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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022099562
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】住宅
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/02 20060101AFI20220628BHJP
【FI】
E04H1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020213392
(22)【出願日】2020-12-23
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(72)【発明者】
【氏名】紀伊 陽子
(72)【発明者】
【氏名】刈田 浩之
(72)【発明者】
【氏名】千田 一也
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 葉月
【テーマコード(参考)】
2E025
【Fターム(参考)】
2E025AA15
2E025AA25
(57)【要約】
【課題】上階の勾配天井の下方に、日照量に左右されず利用できる空間を設け、上階の勾配天井の下方に設けた空間の床の高さを、フロアレベルより低く設けることで、上階の勾配天井となるスペースを活用できる住宅を提供すること。
【解決手段】上階2Fの勾配天井21scの下方にキッチン213を設けた住宅1であって、キッチン213の床213fの高さは、キッチン213を備える上階2Fのフロアレベル212fより低く設けられていることを特徴とする住宅1。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上階の勾配天井の下方にキッチンを設けた住宅であって、前記キッチンの床の高さは、当該キッチンを備える前記上階のフロアレベルより低く設けられていることを特徴とする住宅。
【請求項2】
前記キッチンは、天井の高さが低くなる壁側に背を向けて料理が行えるようにキッチン台が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の住宅。
【請求項3】
前記キッチン台で料理する人が向く方向に、前記キッチンと隣接してダイニングルームが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の住宅。
【請求項4】
前記上階の勾配天井の下方に食品庫を備え、前記食品庫の床の高さは、前記キッチンの床の高さと同じであり、前記キッチン及び前記食品庫は、当該キッチン及び当該食品庫を行き来する動線が一直線になるように設けられたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の住宅。
【請求項5】
前記上階の勾配天井の下方にユーティリティールームを備え、前記ユーティリティールームの床の高さは、前記キッチンの床の高さと同じであり、前記キッチン及び前記ユーティリティールームは、当該キッチン及び当該ユーティリティールームを行き来する動線が一直線になるように設けられたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の住宅。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デザイン性及び建築基準法の日影規制や北側斜線規制により、勾配天井となる住宅であって、上階の勾配天井となるスペースを活用する住宅に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デザイン性及び建築基準法の日影規制や北側斜線規制により、建物の外形が制限されることによって、部屋の天井が垂れ下がるように傾斜する勾配天井になることがあり、特に勾配天井により最も天井が低くなる壁際では、一般的な平らな天井に比べ室内の高さを確保できず、収納性が悪くなり、住人に圧迫感を感じさせるため、勾配天井を活用することは困難である。
【0003】
そこで、勾配天井を活用するため、特許文献1に記載されるように、2階の勾配天井の下方にバルコニーを設け、バルコニーの下階に設けられる1階居室空間の天井を下げることで、バルコニーの床の高さを2階のフロアレベルより下げ、バルコニーの天井の高さを高くとり、1階居室空間の下げられた天井は、2階と1階の間に設けられた収納区画の床よりも高くなるようになされ、1階居室空間からは天井の一部が下がっているように見えない住宅がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-320166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、バルコニーは日照量が多い南側に設けられることが多く、日照量の少ない北側には適さないため、デザイン性及び建築基準法の日影規制や北側斜線規制により住宅の北側が勾配天井となる場合には、特許文献1は活用しづらくなる。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、上階の勾配天井の下方に、日照量に左右されず利用できる空間を設け、上階の勾配天井の下方に設けた空間の床の高さを、フロアレベルより低く設けることで、上階の勾配天井となるスペースを活用できる住宅を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明に掛かる住宅は、上階の勾配天井の下方にキッチンを設けた住宅であって、前記キッチンの床の高さは、当該キッチンを備える前記上階のフロアレベルより低く設けられていることを特徴とする。
【0008】
さらに、前記キッチンは、天井の高さが低くなる壁側に背を向けて料理が行えるようにキッチン台が設けられていることを特徴とする。
【0009】
さらに、前記キッチン台で料理する人が向く方向に、前記キッチンと隣接してダイニングルームが設けられていることを特徴とする。
【0010】
さらに、前記上階の勾配天井の下方に食品庫を備え、前記食品庫の床の高さは、前記キッチンの床の高さと同じであり、前記キッチン及び前記食品庫は、当該キッチン及び当該食品庫を行き来する動線が一直線になるように設けられることを特徴とする。
【0011】
さらに、前記上階の勾配天井の下方にユーティリティールームを備え、前記ユーティリティールームの床の高さは、前記キッチンの床の高さと同じであり、前記キッチン及び前記ユーティリティールームは、当該キッチン及び当該ユーティリティールームを行き来する動線が一直線になるように設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る住宅によると、キッチンは日照量に関係なく配置することができるため、日照量が少ない上階の勾配天井の下方にも配置することができ、また、料理中は目線が下向きになることが多いため、キッチンを勾配天井下に設けることで、料理する人の視界に勾配天井が入りづらくなり、勾配天井による圧迫感を軽減できる。そして、キッチンの床の高さが低いことで、キッチンの天井の高さを高くとれ、勾配天井による圧迫感をさらに軽減できる。
【0013】
さらに、天井の高さが低くなる壁側を背にして料理を行うため、料理する人には上がり勾配の天井が視界に入り、勾配天井による圧迫感を軽減できる。
【0014】
さらに、キッチンで料理する人はダイニングルームでくつろぐ人の方向に向いて料理ができ、キッチンの床が下がっていることで、キッチンで立って料理する人と、ダイニングルームで椅子やソファーに座りくつろぐ人と、の目線の高さが近くなり、コミュニケーションを取りやすくなる。
【0015】
さらに、食品庫の床をキッチンの床と同じ高さにすることで、食品庫の収納量を増やすことができ、勾配天井による圧迫感を軽減することができる。また、キッチンと、食品庫と、の行き来が一直線で行え、出入り口に段差がないため、転倒を防止できる。
【0016】
さらに、ユーティリティールームの床をキッチンの床と同じ高さにすることで、ユーティリティールームの収納量を増やすことができ、勾配天井による圧迫感を軽減することができる。また、キッチンと、ユーティリティールームと、の行き来が一直線で行え、出入り口に段差がないため、転倒を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る住宅の1階間取りを示す平面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る住宅の2階間取りを示す平面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る住宅のキッチンエリア周辺を拡大した平面図である。
図4図3に示すA-A線の断面図である。
図5図3に示すB-B線の断面図である。
図6図3に示すC-C線の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る住宅の一実施形態について、以下、図面を参照しつつ、図1図2及び図3に示す方角を基に説明する。本実施形態に係る住宅1は、1階1Fには親世帯が、2階2Fには子供を有する子世帯が、住むことが想定される二世帯住宅であって、図1に示すように、1階1Fは親世帯がメインに使用するリビングエリア111、ダイニングエリア112及びキッチンエリア113を同一空間に設けたLDK11と、リビングエリア111に設けられるオープンな子供の居所12と、こもり感のある子供の居所13と、ホール14と、寝室15と、和室16と、玄関17と、空間181と、洗面所182と、浴室183と、トイレ184と、から構成される。
【0019】
親世帯がメインに使用するLDK11は、キッチンエリア113の南側に隣接するようにダイニングエリア112が、ダイニングエリア112の西側に隣接するようにリビングエリア111が、設けられている。
【0020】
キッチンエリア113には、アイランド式のキッチン台113tが設けられ、キッチン台113tの北側に隣接しキッチン台113tと同じ奥行であり家事動線を遮らないようにパントリー113pが設けられ、キッチンエリア113の北側には掃き出し窓11w3が設けられており、北側の西側の壁は空間181へと通じ、掃き出し窓11w3の外には洗濯物が干せるバルコニー11b2が設けられている。
【0021】
また、LDK11の東側の壁には、料理作業や収納に使用できる作業机113d、冷蔵庫113fr及び食器などを食器や料理器具を収納できる棚113sが家事動線を遮らないように設けられている。
【0022】
そして、ダイニングエリア112には、キッチン台113tの南側に隣接しキッチン台113tと同じ奥行であり、家事動線を遮らないようにダイニングテーブル112tが設けられている。また、ダイニングエリア112及びリビングエリア111の南側には、掃き出し窓11w1と、掃き出し窓11w2と、が設けられており、掃き出し窓11w1と、掃き出し窓11w2と、の外にはバルコニー11b1が設けられている。
【0023】
そして、リビングエリア111には、ソファー111s及びリビングテーブル111tが設けられ、ダイニングエリア112及びキッチン台113tから見渡せるリビングエリア111南西の隅にオープンな子供の居所12が設けられている。
【0024】
また、オープンな子供の居所12の床はLDK11の床より2ステップ高く設けられており、オープンな子供の居所12の北側及び西側の端は、子供でも上り下りができるように2段のステップ12sが設けられている。
【0025】
また、オープンな子供の居所12のステップ12sは2段であるが、オープンな子供の居所12北東側の隅に、南北に長く、東を向きに椅子に座して作業ができる机12dが設けられており、机12dを載置する場所は1段で形成されている。机12dの椅子を収納するスペースの床は、オープンな子供の居所12の床であり、LDK側に飛び出すように形成され、机12dは飛び出した床を挿入するように形成されており、LDK11からみて机12dの左側上部にはテレビを取り付けるための機構を備え、テレビを取り付けるための機構にテレビを取り付けている。そして、左側下部にはフラップ扉の収納が設けられ、LDK11からみて机12dの右側には、内部に棚板を備え、蝶番によって回動可能に固定される開き戸の収納が設けられている。
【0026】
また、オープンな子供の居所12の天井は吹き抜けであって、2階2Fのホール26と繋がっている。
【0027】
また、こもり感のある子供の居所13はオープンな子供の居所12の南側に隣接し、四方を壁に囲われる空間であって、こもり感のある子供の居所13の北側にはドアを備えない出入口13dが設けられている。
【0028】
また、こもり感のある子供の居所13の東壁には腰窓13wが設けられ、腰窓13wは、掃き出し窓11w1又は掃き出し窓11w2と、腰窓13wと、を介して、LDK11にいる親がこもり感のある子供の居所13の内部を一部目視できる位置に設けられている。
【0029】
また、こもり感のある子供の居所13の南側の壁には棚13sが設けられ、西側にはリビングクローゼット131が設けられている。
【0030】
また、こもり感のある子供の居所13の床はオープンな子供の居所12の床と同じ高さで設けられている。
【0031】
そして、オープンな子供の居所12の西側の壁の南側には2階2Fへと通じるステップ12s2が、1階1Fと、2階2Fと、を行き来する際にこもり感のある子供の居所13の内部全体の様子を目視することができるように設けられている。
【0032】
ホール14はLDK11の西側に隣接して設けられ、ホール14には棚14sが設けられ、ホール14の北側は寝室15と、和室16と、に通じ、北西側にはシューズクローク141が、南側にはシューズクローク141と繋がる玄関17が設けれ、ステップ12s2の下の空間に納戸14s2が設けられており、玄関17の東壁には棚17sが設けられている。
【0033】
寝室15はホール14の北側に隣接して設けられ、寝室15の南東側にはウォークインクローゼット151が設けられ、和室16はホール14の北側に隣接し且つ寝室15の西側に隣接して設けられ、和室16の西側の壁には掃き出し窓16wが、東側には収納16sが、設けられている。
【0034】
洗面所182は空間181の西側に隣接して設けられ、浴室183は洗面所182の北側に隣接して設けられ、トイレ184は空間181の南側に隣接して設けられている。
【0035】
図2に示すように、2階2Fはホール26と、子世帯がメインに使用するダイニングエリア212及びキッチンエリア213を同一空間に設けたDK21と、アウトドアリビング22と、外部空間221と、食品庫23と、寝室27と、部屋28と、部屋29と、ユーティリティールーム24と、サニタリールーム25と、浴室251と、から構成される。
【0036】
ステップ12s2を上がるとホール26が設けられており、ホール26の南側には吹き抜けの開口部に転落防止のガラス手摺26hが設けられており、ホール26の北西側はDK21へと通じており、北側はサニタリー25へと通じており、東側は通路261と、寝室27と、に通じている。
【0037】
図2及び図3に示すように、ダイニングエリア212はホール26の西側に隣接して設けられ、ダイニングエリア212と、ダイニングエリア212の北側に隣接するキッチンエリア213と、によってDK21が形成され、ダイニングエリア212と、キッチンエリア213の境にカウンター212cが、カウンター212cの南側にソファー212sと、ダイニングテーブル212tと、が設けられ、ダイニングエリア212の南側には掃き出し窓212wが、西側の壁には棚21s1が設けられている。
【0038】
キッチンエリア213はダイニングエリア212の北側に隣接して設けられ、カウンター212cの北側に対面式のキッチン台213tが南側を向いて料理が行えるように設けられており、キッチン台213tの上部には図4に示すように換気扇213vが設けられており、キッチンエリア213の西側の壁には棚21s2が、北側の壁には腰窓213w1及び腰窓213w2が、腰窓213w1及び腰窓213w2の下方に東西に長く、食器や料理器具を収納でき、上面を料理作業に利用できる台213sが設けられており、キッチンエリア213の東側は食品庫へと通じている。
【0039】
図4に示すように、キッチンエリア213及びダイニングエリア212の北側半分の天井は吹き抜けによって、北側に向かって下がる勾配天井21scであって、ダイニングエリア212の南側半分の天井は平らな天井21cであり、天井21cから勾配天井21scに立ち上がる壁にエアコンルーバー21acが露出するように、壁内部にエアコンが設けられている。キッチン台213tは南を向いて料理できるように設けられているため、料理する人の視界には南に向かって上がる勾配天井21scが入るため、勾配天井21scによる圧迫感を軽減できる。
【0040】
そして、ダイニングエリア212の床212fの高さは、2階2fのフロアレベルであって、キッチンエリア213の床213fはダイニングエリア212の床212fから180mm低く設けられており、キッチンエリア21の天井の高さを高くとり、キッチンエリア21で料理する人の圧迫感を軽減し、作業性を向上させている。また、キッチン台213tで料理する人の目線の高さが、ダイニングルーム212のソファー212sに座してくつろぐ人の目線の高さと近くなり、キッチンエリア213で料理する人と、ダイニングエリア212でくつろぐ人と、のコミュニケーションがとり易くなっている。また、キッチンエリア213の床213fの下がり量は180mmであるため、キッチンエリア213の下階に設けた和室16の天井を下げる必要がなく、階下の間取りに影響することはない。
【0041】
図2及び図3に示すように、食品庫23はキッチンエリア213の東側に隣接して設けられ、食品庫23の北側の壁には収納棚23sが、南側には冷蔵庫23frが、東側にはユーティリティールーム24へと通じる扉を備える出入口24dが、設けられおり、西側はドアを備えずにキッチンエリア213と通じる出入口23dが備えており、出入口23dは、キッチンエリア213の家事動線の一直線上に配置され、キッチンエリア213と、食品庫23と、を直線である動線200で行き来することができる。
【0042】
図5は、図3に示すBの断面を西から見た図であって、図5に示すように、食品庫23の天井は吹き抜けによって、北側に向かって下がる勾配天井23scであって、食品庫23の床23fはキッチンエリア213の床213fと同じ高さで設けられており、食品庫23の天井の高さを高くすることで、勾配天井23scによる圧迫感を軽減し、作業性を向上させ、食品庫23の収容量を増やすことができ、キッチンエリア213と、食品庫23と、の境の段差を無くすことで、躓き転倒することを防止している。
【0043】
図2及び図3に示すように、ユーティリティールーム24は食品庫23の東側に隣接して設けられ、ユーティリティールーム24の北側にはアイロン台として使用できる机24tが、机24tの上にハンガーを架けることができるハンガーポール24hが、東側の壁にはアメニティーグッズ、タオル及び着替えなどを収納できる棚24sが、南側には洗濯機置き場24lが設けられ、西側にはドアを備え食品庫を介してキッチンエリア213と通じる出入口24dが備えており、出入口24dは、キッチンエリア213の家事動線の一直線上に配置され、食品庫23を介してキッチンエリア213と、ユーティリティールーム24と、を直線である動線200で行き来することができ、洗濯機置き場24lの東側はサニタリールーム25と通じている。
【0044】
サニタリールーム25はユーティリティールーム24の北側に隣接して設けられ、サニタリールーム25の西側に隣接して浴室251が、東側には洗面台25s設けられており、室内干しができる広さの空間である。
【0045】
図6は、図3に示すCの断面を西から見た図であって、図6に示すように、ユーティリティールーム24及びサニタリールーム25の天井は吹き抜けによって、北側に向かって下がる勾配天井24scであって、ユーティリティールーム24の床24fはキッチンエリア213の床213fと同じ高さで設けられており、サニタリールーム25の床25fはダイニングエリア212の床212fと同じ高さで設けられており、ユーティリティールーム24の床24fを下げることで、勾配天井24scによる圧迫感を軽減し、作業性を向上させ、ユーティリティールーム24の収容量を増やすことができ、キッチンエリア213と、食品庫23と、ユーティリティールーム24と、の境に段差を設けないことで、キッチンエリア213と、食品庫23と、ユーティリティールーム24と、を行き来するときに躓き転倒することを防止している。また、ユーティリティールーム24の天井には天窓24tlが、サニタリールーム25の天井には天窓25tlが、設けられ、採光及び換気が可能であり、サニタリールーム25の南側の壁上部にはダウンライト25dlが設けられている。
【0046】
アウトドアリビング22はダイニングエリア212の南側に隣接し、屋根を有する外部空間であって、掃き出し窓212wから出入りが可能で、ソファー22s及びリビングテーブル22tが設けられ、西側及び南側は転落防止のガラス手摺22hで囲われており、ガラス手摺22hを用いることで、アウトドアリビング22からの眺めを良くしている。また、アウトドアリビング22の屋根は、南に向かって下がる勾配屋根であり、陽射し及び雨風を遮ることが出来き、屋根を天井としていることで、高さが確保されており、解放感を強く感じることが出来る。
【0047】
アウトドアリビング22の東側の壁は外壁となっており、アウトドアリビング22の南東は外部空間221へと通じている。
【0048】
子世帯と、親世帯と、がリビング空間を共同で使用することで、天候や気分によって室内のリビングエリア111と、アウトドアリビング22と、を使い分けることが可能で、また、リビングエリア111と、アウトドアリビング22と、がステップ12s2と、ホール26と、で短く繋がっており、オープンな子供の居所12が2階2Fと吹き抜けで繋がっていることで、上下の空間を使用しながらも一体感のあるパーティーなどが行える。
【0049】
外部空間221はステップ12s2及び吹き抜け部の南側に隣接する空間であって、四方を外壁に囲われるように設けられており、外部からは見えないため洗濯物を干したり、アウトドア用品を収納したりすることができる。
【0050】
また、外部空間221の北側には窓221wが設けられており、外部からは見えずに、階段に自然光を取り入れることができる。
【0051】
寝室27はリビングエリア111の2階2Fに位置する空間に設けられ、東側半分の天井が吹き抜けであって、吹き抜けの天井は南側に向かって下がる勾配天井となっており、寝室27の西側の壁の南側には本屋や小物が収納できる棚27sが、南側の壁の西側にはベンチ窓27wbが、南側の壁の東側には掃き出し窓27wが設けられおり、東側の壁の南側はウォークインクローゼット271と通じ、掃き出し窓27wの外部はベランダ27bとなっている。
【0052】
ウォークインクローゼット271は寝室27の東側に隣接して設けられ、ウォークインクローゼット271の東側及び西側には、棚271sが設けられ、北側の壁は部屋28へと通じている。
【0053】
部屋28はウォークインクローゼットの北側に隣接して設けられ、書斎や収納に使用できる空間であって、北東側の天井が吹き抜けであって、吹き抜けの天井は北側に向かって下がる勾配天井となっており、部屋28の西側の壁は通路261へと通じている。
【0054】
通路261はホール26と、部屋28と、を繋ぐように東西に長く設けられ、通路261の北側の壁は空間29へと通じている。
【0055】
空間29は通路261の北側に隣接する空間291と、空間291の北西側に突出するように設けられた空間292と、から構成され、空間292の天井は吹き抜けであって、吹き抜けの天井は北側に向かって下がる勾配天井となっており、空間291を子供部屋とし、空間292を子供のウォークインクローゼットとして使用することや、空間291を作業部屋とし、空間292を物置して使用することができる。
【0056】
上記はあくまで本発明に係る住宅の一実施形態を示したものであるため、本発明の思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0057】
この発明は、デザイン性及び建築基準法の日影規制や北側斜線規制により、勾配天井となる家屋に対して、好的に採用されるものと見込まれ、住宅産業の発展に貢献できる。
【符号の説明】
【0058】
1 住宅
1F 上階(1階)
2F 下階(2階)
212 ダイニングエリア
213 キッチンエリア
212f ダイニングエリアの床(フロアレベル)
213t キッチン台
213f キッチンエリアの床
21sc 勾配天井
23 食品庫
23f 食品庫の床
23sc 勾配天井
24 ユーティリティールーム
24f ユーティリティールームの床
24sc 勾配天井
200 動線
図1
図2
図3
図4
図5
図6