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特開2022-99313局所異常心室興奮(LAVA)信号を含む遅延電位のアノテーション
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  • 特開-局所異常心室興奮(LAVA)信号を含む遅延電位のアノテーション 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022099313
(43)【公開日】2022-07-04
(54)【発明の名称】局所異常心室興奮(LAVA)信号を含む遅延電位のアノテーション
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/367 20210101AFI20220627BHJP
   A61B 5/366 20210101ALI20220627BHJP
   A61B 5/343 20210101ALI20220627BHJP
【FI】
A61B5/367
A61B5/366
A61B5/343
【審査請求】未請求
【請求項の数】26
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021206811
(22)【出願日】2021-12-21
(31)【優先権主張番号】17/130,018
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】レファエル・イタ
(72)【発明者】
【氏名】ナタン・シャロン・カッツ
(72)【発明者】
【氏名】ヤロン・カドシ
(72)【発明者】
【氏名】ガル・ハヤム
(72)【発明者】
【氏名】エラド・ナカル
(72)【発明者】
【氏名】タル・ハイム・バル-オン
(72)【発明者】
【氏名】エリヤフ・ラブナ
(72)【発明者】
【氏名】リオール・ボッツァー
(72)【発明者】
【氏名】ヨアヴ・ベナロヤ
(72)【発明者】
【氏名】ヌーノ・ミゲル・ローシャ・コルテス-ディアス
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127GG02
4C127GG05
4C127HH13
4C127LL08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】心臓内の電気的伝播の評価方法を提供する。
【解決手段】方法は、患者の心臓内の位置において一対のバイポーラ電極22によって感知された信号を受信することを含む。1つ又は2つ以上の心電図(ECG)信号は、受信され、患者に取り付けられた外部電極24によって感知される。2つ又は3つ以上の連続するQRS群は、バイポーラ信号において識別される。1つ又は2つ以上の興奮は、識別されたQRS群に対して少なくとも所与の時間を開始する関心対象ウィンドウ内で発生する、バイポーラ信号で検出される。(i)興奮が、ECG信号において観察された事象と一致しないかどうか、及び(ii)興奮が、連続するQRS群において反復可能であるかどうかの検証によって、検出された興奮が遅延電位か否か確認される。検出された興奮のうちの少なくとも1つが遅延電位であると決定することに応答して、遅延電位の最新のものはユーザに可視化される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異常心室興奮信号を含む遅延電位のアノテーションのための装置であって、
インターフェースであって、
患者の心臓内の位置において一対の電極によって感知されたバイポーラ信号を受信し、
前記患者に取り付けられた1つ又は2つ以上の身体表面電極によって感知された1つ又は2つ以上の心電図(ECG)信号を受信するように構成されている、インターフェースと、
プロセッサであって、
前記バイポーラ信号において、2つ又は3つ以上の連続するQRS群を識別し、
前記バイポーラ信号において、識別された前記QRS群に対して少なくとも所与の時間を開始する関心対象ウィンドウ内で発生する1つ又は2つ以上の興奮を検出し、
(i)前記1つ又は2つ以上の興奮が、前記1つ又は2つ以上のECG信号において観察された既定の事象と一致しないかどうか、及び(ii)前記1つ又は2つ以上の興奮が、前記連続するQRS群において反復可能であるかどうかを検証することによって、検出された前記1つ又は2つ以上の興奮が遅延電位であるかどうかを確認し、かつ
検出された前記1つ又は2つ以上の興奮のうちの少なくとも1つが遅延電位であると決定することに応答して、前記1つ又は2つ以上の遅延電位のうちの前記少なくとも1つのうちの最新のものをユーザに可視化するように構成されている、プロセッサと、を備える、装置。
【請求項2】
前記プロセッサが、電気生理学的(EP)マップ上に、前記心臓内の前記一対の電極の前記位置に関連して、前記最新の遅延電位をグラフィカルに示すことによって、前記最新の遅延電位を可視化するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プロセッサが、前記最新の遅延電位をアノテーションすることによって前記最新の遅延電位を可視化するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記既定の事象が、前記1つ又は2つ以上のECG信号に見られる興奮を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記既定の事象が、前記1つ又は2つ以上のECG信号に見られる分画分割を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記1つ又は2つ以上の興奮が少なくとも所与の数の心臓周期において再発するかどうかを検証することによって、前記1つ又は2つ以上の興奮が反復可能であるかどうかを検証するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、パターンマッチングを使用することによって、前記1つ又は2つ以上の興奮が再発するかどうかを検証するように構成されている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記最新の遅延電位が、局所異常心室活動(LAVA)信号を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記プロセッサが、濾過を適用して前記バイポーラ信号を平滑化することと、平滑化された前記バイポーラ信号において、所与の閾値を上回る振幅を有する1つ又は2つ以上の興奮を検出することとによって、前記興奮を検出するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
受信された前記バイポーラ信号が、カテーテル電極によって取得された心室バイポーラ信号を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記インターフェースが、前記位置でユニポーラ信号を受信するように更に構成され、前記プロセッサが、
前記ユニポーラ信号において、2つ又は3つ以上の連続するQRS群を識別し、
前記ユニポーラ信号において、識別された前記QRS群に対して少なくとも所与の時間を開始する関心対象ウィンドウ内で発生する1つ又は2つ以上の興奮を検出し、
(i)前記1つ又は2つ以上の興奮が、前記1つ又は2つ以上のECG信号において観察された既定の事象と一致しないかどうか、及び(ii)前記1つ又は2つ以上の興奮が、前記連続するQRS群において反復可能であるかどうかを検証することによって、検出された前記1つ又は2つ以上の興奮が遅延電位であるかどうかを確認し、かつ
検出された前記1つ又は2つ以上の興奮のうちの少なくとも1つが遅延電位であると決定することに応答して、前記1つ又は2つ以上の遅延電位のうちの前記少なくとも1つのうちの最新のものをユーザに可視化するように更に構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、検出された前記1つ又は2つ以上の興奮が遅延電位であるかどうかをリアルタイムで確認するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記プロセッサが、前記信号を識別すること、検出すること、確認すること、決定すること、及び可視化することに使用されるパラメータを修正するように更に構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
異常心室興奮信号を含む遅延電位のアノテーションのための方法であって、
患者の心臓内の位置において一対の電極によって感知されたバイポーラ信号を受信することと、
前記患者に取り付けられた1つ又は2つ以上の身体表面電極によって感知された1つ又は2つ以上の心電図(ECG)信号を受信することと、
前記バイポーラ信号において、2つ又は3つ以上の連続するQRS群を識別することと、
前記バイポーラ信号において、識別された前記QRS群に対して少なくとも所与の時間を開始する関心対象ウィンドウ内で発生する1つ又は2つ以上の興奮を検出することと、
(i)前記1つ又は2つ以上の興奮が、前記1つ又は2つ以上のECG信号において観察された既定の事象と一致しないかどうか、及び(ii)前記1つ又は2つ以上の興奮が、前記連続するQRS群において反復可能であるかどうかを検証することによって、検出された前記1つ又は2つ以上の興奮が遅延電位であるかどうかを確認することと、
検出された前記1つ又は2つ以上の興奮のうちの少なくとも1つが遅延電位であると決定することに応答して、前記1つ又は2つ以上の遅延電位のうちの前記少なくとも1つのうちの最新のものをユーザに可視化することと、を含む、方法。
【請求項15】
前記最新の遅延電位を可視化することが、電気生理学的(EP)マップ上に、前記心臓内の前記一対の電極の前記位置に関連して、前記最新の遅延電位をグラフィカルに示すことを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記最新の遅延電位を可視化することが、前記最新の遅延電位をアノテーションすることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記既定の事象が、前記1つ又は2つ以上のECG信号に見られる興奮を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記既定の事象が、前記1つ又は2つ以上のECG信号に見られる分画分割を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記1つ又は2つ以上の興奮が反復可能であるかどうかを検証することが、前記1つ又は2つ以上の興奮が少なくとも所与の数の心臓周期において再発するかどうかを検証することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記1つ又は2つ以上の興奮が再発するかどうかを検証することが、パターンマッチングを使用することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記最新の遅延電位が、局所異常心室活動(LAVA)信号を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記興奮を検出することが、濾過を適用して前記バイポーラ信号を平滑化することと、平滑化された前記バイポーラ信号において、所与の閾値を上回る振幅を有する1つ又は2つ以上の興奮を検出することと、を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
受信された前記バイポーラ信号が、カテーテル電極によって取得された心室バイポーラ信号を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項24】
前記位置でユニポーラ信号を受信し、前記ユニポーラ信号において、2つ又は3つ以上の連続するQRS群を識別することと、
前記ユニポーラ信号において、識別された前記QRS群に対して少なくとも所与の時間を開始する関心対象ウィンドウ内で発生する1つ又は2つ以上の興奮を検出することと、
(i)前記1つ又は2つ以上の興奮が、前記1つ又は2つ以上のECG信号において観察された既定の事象と一致しないかどうか、及び(ii)前記1つ又は2つ以上の興奮が、前記連続するQRS群において反復可能であるかどうかを検証することによって、検出された前記1つ又は2つ以上の興奮が遅延電位であるかどうかを確認することと、
検出された前記1つ又は2つ以上の興奮のうちの少なくとも1つが遅延電位であると決定することに応答して、前記1つ又は2つ以上の遅延電位のうちの前記少なくとも1つのうちの最新のものをユーザに可視化することと、を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項25】
検出された前記1つ又は2つ以上の興奮が遅延電位であるかどうかを確認することが、リアルタイムで実行される、請求項14に記載の方法。
【請求項26】
前記信号を識別すること、検出すること、確認すること、決定すること、及び可視化することに使用されるパラメータを修正することを含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して電気生理学的(electrophysiological、EP)信号に関し、具体的には、心臓内の電気的伝播の評価のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
局所興奮時間(local activation time、LAT)を決定するための電気生理学的信号のアノテーションは、特許文献に従前に示唆されていた。例えば、米国特許出願公開第2016/0128785号は、患者又は被験者の不整脈発生性回路を識別するためのシステム及び方法の様々な実施形態を記載している。一実施形態では、本方法は、心室頻拍(ventricular tachycardia、VT)を誘発するために追加の刺激を用いてプログラムされた心室ペーシングを実行しながら、心臓の様々な位置で記録された電位図のデータを取得することと、記録された電位図を使用して、心臓の少なくとも2つの異なる位置の減少値を取得することと、減少値を使用して減少マップの少なくとも一部分を生成することと、有意な減少特性を有する電位図に基づいて不整脈発生性回路を識別することと、を含む。QRS群の終了後に概して発生する局所電位(興奮)である遅延電位は、繰り返しペーシング又は洞調律拍動から再現可能なタイミングで、再現可能に見られる。異常電位は、QRS群内で頻繁に見ることができる(これらは、「左心室異常局所興奮」、又は局所異常心室活動(local abnormal ventricular activity、LAVA)という用語を作り出した)。ここでの問題は、操作者の明白な主観、及びこれらの信号が非特異的標的であるリスクであるため、リエントラントVTを誘導又は維持する特性を有さない部位における過剰なアブレーションを危険にする。したがって、洞調律(sinus rhythm、SR)中の遅延電位の領域、並びに心内膜及び心外膜表面の両方におけるペーシングもまた、研究において特徴付けられた。色分けされた基質マップは、SR及び心室ペーシング中に瘢痕マッピング及び遅延電位(late potentials、LP)マッピングを適用して、作成された。LPの領域は、表面QRSの終了後の任意の局所活動として定義された。非常遅延電位(Very late potentials、VLP)は、表面ECG QRSの端部から50msを超える局所活動として定義された。
【0003】
別の例として、米国特許出願公開第2017/0156612号は、電気解剖学的マッピングシステムに組み込まれたLAVA検出及び分析モジュールを使用することによるなど、心臓活動(例えば、心臓電位図)が局所異常心室活動(LAVA)についてどのように分析されるかを記載している。モジュールは、スカログラム(scalogram)として計算するために、電位図信号をウェーブレット領域に変換し、スカログラムの1次元のLAVA関数を計算し、LAVA関数における1つ又は2つ以上のピークを検出し、電位図信号のピーク間振幅を計算する。ピーク間振幅が事前設定された振幅閾値を超えない場合、次いで、モジュールは、LAVA関数で検出された1つ又は2つ以上のピークのうちの1つと、電位図信号のLAVA確率パラメータを使用して、電位図信号の1つ又は2つ以上のLAVA遅延パラメータを計算することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下に記載される本発明の実施形態は、患者の心臓内の位置において一対の電極によって感知されたバイポーラ信号を受信することを含む方法を提供する。1つ又は2つ以上の心電図(electrocardiogram、ECG)信号は、患者に取り付けられた1つ又は2つ以上の身体表面電極によって感知され、受信される。2つ又は3つ以上の連続するQRS群は、バイポーラ信号において識別される。1つ又は2つ以上の興奮は、識別されたQRS群に対して少なくとも所与の時間を開始する関心対象ウィンドウ内で発生する、バイポーラ信号において検出される。(i)1つ又は2つ以上の興奮が、1つ又は2つ以上のECG信号において観察された既定の事象と一致しないかどうか、及び(ii)1つ又は2つ以上の興奮が、連続するQRS群において反復可能であるかどうかを検証することによって、検出された1つ又は2つ以上の興奮が遅延電位であるかどうかが確認される。検出された1つ又は2つ以上の興奮のうちの少なくとも1つが遅延電位であると決定することに応答して、1つ又は2つ以上の遅延電位のうちの少なくとも1つのうちの最新のものは、ユーザに可視化される。
【0005】
いくつかの実施形態では、最新の遅延電位を可視化することは、電気生理学的(EP)マップ上に、心臓内の一対の電極の位置に関連して、最新の遅延電位をグラフィカルに示すことを含む。他の実施形態では、最新の遅延電位を可視化することは、最新の遅延電位をアノテーションすることを含む。
【0006】
実施形態では、既定の事象は、1つ又は2つ以上のECG信号に見られる興奮を含む。別の実施形態では、既定の事象は、1つ又は2つ以上のECG信号に見られる分画分割を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の興奮が反復可能であるかどうかを検証することは、1つ又は2つ以上の興奮が少なくとも所与の数の心臓周期において再発するかどうかを検証することを含む。他の実施形態では、1つ又は2つ以上の興奮が再発するかどうかを検証することは、パターンマッチングを使用することを含む。
【0008】
実施形態では、最新の遅延電位は、局所異常心室活動(LAVA)信号を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、興奮を検出することは、濾過を適用してバイポーラ信号を平滑化することと、平滑化されたバイポーラ信号において、所与の閾値を上回る振幅を有する1つ又は2つ以上の興奮を検出することと、を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、受信されたバイポーラ信号は、カテーテル電極によって取得された心室バイポーラ信号を含む。
【0011】
実施形態では、方法は、位置でユニポーラ信号を受信し、ユニポーラ信号において、2つ又は3つ以上の連続するQRS群を識別することを更に含む。1つ又は2つ以上の興奮は、識別されたQRS群に対して少なくとも所与の時間を開始する関心対象ウィンドウ内で発生する、ユニポーラ信号において検出される。(i)1つ又は2つ以上の興奮が、1つ又は2つ以上のECG信号において観察された既定の事象と一致しないかどうか、及び(ii)1つ又は2つ以上の興奮が、連続するQRS群において反復可能であるかどうかを検証することによって、検出された1つ又は2つ以上の興奮が遅延電位であるかどうかが確認される。検出された1つ又は2つ以上の興奮のうちの少なくとも1つが遅延電位であると決定することに応答して、1つ又は2つ以上の遅延電位のうちの少なくとも1つのうちの最新のものは、ユーザに可視化される。
【0012】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の検出された興奮が遅延電位であるかどうかを確認することは、リアルタイムで実行される。
【0013】
いくつかの実施形態では、方法は、信号を識別すること、検出すること、確認すること、決定すること、及び可視化することに使用されるパラメータを修正することを更に含む。
【0014】
本発明の別の実施形態によれば、インターフェース及びプロセッサを含む装置が追加的に提供される。インターフェースは、患者の心臓内の位置において一対の電極によって感知されたバイポーラ信号を受信し、患者に取り付けられた1つ又は2つ以上の身体表面電極によって感知された1つ又は2つ以上の心電図(ECG)信号を受信するように構成されている。プロセッサは、(i)バイポーラ信号において、2つ又は3つ以上の連続するQRS群を識別し、(ii)ユニポーラ信号において、識別されたQRS群に対して少なくとも所与の時間を開始する関心対象ウィンドウ内で発生する1つ以上の興奮を検出し、(iii)(a)1つ又は2つ以上の興奮が、1つ又は2つ以上のECG信号において観察された既定の事象と一致しないかどうか、及び(b)1つ又は2つ以上の興奮が、連続するQRS群において反復可能であるかどうかを検証することによって、検出された1つ以上の興奮が遅延電位であるかどうかを確認し、かつ(iv)検出された1つ又は2つ以上の興奮のうちの少なくとも1つが遅延電位であると決定することに応答して、1つ又は2つ以上の遅延電位のうちの少なくとも1つのうちの最新のものをユーザに可視化するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
以下の本開示の実施形態の詳細な説明を図面と併せ読むことで、本開示のより完全な理解が得られるであろう。
図1】本発明の例示的実施形態による、カテーテルベースの電気生理学的(EP)マッピングシステムの概略描写図である。
図2】本発明の実施形態による、バイポーラ信号上にアノテートされた心室興奮を有する、図1のシステムを使用して記録された身体表面心電図(ECG)及びバイポーラ心内電位図のグラフである。
図3】本発明の実施形態による、局所異常心室活動(LAVA)を識別及びアノテートするために分析されたバイポーラ電位図及び心電図(ECG)信号のグラフである。
図4】本発明の例示的実施形態による、バイポーラ電位図における異常な(aberrant)心室活動の検出のための方法及びアルゴリズムを概略的に示すフローチャートである。
図5A】本発明の例示的な実施形態による、完全な正常組織及び部分的に異常な組織をそれぞれ示す、心室の電気生理学的(EP)マップの概略描写立体表現(volume rendering)である。
図5B】本発明の例示的な実施形態による、完全な正常組織及び部分的に異常な組織をそれぞれ示す、心室の電気生理学的(EP)マップの概略描写立体表現(volume rendering)である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
概論
心室頻拍(VT)は、心臓の下室(心室)における異常な電気信号によって引き起こされる心リズム障害(不整脈)である。VTは、瘢痕組織などの心室組織における局所電気生理学的(EP)伝導欠陥によって引き起こされ得る。例えばアブレーションによってこのような不整脈発生部位を見つけて治療するために、心室は、VTを引き起こし得る異常な組織位置を識別するために、ペーシングされ、カテーテルを使用してEPマッピングされ得る。
【0017】
具体的には、EPマッピングは、瘢痕の全領域にわたって瘢痕組織をアブレーションするのに有用であることが判明している、「瘢痕均質化」と呼ばれる治療アプローチのサポートで行われる。アブレーション的治療の背後にある動機は、生じた瘢痕内で生存する、不十分に連結された心室組織繊維を標的とすることである。これらの束は、局所異常心室活動(LAVA)を生成すると見なされ、VTの原因となると考えられる。この目標を達成するために、瘢痕組織のEPマッピング、続いて瘢痕均質化は、全ての識別されたLAVAを排除するために最適な手順の端点であるように見える。
【0018】
しかしながら、VTを有する一部の患者は、拡張カテーテルEPマッピング処置に耐えることができず、これは、心室をEPマップして後にVTを治療する能力を制限する。複雑な事柄として、心室組織内の伝導欠陥の位置の効率的な識別は、少なくとも2つの理由から特に困難である。
・強い心室EP活動(QRS群によるEP信号に現れる)は、特定の局所心室部位からの小さな異常EP信号をマスクし得る。
・その一部のみが臨床的に重要な、主要な(QRS)興奮と関連してバイポーラ心内信号に見られる1つを超える異常興奮が存在し得る。
【0019】
かかる理由のため、不整脈発生性心室の位置のEPマップ生成のためにアノテートされるべき異常興奮は、ユーザによって喪失され得る。
【0020】
以下に記載される本発明の実施形態は、記録されたバイポーラ及びユニポーラ心室信号を含む記録された心室信号を自動的に分析し、心室のEPマップ上に提示するためのLAVAを識別することができるバイポーラ又はユニポーラ心室信号における遅延電位をアノテートする方法及びシステムを提供する。
【0021】
EP活動の好適により静かなバックグラウンドに対していくつか見られる、これらの遅延電位は、開示された方法によって、より一貫して及び効率的に分析され得る。
【0022】
開示された自動分析は、(QRS群の)主要な興奮ポイントがアノテートされた後に適用される、2つのアルゴリズムを使用する。アルゴリズムは、関連しており、一方は、一般的な遅延電位(LP)検出アルゴリズムであり、他方は、例えば、分析における細分化QRS群を考慮することによって、LAVAをより堅牢に検出するように調整された一般的なLPアルゴリズムである。例えば、LAVAアルゴリズムは、ECG信号上に見られる分画分割と一致すると見なされるバイポーラ興奮を排除する。
【0023】
LP及びLAVAアルゴリズムは、スキャンポイントが主要なアノテーションポイントに一致するまで、主要なアノテーション後の遅い時間(すなわち、グラフの右)から短い時間(すなわち、グラフの左)に電位図波形をスキャンする。アルゴリズムは、医師によって設定された関心対象ウィンドウ(window of interest、WOI)内で右から左に探索し、遅延興奮候補を検索する。LP及びLAVAアルゴリズムは、最新のバイポーラ興奮候補を選択し、これは、従前の拍動及び/又は第2の従前の拍動と一貫性がある(すなわち、時間的安定性の尺度を有する)、また同じ活動タイプであると決定され得る(したがって、カテーテルの機械的に誘発される心室収縮を克服する)、興奮などの特定の基準を満たし、比較された拍動に一貫している(例えば、またそこで発生している)WOIにおける最新の興奮を選択する。
【0024】
実施形態では、プロセッサは、時間的に連続するバイポーラ信号及びユニポーラ信号を分析し、遅延が発生するバイポーラ興奮が候補として決定され、予め定められた心臓周期に沿ってそれ自体を繰り返す場合、プロセッサは、例えば、興奮をアノテーションすることによって、恐らくは異常な局所的心室活動の発生としてそのような信号を示す。プロセッサが、1つ又は2つ以上の検出された興奮が遅延電位であると決定した場合、プロセッサは、(例えば、EPマップ上に)検出された電位のうちの少なくとも1つの最新のもののみを、LP電位としてユーザに可視化する。
【0025】
追加的に、安定性はまた、現在の拍動のECG信号形態(身体表面パッチから測定されたもの)を従前の拍動と比較することによっても測定され得る。換言すれば、ECG信号によって提供される拍動は、バイポーラ及びモノポーラ心内信号からの遅延異常興奮を決定するために、一貫している(及び、同じチャンバ興奮シーケンスを有する暗示による)べきである。
【0026】
任意選択的に、効率を高めるために、WOIは、WOIの右側境界から主要なアノテートされた興奮のすぐ右にある領域を含むように、(医師によって)狭窄される。これは、局所的信号が、心室内にマッピングカテーテルが位置付けられる場所に応じて時間的に移動することを前提として、特定の心室組織領域上でアルゴリズムを焦点合わせする。
【0027】
開示されたアルゴリズムは、関心対象の特殊な電圧ウィンドウ(V-WOIとも呼ばれる)内の振幅の測定を使用してバイポーラ信号をフィルタリングする。この振幅測定ウィンドウは、低減されたQRS振幅と比較して、非常に制限された振幅である、mVにおける局所信号の振幅を定義する。低減された振幅ウィンドウは、アノテーションのいずれかの側を探索して、信号の「静かな」領域を検索することによって(「静かな」区域を検索する際にどれだけ遠くに行くかを制限する)見つけられる。このようにして、開示されたバイポーラ信号分析アルゴリズムは、考慮からの主要な興奮(すなわち、QRS)を排除する。
【0028】
典型的には、プロセッサは、プロセッサが、上で概略を述べたプロセッサ関連工程及び機能の各々を実施することを可能にする、特定のアルゴリズムを含むソフトウェアにプログラム化されている。
【0029】
異常な心室活動を検出するための開示された方法は、診断的価値の自動分析を医師が実施することを可能にすることによって、診断的カテーテル法の安全性及び価値を改善し得る。
【0030】
システムの説明
図1は、本発明の例示的実施形態による、カテーテルベースの電気生理学的(EP)マッピングシステム21の概略描写図である。図1は、患者25の心臓23の電気解剖学的マッピングを実行するために電気解剖学的マッピングカテーテル29を使用している医師27を図示している。マッピングカテーテル29は、その遠位端に、1つ又は2つ以上のアーム20を含み、アーム20のそれぞれは、隣接する電極22a及び22bを含むバイポーラ電極22に連結されている。
【0031】
マッピング処置中、電極22の位置は、それらが患者の心臓23内にある間に追跡される。その目的のために、電気信号が、電極22と外部電極24との間を通される。例えば、3つの外部電極24が患者の胸に連結されてもよく、別の3つの外部電極が患者の背中に連結されてもよい。(例示しやすいように、1つの外部電極しか図1に示されていない)。
【0032】
信号に基づいて、及び患者の身体上の電極24の既知の場所を考慮して、プロセッサ28は、患者の心臓内の各電極22の推定される位置を計算する。バイポーラ電位図トレースなどのそれぞれのEPデータは、電極22を使用することによって心臓23の組織から追加的に取得される。こうして、プロセッサは、バイポーラEP信号などの電極22から受信された任意の所与の信号を、信号が取得された位置と関連付け得る。プロセッサ28は、電気的インターフェース35を介して結果的に得られた信号を受信し、これらの信号に含まれる情報を使用して、電気生理学的マップ31及びECGトレース40を構築し、これらをディスプレイ26上に提示する。
【0033】
プロセッサ28は、典型的には、本明細書に記載されている機能を実行するようにプログラムされたソフトウェアと共に汎用コンピュータを備える。ソフトウェアは、例えばネットワーク上で、コンピュータに電子形態でダウンロードすることができる、あるいは代替的に又は追加的に、磁気メモリ、光学メモリ、若しくは電子メモリなどの、非一時的実体的媒体上に提供及び/又は記憶することができる。特に、プロセッサ28は、図4に含まれている本明細書に開示される専用のアルゴリズムを実施し、これは、以下で更に記載されるように、プロセッサ28が本開示の工程を行うことを可能にする。
【0034】
図1に示されている例示は、単に概念を分かりやすくする目的で選択されている。Lasso(登録商標)カテーテル(Biosense Webster,Inc.,Irvine,Californiaにより製造されている)などの、他のタイプの電気生理学的検知カテーテル幾何形状が採用されてもよい。追加的に、接触センサは、マッピングカテーテル29の遠位端に装着され、組織との電極接触の物理的品質を示すデータを伝送してもよい。実施形態では、1つ又は2つ以上の電極22の測定値は、その物理的接触品質が悪いと示される場合に廃棄され得るが、他の電極の測定値は、その接触品質が十分であると示される場合に有効と見なされ得る。
【0035】
局所異常心室興奮(LOCAL ABNORMAL VENTRICULAR ACTIVATION、LAVA)信号を含む遅延電位のアノテーション
図2は、本発明の実施形態による、図1のシステム21を使用して記録された、身体表面心電図(ECG)60a及び60b、並びにバイポーラ心内電位図62のグラフである。身体表面信号60a及び60bは、表面体ECG電極から受信され、バイポーラ信号62は、カテーテル29の一対の電極22から受信される。遅延心室興奮63、64a、及び64bは、バイポーラ信号上にアノテートされる。バイポーラ信号66内のQRS群も、アノテートされる。
【0036】
見られるように、ECG信号とバイポーラ電位図信号との間で最も高い相関が観察される。しかしながら、バイポーラ電位図信号は、ECG信号中に対応部分を有さない遅延バイポーラ興奮の一部などの、追加の臨床的に重要な情報を含み得る。
【0037】
興奮64aは、既定の時間間隔55内にあり、間隔55内に示されるスライドWOI50を使用して識別され、全てプロセッサ28によって定義される。間隔55及びスライドWOIのパラメータは、例えば、(分析されたとき、心房ペーシングに起因して発生することが見出され、したがって無関係となる)興奮63も考慮するために、ユーザによって又はアルゴリズムによって設定されることができる。
【0038】
以下に記載される遅延電位アルゴリズム有する、スライドWOI50を使用して、プロセッサ28は、スキャンポイントが主要なアノテーションポイントに一致するまで、主要なアノテーション66後の遅い時間から短い時間までのバイポーラ電位図波形62をスキャン及び分析する。アルゴリズムは、間隔55内で右から左に探索して、遅延興奮候補を検索する。遅延電位アルゴリズムは、特定の基準を満たす最新の候補を選択する。
1.ECG信号に見られる他のものなど、無関係の活動(例えば、遠方界心室活動)ではない。
2.バイポーラ信号振幅は、予め定められた閾値を上回る。
3.興奮は、従前の拍動及び/又は次の従前の拍動と一致している(すなわち、比較された拍動にわたって一貫している信号アノテーション64bの再発によって見られるように、時間的安定性の尺度を有する)。
4.条件1~3を満たす最新のバイポーラ興奮は、WOI内で選択される。
【0039】
追加の第5の基準は、現在の拍動のECG信号形態(身体表面電極又はパッチから測定されたもの)を従前の拍動と比較することによって、安定性のために設定され得る。換言すれば、ECG信号形態(例えば、線形状)によって提供された拍動は、バイポーラ心内信号からの遅延異常興奮についての結論を引き出すことができるように、一貫しているべきである(及び同じチャンバ興奮シーケンスを意味する)。
【0040】
図2に見られるように、調査されたバイポーラ興奮63は、ECG興奮と一致し、プロセッサは、基準1を使用して、更なる考慮からバイポーラ興奮を排除する。
【0041】
基準1~4を適用することによって、プロセッサ28は、異常な心室活動(64a)を示す候補遅延興奮を識別し、アノテートする。アノテートされた信号のLAT値を計算し、EPマップ上にそれぞれの組織位置を提示するなど、プロセッサ28によって取られる追加のグラフィカル手段及び動作は、図5bに示されている。
【0042】
LP及びLAVAアルゴリズムの記載
以下のセクションは、前述のアルゴリズムの2つの変形例を記載しており、1つは、一般的な遅延電位(LP)の識別のためのものであり、1つは、遅延電位のLAVAサブグループの識別のために最適化されている。アルゴリズムは、異常な心室バイポーラ興奮を探索し、識別されると、興奮をアノテートする。追加の工程では、アルゴリズムは、アノテートされたLP/LAVAのバイポーラ振幅を計算する。
【0043】
ユーザは、一般的なアルゴリズムに影響を及ぼすいくつかの既定のパラメータを有する。
1.分析のために適格である既定の最小信号振幅(mV)。閾値は、ノイズフィルタとして使用される。
2.WOIスキャンの右側を定義する遅延電位境界(例えば、図2のWOI50のような、スライドLP-WOIを使用して考慮される間隔55の最新のデータポイント)。遅延電位境界関数は、以下の方法でマップ及びそのポイントに影響を及ぼす。
i.デフォルトでは、境界設定は、マッピング中にリアルタイムで適用される場合、マップ内の全てのポイントに影響を及ぼす。ユーザは、選択されたポイント又は選択されたポイント群のみに影響を及ぼすように、LP-WOI設定を変更し得る。
ii.複数のポイントが選択されるとき、LP-WOI境界は、調整されることができ、選択されたポイントのみに影響を及ぼす。
3.一般的なアルゴリズムは、WFフィルタに関連するアルゴリズム優先度に従って、波面(wavefront、WF)アノテーション候補の全てを見出す。この工程は、図2のアノテーション64a及び64bなどの、サンプリングされた信号の全て(例えば、いくつかの心拍の上の)アノテーションのための候補という結果になる。
【0044】
間隔の範囲を有する任意の所与のスライドLP-WOIでは、アルゴリズムは、その内部の候補の数をカウントする。数がXを上回る(例えば、X=10候補)場合、アルゴリズムは、波形を「ノイズの多い信号」として分類する。候補カウントがY(Y>X、例えば、Y=20候補)を上回る場合、アルゴリズムは、波形を「非常にノイズの多い信号」として分類する。「非常にノイズが多い」として分類された波形部分は、分析から落とされる。「ノイズの多い信号」波形については、最も強いdv/dt勾配を有する発見された候補の、最大で(例えば、10のうちの5)半分のみの波形は、アノテーションに使用される。
4.WOIは、各WFアノテーション候補を有効なLPアノテーションとしてLP境界まで評価するために、その最新の境界からスライド及びスキャンされる。有効な遅延電位アノテーションが見出される場合、それは、以下に述べられるような更なる基準を使用して確認される。通過した場合、LPアノテーション部位としてマークされ、EPマップへの追加のために取得される。
5.マッピングWOIに見出される有効なLPアノテーションが、遅延境界によって定義されると、取得された信号の従前の2つの拍動が基準を満たすかどうか確認され、従前の第1の拍動は、「拍動-1」と呼ばれ、第2の拍動は、「拍動-2」と呼ばれる。以下の基準は、2つの従前の信号について確認されるが、基準を「通過」することは、従前の拍動のうちの1つにのみ要求される。
a.パターンマッチング:2つの従前の拍動は、身体表面(body surface、BS)ECG信号を使用して定義された問題のマッピング信号のパターンを一致させるために確認される。
b.従前の拍動(拍動-1)及び1つ前(拍動-2)におけるWFアノテーション候補のタイミング:2つの従前の拍動は、同様のタイミングフレーム基準におけるWFアノテーション候補の存在について確認される。拍動-1の場合、要求される精度は、第1の時間範囲、±Δt、例えば、±10msec内であり、拍動-2の場合、要求される精度は、第1の時間範囲、Δt、典型的にはΔt>Δtであり、例えば、±Δt、±20msec内である。
6.有効なLPアノテーションが上記の2つの基準を満たすことが見出されると、アノテーション部位は、遅延電位バイポーラ振幅の開始ポイントとして使用され、以下の2つの任意のアルゴリズムを用いて、LPバイポーラ振幅を計算するために使用される。
【0045】
オプションA
i.LPアノテーション部位から、動的V-WOIが、アノテーション部位にわたって計算される。V-WOIは、最大信号振幅が測定される信号セグメントを定義するために使用される。
ii.新しいアルゴリズムは、その2つの側面上の「静かなセグメント」のアノテーション部位を探究し、Ymvよりも振幅が変化しない信号中のXmsecのセグメントを探索する(例として、現在の値を使用:X=10msec及びY=0.02msec)。
iii.アノテーション部位の両側で信号がセクション5b条件を満たす位置は、信号がピーク間最大バイポーラ振幅(mv)について測定されたセクションV-WOIの境界を定義する。最大バイポーラの測定は、V-WOI境界によって作成された内部セグメントで行われる。
【0046】
オプションB
i.アノテーション部位から各側まで、信号は、信号のピーク間振幅が測定され、定義された最小振幅「A」より小さいかどうか確認される、「T」msecのロービング(roving)セグメントを使用して、その振幅変化が探究調査される。
ii.ピーク間値が「A」よりも大きい場合、ロービングセグメントは、アノテーション部位から1msec移動し、上記の計算を実行する。プロセスは、アノテーション部位の両側で行われる。
iii.ピーク間値が「A」より小さい場合、ロービングセグメントの遠位境界は、V-WOI境界(アノテーション部位の両側で行われる)である。最小V-WOIサイズは、10msecである。
iv.ロービングセグメントが「遅延境界」又は「マッピングWOI」に到達する任意の事例について、V-WOIは、この部位で定義される。
【0047】
7.遅延境界によって定義されたLP WOIセグメントに見出される遅延電位がない場合、アノテーションは、マッピングWOIの以前のセグメントにおいて探索され、これは、マッピングWOIの以前の境界から、定義された遅延境界まで探索されることを意味する(以下を参照)。
a.このセグメントでは、従来の(legacy)アルゴリズムは、存在する場合、問題のこの信号のアノテーションである、WFアノテーション(例えば、最も強いdv/dtを有する)を見出す。
b.電圧マップの作成のために、バイポーラ振幅は、(マッピングWOIの以前の境界から、定義された遅延境界及び/又はWOIの完全範囲まで)計算され、ピーク間最大バイポーラ(mv)について測定される。
【0048】
8.問題の信号にアノテーションが見られない場合(LAT値なし(no-LATポイント)を意味する)、バイポーラ値の計算は行われず、ポイントは、電圧マップをサポートしない。
【0049】
LPポイント=有効なLPポイントであることが見出されるアルゴリズムアノテーション候補であり、LAT及び電圧マップの両方をサポートする。
【0050】
LPバイポーラ値=定義されたLP V-WOI内の最大ピーク間電圧である。
【0051】
LP信号が、遅延境界によって定義されたLP WOIに見出されない場合、
LAT LP=N/A
LAT LAVA=等しい従来のLAT(セクション5条件を満たすとき)
LAVA V-WOI=従来のV-WOI
バイポーラLAVA=LAVA V-WOI内の最大ピーク間電圧
【0052】
最適化されたLAVA探索のアルゴリズム適応
図3は、本発明の例示的な実施形態による、局所異常心室活動(LAVA)80を識別及びアノテートするために分析されたバイポーラ及びモノポーラ心電図(ECG)信号のグラフである。
【0053】
ユーザは、LAVA検出アルゴリズムに影響を及ぼすいくつかの既定のパラメータを有する。
1.LAVA信号をQRS信号のより大きい遠方界振幅と混同しないようにするため、及び一方で、定義された最小値よりも小さいノイズ信号をアノテートしないため、分析のために適格な既定の最小及び最大信号振幅(mV)。
2.従来のアノテーション後に発生する有効なLAVA信号のユーザによる既定の最小持続時間。この定義された持続時間を下回る興奮ポイントは、LAVAポイントとして分類されない。
3.アルゴリズム優先度は、WFのWFフィルタピーク間値(mV)に関する。
【0054】
候補興奮をLAVAとして分類するために、以下の更なる工程が行われる。
4.アノテートされた信号のバイポーラ値を測定するためにV-WOI82を設定すること。
5.アルゴリズムは、WOIにおけるセクション分割を使用して、WOIにおけるそれらのタイミング発生に従って、異なるLAVA信号を定義及び分類する。
-LAVA探索限界84、Below QRS分割86及び早期/遅延分割線88から始まる利用可能な分割。
-ユーザは、ポイントECGツールの先端-探索限界、LV.分割及びQRS分割で、早期/遅延分割線88をドラッグすることによって、全てのLAVA分割線を変更することが可能でなければならない。
6.アルゴリズムは、従来の信号アノテーション(例えば、QRS群の)と見つけられたLAVAアノテーションとの間の時間差(msec)を計算する。
7.WOIは、逆にスキャンされ、各波面(WF)アノテーション候補を有効なLAVAアノテーションであるかを評価し、探索限界84まで、又はLAVA信号のブランキング領域として定義されるポイントまで戻る(以下を参照)。
【0055】
回避する領域(ノイズの多い領域のブランキング)の場合、アルゴリズムは、WOIの前に、スキップされたブランキング領域の後にスキャンし続けて有効なLAVA信号を見つける。
8.見つかった各WFアノテーション候補は、有効なLAVA信号に対する優先度によって定義される最小及び最大絶対閾値を満たすように(定義されたWOIでは逆に)評価される。
9.見つかったLAVAアノテーション候補が、工程6における定義された時間差(msec)に等しい場合、アノテーションは、従来の信号アノテーションのアノテーションであるべきである。そうでない場合、アノテーションは、LAVAアノテーションであるべきである。
10.アルゴリズムは、各LAVAアノテーションポイントに関して、これらの優先度に従って、定義されたLAVAバイポーラWOIにおける最大ピーク間電圧を求める。
a.定義された最大ノイズ振幅及び時間セグメント(msec)に従った、LAVA信号境界(等電部)における最大ピーク間値。信号境界は、非常に低い(5msec期間にわたって0.03mv未満)として定義される。
b.アノテーションポイントを中心にして開く定義されたLAVA V-WOI。
C.アルゴリズムは、定義されたアノテーションポイント勾配ピーク間電圧に対する最小及び最大ピークを見出す。
11.工程4を通過する各WFアノテーションは、以下によって更に評価される。
【0056】
LAVA信号が見つかった場合、
LAT LAVA=有効なLAVAであることが判明したWFアルゴリズムアノテーション候補。
【0057】
バイポーラLAVA=定義されたバイポーラLAVA V-WOI内の最大ピーク間電圧。
【0058】
LAVA信号が見つからない場合
LAT LAVA=N/A
12.工程4を通過する各WFアノテーションは、以下によって更に評価される。
【0059】
LAVA信号が見つかった場合、
LAT LAVA=有効なLAVAであることが判明したWFアルゴリズムアノテーション候補。
【0060】
バイポーラLAVA=定義されたバイポーラLAVA V-WOI内の最大ピーク間電圧。
【0061】
LAVA信号が見つからない場合
LAT LAVA=N/A
LAT LAVA=等しい従来のLAT(工程6を満たすとき)
LAVA V-WOI=従来のV-WOI
バイポーラLAVA=LAVA V-WOI内の最大ピーク間電圧
【0062】
遅延電位の検出方法
図4は、本発明の例示的実施形態による、バイポーラ電位図における異常な心室活動の検出のための方法及びアルゴリズムを概略的に示すフローチャートである。提示された実施形態によるアルゴリズムは、バイポーラデータ受信工程302において、プロセッサ28がカテーテル29からバイポーラ信号(例えば、波形)を受信することから始まるプロセスを実行する。
【0063】
ECGデータ受信工程304において、プロセッサ28は、表面電極からそれぞれのECGデータを受信する。
【0064】
次に、プロセッサ28は、QRSアノテーション工程306でバイポーラ波形における2つ又は3つ以上のQRS群をアノテートする。場合によっては、QRS群をアノテートする正確なポイントがバイポーラ信号においてあまり明白でない場合、プロセッサは、ECG波形上のQRS群の同じアノテートされた位置を使用し得る。
【0065】
次に、活動タイプ確認工程307において、プロセッサ28は、上述の一般的アルゴリズムの工程5に従って、従前の拍動が、例えば、前述のパターンマッチング方法を使用して、同じ活動タイプのものであることを確認する。
【0066】
次に、プロセッサ28は、スライドWOI50を定義し、バイポーラ興奮アノテーション工程308において、アノテートされたQRS群の各々の後の少なくとも所与の時間を開始する間隔55内のバイポーラ信号における1つ又は2つ以上の興奮を検出するように上記のアルゴリズムを動作する。検出は、アルゴリズムがノイズの多い信号を分類及び不合格にするために、候補の数を計数するアルゴリズムを有することを含む(図示せず)。
【0067】
バイポーラ興奮確認工程310において、プロセッサ28は、アノテートされたバイポーラ興奮のいずれかがECG興奮と一致するかどうかを確認する。図2の興奮63に見られるように、答えがはいの場合、プロセッサは、興奮除去工程312で見られるように、更なる考慮から、このようなバイポーラ興奮を排除する。答えがいいえの場合、興奮64aで見られるように、プロセッサは、反復可能性検査工程314において、少なくとも所与の数の心臓周期に対して興奮が再発したかどうかを確認することによって、バイポーラ興奮の反復可能性を推定する(例えば、興奮64bの数をカウントすることによって)。
【0068】
確認工程316において、プロセッサ28は、残りのバイポーラ興奮の各々が工程314の基準を満たすかどうかを確認する。答えがいいえの場合、プロセッサは、工程314に戻ることによって、残りのバイポーラ興奮の各々が基準を満たすかどうかを確認する。任意選択の実施形態では、基準を満たす興奮が見つからない場合、プロセッサは、興奮排除工程312に戻ることによって、更なる考慮からバイポーラ興奮を排除する。
【0069】
答えがはいの場合、プロセッサは、遅延電位アノテーション工程318において、心室組織から開始される遅延電位(LP)として、最新の反復可能なバイポーラ興奮をアノテートする。
【0070】
最後に、プロセッサ28は、図5Bに示されるように、EPマップ生成工程320において、EPマップ上のアノテートされた遅延電位を示す。
【0071】
図4に示される例示的なフローチャートは、単に概念を明確化する目的で選択される。本実施形態はまた、複数のバイポーラ信号及びECG信号を同時に受信すること、並びに、電極の診断される組織との物理的接触の程度の指標を接触力センサから受信することなど、アルゴリズムの追加工程を含み得る。この工程及び他の可能な工程は、より単純化されたフローチャートを提供するために、本明細書における開示内容から意図的に省略されている。
【0072】
EPマップにおける正常及び異常な心室組織
図5A及び図5Bは、本発明の実施形態による、完全な正常組織及び部分的に異常な組織をそれぞれ示す、心室の電気生理学的(EP)マップ402及び404の概略描写立体表現である。
【0073】
図5A及び図5Bは、カラースケール405を使用して色分けされた局所興奮到達時間(LAT)で覆われた心室組織を示す。図において、グレースケールは、色ではなく利用されている。図5BのEPマップは、上記のLAVA検出アルゴリズムを使用して生成されたものであった。
【0074】
見られるように、図5Aの心室マップの表面組織は、正常組織が実証するように、LAT値の連続的、段階的変化として正常なEP興奮波面(WF)を示す。
【0075】
他方、図5Bの心室マップは、遅延興奮に起因してLAT値が異常に非常に長い単離領域410を示す。図5bの異常な組織領域410は、例えば、アブレーションによる前述の均質化処理を要求することになる、LAVAを生産する瘢痕組織である。
【0076】
見て分かるように、開示された技術は、医師が、異常な組織領域410に起因して発生する不整脈を排除するために、アブレーションカテーテルを使用して救命処置を必要とする心室組織領域410の発生を明確に見ることを可能にする。
【0077】
本明細書に記載される実施形態は、主に心臓診断用途に対処するが、本明細書に記載される方法及びシステムはまた、心房頻拍のような他の医療用途にも使用することができ、又は反対の鏡像アルゴリズム(最新の代わりに最も早いもの、右から左への代わりに左から右へのスライド)を実行することによって早期電位の検出に使用することもできる。
【0078】
上に記載される実施形態は例として挙げたものであり、本発明は本明細書の上記で具体的に図示及び説明されるものに限定されない点が理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、本明細書において上に記載される様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、並びに前述の記載を読むと当業者に着想されるであろう、先行技術に開示されていないその変形及び修正を含む。
【0079】
〔実施の態様〕
(1) 異常心室興奮信号を含む遅延電位のアノテーションのための方法であって、
患者の心臓内の位置において一対の電極によって感知されたバイポーラ信号を受信することと、
前記患者に取り付けられた1つ又は2つ以上の身体表面電極によって感知された1つ又は2つ以上の心電図(ECG)信号を受信することと、
前記バイポーラ信号において、2つ又は3つ以上の連続するQRS群を識別することと、
前記バイポーラ信号において、識別された前記QRS群に対して少なくとも所与の時間を開始する関心対象ウィンドウ内で発生する1つ又は2つ以上の興奮を検出することと、
(i)前記1つ又は2つ以上の興奮が、前記1つ又は2つ以上のECG信号において観察された既定の事象と一致しないかどうか、及び(ii)前記1つ又は2つ以上の興奮が、前記連続するQRS群において反復可能であるかどうかを検証することによって、検出された前記1つ又は2つ以上の興奮が遅延電位であるかどうかを確認することと、
検出された前記1つ又は2つ以上の興奮のうちの少なくとも1つが遅延電位であると決定することに応答して、前記1つ又は2つ以上の遅延電位のうちの前記少なくとも1つのうちの最新のものをユーザに可視化することと、を含む、方法。
(2) 前記最新の遅延電位を可視化することが、電気生理学的(EP)マップ上に、前記心臓内の前記一対の電極の前記位置に関連して、前記最新の遅延電位をグラフィカルに示すことを含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記最新の遅延電位を可視化することが、前記最新の遅延電位をアノテーションすることを含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記既定の事象が、前記1つ又は2つ以上のECG信号に見られる興奮を含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記既定の事象が、前記1つ又は2つ以上のECG信号に見られる分画分割を含む、実施態様1に記載の方法。
【0080】
(6) 前記1つ又は2つ以上の興奮が反復可能であるかどうかを検証することが、前記1つ又は2つ以上の興奮が少なくとも所与の数の心臓周期において再発するかどうかを検証することを含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記1つ又は2つ以上の興奮が再発するかどうかを検証することが、パターンマッチングを使用することを含む、実施態様6に記載の方法。
(8) 前記最新の遅延電位が、局所異常心室活動(LAVA)信号を含む、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記興奮を検出することが、濾過を適用して前記バイポーラ信号を平滑化することと、平滑化された前記バイポーラ信号において、所与の閾値を上回る振幅を有する1つ又は2つ以上の興奮を検出することと、を含む、実施態様1に記載の方法。
(10) 受信された前記バイポーラ信号が、カテーテル電極によって取得された心室バイポーラ信号を含む、実施態様1に記載の方法。
【0081】
(11) 前記位置でユニポーラ信号を受信し、前記ユニポーラ信号において、2つ又は3つ以上の連続するQRS群を識別することと、
前記ユニポーラ信号において、識別された前記QRS群に対して少なくとも所与の時間を開始する関心対象ウィンドウ内で発生する1つ又は2つ以上の興奮を検出することと、
(i)前記1つ又は2つ以上の興奮が、前記1つ又は2つ以上のECG信号において観察された既定の事象と一致しないかどうか、及び(ii)前記1つ又は2つ以上の興奮が、前記連続するQRS群において反復可能であるかどうかを検証することによって、検出された前記1つ又は2つ以上の興奮が遅延電位であるかどうかを確認することと、
検出された前記1つ又は2つ以上の興奮のうちの少なくとも1つが遅延電位であると決定することに応答して、前記1つ又は2つ以上の遅延電位のうちの前記少なくとも1つのうちの最新のものをユーザに可視化することと、を含む、実施態様1に記載の方法。
(12) 検出された前記1つ又は2つ以上の興奮が遅延電位であるかどうかを確認することが、リアルタイムで実行される、実施態様1に記載の方法。
(13) 前記信号を識別すること、検出すること、確認すること、決定すること、及び可視化することに使用されるパラメータを修正することを含む、実施態様1に記載の方法。
(14) 異常心室興奮信号を含む遅延電位のアノテーションのための装置であって、
インターフェースであって、
患者の心臓内の位置において一対の電極によって感知されたバイポーラ信号を受信し、
前記患者に取り付けられた1つ又は2つ以上の身体表面電極によって感知された1つ又は2つ以上の心電図(ECG)信号を受信するように構成されている、インターフェースと、
プロセッサであって、
前記バイポーラ信号において、2つ又は3つ以上の連続するQRS群を識別し、
前記バイポーラ信号において、識別された前記QRS群に対して少なくとも所与の時間を開始する関心対象ウィンドウ内で発生する1つ又は2つ以上の興奮を検出し、
(i)前記1つ又は2つ以上の興奮が、前記1つ又は2つ以上のECG信号において観察された既定の事象と一致しないかどうか、及び(ii)前記1つ又は2つ以上の興奮が、前記連続するQRS群において反復可能であるかどうかを検証することによって、検出された前記1つ又は2つ以上の興奮が遅延電位であるかどうかを確認し、かつ
検出された前記1つ又は2つ以上の興奮のうちの少なくとも1つが遅延電位であると決定することに応答して、前記1つ又は2つ以上の遅延電位のうちの前記少なくとも1つのうちの最新のものをユーザに可視化するように構成されている、プロセッサと、を備える、装置。
(15) 前記プロセッサが、電気生理学的(EP)マップ上に、前記心臓内の前記一対の電極の前記位置に関連して、前記最新の遅延電位をグラフィカルに示すことによって、前記最新の遅延電位を可視化するように構成されている、実施態様14に記載の装置。
【0082】
(16) 前記プロセッサが、前記最新の遅延電位をアノテーションすることによって前記最新の遅延電位を可視化するように構成されている、実施態様14に記載の装置。
(17) 前記既定の事象が、前記1つ又は2つ以上のECG信号に見られる興奮を含む、実施態様14に記載の装置。
(18) 前記既定の事象が、前記1つ又は2つ以上のECG信号に見られる分画分割を含む、実施態様14に記載の装置。
(19) 前記プロセッサは、前記1つ又は2つ以上の興奮が少なくとも所与の数の心臓周期において再発するかどうかを検証することによって、前記1つ又は2つ以上の興奮が反復可能であるかどうかを検証するように構成されている、実施態様14に記載の装置。
(20) 前記プロセッサは、パターンマッチングを使用することによって、前記1つ又は2つ以上の興奮が再発するかどうかを検証するように構成されている、実施態様19に記載の装置。
【0083】
(21) 前記最新の遅延電位が、局所異常心室活動(LAVA)信号を含む、実施態様14に記載の装置。
(22) 前記プロセッサが、濾過を適用して前記バイポーラ信号を平滑化することと、平滑化された前記バイポーラ信号において、所与の閾値を上回る振幅を有する1つ又は2つ以上の興奮を検出することとによって、前記興奮を検出するように構成されている、実施態様14に記載の装置。
(23) 受信された前記バイポーラ信号が、カテーテル電極によって取得された心室バイポーラ信号を含む、実施態様14に記載の装置。
(24) 前記インターフェースが、前記位置でユニポーラ信号を受信するように更に構成され、前記プロセッサが、
前記ユニポーラ信号において、2つ又は3つ以上の連続するQRS群を識別し、
前記ユニポーラ信号において、識別された前記QRS群に対して少なくとも所与の時間を開始する関心対象ウィンドウ内で発生する1つ又は2つ以上の興奮を検出し、
(i)前記1つ又は2つ以上の興奮が、前記1つ又は2つ以上のECG信号において観察された既定の事象と一致しないかどうか、及び(ii)前記1つ又は2つ以上の興奮が、前記連続するQRS群において反復可能であるかどうかを検証することによって、検出された前記1つ又は2つ以上の興奮が遅延電位であるかどうかを確認し、かつ
検出された前記1つ又は2つ以上の興奮のうちの少なくとも1つが遅延電位であると決定することに応答して、前記1つ又は2つ以上の遅延電位のうちの前記少なくとも1つのうちの最新のものをユーザに可視化するように更に構成されている、実施態様14に記載の装置。
(25) 前記プロセッサは、検出された前記1つ又は2つ以上の興奮が遅延電位であるかどうかをリアルタイムで確認するように構成されている、実施態様14に記載の装置。
【0084】
(26) 前記プロセッサが、前記信号を識別すること、検出すること、確認すること、決定すること、及び可視化することに使用されるパラメータを修正するように更に構成されている、実施態様14に記載の装置。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
【外国語明細書】