気流23で燃焼させて高温の加圧燃焼ガス24(例えば、排気ガス)を生成し、次いでこれをタービン18に導く。タービン18は、発電機28などの負荷に結合されたシャフト26に結合されたタービンブレードを有する。燃焼ガス24がタービン18に流入し、タービンを通って流れると、燃焼ガス24はタービンブレードおよびシャフト26の回転を駆動し、それによって発電機28を駆動する。いくつかの実施形態では、シャフト26は、機械、航空機もしくは船舶のプロペラ、または圧縮機などの別の負荷に接続されてもよい。最終的に、燃焼ガス24は、排気セクション30(例えば、排気ディフューザ、排気ダクト、排気スタックまたはタワー、選択的触媒還元(SCR)システムなどの排出物制御システム)を介してガスタービンシステム10から出る。図示の実施形態では、シャフト26は、圧縮機14の圧縮機シャフトに結合され、圧縮機シャフトは、1つまたは複数の段(例えば、異なる軸方向位置に1から30段)の圧縮機シャフトに結合された圧縮機ブレードを有する。圧縮機14内の圧縮機ブレードの回転は、吸気システム12からの空気流34の圧縮を引き起こす。
【0017】
さらに、ガスタービンシステム10はまた、圧縮機14から抽出または抽気導管32を通って防氷システム38(例えば、入口抽気熱[IBH]システム)への圧縮空気流(例えば、矢印31で示すように、加熱された流体または加熱された流体の流れ)の一部を抽出または抽気する。特に、防氷システム38は、複数のノズル40(例えば、防氷ノズル、入口抽気熱[IBH]ノズル)およびマニホールド42(例えば、入口抽気熱[IBH]マニホールド)を含む。複数のノズル40の各々には、ノズル40の本体と一体的に形成されてもよいし、ノズル40の本体に(例えば、ねじインターフェースまたは溶接継手を介して)結合されてもよいキャップ44(例えば、エンドキャップ)が設けられている。
【0018】
動作中、抽気導管32からの加熱された流体はマニホールド42内に供給され、マニホールドは加熱された流体を複数のノズル40に送達し、ノズルは加熱された流体を空気流34に噴霧して加熱された空気流35を形成する。キャップ44の少なくとも一部は、ノズル40の出口の下流に配置され、キャップ44は、空気流34と吸気システム12のフィルタ46の上流の加熱された流体との混合を容易にするために、加熱された流体を空気流34に流入するように誘導する(例えば、転回させる)ように構成される。したがって、キャップ44を有するノズル40は、フィルタ46上の氷の蓄積を阻止し、および/または一般に、加熱された空気流35をフィルタ46の面全体にわたって(例えば、フィルタ46の面の全部または大部分にわたって)所望の限界内の温度に維持して、吸気システム12の適切な動作を可能にし、ガスタービンシステム10の満足のいく性能を提供するように動作する。
【0019】
抽気導管32は、1つまたは複数の圧縮機段の各々、いくつか、または一方において、またはそれらの下流で圧縮機14に結合された1つまたは複数の抽気導管であってもよい。圧縮機14は、後続の各圧縮機段で圧縮空気流23の圧力および温度を上昇させ、したがって抽気導管32は、防氷システム38で使用するのに適した圧力および温度で特定の圧縮機段で圧縮空気流23を抽出することができる。特定の実施形態では、防氷システム38は、吸気システム12に入る空気流34の温度(例えば、1つまたは複数のセンサSによって監視される)、フィルタ46における加熱された空気流35の温度、および/または圧縮機14における加熱された空気流35の温度に基づいて、抽気導管32を通って圧縮空気流23を(例えば、矢印31で示すように、加熱された流体として)選択的に抽出することができる。例えば、周囲温度が徐々に低くなると、防氷システム38は、圧縮機14の徐々に後の圧縮機段で、より多数の抽気導管32および/または抽気導管32を通る圧縮空気流を抽出することができる。
【0020】
動作中、吸気システム12は、吸気導管13に結合された空気フード36を介して空気流34を受け取る。いくつかの実施形態では、空気流34は、複数の消音器バッフル48、1つまたは複数のコアレッサ50、キャップ44を有するノズル40、マニホールド42、およびフィルタ46などの1つまたは複数の追加の吸気部品を通過するかまたは横切ることができる。合わせて、そのキャップ44を有する各ノズル40は、ノズルアセンブリ52と考えることができ、マニホールド42を有するノズルアセンブリ52は、防氷アセンブリ54(例えば、入口抽気熱[IBH]アセンブリ)と考えることができる。
【0021】
上述したように、防氷システム38はまた、温度、湿度、または氷形成を促進する様々な条件などの動作条件を監視するように構成された複数のセンサSを含む。例えば、防氷システム38は、空気フード36の内外に配置され、それによって空気の周囲条件(例えば、周囲温度、湿度)を監視する1つまたは複数のセンサ56を含むことができる。防氷システム38は、マニホールド42と空気フード36との間など、マニホールド42にまたはマニホールドの上流に配置された1つまたは複数のセンサ58を含むことができる。防氷システム38はまた、フィルタ46またはマニホールド42とフィルタ46との間など、マニホールド42にまたはマニホールドの下流に配置された1つまたは複数のセンサ60を含むことができる。さらに、防氷システム38は、圧縮機14の吸気口または吸気口の上流など、フィルタ46の下流に配置された1つまたは複数のセンサ62を含むことができる。防氷システム38はまた、抽気導管32の各々に沿って配置された1つまたは複数のセンサ64を含むことができる。
【0022】
防氷システム38はまた、センサ56、58、60、62、および64に通信可能に結合されたコントローラ68と、各抽気導管32に沿って配置されたバルブ66と、ガスタービンシステム10の様々な構成要素(例えば、燃料供給部22から燃料ノズル20への燃料の供給を制御するバルブ)と、を含む。コントローラ68は、プロセッサ70と、メモリ72と、メモリ72に記憶され、プロセッサ70によって実行可能なコンピュータ可読命令74とを有する。コントローラ68は、センサSからセンサ読み取り値を取得し、コントローラ68は、コンピュータ可読命令74を使用して、これらのセンサ読み取り値、温度の上限および下限しきい値(例えば、望ましい限界または目標)、コンピュータモデル、および/またはユーザ入力に基づいて防氷システム38の動作を調整することができる。例えば、センサのうちの1つまたは複数の温度がより低い温度しきい値(例えば、0℃)を下回る場合、コントローラ68は、バルブ66のアクチュエータ(例えば、電気アクチュエータ)に制御信号を送信して、バルブ66を部分的または全体的に開き、抽気導管32を通ってマニホールド42への加熱された流体の流れを可能にすることができる。
図1は、マニホールド42に供給される加熱された流体としての圧縮機14からの圧縮空気流を示しているが、防氷システム38の特定の実施形態は、追加的または代替的に、1つまたは複数の他の加熱された流体源(例えば、加熱された空気流、排気ガスの他の供給源)に結合されてもよい。
【0023】
このようにして、コントローラ68は、防氷システム38を監視し、マニホールド42への、およびノズル40を通って吸気導管13への加熱された流体の流量および/または温度を制御し、それによって吸気導管13内の温度を調整して、フィルタ46または吸気システム12内の他の場所および/または圧縮機14内の氷の形成を抑制および/または除去することができる。以下でより詳細に説明するように、キャップ44は、ノズル40によって噴出された加熱された流体を誘導して、空気流34と加熱された流体との間の混合を容易にし、それによって加熱された空気流の温度を調整し、および/またはノズルアセンブリ52の下流の吸気導管13の領域内で加熱された空気流35の温度を(例えば、ノズルアセンブリ52とフィルタ46との間で、特にフィルタ46の面にわたって)より均一にする。
【0024】
図2は、吸気システム12に結合された防氷システム38の一実施形態の概略図である。説明を容易にするために、防氷システム38および吸気システム12は、長手方向軸線または長手方向80、横方向軸線または横方向82、垂直方向軸線または垂直方向84、および/または円周方向軸線または円周方向86を参照して説明することができる。本明細書で使用する場合、下流方向は長手方向80とほぼ整列しているが、上流方向は長手方向80とほぼ反対である。
【0025】
図示するように、防氷システム38は、マニホールド42およびノズルアセンブリ52を有する防氷アセンブリ54を含む。各ノズルアセンブリ52は、ノズル40およびキャップ44を含む(画像を明瞭にするために1つのノズルアセンブリ52のみに符号を付している)。空気流34は、空気フード36を通って吸気システム12に入り、空気フードは、雨または雪の進入を阻止するための複数の傾斜バッフルを含むことができる。空気流34はまた、ノズルアセンブリ52の上流の複数の消音器バッフル48および/またはコアレッサ50を通過することができる。消音器バッフル48は、吸気システム12を通過する空気流34によって引き起こされる音響ノイズを低減するのを助けるための1つまたは複数の音響減衰機構(例えば、音響減衰表面機構、内部材料)を有する。コアレッサ50は、空気流34から水を除去するように構成されている。コアレッサ50は、機械的コアレッサ、静電的コアレッサ、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0026】
空気流34が、加熱された流体と混合して加熱された空気流35を形成した後に、加熱された空気流35はフィルタ46を通過することができる。フィルタ46は、任意の数および種類のフィルタを含むことができる。フィルタ46は、微粒子および水分を濾過するように構成されてもよいが、しかし、フィルタ46は、特定の低温での氷形成および/または特定の高温での熱損傷を受けやすい可能性がある。上記の構成要素は、吸気導管13内に(例えば、上流から下流へ)順番に示されているが、様々な実施形態は、ノズルアセンブリ52がフィルタ46の上流に留まることを除いて、上記の構成要素のそれぞれを任意の適切な順序で並べ替えることができる。
【0027】
ノズル40は、横方向軸線82および垂直方向軸線84に沿って配置されている(例えば、複数の行および複数の列の格子状パターンで離間している)。図示の実施形態では、各ノズルアセンブリ52は、ノズルアセンブリ52が長手方向軸線80に沿ってマニホールド42とフィルタ46との間に配置されるように、マニホールド42の下流側でマニホールド42に結合される。しかしながら、各ノズルアセンブリ52は、マニホールド42が長手方向軸線80に沿ってノズルアセンブリ52とフィルタ46との間に配置されるように、マニホールド42の上流側でマニホールド42に結合されてもよいことを理解されたい。いずれの場合も、ノズルアセンブリ52とマニホールド42との相対的な位置決めにかかわらず、ノズルアセンブリ52は、長手方向軸線80に沿ってフィルタ46の上流側に位置決めされる。
【0028】
図示の実施形態では、加熱された流体は、
図1を参照して上述したように、圧縮機14から抽出された圧縮空気流を含む。圧縮機14からの圧縮空気は、約200℃から600℃であってもよく、約800キロパスカルから900キロパスカルの圧力を有する。しかしながら、防氷システム38は、空気流34の温度を上昇させるために、任意の1つまたは複数の加熱された流体を直接的または間接的に使用することができる。例えば、図示するように、加熱された流体は、限定はしないが、加熱された空気または排気ガスを含む、空気流34の温度を上昇させるためにノズル40を介して空気流34に直接噴射することができる任意の適切な加熱された流体であってもよい。
【0029】
図3は、マニホールド42およびノズルアセンブリ52を有する防氷アセンブリ54の一実施形態の側面図である。各ノズルアセンブリ52は、ノズル40およびキャップ44を含む(画像を明瞭にするために1つのノズルアセンブリ52のみに符号を付している)。さらに、各ノズル40は、本体98(例えば、ノズル本体、側壁を有するハウジング)を含む。各ノズル40は、中心軸線100を(例えば、長手方向軸線80に平行に)有することができ、本体98に形成された(例えば、側壁を通って延在する)1つまたは複数の出口102を有することができる。出口102は、任意の適切な形態を有することができる。例えば、出口102は、(図示するように)ノズル40の周りに円周方向に延在する1つまたは複数の連続したリングを含むことができ、あるいは出口102は、ノズル40の周りに円周方向に間隔を置いて配置された別個の開口部であってもよい。出口102はまた、ノズル40の第1の上流端とノズル40の第2の下流端との間の任意の適切な位置(例えば、長手方向軸線80に沿った任意の適切な位置)に配置されてもよい。それらの形態および/または位置にかかわらず、出口102は、加熱された流体をノズル40から半径方向外側におよび/または空気流34に交差して噴射する(例えば、噴霧する)ことができる。キャップ44は、ノズル40の第2の下流端に近接して配置されてもよく、キャップ44の少なくとも一部は、出口102の下流に配置される。以下でより詳細に説明するように、キャップ44は、矢印104で示すように、ノズル40の出口102を通って噴出される加熱された流体を空気流34に導くことができる。
【0030】
図4は、一実施形態による、ノズルアセンブリ52の切り欠き側面図である。特に、キャップ44の下のノズル40の一部を示すために、キャップ44の一部が除去されている。各ノズル40は、本体98と、中心軸線100と、本体98に形成された(例えば、側壁を通って延在する)1つまたは複数の出口102とを含む。
【0031】
図示するように、キャップ44は、端部部分110(例えば、プレート)および環状壁部分112によって形成されたほぼc字形の断面形状を有する。端部部分110および/または環状壁部分112は、ねじインターフェース、溶接継手などの任意の適切なカプラを介してノズル40の本体98に結合することができる。上述したように、キャップ44は、代わりに、3次元印刷技術などによってノズル40の本体98と一体的に形成されてもよい。さらに、キャップ44は、任意の適切な断面形状を有してもよく、および/または端部部分110がなくてもよい。例えば、キャップ44は、加熱された流体を誘導し、本明細書に開示した動作特徴を提供するためにノズル40に結合する環状壁部分112(例えば、リングであってもよい)のみを含むことができる。
【0032】
環状壁部分112は、ノズル40の本体98の少なくとも一部の周りに円周方向に延在する(例えば、ノズル40の本体98の少なくとも一部の半径方向外側に配置される)。例えば、環状壁部分112は、ノズル40の本体98に形成された1つまたは複数の出口102の周りに円周方向に延在する。キャップ44は、1つまたは複数の出口102に流体結合されたチャネル114(例えば、環状チャネル)を画定する。特に、チャネル114は、キャップ44の環状壁部分112の半径方向内面116とノズル40の本体98の半径方向外面118との間に画定され、チャネル114は、ノズル40の本体98の周りに円周方向に延在する。いくつかの実施形態では、チャネル114の一部は、環状壁部分112の半径方向内面116の一部と考えることができる湾曲した内面120によって画定することができる。
【0033】
動作中、空気流34は、一般に、ノズル40の第1の上流端からノズル40の第2の下流端に向かって第1の方向(例えば、下流方向)に流れることができる。加熱された流体は、矢印122によって表されるように、ノズル40の1つまたは複数の出口102からチャネル114内に第2の方向(例えば、半径方向外側方向、第1の方向に対して交差)に噴出されてもよい。加熱された流体は、加熱された流体がキャップ44内にある間、第2の方向および/または第1の方向に流れるのを阻止され得る。代わりに、加熱された流体は、チャネル114によって(例えば、環状壁部分112の半径方向内面116との接触を介して)チャネル114を通ってチャネル114の開口部124(例えば、環状開口部)から流出するように導かれ(例えば、転回され)得る。このようにして、加熱された流体は、矢印126によって表されるように、ノズル40の第2の下流端からノズル40の第1の上流端に向かって第3の方向(例えば、上流方向)に出力され得る。したがって、加熱された流体は、空気流34の第1の方向とは反対(例えば、全体的にまたは実質的に反対)の第3の方向に出力されてもよい。加熱された流体を空気流34に噴射することによって、ノズルアセンブリ52は、空気流34とフィルタ46の上流の加熱された流体との混合を容易にすることができる。したがって、ノズル40およびキャップ44を有するノズルアセンブリ52は、例えば、防氷システム38の防氷能力を改善し、さもなければ氷の形成を受ける可能性があるコールドスポットの形成を阻止し、さもなければフィルタ46を損傷する可能性があるホットスポットの形成を阻止し、隣接するノズル40間の間隔がより大きいより少数のノズル40の使用を可能にし、および/またはより小さいサイズの吸気導管13の使用を可能にすることができる。
【0034】
また、有利には、キャップ44は、加熱された流体を回転させて、加熱された流体を上流方向(例えば、空気流34に入り、フィルタ46から離れる方向)に噴射する。したがって、初期混合は、空気流34とフィルタ46の上流の加熱された流体とを混合するためのより多くの空間(例えば、長手方向軸線80に沿った距離、キャップ44なしで1つまたは複数の出口102で空気流34に噴射される加熱された流体と比較して)を提供する1つまたは複数の出口102の上流で行われる。したがって、ノズルアセンブリ52は、吸気導管13の所与のサイズ(例えば、吸気導管13内の空間が限られている、後付けであるサイズ)内で効率的な防氷プロセスを提供することができ、および/または、(例えば、ノズル40およびキャップ44を有するノズルアセンブリ52がない吸気導管と比較して)より小さいサイズの吸気導管13の使用を可能にすることができる。様々な代替形態が想定されることを理解されたい。例えば、環状壁部分112の半径方向内面116は、(例えば、ノズル40の周りに半径方向外側にさらに噴霧するために)加熱された流体に異なる広がりを提供するために、長手方向軸線80に対して傾斜していてもよい(例えば、半径方向内面116の上流端は、半径方向内面116の下流端から半径方向外側に配置される)。
【0035】
図5~
図7は、ノズル40およびキャップ44を有するノズルアセンブリ52の一実施形態の異なる図を提供する。特に、
図5はノズルアセンブリ52の側面図であり、
図6はノズルアセンブリ52の後方斜視図(例えば、下流側の斜視図)であり、
図7は前方斜視図(例えば、ノズルアセンブリ52の上流側の斜視図)である。図示するように、ノズル40は本体98を含み、キャップ44は端部部分110および環状壁部分112を含む。
図6に最もよく示されているように、キャップ44は、加熱された流体を開口部124を通して導くためのチャネル114を画定する。
【0036】
図8は、本明細書に開示するノズルアセンブリ52の動作上の利点を示すヒートマップを含む。特に、第1のヒートマップ150は、ノズル40およびキャップ44を有するノズルアセンブリ52の距離に対する加熱空気流の温度を示し、第2のヒートマップ152は、キャップ44を含まない別のノズル(例えば、ノズル40と同じかまたは同様のノズル)の距離に対する加熱空気流の温度を示す。ノズル40がキャップ44を含まない「ベース」設計では、第2のヒートマップ152は、加熱された流体が下流方向に空気流中に噴霧され、各ノズルの下流に高温領域をもたらすことを示している。対照的に、キャップ44を有するノズル40の「cキャップ」設計では、キャップ44は、空気流と混合するために流れを上流方向に転回させる。したがって、加熱された流体および空気流は、ノズルアセンブリ52の上流の領域で混合し始め、加熱された流体と空気流との間の混合は、温度を効果的に低下させ、および/またはノズルアセンブリ52の下流でより均一な温度を提供する。
【0037】
図9は、
図8の第1のヒートマップ150に対応し、ノズル40およびキャップ44を含むノズルアセンブリ52の距離に対する温度を表す第1の線162を有するグラフ160である。グラフ160はまた、
図8の第2のヒートマップ152に対応し、キャップ44を含まない別のノズルの距離に対する温度を表す第2の線164を示す。図示するように、加熱された流体(例えば、約425℃の温度で)の場合、ノズル40およびキャップ44を有するノズルアセンブリ52は、加熱された空気流の最高温度が0.8メートル(例えば、点166)の距離にわたって約82℃に達するように、空気流と加熱された流体とを混合することができる。しかしながら、キャップ44を含まない他のノズルは、加熱された空気流の最高温度が3.8メートル(例えば、点168)の距離にわたって約82℃に達するように、空気流と加熱された流体とを混合することができる。したがって、ノズル40およびキャップ44を有するノズルアセンブリ52は、有利には、長手方向軸線80(
図1および
図2を参照)に沿ってフィルタ46のさらに上流の位置で所望の方法で(例えば、望ましい温度に、および/またはより均一に)加熱された空気流の温度を調整し、それによって例えばフィルタ46への損傷(例えば、氷の蓄積および/またはホットスポットに起因する)を低減することができる。したがって、キャップ44を有するノズル40を使用することによって、防氷システム38は、既存の吸気システムのスペースの制約に容易に後付けすることができ、新しい構造の場合、キャップレスノズルを使用するものよりも短い吸気システム12を使用することができ、それによって資本経費を節約することができる。
【0038】
図10は、
図1のガスタービンシステム10の防氷システム38などにおけるガスタービンシステム用の防氷システムで使用することができるノズルアセンブリ180の一実施形態の側面図である。図示するように、ノズルアセンブリ180は、ノズル182およびキャップ184を含む。ノズルアセンブリ180は、加熱された流体をノズルアセンブリ180に分配するマニホールド186の上流に配置される。
【0039】
キャップ184は、ノズル182の第1の上流端に近接して配置されてもよく、キャップ184の少なくとも一部は、ノズル182の1つまたは複数の出口188の下流に配置される。したがって、ノズル182の1つまたは複数の出口188から噴出される加熱された流体は、キャップ184によって空気流34内に上流方向に流れるように導かれる。キャップ184は、加熱された流体と空気流34との間の混合を容易にして加熱された空気流35を形成するために、キャップ184がこのように加熱された流体を誘導することを可能にするために、
図1~
図9に関して上述したキャップ44の特徴(例えば、c形状の断面形状、チャネル)のいずれかを有することができる。
【0040】
ノズルアセンブリ180をマニホールド186の上流に配置すること、および/または出口188およびキャップ184をノズル182の第1の上流端に近接して配置することは、吸気システム12のフィルタ46の上流で空気流34と加熱された流体とを混合するためのより多くの空間(例えば、長手方向軸線80に沿った距離;ノズルアセンブリ180がマニホールド186および/または出口188の下流に配置され、キャップ184が第2の下流端に近接して配置されるのと比較して)を提供することができる。
【0041】
図11~
図16は、ノズルアセンブリ52の一部として使用することができるキャップ44の表面特徴などの様々な特徴を示す。様々な特徴は、ノズルアセンブリ180の一部としてキャップ184に利用されてもよいことも理解されたい。これを念頭に置いて、
図11は、キャップ44の一実施形態の斜視図であり、キャップ44は、長手方向軸線80に沿って延長された長さ(例えば、
図1~
図9に示すキャップ44と比較して、または
図10に示すキャップ184と比較して)を含む。説明を容易にし、延長された長さをよりよく示すために、追加のセグメント190および端部セグメント192が
図11に描かれているが、キャップ44は、長手方向軸線80に沿って任意の適切な長さを有する、
図1~
図9に示すような一体の一体構造として形成されてもよいことを理解されたい。しかしながら、追加のセグメント190および端部セグメント192は、互いに結合され(例えば、ねじ山および/または溶接部を介して)、それによって(例えば、様々な長さで利用可能であり得る追加のセグメント190を端部セグメント192に結合することによって)キャップ44の全長を調整可能にするように構成された別個の部品であってもよい。それにもかかわらず、延長された長さは、ノズル40の本体98に対して任意の適切な長さであってもよいことを理解されたい。例えば、延長された長さは、ノズル40の本体98のそれぞれの長さの10、20、30、40、50、60%以上を覆うか、またはそれを超えて延在するように選択されてもよい。延長された長さは、キャップ44内の加熱された流体の適切なまたは所望の流れを提供するように選択することができる。
【0042】
図12は、一実施形態による、半径方向に拡張した部分194を有するキャップ44の一実施形態の斜視図である。半径方向に拡張した部分194は、環状壁部分112の半径方向に拡張する半径方向内面116によって画定される。特に、半径方向内面116の半径は、上流方向に増加する(例えば、半径は、開口部124によって、下流端でより小さく、上流端でより大きい)。上述したように、キャップ44は、ノズル40の本体98の周りに配置されて、半径方向内面116とノズル40の本体98との間に画定されたチャネル114を通る加熱された流体の流れを容易にすることができる。
【0043】
図13は、キャップ44の環状壁部分112の半径方向内面116に形成された湾曲パターン196を有するキャップ44の一実施形態の斜視図である。
図14は、キャップ44の環状壁部分112の半径方向内面116に形成された直線パターン198を有するキャップ44の一実施形態の斜視図である。湾曲パターン196および直線パターン198は、キャップ44の環状壁部分112の半径方向内面116の周りに円周方向に離間した交互の溝および突起などの表面テクスチャを含むことができる。湾曲パターン196は、加熱された流体が半径方向内面116とノズル40の本体98との間に画定されたチャネル114を通って移動するときに、加熱された流体の旋回を誘発するように構成されてもよい。湾曲パターン196および直線パターン198は、ほぼ低プロファイルを有し、半径方向内面116の平滑性を除去することができる。
【0044】
図15は、キャップ44の環状壁部分112の半径方向内面116に沿って延在する湾曲した突起200を有するキャップ44の一実施形態の斜視図であり、
図16は背面図である。図示するように、湾曲した突起200は、キャップ44の環状壁部分112の半径方向内面116の周りに円周方向に離間している。湾曲した突起200は、加熱された流体が半径方向内面116とノズル40の本体98との間に画定されたチャネル114を通って移動するときに、加熱された流体の旋回を誘発するように構成されてもよい。湾曲した突起200は、(例えば、湾曲パターン196および直線パターン198と比較して)ほぼ高いプロファイルを有し、半径方向内面116の滑らかさを除去する。例えば、湾曲した突起200の各々は、チャネル114の10、20、30、40、50、60%以上にわたって半径方向に延在してもよい。
【0045】
図11~
図16は、表面特徴(例えば、湾曲パターン196、直線パターン198、湾曲した突起200)を含む様々な特徴を示しているが、他の表面特徴を含む他の特徴がキャップ44の一部として提供されてもよいことを理解されたい。例えば、キャップ44は、ほぼ高いプロファイルを有し、かつ半径方向内面116に沿って直線的に延在する直線状突起を含むことができる。さらに、表面特徴を含む特徴は、ノズル40の本体98の半径方向外面118に沿ってなど、ノズル40の本体98の一部として提供されてもよい。例えば、ノズル40の本体98は、キャップ44と同じ特徴を含むことができる(例えば、両方とも、チャネル114内に延在する湾曲した突起を有してもよい)。さらに、表面特徴を含む特徴は、任意の適切な方法で組み合わせることができる(例えば、湾曲パターン196または直線パターン198は、半径方向に拡張した部分194と組み合わせて使用することができる)。
【0046】
本明細書に開示する防氷技術の技術的効果は、吸気システム内の空気流と加熱された流体とのより効果的な混合を提供することを含む。特定の条件下(例えば、低温周囲条件)では、混合は、従来のシステムと比較して、氷の蓄積のより効果的な除去、低減および/または阻止、および/またはガスタービンシステムの吸気システムのフィルタ上のホットスポットのより効果的な低減および/または阻止をもたらすことができる。防氷アセンブリのノズルアセンブリのキャップは、ガスタービンシステムの吸気システムのフィルタ上の氷の蓄積のより効果的な除去、低減および/または阻止、および/またはホットスポットのより効果的な低減および/または阻止を提供するために、空気流と加熱された流体との混合を容易にするための様々な機構(例えば、形状、配置)を含むことができる。特定の条件下(例えば、高温周囲条件および/またはIBH最大流量)では、混合は、従来のシステムと比較して、ガスタービンシステムの吸気システムのフィルタ上のホットスポットのより効果的な低減および/または阻止をもたらすことができる。防氷アセンブリは、構成要素が既存の防氷システムおよび/または既存の吸気システム内に嵌合する、および/またはそれらと接合するように構成され得る(例えば、後付けする)という点で、費用対効果が高い場合がある。
【0047】
本明細書は、最良の態様を含む本開示の実施形態を開示するため、およびどのような当業者も、任意のデバイスまたはシステムの作製および使用ならびに任意の組み込まれた方法の実施を含む本開示の実施形態の実践を可能にするために、例を使用している。本開示の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者が想到する他の例を含むことができる。そのような他の例は、特許請求の範囲の文言と相違しない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と実質的に相違しない同等な構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であるものとする。
【符号の説明】
【0048】
10 ガスタービンシステム
12 吸気システム
13 吸気導管
14 圧縮機
16 燃焼器
17 燃焼室
18 タービン
20 燃料ノズル
22 燃料供給部
23 圧縮空気流
24 燃焼ガス、加圧燃焼ガス
26 シャフト
28 発電機
30 排気セクション
31 矢印
32 抽気導管
34 空気流
35 加熱された空気流
36 空気フード
38 防氷システム
40 ノズル
42 マニホールド
44 キャップ
46 フィルタ
48 消音器バッフル
50 コアレッサ
52 ノズルアセンブリ
54 防氷アセンブリ
56 センサ
58 センサ
60 センサ
62 センサ
64 センサ
66 バルブ
68 コントローラ
70 プロセッサ
72 メモリ
74 コンピュータ可読命令
80 長手方向、長手方向軸線
82 横方向、横方向軸線
84 垂直方向、垂直方向軸線
86 円周方向、円周方向軸線
98 本体
100 中心軸線
102 出口
104 矢印
110 端部部分
112 環状壁部分
114 チャネル
116 半径方向内面
118 半径方向外面
120 内面
122 矢印
124 開口部
126 矢印
150 第1のヒートマップ
152 第2のヒートマップ
160 グラフ
162 第1の線
164 第2の線
166 点
168 点
180 ノズルアセンブリ
182 ノズル
184 キャップ
186 マニホールド
188 出口
190 追加のセグメント
192 端部セグメント
194 半径方向に拡張した部分
196 湾曲パターン
198 直線パターン
200 湾曲した突起
【外国語明細書】