(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022099552
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】レシピ利用検出装置、プログラム及びレシピ情報提供システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220628BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020213373
(22)【出願日】2020-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【弁理士】
【氏名又は名称】前澤 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100203091
【弁理士】
【氏名又は名称】水鳥 正裕
(72)【発明者】
【氏名】金山 将也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA22
5L049BB08
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザによる料理レシピの利用状況を精度良く把握する。
【解決手段】本実施形態のレシピ利用検出装置は、レシピデータを表示する表示部32と、レシピデータが有する複数の工程を表示部32に切り替えて表示させる表示制御部40と、複数の工程の一部に設定したポイント工程を表示部32に表示した時間に基づいてレシピデータのユーザによる利用を検出する検出部41と、を備えるものである。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レシピデータを表示する表示部と、前記レシピデータが有する複数の工程を前記表示部に切り替えて表示させる表示制御部と、前記複数の工程の一部に設定したポイント工程を前記表示部に表示した時間に基づいて前記レシピデータのユーザによる利用を検出する検出部と、を備えるレシピ利用検出装置。
【請求項2】
レシピデータを表示する表示部を備え、前記表示部に表示した前記レシピデータのユーザによる利用を検出する装置の制御方法を実行可能なプログラムであって、
前記装置を、
前記レシピデータが有する複数の工程を前記表示部に切り替えて表示させる表示制御手段と、
記複数の工程の一部に設定したポイント工程を前記表示部に表示した時間に基づいて前記レシピデータのユーザによる利用を検出する検出手段として機能させるプログラム。
【請求項3】
複数のレシピデータを格納したレシピデータベースを備えるサーバと、
前記サーバと通信回線を介して通信可能に接続される機器と、を備えるレシピ情報提供システムにおいて、
前記機器は、前記レシピデータを表示する表示部と、前記レシピデータが有する複数の工程を前記表示部に切り替えて表示させる表示制御部と、前記複数の工程の一部に設定したポイント工程を前記表示部に表示した時間に基づいて前記レシピデータのユーザによる利用を検出する検出部と、前記検出部が利用を検出した前記レシピデータを識別するレシピ識別情報を前記サーバへ出力する出力部とを備え、
前記サーバは、前記出力部が出力した前記レシピ識別情報を集計した集計結果に基づいて前記機器へ出力する情報を作成するデータ作成部を備えるレシピ情報提供システム。
【請求項4】
複数のレシピデータを格納したレシピデータベースを備えるサーバと、
前記サーバと通信回線を介して通信可能に接続され、前記レシピデータに基づいて調理運転を実行する機器と、を備えるレシピ情報提供システムにおいて、
前記機器は、前記レシピデータに基づいて調理運転を実行すると前記レシピデータのユーザによる利用を検出する検出部と、前記検出部が利用を検出した前記レシピデータを識別するレシピ識別情報を前記サーバへ出力する出力部とを備え、
前記サーバは、前記出力部が出力した前記レシピ識別情報を集計した集計結果に基づいて前記機器へ出力する情報を作成するデータ作成部と、を備えるレシピ情報提供システム。
【請求項5】
前記出力部は、ユーザを識別するユーザ識別情報を前記レシピ識別情報に対応付けて前記サーバへ出力し、
前記データ作成部は、前記出力部が出力した前記レシピ識別情報を前記ユーザ識別情報ごとに集計した集計結果に基づいて前記機器へ出力する情報を作成する請求項3又は4に記載のレシピ情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、レシピ利用検出装置、プログラム及びレシピ情報提供に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザに料理レシピを提供するシステムが知られている。このようなシステムでは、ユーザの料理レシピの利用状況を踏まえて、料理レシピのランキングの表示や、ユーザの嗜好に合ったレシピの提案が行われている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシステムでは、料理レシピの閲覧回数等からユーザの利用状況を推定しており、精度良く利用状況を把握することが難しい。
【0005】
本発明の実施形態は、上記事情を考慮してなされたものであり、ユーザによる料理レシピの利用状況を精度良く把握することができる装置及びプログラムと、当該装置を用いたレシピ情報提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態のレシピ利用検出装置は、レシピ情報を表示する表示部と、前記レシピ情報が有する複数の工程を前記表示部に切り替えて表示させる表示制御部と、前記複数の工程の一部に設定したポイント工程を前記表示部に表示した時間に基づいて前記レシピ情報のユーザによる利用を検出する検出部と、を備えるものである。
【0007】
また、一実施形態のプログラムは、レシピ情報を表示する表示部を備え、前記表示部に表示した前記レシピ情報のユーザによる利用を検出する装置の制御方法を実行可能なプログラムであって、前記装置を、前記レシピ情報が有する複数の工程を前記表示部に切り替えて表示させる表示制御手段と、記複数の工程の一部に設定したポイント工程を前記表示部に表示した時間に基づいて前記レシピ情報のユーザによる利用を検出する検出手段として機能させるものである。
【0008】
また、一実施形態のレシピ情報提供システムは、複数の前記レシピ情報を格納したレシピデータベースを備えるサーバと、前記サーバと通信回線を介して通信可能に接続される機器と、を備えるシステムにおいて、前記機器は、前記レシピ情報を表示する表示部と、前記レシピ情報が有する複数の工程を前記表示部に切り替えて表示させる表示制御部と、前記複数の工程の一部に設定したポイント工程を前記表示部に表示した時間に基づいて前記レシピ情報のユーザによる利用を検出する検出部と、前記検出部が利用を検出した前記レシピ情報を識別するレシピ識別情報を前記サーバへ出力する出力部とを備え、前記サーバは、前記出力部が出力した前記レシピ識別情報を前記レシピ識別情報ごとに集計した集計結果に基づいて前記機器へ出力する情報を作成するデータ作成部を備えるものである。
【0009】
また、他の一実施形態のレシピ情報提供システムは、複数の前記レシピ情報を格納したレシピデータベースを備えるサーバと、前記サーバと通信回線を介して通信可能に接続され、前記レシピ情報に基づいて調理運転を実行する機器と、を備えるシステムにおいて、前記機器は、前記レシピ情報に基づいて調理運転を実行すると前記レシピ情報のユーザによる利用を検出する検出部と、前記検出部が利用を検出した前記レシピ情報を識別するレシピ識別情報を前記サーバへ出力する出力部とを備え、前記サーバは、前記出力部が出力した前記レシピ識別情報を前記レシピ識別情報ごとに集計した集計結果に基づいて前記機器へ出力する情報を作成するデータ作成部と、を備えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係るレシピ情報提供システムが搭載される遠隔操作システムの構成例を示す図
【
図3】レシピデータが有する下処理工程、調理工程及び盛り付け工程の画面データの一例を示す図
【
図6】端末機器のレシピデータを閲覧するためのアプリケーションを用いてユーザによるレシピデータの利用を検出する動作を示すフロー図
【
図7】オーブンレンジにおいて、ユーザによるレシピデータの利用を検出する動作を示すフロー図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態のレシピ情報提供システムについて図面を参照して説明する。本実施形態のレシピ情報提供システムは、レシピ利用検出装置によって検出したユーザによるレシピデータの利用状況に基づいて作成した情報を、ユーザに提供するシステムである。ここでは、
図1に示すような家電機器等の機器10を遠隔操作する遠隔操作システムに搭載されるレシピ情報提供システムを例に説明する。
【0012】
(1)遠隔操作システムの構成
図1は、本実施形態のレシピ提供システムが搭載される遠隔操作システムの概略構成を示す図である。この遠隔操作システムは、複数のユーザの宅内50に設置された複数の機器10と、サーバ20と、複数のユーザが操作する端末機器30とを含んで構築されている。
【0013】
この遠隔操作システムでは、機器10に設けられた機器アダプタと端末機器30との組み合わせがサーバ20に登録(ペアリング)されることで、端末機器30から機器10の遠隔操作や状態確認が可能となる。
【0014】
各宅内50には、狭域通信ネットワークである無線LANが整備されている。無線LANの中継器54が、インターネットを含む広域通信ネットワーク52と接続されている。中継器54は、例えばWiFi(登録商標)ルータやWiFiアクセスポイントなどの通信機器である。
【0015】
(2)機器10の構成
機器10は、ユーザの宅内50に設置され機器であって、例えば、オーブンレンジ10a、炊飯器10b、冷蔵庫10c、テレビ10d、洗濯機10e、エアコン10f等の家電機器がある。なお、以下、オーブンレンジ10a、炊飯器10b、冷蔵庫10c、テレビ10d、洗濯機10e、エアコン10fを総称して機器10ということもある。
【0016】
機器10は、制御部と、機器10の動作状態など各種情報を表示する表示部と、ユーザからの操作入力を受け付ける操作部と、広域通信ネットワーク52を介してサーバ20や端末機器30と相互通信を行う通信部とを備える。機器10は、操作部がユーザからの操作入力を受け付けて制御部に伝達し、これを受け付けた制御部が通信部や当該機器10の装置機能を制御することで、機器10の動作全般を制御する。
【0017】
本実施形態では、上記した機器10のうちオーブンレンジ10a及び炊飯器10bが後述するレシピデータに基づいて調理運転を実行可能な機器である。
【0018】
(2-1)オーブンレンジ10aの構成
次に、オーブンレンジ10aの構成について
図2に基づいて説明する。
【0019】
オーブンレンジ10aは、不図示の機器アダプタが機器内部に組み込まれている。オーブンレンジ10aは、サーバ20を介して端末機器30より命じられた制御命令を機器アダプタより受信し、当該制御命令に応じた動作を行ったり、機器10の状態に関するデータを機器アダプタ及びサーバ20を介して端末機器30へ送信する。
【0020】
図2は、オーブンレンジ10aの主な電気的構成を示す図である。
図2に示すように、オーブンレンジ10aは、制御部11、表示部12、操作部13、通信部14、機器機能部15及び記憶部16を備える。
【0021】
表示部12は、例えば液晶パネルや有機EL等といった表示器により構成され、制御部11の指示に応じてオーブンレンジ10aの状態等の各種情報を表示することで、ユーザにこれらの情報を提示する。
【0022】
操作部13は、表示部12の表示画面上に形成されるタッチパネルスイッチや表示部12の周囲に設けられた機械式のスイッチなどで構成され、ユーザからの操作入力を受け付けて制御部11に伝達する。
【0023】
通信部14は、例えば、4Gや、5Gや、LTEや、無線LAN等の規格に従って外部の機器10と無線通信を実現する要素である。
【0024】
機器機能部15は、制御部11の指示に応じてオーブンレンジ10aの装置機能を実行するものである。具体的には、機器機能部15は、マイクロ波加熱部やヒータ加熱部等の加熱部によって、調理室内に収納された被調理物の加熱運転を実行する。
【0025】
記憶部16は、制御部11により実行されるコンピュータプログラムや制御部11により参照又は更新される情報を格納する。このような情報の一例として、記憶部16には、1又は複数のレシピデータがレシピ格納部17に格納されている。
【0026】
レシピ格納部17に格納されたレシピデータは、料理名や、メニューの完成状態を撮影した写真のデータや、調理時間の目安や、使用する主な食材(材料)や、全ての材料とその分量や、料理の作り方や、加熱温度や加熱時間などのオーブンレンジ10aの制御条件や、調理の注意点・ポイントなど、その料理の調理に関する種々の情報とともにレシピデータを識別するための識別情報(レシピ識別情報)を含んでいる。
【0027】
レシピデータでは、料理の作り方が複数の工程に分割されて保存されている。本実施形態では、料理の作り方が、食材の切り方や下味の付け方や調味料の計量などの下ごしらえに関する下処理工程と、食材を焼いたり、煮たり、揚げたり、和えたり、蒸したり、温めたりする調理工程と、完成した料理を盛り付ける盛り付け工程の3つの工程に分割されている。また、レシピデータは、
図3に例示するように、下処理工程、調理工程及び盛り付け工程の各工程を説明する文章や写真やイラスト等を有する画面データを、工程ごとに少なくとも一つずつ有している。つまり、本実施形態では、1つのレシピデータに複数の工程が設定され、複数の各工程にそれぞれ対応する画面データが設定されている。
【0028】
なお、本実施形態では、料理の作り方を3つの工程に分割する場合について説明するが、2つ、あるいは4つ以上の工程に分割してもよい。また、本実施形態では、各工程に画面データを1つずつ対応付けて設けたが、下処理工程や調理工程に複数の画面データを設けるなど、1の工程に対して複数の画面データを対応付けて設けてもよい。
【0029】
ユーザは、このようなレシピデータをサーバ20からダウンロードすることで、レシピ格納部17にダウンロードしたレシピデータを追加したり、書き換えたりすることができる。
【0030】
制御部11は、メモリおよびCPUや、時間をカウントするタイマーなどを備えるマイクロコンピュータからなる。制御部11は、記憶部16に記憶されたプログラムを実行することによって、表示部12、操作部13、通信部14、機器機能部15及び記憶部16を制御することでオーブンレンジ10aの動作全般を制御する。
【0031】
具体的には、制御部11は、操作部13や端末機器30から操作信号を受け取ると、機器機能部15に制御信号を送出して、被調理物に対する種々の加熱調理を制御する。本実施形態では、被調理物を加熱する手動調理機能と自動調理機能とを備えている。
【0032】
手動調理機能では、ユーザが操作部13や端末機器30から加熱の時間、加熱の出力、加熱温度を設定する情報を入力した後に調理開始を指示することで、制御部11がその入力した内容に基づき機器機能部15を制御して被調理物を加熱する調理運転を実行する。
【0033】
自動調理機能では、操作部13や端末機器30からの操作によって、オーブンレンジ10aのレシピ格納部17や、後述する端末機器30のレシピ格納部26や、サーバ20のレシピデータベース24に格納されたレシピデータを、制御部11に読み込ませる。その後、調理開始を指示することで、制御部11が読み込んだレシピデータに従った加熱手順で加熱部を制御して、被調理物を自動的に加熱する調理運転を実行する。
【0034】
また、制御部11は、記憶部16に記憶されたプログラムを実行することによって、検出部18及び出力部19を仮想的に実現する。
【0035】
検出部18は、上記した自動調理機能によってレシピ格納部17に記憶されたレシピデータに基づいて調理運転を実行すると、当該レシピデータをユーザが利用したことを検出する。
【0036】
出力部19は、検出部18がユーザによるレシピデータの利用を検出すると、レシピデータごとに設定されたレシピデータを識別するためのレシピ識別情報を通信部14からサーバ20へ出力する。
【0037】
(2-2)炊飯器10bの構成
炊飯器10bは、オーブンレンジ10aと機器機能部15において実行される機能が異なっているが、オーブンレンジ10aと同様、制御部、表示部、操作部、通信部、記憶部、検出部及び出力部を有しており、通信部においてサーバと通信回線を介して通信可能に接続され、記憶部のレシピデータ格納部に格納されたレシピデータに基づいて調理運転を実行する。炊飯器10bは、オーブンレンジ10aと主な電気的構成が共通するため、ここでは各部についての詳細な説明を省略する。
【0038】
(3)端末機器30の構成
端末機器30は、PCやスマートフォンやタブレット端末などであって、広域通信ネットワーク52を介してサーバ20と接続される。端末機器30と広域通信ネットワーク52におけるインターネットとの間は、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、LTE(Long Term Evolution)や、宅内あるいは公衆のWiFi(登録商標)アクセスポイントなどを介して接続される。
【0039】
端末機器30は、機器10を遠隔操作するためのアプリケーションと、端末機器30と機器10との組み合わせをサーバ20に登録するためのアプリケーションと、レシピデータを検索したり閲覧したりするアプリケーションがインストールされている。
【0040】
端末機器30は、
図4に示すように、当該端末機器30の動作全般を制御する制御部31を主体として構成されている。この制御部31には、表示部32、操作部33、通信部34及び記憶部35などが接続されている。
【0041】
表示部32は、例えば液晶パネルや有機EL等といった表示器により構成され、制御部31の指示に応じて機器10の状態を含む各種情報を表示することで、ユーザにこれらの情報を提示する。
【0042】
操作部33は、表示部32の表示画面上に形成されるタッチパネルスイッチや表示部32の周囲に設けられた機械式のスイッチなどで構成され、ユーザからの操作入力を受け付けて制御部31に伝達する。
【0043】
通信部34は、例えば、4Gや、5Gや、LTEや、無線LAN等の規格に従って外部の機器10と無線通信を実現する要素である。
【0044】
記憶部35は、制御部31により実行されるコンピュータプログラムや制御部31により参照又は更新される情報を格納する。このような情報の一例として、記憶部35には、上記した各種プログラムや、オーブンレンジ10aのレシピ格納部17に格納されたレシピデータと同様のレシピデータがレシピ格納部36に格納されている。記憶部35に格納されたアプリケーションやレシピデータは、ユーザが新たなアプリケーションやレシピデータをサーバ20からダウンロードすることで追加や書き換えが可能である。
【0045】
制御部31は、表示部32、操作部33、通信部34及び記憶部35の動作を制御するとともに、端末機器30と機器10との組み合わせをサーバ20に登録するためのアプリケーションを実行することによって機器登録部37を、機器10を遠隔操作するためのアプリケーションを実行することによって操作設定部38を、それぞれ仮想的に実現する。
【0046】
機器登録部37は、ユーザの端末機器30と遠隔操作を行う機器10との組み合わせをサーバ20に登録する。具体的には、機器登録部37は、ユーザの指示を受けて、端末機器30のMACアドレス(Media Access Control address)等の機器情報(アドレス情報)を通信部34からサーバ20へ送信する。また、機器登録部37は、端末機器30の機器情報と、機器10よりサーバ20へ送信された機器10のMACアドレス等の機器情報とを紐付けるとともに、ユーザを識別するユーザ識別情報に対応づけて登録するようにサーバ20に要求する。
【0047】
操作設定部38は、操作部33からユーザが選択した機能の実行を指示する信号を、通信部34からサーバ20を介してペアリングされた機器10へ送信し、機器10にユーザが選択した機能を実行させる。
【0048】
また、制御部31は、レシピデータを検索閲覧するアプリケーションを実行することで、閲覧制御部39、表示制御部40、検出部41及び出力部42を仮想的に実現する。これらの各部39、40、41、42によって、端末機器30においてユーザがレシピデータの検索閲覧が可能となるとともに、ユーザが端末機器30を使って閲覧したレシピデータのうち、レシピデータを利用してユーザが調理したレシピデータの検出が可能となる。
【0049】
具体的には、閲覧制御部39は、端末機器30のレシピ格納部36や後述するサーバ20に設けられたレシピデータベースに格納されているレシピデータの中から、ユーザが指定する条件に合ったレシピデータを抽出したり、レシピの人気ランキングの上位にあるレシピデータを抽出するなど、所定の条件に従って端末機器30の表示部32に表示するレシピデータを抽出する。
【0050】
表示制御部40は、閲覧制御部39が抽出したレシピデータが有する複数の画面データを端末機器30の表示部32に表示する。表示制御部40は、例えば、スワイプ操作など端末機器30の操作部33に対して所定の操作を行うことで、レシピデータに設定された複数の工程(下処理工程、調理工程及び盛り付け工程)の画面データを切り替えて表示部32に表示させる。
【0051】
検出部41は、レシピデータに設定された3つの工程のうち、所定の工程をポイント工程に設定し、ポイント工程に対応する画面データを表示部32に表示した時間に基づいて、ユーザが閲覧しているレシピデータを利用して調理したか否か検出する。つまり、検出部41は、ポイント工程の画面データを表示部32に表示した時間を計測し、その計測結果が所定時間を越えると、閲覧しているレシピデータを利用してユーザが調理を開始したと検出部41は判断する。
【0052】
なお、ポイント工程は、任意の工程に設定することができ、例えば、調理工程をポイント工程することができ、複数の工程をポイント工程としてもよい。また、ユーザによる調理開始を判断する上記所定時間は、レシピデータの内容(つまり、料理の種類)によって異なっていることが好ましい。そのため、一概に言えないが、上記所定時間を例えば5分間とすることができる。
【0053】
出力部42は、検出部41がユーザによるレシピデータの利用を検出すると、レシピデータごとに設定されたレシピデータを識別するためのレシピ識別情報を通信部34からサーバ20へ出力する。
【0054】
(4)サーバ20の構成
サーバ20は、広域通信ネットワーク52、無線LANの中継器54を介して各宅内50に設置され機器10及び端末機器30と通信可能となっている。サーバ20は、機器10を操作するために端末機器30と機器10との通信を中継する。
【0055】
サーバ20は、周知のコンピュータシステムにより構成され、当該サーバ20の動作全般を制御する制御部21を主体として構成されている。サーバ20は、通信部22が広域通信ネットワーク52および無線LANの中継器54を介して、端末機器30や各宅内50に設置された機器10と接続され通信可能となっている。
【0056】
サーバ20は、
図5に示すように、制御部21により実行されるコンピュータプログラムや制御部21により参照又は更新される情報を格納する記憶部23が接続されている。記憶部23に格納される情報として、端末機器30へ送信するレシピ情報を作成するアプリケーションや、複数のレシピデータが格納されたレシピデータベース24などがある。
【0057】
また、制御部21は、記憶部23に記憶されたプログラムを実行することによって、端末機器30へ送信するレシピ情報を作成するデータ作成部25を仮想的に実現する。
【0058】
データ作成部25は、オーブンレンジ10a及び炊飯器10bの出力部19や端末機器30の出力部42から出力されたレシピ識別情報をレシピ識別情報ごとに集計することで、全ユーザがレシピデータを利用した回数の合計がレシピデータごとに得る。また、データ作成部25は、上記のように集計した集計結果をユーザ識別情報ごと作成し、レシピデータごとに集計したレシピデータを利用した合計回数をユーザごとに集計する。
【0059】
そして、データ作成部25は、上記のように集計した結果に基づいて、端末機器30や機器10の表示部32に表示する情報を作成した後、これを端末機器30や機器10へ送信して表示部32、12に表示させる。
【0060】
データ作成部25が作成する情報としては、例えば、全ユーザにおいて利用回数の多いレシピデータのランキングや、ユーザ自身が利用回数の多いレシピデータのランキングや、ユーザの利用回数の多いレシピデータに類似するレシピデータの提案などがある。
【0061】
(5)レシピ情報提供システムの動作
次に、上記構成のレシピ情報提供システムの動作について、
図6及び
図7を参照して説明する。
図6は、端末機器30のレシピデータを閲覧するためのアプリケーションを用いてユーザによるレシピデータの利用を検出する動作を示すフロー図、
図7は、オーブンレンジ10aにおいてユーザによるレシピデータの利用を検出する動作を示すフロー図である。
【0062】
図6に示すように、ユーザが、端末機器30においてアプリケーションを起動してユーザがレシピデータの閲覧を開始すると、検出部41は、ステップS1において、ユーザがポイント工程(例えば、調理工程)の画面データを表示部32に表示しているか否か判断する。表示部32にポイント工程の画面データを表示していない場合(ステップS1のNo)、このステップS1を繰り返し、表示部32にポイント工程の画面データを表示するとステップS2へ進む。
【0063】
ステップS2では、ポイント工程の画面データを表示している表示時間の計測を開始する。
【0064】
ステップS3では、ポイント工程の表示時間が所定時間以上であるか否か判断し、所定時間に達していない場合はステップS4へ進み、所定時間に達している場合はステップS5へ進む。
【0065】
ステップS4では、レシピデータを変更することなく同一レシピデータの画面データを表示部32に表示しているか否か判断し、同一レシピデータの画面データを表示している場合(ステップS4のYes)、上記した表示時間の計測を継続してステップS3に戻る。つまり、同一レシピデータの中で画面データを切り替えてもポイント工程の表示時間の計測を続ける。
【0066】
表示部32に異なるレシピデータの画面データを表示している場合、ユーザがレシピデータを変更したとしてこの制御を終了する。
【0067】
ステップS5では、検出部41は、ユーザがポイント工程の画面データを見ながら実際に調理していると判断し、表示部32に表示しているレシピデータを利用してユーザが調理を開始したことを検出する。
【0068】
そして、ステップS6において出力部42が当該レシピデータのレシピ識別情報をサーバ20へ送信し、その後、制御を終了する。
【0069】
また、
図7に示すように、ユーザが、端末機器30において機器10を遠隔操作するためのアプリケーションを起動した後、オーブンレンジ10aのレシピ格納部17や、端末機器30のレシピ格納部26や、サーバ20のレシピデータベース24に格納されたレシピデータを、端末機器30からの遠隔操作によってオーブンレンジ10aの制御部11に読み込ませた場合(ステップS11のYes)や、オーブンレンジ10aの操作部13の操作によってオーブンレンジ10aのレシピ格納部17に格納されたレシピデータをオーブンレンジ10aの制御部11に読み込ませた場合(ステップS12のYes)、ステップS13へ進む。
【0070】
ステップS13では、制御部11に読み込みせたレシピデータに基づいて被調理物を自動的に加熱する調理運転を実行したか否か判断する。調理運転を実行すると(ステップS13のYes)、オーブンレンジ10aの検出部18は、制御部11に読み込ませたレシピデータを利用してユーザが調理を開始したことを検出する。
【0071】
そして、ステップS14において出力部19が当該レシピデータのレシピ識別情報をサーバ20へ送信し、その後、制御を終了する。
【0072】
そして、サーバ20は、データ作成部25において、端末機器30の出力部42とオーブンレンジ10aの出力部19から送信されたレシピ識別情報を受信し、受信したレシピ識別情報をレシピ識別情報ごとに集計することで、上記した遠隔操作システムを利用する全ユーザがレシピデータを利用した回数の合計をレシピデータごとに得る。また、データ作成部25は、上記のように集計した集計結果をユーザ識別情報ごと作成し、ユーザごとに各レシピデータの利用回数を集計する。
【0073】
そして、データ作成部25は、集計結果に基づいて、端末機器30や機器10の表示部32に表示する情報を作成した後、これを端末機器30や機器10へ送信して表示部32、12に表示させる。
【0074】
(6)効果
以上のような本実施形態では、レシピデータに複数の工程に分割し、その一部に設定したポイント工程を表示部32に表示した時間に基づいてユーザが当該レシピデータを利用して調理したことを検出するため、レシピデータの閲覧のみでレシピデータを利用して調理していない場合を誤検出しにくくなり、ユーザによるレシピデータの利用状況を精度良く把握することができる。その結果、ユーザに有益な情報を提供することが可能となる。
【0075】
(7)変更例
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0076】
例えば、上記した実施形態では、サーバ20において、端末機器30の出力部42から送信されたレシピ識別情報と、オーブンレンジ10aの出力部19から送信されたレシピ識別情報とを受信し、これらを合わせて集計したが、端末機器30の出力部42及びオーブンレンジ10aの出力部19のいずれか一方から送信されるレシピ識別情報を集計して表示部32、12に送信する情報を作成してもよい。
【0077】
また、上記した実施形態では、端末機器30にレシピデータを検索したり閲覧したりするアプリケーションをインストールし、ユーザが端末機器30の表示部32を使って閲覧したレシピデータの中から、ユーザが調理したレシピデータの検出する場合について説明したが、例えば、冷蔵庫10cやテレビ10dの表示部を使って閲覧したレシピデータの中から、ユーザが調理したレシピデータを検出してもよい。
【0078】
また、上記した実施形態では、ポイント工程の表示時間に基づいてユーザによるレシピデータの利用を検出する場合に、同一レシピデータの中で画面データを切り替えてもポイント工程の表示時間の計測を続けたが、本発明はこれに限定されない。例えば、同一レシピデータの中で画像データを切り替えるとポイント工程の表示時間のみを積算し、その積算値が所定時間に達すると、レシピデータを利用してユーザが調理を開始したことを検出部41が検出してもよい。
【符号の説明】
【0079】
10…機器、11…制御部、12…表示部、13…操作部、14…通信部、15…機器機能部、16…記憶部、17…レシピ格納部、18…検出部、19…出力部、20…サーバ、21…制御部、22…通信部、23…記憶部、24…レシピデータベース、25…データ作成部、30…端末機器、31…制御部、32…表示部、33…操作部、34…通信部、35…記憶部、36…レシピ格納部、37…機器登録部、38…操作設定部、39…閲覧制御部、40…表示制御部、41…検出部、42…出力部