(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022099480
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】卵分類システム
(51)【国際特許分類】
G01N 21/27 20060101AFI20220628BHJP
G01N 21/85 20060101ALI20220628BHJP
A01K 43/00 20060101ALI20220628BHJP
B07C 5/342 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
G01N21/27 A
G01N21/85 A
A01K43/00
B07C5/342
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020213266
(22)【出願日】2020-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】597017812
【氏名又は名称】株式会社ナベル
(72)【発明者】
【氏名】南部 隆彦
【テーマコード(参考)】
2G051
2G059
3F079
【Fターム(参考)】
2G051AA90
2G051AB20
2G051AC30
2G051CB05
2G051DA06
2G051EA12
2G051EA17
2G051EB02
2G051GD02
2G051GD03
2G059AA05
2G059BB12
2G059CC20
2G059DD12
2G059EE13
2G059FF01
2G059GG02
2G059KK04
2G059MM01
2G059MM05
2G059MM09
2G059MM10
2G059PP01
3F079AC11
3F079CB25
3F079CB27
3F079CB28
3F079CB30
3F079CB34
3F079CB35
(57)【要約】
【課題】コンパクトで、かつ、短時間で卵の内部の状態を判定可能な卵の分類システムを提供する。
【解決手段】卵Eを分類する卵分類システム10において、搬送部11と、照射部と、高さ変更部と、画像データ取得部21と、判定部22と、決定部23とを備える。搬送部11は、卵Eが収容されたトレイTを搬送する。照射部は、トレイTに収容された状態の卵Eに光を照射する。高さ変更部は、卵Eの大きさに応じて照射部の高さ位置が変わる。画像データ取得部21は、内部で光が拡散した状態の卵Eをカラーカメラ12で撮影した画像を表す画像データを取得する。判定部22は、卵Eの内部の状態を表す情報及び卵Eについての画像データを含む教師データを用いて学習された学習モデルによって、画像データ取得部21が取得した画像データに応じて、卵Eの内部の状態を判定する。決定部23は、卵Eの内部の状態の判定結果に応じて、卵Eの分類先を決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雛が孵化する前の卵を分類する卵分類システムにおいて、
卵が収容されたトレイを搬送する搬送部と、
前記トレイに収容された状態の卵に光を照射する照射部と、
卵の大きさに応じて前記照射部の高さ位置が変わる高さ変更部と、
内部で光が拡散した状態の卵をカラーカメラで撮影した画像を表す画像データを取得する画像データ取得部と、
卵の内部の状態を表す情報及び前記卵についての画像データを含む教師データを用いて学習された学習モデルによって、前記画像データ取得部が取得した画像データに応じて、卵の内部の状態を判定する判定部と、
卵の内部の状態の判定結果に応じて、卵の分類先を決定する決定部と
を備えることを特徴とする卵分類システム。
【請求項2】
卵殻色に関する情報、孵化する鶏の品種に関する情報または孵卵開始からの経過日数に関する情報のうち少なくとも1つの情報を取得する情報取得部と、
取得した前記情報に応じて、前記判定部で用いるべき学習モデルを複数の学習モデルの中から選択するか、または、前記決定部で前記判定結果に応じて卵の分類先を決定する基準を調整する調整部とを備える、請求項1記載の卵分類システム。
【請求項3】
先端に前記照射部が取り付けられるアーム部を備え、
前記高さ変更部は、前記アーム部が移動または変形する、請求項1または2記載の卵分類システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雛が孵化する前の卵を分類する卵分類システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
非破壊で卵の内部状態について検査を行い分類するシステムとして、下記特許文献1のようなものが知られている。このシステムは、検査用ホイルに載せられた卵を回転させながら4方向からカラーカメラで撮影する。そして、カラーカメラで撮影した画像から、血管の有無、太さ、分布、卵内部の色および気室境界付近の濃度の情報を計測し、これらを優良卵についての画像と比較することによって、有精卵の生死およびその発育状態を判別する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したものでは、1つずつの卵に対して検査に時間がかかり、また、検査装置も大がかりなものとなる。
【0005】
本発明は、コンパクトで、かつ、短時間で卵の内部の状態を判定可能な卵の分類システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の卵分類システムは、雛が孵化する前の卵を分類する卵分類システムにおいて、搬送部と、照射部と、高さ変更部と、画像データ取得部と、判定部と、決定部とを備える。搬送部は、卵が収容されたトレイを搬送する。照射部は、トレイに収容された状態の卵に光を照射する。高さ変更部は、卵の大きさに応じて照射部の高さ位置が変わる。画像データ取得部は、内部で光が拡散した状態の卵をカラーカメラで撮影した画像を表す画像データを取得する。判定部は、卵の内部の状態を表す情報及び卵についての画像データを含む教師データを用いて学習された学習モデルによって、画像データ取得部が取得した画像データに応じて、卵の内部の状態を判定する。決定部は、卵の内部の状態の判定結果に応じて、卵の分類先を決定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コンパクトで、かつ、短時間で卵の内部の状態を判定可能な卵の分類システムを提供することができる。
【0008】
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる卵分類システムを概略的に示す側面図。
【
図2】同実施形態にかかる卵分類システムの要部を拡大して示す側面図。
【
図3】ニューラルネットワークを示す模式図である。
【
図4】同実施形態にかかる分類装置の機能ブロック図である。
【
図5】設定処理の手順を示すフローチャートである。
【
図6】卵を分類するための処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態にかかる卵分類システム10について、
図1~
図6を用いて説明する。
【0011】
本実施形態にかかる卵分類システム10は、画像を用いて、雛が孵化する前の卵Eを分類する。卵Eは、セッタートレイTと呼ばれる孵卵機内で用いられるトレイTに載せられている。トレイTは、例えば、横6列、縦6列の複数の収容座を備えたものである。卵Eは、長軸を縦向きにしてトレイTの各収容座に配置される。卵EはトレイTに収容された状態で、卵Eの上半分が表れている。卵Eは、孵卵機から取り出された状態で撮影される。例えば、孵卵日数10日目に撮影される。孵卵日数とは、孵卵工程を開始する日が入卵日とされ、その入卵日からの経過日数である。
【0012】
卵分類システム10は、卵撮影装置1と、分類装置2とを備える。卵撮影装置1は、搬送部11と、照射部(図示しない)と、高さ変更部(図示しない)とを主体に構成される。卵撮影装置1は、さらに、カラーカメラ12と、アーム部(図示しない)と、キャップ13と、カバー14と、制御部(図示しない)とを備える。分類装置2は、画像データ取得部21と、判定部22と、決定部23とを主体に構成される。分類装置2は、さらに、情報取得部24と、調整部25とを備える。
【0013】
搬送部11は、卵Eが収容されたトレイTを搬送する。搬送部11は、例えば、トレイTを下から支えるベルトコンベヤである。
【0014】
照射部は、トレイTに収容された状態の卵Eに光を照射する。照射部は、例えば、LEDである。照射部は、各卵Eの上端部に向けて照射する。卵Eは、内部で光が拡散した状態で明るく光る。照射部は、トレイTの収容座に対応するように配置されており、例えば、搬送方向を横切るように一列に、6つ並んでいる。
【0015】
高さ変更部は、卵Eの大きさに応じて照射部の高さ位置を変える。高さ変更部は、照明部を別の駆動源を用いて上下方向に移動させるものであってもよいし、別の駆動源を用いることなくキャップ及びアーム部のうち少なくとも一方の変形を用いて照明部を上下方向に移動させるものであってもよい。
【0016】
カラーカメラ12は、卵Eを上方から撮影する。カラーカメラ12は、搬送部11の上方に固定されており、複数の卵Eを同時に撮影する。カラーカメラ12は、一台で撮影してもよいし、複数台で撮影するものであってもよい。カラーカメラ12は、一つの卵Eに対して複数回撮影してもよい。
【0017】
アーム部は、先端に照射部が取り付けられる。アーム部は、変形可能なものである。具体的には、アーム部は、基端部が固定されており、当該アーム部が変形することによって先端部の位置が上下方向に移動する。なお、本実施形態では、アーム部の先端は、搬送部11が作動している間は、キャップ13の先端部が卵Eの上端部から離れる方向に力が加えられており、一方、搬送部11が停止している間は、キャップ13の先端部が卵Eの上端部に押しつけられる方向に力が加えられている。
【0018】
キャップ13は、照射部の周囲に取り付けられる。具体的には、キャップ13は、基端部がアーム部に固定されており、先端部が卵Eの上端部に接する。キャップ13は、柔軟性と遮光性を有する。キャップ13の下端部は、卵Eの気室に相当する部分をすべて覆わない大きさに設定されているのが好ましい。
【0019】
カバー14は、撮影対象の卵Eに外部からの光が入らないように防止するものである。具体的には、カバー14は、少なくともトレイTと卵Eと照射部とを覆う。
【0020】
制御部は、搬送部11を制御して、卵Eの撮影前にトレイTの搬送を止める。制御部は、照射部を制御して、隣接する卵Eが同時に光らないようにする。具体的には、制御部は、6つの照射部のうち、1、3、5番目の照射部を光らせているときに、2、4、6番目の照射部を消灯し、一方、2、4、6番目の照射部を光らせているときに、1、3、5番目の照射部を消灯する。また、制御部は、孵卵日数に応じて照射部を制御して、発光強度を変化させてもよい。
【0021】
画像データ取得部21は、内部で光が拡散した状態の卵Eをカラーカメラ12で撮影した画像を表す画像データを取得する。画像データ取得部21は、判定部22に接続されている。
【0022】
判定部22は、コンピュータを用いて構成される。卵Eの内部の状態を表す情報及び卵Eについての画像データを含む教師データを用いて学習された学習モデルによって、画像データ取得部21が取得した画像データに応じて、卵Eの内部の状態を判定する。判定部22は、卵Eを撮影した画像を表す画像データに応じて卵Eの内部の状態を判定するために用いられる学習モデルを備えている。学習モデルは、たとえば、ニューラルネットワークを用いている。
【0023】
図3は、学習モデルの機能構成例を示す概念図である。学習モデルは、それぞれに複数のノードを有する入力層31、中間層32及び出力装置を備えたニューラルネットワークを用いる。入力層31は、画像データが入力される複数のノードを有する。例えば、画像に含まれる各画素での画素値が、いずれかのノードへ入力される。出力層33は、中間層32のノードから演算されたデータを受け付け、卵Eの状態を出力する複数のノードを有する。例えば、一のノードは、未受精卵である確率をスコアとして出力し、他のノードは、血管の発育不良である確率をスコアとして出力する。さらに他のノードは、気室の位置不良である確率をスコアとして出力する。中間層32は、一層でも複数層でもよい。学習モデルは、ニューラルネットワークとして、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)または再帰型ニューラルネットワーク(RNN)を用いてもよい。
【0024】
学習モデルは、教師データを用いて予め学習がなされている。未受精卵等を含む、状態が判明している複数個の卵Eについて、画像データが取得され、教師データが作成される。教師データには、各卵Eの内部の状態を表す情報と各卵Eを撮影した画像を表す画像データとが含まれる。教師データに含まれる各卵Eについての画像データが入力層31の各ノードに入力され、教師データに含まれる情報が示す各卵Eの状態に合致したスコアを出力層33の各ノードに出力されるように、各ノードの演算のパラメータが調整される学習がなされている。
【0025】
決定部23は、卵Eの内部の状態の判定結果に応じて、卵Eの分類先を決定する。具体的には、胚の成長具合に応じて、卵Eを撮影した際に得られる画像は異なる。このため、画像データに応じて卵Eの内部の状態を判定することが可能である。
【0026】
情報取得部24は、卵殻色に関する情報、孵化する鶏の品種に関する情報または孵卵開始からの経過日数に関する情報のうち少なくとも1つの情報を取得する。卵分類システム10は、これらの情報が入力される入力装置15を備えている。入力装置15は、使用者が操作することにより情報が入力される。なお、情報取得部24は、分類装置2と通信可能に構成される孵卵機や他の装置からこれらの情報を自動的に取得してもよい。
【0027】
卵殻色、鶏の品種、孵卵開始からの経過日数は、光の照射を受けた卵Eの明るさと関係する。鶏の品種が卵内部の胚の色と関係し、孵卵開始からの経過日数が卵内部の胚の大きさと関係する。そのため、卵殻色に関する情報や、鶏の品種に関する情報、孵卵開始からの経過日数に関する情報は、卵Eを分類する際の推定結果に影響を与える要因となる。
【0028】
調整部25は、取得した前記情報に応じて、判定部22で用いるべき学習モデルを複数の学習モデルの中から選択するか、または、決定部23で判定結果に応じて卵Eの分類先を決定する基準を調整する。例えば、孵卵開始からの経過日数によって、卵Eを撮影した画像は若干変化する。調整部25は、入力装置15から出力された情報を受け付け、受け付けた情報に応じて、卵Eの分類先を決定するための基準を調整する。
【0029】
また、卵分類システム10は、卵撮影装置1および分類装置2を用いて分類された卵Eのうち、孵卵機に戻さない卵Eを排除する排除部を備える。排除部は、搬送部11により搬送される卵EをトレイT上から排除するための機構を有する。トレイTから非生存卵Eを選択的に移載する技術はこの分野でよく知られている技術等を利用できる。
【0030】
次に、分類装置2が行う設定処理の手順について、
図5を用いて説明する。
【0031】
情報取得部24は、卵殻色に関する情報、孵化する鶏の品種に関する情報または孵卵開始からの経過日数に関する情報のうち少なくとも1つの情報を取得する(ステップS21、S22、S23)。それらの情報は、入力装置15で設定される。
【0032】
分類対象の卵Eの品質に応じて、卵Eの分類先を決定するための基準は調整される必要がある。卵Eの分類先を決定するための基準を調整することにより、適切に卵Eを分類することが可能となる。あるいは卵Eの状態を判定するために用いる学習モデルを調整することにより、適切に卵Eを分類することが可能となる。
【0033】
調整部25は、次の処理で用いるべき学習モデルを選択する(ステップS24)。学習モデルは、パラメータの異なる複数の学習モデルを含んでおり、調整部25は、それら複数の学習モデルから処理で用いるべき学習モデルを選択する。また、調整部25は、出荷すべき卵Eの品質に応じて、卵Eの分類の基準を調整する(ステップS25)。例えば、調整部25は、卵Eの分類先を決定するために利用される血管の発育不良の基準を変更する。なお、ステップS24とステップS25とは、いずれか一方のみを実行してもよい。
【0034】
以上に説明した設定処理は、例えばロットごとに行われる。
【0035】
分類対象の卵Eが搬送部11で所定の撮影位置まで搬送されると、搬送部11はいったん停止する。高さ変更部の作用により、照射部が卵の上端部に位置づけられると、制御部は照射部を点灯し、カラーカメラ12で卵Eが撮影される。撮影が終わると、制御部は搬送部11を作動させ、次の列の卵Eが撮影位置まで搬送されると、搬送部11は再び停止する。高さ変更部の作用により、照射部が位置づけられると、照射部による点灯と、カラーカメラ12での撮影が行われる。このような処理が、トレイT上の全ての卵に対して行われる。
【0036】
次に、分類装置2の判定部22が行う処理の手順について、
図6を用いて説明する。
【0037】
判定部22は、位置を特定した一の卵Eについての画像データを画像データ取得部21から取得する(ステップS1)。次に、卵Eを分類するための設定を行う設定処理を行う(S2)。ステップS2では、ステップS21~ステップS25で説明した設定処理を行う。
【0038】
次に、判定部22は、画像データに基づいて、学習モデルを用いて、卵Eの内部の状態を判定する判定処理を行う(ステップS3)。学習モデルは、卵Eを撮影した画像を示す画像データと、卵Eの内部の状態を表す情報とを含む教師データを用いて、画像データから卵Eの内部の胚の成長具合を判定するように予め学習がなされている。
【0039】
判定部22は、学習モデルの出力に応じて、卵Eの内部の状態を判定する。例えば、判定部22は、未受精卵である確率が所定の閾値未満である場合に未受精卵ではないと判定し、未受精卵である確率が所定の閾値以上である場合に未受精卵であると判定する。
【0040】
判定部22は、卵Eの内部の状態の判定結果を出力する(ステップS4)。決定部23は、卵Eの内部の状態の判定結果に応じて、卵Eの分類先を決定する(ステップS5)。例えば、このまま孵卵を続ける卵Eの分類先と、未受精卵を含む孵卵を中止する卵Eの分類先とに分ける。決定部23は、孵卵を中止する卵EのトレイT上での位置を特定し、排除部は、孵卵を中止する卵EをトレイT上から排除する。
【0041】
以上説明したように、本実施形態にかかる卵分類システム10は、雛が孵化する前の卵Eを分類する卵分類システム10において、搬送部11と、照射部と、高さ変更部と、画像データ取得部21と、判定部22と、決定部23とを備える。搬送部11は、卵Eが収容されたトレイTを搬送する。照射部は、トレイTに収容された状態の卵Eに光を照射する。高さ変更部は、卵Eの大きさに応じて照射部の高さ位置が変わる。画像データ取得部21は、内部で光が拡散した状態の卵Eをカラーカメラ12で撮影した画像を表す画像データを取得する。判定部22は、卵Eの内部の状態を表す情報及び卵Eについての画像データを含む教師データを用いて学習された学習モデルによって、画像データ取得部21が取得した画像データに応じて、卵Eの内部の状態を判定する。決定部23は、卵Eの内部の状態の判定結果に応じて、卵Eの分類先を決定する。
【0042】
卵殻色に関する情報、孵化する鶏の品種に関する情報または孵卵開始からの経過日数に関する情報のうち少なくとも1つの情報を取得する情報取得部24と、取得した情報に応じて、判定部22で用いるべき学習モデルを複数の学習モデルの中から選択するか、または、前記決定部23で前記判定結果に応じて卵Eの分類先を決定する基準を調整する調整部25とを備える。
【0043】
先端に照射部が取り付けられるアーム部を備え、高さ変更部は、アーム部が移動または変形する。
【0044】
なお、本発明は上述した実施形態に限られない。
【0045】
卵分類システム10は、卵撮影装置1の外部で卵Eの内部の状態を判定する形態であってもよい。例えば、学習済みの学習モデルを含んだ分類装置2が卵撮影装置1の外部に設けられるものであってもよい。分類装置2はコンピュータを用いて構成されている。分類装置2は、複数のコンピュータで構成されてもよく、クラウドを利用して実現されてもよい。
【0046】
高さ変更部は、トレイTの搬送を利用するものであってもよい。具体的に説明すれば、この高さ変更部は、アーム部の先端に、トレイTに入った卵Eの上端部に当たるローラを備える。ローラは、アーム部の先端に回転動作可能に取り付けられ、トレイTの搬送に伴い卵Eの上部に乗り上げる。ローラは、外周面が搬送部11の搬送方向に沿うように、かつ、卵Eの上端に当たる場所に配置されている。アームは、上下方向に移動可能に保持されている。ローラの近傍には、照明部が設けられており、このローラを介して、照明部の高さを卵Eの大きさに応じて変更させることができる。
【0047】
照射部は、アーム部の先端に取り付けられるものには限られない。アーム部は、弾性変形しないものであってもよい。
【0048】
本発明の卵分類システム10は、孵卵日数10日目以外に用いてもよい。例えば、孵卵日数9日目や11日目、18日目、19日目などに用いることが好ましい。
【0049】
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、卵分類システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0051】
10…卵分類システム
11…搬送部
12…カラーカメラ
21…画像データ取得部
22…判定部
23…決定部
24…情報取得部
25…調整部
E…卵
T…トレイ