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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022099451
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】密封構造
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/3204 20160101AFI20220628BHJP
   F16J 15/16 20060101ALI20220628BHJP
   F01L 3/08 20060101ALI20220628BHJP
   F01L 3/20 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
F16J15/3204 101
F16J15/16 A
F01L3/08 Z
F01L3/20 D
F01L3/20 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020213227
(22)【出願日】2020-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000004385
【氏名又は名称】NOK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 裕
【テーマコード(参考)】
3J006
3J043
【Fターム(参考)】
3J006AB13
3J006AE17
3J006AE37
3J006AE41
3J006CA01
3J043AA11
3J043BA07
3J043CA02
3J043CB13
3J043DA03
(57)【要約】
【課題】バルブステムシールにおけるシール本体が毟れてしまうことを抑制し、かつ嵌合後のスプリングバック量を低減させつつ、バルブステムガイドからのバルブステムシールの抜け出しを抑制することのできる密封構造を提供する。
【解決手段】バルブステムガイド100の外周面には、バルブステムシール200が装着される側の最先端に向けて縮径する傾斜面120と、嵌合部223の一部が進入した状態になることでバルブステムシール200の抜けを抑制する環状凹部130と、を備え、傾斜面120と環状凹部130との間は円柱面140により構成されており、円柱面140の軸線方向の長さが、1.2mm以下に設定されることを特徴とする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブステムと、
前記バルブステムの移動方向を案内するバルブステムガイドと、
前記バルブステムと前記バルブステムガイドとの間の環状隙間を封止するバルブステムシールと、
を備える密封構造において、
前記バルブステムシールは、
補強環と、
前記バルブステムに摺動自在に設けられるシール部と、前記バルブステムガイドに嵌合固定される嵌合部とを一体に備え、前記補強環に一体的に設けられるゴム状弾性体製のシール本体と、
を備えると共に、
前記バルブステムガイドの外周面には、
前記バルブステムシールが装着される側の最先端に向けて縮径する傾斜面と、
前記嵌合部の一部が進入した状態になることで前記バルブステムシールの抜けを抑制する環状凹部と、
を備え、
前記傾斜面と前記環状凹部との間は円柱面により構成されており、前記円柱面の軸線方向の長さが、1.2mm以下に設定されることを特徴とする密封構造。
【請求項2】
前記傾斜面は、テーパ面により構成されることを特徴とする請求項1に記載の密封構造。
【請求項3】
前記傾斜面は、
最先端側の第1テーパ面と、
第1テーパ面に隣接して設けられ、かつ、第1テーパ面よりもテーパ角度の小さな第2テーパ面と、から構成されることを特徴とする請求項1に記載の密封構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブステムシールを備える密封構造に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関における吸排気弁機構には、バルブステムとバルブステムガイドとの間をシールするバルブステムシールが設けられている。このバルブステムシールは、バルブステムガイドに固定されるように構成されており、背圧が作用した場合でも、バルブステムガイドから抜け出さないようにする必要がある。図8を参照して、従来例に係るバルブステムシールを備える密封構造について説明する。図8は従来例に係る密封構造の一部破断側面図である。
【0003】
この密封構造は、バルブステム300と、バルブステム300の移動方向を案内するバルブステムガイド500と、バルブステム300とバルブステムガイド500との間の環状隙間を封止するバルブステムシール200とを備えている。そして、バルブステムシール200は、補強環210と、補強環210に一体的に設けられるゴム状弾性体製のシール本体220とを備えている。シール本体220は、バルブステムガイド500に嵌合固定される嵌合部223を備えている。また、バルブステムガイド500には、バルブステム300が挿通される挿通孔510が設けられている。更に、バルブステムガイド500は、バルブステムシール200が装着される側の最先端に向けて縮径する傾斜面520と、嵌合部223の一部が進入した状態になることでバルブステムシール200の抜けを抑制する環状凹部530とを備えている。そして、傾斜面520と環状凹部530との間は円柱面540により構成されている。
【0004】
以上のように構成される密封構造においては、バルブステムシール200がバルブステムガイド500から抜け出してしまわないように、バルブステムガイド500に嵌合部223が嵌合された際に、嵌合部223の圧縮率が高くなるように設定されている。しかしながら、この圧縮率を高く設定しようとすると、嵌合後のスプリングバック量が過大になってしまったり、バルブステムシール200をバルブステムガイド500に嵌合する際に、嵌合部223の一部が毟れてしまったりしてしまう。なお、スプリングバック量が過大になると、バルブステムシール200が、バルブステムガイド500から抜け出しやすくなり、また、バルブステムガイド500に対して傾斜しやすくなり密封性が不安定になってしまう。従って、背圧が高くなる使用環境下において、嵌合部223の圧縮率を高くするのが困難になっている。
【0005】
なお、バルブステムシールの抜け対策として、金属などにより構成される補強環をバルブステムガイドに固定させる技術も知られている。しかしながら、このような技術においては、バルブステムシールをバルブステムガイドに取り付けるための専用の設備が必要になる。そのため、ゴム状弾性体製のシール本体をバルブステムガイドに装着させることが要望されることが多々ある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2017/057258号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、バルブステムシールにおけるシール本体が毟れてしまうことを抑制し
、かつ嵌合後のスプリングバック量を低減させつつ、バルブステムガイドからのバルブステムシールの抜け出しを抑制することのできる密封構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
【0009】
本発明の密封構造は、
バルブステムと、
前記バルブステムの移動方向を案内するバルブステムガイドと、
前記バルブステムと前記バルブステムガイドとの間の環状隙間を封止するバルブステムシールと、
を備える密封構造において、
前記バルブステムシールは、
補強環と、
前記バルブステムに摺動自在に設けられるシール部と、前記バルブステムガイドに嵌合固定される嵌合部とを一体に備え、前記補強環に一体的に設けられるゴム状弾性体製のシール本体と、
を備えると共に、
前記バルブステムガイドの外周面には、
前記バルブステムシールが装着される側の最先端に向けて縮径する傾斜面と、
前記嵌合部の一部が進入した状態になることで前記バルブステムシールの抜けを抑制する環状凹部と、
を備え、
前記傾斜面と前記環状凹部との間は円柱面により構成されており、前記円柱面の軸線方向の長さが、1.2mm以下に設定されることを特徴とする。
【0010】
このような構成を採用することで、シール本体が毟れてしまうことを抑制し、かつ嵌合後のスプリングバック量を低減させつつ、バルブステムガイドからのバルブステムシールの抜け出しを抑制することができる。この点について、以下に説明する。上述の図8に示す密封構造においては、上記の通り、嵌合部223の圧縮率を高く設定しようとすると、スプリングバック量が高くなり、かつ、嵌合部223の一部が毟れてしまうおそれがある。この原因について、発明者による鋭意検討の結果、円柱面540における軸線方向の長さが影響していることが分かった。すなわち、この長さが長いほど、傾斜面520と円柱面540との境界部(図中、矢印X参照)付近における嵌合部223の歪が大きくなり、スプリングバック量が高くなり、嵌合部223が毟れてしまい易くなることが分かった。そして、この長さを1.2mm以下に設定すれば、スプリングバック量を抑制しつつ、嵌合部が毟れてしまうことを抑制できるため、嵌合部の圧縮率を高く設定できることが分かった。また、これにより、背圧が高い環境下においても、バルブステムガイドからバルブステムシールが抜け出してしまうことを抑制することができた。
【0011】
なお、前記傾斜面は、テーパ面により構成されるとよい。
【0012】
また、前記傾斜面は、
最先端側の第1テーパ面と、
第1テーパ面に隣接して設けられ、かつ、第1テーパ面よりもテーパ角度の小さな第2テーパ面と、から構成されるとよい。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、バルブステムシールにおけるシール本体が毟れてしまうことを抑制し、かつ嵌合後のスプリングバック量を低減させつつ、バルブステム
ガイドからのバルブステムシールの抜け出しを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は本発明の実施例1に係るバルブステムガイドの平面図である。
図2図2は本発明の実施例1に係るバルブステムガイドの一部破断側面図である。
図3図3は本発明の実施例1に係るバルブステムシールの平面図である。
図4図4は本発明の実施例1に係るバルブステムシールの一部破断側面図である。
図5図5は本発明の実施例1に係る密封構造の一部破断側面図である。
図6図6は本発明の実施例2に係るバルブステムガイドの一部破断側面図である。
図7図7は本発明の変形例に係るバルブステムシールの一部破断側面図である。
図8図8は従来例に係る密封構造の一部破断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0016】
(実施例1)
図1図5を参照して、本発明の実施例1に係る密封構造について説明する。図1は本発明の実施例1に係るバルブステムガイドの平面図である。図2は本発明の実施例1に係るバルブステムガイドの一部破断側面図である。なお、図2中の断面図は、図1中のAA断面図に相当する。図3は本発明の実施例1に係るバルブステムシールの平面図である。図4は本発明の実施例1に係るバルブステムシールの一部破断側面図である。なお、図4中の断面図は、図3中のBB断面図に相当する。図5は本発明の実施例1に係る密封構造の一部破断側面図である。なお、図5中の断面図は、図1中のAA断面図と、図3中のBB断面図に相当する。
【0017】
<密封構造>
特に、図5を参照して、本実施例に係る密封構造全体の構成について説明する。本実施例に係る密封構造は、バルブステム300と、バルブステム300の移動方向を案内するバルブステムガイド100と、バルブステム300とバルブステムガイド100との間の環状隙間を封止するバルブステムシール200とを備えている。図5中、上方に潤滑油室が設けられ、下方にポート(吸気用又は排気用のポート)が設けられる。バルブステムシール200は、バルブステムガイド100に設けられた挿通孔110とバルブステム300との間の環状隙間に油膜を形成させる程度に適度な量の潤滑油を供給しつつ、潤滑油室内の潤滑油をシールする役割を担っている。バルブステムガイド100、バルブステムシール200及びバルブステム300においては、少なくとも主要部が回転対称形状により構成されており、これらの中心軸線について、単に「中心軸線」と称する。また、中心軸線が伸びる方向を「軸線方向」と称する。
【0018】
<バルブステムシール>
特に、図3及び図4を参照して、本実施例に係るバルブステムシール200について説明する。バルブステムシール200は、金属などにより構成される補強環210と、補強環210に一体的に設けられるゴム状弾性体製のシール本体220とを備えている。なお、補強環210をインサート部品として、インサート成形することにより、シール本体220を補強環210に一体的に設けることができる。補強環210は、円筒部211と、
円筒部211の一端側に設けられる内向きフランジ部212とを有している。また、シール本体220は、バルブステム300に摺動自在に設けられるシール部としての第1リップ部221及び第2リップ部222と、バルブステムガイド100に嵌合固定される嵌合部223とを一体に備えている。嵌合部223の内周面は円柱面により構成されている。まだ、第1リップ部221の径方向外側には、第1リップ部221を径方向内側に押圧するためのガータスプリング230が装着される。第1リップ部221は、内向きフランジ部212の先端から軸線方向の一方に伸び、第2リップ部222は、内向きフランジ部212の先端から軸線方向の他方に伸びるように構成されている。
【0019】
<バルブステムガイド>
特に、図1及び図2を参照して、本実施例に係るバルブステムガイド100について説明する。バルブステムガイド100は、バルブステム300が挿通される挿通孔110を有する円筒状の部材により構成される。挿通孔110は、円柱面により構成される。そして、バルブステムガイド100の外周面には、バルブステムシール200が装着される側の最先端に向けて縮径する傾斜面120と、嵌合部223の一部が進入した状態になることでバルブステムシール200の抜けを抑制する環状凹部130とを備えている。本実施例に係る傾斜面120は、テーパ面(中心軸線を含む面で切断した断面形状が直線となる面)により構成されている。ただし、この傾斜面については、最先端に向けて縮径するように構成されれば、中心軸線を含む面で切断した断面形状が曲線となるような湾曲面により構成することもできる。
【0020】
環状凹部130は、環状溝により構成されており、溝底面131は円柱面により構成され、先端側の溝側面132は中心軸線に対して垂直な面により構成され、後端側の溝側面133は後端側に向かって拡径する傾斜面(テーパ面)により構成されている。
【0021】
そして、バルブステムガイド100の外周面においては、傾斜面120と環状凹部130との間は円柱面140により構成されている。この円柱面140の軸線方向の長さHは、1.2mm以下に設定されている。
【0022】
<本実施例に係る密封構造の優れた点>
本実施例に係る密封構造によれば、バルブステムシール200におけるシール本体220が毟れてしまうことを抑制し、かつ嵌合後のスプリングバック量を低減させることができる。また、バルブステムガイド100からのバルブステムシール200の抜け出しを抑制することができる。これらの点について、より詳しく説明する。
【0023】
テーパ面で構成される傾斜面120のテーパ角度を40°とし、円柱面140の軸線方向の長さHについて、1.6mm(従来技術)、1.2mm(本実施例)、0.8mm(本実施例)にそれぞれ設定した場合について、各種評価を行った。まず、傾斜面120と円柱面140との境界部(図5中、矢印X参照)付近における嵌合部223の圧縮歪は、長さH=1.6mmの場合には0.58、長さH=1.2mmの場合には0.52、長さH=0.8mmの場合には0.47であった。また、スプリングバック量は、長さH=1.6mmの場合には0.33mm、長さH=1.2mmの場合には0.27mm、長さH=0.8mmの場合には0.21mmであった。なお、スプリングバック量とは、バルブステムシール200をバルブステムガイド100に装着(嵌合)する過程において、装着時に付与する力を解放後に、バルブステムシール200が装着方向とは反対側(例えば、図5では上側)に戻る量を意味する。なお、バルブステムシール200に作用する背圧は1MPa以下である。これに対して、使用初期の段階において、いずれも1MPaの背圧が作用しても、バルブステムシール200がバルブステムガイドから抜け出すことのない嵌合力が得られることが確認できた。
【0024】
このように、本実施例に係る密封構造によれば、従来技術に比べて、圧縮歪を低下させることができるため、バルブステムシール200をバルブステムガイド100に嵌合する際に、シール本体220が毟れてしまうことを抑制することができる。また、嵌合後のスプリングバック量を低減させることもできる。以上より、嵌合部223の圧縮率を高く設定できるため、背圧が高い環境下においても、バルブステムガイド100からバルブステムシール200が抜け出してしまうことを抑制することができる。
【0025】
(実施例2)
図6には、本発明の実施例2が示されている。本実施例においては、バルブステムガイドにおける傾斜面を2段のテーパ面で構成する場合について説明する。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。なお、バルブステムシール200及びバルブステム300については、上記実施例1の構成を適用することができる。また、密封構造全体の構成についても上記実施例1の場合と同様である。
【0026】
図6は本発明の実施例2に係るバルブステムガイドの一部破断側面図である。本実施例に係るバルブステムガイド100Aにおいても、バルブステム300が挿通される挿通孔110を有する円筒状の部材により構成される。挿通孔110は、円柱面により構成される。そして、バルブステムガイド100Aの外周面には、バルブステムシール200が装着される側の最先端に向けて縮径する傾斜面120Aと、嵌合部223の一部が進入した状態になることでバルブステムシール200の抜けを抑制する環状凹部130とを備えている。
【0027】
本実施例においては、傾斜面120Aは、最先端側の第1テーパ面121と、第1テーパ面121に隣接して設けられ、かつ、第1テーパ面121よりもテーパ角度の小さな第2テーパ面122とから構成されている。環状凹部130の構成は、上記実施例1の場合と同様である。
【0028】
そして、バルブステムガイド100Aの外周面においては、傾斜面120Aと環状凹部130との間は円柱面140により構成されている。この円柱面140の軸線方向の長さHは、1.2mm以下に設定されている。
【0029】
以上のように構成されるバルブステムガイド100Aを備える密封構造においても、上記実施例1の場合と同様の効果を得ることができる。なお、第1テーパ面121のテーパ角度を40°、第2テーパ面122のテーパ角度を20°として、円柱面140の軸線方向の長さHを0.8mmとした場合について、評価を行った。その結果、傾斜面120Aと円柱面140との境界部(図5中、矢印X参照)付近における嵌合部223の圧縮歪は、0.48で、スプリングバック量は0.25mmであった。また、使用初期の段階において、1MPaの背圧が作用しても、バルブステムシール200がバルブステムガイド100Aから抜け出すことのない嵌合力が得られることが確認できた。
【0030】
(バルブステムシールの変形例)
本実施例に係る密封構造において、バルブステムシールの構成は、上記実施例に示す構成に限定されることはなく、各種の構成を採用し得る。その一例を、図7を参照して説明する。図7は本発明の変形例に係るバルブステムシールの一部破断側面図である。なお、実施例1で示したバルブステムシールと同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
【0031】
本変形例に係るバルブステムシール200Xにおいても、金属などにより構成される補強環210と、補強環210に一体的に設けられるゴム状弾性体製のシール本体220X
とを備えている。本変形例に係るシール本体220Xにおいても、バルブステム300に摺動自在に設けられるシール部としての第1リップ部221及び第2リップ部222と、バルブステムガイド100に嵌合固定される嵌合部223とを一体に備えている。本変形例においては、嵌合部223よりも後端側に係止用の環状突起224が設けられている点で、上記実施例で示したバルブステムシール200の構成とは異なっている。バルブステムシール200Xがバルブステムガイド100,100Aに嵌合されると、環状突起224は、環状凹部130内に収まるように構成されている。これにより、環状突起224が環状凹部130における先端側の溝側面132に引っ掛かるため、バルブステムガイド100,100Aからバルブステムシール200Xが抜け出してしまうことをより一層抑制することができる。
【符号の説明】
【0032】
100,100A バルブステムガイド
110 挿通孔
120,120A 傾斜面
130 環状凹部
131 溝底面
132 溝側面
133 溝側面
140 円柱面
200,200X バルブステムシール
210 補強環
211 円筒部
212 内向きフランジ部
220,220X シール本体
221 第1リップ部
222 第2リップ部
223 嵌合部
224 環状突起
230 ガータスプリング
300 バルブステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8