(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022099392
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】骨折固定用のシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/82 20060101AFI20220628BHJP
【FI】
A61B17/82
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020213120
(22)【出願日】2020-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】517070626
【氏名又は名称】ネクストレミティ ソルーションズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Nextremity Solutions, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100090251
【氏名又は名称】森田 憲一
(72)【発明者】
【氏名】ジョン アール. ペッパー
(72)【発明者】
【氏名】ロン エス. ウェイナー
(72)【発明者】
【氏名】スチュアート ディー. カッチス
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL27
4C160LL32
4C160LL37
(57)【要約】 (修正有)
【課題】骨折固定用のシステム及び方法を提供する。
【解決手段】骨折固定システムはプレート101、102を備えており、該プレートは、該プレートを通り抜けて横方向に伸び、かつ該プレートが骨109に接して配置されたときに第1のワイヤ108を受承するように構成された穴を有している。該プレートは、第1のワイヤの第1端を受承及び固定するための凹部を有し、かつ第1のワイヤがプレートを通り抜けることを可能にする第1の穴の両端に入口孔及び出口孔114を備えている。ねじ111は、第1のワイヤに対する所望の張力を維持するために第1の穴の中で前記ワイヤを捕捉するように構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨折固定システムであって、
プレートであって該プレートを通り抜けて横方向に伸びる穴を有し、横方向に伸びる穴はプレートが骨に接して配置された時に第1のワイヤを受承するように構成されている、プレートと、
前記プレートは第1のワイヤの第1端を受承及び固定するための凹部を有していることと、
前記プレートは、前記第1のワイヤが前記プレートを通り抜けるのを可能にする第1の穴の両端に入口孔及び出口孔を備えていることと、
前記第1のワイヤに対する所望の張力を維持するために前記第1の穴の中で前記第1のワイヤを捕捉するためのねじと
を備えているシステム。
【請求項2】
前記第1の穴は、前記プレートを通り抜ける複数の横方向に伸びる穴のうちの第1の穴であり、前記第1のワイヤは、骨を保持するために骨に前記プレートを接続するための前記複数の穴を通り抜ける複数のワイヤのうちの第1のワイヤである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
骨の反対側に位置付けられる第2のプレートであって、第1のワイヤを締めた時に第1のプレート及び第2のプレートが骨に固定されるように、第1のワイヤが通り抜け可能なように構成された第2の穴を有している第2のプレートをさらに備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
第1のワイヤに張力を与えるように構成された締め具をさらに備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記締め具は、前記プレートの支柱孔に受承されるように構成された支柱と、第1のワイヤが通り抜け可能なように構成された交差穴とを備えて、締め具が第1のワイヤを締め具の周りで締めるために支柱穴の中で回転可能であるようになっている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記締め具は、相互に螺合可能な下方端部及び駆動端部を備え、前記駆動端部が前記下方端部の空洞に螺入されるようになっている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記下方端部は、前記交差穴の境界となる穴の入口及び穴の出口を備えている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記交差穴の中に第1のワイヤを保持し、かつ前記交差穴の中の前記第1のワイヤの移動を防止するために、前記下方端部と前記駆動端部との間に入れ子をさらに備えている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記入れ子は、前記下方端部が前記駆動端部と螺合すると前記第1のワイヤに締め付ける直線力を与える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記プレートは、前記複数の横方向に伸びる穴を備えた第1部分と、前記プレートを骨に接続するための複数のねじを受承する複数の開口部を備えた第2部分とを備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
締結固定の方法であって、
骨折した骨の相対する部分について、骨の整復のために位置を調整するステップと;
骨折した骨の上にプレートを配置するステップと;
ワイヤの第1端をプレートに取り付けて該ワイヤを骨の周りに巻き付けるステップと;
入口孔から出口孔へとプレートの穴にワイヤを通すステップと;
骨に張力を加えるためにワイヤを締めるステップと;
ワイヤの第2端をプレートに固定するステップと
を含む方法。
【請求項12】
前記穴は、前記プレートを通り抜ける複数の横方向に伸びる穴のうちの第1の穴であり、かつ、前記プレートに複数の他のワイヤの端部を接続するステップと、前記他のワイヤを前記複数の横方向に伸びる穴に通すステップと、骨を固定するために前記複数の他のワイヤの反対端を前記プレートに接続するステップとをさらに含んでいる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ワイヤの前記第1端を取り付けるステップは、前記第1のワイヤを前記プレートの凹部に挿入することを含み、前記第2端を接続するステップは、ねじを使用して前記第2端を前記プレートに接続することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
締めるステップは、前記プレートの支柱孔に受承される端部を有する締め具の交差穴に前記ワイヤを通すことと、前記ワイヤに張力を与えるために前記締め具を回転させることとを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記締め具は、相互に螺合可能な下方端部及び駆動端部を備えて、前記駆動端部が前記下方端部の空洞に螺入されるようになっている、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記締め具は前記下方端部と前記駆動端部との間に入れ子を備えており、かつ、前記交差穴の中の前記第1のワイヤの移動に、前記下方端部と前記駆動端部との間の入れ子の中に前記ワイヤを保持するために前記駆動端部を前記下方端部に係合するステップをさらに含んでいる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ワイヤを骨の周りに巻き付けるステップは、プレートに対して骨の反対側にある第2のプレートの第2の穴にワイヤを通すことを含む、請求項1に記の方法。
【請求項18】
プレートを、前記プレートの開口部を通してねじによって骨に固定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年6月24日に出願された”Cerclage System and Method”と題する米国仮特許出願第62/865,676号の関連出願であり、前記仮特許出願は参照により全体が本願に組み込まれる。
【本発明の背景】
【0002】
背景情報
大腿骨骨折は、自然に生じる場合もあれば、完全股関節形成術中に医原的に生じる場合もある。骨折パターンに応じて、締結法単独、1若しくは複数のプレートを用いる締結法、ストラットを用いる締結法、拡張型股関節ステムを用いる締結法、又は、プレート、支柱及び/若しくは拡張型股関節ステムの組み合わせを用いる締結法が、骨固定に使用されうる。しかしながら締結法に伴う問題は、追加の支持デバイスを使用しないと骨癒合が不十分になるかもしれないということである。特に完全股関節形成術を伴う場合、追加の支持体の使用は望ましくない場合もあれば不可能な場合もある。大腿骨骨折では、締結ワイヤに高い負荷がかかる結果、隣接する骨の侵食及びワイヤの移動による固定喪失が生じる場合がある。
【0003】
骨癒合を改善すると同時に締結ワイヤの張力付加をもたらす締結デバイスが必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本発明の上記及びその他の目的、特徴及び利点は、本発明の様々な態様についての以降の詳細な説明と添付の図面とを合わせれば明白となろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1は、本発明の態様による、大腿骨に接続された骨折固定システムの後方斜視図。
【0006】
図2は、本発明の態様による、大腿骨に接続された
図1の骨折固定システムの前方斜視図。
【0007】
図3-6は、本発明の態様による張力付加ドラムを様々な視点で示す図。
【0008】
図7-10は、本発明の態様による、大腿骨に接続された
図1の骨折固定システムを様々な視点で示す図。
【0009】
図11-14は、本発明の態様による、大腿骨に接続された
図1の骨折固定システムであって該システムの外側プレートに張力付加ドラムが取り付けられているシステムを、様々な視点で示す図。
【0010】
図15-19は、本発明の態様による
図1の骨折固定システムの外側プレートを様々な視点で示す図。
【0011】
図20は、本発明の態様による、
図1の骨折固定システムに取り付けられた張力付加ドラムを備えた外側プレートを示す斜視図。
【0012】
図21-25は、本発明の態様による
図1の骨折固定システムの外側プレートの一部を様々な視点で示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明について、添付図面を参照しながら本発明による様々な例示的実施形態に関して以下に詳細に議論する。以降の詳細な説明では、本発明が十分に理解されるように多数の具体的細部について説明がなされる。しかしながら、本発明がこれらの具体的細部を伴わずに実行されうることは、当業者には明白であろう。他の例では、本発明を不必要に不明瞭にするのを回避するために、周知の構造物は詳細には示されていない。
【0014】
したがって下記に説明される実装は全て、当業者が開示内容の実施形態を作製又は使用することができるように提供される例示的実装であって、特許請求の範囲によって定義される開示内容の範囲を限定するようには意図されていない。本明細書で使用されるように、「例示的」又は「例証の」という語は、「例、実例、又は例証としての役割を果たしている」ことを意味する。「例示的」又は「例証の」として本明細書中に記載されるいかなる実装も、必ずしも他の実装より好適又は有利であると解釈されるべきではない。さらに、この説明においては、用語「上方の」、「下方の」、「左の」、「後ろの」、「右の」、「前の」、「垂直の」、「水平の」、及びこれらの派生語は、
図1の向きの発明に関するものとする。
【0015】
以降の説明では、大腿骨の締結固定で使用されるシステム、方法、及び装置に言及する。しかしながら当業者は、その他の骨の固定が前述のシステム、方法、及び装置とともに使用するのに適していることを認識するであろう。同様に、様々な図面、ステップ、手順、及び作業の流れは、単に例として示されているのであって、記載されたシステム、方法又は装置が様々な時間構成又は順序でそれぞれの作業を行い又は結果を出すことを全く限定するものではない。本発明の教示内容はあらゆる骨に関係する締結法に適用可能である。
【0016】
更に、先述の技術分野、背景、概要、又は以降の詳細な説明において示される如何なる明示又は黙示の理論によっても束縛されることは意図されていない。さらに、添付の図面において例証され、かつ以降の明細書に記載された特定のデバイス及び方法は、本発明の概念の例示的実施形態にすぎないものと理解されるべきである。従って、本明細書中に開示された実施形態に関する特定の寸法及びその他の物理的特性は、別途明記しない限り、限定的と見なすべきではない。
【0017】
本明細書中に記載された様々な実施形態は、骨折固定のためのシステム、装置、デバイス、及び方法を提供する。様々な図面及び説明が、大腿骨骨折固定について言及する可能性がある。しかしながら、当業者は、骨折固定のための以降のシステム、装置、デバイス、及び方法が、特定の大腿骨骨折、例えば人工股関節周囲のバンクーバー分類グレードBの骨折及び大腿骨遠位部骨折、又は他の骨の骨折、例えば大転子骨折;脛骨の遠位部、近位部、及び骨幹部の骨折;上腕骨骨頭骨折;腓骨骨折;肘頭骨折;並びにその他の骨であって骨折、骨切断術、又は圧縮力及び/又は矯正力を必要とする変形を伴うもののために使用されうることを理解するであろう。
【0018】
図面を参照すると、いくつかの図面全体にわたって同様の参照数字は同様又は類似の構成要素を示すために使用されており、また特に
図1~2、7~10、及び15~19を参照すると、骨折固定システム100は、骨すなわち大腿骨109に対して、骨折部110の両側の大腿骨109の部分どうしの位置が調整された状態で、取り付けられている。骨折固定システム100は、大腿骨109の内側面142に長手方向に沿って位置調整された内側プレート101と、大腿骨109の外側面144に長手方向に沿って位置調整された外側プレート102とを有する。内側プレート101及び外側プレート102は大腿骨109をはさんで反対側に描かれて結合ワイヤ又は締結ワイヤ108で接続されており、骨折部110は内側プレート101及び外側プレート102の中間に位置している。内側プレート101は、例えば、横方向のワイヤ用のスロット又は穴103を備えた長尺状のプレートを有し、かつ大腿骨109の内側面142の周方向の湾曲に近い横方向の湾曲を有する、締結補助デバイスであってよい。外側プレート102も、例えば大腿骨109の外側面の周方向の湾曲に近い湾曲を有することができる。外側プレート102は、例えば、外側プレート102を通り抜けて大腿骨109の中まで挿入される骨ねじ111を用いて、骨ねじ111が骨折部110よりも頭から遠い側に配置される状態で、大腿骨109にさらに接続することができる。骨ねじ111は、例えば、外側プレート102を通り抜け、かつ大腿骨109の内側面142を通り抜けて伸びることができる。
【0019】
図1~2、7~10、及び15~19を引き続き参照すると、外側プレート102はさらに、第1の部分125、第2の部分124、上部面122、底部面123、第1の側面126、及び第2の側面127を有する。第1の部分125は、例えば、締結ワイヤ108を用いて内側プレート101に、かつ骨折部110の近くに、接続されうる。第1の部分125は、ねじ付きの開口部に受承された止ねじ120、締結ワイヤ穴又は締結ワイヤ入口孔115、ワイヤ出口孔114、支柱孔130、及びワイヤ取り付け切り込み部又は繋止用凹部104を有する。第2の部分124は、第1の部分125から大腿骨頭119より遠位側へ向かって長手方向に伸びる。第2の部分124は、例えば、複数の骨ねじ(例えば実例として多数図示されている骨ねじ111)が通り抜けて大腿骨109に挿入されることが可能な複数の孔112を有しうる。
【0020】
図3~6及び20を参照すると、ドラム210は、ねじ付き開口部205を備えた下方端部203が、ねじ切り204を備えた上方端部又は駆動端部201と係合される、ねじ接続部206を有する。駆動端部201はねじ頭209を有するものとして図示されており、該ねじ頭は例えば四角い形状であって、ドラム210を駆動するためのナットドライバ又はその他のツールと係合可能であってもよい。駆動端部201は、例えば、手動又はそのようなナットドライバで時計回りの方向に回転させることができる。駆動端部201を回転させると、例えば、駆動端部201及び下方端部203を閉め合わせることができる。締結ワイヤ108は交差孔208に通されて、駆動端部201を回転させると、例えば締結ワイヤ108が下方端部203と駆動端部201との間で締め付けられて、締結ワイヤ108を動かさないようになっていてもよい。ドラム210はさらに、例えば下方端部203と駆動端部201との間に配置される入れ子202を備えて、駆動端部201を回転させると回転運動が回転運動として伝わるのではなく締結ワイヤ108に線圧がかかるようになっていてもよい。そのような線圧は、例えば、締結ワイヤ108が接触する場所及び締結ワイヤ108が入れ子202と下方端部203との間で位置している場所の摩擦によって、締結ワイヤ108の配置を交差孔208の中に維持するために使用可能である。駆動端部を継続的に回転させると、例えば、孔208を通って伸びる締結ワイヤ108を伴ってドラム210が回転することにより締結ワイヤ108がドラム210の周りに巻き付けられ、これにより締結ワイヤ108の張力を高めることができる。ドラム210が回転している間、線圧は締結ワイヤ108の上の入れ子202によって維持され、回転圧力がドラム210の内部の締結ワイヤ108に加わることはない。張力の調節及び維持は、外科的処置の間及び解剖学的な負荷を受けた後に骨片を適所に保持する助けとなりうる。
【0021】
図21~25に図示されるように、外側プレート102の第1の部分125を参照すると、締結ワイヤ入口孔115が第1の側面126に配置されて描かれ、ワイヤ出口孔114は上部面122に配置されている。ワイヤ入口孔115及びワイヤ出口孔114は、外側プレートの第1の部分125の中で出会うように伸び、両者の間に傾斜した孔又はトンネルを作っている。止ねじ120は、上部面122の中にはめ込まれ、ワイヤ入口孔115とワイヤ出口孔114との間の穴と交わっている状態に図示されている。締結ワイヤ108は、締結ワイヤ先端部又は締結ワイヤ第1端118と、遊離端116とを備えて図示されている。繋止用凹部104は、例えば、締結ワイヤ108が張力を受けている時に締結ワイヤ先端部118を捕捉するように構成された(例えば、形及び大きさが作られた)、底部面123から第2の側面127へと伸びるスロット又は開口部であってよい。支柱孔130は上部面125から底部面124に向かって伸び、ドラム210の支柱207の挿入を受け入れるように構成される(例えば、形及び大きさが作られる)。
【0022】
図1~25に関して、骨折固定の方法は、骨折部110の相対する面の位置を調整するステップと、外側プレート102を外側面144に取り付けるステップとを含んでいる。締結ワイヤ第1端118は繋止用凹部104の中に挿入可能である。遊離端116は、例えば、内側プレート101が内側面142の上に配置された状態で、内側プレート101の横方向ワイヤ用スロット103を通して挿入されうる。遊離端116は、例えば、大腿骨109の周りを進み、入口孔115に挿入され、出口孔114から出ることができる。ドラム210は、例えば、支柱207が支柱孔130に挿入された状態で、外側プレート102に係合可能である。遊離端116は交差孔208を通して挿入可能であり、上方の駆動端部201を回転させることにより、締結ワイヤ108に対して、回転運動を伴うことなく、締め付ける直線力が与えられる。締結ワイヤ108はその後、締結ワイヤ108の遊離端116をドラム210に巻きつけ、上方の駆動部201を回してドラム210を回転させて締結ワイヤ108をさらに巻き付けることにより、引っ張られてもよい。そのような回転は締結ワイヤ108に張力を与え、締結ワイヤ118を繋止用凹部104の中に据え付けることができる。所望の張力に達すると、止ねじ120を(例えば外側プレート102のねじ穴の中へと)締めて、入口孔115から出口孔114へと伸びる孔の内部で締結ワイヤ108の捕捉又は締め付けを行うことができる。締結ワイヤ108に対する張力を維持するために、該ワイヤの遊離端116は、例えば、外側プレート102又はその近隣のクリンプ部(図示せず)又は保持具に設置されてもよい。
【0023】
図1~25に関して、複数の締結ワイヤ(例えば、実例として複数図示されている締結ワイヤ108)が、例えば、内側プレート101と外側プレート102とを係合するために使用されてもよい。複数の骨ねじ(例えば実例として複数図示されている骨ねじ111)が、例えば、外側プレート102を大腿骨109に取り付けるために複数の骨ねじ孔112に挿入されてもよい。図示されるように、内側プレート101は、例えば、複数の横方向ワイヤ用スロット(例えば、実例として複数図示されているワイヤ用スロット103)を有しうる。内側プレート101は、例えば、2本のワイヤ締結用補助デバイスであっても、3本のワイヤ締結用補助デバイスであってもよい。さらに図示されるように、外側プレート102は、例えば、複数の止ねじ(例えば実例として複数図示されている止ねじ120)、複数の締結入口孔(例えば実例として複数図示されている締結ワイヤ入口孔115)、複数のワイヤ出口孔(例えば実例として複数図示されているワイヤ出口孔114)、複数の支柱孔(例えば実例として複数図示されている支柱孔130)、及び複数の繋止用凹部(例えば実例として複数図示されている繋止用凹部104)を有しうる。
【0024】
骨折固定の他の実施形態において、システム100は、例えば、内側プレート101及び/又は外側プレート102によって説明された種類の少なくとも2枚のプレートを有しうる。
【0025】
本明細書中に記載された本発明の態様には、大腿骨109の骨融合を促進するための骨折部の骨固定が含まれる。その同じ態様には、大腿骨109に人工股関節置換術用ステム(図示せず)が挿入されている大腿骨において骨融合を促進するための骨折部の骨固定も含まれる。
【0026】
本発明のいくつかの態様について本明細書中に説明及び図示してきたが、同じ目的を達成するために当業者により別例の態様がもたらされる場合もある。従って、そのような別例の態様全てを本発明の真の趣旨及び範囲に含まれるものとして扱うことが意図される。
【外国語明細書】