(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022099645
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】ジンバル装置、及び撮像システム
(51)【国際特許分類】
G03B 17/56 20210101AFI20220628BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20220628BHJP
G03B 5/00 20210101ALI20220628BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20220628BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20220628BHJP
F16M 11/00 20060101ALI20220628BHJP
F16M 11/12 20060101ALI20220628BHJP
F16M 13/04 20060101ALI20220628BHJP
F16M 13/00 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
G03B17/56 A
G03B15/00 P
G03B5/00 J
H04N5/222
H04N5/232 480
F16M11/00 A
F16M11/12 H
F16M13/04 G
F16M13/00 G
F16M13/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020213534
(22)【出願日】2020-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000133227
【氏名又は名称】株式会社タムロン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】村上 匡亮
【テーマコード(参考)】
2H105
2K005
5C122
【Fターム(参考)】
2H105AA02
2H105AA53
2H105AA55
2K005AA20
2K005BA24
2K005BA52
2K005BA53
2K005BA54
2K005CA03
2K005CA04
2K005CA13
2K005CA14
2K005CA21
5C122EA41
5C122GD01
5C122GD09
5C122GE11
5C122HA75
5C122HA82
5C122HA88
5C122HB10
(57)【要約】
【課題】装置を複雑化することなく、搭載物の回転、並進運動を抑制することができるジンバル装置、及びこれを備えた撮像システムを提供する。
【解決手段】本発明は、ジンバル装置(2)であって、本体部(20)と、搭載物を固定する取付面を備えたマウント部(6)と、第1モータ(8)と、マウント部と第1モータを連結する第1連結機構(14)と、本体部と第1モータを連結する第2連結機構と、回転センサ(24)と、搭載物の並進運動を検出する並進センサ(36)と、回転センサ及び並進センサの検出信号に基づいて、第1モータを制御する制御部(22)と、を有し、制御部は、本体部が回転移動及び並進移動された場合であっても、搭載物の指向軸線が、搭載物から所定の指標距離(d)だけ離間した点に向けられるように、第1モータを制御することを特徴としている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の指向軸線を有する搭載物を取り付けて使用するジンバル装置であって、
このジンバル装置を保持するための本体部と、
上記搭載物を固定する取付面を備えたマウント部と、
このマウント部を、第1の軸線を中心に回動させる第1モータと、
上記マウント部と上記第1モータを連結する第1連結機構と、
上記本体部と上記第1モータを連結する第2連結機構と、
上記搭載物の、上記第1の軸線周りの回転を検出する回転センサと、
上記搭載物の、上記第1の軸線に直交する平面内の並進運動を検出する並進センサと、
上記回転センサ及び上記並進センサの検出信号に基づいて、上記第1モータを制御する制御部と、
を有し、
上記制御部は、上記本体部が回転移動及び並進移動された場合であっても、上記搭載物の上記指向軸線が、上記搭載物から所定の指標距離だけ離間した点に向けられるように、上記第1モータを制御することを特徴とするジンバル装置。
【請求項2】
さらに、上記第1の軸線とは異なる第2の軸線を中心に上記マウント部を回動させる第2モータ、及び上記第1及び第2の軸線とは異なる第3の軸線を中心に上記マウント部を回動させる第3モータを有する請求項1記載のジンバル装置。
【請求項3】
上記搭載物は撮像装置であり、上記指向軸線は、上記撮像装置の光軸である請求項1又は2に記載のジンバル装置。
【請求項4】
上記第1の軸線は上記撮像装置のピッチ回転軸線であり、上記並進センサは、上記撮像装置の鉛直方向の並進運動を検出する請求項3記載のジンバル装置。
【請求項5】
さらに、上記撮像装置の合焦距離に関する信号を取得する合焦距離取得部を有し、上記制御部は、上記合焦距離に基づいて上記指標距離を設定する請求項3又は4に記載のジンバル装置。
【請求項6】
さらに、使用者の操作に基づいて上記指標距離を設定するための指標距離設定部を有する請求項1乃至5の何れか1項に記載のジンバル装置。
【請求項7】
ジンバル装置を備えた撮像システムであって、
請求項1乃至6の何れか1項に記載のジンバル装置と、
このジンバル装置の上記マウント部に取り付けられ、又は上記マウント部と一体化された撮像装置と、
を有することを特徴とする撮像システム。
【請求項8】
電子ジンバル機能を備えた撮像システムであって、
撮像素子を内蔵した撮像装置本体と、
被写体の像を上記撮像素子上に合焦させる撮像用レンズと、
上記撮像装置本体の、第1の軸線周りの回転を検出する回転センサと、
上記撮像装置本体の、上記第1の軸線に直交する平面内の並進運動を検出する並進センサと、
上記回転センサ及び上記並進センサの検出信号に基づいて、上記撮像素子から有効な画像を切り出す領域をシフトする画像制御部と、
を有し、
上記画像制御部は、上記撮像装置本体が回転移動及び並進移動された場合であっても、上記撮像装置本体から所定の指標距離だけ離間した被写体の像が、上記撮像素子から切り出された画像内の同一の位置に位置するように、上記撮像素子から有効な画像を切り出す領域をシフトさせることを特徴とする撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジンバル装置に関し、特に、所定の指向軸線を有する搭載物を取り付けて使用するジンバル装置、及び撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラ等の搭載物を取り付けて使用するジンバル装置が知られている。現在広く普及している多くのジンバル装置は、搭載物のピッチ角、ロール角、ヨー角の変動を抑制するように構成されている。このため、このようなジンバル装置に、搭載物としてカメラを取り付けた場合、カメラの姿勢角の変動が抑制され、撮影される画像(動画・静止画)が安定したものとなる。しかしながら、このようなタイプのジンバル装置では、搭載物が並進運動された場合に、それを抑制することができない。例えば、このタイプのジンバル装置にカメラを取り付け、撮影者が歩行しながら動画を撮影した場合、カメラの回転振れはジンバル装置により抑制されるものの、歩行に伴いカメラが上下方向に並進運動されると、画像に上下動が残るという問題がある。
【0003】
一方、特表2018-534490号公報(特許文献1)には、搭載物を安定させる安定化装置が記載されている。この安定化装置は、カメラ等の搭載物を3つの回転軸を中心に回転可能に支持したジンバルを定力組立体で吊り下げるように構成されている。これにより、使用者によって把持された安定化装置が上下方向に並進移動されたとしても、安定化装置によって支持されているカメラの上下動が抑制され、画像が安定化される。
【0004】
また、特開2017-90758号公報(特許文献2)には、運動制御装置が記載されている。この運動制御装置は、カメラを支持する支持部と、この支持部の上下に夫々取り付けられたばねと、各ばねの内側に夫々配置され、支持部に上下方向の変位を与えるソレノイドと、を有する。この運動制御装置においては、位置検出部による検出結果に基づきソレノイドに電流が流され、これにより、支持部の上下方向の位置が一定に維持され、カメラによって撮影される画像が安定化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2018-534490号公報
【特許文献2】特開2017-90758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の安定化装置のように、ジンバルを定力組立体(定荷重ばね)で吊り下げた構造の装置では、定荷重ばねの伸縮回数に応じて劣化が進行し、耐荷重が変化したり、定荷重ばねが破断する等の問題が生じる。また、特許文献2記載の運動制御装置のように、ばね(線ばね)によってカメラ等を支持すると、可動部の質量と線ばねのばね定数に基づいて共振点が生じ、所定周期の振動が加えられたとき、可動部が大きく振動する。このような共振を抑制するためにソレノイドが設けられているが、これにより、装置が複雑化、大型化するため、一般ユーザの手軽な撮影に使用することは困難である。
【0007】
従って、本発明は、装置を複雑化することなく、把持部の回転運動のみならず並進運動の影響も抑制することができるジンバル装置、及びこれを備えた撮像システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明は、所定の指向軸線を有する搭載物を取り付けて使用するジンバル装置であって、このジンバル装置を保持するための本体部と、搭載物を固定する取付面を備えたマウント部と、このマウント部を、第1の軸線を中心に回動させる第1モータと、マウント部と第1モータを連結する第1連結機構と、本体部と第1モータを連結する第2連結機構と、搭載物の、第1の軸線周りの回転を検出する回転センサと、搭載物の、第1の軸線に直交する平面内の並進運動を検出する並進センサと、回転センサ及び並進センサの検出信号に基づいて、第1モータを制御する制御部と、を有し、制御部は、本体部が回転移動及び並進移動された場合であっても、搭載物の指向軸線が、搭載物から所定の指標距離だけ離間した点に向けられるように、第1モータを制御することを特徴としている。
【0009】
このように構成された本発明においては、搭載物を固定するマウント部が、このマウント部を第1の軸線を中心に回動させる第1モータ、第1連結機構、及び第2連結機構を介して本体部に連結される。また、回転センサは、搭載物の第1の軸線周りの回転を検出し、並進センサは、搭載物の第1の軸線に直交する平面内の並進運動を検出する。さらに、制御部は、搭載物の指向軸線が、搭載物から所定の指標距離だけ離間した点に向けられるように、回転センサ及び並進センサの検出信号に基づいて第1モータを制御する。
【0010】
このように構成された本発明によれば、第1モータを制御することにより、搭載物の指向軸線を、搭載物から所定の指標距離だけ離間した点に向けることができる。このため、本体部が回転移動及び並進移動された場合であっても、第1モータを制御するだけで、簡単な構成で搭載物の指向軸線の方向を安定化させることができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、さらに、第1の軸線とは異なる第2の軸線を中心にマウント部を回動させる第2モータ、及び第1及び第2の軸線とは異なる第3の軸線を中心にマウント部を回動させる第3モータを有する。
【0012】
このように構成された本発明によれば、第2の軸線を中心にマウント部を回動させる第2モータ、及び第3の軸線を中心にマウント部を回動させる第3モータを有するので、搭載物の、第2、第3の軸線周りの回動に対しても指向軸線の方向を安定化させることができる。
【0013】
本発明において、好ましくは、搭載物は撮像装置であり、指向軸線は、撮像装置の光軸である。
このように構成された本発明によれば、搭載物として撮像装置が固定され、指向軸線として撮像装置の光軸が、撮像装置から所定の指標距離だけ離間した点に向けられるので、撮像装置によって撮像される画像を安定させることができる。
【0014】
本発明において、好ましくは、第1の軸線は撮像装置のピッチ回転軸線であり、並進センサは、撮像装置の鉛直方向の並進運動を検出する。
このように構成された本発明によれば、第1の軸線がピッチ回転軸線であり、並進センサが鉛直方向の並進運動を検出するので、撮像された画像に最も影響を与える撮像装置のピッチ回転運動、及び鉛直方向の並進運動を効果的に抑制することができる。
【0015】
本発明において、好ましくは、さらに、使用者の操作に基づいて指標距離を設定するための指標距離設定部を有する。
このように構成された本発明によれば、指標距離を設定するための指標距離設定部を有するので、画像内における使用者の撮影意図に沿った点の振れを抑制することができる。
【0016】
本発明において、好ましくは、さらに、撮像装置の合焦距離に関する信号を取得する合焦距離取得部を有し、制御部は、合焦距離に基づいて指標距離を設定する。
このように構成された本発明によれば、合焦距離に基づいて指標距離が設定されるので、本体部が回転移動及び並進移動された場合であっても、撮影者がピントを合わせ撮像しようとしている被写体の位置に光軸が向けられ、被写体の像を安定化させることができる。
【0017】
また、本発明は、ジンバル装置を備えた撮像システムであって、本発明のジンバル装置と、このジンバル装置のマウント部に取り付けられ、又はマウント部と一体化された撮像装置と、を有することを特徴としている。
【0018】
さらに、本発明は、電子ジンバル機能を備えた撮像システムであって、撮像素子を内蔵した撮像装置本体と、被写体の像を撮像素子上に合焦させる撮像用レンズと、撮像装置本体の、第1の軸線周りの回転を検出する回転センサと、撮像装置本体の、第1の軸線に直交する平面内の並進運動を検出する並進センサと、回転センサ及び並進センサの検出信号に基づいて、撮像素子から有効な画像を切り出す領域をシフトする画像制御部と、を有し、画像制御部は、撮像装置本体が回転移動及び並進移動された場合であっても、撮像装置本体から所定の指標距離だけ離間した被写体の像が、撮像素子から切り出された画像内の同一の位置に位置するように、撮像素子から有効な画像を切り出す領域をシフトさせることを特徴としている。
【0019】
このように構成された本発明においては、回転センサが撮像装置本体の第1の軸線周りの回転を検出し、並進センサが撮像装置本体の第1の軸線に直交する平面内の並進運動を検出する。画像制御部は、回転センサ及び並進センサの検出信号に基づいて、撮像装置本体から所定の指標距離だけ離間した被写体の像が、撮像素子から切り出された画像内の同一の位置に位置するように、有効な画像の領域をシフトさせる。
【0020】
このように構成された本発明によれば、撮像装置本体から所定の指標距離だけ離間した被写体の像が、撮像素子から切り出された画像内の同一の位置に位置するように画像が切り出されるので、撮像装置本体が回転移動及び並進移動された場合であっても、撮像された画像のブレを抑制することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明のジンバル装置、及び撮像システムによれば、装置を複雑化することなく、把持部の回転運動のみならず並進運動の影響も抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1実施形態による撮像システムの外観を示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態による撮像システムに備えられているジンバル装置の制御を説明するためのブロック図である。
【
図3】本発明の第1実施形態による撮像システムにおいて、カメラの並進運動による画像の振れを説明する図である。
【
図4】本発明の第1実施形態による撮像システムに備えられているジンバル装置における、並進移動による像のブレを抑制するための制御を説明する図である。
【
図5】本発明の第1実施形態の変形例による撮像システムに備えられているジンバル装置における、並進移動による像のブレを抑制するための制御を説明する図である。
【
図6】本発明の第2実施形態による電子ジンバル機能を備えた撮像システムの概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、添付図面を参照して、本発明の第1実施形態による撮像システムを説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による撮像システムの外観を示す斜視図である。
【0024】
図1に示すように、本実施形態の撮像システム1は、ジンバル装置2と、このジンバル装置2に取り付けられた撮像装置であるカメラ4から構成されている。また、撮像装置であるカメラ4は、ジンバル装置2に取り付けられる搭載物の一例である。
本実施形態の撮像システム1は、ジンバル装置2の把持部に設けられたジョイスティックを操作することにより、カメラ4を所望の方向に向けることができる。また、ジンバル装置2の種々の動作モードを選択することにより、カメラ4の視野の振れを抑制しながら、撮影者の意図に沿った撮影をすることができる。
【0025】
カメラ4は、本実施形態においては、動画撮影用のデジタルビデオカメラである。なお、本実施形態においてカメラ4は、動画撮影用のデジタルビデオカメラであるが、動画撮影用、静止画撮影用の任意の撮像装置に本発明を適用することができる。なお、本実施形態においては、ジンバル装置2にカメラ4が取り付けられているが、ジンバル装置2とカメラ4が一体化された撮像システム1を構成することもできる。
【0026】
図1に示すように、ジンバル装置2は、カメラ4を取り付けるためのマウント部であるカメラマウント部6と、このカメラマウント部6を、ピッチ回転軸である第1の軸線A1を中心に回動させる第1モータ8と、ロール回転軸である第2の軸線A2を中心に回動させる第2モータ10と、ヨー回転軸である第3の軸線A3を中心に回動させる第3モータ12と、を有する。さらに、ジンバル装置2は、カメラマウント部6と第1モータ8を連結する第1連結部材14と、第1モータ8と第2モータ10を連結する第2連結部材16と、第2モータ10と第3モータ12を連結する第3連結部材18と、撮影者によって保持される本体部である把持部20と、を有する。
【0027】
なお、本実施形態において、第1連結部材14は、カメラマウント部6と第1モータ8を連結する第1連結機構として機能する。また、本実施形態において、第2連結部材16、第2モータ10、第3連結部材18、及び第3モータ12は、把持部20と第1モータ8を連結する第2連結機構として機能する。
【0028】
また、
図1は、ジンバル装置2の基本状態を示しており、この基本状態においては、第1の軸線A1、第2の軸線A2、及び第3の軸線A3は、互いに異なる方向に向けられると共に、互いに為す角は直角である。
【0029】
カメラマウント部6は、カメラ4を固定するようになった平面の取付面6aを備えたプレート状の部材である。また、本実施形態においては、
図1に示す基本状態において、取付面6aは、第1の軸線A1、及び第2の軸線A2と平行に向けられ、第3の軸線A3と直交するように向けられている。従って、第1の軸線A1及び第2の軸線A2は、基本状態において取付面6aと平行に向けられている。さらに、カメラマウント部6の前縁6bは、第1の軸線A1と平行に向けられている。
【0030】
また、カメラマウント部6は、その前縁6bと、カメラ4の筐体の前縁4bが平行になるよう、カメラ4を取り付けるように構成されている。これにより、カメラ4は、その指向軸線である光軸Aと、カメラマウント部6の前縁が直交するように、カメラマウント部6に取り付けられる。また、この状態では、カメラマウント部6の取付面6aと、カメラ4の光軸Aは平行に向けられ、カメラ4の光軸Aと第2の軸線A2は、平行になる。
【0031】
第1モータ8は、第1連結部材14と第2連結部材16を相対的に回動させるように設けられ、第1連結部材14を介してカメラマウント部6に連結されている。第1モータ8は、第1連結部材14を介してカメラマウント部6及びそれに取り付けられたカメラ4を、基本状態において、第1の軸線A1を中心に回動させるように構成されている。即ち、本実施形態においては、第1モータ8を作動させることにより、カメラ4はピッチ方向に回転される。また、本実施形態において、第1連結部材14はL字形に屈曲して形成されており、これにより、カメラマウント部6の取付面6aは、第1の軸線A1よりも、
図1における下方に位置している。
【0032】
第2モータ10は、第2連結部材16と第3連結部材18を相対的に回動させるように設けられ、第2連結部材16を介して第1モータ8に連結されている。これにより、第2モータ10は、第2連結部材16、第1モータ8、及び第1連結部材14を介して、カメラマウント部6及びそれに取り付けられたカメラ4を、基本状態において、第2の軸線A2を中心に回動させる。本実施形態において、第2連結部材16は水平面内において屈曲して延びるように形成されており、これにより、第2の軸線A2は、水平面内において第1の軸線A1と直角に交わるように向けられる。本実施形態においては、第2モータ10を作動させることにより、カメラ4はロール方向に回転される。
【0033】
第3モータ12は、第3連結部材18と把持部20を相対的に回動させるように設けられ、第3連結部材18を介して第2モータ10に連結されている。これにより、第3モータ12は、第3連結部材18、第2モータ10、第2連結部材16、第1モータ8、及び第1連結部材14を介して、カメラマウント部6及びそれに取り付けられたカメラ4を、基本状態において、第3の軸線A3を中心に回動させる。本実施形態において、第3の軸線A3は鉛直方向に向けられている。即ち、本実施形態においては、第3モータ12を作動させることにより、カメラ4はヨー方向に回転される。また、第3連結部材18は鉛直面内において屈曲して延びるように形成されており、これにより、本実施形態において、第3の軸線A3は、水平方向に向けられた第1の軸線A1、及び第2の軸線A2と夫々直角に交わる。即ち、基本状態において、第1の軸線A1、第2の軸線A2、及び第3の軸線A3が互いに為す角は直角である。なお、一般的なジンバル装置において、隣接していない第1の軸線と第3の軸線が交わらないものもある。
【0034】
把持部20は、第3モータ12に取り付けられた丸棒状の部材であり、第3モータ12の下側から下方に向かって鉛直方向に延び、撮影者によって把持される。また、把持部20の側面には操作部20aが設けられており、この操作部20aを操作することにより、カメラマウント部6に取り付けられたカメラ4を所望の方向に向けることができる。また、操作部20aを操作することにより、ジンバル装置2の作動モードを選択することができ、保持モード、追随モード等を設定することができる。
【0035】
また、本実施形態において、把持部20は、鉛直方向に向けられた丸棒状の部材から構成されているが、把持部20を種々の形状に構成することができる。例えば、把持部を、水平方向に向けられたベース部材と、その両端に設けられたハンドル部から構成される形態とすることもできる。或いは、把持部を、使用者が把持するのではなく、ジンバル装置2を種々の支持構造物に取り付けるための本体部として構成することもできる。
【0036】
次に、
図2を参照して、ジンバル装置2の制御を説明する。
図2は、本実施形態のジンバル装置2の制御を説明するためのブロック図である。
図2に示すように、本実施形態のジンバル装置2は、把持部20に内蔵された制御部22により実行される。
【0037】
図2に示すように、ジンバル装置2には、回転センサである第1ジャイロ24、第2ジャイロ26、及び第3ジャイロ28が備えられている。また、ジンバル装置2には、第1乃至第3モータの回転角を検出する第1エンコーダ30、第2エンコーダ32、及び第3エンコーダ34、並進センサである加速度センサ36が備えられている。これら第1乃至第3ジャイロ、第1乃至第3エンコーダ、及び加速度センサ36による検出信号が制御部22に入力される。さらに、ジンバル装置2には、合焦距離取得部38も備えられており、合焦距離取得部38によって取得された、カメラ4が合焦させている被写体までの距離の情報が制御部22に入力される。合焦距離取得部38の詳細については後述する。また、制御部22には、使用者によって操作される操作部20aの操作に基づく信号も入力される。
【0038】
制御部22は、第1乃至第3ジャイロ、第1乃至第3エンコーダ、加速度センサ36、合焦距離取得部38、及び操作部20aから入力された信号に基づいて、第1乃至第3モータに制御信号を出力し、ジンバル装置2を作動させるように構成されている。具体的には、制御部22及び合焦距離取得部38は、マイクロプロセッサ、インターフェイス回路、送受信回路、メモリ、及びこれらを作動させるソフトウェア等(以上図示せず)により構成されている。
【0039】
本実施形態において、第1乃至第3ジャイロは、把持部20に内蔵されている。ここで、第1ジャイロ24は第1の軸線A1に平行な軸線周りの角速度を検出するように構成され、第2ジャイロ26は第2の軸線A2に平行な軸線周りの角速度を、第3ジャイロ28は第3の軸線A3に平行な軸線周りの角速度を夫々検出するように構成されている。また、第1乃至第3ジャイロを、カメラマウント部6に内蔵することもでき、或いは、カメラマウント部6及び把持部20の両方にジャイロセンサを内蔵させることもできる。
【0040】
なお、第1乃至第3ジャイロとして、独立した3つのジャイロセンサを使用しても良いが、互いに直交する3軸まわりの角速度を夫々検出する一体化されたジャイロセンサを使用することもできる。また、本実施形態においては、第1乃至第3ジャイロとして、圧電振動ジャイロが使用されているが、機械式、レーザ式等、任意の形式のジャイロを回転センサとして使用することができる。また、本実施形態においては、回転センサとして、回転角速度を検出するジャイロセンサが使用されているが、回転角や、回転角加速度等を検出することができる任意のセンサを、所定の軸線周りの回転を検出する回転センサとして使用することができる。
【0041】
さらに、第1エンコーダ30は第1モータ8に内蔵され、その回転角を検出するように構成されている。同様に、第2エンコーダ32、第3エンコーダ34は、第2モータ10、第3モータ12に夫々内蔵され、それらの回転角を夫々検出するように構成されている。制御部22は、第1乃至第3エンコーダの検出信号に基づいて各モータの回転位置を特定し、これらを制御するように構成されている。或いは、回転角を検出するための特別なセンサを設けず、第1乃至第3モータとして、サーボモータや、ステッピングモータを使用することもできる。
【0042】
加速度センサ36は、本実施形態においてはカメラマウント部6に内蔵され、第1の軸線A1に直交する平面内の並進運動を検出するように構成されている。具体的には、加速度センサ36は、光軸及び第1の軸線A1の双方に直交する方向の加速度を検出するように構成されている。この加速度センサ36による検出信号を時間で積分することにより、鉛直方向の速度や変位を求めることができる。本実施形態においては、加速度センサ36として、圧電素子を使用した加速度計が使用されているが、任意の形式の加速度計を使用することができる。また、加速度センサに限らず、並進運動の速度や変位量を検出することができる任意のセンサを並進センサとして使用することができる。なお、本実施形態において、加速度センサ36は、カメラマウント部6に設けられているが、把持部20等、他の部分に加速度センサ36を設けることもできる。即ち、加速度センサ36が把持部20に設けられている場合でも、各エンコーダの検出信号等に基づいて、カメラ4の並進運動を算出することができる。
【0043】
制御部22は、使用者が支持している把持部20が、第1乃至第3の軸線周りに振れた(回動した)場合でも、カメラマウント部6に取り付けられたカメラ4の光軸Aが所定の方向を向き続けるように、第1乃至第3モータを制御する。具体的には、制御部22は、まず、第1乃至第3ジャイロから得られる角速度を積分し、カメラ4の光軸Aが現在指向している方向を算出する。把持部20が静止した状態においては、カメラ4の光軸Aの指向方向は変化せず、第1乃至第3ジャイロで検出される角速度はゼロになり、第1乃至第3モータの出力もほぼゼロとなる。
【0044】
次に、使用者が把持している把持部20が振れ(回動し)、カメラ4の光軸Aの指向方向が変化すると、その角速度が第1乃至第3ジャイロにより検出される。本実施形態においては、第1乃至第3ジャイロによって夫々検出された角速度を積分してカメラ4の光軸Aの指向方向が計算され、これをキャンセルするように第1乃至第3モータが制御される。このような各軸線周りのカメラ4の回動をキャンセルし、撮像される画像を安定化させる作用は、従来のジンバル装置と同一であるため、詳細な説明は省略する。なお、構図を変更するために、ジンバル装置により維持し続けるべき光軸Aの指向方向を変更する場合には、操作部20aとして備えられたジョイスティック等(図示せず)を操作する。また、本実施形態におけるジンバル装置2では、カメラ4の側から順に、ピッチ回転用の第1モータ、ロール回転用の第2モータ、ヨー回転用の第3モータが設けられているが、異なる順序で各モータが設けられたジンバル装置にも本発明を適用することができる。
【0045】
しかしながら、上記のような従来のジンバル装置では、把持部20が回転ではなく、並進運動した場合には、カメラ4によって撮像される画像の振れを抑制することはできない。これに対し、本実施形態のジンバル装置2では、以下に説明する制御を備えているため、把持部20が鉛直方向に並進運動された場合でも、画像の振れを抑制することができる。
【0046】
図3は、カメラ4の並進運動による画像のブレを説明する図である。
まず、
図3のC
1に位置していたカメラ4が、C
2に並進移動された場合、カメラ4の光軸も平行移動される。これに伴い、カメラ4の画角内における被写体の位置が変化し、被写体の像がブレてしまう。このような、カメラ4の並進移動によるブレは、無限遠にある被写体においては発生しないが、カメラ4から有限の距離にある被写体では、その像にブレが発生する。
【0047】
図3において、被写体「A」は、カメラ4がC
1に位置している状態では画角内の上方に位置しているが、カメラ4がC
2の位置まで移動されると画角内の下方に移動するため、被写体「A」の画角内における像位置が変化し、被写体「A」の像にブレが発生する。このようなカメラ4の並進移動による像のブレは、カメラ4の近くに位置する被写体ほど大きくなる。即ち、
図3において、被写体「A」よりもカメラ4の近くに位置する被写体「B」では、画角内における被写体の位置が、被写体「A」よりも大きく変化し、大きなブレが発生する。例えば、ジンバル装置2を持った撮影者が歩行しながら動画撮影を行った場合を想定すると、カメラ4から約10m以内に位置する被写体に対して、撮影者の歩行に伴う把持部20の鉛直方向の並進移動による画像のブレが顕著になる。
【0048】
このようなカメラ4の並進移動による像のブレを根本的に解消するには、ジンバル装置2の把持部20の並進移動に応じてカメラ4を並進移動させ、把持部20の並進移動をキャンセルする必要がある。しかしながら、ジンバル装置2に把持部20の並進移動をキャンセルするための並進移動機構を組み込むと、ジンバル装置2が大がかりになり、手軽な撮影を行うことができなくなる。そこで、本実施形態のジンバル装置2では、像のブレを抑制すべき被写体までの距離である「指標距離d」を設定しておき、カメラ4から指標距離dだけ離れた位置にある被写体の像のブレを抑制する。即ち、本実施形態のジンバル装置2においては、把持部20が鉛直方向に並進移動された場合でも、カメラ4から指標距離dだけ離れた被写体像のブレを抑制するように、カメラ4がピッチ方向に回動される。これにより、カメラ4を並進移動させるための機構を備えることなく、把持部20が並進移動された場合でも、被写体の像のブレを抑制することができる。
【0049】
図4は、本実施形態のジンバル装置2における、並進移動による像のブレを抑制するための制御を説明する図である。以下の説明においては、簡単のために、カメラ4は鉛直な平面内のみで移動するものとする。
まず、
図4において、カメラ4は原点Oを通る鉛直軸線上に位置し、被写体は、原点Oから水平方向に指標距離dだけ離間した点Pに位置するものとする。或る時刻tにおいて、カメラ4は原点Oから距離h上方の点C
tに位置し、その光軸Aは点Pに向けられている。この点C
tと点Pを結ぶ線分と、水平軸線のなす角をθとする。さらに、カメラ4に作用するカメラ4の上下方向の加速度(カメラ4が
図1に示す基本位置にある場合は鉛直方向の加速度)をα
Zとし、カメラ4の前後方向の加速度(光軸方向の加速度)をα
Xとする。
【0050】
ここで、時刻tにおいて点Ctに位置していたカメラ4が、次の時刻t+1においては、距離Δhだけ上方に移動され、点Ct+1に位置するものとする。このとき、点Pと点Ctを結ぶ線分と、点Pと点Ct+1を結ぶ線分のなす角をΔθとする。このように、カメラ4が距離Δhだけ鉛直上方に並進移動されたとしても、カメラ4を下方に向けてΔθだけ回転させれば(ピッチング運動させれば)、指標距離dだけ離間した被写体は、カメラ4の光軸上に位置し続けることになる。即ち、カメラ4を回動させることにより、把持部20の並進移動に基づく像のブレを抑制することができる。
【0051】
ここで、撮影者が歩行しながらカメラ4で撮影を行っていることを想定すると、前方向にほぼ等速で運動していると考えられるので、前後方向の加速度は無視できるものとする。また、上記のように加速度α
Z、α
Xは、鉛直な平面内の成分であり、左右方向(
図4の紙面に直交する方向)の成分をもたないため、これらを合成した加速度αは、重力加速度にカメラ4の上下動による加速度のみが加えられたものとなり、鉛直軸線と平行に向けられる。
【0052】
このことから、
図4より、時刻tにおける角度θについて、
の関係が成り立つ。また、角度θ+Δθについては、
の関係が成り立つ。数式(2)をΔθについて解くと、
となる。数式(8)において、加速度α
Z、α
Xは加速度計によって検出することができるから、指標距離dを設定し、鉛直方向の並進移動の距離Δhを求めることにより、Δθを計算することができる。
【0053】
ここで、距離Δhは、加速度αを時間で2階積分することにより、算出することができる。但し、上記のように、加速度αには重力加速度の成分が含まれているので、この重力加速度の成分をオフセット処理や、フィルタ処理により除去し、撮影者の歩行等による上下動の成分を取りだして積分する必要がある。例えば、重力加速度は常に一定値の約9.81[m/sec2]であるから、この値を差し引くことにより、重力加速度の成分を除去することができる。或いは、重力加速度は常に一定で変化しない(周波数0Hz)から、加速度センサ36の検出信号をローカットフィルタに通して低周波成分を除去することにより、重力加速度を取り除くことができる。
【0054】
このようにしてカメラ4の鉛直方向の並進移動をキャンセルするために必要な角度Δθを算出し、このΔθが、カメラ4の回転をキャンセルするために必要な第1モータ8の回転角と重ね合わせられる(符号を考慮して合算される)。これにより、把持部20の回転移動に加え、把持部20の鉛直方向の並進移動もキャンセルされ、指標距離d離れた位置にある被写体像のブレを抑制することができる。
【0055】
さらに、鉛直方向の移動距離hやΔhは、指標距離dに対して十分に小さいから、
の関係が成り立ち、これらの微小な値同士の積の部分は無視できるものとする。同様に、θも微小な値でありtan
-1の級数展開のうち2次以降の項を無視できるものとすると、
の関係が成り立つ。従って、数式(8)は次のように簡略化することができる。
このように、加速度α
Xを検出することなく、加速度α
Zのみを検出するだけで、十分な精度で近似的にΔθを求めることができる。このため、本実施形態のジンバル装置2には、並進センサとして、鉛直方向(カメラマウント部6の取付面6aに直交する方向)の加速度を検出する加速度センサ36のみが備えられている。
【0056】
次に、指標距離dの設定について説明する。上記のように、本実施形態のジンバル装置2によれば、把持部20が鉛直方向に並進移動された場合であっても、カメラ4から指標距離dだけ離間した位置にある被写体には、光軸Aが向けられる。このため、撮影しようとしている被写体とカメラ4との間の距離を、指標距離dとして設定することが考えられる。例えば、ジンバル装置2に設けた指標距離設定部(図示せず)により、撮影者が被写体までの距離を手動で設定可能にジンバル装置2を構成することができる。なお、指標距離dは、必ずしも被写体までの距離に設定する必要はない。例えば、金網越しに、金網の向こう側の遠くの被写体を撮影する場合には、指標距離dをカメラ4から金網までの距離に設定するのが良い。これにより、撮像された動画の画角内での金網のブレが抑制され、金網の目立たない見やすい動画を撮影することができる。
【0057】
また、本実施形態のジンバル装置2においては、把持部20に設けられた操作部20aにより、指標距離dを「遠」、「近」の2段階に設定可能に構成されており、「遠」モードでは指標距離dは約8mに設定され、「近」モードでは指標距離dは約3mに設定される。従って、この場合には、操作部20aは指標距離設定部として機能する。撮影者は、カメラ4から5m程度の範囲内にある被写体に対しては「近」モードに設定し、カメラ4から10m程度の範囲内にある被写体に対しては「遠」モードに設定することで、カメラ4の鉛直方向の並進運動に基づく像のブレを抑制することができる。なお、10m以上離れた被写体に対しては、カメラ4の並進運動に基づく像のブレは無視できる程度に小さいので、並進運動に対する補正をオフにすることができる。また、操作部20aにより、指標距離dを無段階で設定できるように本発明を構成することもできる。
【0058】
さらに、本実施形態のジンバル装置2は、合焦距離取得部38(
図2)を備えており、この合焦距離取得部38がカメラ4から合焦距離に関する信号を取得して、これに基づいて指標距離dを自動的に設定することもできる。即ち、把持部20に設けられた操作部20aが「Auto」モードに設定されている場合には、合焦距離取得部38がカメラ4から合焦情報を取得して、指標距離dが自動的に設定される。
【0059】
合焦距離取得部38は、カメラ4との間で無線の通信機能を備えており、カメラ4からフォーカスリング(図示せず)の位置情報や、フォーカス調整用のレンズ(図示せず)の位置情報を取得する。さらに、合焦距離取得部38は、取得したこれらの情報に基づいて、カメラ4のレンズが合焦させている被写体までの距離を計算し、これを指標距離dとして設定するように構成されている。ここで、合焦距離取得部38によって取得された合焦距離を、指標距離dとしてそのまま設定しても良いし、或いは、合焦距離に所定のオフセットを与えた距離を指標距離dとすることもできる。なお、合焦距離取得部38を、カメラ4との間で有線で合焦情報を取得するように構成することもできる。また、カメラ4がレンズ交換式である場合には、カメラ4の本体部を経由せずレンズ部と合焦距離取得部38の間で無線あるいは有線で合焦情報を取得するように構成することもできる。
【0060】
次に、
図5を参照して、本発明の第1実施形態の変形例を説明する。
図5は、本実施形態の変形例のジンバル装置2における、並進移動による像のブレを抑制するための制御を説明する図である。上述した実施形態においては、カメラ4の鉛直方向の並進移動の距離Δhを計算し、これに基づいてカメラ4を回動させるべき角度Δθを計算していた。これに対し、本変形例では、カメラ4の鉛直方向の並進移動の速度を計算し、これに基づいてカメラ4を回動させるべき角速度を計算し、像のブレが抑制される。
【0061】
以下の説明においては、簡単のために、カメラ4は鉛直な平面内のみで移動するものとする。
まず、
図5において、カメラ4は原点Oを通る鉛直軸線上に位置し、被写体は、原点Oから水平方向に指標距離dだけ離間した点Pに位置するものとする。或る時刻tにおいて、カメラ4は原点O上方の点C
tに位置し、その光軸Aは点Pに向けられている。この点C
tと点Pを結ぶ線分と、水平軸線のなす角をθとする。さらに、カメラ4に作用するカメラ4の上下方向の加速度(カメラ4が
図1に示す基本位置にある場合は鉛直方向の加速度)をα
Zとし、カメラ4の前後方向の加速度(光軸方向の加速度)をα
Xとする。
【0062】
ここで、時刻tにおいて点Ctに位置するカメラ4が、速度vで上方に移動しているとき、カメラ4の光軸が点Pを指向し続けるために必要な、カメラ4の角速度ωを求め、この角速度ωでカメラ4を回動させることにより、把持部20の並進移動に基づく像のブレを抑制することができる。
【0063】
上述した実施形態と同様に、カメラ4の前後方向の加速度は無視できるものとする。また、上記のように加速度αZ、αXは、鉛直な平面内の成分であり、これらを合成した加速度αは、重力加速度にカメラ4の上下動による加速度のみが加えられたものとなり、鉛直軸線と平行に向けられる。
【0064】
このことから、
図5より、時刻tにおける角度θについて、
の関係が成り立つ。また、点Pと点C
tの間の距離は、
と書くことができる。また、点Pを回転中心とした点C
tにおける速度の接線成分は、
により計算することができる。従って、カメラ4を回転させるべき角速度ωは、次のように計算することができる。
或いは、数式(13)を、加速度α
Zを積分することにより計算される速度v
Zとすれば、角速度ωを次の式から計算することもできる。
【0065】
数式(14)、(15)において、加速度αZ、αXは加速度計によって検出することができるから、指標距離dを設定し、鉛直方向の並進移動の速度v又は速度vZを求めることにより、角速度ωを計算することができる。ここで、速度v又は速度vZは、加速度αを時間で積分することにより、算出することができる。但し、上記のように、加速度αに含まれる重力加速度の成分を除去する必要がある。
【0066】
このようにしてカメラ4の鉛直方向の並進移動をキャンセルするために必要な角速度ωを算出し、このωが、カメラ4の回転をキャンセルするために必要な第1モータ8の回転角速度と重ね合わせられる(符号を考慮して合算される)。これにより、把持部20の回転移動に加え、把持部20の鉛直方向の並進移動もキャンセルされ、指標距離d離れた位置にある被写体像のブレを抑制することができる。
【0067】
さらに、カメラの前後方向の加速度α
Xは、鉛直方向の加速度α
Zよりも十分に小さく、α
X
2=0と近似することができる。また、カメラ4の鉛直方向の移動距離は、指標距離dに対して十分に小さいから、θ≒0と近似することができ、数式(15)は次のように簡略化することができる。
このように、加速度α
Xを検出することなく、加速度α
Zのみを検出するだけで、十分な精度で近似的にωを求めることができる。
【0068】
次に、本発明の第1実施形態によるジンバル装置2の作用を説明する。
まず、ジンバル装置2にカメラ4を取り付け、操作部20aによりジンバル装置2の電源を投入すると、第1ジャイロ24、第2ジャイロ26、第3ジャイロ28、及び加速度センサ36の検出信号が制御部22に入力される。制御部22は、入力された検出信号に基づいて、第1モータ8、第2モータ10、及び第3モータ12を制御して、カメラ4によって撮影される画像のブレが抑制される。
【0069】
ジンバル装置2が「Auto」モードに設定されている場合には、カメラ4の合焦距離に関する信号が合焦距離取得部38によって取得され、合焦距離に基づいて指標距離dが設定される。これにより、カメラ4が鉛直方向に並進移動された場合でも、カメラ4がピントを合わせている距離にある被写体の像のブレが抑制される。なお、カメラ4の合焦距離が長い場合には、指標距離dが大きな値となり、カメラ4の並進移動に基づく像ブレの補正は、実質的に作動しなくなる(数式(10)においてΔθ≒0、数式(16)においてω≒0)。
【0070】
また、ジンバル装置2が「近」モードに設定されると、カメラ4が鉛直方向に並進移動された場合でも、カメラ4の比較的近くに位置する被写体の像のブレが抑制される。さらに、ジンバル装置2が「遠」モードに設定されると、カメラ4が鉛直方向に並進移動された場合でも、カメラ4から比較的遠くに位置する被写体の像のブレが抑制される。
【0071】
本発明の第1実施形態のジンバル装置2によれば、第1モータ8を制御することにより、カメラ4の光軸Aを、カメラ4から所定の指標距離dだけ離間した点に向けることができる。このため、本体部である把持部20が回転移動及び並進移動された場合であっても、第1モータ8を制御するだけで、簡単な構成でカメラ4の光軸Aの方向を安定化させることができ、撮像される画像を安定させることができる。
【0072】
また、本実施形態のジンバル装置2によれば、第2の軸線A2を中心にカメラマウント部6を回動させる第2モータ10、及び第3の軸線A3を中心にカメラマウント部6を回動させる第3モータ12を有するので、カメラ4の、第2、第3の軸線周りの回動に対しても光軸Aの方向を安定化させることができる。
【0073】
さらに、本実施形態のジンバル装置2によれば、第1の軸線A1がピッチ回転軸線であり、加速度センサ36が鉛直方向の並進運動を検出するので、撮像された画像に最も影響を与えるカメラ4のピッチ回転運動、及び鉛直方向の並進運動を効果的に抑制することができる。
【0074】
また、本実施形態のジンバル装置2によれば、指標距離dを設定するための操作部20aを有するので、画像内における使用者の撮影意図に沿った点の振れを抑制することができる。
【0075】
さらに、本実施形態のジンバル装置2によれば、合焦距離取得部38がカメラ4の合焦距離に関する信号を取得し、制御部22は、合焦距離に基づいて指標距離dを設定する。このため、把持部20が回転移動及び並進移動された場合であっても、撮影者がピントを合わせ撮像しようとしている被写体の位置に光軸Aが向けられ、被写体の像を安定化させることができる。
【0076】
次に、
図6を参照して、本発明の第2実施形態による電子ジンバル機能を備えた撮像システムを説明する。
本実施形態の撮像システムは、カメラ自体を物理的に回動させるジンバル機構を備えず、撮像素子から有効な画像データを切り出す位置を変化させることにより、画像のブレを抑制する点が、上述した第1実施形態とは異なっている。従って、ここでは、本発明の第2実施形態の、第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の構成、作用、効果については説明を省略する。
図6は、本発明の第2実施形態による電子ジンバル機能を備えた撮像システムの概略を示す図である。なお、本実施形態の撮像システムは、動画撮影用の撮像システムである。
【0077】
図6に示すように、本実施形態の電子ジンバル機能を備えた撮像システム100は、撮像用レンズ102と、撮像装置本体104と、を有する。さらに、撮像装置本体104には、撮像素子106と、回転センサであるジャイロ108と、並進センサである加速度センサ110と、画像制御部112と、撮像された画像を記録する記録媒体114と、電子ジンバル機能の設定等を行うための操作部116と、を有する。
【0078】
撮像用レンズ102は、撮像装置本体104の前面に取り付けられ、被写体の像を撮像装置本体104に内蔵された撮像素子106上に合焦させるように構成されている。撮像用レンズ102は、複数枚のレンズから構成されており、一部のレンズを光軸A方向に移動させることによりピント調節を行うことができる。また、撮像される画角を変更するズーム機能を備えていても良い。さらに、撮像用レンズ102は、レンズユニットとして交換可能に構成されても良いし、撮像装置本体104と一体に構成されていても良い。
【0079】
撮像装置本体104は、撮像素子106、画像制御部112、及び記録媒体114を内蔵しており、撮像素子106上に合焦された画像が、画像制御部112によって切り出され、切り出された画像情報が記録媒体114に逐次記録されるように構成されている。また、撮像装置本体104の背面には、ファインダー(図示せず)、及び指標距離設定部である操作部116が設けられている。
【0080】
撮像素子106は、表面上に配列された多数の画素を備えており、入射した光を各画素において電荷に変換するように構成されている。また、撮像素子106上には、画像情報として記録媒体114に記録されるよりも広い範囲の像が形成されるように画素が配列されており、撮像素子106上に形成された画像の一部の範囲を切り出して、1フレーム分の画像データが取得されるように構成されている。
【0081】
ジャイロ108は、撮像装置本体104に内蔵され、撮像用レンズ102及び撮像装置本体104のピッチ軸線周り、ロール軸線周り、及びヨー軸線周りの回転角速度を検出するように構成されている。本実施形態においては、各軸線まわりの回転角速度を検出するセンサが一体化されているが、各軸線毎に別体のジャイロセンサを使用することもできる。また、本実施形態においては、ジャイロ108として、圧電振動ジャイロが使用されているが、任意の形式のジャイロを使用することができる。さらに、回転センサとして、ジャイロばかりでなく、回転角センサ、回転角加速度センサ等、任意のセンサを使用することができる。また、ジャイロ108は、撮像用レンズ102の鏡筒内に配置されていても良い。
【0082】
加速度センサ110は、撮像装置本体104に内蔵され、撮像用レンズ102及び撮像装置本体104の上下方向の加速度を検出するように構成されている。この加速度センサ110によって検出された並進加速度の信号を時間で積分することにより、並進速度の情報や、並進移動量の情報を得ることができる。本実施形態においては、加速度センサ110として、圧電素子を使用したセンサが採用されているが、任意の形式の加速度センサを使用することができる。或いは、並進速度や、並進移動量を検出する任意のセンサを、並進センサとして使用することができる。
【0083】
画像制御部112は、撮像素子106から画素情報を読み出し、読み出された画素情報のうちの所定の画素情報を1フレーム分の画像データとして切り出して記録媒体114に逐次記憶させるように構成されている。また、画像制御部112には、ジャイロ108の検出信号、及び加速度センサ110の検出信号が入力され、これらの検出信号に基づいて、撮像素子106から有効な画像を切り出す領域がシフトされる。即ち、画像制御部112は、撮像素子106から読み出された画素情報のうちの、どの領域の画素を有効な画像として切り出すかを、ジャイロ108及び加速度センサ110の検出信号に基づいて決定する。有効な画像として切り出された画素のデータは、そのフレームの画像データとして記録媒体114に記録される。画像制御部112は、具体的には、マイクロプロセッサ、インターフェイス回路、メモリ、及びこれらを作動させるソフトウェア等(以上図示せず)から構成されている。
【0084】
記録媒体114は、撮像装置本体104に内蔵され、画像制御部112によって切り出された画像のデータを逐次記録するように構成されている。本実施形態においては、記録媒体114はハードディスク装置によって構成されているが、不揮発性の大容量メモリで記録媒体114を構成することもできる。
【0085】
操作部116は、撮像装置本体104の背面に設けられており、この操作部116を操作することにより、使用者は、撮像システム100の種々の操作、設定を行うことができる。例えば、操作部116を操作することにより、電子ジンバル機能の「Auto」モード、「近」モード、「遠」モードを選択することができる。従って、操作部116は、使用者の操作に基づいて指標距離dを設定するための指標距離設定部として機能する。各モードにおける指標距離dの設定については、上述した第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0086】
次に、本発明の第2実施形態による撮像システム100に備えられている電子ジンバル機能を説明する。
撮像システム100による動画撮影中に、撮像装置本体104が振れると、撮像素子106上に合焦される像も移動する。例えば、撮影中に撮像装置本体104がヨー軸線を中心に回動すると、被写体が移動していないくても、合焦される被写体の像は、撮像素子106上で左右方向に移動する。このような撮像素子106上での被写体の像の移動を抑制するために、画像制御部112は、ジャイロ108による検出信号に基づいて、有効な画像として切り出す画素の領域をシフトする。例えば、撮像装置本体104がヨー軸線を中心に回動した場合には、有効な画像として切り出す現在のフレームの画素の領域を、1つ前のフレームに対して左右方向に移動させる。これにより、静止している被写体は、1つ前のフレームと現在のフレームで、切り出された画像の中のほぼ同一の位置に位置するようになり、被写体の像のブレが抑制される。
【0087】
以上は、従来の電子ジンバル機能の作用であり、詳細な説明は省略する。このような従来の電子ジンバル機能によれば、撮像装置本体104のピッチ軸線周り、ロール軸線周り、及びヨー軸線周りの回動に対しては、画像のブレを抑制することができる。しかしながら、撮像装置本体104が並進移動された場合には、画像のブレを抑制することができない。
【0088】
これに対して、本実施形態の撮像システム100においては、加速度センサ110により、撮像装置本体104の上下方向(鉛直方向)の並進移動を検出し、これに基づいて、撮像装置本体104から所定の指標距離dだけ離間した被写体の像のブレが抑制される。即ち、画像制御部112は、撮像装置本体104から指標距離dだけ離間した被写体の像が、切り出された画像内の同一の位置に位置するように、撮像素子106から有効な画像を切り出す領域をシフトして、指標距離d離れた被写体の像のブレを抑制する。
【0089】
具体的には、画像制御部112は、加速度センサ110の検出信号に基づいて、撮像装置本体104の上下方向の移動距離Δhを算出する。次に、画像制御部112は、操作部116により設定された指標距離d、及び数式(10)を使用して、指標距離dだけ離間した被写体が画角内で移動する角度Δθを計算する。さらに、画像制御部112は、被写体が角度Δθだけ移動した場合における、撮像素子106上の像の移動量を計算し、これに基づいて撮像素子106から有効な画像として切り出す画素の領域を上下方向にシフトさせる。これにより、撮像装置本体104が並進移動された場合であっても、撮像装置本体104から指標距離dだけ離間した被写体の像が、撮像素子106から切り出された画像内の同一の位置に位置する。なお、撮像装置本体104の回転移動に基づく切り出す画素領域のシフトと、撮像装置本体104の並進移動に基づく画素領域のシフトは、重ね合わせて(符号を考慮して合算して)適用される。
【0090】
本発明の第2実施形態の撮像システム100によれば、撮像装置本体104から所定の指標距離dだけ離間した被写体の像が、撮像素子106から切り出された画像内の同一の位置に位置するように画像が切り出されるので、撮像装置本体104が回転移動及び並進移動された場合であっても、撮像された画像のブレを抑制することができる。
【0091】
また、本実施形態の撮像システム100によれば、従来の電子ジンバル機能を備えた撮像システムに対し、加速度センサ110等の並進センサを組み込み、切り出す画素の処理アルゴリズムを変更するだけで、撮像装置本体104の回転移動及び並進移動に対し、撮像された画像のブレを抑制することができる。
【0092】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態においては、撮像装置のピッチ軸線周り、ロール軸線周り、及びヨー軸線周りの回転移動による画像のブレを抑制すると共に、撮像装置の鉛直方向(上下方向)の並進運動による画像のブレを抑制していた。これに対し、変形例として、撮像装置の回転移動による画像のブレの抑制は、1つ又は2つの軸周りの回転移動に基づくブレのみを抑制するように構成することもできる。例えば、ドローンに搭載するジンバル装置においては、ヨー軸線周りの回転移動対する画像のブレの抑制を省略することができる。
【0093】
また、上述した実施形態においては、撮像装置の回動に加え、撮像装置の上下方向(鉛直方向)の並進運動に基づく画像のブレを、撮像装置をピッチ回転させることにより安定化させていた。これに対して、変形例として、上下方向の以外の並進運動に基づく画像のブレを安定化させるように本発明を構成することもできる。例えば、人物を中心に撮像装置が左右に回り込んで撮影を行うような場合には、撮像装置の左右方向の並進運動に基づく画像のブレを安定化させるように本発明を構成するのが良い。この場合には、撮像装置の左右方向(水平方向)の並進運動を検出する並進センサを設けておき、この検出信号に基づいて撮像装置をヨー回転させることにより、画像を安定化させるように本発明を構成する。
【0094】
さらに、上述した第1実施形態においては、ジンバル装置2に搭載物としてカメラ4を搭載し、カメラ4によって撮影される画像を安定化させていたが、ジンバル装置2には、指向軸線を有する任意の搭載物を搭載して使用することができる。例えば、特定の音源からの音波を集音するための超指向性マイクや、特定の方向からの電波を受信するためのアンテナ、標的に向けて投射物を発射する投擲装置等を、本発明のジンバル装置に搭載して使用することができる。
【0095】
また、上述した実施形態においては、回転を検出するジャイロと、並進運動を検出する加速度センサは別々に設けられていたが、これらは一体に設けられていても良い。例えば、市販のジャイロセンサには、回転角速度の検出信号の較正を行う目的で加速度センサが内蔵されたものもあるが、このようにしてジャイロセンサに内蔵された加速度センサを、並進運動を検出するために利用することもできる。
【符号の説明】
【0096】
1 撮像システム
2 ジンバル装置
4 カメラ(撮像装置、搭載物)
4b 前縁
6 カメラマウント部(マウント部)
6a 取付面
6b 前縁
8 第1モータ
10 第2モータ
12 第3モータ
14 第1連結部材(第1連結機構)
16 第2連結部材
18 第3連結部材
20 把持部(本体部)
20a 操作部(指標距離設定部)
22 制御部
24 第1ジャイロ(回転センサ)
26 第2ジャイロ
28 第3ジャイロ
30 第1エンコーダ
32 第2エンコーダ
34 第3エンコーダ
36 加速度センサ(並進センサ)
38 合焦情報取得部
100 撮像システム
102 撮像用レンズ
104 撮像装置本体
106 撮像素子
108 ジャイロ(回転センサ)
110 加速度センサ(並進センサ)
112 画像制御部
114 記録媒体
116 操作部(指標距離設定部)