(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022099550
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】機器コントローラ
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0488 20220101AFI20220628BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20220628BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20220628BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20220628BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
G06F3/0488
G06F3/0484
H04Q9/00 301D
H04M11/00 301
G06F13/00 358E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020213370
(22)【出願日】2020-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【弁理士】
【氏名又は名称】前澤 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100203091
【弁理士】
【氏名又は名称】水鳥 正裕
(72)【発明者】
【氏名】林 航平
【テーマコード(参考)】
5E555
5K048
5K201
【Fターム(参考)】
5E555AA12
5E555BA04
5E555BA15
5E555BB04
5E555BC01
5E555BC07
5E555BC09
5E555CA12
5E555CA17
5E555CB16
5E555CB20
5E555CC03
5E555DA01
5E555DA23
5E555DA24
5E555DD08
5E555FA00
5K048AA14
5K048BA12
5K048EB02
5K048FB15
5K048FC04
5K201BA01
5K201BC30
5K201EA07
5K201EB07
5K201EC06
5K201EC08
5K201ED04
5K201ED08
5K201EF01
5K201EF06
(57)【要約】
【課題】表示領域の大きさや解像度やアスペクト比に影響をうけることなく適切に操作することができる機器コントローラを提供する。
【課題を解決するための手段】本実施形態の機器コントローラは、記憶部35に記憶された複数種類の操作信号から選択した操作信号を送信信号に設定する信号設定部41と、送信信号を機器へ送信する通信部33と、表示部37とタッチパネル38とを備えた表示装置31と、タッチパネル38の検出領域に対して所定の操作が行われたことを検出する検出部40と、を備え、タッチパネル38の検出領域全体に入力部が設定され、検出部40が入力部に対して第1操作が行われたことを検出した場合に、信号設定部41は送信信号に設定する操作信号を変更し、検出部40が入力部に対して第2操作が行われたことを検出した場合に、通信部33は送信信号に設定した操作信号を機器10へ送信する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器に操作信号を送信して前記機器を遠隔操作する機器コントローラにおいて、
複数種類の前記操作信号を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記操作信号から選択した操作信号を送信信号に設定する信号設定部と、
前記送信信号を前記機器へ送信する通信部と、
表示部とタッチパネルとを備えた表示装置と、
前記タッチパネルの検出領域に対して所定の操作が行われたことを検出する検出部と、を備え、
前記タッチパネルの検出領域全体に入力部が設定され、
前記検出部が前記入力部に対して第1操作が行われたことを検出した場合に、前記信号設定部は前記送信信号に設定する前記操作信号を変更し、
前記検出部が前記入力部に対して第2操作が行われたことを検出した場合に、前記通信部は前記送信信号に設定した前記操作信号を前記機器へ送信する機器コントローラ。
【請求項2】
前記第1操作は、前記入力部に対するスライド操作であり、
前記検出部は、前記第1操作の検出時にスライド移動量を検出し、
前記信号設定部が、前記スライド移動量に応じて前記送信信号に設定する前記操作信号を変更する請求項1に記載の機器コントローラ。
【請求項3】
前記検出部が前記入力部に対して第3操作が行われたことを検出すると、
前記第3操作が行われた時に前記送信信号に設定された前記操作信号を、前記送信信号に設定することを禁止する請求項1又は2に記載の機器コントローラ。
【請求項4】
前記通信部が前記操作信号の送信を失敗すると、送信に失敗した前記操作信号を再送する操作が可能となる請求項1~3のいずれか1項に記載の機器コントローラ。
【請求項5】
前記操作信号ごとに異なる振動及び音声の少なくとも一方を含む報知を行う報知部を備え、
前記信号設定部が前記送信信号に設定する前記操作信号を変更すると、前記報知部が前記送信信号に設定されている前記操作信号に対応する報知を行う請求項1~4のいずれか1項に記載の機器コントローラ。
【請求項6】
操作ボタンを備え、
前記操作ボタンが操作されると、前記報知部が前記送信信号に設定されている前記操作信号に対応する報知を行う請求項5に記載の機器コントローラ。
【請求項7】
前記通信部が前記送信信号に設定された操作信号を前記機器へ送信すると、前記報知部が前記操作信号に設定されている前記操作信号に対応する報知を行う請求項5又は6に記載の機器コントローラ。
【請求項8】
前記報知部において、振動による報知と、音声による報知と、振動及び音声による報知が選択可能である請求項5~7のいずれか1項に記載の機器コントローラ。
【請求項9】
前記表示装置のバックライトの照度を低下させた状態で前記機器に前記操作信号を送信することができる請求項1~8のいずれか1項に記載の機器コントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、機器コントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等の通信端末は、遠隔操作アプリケーションがインストールされることで、家電機器などの機器を遠隔操作する機器コントローラとして機能する。
【0003】
このような機器コントローラでは、多数の操作機能を持たせるため、ユーザからの操作を受け付ける操作用のオブジェクトを互いに近接させて表示画面に多数配置することとなり、意図しないオブジェクトを操作する誤操作が起こりやすく操作性を損なう場合がある。
【0004】
また、スマートフォンでは表示領域の解像度や画面サイズやアスペクト比が種々存在するため、表示領域が小さい場合や、開発者が意図してない解像度やアスペクト比の場合に、操作用オブジェクトが互いに重なり合って配置されるなど、適切にオブジェクトを配置することができず操作が困難となることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、上記事情を考慮してなされたものであり、表示領域の大きさや解像度やアスペクト比に影響をうけることなく適切に操作することができる機器コントローラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態の機器コントローラは、機器に操作信号を送信して前記機器を遠隔操作する機器コントローラにおいて、複数種類の前記操作信号を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記操作信号から選択した前記操作信号を送信信号に設定する信号設定部と、前記送信信号を前記機器へ送信する通信部と、表示部とタッチパネルとを備えた表示装置と、前記タッチパネルの検出領域に対して所定の操作が行われたことを検出する検出部と、を備え、前記タッチパネルの検出領域全体に入力部が設定され、前記検出部が前記入力部に対して第1操作が行われたことを検出した場合に、前記信号設定部は前記送信信号に設定する前記操作信号を変更し、前記検出部が前記入力部に対して第2操作が行われたことを検出した場合に、前記通信部は前記送信信号に設定した前記操作信号を前記機器へ送信するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る機器コントローラが適用される遠隔操作システムの構成例を示す図
【
図3】機器コントローラに登録されている操作信号の種類を示す図
【
図4】操作信号に対応する操作画面を、操作信号を変更するスワイプ操作の方向に対応させて配置した図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態の機器コントローラについて図面を参照して説明する。本実施形態の機器コントローラは、
図1に示すような家電機器等の機器10を遠隔操作する遠隔操作システムにおいて機器10を遠隔操作する。
【0010】
(1)遠隔操作システムの構成
図1は、本実施形態の機器コントローラが適用される遠隔操作システムの概略構成を示す図である。この遠隔操作システムは、1又は複数の機器10、サーバ20及び通信端末30とを含んで構築されている。
【0011】
この遠隔操作システムでは、機器10に設けられた機器アダプタ11と通信端末30との組み合わせがサーバ20に登録(ペアリング)されることで、通信端末30から機器10の遠隔操作や状態確認が可能となる。
【0012】
各宅内50には、狭域通信ネットワークである無線LANが整備されている。無線LANの中継局52が、インターネットを含む広域通信ネットワーク54と接続されている。中継局52は、例えばWiFi(登録商標)ルータやWiFiアクセスポイントなどの通信機器である。
【0013】
機器10は、ユーザの宅内50に設置された機器であって、例えば、冷蔵庫、オーブンレンジ、エアコン、テレビ、洗濯機等の家電機器等である。各機器10には、それぞれ機器アダプタが接続されている。
【0014】
機器10は、機器コントローラとして機能する通信端末30から送信された操作信号を機器アダプタより受信し、当該操作信号に応じた動作を行ったり、機器10の状態に関するデータを機器アダプタ及びサーバ20を介して通信端末30へ送信する。
【0015】
サーバ20は、周知のコンピュータシステムにより構成されており、広域通信ネットワーク54及び無線LANの中継局52を介して各宅内50に設置された機器10と通信可能となっている。サーバ20は、機器10を操作するために通信端末30と機器10との通信を中継する。
【0016】
(2)通信端末30の構成
通信端末30は、スマートフォンやタブレット端末などであって、広域通信ネットワーク54を介してサーバ20と接続される。通信端末30と広域通信ネットワーク54におけるインターネットとの間は、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、LTE(Long Term Evolution)や、宅内あるいは公衆のWiFi(登録商標)アクセスポイントなどを介して接続される。通信端末30は、遠隔操作アプリケーションを起動することで、サーバ20を介して通信可能な機器10を遠隔操作する機器コントローラとして機能する。ここでは、通信端末30としてスマートフォンを例に説明する。
【0017】
通信端末(スマートフォン)30は、
図2に示すように、表示装置31、操作ボタン32、通信部33、報知部34、記憶部35及び制御部36を備えている。
【0018】
表示装置31は、表示部37及びタッチパネル38を備える。具体的には、表示装置31は、表示部37の表示領域にタッチパネル38を重ねた構造になっている。表示部37は、LCD、有機EL等のディスプレイであり、制御部36の制御に従って表示領域に各種の情報や画像を表示する。
【0019】
タッチパネル38は、操作体によるタップ操作やロングタップ(長押し)操作やスライド操作やスワイプ操作などの操作を検出することで、ユーザの指などの操作体による入力操作を受け付ける。また、タッチパネル38はスライド操作を検知した場合、操作体の接触を最初に検出した箇所の座標値と、検知時点で操作体の接触を検出している箇所の座標値を検知結果とともに後述する操作制御部に出力する。
【0020】
操作ボタン32は、機械式のスイッチや静電容量式のタッチスイッチなどで構成され、表示装置31の周囲などに設けられており、タッチパネル38と独立してユーザからの操作を受け付ける。通信部33は、無線LANや、4G、5G、LTEの各規格に従って無線接続に関する制御を行う。報知部34は、スピーカ及び振動器を備え、音声及び振動によってユーザに各種情報を知らせる。
【0021】
記憶部35は、例えば、ROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)で構成されている。記憶部35は、遠隔操作アプリケーションなどの制御部36が実行する各種のプログラム、及び当該プログラムの実行に使用される各種のデータや、タップ操作などの各種操作と通信端末30が実行する各種の処理とを対応付けたデータテーブルが格納されている。
【0022】
また、記憶部35には、通信部33より機器10に送信して機器10に所定の動作を実行させる複数の操作信号のデータと、操作信号に対応付けられた表示部37に表示する操作画面のデータや、操作信号に対応付けられた報知部34の動作に関するデータが格納されている。なお、記憶部35に格納された複数の操作信号については、後で詳述する。
【0023】
制御部36は、通信端末30を構成する各部を統括的に制御する。制御部36の機能は、記憶部35に格納されたプログラムを、CPU(Central Processing Unit)が実行することで実現されてもよい。ここでは、制御部36は、記憶部35に格納されたプログラムの実行によって、検出部40、信号設定部41及び表示制御部42を仮想的に実現する。
【0024】
検出部40は、タッチパネル38から出力された検知結果に基づいて、タッチパネル38で行われたタップ操作やロングタップ操作やスライド操作やスワイプ操作などの入力操作を検出する。
【0025】
具体的には、検出部40は、タッチパネル38においてスワイプ操作が行われると、スワイプ操作の方向、例えば、上下左右の4方向へのスワイプ操作を検出する。また、検出部40は、タッチパネル38においてスライド操作が行われ、操作体の接触を最初に検出した箇所と、その時点で接触を検出している箇所の座標値がタッチパネル38から出力されると、検出部40は操作体の上下方向及び左右方向の移動距離(スライド移動量)を算出する。
【0026】
そして、検出部40は、検出した入力操作の種類や、操作体の移動距離(直線移動距離、上下方向移動距離、左右方向移動距離)を信号設定部41へ出力する。
【0027】
また、検出部40は、操作ボタン32から出力された信号が入力されると、ユーザによる操作ボタン32の操作を検出する。
【0028】
信号設定部41は、記憶部35に格納された複数種類の操作信号の中から操作信号を選択し、選択した操作信号を送信信号に設定する。信号設定部41は、タッチパネル38に対してスワイプ操作が行われたことを検出部40が検出すると、送信信号に設定する操作信号を変更する。
【0029】
また、検出部40がタッチパネル38に対してスライド操作が行われたこと、及び操作体の移動距離を出力すると、信号設定部41は検出部40から出力された操作体の移動距離に基づいて送信信号に設定する操作信号を変更する。
【0030】
そして、信号設定部41は、タッチパネル38に対してタップ操作が行われたことを検出部40が検出すると、タップ操作が行われた時に設定されている送信信号を通信部33から機器10へ送信する。
【0031】
表示制御部42は、信号設定部41が送信信号に設定した操作信号に対応する操作画面のデータを記憶部35から読み出し、これを表示部37に表示させる。
【0032】
(3)操作信号
記憶部35に格納された複数の操作信号は、必要に応じて大分類、中分類及び小分類に分類されている。ここでは、エアコンの操作信号を例に説明する。
【0033】
図3に例示すように、エアコンの操作信号は、5つの大分類に分けられ、4つの大分類がそれぞれ中分類に分けられ、更に1つの中分類が小分類に分けられている。
【0034】
大分類としては、「運転モード設定」、「温度設定」、「風量設定」、「風向設定」、「運転停止」といったエアコンの設定項目が設定されている。
【0035】
大分類が「運転モード設定」の場合には、中分類としてエアコンが有する「冷房運転」、「除湿運転」、「暖房運転」、「空清運転」、「自動運転」及び「快適運転」の6つの運転モードが設定されている。更に中分類のうち、「冷房運転」には小分類として「無風感」、「プラズマ空清」の2つの運転モードが設定されている。
【0036】
大分類が「設定温度」の場合には、中分類としてエアコンにおいて設定可能な設定温度、ここでは、18℃から30℃まで1℃毎に設定されている。
【0037】
大分類が「風量設定」の場合には、中分類としてエアコンにおいて設定可能な複数段階(
図3では5段階)の風量が設定されている。
【0038】
大分類が「風向設定」の場合には、中分類としてエアコンにおいて設定可能な上下方向の複数段階(
図3では5段階)の風向と、左右方向の複数段階(
図3では5段階)の風向が設定されている。
【0039】
なお、大分類が「運転停止」には、中分類及び小分類が設定されていない。
【0040】
(4)機器コントローラの動作
次に、通信端末30において、遠隔操作アプリケーションを起動して通信端末30を機器コントローラとして機能させた場合の動作について説明する。ここでは、通信端末30からエアコンを遠隔操作する場合について説明する。
【0041】
まず、遠隔操作アプリケーションを起動すると、
図4において符号G0に示すようなトップ画面を表示装置31の表示部37に表示させる。トップ画面G0は、アプリケーションの起動時のエアコンの状態を表示しており、
図4の例では、エアコンが停止していることを示す「停止」の文字が書かれている。
【0042】
遠隔操作アプリケーションの起動中、検出部40は、タッチパネル38の検出領域全体に操作体の操作を受け付ける入力部を設定し、操作体が操作するタッチパネル38の位置によらずタップ操作やロングタップ操作やスライド操作やスワイプ操作などの入力操作を検出する。つまり、遠隔操作アプリケーションの起動中、表示装置31に設けられたタッチパネル38全体を1つのセンサとして機能させ、タッチパネル38の任意の位置で操作体による入力操作を検知する。
【0043】
また、報知部34は、アプリケーションの起動状態に対応する所定の振動パターンで振動器を動作させて通信端末30を振動させ、アプリケーションの起動状態であることをユーザに報知する。
【0044】
トップ画面G0が表示されたアプリケーションの起動状態において、タッチパネル38はユーザからの入力操作を受け付ける。
【0045】
ユーザが、タッチパネル38に対して上向きのスワイプ操作を行い、この操作を検出部40が検出すると、信号設定部41は、「運転モード設定」の中分類に設定された「除湿運転」、「暖房運転」、「空清運転」、「自動運転」及び「快適運転」を指示する操作信号のいずれか1つを送信信号に設定する。そして、タッチパネル38に対して左右方向のスワイプ操作を行ってこれらの操作信号が送信信号に設定可能となる。
【0046】
加えて、表示制御部42が、信号設定部41が送信信号に設定した操作信号に対応する操作画面のデータを記憶部35から読み出し、これを表示部37に表示させたり、制御部36が、信号設定部41によって設定された操作信号に対応する態様で報知部34を動作させてもよい。
【0047】
図4の例では、トップ画面G0から上向きにスワイプ操作を行うと、冷房運転の実行を指示する操作信号が送信信号に設定され、表示部37に「冷房」の文字が書かれた画面G1を表示する。また、報知部34が、冷房運転に対応する所定の振動パターンで振動器を動作させて通信端末30を振動させることで、冷房運転が送信信号に設定されたことをユーザに報知する。
【0048】
そして、送信信号に冷房運転を指示する操作信号が設定されている状態から、ユーザが、タッチパネル38に対して右向き又は左向きのスワイプ操作を行い、この操作を検出部40が検出すると、「運転モード設定」の中分類に設定され各運転の操作信号を順次切り替えて送信信号に設定するとともに、表示制御部42は、送信信号に設定した操作信号に対応する操作画面を表示部37に表示させる。
【0049】
例えば、冷房運転を指示する操作信号が設定されている状態から右向きのスワイプ操作を検出するごとに、信号設定部41が、「冷房運転」から「除湿運転」、「暖房運転」、「空清運転」、「自動運転」、「快適運転」の順番で送信信号に設定される操作信号を切り替えて設定し、「快適運転」から更に右向きのスワイプ操作を検出すると、「冷房運転」を送信信号に設定する。また、表示制御部42は、表示部37に「除湿」、「暖房」、「空清」、「自動」、「快適」、「冷房」の文字が書かれた画面G2、G3、G4、G5、G6、G1を順番に表示させる。また、報知部34は、「除湿運転」、「暖房運転」、「空清運転」、「自動運転」、「快適運転」、「冷房運転」に対応する所定の振動パターンで振動器を動作させて通信端末30を振動させる。各振動パターンは、運転ごとに異なるパターンが設定されており、送信信号に設定されている操作信号の内容を振動によりユーザに報知する。
【0050】
また、冷房運転を指示する操作信号が設定されている状態から左向きのスワイプ操作を検出するごとに、信号設定部41が、「冷房運転」から「快適運転」、「自動運転」、「空清運転」、「暖房運転」、「除湿運転」の順番で送信信号に設定される操作信号を切り替えて設定し、「除湿運転」から更に左向きのスワイプ操作を検出すると、「冷房運転」を送信信号に設定する。更に、表示制御部42は、表示部37に「快適」、「自動」、「空清」、「暖房」、「除湿」、「冷房」の文字が書かれた画面G6、G5、G4、G3、G2、G1を順番に表示させ、報知部34は、各運転に対応する所定の振動パターンで振動器を動作させて通信端末30を振動させる。
【0051】
また、送信信号に「冷房運転」、「除湿運転」、「暖房運転」、「空清運転」、「自動運転」及び「快適運転」のいずれかの運転に設定されている状態から、ユーザがタッチパネル38に対して下向きのスワイプ操作を行い、この操作を検出部40が検出すると、アプリケーションの起動状態であるトップ画面G0に戻り、報知部34は、アプリケーションの起動状態に対応する所定の振動パターンで振動器を動作させて通信端末30を振動させ、ユーザに報知する。
【0052】
また、送信信号に「冷房運転」を指示する操作信号が設定され、表示部37に画面G1が表示されている状態から、ユーザが、タッチパネル38に対して上向きのスワイプ操作を行い、この操作を検出部40が検出すると、信号設定部41は「冷房運転」の小分類に設定された操作信号のいずれか1つを送信信号に設定する。
【0053】
図4の例では、画面G1から上向きにスワイプ操作を行うと、「無風感」のモードの実行を指示する操作信号が送信信号に設定され、表示部37に「無風感」の文字が書かれた画面G7を表示する。また、報知部34は、「無風感」のモードに対応する所定の振動パターンで振動器を動作させて通信端末30を振動させ、ユーザに報知する。
【0054】
そして、送信信号に無風感モードを指示する操作信号が設定されている状態から、ユーザが、タッチパネル38に対して右向き又は左向きのスワイプ操作を行い、この操作を検出部40が検出すると、「冷房運転」に設定された小分類の操作信号である「無風感」及び「プラズマ空清」を順次切り替えて送信信号に設定するとともに、表示制御部42が、送信信号に設定した操作信号に対応する画面G7,G8を表示部37に表示させる。また、報知部34は、各モードに対応する所定の振動パターンで振動器を動作させて通信端末30を振動させ、ユーザに報知する。
【0055】
送信信号に「無風感」又は「プラズマ空清」の運転に設定されている状態から、ユーザが、タッチパネル38に対して下向きのスワイプ操作を行い、この操作を検出部40が検出すると、「冷房運転」を指示する操作信号が設定されている状態に戻り、報知部34は、「冷房運転」に対応する所定の振動パターンで振動器を動作させて通信端末30を振動させ、ユーザに報知する。
【0056】
また、トップ画面G0が表示された状態において、ユーザが、タッチパネル38に対して右向きのスワイプ操作を行い、この操作を検出部40が検出すると、信号設定部41が、操作信号の中から「温度設定」の中分類の操作信号、つまり、18℃~30℃の設定温度を指示する操作信号のいずれか1つを送信信号に設定した上で、タッチパネル38に対して上下方向のスライド操作を行って設定温度を設定する操作信号が送信信号に設定可能となる。
【0057】
加えて、表示制御部42は、表示部37に「温度設定」の文字が書かれた画面G9を表示させ、報知部34は、「温度設定」に対応する所定の振動パターンで振動器を動作させて温度設定が可能であることをユーザに報知する。
【0058】
そして、画面G9が表示された状態において、ユーザがタッチパネル38に対して上下方向のスライド操作を行い、検出部40が、その操作を検出するとともに、スライド操作時の操作体の上下方向のスライド移動量とその向きを検出すると、信号設定部41は、スライド移動量とその向きに応じて設定温度が段階的に変化するように操作信号を変更する。
【0059】
具体的には、操作体が上向きに所定長さ移動するごとに、1℃ずつ設定温度が高くなるように送信信号を変更し、操作体が下向きに所定長さ移動するごとに、1℃ずつ設定温度が低くなるように送信信号を変更する。加えて、表示制御部42が送信信号に設定した設定温度が書かれた画面G9を表示部27に表示するとともに、報知部34が、その時の設定温度に対応する所定の振動パターンで振動器を動作させて通信端末30を振動させることで、送信信号に設定した設定温度をユーザに報知する。つまり、設定温度が1℃ずつ変化することに表示部27が変化するとともに、通信端末30が振動する。
【0060】
そして、画面G10が表示された状態から、タッチパネル38に対して左向きのスワイプ操作が行われたことを検出部40が検出すると、アプリケーションの起動状態であるトップ画面G0に戻り、報知部34は、アプリケーションの起動状態に対応する所定の振動パターンで振動器を動作させて通信端末30を振動させ、ユーザに報知する。
【0061】
また、トップ画面G0が表示された状態において、ユーザが、タッチパネル38に対して左向きのスワイプ操作を行い、この操作を検出部40が検出すると、信号設定部41が、操作信号の中から「風量設定」の中分類の操作信号、つまり、風量の強弱を指示する複数段階の操作信号のいずれか1つを送信信号に設定した上で、タッチパネル38に対して上下方向のスライド操作を行って風量を設定する操作信号が送信信号に設定可能となる。
【0062】
加えて、表示制御部42は、表示部37に「風量設定」の文字が書かれた画面G10を表示させ、報知部34は、「風量設定」に対応する所定の振動パターンで振動器を動作させて風量設定が可能であることをユーザに報知する。
【0063】
そして、画面G10が表示された状態において、ユーザがタッチパネル38に対して上下方向のスライド操作を行い、この操作を検出部40が検出するとともに、スライド操作時の操作体の上下方向のスライド移動量とその向きを検出すると、上記した「温度設定」を設定する場合と同様、信号設定部41は、スライド移動量とその向きに応じて風量設定が段階的に変化するように操作信号を変更する。加えて、表示制御部42が送信信号に設定した風量が書かれた画面G10を表示部27に表示するとともに、報知部34が、その時の風量設定に対応する所定の振動パターンで振動器を動作させて通信端末30を振動させることで、送信信号に設定した風量をユーザに報知する。
【0064】
画面G10が表示された状態において、ユーザがタッチパネル38に対して右向きのスワイプ操作を行い、この操作を検出部40が検出すると、アプリケーションの起動状態であるトップ画面G0に戻り、報知部34は、アプリケーションの起動状態に対応する所定の振動パターンで振動器を動作させて通信端末30を振動させ、ユーザに報知する。
【0065】
画面G10が表示された状態において、ユーザが左向きのスワイプ操作を行い、この操作を検出部40が検出すると、信号設定部41が、操作信号の中から「風向設定」の中分類の操作信号、つまり、上下方向及び左右方向の風向を指示する複数段階の操作信号を、上下方向及び左右方向のそれぞれ1つずつ設定した上で、タッチパネル38に対して所望の方向にスライド操作を行って、上下方向及び左右方向の風向を設定する操作信号が送信信号に設定可能となる。
【0066】
加えて、表示制御部42は、表示部37に「風向設定」の文字が書かれた画面G11を表示させ、報知部34は、「風向設定」に対応する所定の振動パターンで振動器を動作させて風向設定が可能であることをユーザに報知する。
【0067】
そして、画面G11が表示された状態において、ユーザがタッチパネル38に対してスライド操作を行い、この操作を検出部40が検出するとともに、スライド操作時の操作体の上下方向及び左右方向のスライド移動量とその向きを検出すると、信号設定部41は、そのスライド移動量とその向きに応じて上下方向及び左右方向の風向が段階的に変化するように操作信号を変更する。
【0068】
具体的には、操作体が上向きに所定長さ移動するごとに風向が上方へ1段階変化し、操作体が下向きに所定長さ移動するごとに風向が下方へ1段階変化し、操作体が右向きに所定長さ移動するごとに風向が右方へ1段階変化し、操作体が左向きに所定長さ移動するごとに風向が左方へ1段階変化する。加えて、表示制御部42が送信信号に設定した風向をイラスト表示した画面を表示部27に表示するとともに、報知部34が、その時の風向に対応する所定の振動パターンで振動器を動作させて通信端末30を振動させることで、送信信号に設定した風向をユーザに報知する。
【0069】
そして、画面G11が表示された状態から、ユーザがタッチパネル38に対して右向きのスワイプ操作を行い、この操作を検出部40が検出すると、風量の設定が可能な画面G10に戻る。
【0070】
また、トップ画面G0が表示された状態において、ユーザがタッチパネル38に対して下向きのスワイプ操作を行い、この操作を検出部40が検出すると、エアコンの運転を停止させる操作信号を送信信号に設定する。
【0071】
以上のような操作によって操作信号を送信信号に設定した後、ユーザが、タッチパネル38に対してタップ操作を行い、検出部40がこのタップ操作を検出すると、信号設定部41はこの時に送信信号に設定されている操作信号を送信信号に仮確定する。操作信号の仮確定とともに、報知部34は、仮確定した操作信号に対応する所定の振動パターンで振動器を動作させ、操作信号が仮確定したこと及び仮確定した操作信号の内容をユーザに報知する。
【0072】
なお、操作信号を仮確定した後、ユーザがタッチパネル38に対して所定の操作、例えば、ロングタップ操作を行い、その操作を検出部40が検出すると、操作信号の仮確定を解除してもよい。また、仮確定の解除とともに、仮確定の解除から所定時間、仮確定を解除した操作信号を送信信号に設定することを禁止してもよい。これにより、ユーザが誤って操作信号を仮確定した場合でも、所望の操作信号に修正することができるとともに、誤って仮確定した操作信号を再び設定することがなくなり、使い勝手を向上することができる。
【0073】
そして、操作信号を仮確定した後、更に、ユーザがタッチパネル38に対してタップ操作を行い、検出部40がこのタップ操作を検出すると、信号設定部41は、送信信号に設定された操作信号を通信部33から機器10へ送信する。
【0074】
操作信号を機器10へ送信した後、機器10から操作信号を受信した旨の信号を通信端末30が受信すると、操作信号の送信が完了する。
【0075】
そして、送信信号の送信が完了した後、報知部34は、通信部33から送信した操作信号に対応する所定の振動パターンで振動器を動作させ、送信が完了したことをユーザに対して報知する。
【0076】
また、送信信号を機器10へ送信した後、所定時間以内に機器10から送信信号を受信した旨の信号を通信端末30が受信しない場合、報知部34は、送信信号の送信に失敗したことをユーザに報知し、制御部36は送信に失敗した送信信号を再送する操作を受け付ける。つまり、送信に失敗した場合、ユーザが操作信号を送信信号に設定する操作を再度行うことなく、所望の操作信号を機器10へ再送することができる。失敗した送信信号を再送する操作としては、例えば、操作ボタン32の操作や、タッチパネル38に対するタップ操作などがある。報知部34が送信の失敗をユーザに報知した後、所定時間以内にこれらの操作を検出部40が検出すると、送信に失敗した送信信号を機器10へ再送する。
【0077】
(5)効果
以上のような本実施形態の機器コントローラでは、タッチパネル38の検出領域全体に操作体の操作を受け付ける入力部を設定し、操作体が操作するタッチパネル38の位置によらずタップ操作やロングタップ操作やスライド操作やスワイプ操作などの入力操作を検出する。そのため、通信端末30の表示領域の解像度や画面サイズやアスペクト比の影響を受けることなく、適切に操作を受け付ける入力部を表示部37に設定することができる。
【0078】
また、本実施形態では、操作体が操作するタッチパネル38の位置によらずにタッチパネル38の検出領域全体で入力操作を検出することができるため、例えば、視覚障碍者が利用する場合や、夜間の暗い状況下で表示装置31のバックライトを点灯させずに利用する場合であっても、意図しない操作が起こりにくい。
【0079】
また、本実施形態では、スライド操作時に検出部40が検出するスライド移動量に応じて送信信号に設定する操作信号を変更するため、タッチパネル38の検出領域全体に操作体の操作を受け付ける入力部を設定しても、温度や風量の強弱のような一次元的な変数の設定や上下方向及び左右方向の位置設定のような二次元的な変数設定を、操作性を損なうことがなく行うことができる。
【0080】
また、本実施形態では、操作体が操作するタッチパネル38の位置によらずにタッチパネル38の検出領域全体で入力操作を検出することができるため、例えば、視覚障碍者が利用する場合や、夜間の暗い状況下で表示装置31のバックライトを点灯させずに利用する場合のように表示装置31を見ずに操作する場合であっても、意図しない操作が起こりにくい。
【0081】
また、本実施形態では、送信信号を機器10へ送信した後、送信信号の送信が完了すると、報知部34は、通信部33から送信した送信信号に設定した操作信号に対応する所定の振動パターンで振動器を動作させ、送信が完了したことをユーザに対して報知するため、ユーザは操作完了を知ることができる。
【0082】
また、本実施形態では、送信信号を機器10へ送信した後、所定時間以内に機器10から送信信号を受信した旨の信号を通信端末30が受信しない場合、報知部34は、送信信号の送信に失敗したことをユーザに報知し、制御部36は送信に失敗した送信信号を再送する操作を受け付けるため、所望の操作を確実に行うことができる。
【0083】
(6)変更例
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0084】
例えば、上記した実施形態において、信号設定部が送信信号に設定する操作信号を変更する時などに報知部34が報知を行う回数は、1回のみでも、複数回繰り返し報知してもよいが、通信端末30がスマートフォンなど携帯端末の場合、バッテリーの消耗を抑えるため1回のみ報知することが好ましい。
【0085】
また、報知部34が報知を行う回数を1回のみ、または、2~3回に設定する場合、操作ボタン32のようなタッチパネル38以外の操作を検出部40が検出すると、再度、操作信号に対応する報知を行ってもよい。これにより、ユーザが報知部34の報知を認識できない場合など、必要に応じて報知を再確認することができ、ユーザに利便性を損なうことなく、報知回数を減らしてバッテリーの消耗を抑えることができる。
【0086】
また、報知部34の報知は、振動による報知と、音声による報知と、振動及び音声による報知のいずれの手段であってもよく、ユーザによってこれらの報知手段を選択することができてもよい。
【0087】
また、上記した実施形態では、機器コントローラの操作中に表示部37が画面表示を行う場合について説明したが、機器コントローラの操作中に表示装置31のバックライトを消灯し表示部37において画面表示を中止したり、あるいは、通信端末30を機器コントローラ以外として使用している時よりも表示装置31のバックライトの照度を低下させてもよい。このような場合、バッテリーの消耗を抑えたり、深夜に照明を消した状態で本機器コントローラを使用しても、ユーザが表示装置31のバックライトの明かりによる不快感を抑えることができる。
【符号の説明】
【0088】
10…機器、20…サーバ、30…通信端末、31…表示装置、32…操作ボタン、33…通信部、34…報知部、35…記憶部、36…制御部、37…表示部、38…タッチパネル、40…検出部、41…信号設定部、42…表示制御部