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特開2022-99310フライバック電力コンバータ用の制御ループ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022099310
(43)【公開日】2022-07-04
(54)【発明の名称】フライバック電力コンバータ用の制御ループ
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20220627BHJP
【FI】
H02M3/28 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021206792
(22)【出願日】2021-12-21
(31)【優先権主張番号】17/130,330
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】599158797
【氏名又は名称】インフィニオン テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Infineon Technologies AG
【住所又は居所原語表記】Am Campeon 1-15, 85579 Neubiberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トマゾ バチガルポ
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィデ ジャコミニ
(72)【発明者】
【氏名】マークス ヴィンクラー
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA11
5H730AS01
5H730BB43
5H730DD04
5H730EE02
5H730EE07
5H730FD01
5H730FD41
5H730FG05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】フライバック電力コンバータの二次側から一次側への信号の通信に付加的な構成要素を含ませるコントローラ及び方法を提供する。
【解決手段】フライバック電力コンバータシステム100用の二次側コントローラは、フライバック電力コンバータの二次側出力の電気的特性を検出し、検出した電気的特性に基づいて、電力モードを選択し、選択された電力モードを指定する制御メッセージを、通信チャネルを介して伝送する。コントローラの一次側回路は、一次側コントローラを含んでいる。一次側コントローラは、通信チャネル150を介して、選択された電力モードを指定する制御メッセージを受信し、フライバック電力コンバータの二次側出力の電気的特性の値を制御するために、一次側回路の一次側フライバック操作回路を制御して、選択された電力モードに従ってフライバック電力コンバータの一次側出力を操作する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次側回路と、前記二次側回路から絶縁されている一次側回路と、を含んでいるフライバック電力コンバータ用のコントローラであって、
前記二次側回路は、二次側コントローラを含んでおり、前記二次側コントローラは、
前記フライバック電力コンバータの二次側出力の電気的特性を検出し、
検出された前記電気的特性に基づいて、複数の電力モードの中から電力モードを選択し、
通信チャネルを介して、選択された前記電力モードを指定する制御メッセージを伝送する、
ように構成されており、
前記一次側回路は、一次側コントローラを含んでおり、前記一次側コントローラは、
前記通信チャネルを介して、前記選択された電力モードを指定する前記制御メッセージを受信し、
前記フライバック電力コンバータの前記二次側出力の前記電気的特性の値を制御するために、前記一次側回路の一次側フライバック操作回路を制御して、前記選択された電力モードに従って前記フライバック電力コンバータの一次側出力を操作する、
ように構成されている、
フライバック電力コンバータ用のコントローラ。
【請求項2】
前記複数の電力モードは、少なくとも、低電力モード、高電力モードおよびサイクルスキップ電力モードを含んでいる、
請求項1記載のコントローラ。
【請求項3】
前記複数の電力モードの中から前記電力モードを選択するために、前記二次側コントローラは、
前記検出された電気的特性の値が第1の所定の閾値未満であるとの判定に応じて、前記高電力モードを選択し、
前記検出された電気的特性の前記値が第2の所定の閾値よりも大きい値から前記第2の所定の閾値以下の値に移行しているとの判定に応じて、前記低電力モードを選択し、
前記検出された電気的特性の前記値が前記第2の所定の閾値よりも大きいとの判定に応じて、前記サイクルスキップ電力モードを選択する
ように構成されている、
請求項2記載のコントローラ。
【請求項4】
前記第1の所定の閾値は、前記検出された電気的特性の目標値の約95%以上約99.5%以下の範囲から選択され、
前記第2の所定の閾値は、前記検出された電気的特性の前記目標値の約100%以上約105%以下の範囲から選択される、
請求項3記載のコントローラ。
【請求項5】
前記二次側コントローラは、
前記検出された電気的特性の前記値を前記第1の所定の閾値と比較するように構成されている第1のコンパレータと、
前記検出された電気的特性の前記値を前記第2の所定の閾値と比較するように構成されている第2のコンパレータと、
をさらに含んでいる、
請求項3記載のコントローラ。
【請求項6】
前記一次側フライバック操作回路は、前記フライバック電力コンバータの前記二次側出力の前記電気的特性の目標値を達成するために、前記フライバック電力コンバータの前記一次側出力を操作するように構成されており、
前記一次側フライバック操作回路を制御して、前記選択された電力モードに従って前記フライバック電力コンバータの前記一次側出力を操作するために、前記一次側コントローラは、
前記一次側フライバック操作回路に、1つまたは複数のクロックパルスを出力するように構成されており、前記1つまたは複数のクロックパルスは、前記低電力モードに従った動作の間、前記一次側フライバック操作回路に、デューティサイクルに従って、第1の振幅を含んでいる第1の操作信号を出力させるように構成されており、
前記一次側フライバック操作回路に、前記1つまたは複数のクロックパルスを出力するように構成されており、前記1つまたは複数のクロックパルスは、前記高電力モードに従った動作の間、前記一次側フライバック操作回路に、前記デューティサイクルに従って、前記第1の振幅よりも大きい第2の振幅を含んでいる第2の操作信号を出力させるように構成されており、
前記サイクルスキップ電力モードに従った動作の間、前記一次側フライバック操作回路に、1つまたは複数のクロックサイクルの間の出力をスキップさせるために、前記1つまたは複数のクロックサイクルの間、前記一次側フライバック操作回路への前記1つまたは複数のクロックパルスの出力をスキップするように構成されている、
請求項2記載のコントローラ。
【請求項7】
前記一次側フライバック操作回路は、
パルス幅変調回路と、
前記パルス幅変調回路の出力側に動作可能に結合されているゲートドライバと、
を含んでいる、
請求項6記載のコントローラ。
【請求項8】
前記フライバック電力コンバータの二次側出力の前記電気的特性は、第1の電気的特性を含んでおり、
前記一次側フライバック操作回路は、前記フライバック電力コンバータの前記二次側出力の前記電気的特性の目標値を達成するために、前記フライバック電力コンバータの前記一次側出力を操作するように構成されており、
前記一次側コントローラは、さらに、
前記フライバック電力コンバータの前記一次側出力に電力を蓄積するために、前記一次側フライバック操作回路を有効化し、
前記フライバック電力コンバータの前記一次側の第2の電気的特性を検出し、
検出された前記第2の電気的特性の値が所定の閾値よりも大きいとの判定に応じて、クロックサイクルの間、前記一次側フライバック操作回路を無効化して、前記電力を前記フライバック電力コンバータの前記二次側出力に転送する、
ように構成されている、
請求項1記載のコントローラ。
【請求項9】
前記選択された電力モードを指定する前記制御メッセージは、
ヘッダフレームと、
前記選択された電力モードと、
チェックサムと、
を含んでいる、
請求項1記載のコントローラ。
【請求項10】
前記一次側コントローラは、クロック周波数を含んでおり、
前記選択された電力モードを指定する前記制御メッセージを伝送するために、前記二次側コントローラは、前記一次側コントローラの前記クロック周波数よりも少ない周波数で、前記選択された電力モードを指定する2ビットを含んでいる制御メッセージを伝送するように構成されている、
請求項1記載のコントローラ。
【請求項11】
前記コントローラの電源オンまたは前記通信チャネルにおける障害のうちのいずれかで、前記一次側コントローラは、前記一次側フライバック操作回路を制御して、前記フライバック電力コンバータの前記一次側出力を安全電力モードに従って操作するように構成されており、前記安全電力モードに従った動作の間、前記一次側コントローラは、前記二次側コントローラから制御メッセージを受信せず、
前記二次側コントローラから前記制御メッセージを受信した後、前記一次側コントローラは、安全モードに従って前記フライバック電力コンバータの前記一次側出力を操作するための前記一次側フライバック操作回路の制御から、前記複数の電力モードのうちの前記選択された電力モードに従って前記フライバック電力コンバータの前記一次側出力を操作するための前記一次側フライバック操作回路の制御に切り替えるように構成されている、
請求項1記載のコントローラ。
【請求項12】
前記フライバック電力コンバータの前記二次側出力の前記電気的特性は、前記フライバック電力コンバータの前記二次側出力の電圧または電流のうちのいずれかを含んでいる、
請求項1記載のコントローラ。
【請求項13】
第1の半導体ダイは、前記一次側回路を含んでおり、
第2の半導体ダイは、前記二次側回路を含んでおり、
前記通信チャネルは、前記第1の半導体ダイと前記第2の半導体ダイとの間の高電圧絶縁チャネルを含んでおり、
単一のパッケージは、前記第1の半導体ダイ、前記第2の半導体ダイおよび前記高電圧絶縁チャネルを含んでいる、
請求項1記載のコントローラ。
【請求項14】
フライバック電力コンバータ用のコントローラの二次側回路の二次側コントローラによって、前記フライバック電力コンバータの二次側出力の電気的特性を検出するステップと、
前記二次側コントローラによって、検出された前記電気的特性に基づいて、複数の電力モードの中から電力モードを選択するステップと、
前記二次側コントローラによって、通信チャネルを介して、選択された前記電力モードを指定する制御メッセージを伝送するステップと、
前記コントローラの一次側回路の一次側コントローラによって、前記通信チャネルを介して、前記選択された電力モードを指定する前記制御メッセージを受信するステップであって、前記一次側回路は、前記二次側回路から絶縁されているステップと、
前記一次側コントローラによって、前記フライバック電力コンバータの二次側出力の前記電気的特性の値を制御するために、前記一次側回路の一次側フライバック操作回路を制御して、前記選択された電力モードに従って前記フライバック電力コンバータの一次側出力を操作するステップと、
を含んでいる方法。
【請求項15】
前記複数の電力モードは、少なくとも、低電力モード、高電力モードおよびサイクルスキップ電力モードを含んでいる、
請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記複数の電力モードの中から前記電力モードを選択するステップは、
前記検出された電気的特性の値が第1の所定の閾値未満であるとの判定に応じて、前記高電力モードを選択するステップと、
前記検出された電気的特性の前記値が第2の所定の閾値よりも大きい値から前記第2の所定の閾値以下の値に移行しているとの判定に応じて、前記低電力モードを選択するステップと、
前記検出された電気的特性の前記値が前記第2の所定の閾値よりも大きいとの判定に応じて、前記サイクルスキップ電力モードを選択するステップと、
を含んでいる、
請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記一次側フライバック操作回路を制御して、前記選択された電力モードに従って前記フライバック電力コンバータの前記一次側出力を操作するステップは、
前記一次側フライバック操作回路に、1つまたは複数のクロックパルスを出力するステップであって、前記1つまたは複数のクロックパルスは、前記低電力モードに従った動作の間、前記一次側フライバック操作回路に、デューティサイクルに従って、第1の振幅を含んでいる第1の操作信号を出力させるように構成されているステップと、
前記一次側フライバック操作回路に、前記1つまたは複数のクロックパルスを出力するステップであって、前記1つまたは複数のクロックパルスは、前記高電力モードに従った動作の間、前記一次側フライバック操作回路に、前記デューティサイクルに従って、前記第1の振幅よりも大きい第2の振幅を含んでいる第2の操作信号を出力させるように構成されているステップと、
前記サイクルスキップ電力モードに従った動作の間、前記一次側フライバック操作回路に、1つまたは複数のクロックサイクルの間の出力をスキップさせるために、前記1つまたは複数のクロックサイクルの間、前記一次側フライバック操作回路への前記1つまたは複数のクロックパルスの出力をスキップするステップと、
を含んでいる、
請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記フライバック電力コンバータの二次側出力の前記電気的特性は、第1の電気的特性を含んでおり、
前記方法は、
前記一次側フライバック操作回路によって、前記フライバック電力コンバータの前記二次側出力の前記電気的特性の目標値を達成するために、前記フライバック電力コンバータの前記一次側出力を操作するステップと、
前記一次側コントローラによって、前記フライバック電力コンバータの前記一次側出力に電力を蓄積するために、前記一次側フライバック操作回路を有効化するステップと、
前記一次側コントローラによって、前記フライバック電力コンバータの前記一次側の第2の電気的特性を検出するステップと、
検出された前記第2の電気的特性の値が所定の閾値よりも大きいとの判定に応じて、前記一次側コントローラによって、クロックサイクルの間、前記一次側フライバック操作回路を無効化して、前記電力を前記フライバック電力コンバータの前記二次側出力に転送するステップと、
をさらに含んでいる、
請求項16記載の方法。
【請求項19】
前記一次側コントローラは、クロック周波数を含んでおり、
前記選択された電力モードを指定する前記制御メッセージを伝送するステップは、前記一次側コントローラの前記クロック周波数より低い周波数で、前記選択された電力モードを指定する2ビットを含んでいる制御メッセージを伝送するステップを含んでいる、
請求項16記載の方法。
【請求項20】
フライバック電力コンバータの一次側出力を操作するように構成されているゲートドライバと、前記フライバック電力コンバータ用のコントローラと、を含むシステムであって、
前記コントローラは、二次側回路と、前記二次側回路から絶縁されている一次側回路と、を含んでおり、
前記二次側回路は、二次側コントローラを含んでおり、前記二次側コントローラは、
前記フライバック電力コンバータの二次側出力の電気的特性を検出し、
検出された前記電気的特性に基づいて、複数の電力モードの中から電力モードを選択し、
通信チャネルを介して、選択された前記電力モードを指定する制御メッセージを伝送する、
ように構成されており、
前記一次側回路は、一次側コントローラを含んでおり、前記一次側コントローラは、
前記通信チャネルを介して、前記選択された電力モードを指定する前記制御メッセージを受信し、
前記フライバック電力コンバータの前記二次側出力の前記電気的特性の値を制御するために、前記ゲートドライバを制御して、前記選択された電力モードに従って前記フライバック電力コンバータの一次側出力を操作する、
ように構成されている、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力コンバータに関し、より具体的には、一次側および二次側を含んでいるフライバック電力コンバータに関する。
【背景技術】
【0002】
フライバック電力コンバータでは、二次側から一次側への信号の通信が望まれることがある。一部の種類の通信には、一次スイッチタイミングと二次スイッチタイミングとの同期および負荷電力需要の変化の通信が含まれ得る。二次と一次との間の通信のためのいくつかの例示的な技術は、絶縁を必要とし得る別個の通信チャネルを含み得る。例えば、光アイソレータが、ガルバニック絶縁を伴う、電力コンバータの二次側と一次側との間の別個の通信チャネルの構成要素であってよい。他の例では、リンギング周波数を変調すること等によって、電力コンバータで既に発生している既存の信号を変調するために、付加的な構成要素が必要になることがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、概して、一次側コントローラと二次側コントローラとの間の効率的な通信スキームを有する制御ループを使用するフライバック電力コンバータのための制御技術を記載している。二次側コントローラは、フライバック電力コンバータの二次側出力の電気的特性、例えば電圧または電流を検出する。二次側コントローラは、検出された電気的特性に基づいて、複数の電力モードの中から電力モードを選択する。いくつかの例では、複数の電力モードは、低電力モード、高電力モードおよびサイクルスキップ電力モードを含んでいる。二次側コントローラは、ガルバニック絶縁された通信チャネルを介して、選択された電力モードを指定する制御メッセージを一次側コントローラに伝送する。一次側コントローラは、選択された電力モードを指定する制御メッセージを受信し、フライバック電力コンバータの二次側出力の電気的特性の値を制御するために、一次側フライバック操作回路を制御して、選択された電力モードに従ってフライバック電力コンバータの一次側出力を操作する。
【0004】
本開示の技術は、実用的な用途を有するフライバック電力コンバータの分野に特定の改善をもたらすことができる。例えば、本明細書に記載されるフライバック電力コンバータ用のコントローラの使用によって、二次側コントローラは、一次側コントローラのクロック周波数よりも格段に低い周波数(頻度)で、かつ制御メッセージあたり2ビットしか使用せずに、制御メッセージを一次側コントローラに伝送することができ、これによって、フライバック電力コンバータのためのフィードバックループの実装に必要なリソースを削減することができる。したがって、フィードバック情報の送信周波数(頻度)の低減と、フィードバック情報の各伝送のサイズの低減との双方によって、本明細書に記載されるフライバック電力コンバータは1つの通信チャネルを用いて、一次側コントローラと二次側コントローラとの間にフィードバックループを実装することも、診断情報等の他の種類のデータを交換することもできる。したがって、本明細書に記載されるフライバック電力コンバータは、フィードバックループ専用の付加的な通信チャネルの必要性を排除することができ、これによって、そのようなフライバック電力コンバータを他のフライバック電力コンバータよりも安価に製造すること、および他のフライバック電力コンバータよりも小さいシリコンフットプリントで実装することが可能になる。
【0005】
1つの例では、本開示は、二次側回路と、二次側回路から絶縁されている一次側回路と、を含んでいる、フライバック電力コンバータ用のコントローラを記載しており、二次側回路は二次側コントローラを含んでおり、二次側コントローラは、フライバック電力コンバータの二次側出力の電気的特性を検出し、検出された電気的特性に基づいて、複数の電力モードの中から電力モードを選択し、通信チャネルを介して、選択された電力モードを指定する制御メッセージを伝送するように構成されている。一次側回路は一次側コントローラを含んでおり、一次側コントローラは、通信チャネルを介して、選択された電力モードを指定する制御メッセージを受信し、フライバック電力コンバータの二次側出力の電気的特性の値を制御するために、一次側回路の一次側フライバック操作回路を制御して、選択された電力モードに従ってフライバック電力コンバータの一次側出力を操作するように構成されている。
【0006】
別の例では、本開示は、フライバック電力コンバータ用のコントローラの二次側回路の二次側コントローラによって、フライバック電力コンバータの二次側出力の電気的特性を検出すること、二次側コントローラによって、検出された電気的特性に基づいて、複数の電力モード中から電力モードを選択すること、二次側コントローラによって、通信チャネルを介して、選択された電力モードを指定する制御メッセージを伝送すること、コントローラの、二次側回路から絶縁されている一次側回路の一次側コントローラによって、通信チャネルを介して、選択された電力モードを指定する制御メッセージを受信すること、およびフライバック電力コンバータの二次側出力の電気的特性の値を制御するために、一次側コントローラによって、一次側回路の一次側フライバック操作回路を制御して、選択された電力モードに従ってフライバック電力コンバータの一次側出力を操作することを含んでいる方法を記載している。
【0007】
別の例では、本開示は、フライバック電力コンバータの一次側出力を操作するように構成されているゲートドライバと、二次側コントローラを含んでいる二次側回路を含んでいるフライバック電力コンバータ用のコントローラと、二次側回路から絶縁されている一次側回路と、を含んでいるシステムを記載している。二次側コントローラは、フライバック電力コンバータの二次側出力の電気的特性を検出し、検出された電気的特性に基づいて、複数の電力モードの中から電力モードを選択し、通信チャネルを介して、選択された電力モードを指定する制御メッセージを伝送するように構成されている。一次側回路は一次側コントローラを含んでおり、一次側コントローラは、通信チャネルを介して、選択された電力モードを指定する制御メッセージを受信し、フライバック電力コンバータの二次側出力の電気的特性の値を制御するために、ゲートドライバを制御して、選択された電力モードに従ってフライバック電力コンバータの一次側出力を操作するように構成されている。
【0008】
本開示の技術の1つまたは複数の例の詳細は、添付の図面および以降の明細書に記載されている。本技術の他の特徴、目的および利点は、明細書、図面および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の技術によるフライバック電力コンバータ用のコントローラを含んでいる例示的なシステムを示すブロック図である。
図2図1の例示的なフライバック電力コンバータシステムをさらに詳細に示すブロック図である。
図3】本開示の技術による、図1のフライバック電力コンバータシステム用のコントローラの例示的な制御ループを示すブロック図である。
図4】本開示の技術による異なる電力モードによる動作の間の、図1のフライバック電力コンバータシステム用の一次側コントローラの例示的な制御信号を示す図である。
図5】本開示の技術による異なる電力モードによる動作の間の、図1のフライバック電力コンバータシステム用のコントローラの例示的な状態図を示すブロック図である。
図6】本開示の技術による異なる電力モードによる動作の間の、図3のフライバック電力コンバータシステムの制御ループ(一次側および二次側)の例示的な信号を示すグラフである。
図7】本開示の技術による、図1のフライバック電力コンバータシステムの電力モードを指定するための制御メッセージの例である。
図8】本開示の技術による、図1のフライバック電力コンバータシステム用のコントローラの例示的な動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
同じ参照符号は、図面および明細書を通じて同じ要素を指している。
【0011】
本開示は、一次側コントローラと二次側コントローラとの間の効率的な通信スキームを有する制御ループを使用するフライバック電力コンバータのための制御技術を記載している。本開示の技術によれば、二次側回路用の二次側コントローラは、1つまたは複数のコンパレータを使用して、二次側出力における調整された電気的特性を監視し得る。二次側コントローラは、検出された電気的特性を使用して、デジタル制御情報(例えば、電力モード要求)の導出されたセットを生成する。二次側コントローラは、制御メッセージとして、この制御情報を、既存のフィードバックチャネルを介して一次側回路に送る。一次側回路用の一次側コントローラは、この制御メッセージを使用して、一次側フライバック操作回路を制御して、制御メッセージによって指定された電力モードに従って、一次側の電気的な出力を操作する、かつ/または一次側の出力電力を調整する。
【0012】
したがって、本明細書に記載されるフライバック電力コンバータシステムは、フライバック電力コンバータの制御ループを一次側回路と二次側回路との間で分割する。例えば、二次側コントローラは、電圧認識、デジタル需要形成およびフィルタリングを行い、一次側コントローラは、一次側フライバック操作回路を制御して、二次側コントローラからの圧縮されたデジタル要求に基づいて、操作信号を生成する。例えば、一次側コントローラは、固定されたエネルギパルスを(高電力モードまたは低電力モードに従って)一次側フライバックコイルに注入する。電力モードは、絶縁バリアを介して二次側コントローラから受信した制御メッセージに従って、各クロックサイクル中に指定される。
【0013】
本明細書に記載されるフライバック電力コンバータシステムは効果的に、二次側回路から一次側回路へデータを伝送することができる。いくつかの例では、3点コントローラの場合には、一次側コントローラが一次側フライバック操作回路を制御する電力モードを示すために2ビットしか必要とされない。例えば、一次側フライバック操作回路は、低電力モード、高電力モードまたはサイクルスキップモードに従って動作可能である。これによって、フライバック電力コンバータシステムは、極めて低いデータ転送レートを使用し、同時に、極めて正確な出力(例えば、目標出力電圧の2%以内)を得ることが可能となる。
【0014】
したがって、本開示の技術によって、フライバック電力変換器は、高レベルの出力電圧精度を達成しながら、絶縁バリアを介して、例えば純粋な電圧フィードバックの場合の8ビット以上の代わりに、電力モードを指定する、わずか2ビットを転送することによって、ナイキスト周波数の1/4未満である、二次側回路と一次側回路との間のデータ転送レートを使用することが可能になる。したがって、本明細書に記載されるフライバック電力変換器は、二次側回路と一次側回路との間の通信チャネルを介したトラフィックの実質的な低減の恩恵を受けることができる。さらに、二次側出力の測定を連続的に伝送する代わりに、ごく少量の伝送データは主負荷変化に結び付けられてよく、既存の通信チャネル上に容易に実装されてよい。
【0015】
図1は、本開示の技術によるフライバック電力コンバータ用のコントローラ101を含んでいる例示的なシステム100を示すブロック図である。フライバック電力コンバータシステム100は、第1の巻線120Aから第2の巻線120Bへエネルギを転送する2つの結合されたインダクタンス(例えばトランス)を有するバックブーストコンバータである。フライバック電力コンバータシステム100はさらに、第1の巻線120Aに接続されている構成要素(本明細書では「一次側」と称される)と第2の巻線120Bに接続されている構成要素(本明細書では「二次側」と称される)との間の絶縁という付加的な利点を提供する。いくつかの例では、フライバック電力コンバータシステム100は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)等の絶縁ゲートドライバのためのDC-DCフライバックコンバータトポロジである。
【0016】
フライバック電力コンバータシステム100は、コントローラ101、トランス120および二次側負荷160を含んでいる。コントローラ101は、フライバック電力コンバータシステム100の動作を制御し、一次側回路102および二次側回路152を含んでいる。一次側回路102および二次側回路152は、相互にガルバニック絶縁されている。トランス120の第1の巻線120Aは、コントローラ101の一次側回路102の一次側出力108に接続されている。トランス120の第2の巻線120Bは、二次側出力158および二次側負荷160に接続されている。二次側負荷160は典型的に、高電圧用途である。
【0017】
コントローラ101の二次側回路152は、二次側コントローラ154および二次側フライバック検出回路156を含んでいる。二次側コントローラ154は、二次側フライバック検出回路156を介して、二次側出力158の電気的特性を検出する。二次側コントローラ154は、二次側出力158の検出された電気的特性に基づいて、ガルバニック絶縁された通信チャネル150を介してフィードバック情報を送信する。
【0018】
一次側回路102は、一次側コントローラ104と一次側フライバック操作回路106とを含んでいる。一次側コントローラ104は、通信チャネル150を介して、二次側コントローラ154からフィードバック情報を受信する。一次側コントローラ104は、フィードバック情報に基づいて、一次側フライバック操作回路106を制御して、一次側出力108を操作し、一次側出力108は次に、二次側出力158の電気的特性の値を操作する。
【0019】
いくつかの例では、第1の半導体ダイが一次側回路102を含んでおり、第1の半導体ダイとは異なる第2の半導体ダイが二次側回路152を含んでいる。通信チャネル150は、第1の半導体ダイと第2の半導体ダイとの間の高電圧絶縁チャネルを含んでいる。コントローラ101は、第1の半導体ダイ、第2の半導体ダイおよび高電圧絶縁チャネルを含んでいる単一のパッケージに組み込まれていてよい。
【0020】
本開示の技術に従って、フライバック電力コンバータシステム100は、一次側コントローラ104と二次側コントローラ154との間の効率的な通信スキームを実施する。本明細書に記載の通り、二次側コントローラ154は、二次側フライバック検出回路156を介して、フライバック電力コンバータシステム100の二次側出力158の電気的特性、例えば電圧または電流を検出する。二次側コントローラ154は、検出された電気的特性に基づいて、複数の電力モードの中から電力モードを選択する。いくつかの例では、複数の電力モードは、低電力モード、高電力モードおよびサイクルスキップ電力モードを含んでいる。二次側コントローラ154は、通信チャネル150を介して、一次側コントローラ104に、選択された電力モードを指定する制御メッセージ170を伝送する。一次側コントローラ104は、選択された電力モードを指定する制御メッセージ170を受信し、フライバック電力コンバータシステム100の二次側出力158の電気的特性の値を制御するために、一次側フライバック操作回路106を制御して、選択された電力モードに従ってフライバック電力コンバータシステム100の一次側出力108を操作する。
【0021】
本開示の技術は、実用的な用途を有するフライバック電力コンバータの分野に特定の改善をもたらすことができる。例えば、本明細書に記載されるフライバック電力コンバータ用のコントローラの使用によって、二次側コントローラは、一次側コントローラのクロック周波数よりも格段に低い周波数(頻度)で、かつ制御メッセージあたり2ビットしか使用せずに、制御メッセージを一次側コントローラに伝送することができ、これによって、フライバック電力コンバータのためのフィードバックループの実装に必要なリソースを削減することができる。したがって、本明細書に記載されるフライバック電力コンバータは1つの通信チャネルを用いて、一次側コントローラと二次側コントローラとの間にフィードバックループを実装することも、診断情報等の他の種類のデータを交換することもできる。フィードバックループを実装するための専用の通信チャネルの必要性を排除することによって、本明細書に記載されるフライバック電力コンバータを他のフライバック電力コンバータよりも安価にすること、および他のフライバック電力コンバータよりも小さいシリコンフットプリントで実装することが可能になる。さらに、本開示の技術によって、二次側出力電圧に対する制御の精度を、トランス巻線またはフィードバック等の付加的な回路を必要とせずに高めることが可能となり、これによって、フライバック電力コンバータのサイズをさらに減らすことができる。
【0022】
図2は、図1の例示的なフライバック電力コンバータシステム100をさらに詳細に示すブロック図である。コントローラ101は、一次側回路102および二次側回路152を含んでいる。一次側回路102は、一次側コントローラ104、一次側フライバック論理回路230および一次側フライバック操作回路106を含んでいる。二次側回路152は、二次側コントローラ154および二次側フライバック検出回路156を含んでいる。
【0023】
通信チャネル150はガルバニック絶縁された通信媒体であり、この通信媒体を介して、一次側コントローラ104と二次側コントローラ154とが相互に通信することができる。例えば、二次側コントローラ154は、診断データまたはフライバック電力モード等のデータを、通信チャネル150を介して一次側コントローラ104に伝送してよい。いくつかの例では、通信チャネル150は、オプトカプラ、1つもしくは複数の付加的なトランス巻線、専用の絶縁チャネル等である。
【0024】
本開示の技術に従って、二次側コントローラ154は、二次側フライバック検出回路156を介して、二次側出力158の電気的特性を検出する。二次側コントローラ154は、二次側出力158の検出された電気的特性に基づくフィードバック情報を、一次側コントローラ104が一次側フライバック操作回路106を制御する電力モードを指定する制御メッセージ170の形態で、通信チャネル150を介して送信する。一次側コントローラ104は、通信チャネル150を介して、制御メッセージ170を二次側コントローラ154から受信する。一次側コントローラ104は、制御メッセージ170によって指定された電力モードに従って、一次側フライバック操作回路106を制御して、一次側出力108を操作する。次に一次側出力108は、二次側出力158の電気的特性の目標値を達成するために、二次側出力158の電気的特性の値を操作する。
【0025】
二次側フライバック検出回路156は、二次側出力158の電気的特性を検出する。いくつかの例では、二次側出力158の電気的特性は、電圧または電流である。図2の例に示したように、二次側フライバック検出回路156は、高電圧(HV)ゲートドライバデバイス232と、「N」個のコンパレータ236と、を含んでいる。ここでNは、任意の数であってよい。ゲートドライバデバイス232は、図1の二次側負荷160(図2には図示されていない)に高電圧信号を出力する。コンパレータ236は、フライバック電力コンバータシステム100の二次側出力158の電気的特性の値を検出し、検出された二次側出力158をN個の所定の閾値237と比較する。コンパレータ236は、結果として生じた比較結果を二次側コントローラ154のフライバック制御要求部210に出力する。いくつかの例では、コンパレータ236は、2つのコンパレータ(例えば第1のコンパレータ236および第2のコンパレータ236)を含んでおり、所定の閾値237は、第1の所定の閾値と第2の所定の閾値とを含んでいる。いくつかの例では、第1の所定の閾値は、検出された電気的特性の目標値の約95%以上約99.5%以下の範囲から選択される。いくつかの例では、第1の所定の閾値は、検出された電気的特性の目標値の98%である。いくつかの例では、第2の所定の閾値は、検出された電気的特性の目標値の約100%以上約105%以下の範囲から選択される。いくつかの例では、第2の所定の閾値は、検出された電気的特性の目標値の101%である。第1のコンパレータ236は電気的特性の検出された値を第1の所定の閾値と比較し、第2のコンパレータ236は電気的特性の検出された値を第2の所定の閾値と比較する。
【0026】
二次側コントローラ154のフライバック制御要求部210は、コンパレータ236の出力に基づいて、一次側コントローラ104が一次側フライバック操作回路106を制御する電力モードの変更が必要か否かを判定する。いくつかの例では、一次側コントローラ104は、高電力モード、低電力モードまたはサイクルスキップ電力モードに応じて一次側フライバック操作回路106を制御してよい。例えば、二次側出力158の電気的特性の検出された値が第1の所定の閾値未満(例えば、最小目標値未満である)ことを示す信号をコンパレータ236から受信したことに応じて、フライバック制御要求部210は、高電力モードに従った動作に一次側フライバック操作回路106を切り替えることを決定する。別の例として、二次側出力158の電気的特性の検出された値が、第2の所定の閾値よりも大きい(例えば、最大目標値よりも大きい)ことを示す信号をコンパレータ236から受信したことに応じて、フライバック制御要求部210は、サイクルスキップ電力モードに従った動作に一次側フライバック操作回路106を切り替えることを決定する。別の例として、二次側出力158の電気的特性の検出された値が、第2の所定の閾値よりも大きい値から第2の所定の閾値以下の値に移行している(例えば、検出された値が最大目標値を下回っている)ことを示す信号をコンパレータ236から受信したことに応じて、フライバック制御要求部210は、低電力モードに従った動作に一次側フライバック操作回路106を切り替えることを決定する。
【0027】
一次側コントローラ104が一次側フライバック操作回路106を制御する電力モードの変更が必要であるとの判定に応じて、フライバック制御要求部210は、選択された電力モードに対する変更の要求を診断フィードバック回路204に渡し、診断フィードバック回路204は、選択された電力モードに対する変更の要求を、二次側回路152からの他の診断情報および/またはフィードバック情報と結び付ける。これは、脱飽和情報、過電流保護(OCP)データ、二次側出力158監視(「outmon」)、不足電圧指標、過電圧指標等である。コアレス伝送器(CT)データ伝送器208は、選択された電力モードに対する変更の要求および診断情報を、ヘッダフレーム、選択された電力モード、診断情報およびチェックサムを含んでいる制御メッセージ170に形成する。制御メッセージ170の内容に関する、さらなる情報は、図7を参照しながらあとで説明する。CTデータ伝送器208は、通信チャネル150を介して、制御メッセージ170を、一次側回路102のCTデータ受信器214に伝送する。
【0028】
一次側コントローラ104は、通信チャネル150を介して、二次側コントローラ154から制御メッセージ170を受信し、制御メッセージ170によって指定された電力モードに従って、一次側フライバック操作回路106を制御して、一次側出力108を操作する。例えば、CTデータ受信器214は、通信チャネル150を介して、二次側回路152のCTデータ伝送器208から制御メッセージ170を受信する。CTデータ受信器214は、指定された電力モードを含んでいる制御メッセージ170を一次側コントローラ104に提供する。
【0029】
図2の例では、一次側フライバック操作回路106は、パルス幅変調(PWM)生成回路228およびゲートドライバフライバック234を含んでいる。一次側フライバック操作回路106を制御するために、ドライバ処理回路216によって、フライバック論理回路230のパルス生成器制御回路224は、クロックサイクルに従って1つまたは複数のクロックパルスをPWM生成回路228に出力する。PWM生成回路228は、クロックパルス410を受信し、出力信号を生成する。出力信号は、ゲートドライバ234の操作のためのデューティサイクルを含んでおり、これは、一次側エネルギを生成するためにMOSFET109をオンにする(第1の巻線120A内)。
【0030】
例えば、一次側コントローラ104のクロックサイクル中、フライバック電力コンバータシステム100の第1の巻線120A内に電力を蓄積するために、ドライバ処理回路216は一次側フライバック操作回路106のPWM生成回路228を有効化する。コンパレータ238は、シャントフライバック240の電気的特性の値(例えば、電圧または電流)を検出し、検出された値を所定の閾値(例えば、ピーク電流閾値)と比較する。シャントフライバック240の電気的特性の検出された値が所定の閾値を超えているとの判定に応じて、PWM生成回路228は、PWM操作信号の出力を無効化し、これによって、クロックサイクルの期間中、一次側フライバック操作回路106を無効化して、一次側出力108に蓄積された電力をフライバック電力コンバータシステム100の二次側出力158に転送する。
【0031】
本開示の技術に従って、一次側コントローラ104のドライバ処理回路216は、制御メッセージ170によって指定された電力モードを識別し、指定された電力モードに従って、一次側フライバック操作回路106を制御する。例えば、低電力モードに従って一次側フライバック操作回路106を制御するために、ドライバ処理回路216は、1つ以上のクロックパルスをパルス生成器制御回路224に出力し、これによって、パルス生成器制御回路224は、第1の振幅を有する第1の操作信号をPWM生成回路228に出力する。第1の操作信号によって、PWM生成回路228は、ゲートドライバフライバック234に、第1のデューティサイクル期間を含んでいる第1のPWM操作信号を出力する。
【0032】
別の例として、高電力モードに従って一次側フライバック操作回路106を制御するために、ドライバ処理回路216は、1つまたは複数のクロックパルスをパルス生成器制御回路224に出力し、これによって、パルス生成器制御回路224は、第1の振幅よりも大きい第2の振幅を有する第2の操作信号をPWM生成回路228に出力する。第2の操作信号によって、PWM生成回路228は、ゲートドライバフライバック234に、第1のデューティサイクル期間よりも長い第2のデューティサイクル期間を含んでいる第2のPWM操作信号を出力する。
【0033】
別の例として、サイクルスキップ電力モードに従って一次側フライバック操作回路106を制御するために、ドライバ処理回路216は、1つ以上のクロックサイクルに対する1つ以上のクロックパルスの出力をスキップし、これによって、パルス生成器制御回路224は操作信号の出力をスキップし、次に、これによって、PWM生成回路228は、ゲートドライバフライバック234へのPWM操作信号の出力をスキップする。その結果、これによって、ゲートドライバフライバック234は、一次側フライバック操作回路106がサイクルスキップ電力モードに従って動作している間、エネルギをチャージしない。
【0034】
一次側コントローラ104は、コンパレータ238によって設定されたIPKスイッチオフ値の選択を調整することによって、低電力モードまたは高電力モードのための操作信号の振幅(例えば、パルス生成器制御回路224によって出力される振幅)を選択してよい。コンパレータ238は、フライバックシャント240にわたる電圧を比較する。フライバック電力コンバータシステム100は、異なる電力モードに対して異なるIPKスイッチオフ値を可能にするために、一次側フライバック操作回路106によって実装される各電力モードに対して異なるシャントフライバックを含んでいてよい。例えば、高電力モードは比較的高いIPK電流を可能にしてよく、低電力モードは比較的低いIPK電流を可能にしてよい。したがって、コンパレータ238の出力は、PWM生成回路228がゲートドライバフライバック234に出力するPWM操作信号の持続時間を効果的に延長または短縮する働きをする。
【0035】
フライバック論理回路230はさらに、セルフテストおよびソフトスタート回路222と、フライバックエラー処理回路226と、を含んでいる。フライバックエラー処理回路226は、フライバック電力変換器100の一次側動作におけるエラーを識別してよい。セルフテストおよびソフトスタート回路222は、二次側コントローラ154との通信が失われた場合に、安全電力モードに従って動作するために、一次側フライバック操作回路106を有効化する。例えば、一次側フライバック操作回路106は、通信チャネル150における障害の検出に応じて、または二次側回路152における障害に応じて、コントローラ101の電源オンと同時に、安全電力モード(本明細書では「ソフトスタート」電力モードとも称される)に従って動作してよい。安全電力モードは、一次側フライバック操作回路106の低減された電力出力または低減された動作周波数のいずれかを含んでいてよい。一次側フライバック操作回路106は、二次側コントローラ154からのフィードバック制御なく、安全電力モードに従って動作してよい。
【0036】
いくつかの例では、一次側コントローラ104のライフサイン処理部220は、二次側コントローラ154から周期的なライフサイン制御メッセージを受信する。ライフサイン処理部220が、二次側コントローラ154から計画されたライフサイン制御メッセージを受信することに失敗した場合、ライフサイン処理部220は、通信チャネル150または二次側回路152において障害が発生したと判定する。障害が発生したとの判定に応じて、一次側コントローラ104は、一次側フライバック操作回路106を、安全電力モードに従って動作するように制御する。
【0037】
一次側回路102はさらに、多方面にわたる診断(MISC DIAG)回路218および操作(DRV)伝送器212を含んでいる。MISC DIAG回路218は、診断出力ピンを介して、診断情報をユーザに出力するように、コントローラ101を有効化する。DRV伝送器212は、ゲートドライバHVデバイス232のオンオフ状態を規定するために、二次側操作制御情報を(例えば図2に示されていない通信チャネルを介して)DRV受信器206に伝送してよい。DRV受信器206はそのような二次側操作制御情報を受信し、二次側コントローラ154のドライバ処理回路202が、この二次側操作制御情報を、ゲートドライバHVデバイス232の動作を制御するために使用してよい。
【0038】
図3は、本開示の技術による、図1のフライバック電力コンバータシステム用のコントローラの例示的な制御ループを示すブロック図である。便宜上、図3図1および図2に関して説明する。
【0039】
ユーザは、二次側出力158の電気的特性の所望の値を設定する(302)。いくつかの例では、所望の値は、二次側出力158の出力電圧用の目標値または二次側出力158の出力電流用の目標値である。二次側出力158の所望の値は、コンパレータ236による使用のために所定の閾値に変換される(304)。いくつかの例では、二次側出力158の所望の値は、(第1の所定の閾値に対応する)第1のコンパレータ電圧と、(第2の所定の閾値に対応する)第2のコンパレータ電圧とに変換される。
【0040】
二次側コントローラ154は、二次側出力158の電気的特性の検出された値と電気的特性の目標値との間の差を決定する(306)。いくつかの例では、この差は、二次側出力158の検出された電圧と、二次側出力158用の目標電圧との間の電圧差である。
【0041】
二次側コントローラ154は、電圧差から、電力要求フィードバックを導出する(308)。例えば、二次側コントローラ154は、一次側コントローラ104が一次側フライバック操作回路106を制御する電力モードを選択する。二次側コントローラ154は、通信チャネル150を介して、選択された電力モードを指定する制御メッセージ170を伝送する(310)。いくつかの例では、通信チャネル150は、デジタル伝送チャネルである。いくつかの例では、制御メッセージ170はさらに、エラー訂正および信号損失検出データを含んでいる。
【0042】
一次側コントローラ104は、指定された電力モードに従って、一次側フライバック操作回路106を制御する(312)。いくつかの例では、一次側コントローラ104はさらに、他の種類の情報、例えば設定可能なフライバックスイッチング周波数(fOSC)または設定可能なピーク電流(IPK)に従って、一次側フライバック操作回路106を制御してよい。
【0043】
二次側負荷160は、例えば、トランスおよび/または整流ダイオードの形態をとることができる外部回路314を含んでいてよい。二次側負荷160に供給される出力電流と負荷電流との差316は、外部バッファ318(例えばバッファキャップ)に格納されており、外部バッファ318は、二次側出力158の電気的特性の値を調整し、フライバック電力コンバータシステム100のフィードバックループを閉成する。
【0044】
図4は、本開示の技術による異なる電力モードによる動作の間の、図1のフライバック電力コンバータシステム用の一次側コントローラ104の例示的な制御信号を示す図である。便宜上、図4図1および図2に関して説明する。
【0045】
一次側コントローラ104は、複数の電力モードに従って一次側フライバック操作回路106を制御する。例えば、複数の電力モードは、サイクルスキップ電力モード、低電力モードおよび高電力モードを含んでいる。本明細書に記載されているように、一次側コントローラ104は、二次側出力158の電気的特性が目標閾値(例えば、二次側出力158の電気的特性の最大値)よりも大きい間、サイクルスキップ電力モードに従って一次側フライバック操作回路106を制御する。一次側コントローラ104は、二次側出力158の電気的特性が目標閾値以下かつ低い目標閾値(例えば、二次側出力158の電気的特性の最小値)以上である間、低電力モードに従って一次側フライバック操作回路106を制御する。さらに、一次側コントローラ104は、二次側出力158の電気的特性が低い目標閾値未満の間、一次側フライバック操作回路106を高電力モードに従って制御する。
【0046】
図4に示されているように、低電力モードまたは高電力モードに従って一次側フライバック操作回路106を制御するために、一次側コントローラ104は、クロックサイクル412に従ってクロックパルス410を一次側フライバック操作回路106に出力する。PWMパルス生成回路228は、クロックパルス410を受信して、ゲートドライバ234を操作するためのデューティサイクルを含んでいる出力信号を生成する。
【0047】
一次側コントローラ104は、図2のコンパレータ238によって使用される異なる基準電圧の選択によって、低電力モードまたは高電力モードの間の選択を行う。この結果、高電力モードの場合には相対的に高い電流IPK408Aがシャント240を通じて生じ、低電力モードの場合には相対的に低い電流IPK408Bがシャント240を通じて生じる。より高い電流IPK408Aは、高電力モードに従った動作の間、PWMパルス生成回路228により長いデューティサイクル402を含んでいる信号を出力させ、より低い電流IPK408Bは、PWMパルス生成回路228に、より短いデューティサイクル404を含んでいる信号を出力させる。PWMパルス生成回路228がゲートドライバ234に供給するデューティサイクルの長さは、一次側出力108から二次側出力158に転送されるエネルギのレートを効果的に制御する。
【0048】
サイクルスキップ電力モードに従って一次側フライバック操作回路106を制御するために、一次側コントローラ104は、一次側フライバック操作回路106へのクロックパルス410の出力を少なくとも1つのクロックサイクル412の間スキップする。これは効果的に、PWMパルス生成回路228に、ゲートドライバ234へのデューティ信号の出力をスキップさせ、これによって、少なくとも1つのクロックサイクル412の間、二次側出力158へのエネルギの転送のスキップが行われる。
【0049】
図5は、本開示の技術による異なる電力モードによる動作の間の、図1のフライバック電力コンバータシステム用のコントローラの例示的な状態図を示すブロック図である。図5の例では、二次側コントローラ154は、一次側コントローラ104が一次側フライバック操作回路106を制御する低電力モード、高電力モードまたはサイクルスキップ電力モードのうちの1つを選択する。しかし、他の例では、二次側コントローラ154は、3つを超える電力モードを使用してよい。
【0050】
図5の例に示されているように、二次側コントローラ154は、二次側出力158の検出された電気的特性が最大目標値に達したことを二次側コントローラ154が判定したことに応じて、一次側コントローラ104を、高電力モード502に従った一次側フライバック操作回路106の制御から、スキップ電力モード506に従った一次側フライバック操作回路106の制御へ移行させる(516)。さらに、二次側コントローラ154は、二次側出力158の検出された電気的特性が最小目標値に達したことを二次側コントローラ154が判定したことに応じて、一次側コントローラ104を、スキップ電力モード506に従った一次側フライバック操作回路106の制御から、高電力モード502に従った一次側フライバック操作回路106の制御へ移行させる(514)。
【0051】
別の例として、二次側コントローラ154は、二次側出力158の検出された電気的特性が最大目標値に達したことを二次側コントローラ154が判定したことに応じて、一次側コントローラ104を、低電力モード504に従った一次側フライバック操作回路106の制御から、スキップ電力モード506に従った一次側フライバック操作回路106の制御へ移行させる(518)。二次側コントローラ154は、二次側出力158の検出された電気的特性が最大目標値を下回ったことを二次側コントローラ154が判定したことに応じて、一次側コントローラ104を、スキップ電力モード506に従った一次側フライバック操作回路106の制御から、低電力モード504に従った一次側フライバック操作回路106の制御へ移行させる(520)。
【0052】
いくつかの例では、移行514は、二次側コントローラ154が二次側出力158の検出された電気的特性の急速な低下を検出すると生じ得る。いくつかの例では、移行514、または移行520およびそれに続く移行510は、二次側出力158の検出された電気的特性が最小目標レベルを下回ったことに二次側コントローラ154が応じたときに生じ得る。例えば、移行514または移行520およびそれに続く移行510は、二次側出力158の検出された電気的特性が最小目標レベルを下回る速度に応じて生じ得る(例えば、比較的迅速にまたは比較的緩慢に)。
【0053】
別の例として、二次側コントローラ154は、二次側出力158の検出された電気的特性が最小目標値を下回ったことを二次側コントローラ154が判定したことに応じて、一次側コントローラ104を、低電力モード504に従った一次側フライバック操作回路106の制御から、高電力モード502に従った一次側フライバック操作回路106の制御へ移行させる(510)。
【0054】
これとは対照的に、典型的には、一次側コントローラ104は、一次側フライバック操作回路106を、高電力モード502に従った動作から低電力モード504に従った動作へ移行させない(512)。なぜなら、それに代わって、高電力モード502からスキップ電力モード506への移行が、二次側出力158の電気的特性を最大目標レベルから、より迅速かつ正確に低減させるために有利であり得るからである。さらに、移行512を除去することによって、フライバック電力コンバータシステム100のフィードバックチャネルを実装するために必要とされる帯域幅を一層減らすことができる。
【0055】
上述のように、二次側コントローラ154は、二次側出力158の電気的特性を検出する。二次側出力158の電気的特性は、例えば、二次側出力158の電圧または電流であってよい。二次側コントローラ154は、二次側出力158の検出された電気的特性の値を、第1の所定の閾値および第2の所定の閾値と比較する。いくつかの例では、第1の所定の閾値は、検出された電気的特性の目標値の約95%以上約99.5%以下の範囲から選択される。いくつかの例では、第1の所定の閾値は、検出された電気的特性の目標値の98%である。いくつかの例では、第2の所定の閾値は、検出された電気的特性の目標値の約100%以上約105%以下の範囲から選択される。いくつかの例では、第2の所定の閾値は、検出された電気的特性の目標値の101%である。
【0056】
検出された電気的特性の値が第1の所定の閾値未満(例えば、二次側出力158の検出された電気的特性が最小目標値未満)との判定に応じて、二次側コントローラ154は、検出された電気的特性を最小目標値まで増大させるために高電力モード502を選択する。検出された電気的特性の値が第2の所定の閾値よりも大きい(例えば、二次側出力158の検出された電気的特性が最大目標値よりも大きい)との判定に応じて、二次側コントローラ154は、検出された電気的特性を最大目標値まで低減させるためにスキップ電力モード506を選択する。検出された電気的特性の値が、第2の所定の閾値よりも大きい値から第2の所定の閾値以下の値に移行している(例えば、二次側出力158の検出された電気的特性が最大目標値を超えていたが、最大目標値を下回っている)との判定に応じて、二次側コントローラ154は低電力モード504を選択する。
【0057】
図6は、本開示の技術による異なる電力モードによる動作の間の、図3のフライバック電力コンバータシステムの制御ループ(一次側および二次側)の例示的な信号を示すグラフである。図6は、便宜上、図1および図2に関して説明されている。VCC2 602は、二次側出力158での電圧を示し、IVCC2 OUT604は、二次側出力158での電流を示す。ISHUNT606は、シャント240を通る電流を示す。
【0058】
図6の例に示されているように、二次側コントローラ154は、通信チャネル150を介して伝送される制御メッセージ170を使用して、一次側コントローラ104を、異なる電力モードに従った動作から移行させる。
【0059】
例えば、時点610において、コントローラ101は電力調整を開始する。二次側コントローラ154は、一次側コントローラ104に、高電力モードに従って一次側フライバック操作回路106を制御させる制御メッセージ170を送信する。時点612において、VCC2 602は、目標電圧607を超える。二次側コントローラ154は、一次側コントローラ104に、サイクルスキップ電力モードに従って一次側フライバック操作回路106を制御させる制御メッセージ170を送信する。時点614において、VCC2 602は、目標電圧607を下回る。二次側コントローラ154は、一次側コントローラ104に、低電力モードに従って一次側フライバック操作回路106を制御させる制御メッセージ170を送信する。二次側コントローラ154は、時点616まで、一次側コントローラ104に、スキップ電力モードと低電力モードとを繰り返させる。時点616において、VCC2 602は最小目標電圧607を下回る。二次側コントローラ154は、一次側コントローラ104に、低電力モードに従った一次側フライバック操作回路106の制御から、高電力モードに従った一次側フライバック操作回路106の制御へ移行させる制御メッセージ170を送信する。時点618において、VCC2 602は目標電圧607を超過し、二次側コントローラ154は再び、一次側コントローラ104に、サイクルスキップ電力モードに従って一次側フライバック操作回路106を制御させる制御メッセージ170を送信する。
【0060】
図7は、本開示の技術による、図1のフライバック電力コンバータシステム100の電力モードを指定するための制御メッセージ170の例である。制御メッセージ170は、ヘッダフレームフィールド702と、診断情報フィールド704と、フライバック制御メッセージフィールド706と、チェックサムフィールド708と、を含んでいる。
【0061】
いくつかの例では、ヘッダフレームフィールド702は、制御メッセージ170によって搬送されるデータの種類を指定する3ビットのフィールドである。図7に示されているように、例えば、ヘッダフレームフィールド702は、制御メッセージ170が、フライバック電力コンバータシステム100の電力モードを指定することを示す。
【0062】
いくつかの例では、制御メッセージ170は、オプションとして、診断情報フィールド704を含んでいる。診断情報フィールド704は、例えば、フライバック電力コンバータシステム100の二次側回路152の動作に関する診断を指定してよい。いくつかの例では、診断情報フィールド704は、フライバック電力コンバータシステム100の動作における脱飽和、過電流または他の種類の障害の存在を示す。
【0063】
いくつかの例では、制御メッセージ170は、オプションとして、チェックサムフィールド708を含んでいる。チェックサムフィールド708は、一次側コントローラ104が制御メッセージ170の完全性を検証するために使用し得るデータを含んでいる。
【0064】
フライバック制御メッセージフィールド706は、二次側コントローラ154によって選択された電力モードを指定する。二次側コントローラ154は、一次側コントローラ104が一次側フライバック操作回路106を制御する電力モードを指定するために、制御メッセージ170のフライバック制御メッセージフィールド706を使用してよい。いくつかの例では、フライバック制御メッセージフィールド706は、2、3、4またはそれ以上のビットを含んでいる。
【0065】
いくつかの例では、フライバック制御メッセージフィールド706は2ビットを含んでおり、これは、サイクルスキップ電力モード、低電力モード、高電力モードまたは安全電力モードを指定するために使用されてよい。この例では、二次側コントローラ154は、二次側出力158の電気的特性が目標閾値よりも大きいとの判定に応じて、サイクルスキップ電力モードを選択する。二次側コントローラ154は、二次側出力158の電気的特性が目標閾値以下かつ低い目標閾値以上であるとの判定に応じて、低電力モードを選択する。さらに、二次側コントローラ154は、二次側出力158の電気的特性が低い目標閾値未満であるとの判定に応じて、高電力モードを選択する。
【0066】
二次側コントローラ154は、コントローラ101の電源オンと同時に、または通信チャネル150における障害の検出と同時に生じ得る安全モードトリガの検出に応じて、安全電力モードを選択する。安全電力モードは、一次側フライバック操作回路106の低減された電力出力または低減された動作周波数のうちのいずれかを含んでいてよい。
【0067】
いくつかの例では、フライバック制御メッセージフィールド706は3ビットを含んでおり、3ビットは、オプションであるマスク不可能なスキップ電力モード、サイクルスキップ電力モード、低電力モード、オプションである中電力モード、高電力モード、第1の安全電力モード、第2の安全電力モードまたは第3の安全電力モードを指定するために使用されてよい。この例では、二次側コントローラ154は、二次側出力158における過電圧または過電流の警告の検出に応じて、マスク不可能なスキップ電力モードを選択する。二次側コントローラ154は、二次側出力158の電気的特性が目標閾値よりも大きいとの判定に応じて、サイクルスキップ電力モードを選択する。二次側コントローラ154は、二次側出力158の電気的特性が目標閾値以下であり、かつ第1の低い目標閾値よりも大きいことが判定されたことに応じて、低電力モードを選択する。さらに、二次側コントローラ154は、二次側出力158の電気的特性が第1の低い目標閾値以下であり、かつ第2の低い目標閾値よりも大きいことが判定されたことに応じて、中電力モードを選択する。さらに、二次側コントローラ154は、二次側出力158の電気的特性が第2の低い目標閾値未満であることが判定されたことに応じて、高電力モードを選択する。
【0068】
この例では、二次側コントローラ154は、異なる種類の安全電力モードトリガの検出に応じて、第1、第2または第3の安全電力モードのうちの1つを選択してよい。例えば、二次側コントローラ154は、二次側コントローラ154がコントローラ101の電源オンを検出したか否かに応じて、または通信チャネル150における障害の検出と同時に、一次側フライバック操作回路106の低減された電力出力または低減された動作周波数の異なる値を指定する異なる安全電力モードを選択してよい。
【0069】
他の種類のフライバック電力コンバータでは、二次側コントローラが、通信チャネルを介して、フライバック電力コンバータの二次側出力の電気的特性の検出された値を示すデータを一次側コントローラに伝送してよい。一次側コントローラは、一次側フライバック操作回路を制御して、一次側出力を操作し、これによって二次側出力を制御するために、フィードバックループとしてそのようなデータを使用する。しかし、そのような実装は、一次側コントローラが二次側出力を十分に監視し、それに応じて一次側フライバック操作回路を調整できるようにするために、二次側コントローラが、(例えば、ナイキストの定理に準拠して)一次側コントローラのクロック周波数の2倍のクロック周波数で、そのようなデータを伝送することを要求し得る。例えば、一次側コントローラが約100~500キロヘルツ(kHz)のクロック周波数で動作する場合、二次側コントローラは、二次側出力での負荷変化を検出し、(例えば、一次側コントローラのクロック周波数に関するナイキスト定理を満たすために)200~1,000kHzの周波数で、一次側コントローラに、そのようなデータを伝送することが要求されることがある。このような大量のデータは極めて多くのリソースを使い、そのようなフライバック電力コンバータのフィードバックループを実装するために専用チャネルを必要とする場合がある。さらに、二次側出力の電気的特性の各検出された値を表すために、8ビットのデータが必要とされる場合がある。
【0070】
本開示の技術によれば、制御メッセージ170のフライバック制御メッセージフィールド706を使用することによって、二次側コントローラ154は、一次側コントローラ104が一次側フライバック操作回路106を制御する電力モードを選択することが可能になり、これによって、二次側出力の電気的特性の検出された値を、通信チャネル150を介して伝送する必要がなくなる。このようにして、フライバック制御メッセージフィールド706を使用することによって、二次側コントローラ154は、一次側コントローラ104のクロック周波数よりも格段に低い周波数(頻度)で、一次側コントローラ104に制御メッセージ170を伝送することが可能になる。いくつかの例では、二次側コントローラ154は、一次側コントローラ104のクロック周波数の約30%~40%の周波数で制御メッセージ170を一次側コントローラ104に伝送してよい。さらに、フライバック制御メッセージフィールド706の使用によって、二次側コントローラ154は、選択された電力モードを指定するために、例えばわずか2ビットで、フライバック電力コンバータのフィードバックループを実装することができる。このように、本明細書に記載されるフライバック電力コンバータは、フライバック電力コンバータのフィードバック構成要素を実装するために、専用の通信チャネルを必要としなくてよい。例えば、フライバック電力コンバータシステム100は、診断情報とフライバック電力コンバータのフィードバック構成要素のためのデータとの両方を搬送するために使用可能な共有の通信チャネル150を使用してよい。他のフライバック電力コンバータよりも少数の通信チャネルしか必要としないことによって、本明細書に記載されるフライバック電力コンバータは、他のフライバック電力コンバータよりも安価であってよく、かつ小さいシリコンフットプリントで実装されてよい。
【0071】
図8は、本開示の技術による、図1のフライバック電力コンバータシステム100用のコントローラ101の例示的な動作を示すフローチャートである。図8は、便宜上、図1および図2に関して説明されている。図8の例に示されているように、一次側コントローラ104は、二次側出力158の電気的特性の目標値を達成するために、一次側フライバック操作回路106を制御して、一次側出力108を操作する。さらに、一次側コントローラ104は、二次側コントローラ154から受信した制御メッセージ170を使用して、一次側フライバック操作回路106を制御して、指定された電力モードで動作させる。
【0072】
例えば、二次側コントローラ154は、フライバック電力コンバータシステム100の二次側出力158の電気的特性を検出する(802)。例えば、二次側フライバック検出回路156のコンパレータ236は、フライバック電力コンバータシステム100の二次側出力158の電気的特性の値を検出する。いくつかの例では、二次側出力158の電気的特性は、電圧または電流である。
【0073】
二次側コントローラ154は、検出された電気的特性に基づいて、複数の電力モードの中から電力モードを選択する(804)。例えば、コンパレータ236は、検出された二次側出力158を所定の閾値237と比較する。いくつかの例では、コンパレータ236は、2つのコンパレータ(例えば、第1のコンパレータ236および第2のコンパレータ236)を含んでおり、所定の閾値237は、第1の所定の閾値(例えば、二次側出力158の電気的特性の最小目標値)および第2の所定の閾値(例えば、二次側出力158の電気的特性の最大目標値)を含んでいる。コンパレータ236は、比較結果をフライバック制御要求部210に出力する。上述の例に関して、第1のコンパレータ236は、電気的特性の検出された値を第1の所定の閾値と比較し、比較結果をフライバック制御要求部210に出力する。第2のコンパレータ236は、電気的特性の検出された値を第2の所定の閾値と比較し、比較結果をフライバック制御要求部210に出力する。
【0074】
二次側コントローラ154のフライバック制御要求部210は、コンパレータ236の出力に基づいて、一次側コントローラ104が一次側フライバック操作回路106を制御する電力モードを変更する必要があるか否かを判定する。いくつかの例では、一次側コントローラ104は、一次側フライバック操作回路106を、高電力モード、低電力モードまたはサイクルスキップ電力モードに従って制御することができる。例えば、二次側出力158の電気的特性の検出された値が第1の所定の閾値未満(例えば、最小目標値未満)であることを示す信号をコンパレータ236から受信したことに応じて、フライバック制御要求部210は、高電力モードに従った動作に一次側フライバック操作回路106を切り替えることを決定する。別の例として、二次側出力158の電気的特性の検出された値が第2の所定の閾値よりも大きい(例えば、最大目標値よりも大きい)ことを示す信号をコンパレータ236から受信したことに応じて、フライバック制御要求部210は、サイクルスキップ電力モードに従った動作に一次側フライバック操作回路106を切り替えることを決定する。別の例として、二次側出力158の電気的特性の検出された値が第2の所定の閾値よりも大きい値から第2の所定の閾値以下の値に移行している(例えば、検出された値が最大目標値を下回っている)ことを示す信号をコンパレータ236から受信したことに応じて、フライバック制御要求部210は、低電力モードに従った動作に一次側フライバック操作回路106を切り替えることを決定する。
【0075】
二次側コントローラ154は、通信チャネル150を介して、選択された電力モードを指定する制御メッセージ170を伝送する(806)。例えば、フライバック制御要求部210は、選択された電力モードへの変更要求を診断フィードバック回路204に渡し、診断フィードバック回路204は、選択された電力モードへの変更要求と、二次側回路152からの他の診断情報および/またはフィードバック情報とを組み合わせる。CTデータ伝送器208は、選択された電力モードへの変更要求と、診断情報とを制御メッセージ170に形成する。制御メッセージ170は、ヘッダフレーム、選択された電力モード、診断情報およびチェックサムを含んでいる。CTデータ伝送器208は、制御メッセージ170を、通信チャネル150を介して、一次側回路102のCTデータ受信器214に伝送する。
【0076】
一次側コントローラ104は、通信チャネル150を介して、二次側コントローラ154から制御メッセージ170を受信する(808)。例えば、CTデータ受信器214は、通信チャネル150を介して、二次側回路152のCTデータ伝送器208から制御メッセージ170を受信する。CTデータ受信器214は、指定された電力モードを含んでいる制御メッセージ170を一次側コントローラ104に提供する。
【0077】
一次側コントローラ104は、フライバック電力コンバータシステム100の二次側出力158の電気的特性の値を制御するために、一次側フライバック操作回路106を制御して、選択された電力モードに従ってフライバック電力コンバータシステム100の一次側出力108を操作する(810)。例えば、一次側コントローラ104のドライバ処理回路216は、制御メッセージ170によって指定された電力モードを識別する。指定された電力モードが低電力モードまたは高電力モードである場合、ドライバ処理回路216およびパルス生成器制御回路224は、PWMパルス生成回路228を操作して、操作信号を、指定された電力モードに従ってゲートドライバフライバック234を操作するために出力する。指定された電力モードがサイクルスキップ電力モードである場合、ドライバ処理回路216およびパルス生成器制御回路224は、PWMパルス生成回路228を制御して、操作信号の出力をスキップする。これは、低電力モードまたは高電力モードに戻ることによって、サイクルスキップ電力モードを脱するまで行われる。
【0078】
以降の例は、本開示の1つまたは複数の態様を例示していてよい。
【0079】
例1:二次側回路と、二次側回路から絶縁されている一次側回路と、を含んでいる、フライバック電力コンバータ用のコントローラであって、二次側回路は二次側コントローラを含んでおり、二次側コントローラは、フライバック電力コンバータの二次側出力の電気的特性を検出し、検出された電気的特性に基づいて、複数の電力モードの中から電力モードを選択し、通信チャネルを介して、選択された電力モードを指定する制御メッセージを伝送するように構成されており、一次側回路は一次側コントローラを含んでおり、一次側コントローラは、通信チャネルを介して、選択された電力モードを指定する制御メッセージを受信し、フライバック電力コンバータの二次側出力の電気的特性の値を制御するために、一次側回路の一次側フライバック操作回路を制御して、選択された電力モードに従ってフライバック電力コンバータの一次側出力を操作するように構成されている。
【0080】
例2:複数の電力モードは、少なくとも、低電力モード、高電力モードおよびサイクルスキップ電力モードを含んでいる、例1記載のコントローラ。
【0081】
例3:複数の電力モードの中から電力モードを選択するために、二次側コントローラは、検出された電気的特性の値が第1の所定の閾値未満であるとの判定に応じて、高電力モードを選択し、検出された電気的特性の値が第2の所定の閾値よりも大きい値から第2の所定の閾値以下の値に移行しているとの判定に応じて、低電力モードを選択し、検出された電気的特性の値が第2の所定の閾値よりも大きいとの判定に応じて、サイクルスキップ電力モードを選択するように構成されている、例2記載のコントローラ。
【0082】
例4:第1の所定の閾値は、検出された電気的特性の目標値の約95%以上約99.5%以下の範囲から選択され、第2の所定の閾値は、検出された電気的特性の目標値の約100%以上約105%以下の範囲から選択される、例3記載のコントローラ。
【0083】
例5:二次側コントローラはさらに、検出された電気的特性の値を第1の所定の閾値と比較するように構成されている第1のコンパレータと、検出された電気的特性の値を第2の所定の閾値と比較するように構成されている第2のコンパレータと、を含んでいる、例3または4記載のコントローラ。
【0084】
例6:一次側フライバック操作回路は、フライバック電力コンバータの二次側出力の電気的特性の目標値を達成するために、フライバック電力コンバータの一次側出力を操作するように構成されており、一次側フライバック操作回路を制御して、選択された電力モードに従ってフライバック電力コンバータの一次側出力を操作するために、一次側コントローラは、一次側フライバック操作回路に、1つまたは複数のクロックパルスを出力するように構成されており、1つまたは複数のクロックパルスは、低電力モードに従った動作の間、一次側フライバック操作回路に、デューティサイクルに従って、第1の振幅を含んでいる第1の操作信号を出力させるように構成されており、さらに、一次側コントローラは、一次側フライバック操作回路に、1つまたは複数のクロックパルスを出力するように構成されており、1つまたは複数のクロックパルスは、高電力モードに従った動作の間、一次側フライバック操作回路に、デューティサイクルに従って、第1の振幅よりも大きい第2の振幅を含んでいる第2の操作信号を出力させるように構成されており、さらに、一次側コントローラは、サイクルスキップ電力モードに従った動作の間、一次側フライバック操作回路に、1つまたは複数のクロックサイクルの間の出力をスキップさせるために、1つまたは複数のクロックサイクルの間、一次側フライバック操作回路への1つまたは複数のクロックパルスの出力をスキップするように構成されている、例2から5までのいずれか1例記載のコントローラ。
【0085】
例7:一次側フライバック操作回路は、パルス幅変調回路と、パルス幅変調回路の出力側に動作可能に結合されているゲートドライバと、を含んでいる、例6記載のコントローラ。
【0086】
例8:フライバック電力コンバータの二次側出力の電気的特性は、第1の電気的特性を含んでおり、一次側フライバック操作回路は、フライバック電力コンバータの二次側出力の電気的特性の目標値を達成するために、フライバック電力コンバータの一次側出力を操作するように構成されており、一次側コントローラは、さらに、フライバック電力コンバータの一次側出力に電力を蓄積するために、一次側フライバック操作回路を有効化し、フライバック電力コンバータの一次側の第2の電気的特性を検出し、検出された第2の電気的特性の値が所定の閾値よりも大きいとの判定に応じて、クロックサイクルの間、一次側フライバック操作回路を無効化して、電力をフライバック電力コンバータの二次側出力に転送するように構成されている、例1から7までのいずれか1例記載のコントローラ。
【0087】
例9:選択された電力モードを指定する制御メッセージは、ヘッダフレームと、選択された電力モードと、チェックサムと、を含んでいる、例1から8までのいずれか1例記載のコントローラ。
【0088】
例10:一次側コントローラは、クロック周波数を含んでおり、選択された電力モードを指定する制御メッセージを伝送するために、二次側コントローラは、一次側コントローラのクロック周波数よりも少ない周波数(頻度)で、選択された電力モードを指定する2ビットを含んでいる制御メッセージを伝送するように構成されている、例1から9までのいずれか1例記載のコントローラ。
【0089】
例11:コントローラの電源オンまたは通信チャネルにおける障害のうちのいずれかで、一次側コントローラは、一次側フライバック操作回路を制御して、フライバック電力コンバータの一次側出力を安全電力モードに従って操作するように構成されており、安全電力モードに従った動作の間、一次側コントローラは二次側コントローラから制御メッセージを受信せず、二次側コントローラから制御メッセージを受信した後、一次側コントローラは、安全モードに従ってフライバック電力コンバータの一次側出力を操作するための一次側フライバック操作回路の制御から、複数の電力モードのうちの選択された電力モードに従ってフライバック電力コンバータの一次側出力を操作するための一次側フライバック操作回路の制御に切り替えるように構成されている、例1から10までのいずれか1例記載のコントローラ。
【0090】
例12:フライバック電力コンバータの二次側出力の電気的特性は、フライバック電力コンバータの二次側出力の電圧または電流のうちのいずれかを含んでいる、例1から11までのいずれか1例記載のコントローラ。
【0091】
例13:第1の半導体ダイは一次側回路を含んでおり、第2の半導体ダイは二次側回路を含んでおり、通信チャネルは第1の半導体ダイと第2の半導体ダイとの間の高電圧絶縁チャネルを含んでおり、単一のパッケージは第1の半導体ダイ、第2の半導体ダイおよび高電圧絶縁チャネルを含んでいる、例1から12までのいずれか1例記載のコントローラ。
【0092】
例14:方法であって、フライバック電力コンバータ用のコントローラの二次側回路の二次側コントローラによって、フライバック電力コンバータの二次側出力の電気的特性を検出すること、二次側コントローラによって、検出された電気的特性に基づいて、複数の電力モードの中から電力モードを選択すること、二次側コントローラによって、通信チャネルを介して、選択された電力モードを指定する制御メッセージを伝送すること、コントローラの一次側回路の一次側コントローラによって、通信チャネルを介して、選択された電力モードを指定する制御メッセージを受信することを含んでおり、一次側回路は二次側回路から絶縁されており、この方法はさらに、一次側コントローラによって、フライバック電力コンバータの二次側出力の電気的特性の値を制御するために、一次側回路の一次側フライバック操作回路を制御して、選択された電力モードに従ってフライバック電力コンバータの一次側出力を操作することを含んでいる。
【0093】
例15:複数の電力モードは、少なくとも、低電力モード、高電力モードおよびサイクルスキップ電力モードを含んでいる、例14記載の方法。
【0094】
例16:複数の電力モードの中から電力モードを選択することは、検出された電気的特性の値が第1の所定の閾値未満であるとの判定に応じて、高電力モードを選択すること、検出された電気的特性の値が第2の所定の閾値よりも大きい値から第2の所定の閾値以下の値に移行しているとの判定に応じて、低電力モードを選択すること、および検出された電気的特性の値が第2の所定の閾値よりも大きいとの判定に応じて、サイクルスキップ電力モードを選択することを含んでいる、例15記載の方法。
【0095】
例17:一次側フライバック操作回路を制御して、選択された電力モードに従ってフライバック電力コンバータの一次側出力を操作することは、一次側フライバック操作回路に、1つまたは複数のクロックパルスを出力することを含んでおり、1つまたは複数のクロックパルスは、低電力モードに従った動作の間、一次側フライバック操作回路に、デューティサイクルに従って、第1の振幅を含んでいる第1の操作信号を出力させるように構成されており、一次側フライバック操作回路に、1つまたは複数のクロックパルスを出力することを含んでおり、1つまたは複数のクロックパルスは、高電力モードに従った動作の間、一次側フライバック操作回路に、デューティサイクルに従って、第1の振幅よりも大きい第2の振幅を含んでいる第2の操作信号を出力させるように構成されており、サイクルスキップ電力モードに従った動作の間、一次側フライバック操作回路に、1つまたは複数のクロックサイクルの間の出力をスキップさせるために、1つまたは複数のクロックサイクルの間、一次側フライバック操作回路への1つまたは複数のクロックパルスの出力をスキップすることを含んでいる、例16記載の方法。
【0096】
例18:フライバック電力コンバータの二次側出力の電気的特性は、第1の電気的特性を含んでおり、この方法はさらに、一次側フライバック操作回路によって、フライバック電力コンバータの二次側出力の電気的特性の目標値を達成するために、フライバック電力コンバータの一次側出力を操作すること、一次側コントローラによって、フライバック電力コンバータの一次側出力に電力を蓄積するために、一次側フライバック操作回路を有効化すること、一次側コントローラによって、フライバック電力コンバータの一次側の第2の電気的特性を検出し、検出された第2の電気的特性の値が所定の閾値よりも大きいとの判定に応じて、一次側コントローラによって、クロックサイクルの間、一次側フライバック操作回路を無効化して、電力をフライバック電力コンバータの二次側出力に転送することを含んでいる、例16または17記載の方法。
【0097】
例19:一次側コントローラはクロック周波数を含んでおり、選択された電力モードを指定する制御メッセージを伝送することは、一次側コントローラのクロック周波数より低い周波数(頻度)で、選択された電力モードを指定する2ビットを含んでいる制御メッセージを伝送することを含んでいる、例16から18までのいずれか1例記載の方法。
【0098】
例20:フライバック電力コンバータの一次側出力を操作するように構成されているゲートドライバと、フライバック電力コンバータ用のコントローラと、を含むシステムであって、コントローラは、二次側回路と、二次側回路から絶縁されている一次側回路と、を含んでおり、二次側回路は二次側コントローラを含んでおり、二次側コントローラは、フライバック電力コンバータの二次側出力の電気的特性を検出し、検出された電気的特性に基づいて、複数の電力モードの中から電力モードを選択し、通信チャネルを介して、選択された電力モードを指定する制御メッセージを伝送するように構成されており、一次側回路は一次側コントローラを含んでおり、一次側コントローラは、通信チャネルを介して、選択された電力モードを指定する制御メッセージを受信し、フライバック電力コンバータの二次側出力の電気的特性の値を制御するために、ゲートドライバを制御して、選択された電力モードに従ってフライバック電力コンバータの一次側出力を操作するように構成されている。
【0099】
本開示に記載されている技術は、少なくとも部分的に、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはそれらの任意の組み合わせで実装されてよい。例えば、記載された技術の様々な態様は、1つまたは複数のプロセッサ内に実装されてよく、1つまたは複数のプロセッサは、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他の任意の等価の集積論理回路または離散論理回路を含み、またそのような構成要素の任意の組み合わせを含んでいる。用語「プロセッサ」または「処理回路」は、一般的に、上述した論理回路のいずれかを、単独でまたは他の論理回路と組み合わせて指すことができ、または他の等価の回路を指すことができる。ハードウェアを含む制御ユニットは、本開示の技術のうちの1つまたは複数を実施してもよい。
【0100】
そのようなハードウェア、ソフトウェアおよびファームウェアは、本開示に記載されている種々の動作および機能をサポートするために、同じデバイス内または別々のデバイス内で実装されてよい。これに加え、記載されたユニット、モジュールまたは構成要素のいずれも、一緒にまたは別個であるが相互運用性のあるロジックデバイスとして別々に実装されてよい。モジュールまたはユニットとしての種々の特徴の描写は、種々の機能的態様を強調することを意図したものであり、必ずしもこのようなモジュールまたはユニットが別個のハードウェアまたはソフトウェアコンポーネントによって実現されなければならないことを意味するものではない。むしろ、1つ以上のモジュールまたはユニットに関連する機能は、別個のハードウェアコンポーネントまたはソフトウェアコンポーネントによって実施されてよい、または共通のまたは別個のハードウェアコンポーネントまたはソフトウェアコンポーネント内に統合されてよい。
【0101】
本開示に記載されている技術が、命令を含む、コンピュータ可読記憶媒体のようなコンピュータ可読媒体において具現化または符号化されてもよい。コンピュータ可読記憶媒体において組み込まれるか、または符号化された命令は、例えば命令が実行されるときに、プログラマブルプロセッサまたは他のプロセッサに方法を実施させることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、電子消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、ハードディスク、CD-ROM、フロッピーディスク、カセット、磁気媒体、光学媒体または他のコンピュータ可読媒体を含んでいてよい。
【0102】
種々の例が記載されている。これらの例および他の例は、以下の特許請求の範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】