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  • 特開-アンダーリフトの荷重変換機構 図1
  • 特開-アンダーリフトの荷重変換機構 図2
  • 特開-アンダーリフトの荷重変換機構 図3
  • 特開-アンダーリフトの荷重変換機構 図4
  • 特開-アンダーリフトの荷重変換機構 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022099568
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】アンダーリフトの荷重変換機構
(51)【国際特許分類】
   B60P 3/12 20060101AFI20220628BHJP
【FI】
B60P3/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020213403
(22)【出願日】2020-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】514283711
【氏名又は名称】株式会社ロードサービス
(74)【代理人】
【識別番号】100091465
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 久夫
(72)【発明者】
【氏名】奥本 和夫
(57)【要約】      (修正有)
【課題】L字形アンダーリフトの荷重変換機構を提供する。
【解決手段】レッカー車のL字形アンダーリフトの荷重変換機構であって、そのリフト機構は前記垂直フレーム20の上端において水平から15度以上45度以下の角度で前方上方に、突出する作用アーム23と、垂直フレーム20の下端に作用アーム23とほぼ並行して前方に延びる受けアーム22とを備え、該受けアーム22の先端に荷台フレームの幅方向に延びる支持軸100を設け、前記駆動シリンダの垂直フレーム20の駆動力を第1支点21で受けた後、次いでその受けアーム22の先端の、荷台フレームの幅方向に延びる支持軸100を支点とし、駆動シリンダの駆動力を受け、牽引アーム30に伝達可能である。このアンダーリフトの荷重変換機構は、大型レッカー車に取り付けられる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台フレーム3の長手方向前後方向に揺動可能に設けられる垂直フレーム20と、該垂直フレーム20の下端に対し直角をなし、水平方向後方に段階的に伸長可能な牽引アーム30と、垂直フレーム20の上端に連結され、垂直フレーム20を荷台フレーム3の長手方向前後方向に揺動させる駆動シリンダ40とからなるL字形アンダーリフト10であって、
そのリフト機構が前記垂直フレーム20の上端において水平から15度以上45度以下の角度で前方上方に、突出する作用アーム23と、垂直フレーム20の下端に作用アーム23とほぼ並行して前方に延びる受けアーム22とを備え、該受けアーム22の先端に荷台フレームの幅方向に延びる支持軸100を設け、前記駆動シリンダ40の垂直フレーム20の駆動力を垂直フレーム20の下端における第1支点21で受けた後、次いでその受けアーム22の先端の、荷台フレームの幅方向に延びる支持軸100を支点とし、駆動シリンダ40の駆動力を受け、牽引アーム30に伝達可能であることを特徴とする荷重変換機構。
【請求項2】
前記垂直フレーム20が荷台幅方向に延びる幅広フレームからなり、該幅広フレームの先端左右側面から前方に突出する作用アーム23,23先端に連結する一対の駆動シリンダ41,41にて牽引駆動する請求項1記載の荷重変換機構。
【請求項3】
少なくとも荷台フレーム3の前方に運転方向を制御する前輪4と、荷台フレーム3の後方に荷台荷重を受ける後輪5a及び5bと、その荷台フレーム3後端に上端が荷台フレーム3の長手方向前後方向に揺動可能に設けられる垂直フレーム20と、該垂直フレーム20の下端に対し直角をなし、水平方向後方に段階的に伸長可能な牽引アーム30と、垂直フレーム20の上端に連結され、垂直フレーム20を荷台フレーム3の長手方向前後方向に揺動させる駆動シリンダ40とからなるL字形アンダーリフト10とを備える被牽引車両をリフトして牽引するレッカー車であって、
前記垂直フレーム20の上端において水平から15度以上45度以下の角度で前方上方に、突出する作用アーム23を設け、該作用アーム先端に駆動シリンダ40を連結し、駆動荷重を前方後輪5aにかける一方、垂直フレーム20の下端に作用アーム23とほぼ並行して前方に延びる受けアーム22を一体的に設け、該受けアーム22の先端に荷台フレームの幅方向に延びる支持軸100を設け、駆動シリンダ40の垂直フレーム20の駆動力を第1支点21で受けた後、次いでその受けアーム22の先端の、荷台フレームの幅方向に延びる支持軸100を支点とし、駆動シリンダ40の駆動力を受け、垂直フレーム20にかかる荷重を後方後輪5bにかける荷重変換機構を備えることを特徴とするレッカー車。
【請求項4】
前記垂直フレーム20とほぼ同じ長さを有し、前記垂直フレーム20の先端から前方上方に延びる作用アーム23とその先端に連結される駆動シリンダ40とがほぼ直交して連結されるとともに、駆動シリンダ40の駆動力の支点を垂直フレーム20と牽引アーム30の交点21より前方の支点100に移動させてなる請求項3記載のレッカー車。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、荷台フレームの最後尾に取り付けられるアンダーリフトに採用される荷重変換機構およびそれを備えるレッカー車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、レッカー車には、運転席のある荷台フレームの前方に水平旋回可能なブームが、荷台フレームの最後尾に折り畳み式アンダーリフトが設けられ、このアンダーリフトはL字形をなし、水平方向後方に延びる水平牽引アームが車輪載置台として取り付けられている。事故車、故障車あるいは違法に駐車している車両等の被牽引車を牽引する際、被牽引車の前輪又は後輪をアンダーリフトの後方に延びる牽引アームの車輪載置台に載せ、前記アンダーリフトを上動させて車輪載置台を地面から浮き上がらせた状態で被牽引車を牽引するようになっている。
【0003】
また、レッカー車には、ドーリと称する補助台車が常備されており、被牽引車が四輪駆動車や車輪が回転不能な事故車である場合には、被牽引車の前輪(又は後輪)を上述の如く車輪載置台に載せるとともに、被牽引車の後輪(又は前輪)を補助台車に載せ、アンダーリフトを上動させて前記車輪載置台を地面から浮き上がらせた状態で被牽引車を牽引するようになっている(特許文献1)。ところで、上述の如く被牽引車の車輪を載せた車輪載置台をアンダーリフトで地面から浮き上がらせると、被牽引車の荷重Wがレッカー車の車体後部に作用する。被牽引車が比較的軽量でその荷重がアンダーリフトの持上げ能力の範囲内にある普通車の場合には、レッカー車の車体後部に作用する被牽引車の荷重はさほど大きくないため、レッカー車の前輪が浮き上がることはなく牽引に支障を来すことはないが、被牽引車がトラック等のように重たくてその荷重がアンダーリフトの持上げ能力の範囲を超えている大型車の場合には、レッカー車の車体後部に作用する被牽引車の荷重は非常に大きくなるため、レッカー車の前輪が浮き上がって前輪操舵がきかなくなり牽引できない事態が起きる。また、それ程までではないにしても、レッカー車の前輪が浮き上がり気味になるので走行安定性が悪くなり、この状態で運転すると非常に危険である。因みに、法規制では、レッカー車の前輪の負荷率が20%以下になると牽引不可能とされている。
【0004】
そこで、このような場合には、大型レッカー車を利用する。大型レッカー車は図5に示すように、少なくとも前方の運転台2の下方に前方車輪4が1輪、それに連なる荷台フレーム3の後方に2軸の後方車輪5a,5bを備え、荷台フレーム3の前方には水平に回転可能なブーム(図示せず)が載置され、後方には左右一対の下方に延び、地面に接地する支持脚(図示せず)の間において、荷台フレーム3の後方から下方に延びる軸支ブラケット3aに軸支される支持軸11を支点にL字形のアンダーリフト10が揺動可能に設けられる。該リフトは垂直フレーム20と垂直方向にまで起立して折り畳まれる牽引アーム30とで構成され、牽引アームは下端においてL字形まで開かれ、前方にほぼ水平に段階的にアームが伸びるように、設けられる。該アンダーリフト10は、荷台フレーム3の前方に駆動シリンダ40がほぼ水平に伸び、その中間位置で一端42が固定ブラケットに枢支され、他方、他端が前記垂直フレーム20の上端22に軸支されて連結され、該駆動シリンダ40により、垂直フレーム20は前後に揺動可能に操作され、L字形アンダーリフトの牽引アーム30の先端33を地上から引き上げるようになっており、ここに牽引車両の前輪または後輪を載せ、牽引されるようになっている。
【0005】
かかる大型レッカー車においては、アンダーリフト10の牽引アーム30への牽引車両の荷重Wが支持軸11を介して垂直フレーム20の上端22に旋回力Fとして作用し、これに連結する駆動シリンダ40を介して引っ張り力となり、ブラケット44に旋回力F2が作用するため、後方車輪の後段車輪5bに荷重W1がかかり、後段車輪5bを支点として荷台フレーム3を介して前輪荷重W2に抗して前輪4を持ち上げようとする力F3が作用する。そのため、運転が不安定または不能となる場合が生じる。そこで、運転席後方の荷台フレーム3に重しを置くなどの工夫が取られる。特に、日本などの道路事情が厳しい状況では荷台フレームを極力短くして大型レッカー車の運転能力を向上しようとすると、前輪への荷重がかかりやすく、バランスを採るための重しの重量がレッカー車1の運転能力を減殺するという悪循環を招来している。そこで、本発明者は後段車輪5bを支点とする荷重W1がかかり、前輪4に至る車間LOが長いにもかかわらず、前輪荷重W2に抗して前輪4を持ち上げようとする力F3が作用するのは、駆動シリンダ40のブラケットを介して旋回力F2が大きく作用する結果、後方2軸の前段車輪5aに荷重がかからず、荷台フレーム3を介して前輪荷重W2に抗して前輪4を持ち上げようとする力F3が大きく作用するためであるとの知見を得、後方2軸の後段車輪5bにかかる荷重W1の少なくとも一部を後方2軸の前段車輪5aに移行させてW3とすることにより前輪荷重W2に抗して引き上げようとする力F3がF’3に小さくなることを見出した。すなわち、本発明は、少なくとも前方の運転台2の下方に前方車輪4が1輪、それに連なる荷台フレーム3の後方に2軸の後方車輪5a,5bを備える大型レッカー車において、荷台フレーム後方の左右一対の支持脚間に設けられるアンダーリフト10の荷重が前輪4にかかりにくくするアンダーリフト機構を提供することを垂直シリンダ20の先端に前方に突出する作用アーム23を設け、駆動シリンダ40の荷台3への取り付け角度を荷台との荷重のバランスが取れるように工夫した(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭61-87139号
【特許文献2】特開2016-94182号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、牽引アームの荷重を前方に移動させるには、作用アーム23の前方突出と駆動シリンダ40の取り付け角度だけでは不十分であることに気付き、鋭意研究の結果、駆動シリンダ40から垂直フレーム20を介して牽引アーム30に作用する荷重伝達構造を荷台にかかる荷重支点を変換し、荷台にかかる荷重を前方に移動させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、通常のアンダーリフト構造においては、それを構成する垂直フレーム20と牽引アーム30との交点21近傍が支点となるが、図3(a),(b)に示すように、垂直フレーム20の下端に作用アーム23とほぼ並行して前方に延びる受けアーム22を一体的に設け、駆動シリンダ40の垂直フレーム20の駆動力を第1支点21で受けた後、次いでその受けアーム24の先端の、荷台フレームの幅方向に延びる支持軸100を支点とすると、荷台にかかる荷重を前方に移動させることができることを見出して完成したもので、荷台フレーム3の長手方向前後方向に揺動可能に設けられる垂直フレーム20と、該垂直フレーム20の下端に対し直角をなし、水平方向後方に段階的に伸長可能な牽引アーム30と、垂直フレーム20の上端に連結され、垂直フレーム20を荷台フレーム3の長手方向前後方向に揺動させる駆動シリンダ40とからなるL字形アンダーリフト10であって、そのリフト機構が前記垂直フレーム20の上端において水平から15度以上45度以下の角度で前方上方に、突出する作用アーム23と、垂直フレーム20の下端に作用アーム23とほぼ並行して前方に延びる受けアーム22とを備え、該受けアーム22の先端に荷台フレームの幅方向に延びる支持軸100を設け、駆動シリンダ40の垂直フレーム20の駆動力を第1支点21で受けた後、次いでその受けアーム22の先端の、荷台フレームの幅方向に延びる支持軸100を支点とし、駆動シリンダ40の駆動力を受け、牽引アーム30に伝達可能であることを特徴とする荷重変換機構にある。
【発明の効果】
【0009】
従来のアンダーリフト構造では、通常駆動シリンダ40の駆動力は作用アームを介して垂直フレーム20に伝達され、垂直フレーム20の下端に設ける牽引アーム30との交点21を支点として牽引アーム30をリフトしていたが、図3(a)、(b)に示すように、本発明によれば、垂直フレーム20の下端に作用アーム23とほぼ並行して前方に延びる受けアーム22とを備え、該受けアーム22の先端に荷台フレームの幅方向に延びる支持軸100を設けるので、駆動シリンダ40の牽引力(1)は垂直フレーム20の揺動力(2)として、第1支点21で受けた後、牽引アーム30のリフト力(3)となり、次いでその受けアーム22の先端の、荷台フレームの幅方向に延びる支持軸100を支点とし、駆動シリンダ40の駆動力を受け、牽引アーム30をリフト力(3)とするので、リフト荷重の支点は従来の支点21から受けアーム22を介して前方の支点100に移動することになり、リフト荷重(4)は前方に移動し、レッカー車の前輪が浮き上がることはなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明のアンダーリフトの荷重変換機構を大型レッカー車に取り付けた全体構造を示す側面図。
図2図1のアンダーリフトの荷重変換機構の要部を示す側面図。
図3】(a)は図2の動作説明図、(b)は作動順序説明図である。
図4】本発明のアンダーリフトの荷重変換機構の要部斜視図である。
図5】従来のアンダーリフトを取り付けた大型レッカー車の全体構造を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の荷重変換機構を大型レッカー車に適用した実施の形態について図面に基づいて説明する。
図1はこの発明の一実施形態に係る大型レッカー車1を示し、その要部構成を図2に示す。図中、2は大型レッカー車1の運転席で荷台フレーム(シャーシ)3の前方にあり、このシャーシ3上面中程には、L型のウインチブーム(図示せず)が起伏シリンダの伸縮作動によって起伏可能に搭載されて、牽引作業時には、前記ウインチブームを起伏シリンダの収縮作動により倒伏して牽引姿勢を取らせるようになっている。前記ウインチブームの基端寄りにはウインチ(図示せず)が設置され、このウインチには、先端にフックを有するワイヤが送り出し巻き戻し可能に収納され、被牽引車Mの車輪が破損してアンダーリフト10によって牽引作業が不可能な場合に、前記フックを被牽引車Mの係合部に引っ掛けて被牽引車Mを吊り上げることができるようになっており、従来大型レッカー車が採用する構成であるので図示せず説明を省略する。
【0012】
本発明の大型レッカー車1においては、L字型アンダーリフト10が、大型レッカー車1の車体後方に延びる荷台フレーム3に垂直フレーム20が揺動可能に取り付けられる。本発明では、運転台2の下方の荷台フレーム3の前方に前方車輪4が取り付けられる一方、荷台フレーム3の後方に2軸後方車輪5a,5bを備え、大型荷重に耐えるように構成されている。この大型レッカー車1において、その後方2軸の後段車輪5bの後方近傍に、従来は、荷台フレーム3の長手方向に対し直角に横断して延びる交点11を支点に前方に揺動可能にL字形折り畳み式アンダーリフト10を備えていたが、本発明ではリフト機構が前記垂直フレーム20の上端において水平から15度以上45度以下の角度で前方上方に、突出する作用アーム23と、垂直フレーム20の下端に作用アーム23とほぼ並行して前方に延びる受けアーム22とを備え、該受けアーム22の先端の、荷台フレームの幅方向に延びる支持軸100とする。そのため、駆動シリンダ40の垂直フレーム20の駆動力を第1支点21で受けた後、次いでその受けアーム22の先端の、荷台フレームの幅方向に延びる支持軸100を支点とし、駆動シリンダ40の駆動力を受け、牽引アーム30に伝達可能であることを特徴とする。このL字形アンダーリフト10は荷台フレーム3の長手方向に対し幅方向に伸びる第1支点11に枢支されるほぼ垂直上方に伸びる垂直フレーム20が設けられ、該垂直フレーム20の下端には垂直フレーム20の垂直方向に対し後方に直角方向に、L字形脚部をなすように水平牽引アーム30が伸びる。該アームは水平方向後方に3段階に伸長可能であり、牽引車両の重量に応じて牽引アームの長さを調節可能となっている。この水平牽引アーム30は牽引しないときは垂直フレーム20側にV字状に折り返し起立可能な折り畳み式となっている。前記垂直フレーム20の上端において水平から15度以上45度以下の角度で前方上方に、突出する作用アーム23に、ほぼ平行して前方に延びる受けアーム22を備え、その受けアーム22の先端の、荷台フレームの幅方向に延びる支持軸100を支点とし、駆動シリンダ40の垂直フレーム20の駆動力を第1支点21で受けた後、次いで、駆動シリンダ40の駆動力を受け、牽引アーム30に伝達するようになっている。詳しくは、図4に示すように、垂直フレーム20が荷台幅方向に広がる幅広フレームからなり、該フレーム20の先端左右側面から一対の作用アーム23,23が前方に突設され、各作用アーム23び先端に駆動シリンダ41,41がほぼ直交して連結され、牽引駆動するようになっている。
【0013】
この作用アーム23は駆動シリンダ40の一端41が連結され、そこからほぼ90度傾斜して延び、他端42が後方2軸の前段車輪5aより前方の荷台フレーム3に連結金具44を介して連結される。前記作用アーム23は垂直フレーム20とほぼ同じ長さを有し、前記垂直フレーム20の先端から前方上方に延び、その先端に連結される駆動シリンダ40がほぼ直交して連結されるとともに、駆動シリンダ40の駆動力の支点を垂直フレーム20と牽引アーム30の交点21より前方の支点100に移動させてなるので、交点21を支点とするより、前方の支点100の方が駆動効率に優れることがわかる。
【0014】
したがって、本発明においては、少なくとも荷台フレーム3の前方に運転方向を制御する前輪4と、荷台フレーム3の後方に荷台荷重を受ける後輪5a及び5bと、その荷台フレーム3後端に上端が荷台フレーム3の長手方向前後方向に揺動可能に設けられる垂直フレーム20と、該垂直フレーム20の下端に対し直角をなし、水平方向後方に段階的に伸長可能な牽引アーム30と、垂直フレーム20の上端に連結され、垂直フレーム20を荷台フレーム3の長手方向前後方向に揺動させる駆動シリンダ40とからなるL字形アンダーリフト10とを備える被牽引車両をリフトして牽引するレッカー車において、
前記垂直フレーム20の上端において水平から15度以上45度以下の角度で前方上方に、突出する作用アーム23を設けるので、該作用アーム先端に駆動シリンダ40を連結し、作用アーム23を牽引すると、その駆動荷重F1は後輪5aにかかる。他方、垂直フレーム20の下端に作用アーム23とほぼ並行して前方に延びる受けアーム22を一体的に設け、該受けアーム22の先端に荷台フレームの幅方向に延びる支持軸100を設けるので、駆動シリンダ40の牽引力(1)は作用アーム23を介して垂直フレーム20の先端に作用し、駆動力(2)で揺動させる。この力を第1支点21で受けた後(3)、次いでその受けアーム22を介してその先端の、荷台フレームの幅方向に延びる支持軸100を支点とすると、駆動シリンダ40の駆動力を受け(4)、垂直フレーム20にかかる荷重F2を後方後輪5bにかかり、駆動シリンダ40の荷重は前方後輪5aにかかることになる。したがって、従来のアンダーリフトに比して前方荷重となるので、前方車輪4をうきあがらせることはなくなる。
【0015】
本発明は、大型レッカー車のアンダーリフトの荷重変換機構について説明されたが、リフト機構が前記垂直フレーム20の上端において水平から15度以上45度以下の角度で前方上方に、突出する作用アーム23と、垂直フレーム20の下端に作用アーム23とほぼ並行して前方に延びる受けアーム22とを備え、該受けアーム22の先端に荷台フレームの幅方向に延びる支持軸100を設け、前記駆動シリンダ40の垂直フレーム20の駆動力を垂直フレーム20の下端における第1支点21で受けた後、次いでその受けアーム22の先端の、荷台フレームの幅方向に延びる支持軸100を支点とし、駆動シリンダ40の駆動力を受け、牽引アーム30に伝達可能である構造である限り、広く適用可能であることは当業者であれば、容易に理解できる。
【符号の説明】
【0016】
3 荷台フレーム
4 前輪
5a 後方2軸前段車輪
5b 後方2軸後段車輪
10 アンダーリフト
20 垂直フレーム
22 受けアーム
23 作用アーム
30 水平牽引アーム
40 駆動シリンダ
100 支持軸
図1
図2
図3
図4
図5