(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022099658
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】鋼材ダンパー
(51)【国際特許分類】
F16F 15/02 20060101AFI20220628BHJP
E04H 9/02 20060101ALI20220628BHJP
F16F 7/12 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
F16F15/02 Z
E04H9/02 321B
F16F7/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020213563
(22)【出願日】2020-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000231855
【氏名又は名称】日本鋳造株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000216025
【氏名又は名称】鉄建建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】593089046
【氏名又は名称】青木あすなろ建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000195971
【氏名又は名称】西松建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000235543
【氏名又は名称】飛島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108442
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義孝
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】山崎 信宏
(72)【発明者】
【氏名】石渡 康弘
(72)【発明者】
【氏名】波田 雅也
(72)【発明者】
【氏名】諸沢 柾治
(72)【発明者】
【氏名】山崎 康雄
(72)【発明者】
【氏名】久保田 雅春
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 晶子
【テーマコード(参考)】
2E139
3J048
3J066
【Fターム(参考)】
2E139AA01
2E139AC03
2E139AC04
2E139AC26
2E139AC27
2E139AC33
2E139AC43
2E139BA04
2E139BD22
3J048AA06
3J048AC06
3J048BC09
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3J048CB21
3J048EA38
3J066AA26
3J066BA03
3J066BB04
3J066BD07
3J066BF01
3J066BG01
(57)【要約】
【課題】地震発生時に地震エネルギーを十分に減衰させることができ、塑性変形の変形度合いを容易に確認することができ、制震機能を発揮し得る状態か否かを的確に判断することができる鋼材ダンパーを提供する。
【解決手段】鋼材ダンパー10Aは、第1及び第2連結パネル11,12と、それら連結パネル11,12の間に延びるダンパーパネル13aとから形成されている。ダンパーパネル13aは、前面から後面に向かって凹むとともに中心に向かって所定の曲率半径で円弧を画きつつ前面の中央域において円状に延びる第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23dと、後面から前面に向かって凹むとともに中心に向かって所定の曲率半径で円弧を画きつつ後面の中央域において円状に延びる第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25dとを有し、地震発生時にそれら前凹曲面部23a~23dとそれら後凹曲面部25a~25dとが塑性変形することで制震機能を発揮する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定厚みを有する第1連結パネルと、所定厚みを有して前記第1連結パネルの反対側に位置する第2連結パネルと、所定厚みを有して前記第1及び第2連結パネルの間に延びるダンパーパネルとから形成され、振動発生時に前記ダンパーパネルが塑性変形することで制震機能を発揮する鋼材ダンパーにおいて、
前記ダンパーパネルが、その前面における中央域に成形されて該前面から該ダンパーパネルの後面に向かって凹む前凹面エリアと、前記後面における中央域に成形されて該後面から前記前面に向かって凹む後凹面エリアとを有し、
前記前凹面エリアが、その外周縁から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなるとともに前記前面の中央域において弧を画く第1前凹面部~第n前凹面部を有し、前記後凹面エリアが、その外周縁から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなるとともに前記後面の中央域において弧を画く第1後凹面部~第n後凹面部を有することを特徴とする鋼材ダンパー。
【請求項2】
前記第1前凹面部~第n前凹面部が、前記前面から前記後面に向かって凹むとともに前記中心に向かって所定の曲率半径で弧を画きつつ該前面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1前凹曲面部~第n前凹曲面部であり、前記第1後凹面部~第n後凹面部が、前記後面から前記前面に向かって凹むとともに前記中心に向かって所定の曲率半径で弧を画きつつ該後面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1後凹曲面部~第n後凹曲面部であり、前記鋼材ダンパーでは、前記第1前凹曲面部~第n前凹曲面部と前記第1後凹曲面部~第n後凹曲面部とが互いに同形同大であって前記ダンパーパネルの前後方向へ対称形に並び、前記第1前凹曲面部と前記第1後凹曲面部との間の前記ダンパーパネルの厚み寸法が1番大きく、前記第n前凹曲面部と前記第n後凹曲面部との間の前記ダンパーパネルの厚み寸法が1番小さい請求項1に記載の鋼材ダンパー。
【請求項3】
前記前面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形を画いて延びる前記第1前凹曲面部~第n前凹曲面部の径方向の幅寸法が、該第1前凹曲面部~第n前凹曲面部において同一又は該第1前凹曲面部~第n前凹曲面部においてランダムであり、又は、該第1前凹曲面部から該第n前凹曲面部に向かって次第に小さくなり、或いは、該第1前凹曲面部から該第n前凹曲面部に向かって次第に大きくなり、前記後面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形を画いて延びる前記第1後凹曲面部~第n後凹曲面部の径方向の幅寸法が、該第1後凹曲面部~第n後凹曲面部において同一又は該第1後凹曲面部~第n後凹曲面部においてランダムであり、又は、該第1後凹曲面部から該第n後凹曲面部に向かって次第に小さくなり、或いは、該第1後凹曲面部から該第n後凹曲面部に向かって次第に大きくなっている請求項2に記載の鋼材ダンパー。
【請求項4】
前記第1前凹面部~第n前凹面部が、前記前面から前記後面に向かって凹むとともに該第1前凹面部~第n前凹面部を除く前記ダンパーパネルの前面と並行しつつ該前面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部であり、前記第1後凹面部~第n後凹面部が、前記後面から前記前面に向かって凹むとともに該第1後凹面部~第n後凹面部を除く前記ダンパーパネルの後面と並行しつつ該後面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部であり、前記鋼材ダンパーでは、前記第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部と前記第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部とが互いに同形同大であって前記ダンパーパネルの前後方向へ対称形に並び、前記第1前凹平坦面部と前記第1後凹平坦面部との間の前記ダンパーパネルの厚み寸法が1番大きく、前記第n前凹平坦面部と前記第n後凹平坦面部との間の前記ダンパーパネルの厚み寸法が1番小さい請求項1に記載の鋼材ダンパー。
【請求項5】
前記前面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形を画いて延びる前記第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部の径方向の幅寸法が、該第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部において同一又は該第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部においてランダムであり、又は、該第1前凹平坦面部から該第n前凹平坦面部に向かって次第に小さくなり、或いは、該第1前凹平坦面部から該第n前凹平坦面部に向かって次第に大きくなり、前記後面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形を画いて延びる前記第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部の径方向の幅寸法が、該第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部において同一又は該第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部においてランダムであり、又は、該第1後凹平坦面部から該第n後凹平坦面部に向かって次第に小さくなり、或いは、該第1後凹平坦面部から該第n後凹平坦面部に向かって次第に大きくなっている請求項4に記載の鋼材ダンパー。
【請求項6】
前記第1前凹面部~第n前凹面部が、前記前面から前記後面に向かって凹むとともに前記外周縁から中心に向かって下り勾配に傾斜しつつ該前面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1前凹斜面部~第n前凹斜面部であり、前記第1後凹面部~第n後凹面部が、前記後面から前記前面に向かって凹むとともに前記外周縁から中心に向かって下り勾配に傾斜しつつ該後面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1後凹斜面部~第n後凹斜面部であり、前記鋼材ダンパーでは、前記第1前凹斜面部~第n前凹斜面部と前記第1後凹斜面部~第n後凹斜面部とが互いに同形同大であって前記ダンパーパネルの前後方向へ対称形に並び、前記第1前凹斜面部と前記第1後凹斜面部との間の前記ダンパーパネルの厚み寸法が1番大きく、前記第n前凹斜面部と前記第n後凹平斜部との間の前記ダンパーパネルの厚み寸法が1番小さい請求項1に記載の鋼材ダンパー。
【請求項7】
前記前面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形を画いて延びる前記第1前凹斜面部~第n前凹斜面部の径方向の幅寸法が、該第1前凹斜面部~第n前凹斜面部において同一又は該第1前凹斜面部~第n前凹斜面部においてランダムであり、又は、該第1前凹斜面部から該第n前凹斜面部に向かって次第に小さくなり、或いは、該第1前凹斜面部から該第n前凹斜面部に向かって次第に大きくなり、前記後面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形を画いて延びる前記第1後凹斜面部~第n後凹斜面部の径方向の幅寸法が、該第1後凹斜面部~第n後凹斜面部において同一又は該第1後凹斜面部~第n後凹斜面部においてランダムであり、又は、該第1後凹斜面部から該第n後凹斜面部に向かって次第に小さくなり、或いは、該第1後凹斜面部から該第n後凹斜面部に向かって次第に大きくなっている請求項6に記載の鋼材ダンパー。
【請求項8】
前記第1連結パネルが、建造物を構成する第1構造部材から延びる第1取り付け部材の自由端部に所定の連結手段によって連結され、前記第2連結パネルが、前記建造物を構成して前記第1構造部材と上下方向又は幅方向へ離間正対する第2構造部材から延びる第2取り付け部材の自由端部に所定の連結手段によって連結され、前記ダンパーパネルが、上下方向又は幅方向へ離間する前記第1取り付け部材の自由端部と前記第2取り付け部材の自由端部との間のスペースに位置している請求項1ないし請求項8いずれかに記載の鋼材ダンパー。
【請求項9】
前記第1連結パネルが、建造物を構成する第1構造部材と前記第1構造部材に対して上下方向へ離間対向する第2構造部材との間に延びる第1取り付け部材の対向側部に所定の連結手段によって連結され、前記第2連結パネルが、前記第1構造部材と前記第2構造部材との間に延びていて前記第1取り付け部材に対して幅方向へ離間対向する第2取り付け部材の対向側部に所定の連結手段によって連結され、前記ダンパーパネルが、幅方向へ離間する前記第1取り付け部材の対向側部と前記第2取り付け部材の対向側部との間のスペースに位置している請求項1ないし請求項8いずれかに記載の鋼材ダンパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震等による振動発生時にダンパーパネルが塑性変形することで制震機能を発揮する鋼材ダンパーに関する。
【背景技術】
【0002】
上部構造の鉛直荷重を支持するために上下部構造間に設置される可動支承と、上部構造の水平変位を拘束して可動支承を固定支承として機能させるために、可動支承と組み合わせて上下部構造間に設置される変位拘束装置とから形成され、変位拘束装置が、上下部構造の一方に設置される低降伏点鋼を用いた鋼材ダンパーと、上下部構造の他方に設置され、鋼材ダンパーの両端部に常に当接してダンパーを上下部構造間に固定する1対のストッパとを備えた橋梁における固定支承部の支承構造が開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
この支承構造に利用されている鋼材ダンパーは、H型の鋼材から作られ、所定厚みのパネル状のウェブと、ウェブの両側縁に連接されてウェブの変形を防止する一対のフランジとから形成されている。鋼材ダンパーは、地震が発生し、それに水平荷重が作用すると、それが塑性変形することで制震機能を発揮するが、ウェブやフランジが塑性変形し難いことから、地震等による振動発生時に振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができない。
【0004】
前記特許文献1に開示の鋼材ダンパーの問題点を解決するために改良された低降状点鋼材製の橋梁用変厚剪断パネル型制御装置が開示されている(特許文献2参照)。この橋梁用変厚剪断パネル型制御装置は、橋梁下部構造の橋梁上部構造との対向部に連結される下部連結部と、橋梁上部構造の橋梁下部構造との対向部に連結される上部連結部と、下部連結部と上部連結部を接続する塑性変形部と、塑性変形部の表裏両面に凹設した正面視円形で中心部に向かうにつれて凹み量が増大する曲面状凹部とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3755886号公報
【特許文献2】特開2008-179950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献2に開示の橋梁用変厚剪断パネル型制御装置は、地震が発生し、それに水平荷重が作用すると、塑性変形部が塑性変形して制震機能を発揮し、地震発生時に地震エネルギーを減衰させる。地震発生時に塑性変形部が塑性変形した場合、橋梁用変厚剪断パネル型制御装置を交換するが、塑性変形部の変形度合いが分かりづらく、未だ制震機能を発揮し得る状態か否かを的確に判断することができず、制震機能を失ったパネル型制御装置の適切な交換時期を逸してしまう恐れがある。さらに、制震機能を発揮し得る状態にあるにもかかわらず交換されてしまう場合があり、橋梁用変厚剪断パネル型制御装置が無駄に廃棄されてしまう場合がある。
【0007】
本発明の目的は、地震等による振動発生時にダンパーパネルが確実に塑性変形することで、振動発生時に振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、振動による建造物の変形や損傷を最小限にすることができるとともに、塑性変形の変形度合いを容易に確認することができ、制震機能を発揮し得る状態か否かを的確に判断することができる鋼材ダンパーを提供することにある。本発明の他の目的は、地震等による振動発生後に継続使用か交換かを的確に判断することができ、むやみに交換されることはなく、無駄な廃棄を防ぐことができるとともに、制震機能を失ったダンパーの交換時期の逸脱を防ぐことができる鋼材ダンパーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための本発明の前提は、所定厚みを有する第1連結パネルと、所定厚みを有して第1連結パネルの反対側に位置する第2連結パネルと、所定厚みを有して第1及び第2連結パネルの間に延びるダンパーパネルとから形成され、振動発生時にダンパーパネルが塑性変形することで制震機能を発揮する鋼材ダンパーである。
【0009】
前記前提における本発明の特徴は、ダンパーパネルが、その前面における中央域に成形されて前面からダンパーパネルの後面に向かって凹む前凹面エリアと、後面における中央域に成形されて後面から前面に向かって凹む後凹面エリアとを有し、前凹面エリアが、その外周縁から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなるとともに前面の中央域において弧を画く第1前凹面部~第n前凹面部を有し、後凹面エリアが、その外周縁から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなるとともに後面の中央域において弧を画く第1後凹面部~第n後凹面部を有することにある。
【0010】
本発明の一例としては、第1前凹面部~第n前凹面部が、前面から後面に向かって凹むとともに中心に向かって所定の曲率半径で弧を画きつつ前面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1前凹曲面部~第n前凹曲面部であり、第1後凹面部~第n後凹面部が、後面から前面に向かって凹むとともに中心に向かって所定の曲率半径で弧を画きつつ後面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1後凹曲面部~第n後凹曲面部であり、鋼材ダンパーでは、第1前凹曲面部~第n前凹曲面部と第1後凹曲面部~第n後凹曲面部とが互いに同形同大であってダンパーパネルの前後方向へ対称形に並び、第1前凹曲面部と第1後凹曲面部との間のダンパーパネルの厚み寸法が1番大きく、第n前凹曲面部と第n後凹曲面部との間のダンパーパネルの厚み寸法が1番小さい。
【0011】
本発明の他の一例としては、前面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形を画いて延びる第1前凹曲面部~第n前凹曲面部の径方向の幅寸法が、第1前凹曲面部~第n前凹曲面部において同一又は第1前凹曲面部~第n前凹曲面部においてランダムであり、又は、第1前凹曲面部から第n前凹曲面部に向かって次第に小さくなり、或いは、第1前凹曲面部から第n前凹曲面部に向かって次第に大きくなり、後面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形を画いて延びる第1後凹曲面部~第n後凹曲面部の径方向の幅寸法が、第1後凹曲面部~第n後凹曲面部において同一又は第1後凹曲面部~第n後凹曲面部においてランダムであり、又は、第1後凹曲面部から第n後凹曲面部に向かって次第に小さくなり、或いは、第1後凹曲面部から第n後凹曲面部に向かって次第に大きくなっている。
【0012】
本発明の他の一例としては、第1前凹面部~第n前凹面部が、前面から後面に向かって凹むとともに第1前凹面部~第n前凹面部を除くダンパーパネルの前面と並行しつつ前面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部であり、第1後凹面部~第n後凹面部が、後面から前面に向かって凹むとともに第1後凹面部~第n後凹面部を除くダンパーパネルの後面と並行しつつ後面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部であり、鋼材ダンパーでは、第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部と第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部とが互いに同形同大であってダンパーパネルの前後方向へ対称形に並び、第1前凹平坦面部と第1後凹平坦面部との間のダンパーパネルの厚み寸法が1番大きく、第n前凹平坦面部と第n後凹平坦面部との間のダンパーパネルの厚み寸法が1番小さい。
【0013】
本発明の他の一例としては、前面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形を画いて延びる第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部の径方向の幅寸法が、第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部において同一又は第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部においてランダムであり、又は、第1前凹平坦面部から第n前凹平坦面部に向かって次第に小さくなり、或いは、第1前凹平坦面部から第n前凹平坦面部に向かって次第に大きくなり、後面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形を画いて延びる第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部の径方向の幅寸法が、第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部において同一又は第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部においてランダムであり、又は、第1後凹平坦面部から第n後凹平坦面部に向かって次第に小さくなり、或いは、第1後凹平坦面部から第n後凹平坦面部に向かって次第に大きくなっている。
【0014】
本発明の他の一例としては、第1前凹面部~第n前凹面部が、前面から後面に向かって凹むとともに外周縁から中心に向かって下り勾配に傾斜しつつ前面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1前凹斜面部~第n前凹斜面部であり、第1後凹面部~第n後凹面部が、後面から前面に向かって凹むとともに外周縁から中心に向かって下り勾配に傾斜しつつ後面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1後凹斜面部~第n後凹斜面部であり、鋼材ダンパーでは、第1前凹斜面部~第n前凹斜面部と第1後凹斜面部~第n後凹斜面部とが互いに同形同大であってダンパーパネルの前後方向へ対称形に並び、第1前凹斜面部と第1後凹斜面部との間のダンパーパネルの厚み寸法が1番大きく、第n前凹斜面部と第n後凹平斜部との間のダンパーパネルの厚み寸法が1番小さい。
【0015】
本発明の他の一例としては、前面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形を画いて延びる第1前凹斜面部~第n前凹斜面部の径方向の幅寸法が、第1前凹斜面部~第n前凹斜面部において同一又は第1前凹斜面部~第n前凹斜面部においてランダムであり、又は、第1前凹斜面部から第n前凹斜面部に向かって次第に小さくなり、或いは、第1前凹斜面部から第n前凹斜面部に向かって次第に大きくなり、後面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形を画いて延びる第1後凹斜面部~第n後凹斜面部の径方向の幅寸法が、第1後凹斜面部~第n後凹斜面部において同一又は第1後凹斜面部~第n後凹斜面部においてランダムであり、又は、第1後凹斜面部から第n後凹斜面部に向かって次第に小さくなり、或いは、第1後凹斜面部から第n後凹斜面部に向かって次第に大きくなっている。
【0016】
本発明の他の一例としては、第1連結パネルが、建造物を構成する第1構造部材から延びる第1取り付け部材の自由端部に所定の連結手段によって連結され、第2連結パネルが、建造物を構成して第1構造部材と上下方向又は幅方向へ離間正対する第2構造部材から延びる第2取り付け部材の自由端部に所定の連結手段によって連結され、ダンパーパネルが、上下方向又は幅方向へ離間する第1取り付け部材の自由端部と第2取り付け部材の自由端部との間のスペースに位置している。
【0017】
本発明の他の一例としては、第1連結パネルが、建造物を構成する第1構造部材と第1構造部材に対して上下方向へ離間対向する第2構造部材との間に延びる第1取り付け部材の対向側部に所定の連結手段によって連結され、第2連結パネルが、第1構造部材と第2構造部材との間に延びていて第1取り付け部材に対して幅方向へ離間対向する第2取り付け部材の対向側部に所定の連結手段によって連結され、ダンパーパネルが、幅方向へ離間する第1取り付け部材の対向側部と第2取り付け部材の対向側部との間のスペースに位置している。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る鋼材ダンパーによれば、ダンパーパネルの前面における中央域に作られて前面からダンパーパネルの後面に向かって凹む前凹面エリアと、ダンパーパネルの後面における中央域に作られて後面からダンパーパネルの前面に向かって凹む後凹面エリアとを有し、前凹面エリアがその外周縁から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなるとともに前面の中央域において弧を画く第1前凹面部~第n前凹面部を有し、後凹面エリアがその外周縁から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなるとともに後面の中央域において弧を画く第1後凹面部~第n後凹面部を有するから、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパーに伝わると、ダンパーパネルの第1前凹面部~第n前凹面部と第1後凹面部~第n後凹面部とが確実に塑性変形し、鋼材ダンパーのダンパーパネルに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、第1前凹面部~第n前凹面部及び第1後凹面部~第n後凹面部の塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、振動(地震)による建造物の変形や損傷を最小限にすることができるのみならず、ダンパーパネルに第1前凹面部~第n前凹面部及び第1後凹面部~第n後凹面部が形成されることで、地震等による振動発生後のそれら前凹面部やそれら後凹面部に生じたゆがみやひずみ、湾曲、破断、損壊等の塑性変形を容易に見つけることができ、それら前凹面部やそれら後凹面部の変形度合いを容易に確認することができる。鋼材ダンパーは、地震等による振動発生後に塑性変形した第1前凹面部~第n前凹面部や第1後凹面部~第n後凹面部の変形度合いを容易に確認することができるから、制震機能を発揮し得る状態か否かを的確に判断することができるとともに、パネルダンパーの寿命までのエネルギー吸収能力を予測することができ、建造物の継続使用性や繰り返しの地震に対するパネルダンパーの耐久性の判断が可能であり、むやみに交換されることはなく、無駄な廃棄を防ぐことができ、制震機能を失った鋼材ダンパーの交換時期の逸脱を防ぐことができる。
【0019】
鋼材ダンパーは、ダンパーパネルの第1及び第2連結パネルの間に延びる両側縁がダンパーパネルの中心に向かって弧を画くように括れている場合、地震等による振動発生時に作用する外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)がダンパーパネルの両側縁の所定の箇所に集中して作用することはなく、外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)がダンパーパネルの括れた両側縁に均等に伝わるとともにダンパーパネルの両側縁から第1前凹面部~第n前凹面部及び第1後凹面部~第n後凹面部に均等に伝わり、第1前凹面部~第n前凹面部と第1後凹面部~第n後凹面部とが確実に塑性変形し、鋼材ダンパーに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、第1前凹面部~第n前凹面部及び第1後凹面部~第n後凹面部の塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、振動(地震)による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。
【0020】
第1前凹面部~第n前凹面部がダンパーパネルの前面から後面に向かって凹むとともに中心に向かって所定の曲率半径で弧を画きつつ前面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1前凹曲面部~第n前凹曲面部であり、第1後凹面部~第n後凹面部がダンパーパネルの後面から前面に向かって凹むとともに中心に向かって所定の曲率半径で弧を画きつつ後面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1後凹曲面部~第n後凹曲面部であり、第1前凹曲面部~第n前凹曲面部と第1後凹曲面部~第n後凹曲面部とが互いに同形同大であってダンパーパネルの前後方向へ対称形に並び、第1前凹曲面部と第1後凹曲面部との間のダンパーパネルの厚み寸法が1番大きく、第n前凹曲面部と第n後凹曲面部との間のダンパーパネルの厚み寸法が1番小さい鋼材ダンパーは、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパーに伝わると、ダンパーパネルの互いに同形同大であって前後方向へ対称に並ぶとともに円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1前凹曲面部~第n前凹曲面部と第1後凹曲面部~第n後凹曲面部とが外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)によって均等かつ確実に塑性変形し、鋼材ダンパーのダンパーパネルに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、第1前凹曲面部~第n前凹曲面部及び第1後凹曲面部~第n後凹曲面部の塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、振動(地震)による建造物の変形や損傷を最小限にすることができるのみならず、ダンパーパネルに第1前凹曲面部~第n前凹曲面部及び第1後凹曲面部~第n後凹曲面部が形成されることで、地震等による振動発生後のそれら前凹曲面部やそれら後凹曲面部に生じたゆがみやひずみ、湾曲、破断、損壊等の塑性変形を容易に見つけることができ、それら前凹曲面部やそれら後凹曲面部の変形度合いを容易に確認することができる。鋼材ダンパーは、地震等による振動発生後に塑性変形した第1前凹曲面部~第n前凹曲面部や第1後凹曲面部~第n後凹曲面部の変形度合いを容易に確認することができるから、制震機能を発揮し得る状態か否かを的確に判断することができるとともに、パネルダンパーの寿命までのエネルギー吸収能力を予測することができ、建造物の継続使用性や繰り返しの地震に対するパネルダンパーの耐久性の判断が可能であり、むやみに交換されることはなく、無駄な廃棄を防ぐことができ、制震機能を失った鋼材ダンパーの交換時期の逸脱を防ぐことができる。
【0021】
ダンパーパネルの前面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形を画いて延びる第1前凹曲面部~第n前凹曲面部の径方向の幅寸法が、第1前凹曲面部~第n前凹曲面部において同一又は第1前凹曲面部~第n前凹曲面部においてランダムであり、又は、第1前凹曲面部から第n前凹曲面部に向かって次第に小さくなり、或いは、第1前凹曲面部から第n前凹曲面部に向かって次第に大きくなり、ダンパーパネルの後面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形を画いて延びる第1後凹曲面部~第n後凹曲面部の径方向の幅寸法が、第1後凹曲面部~第n後凹曲面部において同一又は第1後凹曲面部~第n後凹曲面部においてランダムであり、又は、第1後凹曲面部から第n後凹曲面部に向かって次第に小さくなり、或いは、第1後凹曲面部から第n後凹曲面部に向かって次第に大きくなっている鋼材ダンパーは、径方向の幅寸法が第1前凹曲面部~第n前凹曲面部において同一及び第1後凹曲面部~第n後凹曲面部において同一である場合、幅寸法による塑性変形の容易性に差異が生じることはなく、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパーに伝わると、ダンパーパネルの円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1前凹曲面部~第n前凹曲面部や第1後凹曲面部~第n後凹曲面部が外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)によって確実に塑性変形し、鋼材ダンパーのダンパーパネルに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、第1前凹曲面部~第n前凹曲面部及び第1後凹曲面部~第n後凹曲面部の塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、地震による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。鋼材ダンパーは、径方向の幅寸法が第1前凹曲面部~第n前凹曲面部においてランダム(幅寸法を任意に設定)及び第1後凹曲面部~第n後凹曲面部においてランダム(幅寸法を任意に設定)である場合、幅寸法を任意に設定することで、弾性変形容易な凹曲面部を第1前凹曲面部~第n前凹曲面部や第1後凹曲面部~第n後凹曲面部のいずれかの凹曲面部に設定することができ、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパーに伝わると、ダンパーパネルの円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1前凹曲面部~第n前凹曲面部や第1後凹曲面部~第n後凹曲面部が外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)によって設定どおりに塑性変形し、鋼材ダンパーのダンパーパネルに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、第1前凹曲面部~第n前凹曲面部及び第1後凹曲面部~第n後凹曲面部の塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、地震による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。鋼材ダンパーは、径方向の幅寸法が第1前凹曲面部や第1後凹曲面部から第n前凹曲面部や第n後凹曲面部に向かって次第に小さくなる場合、最も塑性変形し易いダンパーパネルの中央に前凹曲面部や後凹曲面部が多く形成され、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパーに伝わると、ダンパーパネルの円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1前凹曲面部~第n前凹曲面部や第1後凹曲面部~第n後凹曲面部が外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)によって均等かつ確実に塑性変形し、鋼材ダンパーのダンパーパネルに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、第1前凹曲面部~第n前凹曲面部及び第1後凹曲面部~第n後凹曲面部の塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、地震による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。鋼材ダンパーは、径方向の幅寸法が第1前凹曲面部や第1後凹曲面部から第n前凹曲面部や第n後凹曲面部に向かって次第に大きくなる場合、ダンパーパネルの中央に向かって前凹曲面部や後凹曲面部の塑性変形耐久性を上げることができ、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパーに伝わったときに、ダンパーパネルの円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1前凹曲面部~第n前凹曲面部や第1後凹曲面部~第n後凹曲面部が外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)によっていずれかの凹曲面部から確実に塑性変形し、鋼材ダンパーのダンパーパネルに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、第1前凹曲面部~第n前凹曲面部及び第1後凹曲面部~第n後凹曲面部の塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、地震による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。鋼材ダンパーは、地震等による振動発生後に塑性変形した第1前凹曲面部~第n前凹曲面部や第1後凹曲面部~第n後凹曲面部の変形度合いを容易に確認することができるから、制震機能を発揮し得る状態か否かを的確に判断することができるとともに、パネルダンパーの寿命までのエネルギー吸収能力を予測することができ、建造物の継続使用性や繰り返しの地震に対するパネルダンパーの耐久性の判断が可能であり、むやみに交換されることはなく、無駄な廃棄を防ぐことができ、制震機能を失った鋼材ダンパーの交換時期の逸脱を防ぐことができる。
【0022】
第1前凹面部~第n前凹面部がダンパーパネルの前面から後面に向かって凹むとともに第1前凹面部~第n前凹面部を除くダンパーパネルの前面と並行しつつ前面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部であり、第1後凹面部~第n後凹面部がダンパーパネルの後面から前面に向かって凹むとともに第1後凹面部~第n後凹面部を除くダンパーパネルの後面と並行しつつ後面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部であり、第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部と第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部とが互いに同形同大であってダンパーパネルの前後方向へ対称形に並び、第1前凹平坦面部と第1後凹平坦面部との間のダンパーパネルの厚み寸法が1番大きく、第n前凹平坦面部と第n後凹平坦面部との間のダンパーパネルの厚み寸法が1番小さい鋼材ダンパーは、地震等による振動発生時に外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパーに伝わると、ダンパーパネルの互いに同形同大であって前後方向へ対称に並ぶとともに円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部と第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部とが外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)によって均等かつ確実に塑性変形し、鋼材ダンパーのダンパーパネルに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部及び第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部の塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、振動(地震)による建造物の変形や損傷を最小限にすることができるのみならず、ダンパーパネルに第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部及び第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部が形成されることで、地震等による振動発生後のそれら前凹平坦面部やそれら後凹平坦面部に生じたゆがみやひずみ、湾曲、破断、損壊等の塑性変形を容易に見つけることができ、それら前凹平坦面部やそれら後凹平坦面部の変形度合いを容易に確認することができる。鋼材ダンパーは、地震等による振動発生後に塑性変形した第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部や第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部の変形度合いを容易に確認することができるから、制震機能を発揮し得る状態か否かを的確に判断することができるとともに、パネルダンパーの寿命までのエネルギー吸収能力を予測することができ、建造物の継続使用性や繰り返しの地震に対するパネルダンパーの耐久性の判断が可能であり、むやみに交換されることはなく、無駄な廃棄を防ぐことができ、制震機能を失った鋼材ダンパーの交換時期の逸脱を防ぐことができる。
【0023】
ダンパーパネルの前面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形を画いて延びる第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部の径方向の幅寸法が第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部において同一又は第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部においてランダムであり、又は、第1前凹平坦面部から第n前凹平坦面部に向かって次第に小さくなり、或いは、第1前凹平坦面部から第n前凹平坦面部に向かって次第に大きくなり、ダンパーパネルの後面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形を画いて延びる第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部の径方向の幅寸法が第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部において同一又は第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部においてランダムであり、又は、第1後凹平坦面部から第n後凹平坦面部に向かって次第に小さくなり、或いは、第1後凹平坦面部から第n後凹平坦面部に向かって次第に大きくなっている鋼材ダンパーは、径方向の幅寸法が第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部において同一及び第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部において同一である場合、幅寸法による塑性変形の容易性に差異が生じることはなく、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパーに伝わると、ダンパーパネルの円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部や第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部が外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)によって確実に塑性変形し、鋼材ダンパーのダンパーパネルに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部及び第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部の塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、地震による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。鋼材ダンパーは、径方向の幅寸法が第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部においてランダム(幅寸法を任意に設定)及び第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部においてランダム(幅寸法を任意に設定)である場合、幅寸法を任意に設定することで、弾性変形容易な凹平坦面部を第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部や第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部のいずれかの凹平坦面部に設定することができ、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパーに伝わると、ダンパーパネルの円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部や第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部が外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)によって設定どおりに塑性変形し、鋼材ダンパーのダンパーパネルに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部及び第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部の塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、地震による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。鋼材ダンパーは、径方向の幅寸法が第1前凹平坦面部や第1後凹平坦面部から第n前凹平坦面部や第n後凹平坦面部に向かって次第に小さくなる場合、最も塑性変形し易いダンパーパネルの中央に前凹平坦面部や後凹平坦面部が多く形成され、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパーに伝わると、ダンパーパネルの円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部や第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部が外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)によって均等かつ確実に塑性変形し、鋼材ダンパーのダンパーパネルに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部及び第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部の塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、地震による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。鋼材ダンパーは、径方向の幅寸法が第1前凹平坦面部や第1後凹平坦面部から第n前凹平坦面部や第n後凹平坦面部に向かって次第に大きくなる場合、ダンパーパネルの中央に向かって前凹平坦面部や後凹平坦面部の塑性変形耐久性を上げることができ、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパーに伝わったときに、ダンパーパネルの円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部や第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部が外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)によっていずれかの凹平坦面部から確実に塑性変形し、鋼材ダンパーのダンパーパネルに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部及び第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部の塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、地震による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。鋼材ダンパーは、地震等による振動発生後に塑性変形した第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部や第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部の変形度合いを容易に確認することができるから、制震機能を発揮し得る状態か否かを的確に判断することができるとともに、パネルダンパーの寿命までのエネルギー吸収能力を予測することができ、建造物の継続使用性や繰り返しの地震に対するパネルダンパーの耐久性の判断が可能であり、むやみに交換されることはなく、無駄な廃棄を防ぐことができ、制震機能を失った鋼材ダンパーの交換時期の逸脱を防ぐことができる。
【0024】
第1前凹面部~第n前凹面部がダンパーパネルの前面から後面に向かって凹むとともに外周縁から中心に向かって下り勾配に傾斜しつつ前面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1前凹斜面部~第n前凹斜面部であり、第1後凹面部~第n後凹面部がダンパーパネルの後面から前面に向かって凹むとともに外周縁から中心に向かって下り勾配に傾斜しつつ後面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1後凹斜面部~第n後凹斜面部であり、第1前凹斜面部~第n前凹斜面部と第1後凹斜面部~第n後凹斜面部とが互いに同形同大であってダンパーパネルの前後方向へ対称形に並び、第1前凹斜面部と第1後凹斜面部との間のダンパーパネルの厚み寸法が1番大きく、第n前凹斜面部と第n後凹平斜部との間のダンパーパネルの厚み寸法が1番小さい鋼材ダンパーは、地震等による振動発生時に外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパーに伝わると、ダンパーパネルの互いに同形同大であって前後方向へ対称に並ぶとともに円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1前凹斜面部~第n前凹斜面部と第1後凹斜面部~第n後凹斜面部とが外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)によって均等かつ確実に塑性変形し、鋼材ダンパーのダンパーパネルに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、第1前凹斜面部~第n前凹斜面部及び第1後凹斜面部~第n後凹斜面部の塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、振動(地震)による建造物の変形や損傷を最小限にすることができるのみならず、ダンパーパネルに第1前凹斜面部~第n前凹斜面部及び第1後凹斜面部~第n後凹斜面部が形成されることで、地震等による振動発生後のそれら前凹斜面部やそれら後凹斜面部に生じたゆがみやひずみ、湾曲、破断、損壊等の塑性変形を容易に見つけることができ、それら前凹斜面部やそれら後凹斜面部の変形度合いを容易に確認することができる。鋼材ダンパーは、地震等による振動発生後に塑性変形した第1前凹斜面部~第n前凹斜面部や第1後凹斜面部~第n後凹斜面部の変形度合いを容易に確認することができるから、制震機能を発揮し得る状態か否かを的確に判断することができるとともに、パネルダンパーの寿命までのエネルギー吸収能力を予測することができ、建造物の継続使用性や繰り返しの地震に対するパネルダンパーの耐久性の判断が可能であり、むやみに交換されることはなく、無駄な廃棄を防ぐことができ、制震機能を失った鋼材ダンパーの交換時期の逸脱を防ぐことができる。
【0025】
ダンパーパネルの前面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形を画いて延びる第1前凹斜面部~第n前凹斜面部の径方向の幅寸法が第1前凹斜面部~第n前凹斜面部において同一又は第1前凹斜面部~第n前凹斜面部においてランダムであり、又は、第1前凹斜面部から第n前凹斜面部に向かって次第に小さくなり、或いは、第1前凹斜面部から第n前凹斜面部に向かって次第に大きくなり、ダンパーパネルの後面の中央域において円形又は楕円形或いは小判形を画いて延びる第1後凹斜面部~第n後凹斜面部の径方向の幅寸法が第1後凹斜面部~第n後凹斜面部において同一又は第1後凹斜面部~第n後凹斜面部においてランダムであり、又は、第1後凹斜面部から第n後凹斜面部に向かって次第に小さくなり、或いは、第1後凹斜面部から第n後凹斜面部に向かって次第に大きくなっている鋼材ダンパーは、径方向の幅寸法が第1前凹斜面部~第n前凹斜面部において同一及び第1後凹斜面部~第n後凹斜面部において同一である場合、幅寸法による塑性変形の容易性に差異が生じることはなく、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパーに伝わると、ダンパーパネルの円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1前凹斜面部~第n前凹斜面部や第1後凹斜面部~第n後凹斜面部が外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)によって確実に塑性変形し、鋼材ダンパーのダンパーパネルに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、第1前凹斜面部~第n前凹斜面部及び第1後凹斜面部~第n後凹斜面部の塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、地震による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。鋼材ダンパーは、径方向の幅寸法が第1前凹斜面部~第n前凹斜面部においてランダム(幅寸法を任意に設定)及び第1後凹斜面部~第n後凹斜面部においてランダム(幅寸法を任意に設定)である場合、幅寸法を任意に設定することで、弾性変形容易な凹斜面部を第1前凹斜面部~第n前凹斜面部や第1後凹斜面部~第n後凹斜面部のいずれかの凹斜面部に設定することができ、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパーに伝わると、ダンパーパネルの円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1前凹斜面部~第n前凹斜面部や第1後凹斜面部~第n後凹斜面部が外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)によって設定どおりに塑性変形し、鋼材ダンパーのダンパーパネルに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、第1前凹斜面部~第n前凹斜面部及び第1後凹斜面部~第n後凹斜面部の塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、地震による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。鋼材ダンパーは、径方向の幅寸法が第1前凹斜面部や第1後凹斜面部から第n前凹斜面部や第n後凹斜面部に向かって次第に小さくなる場合、最も塑性変形し易いダンパーパネルの中央に前凹斜面部や後凹斜面部が多く形成され、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパーに伝わると、ダンパーパネルの円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1前凹斜面部~第n前凹斜面部や第1後凹斜面部~第n後凹斜面部が外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)によって均等かつ確実に塑性変形し、鋼材ダンパーのダンパーパネルに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、第1前凹斜面部~第n前凹斜面部及び第1後凹斜面部~第n後凹斜面部の塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、地震による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。鋼材ダンパーは、径方向の幅寸法が第1前凹斜面部や第1後凹斜面部から第n前凹斜面部や第n後凹斜面部に向かって次第に大きくなる場合、ダンパーパネルの中央に向かって前凹斜面部や後凹斜面部の塑性変形耐久性を上げることができ、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパーに伝わったときに、ダンパーパネルの円形又は楕円形或いは小判形に成形された第1前凹斜面部~第n前凹斜面部や第1後凹斜面部~第n後凹斜面部が外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)によっていずれかの凹斜面部から確実に塑性変形し、鋼材ダンパーのダンパーパネルに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、第1前凹斜面部~第n前凹斜面部及び第1後凹斜面部~第n後凹斜面部の塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、地震による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。鋼材ダンパーは、地震等による振動発生後に塑性変形した第1前凹斜面部~第n前凹斜面部や第1後凹斜面部~第n後凹斜面部の変形度合いを容易に確認することができるから、制震機能を発揮し得る状態か否かを的確に判断することができるとともに、パネルダンパーの寿命までのエネルギー吸収能力を予測することができ、建造物の継続使用性や繰り返しの地震に対するパネルダンパーの耐久性の判断が可能であり、むやみに交換されることはなく、無駄な廃棄を防ぐことができ、制震機能を失った鋼材ダンパーの交換時期の逸脱を防ぐことができる。
【0026】
第1連結パネルが建造物を構成する第1構造部材から延びる第1取り付け部材の自由端部に所定の連結手段によって連結され、第2連結パネルが建造物を構成して第1構造部材と上下方向又は幅方向へ離間正対する第2構造部材から延びる第2取り付け部材の自由端部に所定の連結手段によって連結され、ダンパーパネルが上下方向又は幅方向へ離間する第1取り付け部材の自由端部と第2取り付け部材の自由端部との間のスペースに位置している鋼材ダンパーは、地震等による振動発生時に建造物に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして建造物から第1及び第2取り付け部材の自由端部に伝達され、外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)が第1及び第2取り付け部材から鋼材ダンパーに伝達されるから、外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)を建造物から鋼材ダンパーに確実に伝達することができ、鋼材ダンパーの第1前凹面部~第n前凹面部(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部、又は、第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部、或いは、第1前凹斜面部~第n前凹斜面部)及び第1後凹面部~第n後凹面部(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部、又は、第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部、或いは、第1後凹斜面部~第n後凹斜面部)を有するダンパーパネルが外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)によって塑性変形し、鋼材ダンパーのダンパーパネルに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができる。鋼材ダンパーは、振動(地震)による軸力(振動エネルギー)が建造物から鋼材ダンパーのダンパーパネルへ円滑に伝達され、ダンパーパネルの塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができるから、振動(地震)による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。
【0027】
第1連結パネルが建造物を構成する第1構造部材と第1構造部材に対して上下方向へ離間対向する第2構造部材との間に延びる第1取り付け部材の対向側部に所定の連結手段によって連結され、第2連結パネルが第1構造部材と第2構造部材との間に延びていて第1取り付け部材に対して幅方向へ離間対向する第2取り付け部材の対向側部に所定の連結手段によって連結され、ダンパーパネルが幅方向へ離間する第1取り付け部材の対向側部と第2取り付け部材の対向側部との間のスペースに位置している鋼材ダンパーは、地震等による振動発生時に建造物に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして建造物から第1及び第2取り付け部材の対向側部に伝達され、外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)が第1及び第2取り付け部材から鋼材ダンパーに伝達されるから、外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)を建造物から鋼材ダンパーに確実に伝達することができ、鋼材ダンパーの第1前凹面部~第n前凹面部(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部、又は、第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部、或いは、第1前凹斜面部~第n前凹斜面部)及び第1後凹面部~第n後凹面部(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部、又は、第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部、或いは、第1後凹斜面部~第n後凹斜面部)を有するダンパーパネルが外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)によって塑性変形し、鋼材ダンパーのダンパーパネルに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができる。鋼材ダンパーは、振動(地震)による軸力(振動エネルギー)が建造物から鋼材ダンパーのダンパーパネルへ円滑に伝達され、ダンパーパネルの塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができるから、振動(地震)による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図3】他の一例として示す
図2と同様の矢視断面図。
【
図10】他の一例として示す鋼材ダンパーの正面図。
【
図11】他の一例として示す鋼材ダンパーの正面図。
【
図12】他の一例として示す鋼材ダンパーの正面図。
【
図14】他の一例として示す鋼材ダンパーの正面図。
【
図16】他の一例として示す鋼材ダンパーの正面図。
【
図19】他の一例として示す鋼材ダンパーの正面図。
【
図22】他の一例として示す鋼材ダンパーの正面図。
【
図24】他の一例として示す鋼材ダンパーの正面図。
【
図26】鋼材ダンパーを利用した一例として示す制震構造物の正面図。
【
図28】一例として示す第1及び第2鋼製ブラケットの正面図。
【
図30】第1及び第2鋼材に連結された状態で示す鋼材ダンパーの正面図。
【
図31】第1及び第2鋼材に連結された状態で示す鋼材ダンパーの側面図。
【
図32】鋼材ダンパーを利用した他の一例として示す制震構造物の正面図。
【
図33】鋼材ダンパーを利用した他の一例として示す制震構造物の正面図。
【
図34】鋼材ダンパーを利用した他の一例として示す制震構造物の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
一例として示す鋼材ダンパー10Aの正面図である
図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る鋼材ダンパーの詳細を説明すると、以下のとおりである。尚、
図2は、
図1のA-A線矢視断面図であり、
図3は、他の一例として示す
図2と同様の矢視断面図である。
図1~
図3では、上下方向を矢印X、幅方向(横方向)を矢印Yで示し、前後方向を矢印Zで示す。
【0030】
鋼材ダンパー10A(鋼材ダンパー10B~10Jを含む)は、普通鋼材よりも降伏強度が低く、塑性変形機能が高い低降伏点鋼材から作られている(低降伏点鋼材製鋼材ダンパー10A~10J)。尚、鋼材ダンパー10A(鋼材ダンパー10B~10Jを含む)が100~230N/mm2の降伏点を有する極軟鉄や普通鋼材から作られていてもよい(極軟鉄製鋼材ダンパー10A~10J、普通鋼材製鋼材ダンパー10A~10J)。
【0031】
鋼材ダンパー10Aは、第1連結パネル11及び第2連結パネル12と、第1及び第2連結パネル11,12の間に延びるダンパーパネル13aとから形成されている。第1連結パネル11は、幅方向へ長い所定厚みの四角形に成形され、所定の連結手段によって建造物を構成する第1構造部材(上部構造部材又は第1側部構造部材)に着脱可能に連結される。第2連結パネル12は、第1連結パネル11と同形同大であり、幅方向へ長い所定厚みの四角形に成形され、所定の連結手段によって建造物を構成する第2構造部材(下部構造部材又は第2側部構造部材)に着脱可能に連結される。第1及び第2連結パネル11,12は前面14と後面15とを有し、それらパネル11,12の前面14どうしが面一であり、それらパネル11,12の後面15どうしが面一である。
【0032】
ダンパーパネル13aは、その幅方向の最小長さ寸法L2が第1及び第2連結パネル11,12のそれよりも短く、その両側縁16がダンパーパネル13aの中心(幅方向内方)に向かって弧を画き、両側縁16が幅方向内方へ向かって括れている。ダンパーパネル13aの両側縁16が括れていることで、ダンパーパネル13aの両側縁16が第1及び第2連結パネル11,12の両側縁と一列(面一)につながって両側縁16が括れていない場合と比較し、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとしてダンパーパネル13aの両側縁16の所定の箇所に集中して作用することはなく、外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)がダンパーパネル13aの括れた両側縁16に均等に伝わる。尚、ダンパーパネル13a(ダンパーパネル13b~13lを含む)の幅方向の長さ寸法L2が第1及び第2連結パネル11,12のそれと同一であってもよい。
【0033】
ダンパーパネル13aと第1及び第2連結パネル11,12とは一体に成形されている。ダンパーパネル13aは、前面17と後面18とを有する。ダンパーパネル13aの前面17における中央域19には、前面17から後面18に向かって凹む所定面積の前凹面エリア20が作られている。ダンパーパネル13aの後面18における中央域19には、後面18から前面17に向かって凹む所定面積の後凹面エリア21が作られている。
【0034】
前凹面エリア20には、その外周縁22から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなる円形(真円)の第1前凹面部~第4前凹面部23a~23d(第1前凹面部~第n前凹面部)が成形(形成)されている。第1前凹面部~第4前凹面部23a~23dは、前面17から後面18に向かって凹むとともに前凹面エリア20の中心に向かって(前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって)所定の曲率半径で円弧を画く第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23d(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)である。第1前凹曲面部~第3前凹曲面部23a~23cは、前面17の中央域19(前凹面エリア20)において同心円を画きつつ円輪状(円状)に延びており、第4前凹曲面部23dは、前面17の中央域19(前凹面エリア20)において同心円を画きつつ円状に延びている。
【0035】
尚、
図2に示す鋼材ダンパー10Aの断面では、第1前凹曲面部~第3前凹曲面部23a~23cが円環の下半分を外周縁22から中心に向かって並べた形状に成形されている。
図3に示す鋼材ダンパー10Aの断面では、第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23dが直径の異なる球の円周を外周縁24から中心に向かって並べた形状に成形されている。
【0036】
第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23dは、その径方向の幅寸法が同一である。第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23dでは、第1前凹曲面部23aのダンパーパネル13aの前面17からの凹み寸法が1番小さく、第2前凹曲面部23bのダンパーパネル13bの前面17からの凹み寸法が第1前凹曲面部23aのそれよりも大きく、第3前凹曲面部23cのダンパーパネル13aの前面17からの凹み寸法が第2前凹曲面部23bのそれよりも大きいとともに、第4前凹曲面部23dのダンパーパネル13aの前面17からの凹み寸法が第3前凹曲面部23cのそれよりも大きい。
【0037】
前凹面エリア20では、その外周縁22から中心(幅方向内方)に向かって第1前凹曲面部23a→第2前凹曲面部23b→第3前凹曲面部23c→第4前凹曲面部23dの順で並んでいる。したがって、前凹面エリア20の中心に向かって(前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって)所定の曲率半径で円弧を画く円輪状(円形)の第1前凹曲面部23aの径方向内方に前凹面エリア20の中心に向かって(前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって)所定の曲率半径で円弧を画く円輪状(円状)の第2前凹曲面部23bが隣接して並び、第2前凹曲面部23bの径方向内方に前凹面エリア20の中心に向かって(前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって)所定の曲率半径で円弧を画く円輪状(円状)の第3前凹曲面部23cが隣接して並ぶとともに、第3前凹曲面部23cの径方向内方に前凹面エリア20の中心に向かって(前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって)所定の曲率半径で円弧を画く円状の第4前凹曲面部23dが隣接して並んでいる。尚、前凹面エリア20には4つの前凹曲面部23a~23dが作られているが、前凹曲面部の数に特に制限はなく、5つ以上の前凹曲面部が前凹面エリア20に作られていてもよい。
【0038】
後凹面エリア21には、その外周縁24から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなる円形(真円)の第1後凹面部~第4後凹面部25a~25d(第1後凹面部~第n後凹面部)が成形(形成)されている。第1後凹面部~第4後凹面部25a~25dは、後面18から前面17に向かって凹むとともに後凹面エリア21の中心に向かって(後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって)所定の曲率半径で円弧を画く第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25d(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)である。第1後凹曲面部~第3後凹曲面部25a~25cは、後面18の中央域19(後凹面エリア21)において同心円を画きつつ円輪状(円状)に延びている。第4後凹曲面部25dは、後面18の中央域19(後凹面エリア21)において同心円を画きつつ円状に延びている。
【0039】
尚、
図2に示す鋼材ダンパー10Aの断面では、第1後凹曲面部~第3後凹曲面部25a~25cが円環の下半分を外周縁22から中心に向かって並べた形状に成形されている。
図3に示す鋼材ダンパー10Aの断面では、第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25dが直径の異なる球の円周を外周縁24から中心に向かって並べた形状に成形されている。
【0040】
第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25dは、それらの径方向の幅寸法が同一である。第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25dでは、第1後凹曲面部25aのダンパーパネル13aの後面18からの凹み寸法が1番小さく、第2後凹曲面部25bのダンパーパネル13aの後面18からの凹み寸法が第1後凹曲面部25aのそれよりも大きく、第3後凹曲面部25cのダンパーパネル13aの後面18からの凹み寸法が第2後凹曲面部25bのそれよりも大きいとともに、第4後凹曲面部25dのダンパーパネル13aの後面18からの凹み寸法が第3後凹曲面部25cのそれよりも大きい。
【0041】
後凹面エリア21では、その外周縁24から中心(幅方向内方)に向かって第1後凹曲面部25a→第2後凹曲面部25b→第3後凹曲面部25c→第4後凹曲面部25dの順で並んでいる。したがって、後凹面エリア21の中心に向かって(後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって)所定の曲率半径で円弧を画く円輪状(円状)の第1後凹曲面部25aの径方向内方に後凹面エリア21の中心に向かって(後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって)所定の曲率半径で円弧を画く円輪状(円状)の第2後凹曲面部25bが隣接して並び、第2後凹曲面部25bの径方向内方に後凹面エリア21の中心に向かって(後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって)所定の曲率半径で円弧を画く円輪状(円状)の第3後凹曲面部25cが隣接して並ぶとともに、第3後凹曲面部25cの径方向内方に後凹面エリア21の中心に向かって(後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって)所定の曲率半径で円弧を画く円状の第4後凹曲面部25dが隣接して並んでいる。尚、後凹面エリア21には4つの後凹曲面部25a~25dが作られているが、後凹曲面部の数に特に制限はなく、5つ以上の後凹曲面部が後凹面エリア21に作られていてもよい。
【0042】
前凹面エリア20と後凹面エリア21とは、互いに同形同大であってダンパーパネル13aの前後方向へ対称形に並んでいる。したがって、第1前凹曲面部23aと第1後凹曲面部25aとが同形同大であってダンパーパネル13aの前後方向へ対称形に並び、第2前凹曲面部23bと第2後凹曲面部25bとが同形同大であってダンパーパネル13aの前後方向へ対称形に並んでいる。第3前凹曲面部23cと第3後凹曲面部25cとが同形同大であってダンパーパネル13aの前後方向へ対称形に並び、第4前凹曲面部23dと第4後凹曲面部25dとが同形同大であってダンパーパネル13aの前後方向へ対称形に並んでいる。
【0043】
ダンパーパネル13aでは、第1前凹曲面部23a及び第1後凹曲面部25aにおけるダンパーパネル13aの厚み寸法が1番大きく、第2前凹曲面部23b及び第2後凹曲面部25bにおけるダンパーパネル13aの厚み寸法が第1前凹曲面部23a及び第1後凹曲面部25aにおけるダンパーパネル13aのそれよりも小さい。第3前凹曲面部23c及び第3後凹曲面部25cにおけるダンパーパネル13aの厚み寸法が第2前凹曲面部23b及び第2後凹曲面部25bにおけるダンパーパネル13aのそれよりも小さく、第4前凹曲面部23c及び第4後凹曲面部25cにおけるダンパーパネル13aの厚み寸法が第3前凹曲面部23c及び第3後凹曲面部25cにおけるダンパーパネル13aのそれよりも小さいとともに、第4前凹曲面部23d及び第4後凹曲面部25dにおけるダンパーパネル13aの厚み寸法が1番小さい。
【0044】
尚、鋼材ダンパー10A(鋼材ダンパー10B~10Jを含む)では、第1前凹曲面部23a及び第1後凹曲面部25aにおけるダンパーパネル13aの厚み寸法(第1前凹曲面部23aと第1後凹曲面部25aとの間の前後方向の厚み寸法)、第2前凹曲面部23b及び第2後凹曲面部25bにおけるダンパーパネル13aの厚み寸法(第2前凹曲面部23bと第2後凹曲面部25bとの間の前後方向の厚み寸法)、第3前凹曲面部23c及び第3後凹曲面部25cにおけるダンパーパネル13aの厚み寸法(第3前凹曲面部23cと第3後凹曲面部25cとの間の前後方向の厚み寸法)、第4前凹曲面部23d及び第4後凹曲面部25dにおけるダンパーパネル13aの厚み寸法(第4前凹曲面部23dと第4後凹曲面部25dとの間の前後方向の厚み寸法)を自由に設定することができ(たとえば、5mm~50mmの範囲)、その減衰力(振動(地震)抵抗力)をたとえば50kN~3000kNの範囲で任意に設定することができる。
【0045】
鋼材ダンパー10Aは、地震等による振動発生時に建造物の第1構造部材(上部構造部材又は第1側部構造部材)と第2構造部材(下部構造部材又は第2側部構造部材)との相対変位によってダンパーパネル13aの円形(真円)に成形された第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23d(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)や円形(真円)に成形された第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25d(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)が塑性変形することで制震機能を発揮する。例えば、振動時(地震時)の振動が小さい場合、厚み寸法が小さいダンパーパネル13aの第4前凹曲面部23d及び第4後凹曲面部25dが塑性変形し、振動時(地震時)の振動が中程度の場合、厚み寸法が小さいダンパーパネル13aの第4前凹曲面部23d及び第4後凹曲面部25dが塑性変形することに加え、厚み寸法が中程度のダンパーパネル13aの第3前凹曲面部23c及び第3後凹曲面部25cや第2前凹曲面部23b及び第2後凹曲面部25bが塑性変形する。振動時(地震時)の振動が大きい場合、厚み寸法が小さいダンパーパネル13aの第4前凹曲面部23d及び第4後凹曲面部25dが塑性変形するとともに、厚み寸法が中程度のダンパーパネル13aの第3前凹曲面部23c及び第3後凹曲面部25cや第2前凹曲面部23b及び第2後凹曲面部25bが塑性変形することに加え、厚み寸法が大きいダンパーパネル13aの第1前凹曲面部23a及び第1後凹曲面部25aが塑性変形する。
【0046】
鋼材ダンパー10Aでは、図示はしていないが、鋼材ダンパー10Aのダンパーパネル13aが塑性変形する前の第1前凹曲面部23a(第1後凹曲面部25a)~第4前凹曲面部23d(第4後凹曲面部25d)の境界線を表示した(象った)透明な塑性変形確認第1シートが事前に作られている。鋼材ダンパー10Aでは、振動(地震)の発生によってダンパーパネル13aの第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23dや第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25dが塑性変形した場合、塑性変形の度合いによっては鋼材ダンパー10Aの制震機能が失われる。振動(地震)発生後、塑性変形の度合いが大きく、制震機能が失われた鋼材ダンパー10Aは交換される。振動(地震)発生後にであっても、塑性変形の度合いが小さく、制震機能を発揮し得る状態であれば、鋼材ダンパー10Aが交換されることなく継続して使用される。
【0047】
振動(地震)発生後のダンパーパネル13aの第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23dや第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25dのゆがみやひずみ、湾曲、破断、損壊等の塑性変形は、目視によって確認し、塑性変形の度合いを判断する場合、又は、第1前凹曲面部23a(第1後凹曲面部25a)~第4前凹曲面部23d(第4後凹曲面部25d)の境界線を表示した透明な塑性変形確認第1シートをダンパーパネル13aの前凹面エリア20(後凹面エリア21)に被せ、塑性変形確認第1シートに表示された境界線とダンパーパネル13aの第1前凹曲面部23a(第1後凹曲面部25a)~第4前凹曲面部23d(第4後凹曲面部25d)の境界線とを比較し、塑性変形の度合いを判断する場合がある。尚、ダンパーパネル13a(ダンパーパネル13b~13lを含む)を撮影し、そのデジタル画像を画像解析することによって塑性変形の度合いを判断する場合がある。
【0048】
鋼材ダンパー10Aは、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパー10Aに伝わると、ダンパーパネル13aの円形(真円)に成形された第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23d(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)と円形(真円)に成形された第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25d(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)とが均等かつ確実に塑性変形し、鋼材ダンパー10Aのダンパーパネル13aに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、ダンパーパネル13aの第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23d及び第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25dの塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、振動(地震)による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。
【0049】
鋼材ダンパー10Aは、ダンパーパネル13aに円形(真円)の第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23d及び円形(真円)の第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25dが形成されることで、地震等による振動発生後のそれら前凹曲面部23a~23dやそれら後凹曲面部25a~25dに生じたゆがみやひずみ、湾曲、破断、損壊等の塑性変形を容易に見つけることができ、それら前凹曲面部23a~23dやそれら後凹曲面部25a~25dの変形度合いを容易に確認することができる。
【0050】
鋼材ダンパー10Aは、地震等による振動発生後に塑性変形したダンパーパネル13aの円形(真円)に成形された第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23d(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)や円形(真円)に成形された第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25d(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)の変形度合いを容易に確認することができるから、制震機能を発揮し得る状態か否かを的確に判断することができるとともに、鋼材ダンパー10Aの寿命までのエネルギー吸収能力を予測することができ、建造物の継続使用性や繰り返しの地震に対する鋼材ダンパー10Aの耐久性の判断が可能であり、むやみに交換されることはなく、無駄な廃棄を防ぐことができ、制震機能を失った鋼材ダンパー10Aの交換時期の逸脱を防ぐことができる。
【0051】
図4は、他の一例として示す鋼材ダンパー10Bの正面図であり、
図5は、
図4のB-B線矢視断面図である。
図4,5では、上下方向を矢印X、幅方向を矢印Yで示し、前後方向を矢印Zで示す。
図4に示す鋼材ダンパー10Bが
図1のそれと異なるところは、ダンパーパネル13bの上下方向の長さ寸法L1がダンパーパネル13bの幅方向の最小長さ寸法L2よりも大きい点、第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23d(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)が上下方向へ長い楕円形に成形され、第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25d(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)が上下方向へ長い楕円形に成形されている点にあり、その他の構成は
図1の鋼材ダンパー10Aのそれらと同一である。
【0052】
鋼材ダンパー10Bは、第1連結パネル11及び第2連結パネル12と、第1及び第2連結パネル11,12の間に延びるダンパーパネル13bとから形成されている。鋼材ダンパー10Bでは、ダンパーパネル13bの上下方向の長さ寸法L1がダンパーパネル13bの幅方向の最小長さ寸法L2よりも大きい。ダンパーパネル13bの前面17における中央域19には、前面17から後面18に向かって凹む所定面積の前凹面エリア20が作られている。ダンパーパネル13bの後面18における中央域19には、後面18から前面17に向かって凹む所定面積の後凹面エリア21が作られている。前凹面エリア20及び後凹面エリア21は、上下方向へ長い楕円形に成形(形成)され、上下方向へ延びる長軸Z1と幅方向へ延びる短軸Z2とを有する。
【0053】
前凹面エリア20には、その外周縁22から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなる第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23d(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)が形成されている。第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23dは、上下方向へ長い楕円形に成形されている。後凹面エリア21には、その外周縁24から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなる第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25d(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)が形成されている。第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25dは、上下方向へ長い楕円形に成形されている。
【0054】
尚、鋼材ダンパー10Bでは、図示はしていないが、第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23dが幅方向へ長い楕円形に成形され、第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25dが幅方向へ長い楕円形に成形されていてもよい。この場合、ダンパーパネル13bの幅方向の最小長さ寸法L2がダンパーパネル13bの上下方向の長さ寸法L1よりも大きくなり、前凹面エリア20及び後凹面エリア21が幅方向へ長い楕円形に成形(形成)されて幅方向へ延びる長軸Z1と上下方向へ延びる短軸Z2とを有する。又、
図3の断面図に示すように、第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23dが直径の異なる球の円周を外周縁22から中心に向かって並べた形状に成形され、第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25dが直径の異なる球の円周を外周縁24から中心に向かって並べた形状に成形されていてもよい。
【0055】
鋼材ダンパー10Bは、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパー10Bに伝わると、ダンパーパネル13bの上下方向に長い楕円形に成形された第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23d(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)と上下方向に長い楕円形に成形された第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25d(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)とが均等かつ確実に塑性変形し、鋼材ダンパー10Bのダンパーパネル13bに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、ダンパーパネル13bの第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23d及び第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25dの塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、振動(地震)による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。
【0056】
鋼材ダンパー10Bは、ダンパーパネル13bに楕円形の第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23d及び楕円形の第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25dが形成されることで、地震等による振動発生後のそれら前凹曲面部23a~23dやそれら後凹曲面部25a~25dに生じたゆがみやひずみ、湾曲、破断、損壊等の塑性変形を容易に見つけることができ、それら前凹曲面部23a~23dやそれら後凹曲面部25a~25dの変形度合いを容易に確認することができる。
【0057】
鋼材ダンパー10Bは、地震等による振動発生後に塑性変形したダンパーパネル13bの上下方向に長い楕円形に成形された第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23d(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)や上下方向に長い楕円形に成形された第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25d(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)の変形度合いを容易に確認することができるから、制震機能を発揮し得る状態か否かを的確に判断することができるとともに、鋼材ダンパー10Bの寿命までのエネルギー吸収能力を予測することができ、建造物の継続使用性や繰り返しの地震に対する鋼材ダンパー10Bの耐久性の判断が可能であり、むやみに交換されることはなく、無駄な廃棄を防ぐことができるとともに、制震機能を失った鋼材ダンパー10Bの交換時期の逸脱を防ぐことができる。
【0058】
図6は、他の一例として示す鋼材ダンパー10Cの正面図であり、
図7は、
図6のC-C線矢視断面図である。
図6,7では、上下方向を矢印X、幅方向を矢印Yで示し、前後方向を矢印Zで示す。
図6に示す鋼材ダンパー10Cが
図1のそれと異なるところは、ダンパーパネル13cの幅方向の最小長さ寸法L2がダンパーパネル13cの上下方向の長さ寸法L1よりも大きい点、第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23d(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)が幅方向へ長い小判形に成形され、第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25d(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)が幅方向へ長い小判形に成形されている点にあり、その他の構成は
図1の鋼材ダンパー10Aのそれらと同一である。
【0059】
鋼材ダンパー10Cは、第1連結パネル11及び第2連結パネル12と、第1及び第2連結パネル11,12の間に延びるダンパーパネル13cとから形成されている。鋼材ダンパー10Cでは、ダンパーパネル13cの幅方向の最小長さ寸法L2がダンパーパネル13cの上下方向の長さ寸法L1よりも大きい。ダンパーパネル13cの前面17における中央域19には、前面17から後面18に向かって凹む所定面積の前凹面エリア20が作られている。ダンパーパネル13cの後面18における中央域19には、後面18から前面17に向かって凹む所定面積の後凹面エリア21が作られている。前凹面エリア20及び後凹面エリア21は、幅方向へ長い小判形に成形(形成)され、幅方向へ直状に延びる両端縁59と上下方向へ円弧を画いて延びる両側縁60とを有するとともに、幅方向へ延びる長軸Z1と上下方向へ延びる短軸Z2と有する。
【0060】
前凹面エリア20には、その外周縁22から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなる第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23d(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)が形成されている。第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23dは、幅方向へ長い小判形に成形されている。後凹面エリア21には、その外周縁24から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなる第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25d(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)が形成されている。小判形の第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25dは、幅方向へ長い小判形に成形されている。
【0061】
尚、鋼材ダンパー10Cでは、図示はしていないが、第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23dが上下方向へ長い小判形に成形され、第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25dが上下方向へ長い小判形に成形されていてもよい。この場合、ダンパーパネル13bの上下方向の長さ寸法L1がダンパーパネル13bの幅方向の最小長さ寸法L2よりも大きくなり、前凹面エリア20及び後凹面エリア21が上下方向へ長い小判形に成形(形成)され、幅方向へ円弧を画いて延びる両端縁59と上下方向へ直状に延びる両側縁60とを有するとともに、上下方向へ延びる長軸Z1と幅方向へ延びる短軸Z2とを有する。又、
図3の断面図に示すように、第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23dが直径の異なる球の円周を外周縁22から中心に向かって並べた形状に成形され、第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25dが直径の異なる球の円周を外周縁24から中心に向かって並べた形状に成形されていてもよい。
【0062】
鋼材ダンパー10Cは、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパー10Cに伝わると、ダンパーパネル13cの幅方向に長い小判形に成形された第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23d(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)と幅方向に長い小判形に成形された第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25d(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)とが均等かつ確実に塑性変形し、鋼材ダンパー10Cのダンパーパネル13cに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、ダンパーパネル13cの第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23d及び第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25dの塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、振動(地震)による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。
【0063】
鋼材ダンパー10Cは、ダンパーパネル13cに小判形の第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23d及び小判形の第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25dが形成されることで、地震等による振動発生後のそれら前凹曲面部23a~23dやそれら後凹曲面部25a~25dに生じたゆがみやひずみ、湾曲、破断、損壊等の塑性変形を容易に見つけることができ、それら前凹曲面部23a~23dやそれら後凹曲面部25a~25dの変形度合いを容易に確認することができる。
【0064】
鋼材ダンパー10Cは、地震等による振動発生後に塑性変形したダンパーパネル13cの幅方向に長い小判形に成形された第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23d(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)や幅方向に長い楕円形に成形された第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25d(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)の変形度合いを容易に確認することができるから、制震機能を発揮し得る状態か否かを的確に判断することができるとともに、鋼材ダンパー10Cの寿命までのエネルギー吸収能力を予測することができ、建造物の継続使用性や繰り返しの地震に対する鋼材ダンパー10Cの耐久性の判断が可能であり、むやみに交換されることはなく、無駄な廃棄を防ぐことができるとともに、制震機能を失った鋼材ダンパー10Cの交換時期の逸脱を防ぐことができる。
【0065】
図8は、他の一例として示す鋼材ダンパー10Dの正面図であり、
図9は、
図8のD-D線矢視断面図である。
図8,9では、上下方向を矢印X、幅方向を矢印Yで示し、前後方向を矢印Zで示す。
図8に示す鋼材ダンパー10Dが
図1のそれと異なるところは前凹面エリア20に第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f(第1前凹面部~第6前凹面部)が形成され、後凹面エリア21に第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25f(第1後凹面部~第6後凹面部)が形成されている点、第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23fの径方向の幅寸法が第1前凹曲面部23aから第6前凹曲面部23fに向かって次第に小さくなり、第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fの径方向の幅寸法が第1後凹曲面部25aから第6後凹曲面部25fに向かって次第に小さくなっている点にあり、その他の構成は
図1の鋼材ダンパー10Aのそれらと同一である。
【0066】
鋼材ダンパー10Dは、第1連結パネル11及び第2連結パネル12と、第1及び第2連結パネル11,12の間に延びるダンパーパネル13dとから形成されている。第1連結パネル11や第2連結パネル12は、
図1の鋼材ダンパー10Aのそれらと同一である。ダンパーパネル13dは、その幅方向の最小長さ寸法L2が第1及び第2連結パネル11,12のそれよりも短く、その両側縁16がダンパーパネル13dの中心(幅方向内方)に向かって弧を画き、
図1のダンパーパネル13aと同様に、両側縁16が幅方向内方へ向かって括れている。
【0067】
ダンパーパネル13dでは、振動(地震)発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとしてダンパーパネル13dの括れた両側縁16に均等に伝わる。ダンパーパネル13dは、前面17と後面18とを有する。ダンパーパネル13dの前面17における中央域19には、前面17から後面18に向かって凹む所定面積の前凹面エリア20が作られている。ダンパーパネル13dの後面18における中央域19には、後面18から前面17に向かって凹む所定面積の後凹面エリア21が作られている。
【0068】
前凹面エリア20には、その外周縁22から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなる円形(真円)の第1前凹面部~第6前凹面部23a~23f(第1前凹面部~第n前凹面部)が形成されている。第1前凹面部~第6前凹面部23a~23fは、前面17から後面18に向かって凹むとともに前凹面エリア20の中心に向かって(前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって)所定の曲率半径で円弧を画く第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)である。第1前凹曲面部~第5前凹曲面部23a~23eは、前面17の中央域19(前凹面エリア20)において同心円を画きつつ円輪状(円状)に延びており、第6前凹曲面部23fは、前面17の中央域19(前凹面エリア20)において同心円を画きつつ円状に延びている。尚、
図3の断面図に示すように、第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23fが直径の異なる球の円周を外周縁22から中心に向かって並べた形状に成形されていてもよい。
【0069】
第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23fでは、第1前凹曲面部23aのダンパーパネル13dの前面17からの凹み寸法が1番小さく、第2前凹曲面部23bのダンパーパネル13dの前面17からの凹み寸法が第1前凹曲面部23aのそれよりも大きいとともに、第3前凹曲面部23cのダンパーパネル13dの前面17からの凹み寸法が第2前凹曲面部23bのそれよりも大きい。第4前凹曲面部23dのダンパーパネル13dの前面17からの凹み寸法が第3前凹曲面部23cのそれよりも大きく、第5前凹曲面部23eのダンパーパネル13dの前面17からの凹み寸法が第4前凹曲面部23dのそれよりも大きいとともに、第6前凹曲面部23fのダンパーパネル13dの前面17からの凹み寸法が第5前凹曲面部23eのそれよりも大きい。
【0070】
第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23fは、それらの径方向の幅寸法が第1前凹曲面部23aから第6前凹曲面部23fに向かって次第に小さくなっている。第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23fでは、第1前凹曲面部23aの径方向の幅寸法が1番大きく、第2前凹曲面部23bの径方向の幅寸法が第1前凹曲面部23aのそれよりも小さいとともに、第3前凹曲面部23cの径方向の幅寸法が第2前凹曲面部23bのそれよりも小さい。第4前凹曲面部23dの径方向の幅寸法が第3前凹曲面部23cのそれよりも小さく、第5前凹曲面部23eの径方向の幅寸法が第4前凹曲面部23dのそれよりも小さいとともに、第6前凹曲面部23fの径方向の幅寸法が第5前凹曲面部23eのそれよりも小さい。
【0071】
前凹面エリア20では、その外周縁22から中心(幅方向内方)に向かって第1前凹曲面部23a→第2前凹曲面部23b→第3前凹曲面部23c→第4前凹曲面部23d→第5前凹曲面部23e→第6前凹曲面部23fの順で並んでいる。したがって、前凹面エリア20の中心に向かって(前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって)所定の曲率半径で円弧を画く円輪状(円状)の第1前凹曲面部23aの径方向内方に前凹面エリア20の中心に向かって(前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって)所定の曲率半径で円弧を画く円輪状(円状)の第2前凹曲面部23bが隣接して並び、第2前凹曲面部23bの径方向内方に前凹面エリア20の中心に向かって(前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって)所定の曲率半径で円弧を画く円輪状(円状)の第3前凹曲面部23cが隣接して並ぶとともに、第3前凹曲面部23cの径方向内方に前凹面エリア20の中心に向かって(前面18(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって)所定の曲率半径で円弧を画く円状の第4前凹曲面部23dが隣接して並んでいる。
【0072】
第4前凹曲面部23dの径方向内方に前凹面エリア20の中心に向かって(前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって)所定の曲率半径で円弧を画く円輪状(円状)の第5前凹曲面部23eが隣接して並び、第5前凹曲面部23eの径方向内方に前凹面エリア20の中心に向かって(前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって)所定の曲率半径で円弧を画く円状の第6前凹曲面部23fが隣接して並んでいる。尚、前凹面エリア20には6つの前凹曲面部23a~23fが作られているが、前凹曲面部の数に特に制限はなく、4つ以下又は7つ以上の前凹曲面部が前凹面エリア20に作られていてもよい。
【0073】
後凹面エリア21には、その外周縁24から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなる円形(真円)の第1後凹面部~第6後凹面部25a~25f(第1後凹面部~第n後凹面部)が形成されている。第1後凹面部~第6後凹面部25a~25fは、後面18から前面17に向かって凹むとともに後凹面エリア21の中心に向かって(後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって)所定の曲率半径で円弧を画く第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25f(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)である。第1後凹曲面部~第5後凹曲面部25a~25eは、後面18の中央域19(後凹面エリア21)において同心円を画きつつ円輪状(円状)に延びており、第6後凹曲面部25fは、後面18の中央域19(後凹面エリア21)において同心円を画きつつ円状に延びている。尚、
図3の断面図に示すように、第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fが直径の異なる球の円周を外周縁24から中心に向かって並べた形状に成形されていてもよい。
【0074】
第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fでは、第1後凹曲面部25aのダンパーパネル13dの後面18からの凹み寸法が1番小さく、第2後凹曲面部25bのダンパーパネル13dの後面18からの凹み寸法が第1後凹曲面部25aのそれよりも大きいとともに、第3後凹曲面部25cのダンパーパネル13dの後面18からの凹み寸法が第2後凹曲面部25bのそれよりも大きい。第4後凹曲面部25dのダンパーパネル13dの後面18からの凹み寸法が第3後凹曲面部25cのそれよりも大きく、第5後凹曲面部25eのダンパーパネル13dの後面18からの凹み寸法が第4後凹曲面部25dのそれよりも大きいとともに、第6後凹曲面部25fのダンパーパネル13dの後面18からの凹み寸法が第5後凹曲面部25eのそれよりも大きい。
【0075】
第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fは、それらの径方向の幅寸法が第1後凹曲面部25aから第6後凹曲面部25fに向かって次第に小さくなっている。第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fでは、第1後凹曲面部25aの径方向の幅寸法が1番大きく、第2後凹曲面部25bの径方向の幅寸法が第1後凹曲面部25aのそれよりも小さいとともに、第3後凹曲面部25cの径方向の幅寸法が第2後凹曲面部25bのそれよりも小さい。第4後凹曲面部25dの径方向の幅寸法が第3後凹曲面部25cのそれよりも小さく、第5後凹曲面部25eの径方向の幅寸法が第4後凹曲面部25dのそれよりも小さいとともに、第6後凹曲面部25fの径方向の幅寸法が第5後凹曲面部25eのそれよりも小さい。
【0076】
後凹面エリア21では、その外周縁24から中心(幅方向内方)に向かって第1後凹曲面部25a→第2後凹曲面部25b→第3後凹曲面部25c→第4後凹曲面部25d→第5後凹曲面部25e→第6後凹曲面部25dの順で並んでいる。したがって、後凹面エリア21の中心に向かって(後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって)所定の曲率半径で円弧を画く円輪状(円状)の第1後凹曲面部25aの径方向内方に後凹面エリア21の中心に向かって(後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって)所定の曲率半径で円弧を画く円輪状(円状)の第2後凹曲面部25bが隣接して並び、第2後凹曲面部25bの径方向内方に後凹面エリア21の中心に向かって(後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって)所定の曲率半径で円弧を画く円輪状(円状)の第3後凹曲面部25cが隣接して並ぶとともに、第3後凹曲面部25cの径方向内方に後凹面エリア21の中心に向かって(後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって)所定の曲率半径で円弧を画く円状の第4後凹曲面部25dが隣接して並んでいる。
【0077】
第4後凹曲面部25dの径方向内方に後凹面エリア21の中心に向かって(後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって)所定の曲率半径で円弧を画く円状の第5後凹曲面部25eが隣接して並び、第5後凹曲面部25eの径方向内方に後凹面エリアの21中心に向かって(後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって)所定の曲率半径で円弧を画く円状の第6後凹曲面部25fが隣接して並んでいる。尚、後凹面エリア21には6つの後凹曲面部25a~25fが作られているが、後凹曲面部の数に特に制限はなく、4つ以下又は7つ以上の後凹曲面部が後凹面エリア21に作られていてもよい。
【0078】
前凹面エリア20と後凹面エリア21とは、互いに同形同大であってダンパーパネル13dの前後方向へ対称形に並んでいる。したがって、第1前凹曲面部23aと第1後凹曲面部25aとが同形同大であってダンパーパネル13dの前後方向へ対称形に並び、第2前凹曲面部23bと第2後凹曲面部25bとが同形同大であってダンパーパネル13dの前後方向へ対称形に並んでいるとともに、第3前凹曲面部23cと第3後凹曲面部23dとが同形同大であってダンパーパネル13dの前後方向へ対称形に並んでいる。第4前凹曲面部23dと第4後凹曲面部25dとが同形同大であってダンパーパネル13dの前後方向へ対称形に並び、第5前凹曲面部23eと第5後凹曲面部25eとが同形同大であってダンパーパネル13dの前後方向へ対称形に並んでいるとともに、第6前凹曲面部23fと第6後凹曲面部25fとが同形同大であってダンパーパネル13dの前後方向へ対称形に並んでいる。
【0079】
ダンパーパネル13dでは、第1前凹曲面部23a及び第1後凹曲面部25aにおけるダンパーパネル13dの厚み寸法が1番大きく、第2前凹曲面部23b及び第2後凹曲面部25bにおけるダンパーパネル13dの厚み寸法が第1前凹曲面部23a及び第1後凹曲面部25aにおけるダンパーパネル13dのそれよりも小さく、第3前凹曲面部23c及び第3後凹曲面部25cにおけるダンパーパネル13dの厚み寸法が第2前凹曲面部23b及び第2後凹曲面部25bにおけるダンパーパネル13dのそれよりも小さいとともに、第4前凹曲面部23d及び第4後凹曲面部25dにおけるダンパーパネル13dの厚み寸法が第3前凹曲面部23c及び第3後凹曲面部25cおけるダンパーパネル13dのそれよりも小さい。第5前凹曲面部23e及び第5後凹曲面部25eにおけるダンパーパネル13dの厚み寸法が第4前凹曲面部23d及び第4後凹曲面部25dにおけるダンパーパネル13dのそれよりも小さく、第6前凹曲面部23f及び第6後凹曲面部25fにおけるダンパーパネル13dの厚み寸法が第5前凹曲面部23e及び第5後凹曲面部25eにおけるダンパーパネル13dのそれよりも小さいとともに、第6前凹曲面部23f及び第6後凹曲面部25fにおけるダンパーパネル13dの厚み寸法が1番小さい。
【0080】
尚、鋼材ダンパー10Dでは、第1前凹曲面部23a及び第1後凹曲面部25aにおけるダンパーパネル13dの厚み寸法(第1前凹曲面部23aと第1後凹曲面部25aとの間の前後方向の厚み寸法)、第2前凹曲面部23b及び第2後凹曲面部25bにおけるダンパーパネル13dの厚み寸法(第2前凹曲面部23bと第2後凹曲面部25bとの間の前後方向の厚み寸法)、第3前凹曲面部23c及び第3後凹曲面部25cにおけるダンパーパネル13dの厚み寸法(第3前凹曲面部23cと第3後凹曲面部25cとの間の前後方向の厚み寸法)、第4前凹曲面部23d及び第4後凹曲面部25dにおけるダンパーパネル13dの厚み寸法(第4前凹曲面部23dと第4後凹曲面部25dとの間の前後方向の厚み寸法)、第5前凹曲面部23e及び第5後凹曲面部25eにおけるダンパーパネル13dの厚み寸法(第5前凹曲面部23eと第5後凹曲面部25eとの間の前後方向の厚み寸法)、第6前凹曲面部23f及び第6後凹曲面部25fにおけるダンパーパネル13dの厚み寸法(第6前凹曲面部23fと第6後凹曲面部25fとの間の前後方向の厚み寸法)を自由に設定することができ(たとえば、5mm~50mmの範囲)、その減衰力(振動(地震)抵抗力)を50kN~3000kNの範囲で任意に設定することができる。
【0081】
鋼材ダンパー10Dは、地震等による振動発生時に建造物の第1構造部材(上部構造部材又は第1側部構造部材)と第2構造部材(下部構造部材又は第2側部構造部材)との相対変位によってダンパーパネル13dの円形(真円)に成形された第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)や円形(真円)に成形された第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25f(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)が塑性変形することで制震機能を発揮する。たとえば、振動(地震)時の振動が小さい場合、厚み寸法が小さいダンパーパネル13dの第6前凹曲面部23f及び第6後凹曲面部25fや第5前凹曲面部23e及び第5後凹曲面部25eが塑性変形し、振動(地震)時の振動が中程度の場合、厚み寸法が小さいダンパーパネル13dの第6前凹曲面部23f及び第6後凹曲面部25fや第5前凹曲面部23e及び第5後凹曲面部25eが塑性変形することに加え、厚み寸法が中程度のダンパーパネル13dの第4前凹曲面部23d及び第4後凹曲面部25dや第3前凹曲面部23c及び第3後凹曲面部25cが塑性変形する。振動(地震)時の振動が大きい場合、厚み寸法が小さいダンパーパネル13dの第6前凹曲面部23f及び第6後凹曲面部25fや第5前凹曲面部23e及び第5後凹曲面部25eが塑性変形するとともに、厚み寸法が中程度のダンパーパネル13dの第4前凹曲面部23d及び第4後凹曲面部25dや第3前凹曲面部23c及び第3後凹曲面部25cが塑性変形することに加え、厚み寸法が大きいダンパーパネル13dの第2前凹曲面部23b及び第2後凹曲面部25bや第1前凹曲面部23a及び第1後凹曲面部25aが塑性変形する。
【0082】
鋼材ダンパー10Dでは、図示はしていないが、鋼材ダンパー10Dのダンパーパネル13dが塑性変形する前の第1前凹曲面部23a(第1後凹曲面部25a)~第6前凹曲面部23f(第6後凹曲面部25f)の境界線を表示した(象った)透明な塑性変形確認第2シートが事前に作られている。鋼材ダンパー10Dでは、振動(地震)の発生によってダンパーパネル13dの第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23fや第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fが塑性変形した場合、塑性変形の度合いによっては鋼材ダンパー10Dの制震機能が失われる。地震等による振動発生後、塑性変形の度合いが大きく、制震機能が失われた鋼材ダンパー10Dは交換される。地震等による振動発生後にであっても、塑性変形の度合いが小さく、制震機能を発揮し得る状態であれば、鋼材ダンパー10Dが交換されることなく継続して使用される。
【0083】
地震等による振動発生後のダンパーパネル13dの第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23fや第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fに生じたゆがみやひずみ、湾曲、破断、損壊等の塑性変形は、目視によって確認し、塑性変形の度合いを判断する場合、又は、第1前凹曲面部23a(第1後凹曲面部25a)~第6前凹曲面部23f(第6後凹曲面部25f)の境界線を表示した透明な塑性変形確認第2シートをダンパーパネル13dの前凹面エリア20(後凹面エリア21)に被せ、塑性変形確認第2シートに表示された境界線とダンパーパネル13dの第1前凹曲面部23a(第1後凹曲面部25a)~第6前凹曲面部23f(第6後凹曲面部25f)の境界線とを比較し、塑性変形の度合いを判断する場合がある。
【0084】
鋼材ダンパー10Dは、径方向の幅寸法が第1前凹曲面部23aから第6前凹曲面部23f(第n前凹曲面部)に向かって次第に小さくなり、第1後凹曲面部25aから第6後凹曲面部25f(第n後凹曲面部)に向かって次第に小さくなることで、最も塑性変形し易いダンパーパネル13dの中央に円形(真円)の前凹曲面部や後凹曲面部が多く形成され、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパー10Dに伝わると、ダンパーパネル13dの円形(真円)に成形された第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)と円形(真円)に成形された第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25f(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)とが均一かつ確実に塑性変形し、鋼材ダンパー10Dのダンパーパネル13dに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、ダンパーパネル13dの第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f及び第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fの塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、振動(地震)による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。
【0085】
鋼材ダンパー10Dは、ダンパーパネル13dに円形(真円)の第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f及び円形(真円)の第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fが形成されることで、地震等による振動発生後のそれら前凹曲面部23a~23fやそれら後凹曲面部25a~25fに生じたゆがみやひずみ、湾曲、破断、損壊等の塑性変形を容易に見つけることができ、それら前凹曲面部23a~23fやそれら後凹曲面部25a~25fの変形度合いを容易に確認することができる。
【0086】
鋼材ダンパー10Dは、地震等による振動発生後に塑性変形したダンパーパネル13dの円形(真円)に成形された第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)や円形(真円)に成形された第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25f(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)の変形度合いを容易に確認することができるから、制震機能を発揮し得る状態か否かを的確に判断することができるとともに、鋼材ダンパー10Dの寿命までのエネルギー吸収能力を予測することができ、建造物の継続使用性や繰り返しの地震に対する鋼材ダンパー10Dの耐久性の判断が可能であり、むやみに交換されることはなく、無駄な廃棄を防ぐことができるとともに、制震機能を失った鋼材ダンパー10Dの交換時期の逸脱を防ぐことができる。
【0087】
図10は、他の一例として示す鋼材ダンパー10Eの正面図である。
図10に示す鋼材ダンパー10Eが
図8のそれと異なるところは、第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23fの径方向の幅寸法が第1前凹曲面部23aから第6前凹曲面部23fに向かって次第に大きくなり、第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fの径方向の幅寸法が第1後凹曲面部23aから第6後凹曲面部25fに向かって次第に大きくなっている点にあり、その他の構成は
図8の鋼材ダンパー10Dのそれらと同一である。
【0088】
鋼材ダンパー10Eは、第1連結パネル11及び第2連結パネル12と、第1及び第2連結パネル11,12の間に延びるダンパーパネル13eとから形成されている。ダンパーパネル13eの前面17における中央域19には、前面17から後面18に向かって凹む所定面積の前凹面エリア20が作られている。ダンパーパネル13eの後面18における中央域19には、後面18から前面17に向かって凹む所定面積の後凹面エリア21が作られている。
【0089】
前凹面エリア20には、その外周縁22から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなる第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)が形成されている。第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23fは、それら前凹曲面部23a~23fの径方向の幅寸法が第1前凹曲面部23aから第6前凹曲面部23fに向かって次第に大きくなっている。後凹面エリア21には、その外周縁24から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなる第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25f(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)が形成されている。第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fは、それら後凹曲面部25a~25fの径方向の幅寸法が第1後凹曲面部25aから第6後凹曲面部25fに向かって次第に大きくなっている。尚、
図3の断面図に示すように、第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23fが直径の異なる球の円周を外周縁22から中心に向かって並べた形状に成形され、第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fが直径の異なる球の円周を外周縁24から中心に向かって並べた形状に成形されていてもよい。
【0090】
鋼材ダンパー10Eは、径方向の幅寸法が第1前凹曲面部23aから第6前凹曲面部23f(第n前凹曲面部)に向かって次第に大きくなり、第1後凹曲面部25aから第6後凹曲面部25f(第n後凹曲面部)に向かって次第に大きくなることで、ダンパーパネル13eの中央に向かって前凹曲面部23a~23f(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)や後凹曲面部25a~25f(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)の塑性変形耐久性を上げることができ、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパー10Eに伝わったときに、ダンパーパネル13eの第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23fと第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fとのいずれかの凹曲面部23a~23f,25a~25fから確実に塑性変形し、鋼材ダンパー10Eのダンパーパネル13eに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、ダンパーパネル13eの第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f及び第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fの塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、振動(地震)による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。
【0091】
鋼材ダンパー10Eは、ダンパーパネル13eに円形(真円)の第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f及び円形(真円)の第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fが形成されることで、地震等による振動発生後のそれら前凹曲面部23a~23fやそれら後凹曲面部25a~25fに生じたゆがみやひずみ、湾曲、破断、損壊等の塑性変形を容易に見つけることができ、それら前凹曲面部23a~23fやそれら後凹曲面部25a~25fの変形度合いを容易に確認することができる。
【0092】
鋼材ダンパー10Eは、地震等による振動発生後に塑性変形したダンパーパネル13eの円形(真円)に成形された第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)や円形(真円)に成形された第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25f(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)の変形度合いを容易に確認することができるから、制震機能を発揮し得る状態か否かを的確に判断することができるとともに、鋼材ダンパー10Eの寿命までのエネルギー吸収能力を予測することができ、建造物の継続使用性や繰り返しの地震に対する鋼材ダンパー10Eの耐久性の判断が可能であり、むやみに交換されることはなく、無駄な廃棄を防ぐことができるとともに、制震機能を失った鋼材ダンパー10Eの交換時期の逸脱を防ぐことができる。
【0093】
図11は、他の一例として示す鋼材ダンパー10Fの正面図である。
図11に示す鋼材ダンパー10Fが
図8のそれと異なるところは、第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23fの径方向の幅寸法が第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23fにおいてランダム(任意)に設定され、第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fの径方向の幅寸法が第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fにおいてランダム(任意)に設定されている点にあり、その他の構成は
図8の鋼材ダンパー10Dのそれらと同一である。
【0094】
鋼材ダンパー10Fは、第1連結パネル11及び第2連結パネル12と、第1及び第2連結パネル11,12の間に延びるダンパーパネル13fとから形成されている。ダンパーパネル13fの前面17における中央域19には、前面17から後面18に向かって凹む所定面積の前凹面エリア20が作られている。ダンパーパネル13fの後面18における中央域19には、後面18から前面17に向かって凹む所定面積の後凹面エリア21が作られている。
【0095】
前凹面エリア20には、その外周縁22から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなる第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)が形成されている。第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23fは、それら前凹曲面部23a~23fの径方向の幅寸法が第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23fにおいてランダム(任意)に設定されている。後凹面エリア21には、その外周縁24から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなる第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25f(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)が形成されている。第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fは、それら後凹曲面部25a~25fの径方向の幅寸法が第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fランダム(任意)に設定されている。尚、
図3の断面図に示すように、第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23fが直径の異なる球の円周を外周縁22から中心に向かって並べた形状に成形され、第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fが直径の異なる球の円周を外周縁24から中心に向かって並べた形状に成形されていてもよい。
【0096】
鋼材ダンパー10Fは、径方向の幅寸法が第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)においてランダムに設定され、径方向の幅寸法が第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25f(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)においてランダムに設定されることで、塑性変形容易な凹曲面部23a~23f,25a~25fを第1前凹曲面部23a~第6前凹曲面部23fや第1後凹曲面部25a~第6後凹曲面部25fのいずれかの凹曲面部23a~23f,25a~25fに設定することができ、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパー10Fに伝わると、ダンパーパネル13fの第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23fと第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fとのいずれかの凹曲部23a~23f,25a~25fから設定どおりに塑性変形し、鋼材ダンパー10Fのダンパーパネル13fに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、ダンパーパネル13fの第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f及び第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fの塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、振動(地震)による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。
【0097】
鋼材ダンパー10Fは、ダンパーパネル13fに円形(真円)の第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f及び円形(真円)の第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fが形成されることで、地震等による振動発生後のそれら前凹曲面部23a~23fやそれら後凹曲面部25a~25fに生じたゆがみやひずみ、湾曲、破断、損壊等の塑性変形を容易に見つけることができ、それら前凹曲面部23a~23fやそれら後凹曲面部25a~25fの変形度合いを容易に確認することができる。
【0098】
鋼材ダンパー10Fは、地震等による振動発生後に塑性変形したダンパーパネル13fの円形(真円)に成形された第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)や円形(真円)に成形された第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25f(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)の変形度合いを容易に確認することができるから、制震機能を発揮し得る状態か否かを的確に判断することができるとともに、鋼材ダンパー10Fの寿命までのエネルギー吸収能力を予測することができ、建造物の継続使用性や繰り返しの地震に対する鋼材ダンパー10Fの耐久性の判断が可能であり、むやみに交換されることはなく、無駄な廃棄を防ぐことができるとともに、制震機能を失った鋼材ダンパー10Fの交換時期の逸脱を防ぐことができる。
【0099】
図12は、他の一例として示す鋼材ダンパー10Gの正面図であり、
図13は、
図12のE-E線矢視断面図である。
図12,13では、上下方向を矢印X、幅方向を矢印Yで示し、前後方向を矢印Zで示す。
図12に示す鋼材ダンパー10Gが
図8のそれと異なるところは、ダンパーパネル13gの幅方向の最小長さ寸法L2がダンパーパネル13gの上下方向の長さ寸法L1よりも大きい点、第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)が幅方向へ長い楕円形に成形され、第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25f(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)が幅方向へ長い楕円形に成形されている点にあり、その他の構成は
図8の鋼材ダンパー10Dのそれらと同一である。
【0100】
鋼材ダンパー10Gは、第1連結パネル11及び第2連結パネル12と、第1及び第2連結パネル11,12の間に延びるダンパーパネル13gとから形成されている。鋼材ダンパー10Gでは、ダンパーパネル13gの幅方向の最小長さ寸法L2がダンパーパネル13gの上下方向の長さ寸法L1よりも大きい。ダンパーパネル13gの前面17における中央域19には、前面17から後面18に向かって凹む所定面積の前凹面エリア20が作られている。ダンパーパネル13gの後面18における中央域19には、後面18から前面17に向かって凹む所定面積の後凹面エリア21が作られている。前凹面エリア20及び後凹面エリア21は、幅方向へ長い楕円形に成形(形成)され、幅方向へ延びる長軸Z1と上下方向へ延びる短軸Z2とを有する。
【0101】
前凹面エリア20には、その外周縁22から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなる第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)が形成されている。第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23fは、幅方向へ長い楕円形に成形され、それら前凹曲面部23a~23fの径方向の幅寸法が第1前凹曲面部23aから第6前凹曲面部23fに向かって次第に小さくなっている。
図3の断面図に示すように、楕円形の第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23d(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)が直径の異なる球の円周を外周縁22から中心に向かって並べた形状に成形されていてもよい。又、
図10に示す鋼材ダンパー10Eと同様に、楕円形の第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)の径方向の幅寸法が第1前凹曲面部23aから第6前凹曲面部23fに向かって次第に大きくなっていてもよく、
図11に示す鋼材ダンパー10Fと同様に、楕円形の第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)の径方向の幅寸法が第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23fにおいてランダム(任意)に設定されていてもよい。
【0102】
後凹面エリア21には、その外周縁24から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなる第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25f(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)が形成されている。第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fは、幅方向へ長い楕円形に成形され、それら後凹曲面部25a~25fの径方向の幅寸法が第1後凹曲面部25aから第6後凹曲面部25fに向かって次第に小さくなっている。
図3の断面図に示すように、楕円形の第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25d(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)が直径の異なる球の円周を外周縁22から中心に向かって並べた形状に成形されていてもよい。又、
図10に示す鋼材ダンパー10Eと同様に、楕円形の第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25f(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)の径方向の幅寸法が第1後凹曲面部25aから第6後凹曲面部25fに向かって次第に大きくなっていてもよく、
図11に示す鋼材ダンパー10Fと同様に、楕円形の第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25f(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)の径方向の幅寸法が第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fにおいてランダム(任意)に設定されていてもよい。
【0103】
尚、図示はしていないが、第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)が上下方向へ長い楕円形に成形され、第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25f(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)が上下方向へ長い楕円形に成形されていてもよい。この場合、ダンパーパネル13gの幅方向の上下方向の長さ寸法L1がダンパーパネル13gの幅方向の最小長さ寸法L2よりも大きくなり、前凹面エリア20及び後凹面エリア21が上下方向へ長い楕円形に成形(形成)されて上下方向へ延びる長軸Z1と幅方向へ延びる短軸Z2とを有する。
【0104】
鋼材ダンパー10Gは、径方向の幅寸法が第1前凹曲面部23aから第6前凹曲面部23f(第n前凹曲面部)に向かって次第に小さくなり、第1後凹曲面部25aから第6後凹曲面部25f(第n後凹曲面部)に向かって次第に小さくなることで、最も塑性変形し易いダンパーパネル13gの中央に楕円形の前凹曲面部や後凹曲面部が多く形成され、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパー10Gに伝わると、ダンパーパネル13gの楕円形に成形された第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)と楕円形に成形された第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25f(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)とが確実に塑性変形し、鋼材ダンパー10Gのダンパーパネル13gに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、ダンパーパネル13gの第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f及び第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fの塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、振動(地震)による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。
【0105】
鋼材ダンパー10Gは、ダンパーパネル13gに楕円形の第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f及び楕円形の第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fが形成されることで、地震等による振動発生後のそれら前凹曲面部23a~23fやそれら後凹曲面部25a~25fに生じたゆがみやひずみ、湾曲、破断、損壊等の塑性変形を容易に見つけることができ、それら前凹曲面部23a~23fやそれら後凹曲面部25a~25fの変形度合いを容易に確認することができる。
【0106】
鋼材ダンパー10Gは、地震等による振動発生後に塑性変形したダンパーパネル13gの楕円形に成形された第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)や楕円形に成形された第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25f(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)の変形度合いを容易に確認することができるから、制震機能を発揮し得る状態か否かを的確に判断することができるとともに、鋼材ダンパー10Gの寿命までのエネルギー吸収能力を予測することができ、建造物の継続使用性や繰り返しの地震に対する鋼材ダンパー10Gの耐久性の判断が可能であり、むやみに交換されることはなく、無駄な廃棄を防ぐことができるとともに、制震機能を失った鋼材ダンパー10Gの交換時期の逸脱を防ぐことができる。
【0107】
図14は、他の一例として示す鋼材ダンパー10Hの正面図であり、
図15は、
図14のF-F線矢視断面図である。
図14,15では、上下方向を矢印X、幅方向を矢印Yで示し、前後方向を矢印Zで示す。
図14に示す鋼材ダンパー10Hが
図8のそれと異なるところは、ダンパーパネル13hの上下方向の長さ寸法L1がダンパーパネル13hの幅方向の最小長さ寸法L2よりも大きい点、第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)が上下方向へ長い小判形に成形され、第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25f(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)が上下方向へ長い小判形に成形されている点にあり、その他の構成は
図8の鋼材ダンパー10Dのそれらと同一である。
【0108】
鋼材ダンパー10Hは、第1連結パネル11及び第2連結パネル12と、第1及び第2連結パネル11,12の間に延びるダンパーパネル13hとから形成されている。鋼材ダンパー10Hでは、ダンパーパネル13hの上下方向の長さ寸法L1がダンパーパネル13hの幅方向の最小長さ寸法L2よりも大きい。ダンパーパネル13hの前面17における中央域19には、前面17から後面18に向かって凹む所定面積の前凹面エリア20が作られている。ダンパーパネル13hの後面18における中央域19には、後面18から前面17に向かって凹む所定面積の後凹面エリア21が作られている。前凹面エリア20及び後凹面エリア21は、上下方向へ長い小判形に成形(形成)され、幅方向へ円弧を画いて延びる両端縁59と上下方向へ直状に延びる両側縁60とを有するとともに、上下方向へ延びる長軸Z1と幅方向へ延びる短軸Z2と有する。
【0109】
前凹面エリア20には、その外周縁22から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなる第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)が形成されている。第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23fは、上下方向へ長い小判形に成形され、それら前凹曲面部23a~23fの径方向の幅寸法が第1前凹曲面部23aから第6前凹曲面部23fに向かって次第に小さくなっている。
図3の断面図に示すように、小判形の第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23d(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)が直径の異なる球の円周を外周縁22から中心に向かって並べた形状に成形されていてもよい。又、
図10に示す鋼材ダンパー10Eと同様に、小判形の第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)の径方向の幅寸法が第1前凹曲面部23aから第6前凹曲面部23fに向かって次第に大きくなっていてもよく、
図11に示す鋼材ダンパー10Fと同様に、小判形の第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)の径方向の幅寸法が第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23fにおいてランダム(任意)に設定されていてもよい。
【0110】
後凹面エリア21には、その外周縁24から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなる第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25f(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)が形成されている。第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fは、上下方向へ長い小判形に成形され、それら後凹曲面部25a~25fの径方向の幅寸法が第1後凹曲面部25aから第6後凹曲面部25fに向かって次第に小さくなっている。
図3の断面図に示すように、小判形の第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25d(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)が直径の異なる球の円周を外周縁22から中心に向かって並べた形状に成形されていてもよい。又、
図10に示す鋼材ダンパー10Eと同様に、小判形の第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25f(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)の径方向の幅寸法が第1後凹曲面部25aから第6後凹曲面部25fに向かって次第に大きくなっていてもよく、
図11に示す鋼材ダンパー10Fと同様に、小判形の第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25f(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)の径方向の幅寸法が第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fにおいてランダム(任意)に設定されていてもよい。
【0111】
尚、図示はしていないが、第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)が幅方向へ長い小判形に成形され、第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25f(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)が幅方向へ長い小判形に成形されていてもよい。この場合、ダンパーパネル13fの幅方向の最小長さ寸法L2がダンパーパネル13fの上下方向の長さ寸法L1よりも大きくなり、前凹面エリア20及び後凹面エリア21が幅方向へ長い小判形に成形(形成)され、幅方向へ直状に延びる両端縁59と上下方向へ円弧を画いて延びる両側縁60とを有するとともに、幅方向へ延びる長軸Z1と上下向へ延びる短軸Z2とを有する。
【0112】
鋼材ダンパー10Hは、径方向の幅寸法が第1前凹曲面部23aから第6前凹曲面部23f(第n前凹曲面部)に向かって次第に小さくなり、第1後凹曲面部25aから第6後凹曲面部25f(第n後凹曲面部)に向かって次第に小さくなることで、最も塑性変形し易いダンパーパネル13hの中央に小判形の前凹曲面部や後凹曲面部が多く形成され、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパー10Hに伝わると、ダンパーパネル13hの小判形に成形された第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)と小判形に成形された第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25f(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)とが確実に塑性変形し、鋼材ダンパー10Hのダンパーパネル13hに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、ダンパーパネル13hの第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f及び第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fの塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、振動(地震)による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。
【0113】
鋼材ダンパー10Hは、ダンパーパネル13hに小判形の第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f及び小判形の第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fが形成されることで、地震等による振動発生後のそれら前凹曲面部23a~23fやそれら後凹曲面部25a~25fに生じたゆがみやひずみ、湾曲、破断、損壊等の塑性変形を容易に見つけることができ、それら前凹曲面部23a~23fやそれら後凹曲面部25a~25fの変形度合いを容易に確認することができる。
【0114】
鋼材ダンパー10Hは、地震等による振動発生後に塑性変形したダンパーパネル13hの小判形に成形された第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f(第1前凹曲面部~第n前凹曲面部)や小判形に成形された第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25f(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)の変形度合いを容易に確認することができるから、制震機能を発揮し得る状態か否かを的確に判断することができるとともに、鋼材ダンパー10Hの寿命までのエネルギー吸収能力を予測することができ、建造物の継続使用性や繰り返しの地震に対する鋼材ダンパー10Hの耐久性の判断が可能であり、むやみに交換されることはなく、無駄な廃棄を防ぐことができるとともに、制震機能を失った鋼材ダンパー10Hの交換時期の逸脱を防ぐことができる。
【0115】
図16は、他の一例として示す鋼材ダンパー10Iの正面図であり、
図17は、
図16のG-G線矢視断面図である。
図18は、
図17の部分拡大図である。
図16,17では、上下方向を矢印X、幅方向を矢印Yで示し、前後方向を矢印Zで示す。鋼材ダンパー10Iが
図1のそれと異なるところは前凹面エリア20に第1前凹斜面部~第4前凹斜面部26a~26d(第1前凹面部~第4前凹面部)が形成され、後凹面エリア21に第1後凹斜面部~第4後凹斜面部27a~27d(第1後凹面部~第4後凹面部)が形成されている点にあり、その他の構成は
図1の鋼材ダンパー10Aのそれらと同一である。
【0116】
鋼材ダンパー10Iは、第1パネル11及び第2連結パネル12と、第1及び第2連結パネル11,12の間に延びるダンパーパネル13iとから形成されている。第1連結パネル11や第2連結パネル12は、
図1の鋼材ダンパー10Aのそれらと同一である。ダンパーパネル13iは、その幅方向の最小長さ寸法L2が第1及び第2連結パネル11,12のそれよりも短く、その両側縁16がダンパーパネル13iの中心(幅方向内方)に向かって弧を画き、
図1のダンパーパネル13aと同様に、両側縁16が幅方向内方へ向かって括れている。
【0117】
ダンパーパネル13iでは、振動(地震)発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとしてダンパーパネル13iの括れた両側縁16に均等に伝わる。ダンパーパネル13iは、前面17と後面18とを有する。ダンパーパネル13iの前面17における中央域19には、前面17から後面18に向かって凹む所定面積の前凹面エリア20が作られている。ダンパーパネル13iの後面18における中央域19には、後面18から前面17に向かって凹む所定面積の後凹面エリア21が作られている。
【0118】
前凹面エリア20には、その外周縁22から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなる第1前凹面部~第4前凹面部26a~26d(第1前凹面部~第n前凹面部)が形成されている。第1前凹面部~第4前凹面部26a~26dは、前面17から後面18に向かって凹むとともに外周縁22から中心に向かって(前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって)所定の角度で下り勾配に傾斜する第1前凹斜面部~第4前凹斜面部26a~26d(第1前凹斜面部~第n前凹斜面部)である。第1前凹斜面部~第3前凹斜面部26a~26cは、前面17の中央域19(前凹面エリア20)において同心円を画きつつ円輪状(円状)に延びている。第4前凹斜面部26dは、前面17の中央域19(前凹面エリア20)において同心円を画きつつ円状に延びている。
【0119】
第1前凹斜面部~第4前凹斜面部26a~26dは、その径方向の幅寸法が同一である。第1前凹斜面部~第4前凹斜面部26a~26dでは、第1前凹斜面部26aのダンパーパネル13gの前面17からの凹み寸法が1番小さく、第2前凹斜面部26bのダンパーパネル13gの前面17からの凹み寸法が第1前凹斜面部26aのそれよりも大きく、第3前凹斜面部26cのダンパーパネル13gの前面17からの凹み寸法が第2前凹斜面部26bのそれよりも大きいとともに、第4前凹斜面部26dのダンパーパネル13gの前面17からの凹み寸法が第3前凹斜面部26cのそれよりも大きい。
【0120】
前凹面エリア20では、第1前凹斜面部26aから第4前凹斜面部26dに向かうにつれてそれら前凹斜面部26a~26dの下り勾配に傾斜する傾斜角度が次第に小さくなっている。第1前凹斜面部~第4前凹斜面部26a~26dでは、第1前凹斜面部26aの下り勾配に傾斜する傾斜角度が1番大きく、第2前凹斜面部26bの下り勾配に傾斜する傾斜角度が第1前凹斜面部26aのそれよりも小さく、第3前凹斜面部26cの下り勾配に傾斜する傾斜角度が第2前凹斜面部26bのそれよりも小さいとともに、第4前凹斜面部26dの下り勾配に傾斜する傾斜角度が第3前凹斜面部26cのそれよりも小さい。
【0121】
前凹面エリア20では、その外周縁22から中心(幅方向内方)に向かって第1前凹斜面部26a→第2前凹斜面部26b→第3前凹斜面部26c→第4前凹斜面部26dの順で並んでいる。したがって、前凹面エリア20の中心に向かって(前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって)所定の角度で下り勾配に傾斜する円輪状(円状)の第1前凹斜面部26aの径方向内方に前凹面エリア20の中心に向かって(前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって)所定の角度で下り勾配に傾斜する円輪状(円状)の第2前凹斜面部26bが隣接して並び、第2前凹斜面部26bの径方向内方に前凹面エリア20の中心に向かって(前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって)所定の角度で下り勾配に傾斜する円輪状(円状)の第3前凹斜面部26cが隣接して並ぶとともに、第3前凹斜面部26cの径方向内方に前凹面エリア20の中心に向かって(前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって)所定の角度で下り勾配に傾斜する円状の第4前凹斜面部26dが隣接して並んでいる。尚、前凹面エリア20には4つの前凹斜面部26a~26dが作られているが、前凹斜面部の数に特に制限はなく、5つ以上の前凹斜面部が前凹面エリア20に作られていてもよい。
【0122】
後凹面エリア21には、その外周縁24から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなる第1後凹面部~第4後凹面部27a~27d(第1後凹面部~第n後凹面部)が形成されている。第1後凹面部~第4後凹面部27a~27dは、後面18から前面17に向かって凹むとともに後凹面エリア21の中心に向かって(後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって)所定の角度で下り勾配に傾斜する第1後凹斜面部~第4後凹斜面部27a~27d(第1後凹斜面部~第n後凹斜面部)である。第1後凹斜面部~第3後凹斜面部27a~27cは、後面18の中央域19(後凹面エリア)21において同心円を画きつつ円輪状(円状)に延びており、第4後凹斜面部27dは、後面18の中央域19(後凹面エリア21)において同心円を画きつつ円状に延びている。
【0123】
第1後凹斜面部~第4後凹斜面部27a~27dは、それらの径方向の幅寸法が同一である。第1後凹斜面部~第4後凹斜面部27a~27dでは、第1後凹斜面部27aのダンパーパネル13gの後面18からの凹み寸法が1番小さく、第2後凹斜面部27bのダンパーパネル13gの後面18からの凹み寸法が第1後凹斜面部27aのそれよりも大きく、第3後凹斜面部27cのダンパーパネル13gの後面18からの凹み寸法が第2後凹斜面部27bのそれよりも大きいとともに、第4後凹斜面部27dのダンパーパネル13gの後面18からの凹み寸法が第3後凹斜面部27cのそれよりも大きい。
【0124】
後凹面エリア21では、第1後凹斜面部27aから第4後凹斜面部27dに向かうにつれてそれら後凹斜面部27a~27dの下り勾配に傾斜する傾斜角度が次第に小さくなっている。第1後凹斜面部~第4後凹斜面部27a~27dでは、第1後凹斜面部27aの下り勾配に傾斜する傾斜角度が1番大きく、第2後凹斜面部27bの下り勾配に傾斜する傾斜角度が第1後凹斜面部27aのそれよりも小さく、第3後凹斜面部27cの下り勾配に傾斜する傾斜角度が第2後凹斜面部27bのそれよりも小さいとともに、第4後凹斜面部27dの下り勾配に傾斜する傾斜角度が第3後凹斜面部27cのそれよりも小さい。
【0125】
後凹面エリア21では、その外周縁24から中心(幅方向内方)に向かって第1後凹斜面部27a→第2後凹斜面部27b→第3後凹斜面部27c→第4後凹斜面部27dの順で並んでいる。したがって、後凹面エリア21の中心に向かって(後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって)所定の角度で下り勾配に傾斜する円輪状(円状)の第1後凹斜面部27aの径方向内方に後凹面エリア21の中心に向かって(後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって)所定の角度で下り勾配に傾斜する円輪状(円状)の第2後凹斜面部27bが隣接して並び、第2後凹斜面部27bの径方向内方に後凹面エリア21の中心に向かって(後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって)所定の角度で下り勾配に傾斜する円輪状(円状)の第3後凹斜面部27cが隣接して並ぶとともに、第3後凹斜面部27cの径方向内方に後凹面エリア21の中心に向かって(後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって)所定の角度で下り勾配に傾斜する円状の第4後凹斜面部27dが隣接して並んでいる。尚、後凹面エリア21には4つの後凹斜面部27a~27dが作られているが、後凹斜面部の数に特に制限はなく、5つ以上の後凹斜面部が後凹面エリア21に作られていてもよい。
【0126】
前凹面エリア20と後凹面エリア21とは、互いに同形同大であってダンパーパネル13iの前後方向へ対称形に並んでいる。したがって、第1前凹斜面部26aと第1後凹斜面部27aとが同形同大であってダンパーパネル13iの前後方向へ対称形に並び、第2前凹斜面部26bと第2後凹斜面部27bとが同形同大であってダンパーパネル13iの前後方向へ対称形に並んでいる。第3前凹斜面部26cと第3後凹斜面部27cとが同形同大であってダンパーパネル13iの前後方向へ対称形に並び、第4前凹斜面部26dと第4後凹斜面部27dとが同形同大であってダンパーパネル13iの前後方向へ対称形に並んでいる。
【0127】
ダンパーパネル13iでは、第1前凹斜面部26a及び第1後凹斜面部27aにおけるダンパーパネル13iの厚み寸法が1番大きく、第2前凹斜面部26b及び第2後凹斜面部27bにおけるダンパーパネル13iの厚み寸法が第1前凹曲面部26a及び第1後凹曲面部27aにおけるダンパーパネル13iのそれよりも小さい。第3前凹曲面部26c及び第3後凹曲面部27cにおけるダンパーパネル13iの厚み寸法が第2前凹曲面部26b及び第2後凹曲面部27bにおけるダンパーパネル13iのそれよりも小さく、第4前凹曲面部26d及び第4後凹曲面部27dにおけるダンパーパネル13iの厚み寸法が第3前凹曲面部26c及び第3後凹曲面部27cにおけるダンパーパネル13iのそれよりも小さいとともに、第4前凹曲面部26d及び第4後凹曲面部27dにおけるダンパーパネル13iの厚み寸法が1番小さい。
【0128】
尚、鋼材ダンパー10Iでは、第1前凹斜面部26a及び第1後凹斜面部27aにおけるダンパーパネル13iの厚み寸法(第1前凹斜面部26aと第1後凹斜面部27aとの間の前後方向の厚み寸法)、第2前凹斜面部26b及び第2後凹斜面部27bにおけるダンパーパネル13iの厚み寸法(第2前凹斜面部26bと第2後凹斜面部27bとの間の前後方向の厚み寸法)、第3前凹斜面部26c及び第3後凹斜面部27cにおけるダンパーパネル13iの厚み寸法(第3前凹斜面部26cと第3後凹斜面部27cとの間の前後方向の厚み寸法)、第4前凹斜面部26d及び第4後凹斜面部27dにおけるダンパーパネル13iの厚み寸法(第4前凹斜面部26dと第4後凹斜面部27dとの間の前後方向の厚み寸法)を自由に設定することができ(たとえば、5mm~50mmの範囲)、その減衰力(振動(地震)抵抗力)を50kN~3000kNの範囲で任意に設定することができる。
【0129】
鋼材ダンパー10Iは、地震等による振動発生時に建造物の第1構造部材(上部構造部材又は第1側部構造部材)と第2構造部材(下部構造部材又は第2側部構造部材)との相対変位によってダンパーパネル13iの円形(真円)に成形された第1前凹斜面部~第4前凹斜面部26a~26d(第1前凹斜面部~第n前凹斜面部)や円形(真円)に成形された第1後凹斜面部~第4後凹斜面部27a~27d(第1後凹斜面部~第n後凹斜面部)が塑性変形することで制震機能を発揮する。たとえば、地震時の振動が小さい場合、厚み寸法が小さいダンパーパネル13iの第4前凹斜面部26d及び第4後凹斜面部27dが塑性変形し、地震時の振動が中程度の場合、厚み寸法が小さいダンパーパネル13iの第4前凹斜面部26d及び第4後凹斜面部27dが塑性変形することに加え、厚み寸法が中程度のダンパーパネル13gの第3前凹斜面部26c及び第3後凹斜面部27cや第2前凹斜面部26b及び第2後凹斜面部27bが塑性変形する。地震時の振動が大きい場合、厚み寸法が小さいダンパーパネル13iの第4前凹斜面部26d及び第4後凹斜面部27dが塑性変形するとともに、厚み寸法が中程度のダンパーパネル13gの第3前凹斜面部26c及び第3後凹斜面部27cや第2前凹斜面部26b及び第2後凹斜面部27bが塑性変形することに加え、厚み寸法が大きいダンパーパネル13gの第1前凹斜面部26a及び第1後凹斜面部27aが塑性変形する。
【0130】
鋼材ダンパー10Iでは、図示はしていないが、鋼材ダンパー10Iのダンパーパネル13iが塑性変形する前の第1前凹斜面部26a(第1後凹斜面部27a)~第4前凹斜面部26d(第4後凹斜面部27d)の境界線を表示した(象った)透明な塑性変形確認第3シートが事前に作られている。鋼材ダンパー10Iでは、振動(地震)の発生によってダンパーパネル13iの第1前凹斜面部~第4前凹斜面部26a~26dや第1後凹斜面部~第4後凹斜面部27a~27dが塑性変形した場合、塑性変形の度合いによっては鋼材ダンパー10Iの制震機能が失われる。地震等による振動発生後、塑性変形の度合いが大きく、制震機能が失われた鋼材ダンパー10Iは交換される。振動(地震)発生後にであっても、塑性変形の度合いが小さく、制震機能を発揮し得る状態であれば、鋼材ダンパー10Iが交換されることなく継続して使用される。
【0131】
地震等による振動発生後のダンパーパネル13iの第1前凹斜面部~第4前凹斜面部26a~26dや第1後凹斜面部~第4後凹斜面部27a~27dに生じたゆがみやひずみ、湾曲、破断、損壊等の塑性変形は、目視によって確認し、塑性変形の度合いを判断する場合、又は、第1前凹斜面部26a(第1後凹斜面部27a)~第4前凹斜面部26d(第4後凹斜面部27d)の境界線を表示した透明な塑性変形確認第3シートをダンパーパネル13iの前凹面エリア20(後凹面エリア21)に被せ、塑性変形確認第3シートに表示された境界線とダンパーパネル13iの第1前凹斜面部26a(第1後凹斜面部27a)~第4前凹斜面部26d(第4後凹斜面部27d)の境界線とを比較し、塑性変形の度合いを判断する場合がある。
【0132】
鋼材ダンパー10Iは、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパー10Iに伝わると、ダンパーパネル13iの円形(真円)に成形された第1前凹斜面部~第4前凹斜面部26a~26d(第1前凹斜面部~第n前凹斜面部)と円形(真円)に成形された第1後凹斜面部~第4後凹斜面部27a~27d(第1後凹斜面部~第n後凹斜面部)とが均一かつ確実に塑性変形し、鋼材ダンパー10Iのダンパーパネル13iに地震エネルギーを効率よく吸収させることができ、ダンパーパネル13iの第1前凹斜面部~第4前凹斜面部26a~26d及び第1後凹斜面部~第4後凹斜面部27a~27dの塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、振動(地震)による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。
【0133】
鋼材ダンパー10Iは、ダンパーパネル13iに円形(真円)の第1前凹斜面部~第4前凹斜面部26a~26d及び円形(真円)の第1後凹斜面部~第4後凹斜面部27a~27dが形成されることで、地震等による振動発生後のそれら前凹斜面部26a~26dやそれら後凹斜面部27a~27dに生じたゆがみやひずみ、湾曲、破断、損壊等の塑性変形を容易に見つけることができ、それら前凹斜面部26a~26dやそれら後凹斜面部27a~27dの変形度合いを容易に確認することができる。
【0134】
鋼材ダンパー10Iは、地震等による振動発生後に塑性変形したダンパーパネル13iの第1前凹斜面部~第4前凹斜面部26a~26d(第1前凹斜面部~第n前凹斜面部)や第1後凹斜面部~第4後凹斜面部27a~27d(第1後凹斜面部~第n後凹斜面部)の変形度合いを容易に確認することができるから、制震機能を発揮し得る状態か否かを的確に判断することができるとともに、鋼材ダンパー10Iの寿命までのエネルギー吸収能力を予測することができ、建造物の継続使用性や繰り返しの地震に対する鋼材ダンパー10Iの耐久性の判断が可能であり、むやみに交換されることはなく、無駄な廃棄を防ぐことができるとともに、制震機能を失った鋼材ダンパー10Gの交換時期の逸脱を防ぐことができる。
【0135】
鋼材ダンパー10Iでは、
図4に示す鋼材ダンパー10Bと同様に、第1前凹斜面部~第4前凹斜面部26a~26dや第1後凹斜面部~第4後凹斜面部27a~27dが上下方向へ長い楕円形に成形されていてもよく、
図12に示す鋼材ダンパー10Gと同様に、第1前凹斜面部~第4前凹斜面部26a~26dや第1後凹斜面部~第4後凹斜面部27a~27dが幅方向へ長い楕円形に成形されていてもよい。又、
図6に示す鋼材ダンパー10Cと同様に、第1前凹斜面部~第4前凹斜面部26a~26dや第1後凹斜面部~第4後凹斜面部27a~27dが幅方向へ長い小判形に成形されていてもよく、
図14に示す鋼材ダンパー10Hと同様に、第1前凹斜面部~第4前凹斜面部26a~26dや第1後凹斜面部~第4後凹斜面部27a~27dが上下方向へ長い小判形に成形されていてもよい。
【0136】
図19は、他の一例として示す鋼材ダンパー10Jの正面図であり、
図20は、
図19のH-H線矢視拡大断面図である。
図21は、
図20の部分拡大図である。
図19,20では、上下方向を矢印X、幅方向を矢印Yで示し、前後方向を矢印Zで示す。鋼材ダンパー10Jが
図1のそれと異なるところは前凹面エリア20に第1前凹斜面部~第6前凹斜面部26a~26f(第1前凹面部~第6前凹面部)が形成され、後凹面エリア21に第1後凹斜面部~第6後凹斜面部27a~27f(第1後凹面部~第6後凹面部)が形成されている点、第1前凹斜面部~第6前凹斜面部26a~26fの径方向の幅寸法が第1前凹斜面部26aから第6前凹斜面部26fに向かって次第に小さくなり、第1後凹斜面部~第6後凹斜面部27a~27fの径方向の幅寸法が第1後凹斜面部27aから第6後凹斜面部25fに向かって次第に小さくなっている点にあり、その他の構成は
図1の鋼材ダンパー10Aのそれらと同一である。
【0137】
鋼材ダンパー10Jは、第1連結パネル11及び第2連結パネル12と、第1及び第2連結パネル11,12の間に延びるダンパーパネル13jとから形成されている。第1連結パネル11や第2連結パネル12は、
図1の鋼材ダンパー10Aのそれらと同一である。ダンパーパネル13jは、その幅方向の最小長さ寸法L2が第1及び第2連結パネルのそれよりも短く、その両側縁16がダンパーパネル13hの中心(幅方向内方)に向かって弧を画き、
図1のダンパーパネル13aと同様に、両側縁16が幅方向内方へ向かって括れている。
【0138】
ダンパーパネル13jでは、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとしてダンパーパネル13jの括れた両側縁16に均等に伝わる。ダンパーパネル13jは、前面17と後面18とを有する。ダンパーパネル13jの前面17における中央域19には、前面18から後面17に向かって凹む所定面積の前凹面エリア20が作られている。ダンパーパネル13jの後面18における中央域19には、後面18から前面17に向かって凹む所定面積の後凹面エリア21が作られている。
【0139】
前凹面エリア20には、その外周縁22から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなる第1前凹面部~第6前凹面部26a~26f(第1前凹面部~第n前凹面部)が形成されている。第1前凹面部~第6前凹面部26a~26fは、前面17から後面18に向かって凹むとともに前凹面エリア20の中心に向かって(前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって)所定の角度で下り勾配に傾斜する第1前凹斜面部~第6前凹斜面部26a~26f(第1前凹斜面部~第n前凹斜面部)である。第1前凹斜面部~第5前凹斜面部26a~26eは、前面17の中央域19(前凹面エリア)20において同心円を画きつつ円輪状(円状)に延びており、第6前凹斜面部26fは、前面17の中央域19(前凹面エリア20)において同心円を画きつつ円状に延びている。
【0140】
第1前凹斜面部~第6前凹斜面部26a~26fでは、第1前凹斜面部26aのダンパーパネル13jの前面17からの凹み寸法が1番小さく、第2前凹斜面部26bのダンパーパネル13jの前面17からの凹み寸法が第1前凹斜面部26aのそれよりも大きいとともに、第3前凹斜面部26cのダンパーパネル13jの前面17からの凹み寸法が第2前凹斜面部26bのそれよりも大きい。第4前凹斜面部26dのダンパーパネル13jの前面17からの凹み寸法が第3前凹斜面部26cのそれよりも大きく、第5前凹斜面部26eのダンパーパネル13jの前面17からの凹み寸法が第4前凹斜面部26dのそれよりも大きいとともに、第6前凹斜面部26fのダンパーパネル13jの前面17からの凹み寸法が第5前凹斜面部26eのそれよりも大きい。
【0141】
第1前凹斜面部~第6前凹斜面部26a~26fは、それらの径方向の幅寸法が第1前凹斜面部26aから第6前凹斜面部26fに向かって次第に小さくなっている。第1前凹斜面部~第6前凹斜面部26a~26fでは、第1前凹斜面部26aの径方向の幅寸法が1番大きく、第2前凹斜面部26bの径方向の幅寸法が第1前凹斜面部26aのそれよりも小さいとともに、第3前凹斜面部26cの径方向の幅寸法が第2前凹斜面部26bのそれよりも小さい。第4前凹斜面部26dの径方向の幅寸法が第3前凹斜面部26cのそれよりも小さく、第5前凹斜面部26eの径方向の幅寸法が第4前凹斜面部26dのそれよりも小さいとともに、第6前凹斜面部26fの径方向の幅寸法が第5前凹斜面部26eのそれよりも小さい。
【0142】
前凹面エリア20では、第1前凹斜面部26aから第6前凹斜面部26fに向かうにつれてそれら前凹斜面部26a~26fの下り勾配に傾斜する傾斜角度が次第に小さくなっている。第1前凹斜面部~第6前凹斜面部26a~26fでは、第1前凹斜面部26aの下り勾配に傾斜する傾斜角度が1番大きく、第2前凹斜面部26bの下り勾配に傾斜する傾斜角度が第1前凹斜面部26aのそれよりも小さく、第3前凹斜面部26cの下り勾配に傾斜する傾斜角度が第2前凹斜面部26bのそれよりも小さい。第4前凹斜面部26dの下り勾配に傾斜する傾斜角度が第3前凹斜面部26cのそれよりも小さく、第5前凹斜面部26eの下り勾配に傾斜する傾斜角度が第4前凹斜面部26dのそれよりも小さいとともに、第6前凹斜面部26fの下り勾配に傾斜する傾斜角度が第5前凹斜面部26eのそれよりも小さい。
【0143】
前凹面エリア20では、その外周縁22から中心(幅方向内方)に向かって第1前凹斜面部26a→第2前凹斜面部26b→第3前凹斜面部26c→第4前凹斜面部26d→第5前凹斜面部26e→第6前凹斜面部26fの順で並んでいる。したがって、前凹面エリア20の中心に向かって(前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって)所定の角度で下り勾配に傾斜する円輪状(円状)の第1前凹斜面部26aの径方向内方に前凹面エリア20の中心に向かって(前面17(前凹面エリア20)から後面17(後凹面エリア21)に向かって)所定の角度で下り勾配に傾斜する円輪状(円状)の第2前凹斜面部26bが隣接して並び、第2前凹斜面部26bの径方向内方に前凹面エリア20の中心に向かって(前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって)所定の角度で下り勾配に傾斜する円輪状(円状)の第3前凹斜面部26cが隣接して並ぶとともに、第3前凹斜面部26cの径方向内方に前凹面エリア20の中心に向かって(前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって)所定の角度で下り勾配に傾斜する円輪状(円状)の第4前凹斜面部26dが隣接して並んでいる。
【0144】
第4前凹斜面部26dの径方向内方に前凹面エリア20の中心に向かって(前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって)所定の角度で下り勾配に傾斜する円輪状(円状)の第5前凹斜面部26eが隣接して並び、第5前凹斜面部26eの径方向内方に前凹面エリア20の中心に向かって(前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって)所定の角度で下り勾配に傾斜する円状の第6前凹斜面部26fが隣接して並んでいる。尚、前凹面エリア20には6つの前凹斜面部26a~26fが作られているが、前凹斜面部の数に特に制限はなく、4つ以下又は7つ以上の前凹斜面部が前凹面エリア20に作られていてもよい。
【0145】
後凹面エリア21には、その外周縁24から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなる第1後凹面部~第6後凹面部27a~27f(第1後凹面部~第n後凹面部)が形成されている。第1後凹面部~第6後凹面部27a~27fは、後面18から前面17に向かって凹むとともに後凹面エリア21の中心に向かって(後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって)所定の角度で下り勾配に傾斜する第1後凹斜面部~第6後凹斜面部27a~27f(第1後凹斜面部~第n後凹斜面部)である。第1後凹斜面部~第5後凹斜面部27a~27eは、後面18の中央域19(後凹面エリア21)において同心円を画きつつ円輪状(円状)に延びており、第6後凹斜面部27fは、後面18の中央域19(後凹面エリア21)において同心円を画きつつ円状に延びている。
【0146】
第1後凹斜面部~第6後凹斜面部27a~27fでは、第1後凹斜面部27aのダンパーパネル13jの後面18からの凹み寸法が1番小さく、第2後凹斜面部27bのダンパーパネル13jの後面18からの凹み寸法が第1後凹斜面部27aのそれよりも大きいとともに、第3後凹斜面部27cのダンパーパネル13jの後面18からの凹み寸法が第2後凹斜面部27bのそれよりも大きい。第4後凹斜面部27dのダンパーパネル13jの後面18からの凹み寸法が第3後凹斜面部27cのそれよりも大きく、第5後凹斜面部27eのダンパーパネル13jの後面18からの凹み寸法が第4後凹斜面部27dのそれよりも大きいとともに、第6後凹斜面部27fのダンパーパネル13jの後面18からの凹み寸法が第5後凹斜面部27eのそれよりも大きい。
【0147】
第1後凹斜面部~第6後凹斜面部27a~27fは、それらの径方向の幅寸法が第1後凹斜面部27aから第6後凹斜面部27fに向かって次第に小さくなっている。第1後凹斜面部~第6後凹斜面部27a~27fでは、第1後凹斜面部27aの径方向の幅寸法が1番大きく、第2後凹斜面部27bの径方向の幅寸法が第1後凹斜面部27aのそれよりも小さいとともに、第3後凹斜面部27cの径方向の幅寸法が第2後凹斜面部27bのそれよりも小さい。第4後凹斜面部27dの径方向の幅寸法が第3後凹斜面部27cのそれよりも小さく、第5後凹斜面部27eの径方向の幅寸法が第4後凹斜面部27dのそれよりも小さいとともに、第6後凹斜面部27fの径方向の幅寸法が第5後凹斜面部27eのそれよりも小さい。
【0148】
後凹面エリア21は、第1後凹斜面部27aから第6後凹斜面部27fに向かうにつれてそれら後凹斜面部27a~27fの下り勾配に傾斜する傾斜角度が次第に小さくなっている。第1後凹斜面部~第6後凹斜面部27a~27fでは、第1後凹斜面部27aの下り勾配に傾斜する傾斜角度が1番大きく、第2後凹斜面部27bの下り勾配に傾斜する傾斜角度が第1後凹斜面部27aのそれよりも小さく、第3後凹斜面部27cの下り勾配に傾斜する傾斜角度が第2後凹斜面部27bのそれよりも小さい。第4後凹斜面部27dの下り勾配に傾斜する傾斜角度が第3後凹斜面部27cのそれよりも小さく、第5後凹斜面部27eの下り勾配に傾斜する傾斜角度が第4後凹斜面部27dのそれよりも小さいとともに、第6後凹斜面部27fの下り勾配に傾斜する傾斜角度が第5後凹斜面部27eのそれよりも小さい。
【0149】
後凹面エリア21では、その外周縁24から中心(幅方向内方)に向かって第1後凹斜面部27a→第2後凹斜面部27b→第3後凹斜面部27c→第4後凹斜面部27d→第5後凹斜面部27e→第6後凹斜面部27fの順で並んでいる。したがって、後凹面エリア21の中心に向かって(後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって)所定の角度で下り勾配に傾斜する円輪状(円状)の第1後凹斜面部27aの径方向内方に後凹面エリア21の中心に向かって(後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって)所定の角度で下り勾配に傾斜する円輪状(円状)の第2後凹斜面部27bが隣接して並び、第2後凹斜面部27bの径方向内方に後凹面エリア21の中心に向かって(後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって)所定の角度で下り勾配に傾斜する円輪状(円状)の第3後凹斜面部27cが隣接して並ぶとともに、第3後凹斜面部27cの径方向内方に後凹面エリア21の中心に向かって(後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって)所定の角度で下り勾配に傾斜する円輪状(円状)の第4後凹斜面部27dが隣接して並んでいる。
【0150】
第4後凹斜面部27dの径方向内方に後凹面エリア21の中心に向かって(後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって)所定の角度で下り勾配に傾斜する円輪状(円状)の第5後凹斜面部27eが隣接して並び、第5後凹斜面部27eの径方向内方に後凹面エリア21の中心に向かって(後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって)所定の角度で下り勾配に傾斜する円状の第6後凹斜面部27fが隣接して並んでいる。尚、後凹面エリア21には6つの後凹斜面部27a~27fが作られているが、後凹斜面部の数に特に制限はなく、4つ以下又は7つ以上の後凹斜面部が後凹面エリア21に作られていてもよい。
【0151】
前凹面エリア20と後凹面エリア21とは、互いに同形同大であってダンパーパネル13jの前後方向へ対称形に並んでいる。したがって、第1前凹斜面部26aと第1後凹斜面部27aとが同形同大であってダンパーパネル13jの前後方向へ対称形に並び、第2後凹斜面部26bと第2後凹斜面部27bとが同形同大であってダンパーパネル13jの前後方向へ対称形に並んでいるとともに、第3前凹斜面部26cと第3後凹斜面部27cとが同形同大であってダンパーパネル13jの前後方向へ対称形に並んでいる。第4前凹斜面部26dと第4後凹斜面部27dとが同形同大であってダンパーパネル13jの前後方向へ対称形に並び、第5前凹斜面部26eと第5後凹斜面部27eとが同形同大であってダンパーパネル13jの前後方向へ対称形に並んでいるとともに、第6前凹斜面部16fと第6後凹斜面部27fとが同形同大であってダンパーパネル13jの前後方向へ対称形に並んでいる。
【0152】
ダンパーパネル13jでは、第1前凹斜面部26a及び第1後凹斜面部27aにおけるダンパーパネル13jの厚み寸法が1番大きく、第2前凹斜面部26b及び第2後凹斜面部27bにおけるダンパーパネル13jの厚み寸法が第1前凹斜面部26a及び第1後凹斜面部27aにおけるダンパーパネル13jのそれよりも小さく、第3前凹斜面部26c及び第3後凹斜面部27cにおけるダンパーパネル13jの厚み寸法が第2前凹斜面部26b及び第2後凹斜面部27bにおけるダンパーパネル13jのそれよりも小さいとともに、第4前凹斜面部26d及び第4後凹斜面部27dにおけるダンパーパネル13jの厚み寸法が第3前凹斜面部26c及び第3後凹斜面部27cにおけるダンパーパネル13jのそれよりも小さい。第5前凹斜面部26e及び第5後凹斜面部27eにおけるダンパーパネル13jの厚み寸法が第4前凹斜面部26d及び第4後凹斜面部27dにおけるダンパーパネル13jのそれよりも小さく、第6前凹斜面部27f及び第6後凹斜面部27fにおけるダンパーパネル13jの厚み寸法が第5前凹斜面部26e及び第5後凹斜面部27eにおけるダンパーパネル13jのそれよりも小さいとともに、第6前凹斜面部26f及び第6後凹斜面部27fにおけるダンパーパネル13jの厚み寸法が1番小さい。
【0153】
尚、鋼材ダンパー10Jでは、第1前凹斜面部26a及び第1後凹斜面部27aにおけるダンパーパネル13jの厚み寸法(第1前凹斜面部26aと第1後凹斜面部27aとの間の前後方向の厚み寸法)、第2前凹斜面部26b及び第2後凹斜面部27bにおけるダンパーパネル13jの厚み寸法(第2前凹斜面部26bと第2後凹斜面部27bとの間の前後方向の厚み寸法)、第3前凹斜面部26c及び第3後凹斜面部27cにおけるダンパーパネル13jの厚み寸法(第3前凹斜面部26cと第3後凹斜面部27cとの間の前後方向の厚み寸法)、第4前凹斜面部26d及び第4後凹斜面部27dにおけるダンパーパネル13jの厚み寸法(第4前凹斜面部26dと第4後凹斜面部27dとの間の前後方向の厚み寸法)、第5前凹斜面部26e及び第5後凹斜面部27eにおけるダンパーパネル13jの厚み寸法(第5前凹斜面部26eと第5後凹斜面部27eとの間の前後方向の厚み寸法)、第6前凹斜面部26f及び第6後凹斜面部27fにおけるダンパーパネル13jの厚み寸法(第6前凹斜面部26fと第6後凹斜面部27fとの間の前後方向の厚み寸法)を自由に設定することができ(たとえば、5mm~50mmの範囲)、その減衰力(振動(地震)抵抗力)を50kN~3000kNの範囲で任意に設定することができる。
【0154】
鋼材ダンパー10Jは、地震等による振動発生時に建造物の第1構造部材(上部構造部材又は第1側部構造部材)と第2構造部材(下部構造部材又は第2側部構造部材)との相対変位によってダンパーパネル13jの円形(真円)に成形された第1前凹斜面部~第6前凹斜面部26a~26f(第1前凹斜面部~第n前凹斜面部)や円形(真円)に成形された第1後凹斜面部~第6後凹斜面部27a~27f(第1後凹斜面部~第n後凹斜面部)が塑性変形することで制震機能を発揮する。たとえば、振動(地震)時の振動が小さい場合、厚み寸法が小さいダンパーパネル13jの第6前凹斜面部26f及び第6後凹斜面部27fや第5前凹斜面部26e及び第5後凹斜面部27eが塑性変形し、振動(地震)時の振動が中程度の場合、厚み寸法が小さいダンパーパネル13jの第6前凹斜面部26f及び第6後凹斜面部27fや第5前凹斜面部26e及び第5後凹斜面部27eが塑性変形することに加え、厚み寸法が中程度のダンパーパネル13hの第4前凹斜面部26d及び第4後凹斜面部27dや第3前凹斜面部26c及び第3後凹斜面部27cが塑性変形する。振動(地震)時の振動が大きい場合、厚み寸法が小さいダンパーパネル13jの第6前凹斜面部26f及び第6後凹斜面部27fや第5前凹斜面部26e及び第5後凹斜面部27eが塑性変形するとともに、厚み寸法が中程度のダンパーパネル13hの第4前凹斜面部26d及び第4後凹斜面部27dや第3前凹斜面部26c及び第3後凹斜面部27cが塑性変形することに加え、厚み寸法が大きいダンパーパネル13hの第2前凹斜面部26b及び第2後凹斜面部27bや第1前凹斜面部26a及び第1後凹斜面部27aが塑性変形する。
【0155】
鋼材ダンパー10Jでは、図示はしていないが、鋼材ダンパー10Jのダンパーパネル13jが塑性変形する前の第1前凹斜面部26a(第1後凹斜面部27a)~第6前凹斜面部26f(第6後凹斜面部27f)の境界線を表示した(象った)透明な塑性変形確認第4シートが事前に作られている。鋼材ダンパー10Jでは、振動(地震)の発生によってダンパーパネル13jの円形(真円)に成形された第1前凹斜面部~第6前凹斜面部26a~26fや円形(真円)に成形された第1後凹斜面部~第6後凹斜面部27a~27fが塑性変形した場合、塑性変形の度合いによっては鋼材ダンパー10Jの制震機能が失われる。振動(地震)発生後、塑性変形の度合いが大きく、制震機能が失われた鋼材ダンパー10Jは交換される。振動(地震)発生後にであっても、塑性変形の度合いが小さく、制震機能を発揮し得る状態であれば、鋼材ダンパー10Jが交換されることなく継続して使用される。
【0156】
地震等による振動発生後のダンパーパネル13jの第1前凹斜面部~第6前凹斜面部26a~26fや第1後凹斜面部~第6後凹斜面部27a~27fに生じたゆがみやひずみ、湾曲、破断、損壊等の塑性変形は、目視によって確認し、塑性変形の度合いを判断する場合、又は、第1前凹斜面部26a(第1後凹斜面部27a)~第6前凹斜面部26f(第6後凹斜面部27f)の境界線を表示した透明な塑性変形確認第4シートをダンパーパネル13jの前凹面エリア20(後凹面エリア21)に被せ、塑性変形確認第4シートに表示された境界線とダンパーパネル13jの第1前凹斜面部26a(第1後凹斜面部27a)~第6前凹斜面部26f(第6後凹斜面部27f)の境界線とを比較し、塑性変形の度合いを判断する場合がある。
【0157】
鋼材ダンパー10Jは、径方向の幅寸法が第1前凹斜面部26aから第6前凹斜面部26f(第n前凹斜面部)に向かって次第に小さくなり、第1後凹斜面部27aから第6後凹斜面部27f(第n後凹斜面部)に向かって次第に小さくなることで、最も塑性変形し易いダンパーパネル13jの中央に前凹斜面部や後凹斜面部が多く形成され、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパーに伝わると、ダンパーパネル13jの円形(真円)に成形された第1前凹斜面部~第6前凹斜面部26a~26f(第1前凹斜面部~第n前凹斜面部)と円形(真円)に成形された第1後凹斜面部~第6後凹斜面部27a~27f(第1後凹斜面部~第n後凹斜面部)とが均一かつ確実に塑性変形し、鋼材ダンパー10Jのダンパーパネル13jに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、ダンパーパネル13jの第1前凹斜面部~第6前凹斜面部26a~26f及び第1後凹斜面部~第6後凹斜面部27a~27fの塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、振動(地震)による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。
【0158】
鋼材ダンパー10Jは、ダンパーパネル13jに円形(真円)の第1前凹斜面部~第6前凹斜面部26a~26f及び円形(真円)の第1後凹斜面部~第6後凹斜面部27a~27fが形成されることで、地震等による振動発生後のそれら前凹斜面部26a~26fやそれら後凹斜面部27a~27fに生じたゆがみやひずみ、湾曲、破断、損壊等の塑性変形を容易に見つけることができ、それら前凹斜面部26a~26fやそれら後凹斜面部27a~27fの変形度合いを容易に確認することができる。
【0159】
鋼材ダンパー10Jは、地震等の振動発生後に塑性変形したダンパーパネル13jの円形(真円)に成形された第1前凹斜面部~第6前凹斜面部26a~26f(第1前凹斜面部~第n前凹斜面部)や円形(真円)に成形された第1後凹斜面部~第6後凹斜面部27a~27f(第1後凹斜面部~第n後凹斜面部)の変形度合いを容易に確認することができるから、制震機能を発揮し得る状態か否かを的確に判断することができるとともに、鋼材ダンパー10Jの寿命までのエネルギー吸収能力を予測することができ、建造物の継続使用性や繰り返しの地震に対する鋼材ダンパー10Jの耐久性の判断が可能であり、むやみに交換されることはなく、無駄な廃棄を防ぐことができるとともに、制震機能を失った鋼材ダンパー10Jの交換時期の逸脱を防ぐことができる。
【0160】
鋼材ダンパー10Jでは、
図4に示す鋼材ダンパー10Bと同様に、第1前凹斜面部~第6前凹斜面部26a~26fや第1後凹斜面部~第6後凹斜面部27a~27fが上下方向へ長い楕円形に成形されていてもよく、
図12に示す鋼材ダンパー10Gと同様に、第1前凹斜面部~第6前凹斜面部26a~26fや第1後凹斜面部~第6後凹斜面部27a~27fが幅方向へ長い楕円形に成形されていてもよい。又、
図6に示す鋼材ダンパー10Cと同様に、第1前凹斜面部~第6前凹斜面部26a~26fや第1後凹斜面部~第6後凹斜面部27a~27fが幅方向へ長い小判形に成形されていてもよく、
図14に示す鋼材ダンパー10Hと同様に、第1前凹斜面部~第6前凹斜面部26a~26fや第1後凹斜面部~第6後凹斜面部27a~27fが上下方向へ長い小判形に成形されていてもよい。
【0161】
鋼材ダンパー10Jでは、
図10に示す鋼材ダンパー10Eと同様に、第1前凹斜面部~第6前凹斜面部26a~26f(第1前凹斜面部~第n前凹斜面部)の径方向の幅寸法が第1前凹斜面部26aから第6前凹斜面部26」fに向かって次第に大きくなっていてもよく、第1後凹斜面部~第6後凹斜面部27a~27f(第1後凹斜面部~第n後凹斜面部)の径方向の幅寸法が第1後凹斜面部27aから第6後凹斜面部27fに向かって次第に大きくなっていてもよい。鋼材ダンパー10Jでは、
図11に示す鋼材ダンパー10Fと同様に、第1前凹斜面部~第6前凹斜面部26a~26f(第1前凹斜面部~第n前凹斜面部)の径方向の幅寸法が第1前凹斜面部~第6前凹斜面部26a~26fにおいてランダム(任意)に設定されていてもよく、第1後凹斜面部~第6後凹斜面部27a~27f(第1後凹曲面部~第n後凹曲面部)の径方向の幅寸法が第1後凹斜面部~第6後凹斜面部27a~27fにおいてランダム(任意)に設定されていてもよい。
【0162】
図22は、他の一例として示す鋼材ダンパー10Kの正面図であり、
図23は、
図22のI-I線矢視拡大断面図である。
図22,23では、上下方向を矢印X、幅方向を矢印Yで示し、前後方向を矢印Zで示す。鋼材ダンパー10Kが
図1のそれと異なるところは前凹面エリア20に第1前凹平坦面部~第4前凹平坦面部28a~28d(第1前凹面部~第4前凹面部)が形成され、後凹面エリア21に第1後凹平坦面部~第4後凹平坦面部29a~29d(第1後凹面部~第4後凹面部)が形成されている点にあり、その他の構成は
図1の鋼材ダンパー10Aのそれらと同一である。
【0163】
鋼材ダンパー10Kは、第1連結パネル11及び第2連結パネル12と、第1及び第2連結パネル11,12の間に延びるダンパーパネル13kとから形成されている。第1連結パネル11や第2連結パネル12は、
図1の鋼材ダンパー10Aのそれらと同一である。ダンパーパネル13kは、その幅方向の最小長さ寸法L2が第1及び第2連結パネルのそれよりも短く、その両側縁16がダンパーパネル13kの中心(幅方向内方)に向かって弧を画き、
図1のダンパーパネル13aと同様に、両側縁16が幅方向内方へ向かって括れている。
【0164】
ダンパーパネル13kでは、振動(地震)発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとしてダンパーパネル13kの括れた両側縁16に均等に伝わる。ダンパーパネル13kは、前面17と後面18とを有する。ダンパーパネル13kの前面17における中央域19には、前面17から後面18に向かって凹む所定面積の前凹面エリア20が作られている。ダンパーパネル13kの後面18における中央域19には、後面18から前面17に向かって凹む所定面積の後凹面エリア21が作られている。
【0165】
前凹面エリア20には、その外周縁22から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなる第1前凹面部~第4前凹面部28a~28d(第1前凹面部~第n前凹面部)が形成されている。第1前凹面部~第4前凹面部28a~28dは、前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって凹むとともに第1前凹面部~第4前凹面部28a~28dを除くダンパーパネル13kの前面17と並行する第1前凹平坦面部~第6前凹平坦面部28a~28d(第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部)である。第1前凹平坦面部~第3前凹平坦面部28a~28cは、前面17の中央域19(前凹面エリア20)において同心円を画きつつ円輪状(円状)に延びており、第4前凹平坦面部28dは、前面17の中央域19(前凹面エリア20)において同心円を画きつつ円状に延びている。
【0166】
第1前凹平坦面部~第4前凹平坦面部28a~28dは、その径方向の幅寸法が同一である。第1前凹平坦面部~第4前凹平坦面部28a~28dでは、第1前凹平坦面部28aのダンパーパネル13kの前面17からの凹み寸法が1番小さく、第2前凹平坦面部28bのダンパーパネル13kの前面17からの凹み寸法が第1前凹平坦面部28aのそれよりも大きく、第3前凹平坦面部28cのダンパーパネル13kの前面17からの凹み寸法が第2前凹平坦面部28bのそれよりも大きいとともに、第4前凹平坦面部28dのダンパーパネル13kの前面17からの凹み寸法が第3前凹平坦面部28cのそれよりも大きい。
【0167】
前凹面エリア20では、その外周縁22から中心(幅方向内方)に向かって第1前凹平坦面部28a→第2前凹平坦面部28b→第3前凹平坦面部28c→第4前凹平坦面部28dの順で並んでいる。したがって、前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって凹みつつそれら前凹面部を除くダンパーパネル13kの前面17と並行する円輪状(円状)の第1前凹平坦面部28aの径方向内方に前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって凹みつつ前凹面部を除くダンパーパネル13kの前面17と並行する円輪状(円状)の第2前凹平坦面部28bが隣接して並び、第2前凹平坦面部28bの径方向内方に前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって凹みつつそれら前凹面部を除くダンパーパネル13kの前面17と並行する円輪状(円状)の第3前凹平坦面部28cが隣接して並ぶとともに、第3前凹平坦面部28cの径方向内方に前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって凹みつつそれら前凹面部を除くダンパーパネル13kの前面17と並行する円状の第4前凹平坦面部28dが隣接して並んでいる。尚、前凹面エリア20には4つの前凹平坦面部28a~28dが作られているが、前凹平坦面部の数に特に制限はなく、5つ以上の前凹平坦面部が前凹面エリア20に作られていてもよい。
【0168】
後凹面エリア21には、その外周縁24から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなる第1後凹面部~第4後凹面部29a~29d(第1後凹面部~第n後凹面部)が形成されている。第1後凹面部~第4後凹面部29a~29dは、後面18から前面17に向かって凹むとともに第1後凹面部~第4後凹面部29a~29dを除くダンパーパネル13kの後面18と並行する第1後凹平坦面部~第6後凹平坦面部29a~29d(第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部)である。第1後凹平坦面部~第3後凹平坦面部29a~29cは、後面18の中央域19(後凹面エリア21)において同心円を画きつつ円輪状(円状)に延びており、第4後凹平坦面部29dは、後面18の中央域19(後凹面エリア21)において同心円を画きつつ円状に延びている。
【0169】
第1後凹平坦面部~第4後凹平坦面部29a~29dは、その径方向の幅寸法が同一である。第1後凹平坦面部~第4後凹平坦面部29a~29dでは、第1後凹平坦面部29aのダンパーパネル13kの後面18からの凹み寸法が1番小さく、第2後凹平坦面部29bのダンパーパネル13kの後面18からの凹み寸法が第1後凹平坦面部29aのそれよりも大きく、第3後凹平坦面部29cのダンパーパネル13kの後面18からの凹み寸法が第2後凹平坦面部29bのそれよりも大きいとともに、第4後凹平坦面部29dのダンパーパネル13kの後面18からの凹み寸法が第3後凹平坦面部29cのそれよりも大きい。
【0170】
後凹面エリア21では、その外周縁24から中心(幅方向内方)に向かって第1後凹平坦面部29a→第2後凹平坦面部29b→第3後凹平坦面部29c→第4後凹平坦面部29dの順で並んでいる。したがって、後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって凹みつつそれら後凹面部を除くダンパーパネル13kの後面18と並行する円輪状(円状)の第1後凹平坦面部29aの径方向内方に後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって凹みつつ後凹面部を除くダンパーパネル13kの後面18と並行する円輪状(円状)の第2後凹平坦面部29bが隣接して並び、第2後凹平坦面部29bの径方向内方に後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって凹みつつそれら後凹面部を除くダンパーパネル13kの後面18と並行する円輪状(円状)の第3後凹平坦面部29cが隣接して並ぶとともに、第3後凹平坦面部29cの径方向内方に後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって凹みつつそれら後凹面部を除くダンパーパネル13kの後面18と並行する円状の第4後凹平坦面部29dが隣接して並んでいる。尚、後凹面エリア21には4つの後凹平坦面部29a~29dが作られているが、後凹平坦面部の数に特に制限はなく、5つ以上の後凹平坦面部が後凹面エリア21に作られていてもよい。
【0171】
前凹面エリア20と後凹面エリア21とは、互いに同形同大であってダンパーパネル13kの前後方向へ対称形に並んでいる。したがって、第1前凹平坦面部28aと第1後凹平坦面部29aとが同形同大であってダンパーパネル13kの前後方向へ対称形に並び、第2前凹平坦面部28bと第2後凹平坦面部29bとが同形同大であってダンパーパネル13kの前後方向へ対称形に並んでいる。第3前凹平坦面部28cと第3後凹平坦面部29cとが同形同大であってダンパーパネル13kの前後方向へ対称形に並び、第4前凹平坦面部28dと第4後凹平坦面部29dとが同形同大であってダンパーパネル13kの前後方向へ対称形に並んでいる。
【0172】
ダンパーパネル13kでは、第1前凹平坦面部28a及び第1後凹平坦面部29aにおけるダンパーパネル13kの厚み寸法が1番大きく、第2前凹平坦面部28b及び第2後凹平坦面部29bにおけるダンパーパネル13kの厚み寸法が第1前凹平坦面部28a及び第1後凹平坦面部29aにおけるダンパーパネル13kのそれよりも小さい。第3前凹平坦面部28c及び第3後凹平坦面部29cにおけるダンパーパネル13kの厚み寸法が第2前凹平坦面部28b及び第2後凹平坦面部29bにおけるダンパーパネル13kのそれよりも小さく、第4前凹平坦面部28d及び第4後凹平坦面部29dにおけるダンパーパネル13kの厚み寸法が第3前凹平坦面部28c及び第3後凹平坦面部29cにおけるダンパーパネル13kのそれよりも小さいとともに、第4前凹平坦面部28d及び第4後凹平坦面部29dにおけるダンパーパネル13kの厚み寸法が1番小さい。
【0173】
尚、鋼材ダンパー10Kでは、第1前凹平坦面部28a及び第1後凹平坦面部29aにおけるダンパーパネル13kの厚み寸法(第1前凹平坦面部28aと第1後凹平坦面部29aとの間の前後方向の厚み寸法)、第2前凹平坦面部28b及び第2後凹平坦面部29bにおけるダンパーパネル13kの厚み寸法(第2前凹平坦面部28bと第2後凹平坦面部29bとの間の前後方向の厚み寸法)、第3前凹平坦面部28c及び第3後凹平坦面部29cにおけるダンパーパネル13kの厚み寸法(第3前凹平坦面部28cと第3後凹平坦面部29cとの間の前後方向の厚み寸法)、第4前凹平坦面部28d及び第4後凹平坦面部29dにおけるダンパーパネル13kの厚み寸法(第4前凹平坦面部28dと第4後凹平坦面部29dとの間の前後方向の厚み寸法)を自由に設定することができ(たとえば、5mm~50mmの範囲)、その減衰力(振動(地震)抵抗力)を50kN~3000kNの範囲で任意に設定することができる。
【0174】
鋼材ダンパー10Kは、地震等による振動発生時に建造物の第1構造部材(上部構造部材又は第1側部構造部材)と第2構造部材(下部構造部材又は第2側部構造部材)との相対変位によってダンパーパネル13kの第1前凹平坦面部~第4前凹平坦面部28a~28d(第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部)や第1後凹平坦面部~第4後凹平坦面部29a~29d(第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部)が塑性変形することで制震機能を発揮する。たとえば、振動(地震)時の振動が小さい場合、厚み寸法が小さいダンパーパネル13kの第4前凹平坦面部28d及び第4後凹平坦面部29dが塑性変形し、振動(地震)時の振動が中程度の場合、厚み寸法が小さいダンパーパネル13kの第4前凹平坦面部28d及び第4後凹平坦面部29dが塑性変形することに加え、厚み寸法が中程度のダンパーパネル13iの第3前凹平坦面部28c及び第3後凹平坦面部29cや第2前凹平坦面部28b及び第2後凹平坦面部28dが塑性変形する。振動(地震)時の振動が大きい場合、厚み寸法が小さいダンパーパネル13kの第4前凹平坦面部28d及び第4後凹平坦面部29dが塑性変形するとともに、厚み寸法が中程度のダンパーパネル13iの第3前凹平坦面部28c及び第3後凹平坦面部29cや第2前凹平坦面部28b及び第2後凹平坦面部28dが塑性変形することに加え、厚み寸法が大きいダンパーパネル13iの第1前凹平坦面部28a及び第1後凹平坦面部29aが塑性変形する。
【0175】
鋼材ダンパー10Kでは、図示はしていないが、鋼材ダンパー10Kのダンパーパネル13kが塑性変形する前の第1前凹平坦面部28a(第1後凹平坦面部29a)~第4前凹平坦面部28d(第4後凹平坦面部29d)の境界線を表示した(象った)透明な塑性変形確認第5シートが事前に作られている。鋼材ダンパー10Kでは、振動(地震)の発生によってダンパーパネル13kの第1前凹平坦面部~第4前凹平坦面部28a~28dや第1後凹平坦面部~第4後凹平坦面部29a~29dが塑性変形した場合、塑性変形の度合いによっては鋼材ダンパー10Kの制震機能が失われる。振動(地震)発生後、塑性変形の度合いが大きく、制震機能が失われた鋼材ダンパー10Kは交換される。地震発生後にであっても、塑性変形の度合いが小さく、制震機能を発揮し得る状態であれば、鋼材ダンパー10Kが交換されることなく継続して使用される。
【0176】
地震等による振動発生後のダンパーパネル13kの円形(真円)に成形された第1前凹平坦面部~第4前凹平坦面部28a~28dや円形(真円)に成形された第1後凹平坦面部~第4後凹平坦面部29a~29dに生じたゆがみやひずみ、湾曲、破断、損壊等の塑性変形は、目視によって確認し、塑性変形の度合いを判断する場合、又は、第1前凹平坦面部28a(第1後凹平坦面部29a)~第4前凹平坦面部28d(第4後凹平坦面部29d)の境界線を表示した透明な塑性変形確認第5シートをダンパーパネル13kの前凹面エリア20(後凹面エリア21)に被せ、塑性変形確認第5シートに表示された境界線とダンパーパネル13iの第1前凹平坦面部28a(第1後凹平坦面部29a)~第4前凹平坦面部28d(第4後凹平坦面部29d)の境界線とを比較し、塑性変形の度合いを判断する場合がある。
【0177】
鋼材ダンパー10Kは、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパー10Kに伝わると、ダンパーパネル13kの円形(真円)に成形された第1前凹平坦面部~第4前凹平坦面部28a~28d(第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部)と円形(真円)に成形された第1後凹平坦面部~第4後凹平坦面部29a~29d(第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部)とが均一かつ確実に塑性変形し、鋼材ダンパー10Kのダンパーパネル13kに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、ダンパーパネル13kの第1前凹平坦面部~第4前凹平坦面部28a~28d及び第1後凹平坦面部~第4後凹平坦面部29a~29dの塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、振動(地震)による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。
【0178】
鋼材ダンパー10Kは、ダンパーパネル13kに円形(真円)の第1前凹平坦面部~第4前凹平坦面部28a~28d及び円形(真円)の第1後凹平坦面部~第4後凹平坦面部29a~29dが形成されることで、地震等による振動発生後のそれら前凹平坦面部28a~28dやそれら後凹平坦面部29a~29dに生じたゆがみやひずみ、湾曲、破断、損壊等の塑性変形を容易に見つけることができ、それら前凹平坦面部28a~28dやそれら後凹平坦面部29a~29dの変形度合いを容易に確認することができる。
【0179】
鋼材ダンパー10Kは、地震等による振動発生後に塑性変形したダンパーパネル13kの円形(真円)に成形された第1前凹平坦面部~第4前凹平坦面部28a~28d(第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部)や円形(真円)に成形された第1後凹平坦面部~第4後凹平坦面部29a~29d(第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部)の変形度合いを容易に確認することができるから、制震機能を発揮し得る状態か否かを的確に判断することができ、鋼材ダンパー10Kの寿命までのエネルギー吸収能力を予測することができ、建造物の継続使用性や繰り返しの地震に対する鋼材ダンパー10Kの耐久性の判断が可能であり、むやみに交換されることはなく、無駄な廃棄を防ぐことができるとともに、制震機能を失った鋼材ダンパー10Iの交換時期の逸脱を防ぐことができる。
【0180】
鋼材ダンパー10Kでは、
図4に示す鋼材ダンパー10Bと同様に、第1前凹平坦面部~第4前凹平坦面部28a~28dや第1後凹平坦面部~第4後凹平坦面部29a~29dが上下方向へ長い楕円形に成形されていてもよく、
図12に示す鋼材ダンパー10Gと同様に、第1前凹平坦面部~第4前凹平坦面部28a~28dや第1後凹平坦面部~第4後凹平坦面部29a~29dが幅方向へ長い楕円形に成形されていてもよい。又、
図6に示す鋼材ダンパー10Cと同様に、第1前凹平坦面部~第4前凹平坦面部28a~28dや第1後凹平坦面部~第4後凹平坦面部29a~29dが幅方向へ長い小判形に成形されていてもよく、
図14に示す鋼材ダンパー10Fと同様に、第1前凹平坦面部~第4前凹平坦面部28a~28dや第1後凹平坦面部~第4後凹平坦面部29a~29dが上下方向へ長い小判形に成形されていてもよい。
【0181】
図24は、他の一例として示す鋼材ダンパー10Lの正面図であり、
図25は、
図24のJ-J線矢視拡大断面図である。
図24,25では、上下方向を矢印X、幅方向を矢印Yで示し、前後方向を矢印Zで示す。鋼材ダンパー10Lが
図1のそれと異なるところは前凹面エリア20に第1前凹平坦面部~第6前凹平坦面部28a~28f(第1前凹面部~第6前凹面部)が形成され、後凹面エリア21に第1後凹平坦面部~第6後凹平坦面部29a~29f(第1後凹面部~第6後凹面部)が形成されている点、第1前凹平坦面部~第6前凹平坦面部28a~28fの径方向の幅寸法が第1前凹平坦面部28aから第6前凹平坦面部28fに向かって次第に小さくなり、 第1後凹平坦面部~第6後凹平坦面部29a~29fの径方向の幅寸法が第1後凹平坦面部29aから第6後凹平坦面部29fに向かって次第に小さくなっている点にある。その他の構成は
図1の低降状点鋼材製鋼材ダンパー10Aのそれらと同一である。
【0182】
鋼材ダンパー10Lは、第1連結パネル11及び第2連結パネル12と、第1及び第2連結パネル11,12の間に延びるダンパーパネル13lとから形成されている。第1連結パネル11や第2連結パネル12は、
図1の鋼材ダンパー10Aのそれらと同一である。ダンパーパネル13lは、その幅方向の最小長さ寸法L2が第1及び第2連結パネルのそれよりも短く、その両側縁16がダンパーパネル13lの中心(幅方向内方)に向かって弧を画き、
図1のダンパーパネル13aと同様に、両側縁16が幅方向内方へ向かって括れている。
【0183】
ダンパーパネル13lでは、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとしてダンパーパネル13lの括れた両側縁16に均等に伝わる。ダンパーパネル13lは、前面17と後面18とを有する。ダンパーパネル13lの前面17における中央域19には、前面17から後面18に向かって凹む所定面積の前凹面エリア20が作られている。ダンパーパネル13lの後面18における中央域19には、後面18から前面17に向かって凹む所定面積の後凹面エリア21が作られている。
【0184】
前凹面エリア20には、その外周縁22から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなる第1前凹面部~第6前凹面部28a~28f(第1前凹面部~第n前凹面部)が形成されている。第1前凹面部~第6前凹面部28a~28fは、前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって凹むとともに第1前凹面部~第6前凹面部28a~28fを除くダンパーパネル13lの前面17と並行する第1前凹平坦面部~第6前凹平坦面部28a~28f(第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部)である。第1前凹平坦面部~第5前凹平坦面部28a~28eは、前面17の中央域19(前凹面エリア20)において同心円を画きつつ円輪状(円状)に延びており、第6前凹平坦面部28fは、前面17の中央域19(前凹面エリア20)において同心円を画きつつ円状に延びている。
【0185】
第1前凹平坦面部~第6前凹平坦面部28a~28fでは、第1前凹平坦面部28aのダンパーパネル13lの前面17からの凹み寸法が1番小さく、第2前凹平坦面部28bのダンパーパネル13lの前面17からの凹み寸法が第1前凹平坦面部28aのそれよりも大きいとともに、第3前凹平坦面部28cのダンパーパネル13lの前面17からの凹み寸法が第2前凹平坦面部28bのそれよりも大きい。第4前凹平坦面部28dのダンパーパネル13lの前面17からの凹み寸法が第3前凹平坦面部28cのそれよりも大きく、第5前凹平坦面部28eのダンパーパネル13lの前面17からの凹み寸法が第4前凹平坦面部28dのそれよりも大きいとともに、第6前凹平坦面部28fのダンパーパネル13lの前面17からの凹み寸法が第5前凹平坦面部28eのそれよりも大きい。
【0186】
第1前凹平坦面部~第6前凹平坦面部28a~28fは、それらの径方向の幅寸法が第1前凹平坦面部28aから第6前凹平坦面部28fに向かって次第に小さくなっている。第1前凹平坦面部~第6前凹平坦面部28a~28fでは、第1前凹平坦面部28aの径方向の幅寸法が1番大きく、第2前凹平坦面部28bの径方向の幅寸法が第1前凹平坦面部28aのそれよりも小さいとともに、第3前凹平坦面部28cの径方向の幅寸法が第2前凹平坦面部28bのそれよりも小さい。第4前凹平坦面部28dの径方向の幅寸法が第3前凹平坦面部28cのそれよりも小さく、第5前凹平坦面部28eの径方向の幅寸法が第4前凹平坦面部28dのそれよりも小さいとともに、第6前凹平坦面部28fの径方向の幅寸法が第5前凹平坦面部28eのそれよりも小さい。
【0187】
前凹面エリア20では、その外周縁22から中心(幅方向内方)に向かって第1前凹平坦面部28a→第2前凹平坦面部28b→第3前凹平坦面部28c→第4前凹平坦面部28d→第5前凹平坦面部28e→第6前凹平坦面部28fの順で並んでいる。したがって、前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって凹みつつそれら前凹面部を除くダンパーパネル13lの前面17と並行する円輪状(円状)の第1前凹平坦面部28aの径方向内方に前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって凹みつつそれら前凹面部を除くダンパーパネル13lの前面17と並行する円輪状(円状)の第2前凹平坦面部28bが隣接して並び、第2前凹平坦面部28bの径方向内方に前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって凹みつつそれら前凹面部を除くダンパーパネル13lの前面17と並行する円輪状(円状)の第3前凹平坦面部28cが隣接して並ぶとともに、第3前凹平坦面部28cの径方向内方に前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって凹みつつそれら前凹面部を除くダンパーパネル13lの前面17と並行する円輪状(円状)の第4前凹平坦面部28dが隣接して並んでいる。
【0188】
第4前凹平坦面部28dの径方向内方に前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって凹みつつそれら前凹面部を除くダンパーパネル13lの前面17と並行する円輪状(円状)の第5前凹平坦面部28eが隣接して並び、第5前凹平坦面部28eの径方向内方に前面17(前凹面エリア20)から後面18(後凹面エリア21)に向かって凹みつつそれら前凹面部を除くダンパーパネル13lの前面17と並行する円状の第6前凹平坦面部28fが隣接して並んでいる。尚、前凹面エリア20には6つの前凹平坦面部28a~28fが作られているが、前凹平坦面部の数に特に制限はなく、4つ以下又は7つ以上の前凹平坦面部が前凹面エリア20に作られていてもよい。
【0189】
後凹面エリア21には、その外周縁24から中心に向かって凹み寸法が段階的に大きくなる第1後凹面部~第6後凹面部29a~29f(第1後凹面部~第n後凹面部)が形成されている。第1後凹面部~第6後凹面部29a~29fは、後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって凹むとともに第1後凹面部~第6後凹面部29a~29fを除くダンパーパネル13lの後面18と並行する第1後凹平坦面部~第6後凹平坦面部29a~29f(第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部)である。第1後凹平坦面部~第5後凹平坦面部29a~29eは、後面18の中央域19(後凹面エリア21)において同心円を画きつつ円輪状(円状)に延びており、第6後凹平坦面部29fは、後面18の中央域19(後凹面エリア21)において同心円を画きつつ円状に延びている。
【0190】
第1後凹平坦面部~第6後凹平坦面部29a~29fでは、第1後凹平坦面部29aのダンパーパネル13lの後面18からの凹み寸法が1番小さく、第2後凹平坦面部29bのダンパーパネル13lの後面18からの凹み寸法が第1後凹平坦面部29aのそれよりも大きいとともに、第3後凹平坦面部29cのダンパーパネル13lの後面18からの凹み寸法が第2後凹平坦面部29bのそれよりも大きい。第4後凹平坦面部29dのダンパーパネル13lの後面18からの凹み寸法が第3後凹平坦面部29cのそれよりも大きく、第5後凹平坦面部29eのダンパーパネル13lの後面18からの凹み寸法が第4後凹平坦面部29dのそれよりも大きいとともに、第6後凹平坦面部29fのダンパーパネル13lの後面18からの凹み寸法が第5後凹平坦面部29eのそれよりも大きい。
【0191】
第1後凹平坦面部~第6後凹平坦面部29a~29fは、それらの径方向の幅寸法が第1後凹平坦面部29aから第6後凹平坦面部29fに向かって次第に小さくなっている。第1後凹平坦面部~第6後凹平坦面部29a~29fでは、第1後凹平坦面部29aの径方向の幅寸法が1番大きく、第2後凹平坦面部29bの径方向の幅寸法が第1後凹平坦面部29aのそれよりも小さいとともに、第3後凹平坦面部29cの径方向の幅寸法が第2後凹平坦面部29bのそれよりも小さい。第4後凹平坦面部29dの径方向の幅寸法が第3後凹平坦面部29cのそれよりも小さく、第5後凹平坦面部29eの径方向の幅寸法が第4後凹平坦面部29dのそれよりも小さいとともに、第6後凹平坦面部29fの径方向の幅寸法が第5後凹平坦面部29eのそれよりも小さい。
【0192】
後凹面エリア21では、その外周縁24から中心(幅方向内方)に向かって第1後凹平坦面部29a→第2後凹平坦面部29b→第3後凹平坦面部29c→第4後凹平坦面部29d→第5後凹平坦面部29e→第6後凹平坦面部29fの順で並んでいる。したがって、後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって凹みつつそれら後凹面部を除くダンパーパネル13lの後面18と並行する円輪状(円状)の第1後凹平坦面部29aの径方向内方に後面18(後凹面エリア21)から前面19(前凹面エリア20)に向かって凹みつつそれら後凹面部を除くダンパーパネル13lの後面18と並行する円輪状(円状)の第2後凹平坦面部29bが隣接して並び、第2後凹平坦面部29bの径方向内方に後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって凹みつつそれら後凹面部を除くダンパーパネル13lの後面18と並行する円輪状(円状)の第3後凹平坦面部29cが隣接して並ぶとともに、第3後凹平坦面部29cの径方向内方に後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって凹みつつそれら後凹面部を除くダンパーパネル13lの後面18と並行する円輪状(円状)の第4後凹平坦面部29dが隣接して並んでいる。
【0193】
第4後凹平坦面部29dの径方向内方に後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって凹みつつそれら後凹面部を除くダンパーパネル13lの後面18と並行する円輪状(円状)の第5後凹平坦面部29eが隣接して並び、第5後凹平坦面部29eの径方向内方に後面18(後凹面エリア21)から前面17(前凹面エリア20)に向かって凹みつつそれら後凹面部を除くダンパーパネル13lの後面18と並行する円状の第6後凹平坦面部29fが隣接して並んでいる。尚、後凹面エリア21には6つの後凹平坦面部29a~29fが作られているが、後凹平坦面部の数に特に制限はなく、4つ以下又は7つ以上の後凹平坦面部が後凹面エリア21に作られていてもよい。
【0194】
前凹面エリア20と後凹面エリア21とは、互いに同形同大であってダンパーパネル13lの前後方向へ対称形に並んでいる。したがって、第1前凹平坦面部28aと第1後凹平坦面部29aとが同形同大であってダンパーパネル13lの前後方向へ対称形に並び、第2後凹平坦面部28bと第2後凹平坦面部29bとが同形同大であってダンパーパネル13lの前後方向へ対称形に並んでいるとともに、第3前凹平坦面部28cと第3後凹平坦面部29cとが同形同大であってダンパーパネル13lの前後方向へ対称形に並んでいる。第4前凹平坦面部28dと第4後凹平坦面部29dとが同形同大であってダンパーパネル13lの前後方向へ対称形に並び、第5前凹平坦面部28eと第5後凹平坦面部29eとが同形同大であってダンパーパネル13lの前後方向へ対称形に並んでいるとともに、第6前凹平坦面部28fと第6後凹平坦面部29fとが同形同大であってダンパーパネル13lの前後方向へ対称形に並んでいる。
【0195】
ダンパーパネル13lでは、第1前凹平坦面部28a及び第1後凹平坦面部29aにおけるダンパーパネル13lの厚み寸法が1番大きく、第2前凹平坦面部28b及び第2後凹平坦面部29bにおけるダンパーパネル13lの厚み寸法が第1前凹平坦面部28a及び第1後凹平坦面部29aにおけるダンパーパネル13lのそれよりも小さく、第3前凹平坦面部28c及び第3後凹平坦面部29cにおけるダンパーパネル13lの厚み寸法が第2前凹平坦面部28b及び第2後凹平坦面部29bにおけるダンパーパネル13lのそれよりも小さいとともに、第4前凹平坦面部28d及び第4後凹平坦面部29dにおけるダンパーパネル13lの厚み寸法が第3前凹平坦面部28c及び第3後凹平坦面部29cにおけるダンパーパネル13lのそれよりも小さい。第5前凹平坦面部28e及び第5後凹平坦面部29eにおけるダンパーパネル13lの厚み寸法が第4前凹平坦面部28d及び第4後凹平坦面部29dにおけるダンパーパネル13lのそれよりも小さく、第6前凹平坦面部28f及び第6後凹平坦面部29fにおけるダンパーパネル13lの厚み寸法が第5前凹平坦面部28e及び第5後凹平坦面部29eにおけるダンパーパネル13lのそれよりも小さいとともに、第6前凹平坦面部28f及び第6後凹平坦面部29fにおけるダンパーパネル13lの厚み寸法が1番小さい。
【0196】
尚、低降状点鋼材鋼材ダンパー10Lでは、第1前凹平坦面部28a及び第1後凹平坦面部29aにおけるダンパーパネル13lの厚み寸法(第1前凹平坦面部28aと第1後凹平坦面部29aとの間の前後方向の厚み寸法)、第2前凹平坦面部28b及び第2後凹平坦面部29bにおけるダンパーパネル13lの厚み寸法(第2前凹平坦面部28bと第2後凹平坦面部29bとの間の前後方向の厚み寸法)、第3前凹平坦面部28c及び第3後凹平坦面部29cにおけるダンパーパネル13lの厚み寸法(第3前凹平坦面部28cと第3後凹平坦面部29cとの間の前後方向の厚み寸法)、第4前凹平坦面部28d及び第4後凹平坦面部29dにおけるダンパーパネル13lの厚み寸法(第4前凹平坦面部28dと第4後凹平坦面部29dとの間の前後方向の厚み寸法)、第5前凹平坦面部28e及び第5後凹平坦面部29eにおけるダンパーパネル13lの厚み寸法(第5前凹平坦面部28eと第5後凹平坦面部29eとの間の前後方向の厚み寸法)、第6前凹平坦面部28f及び第6後凹平坦面部29fにおけるダンパーパネル13lの厚み寸法(第6前凹平坦面部28fと第6後凹平坦面部29fとの間の前後方向の厚み寸法)を自由に設定することができ(たとえば、5mm~50mmの範囲)、その減衰力(振動(地震)抵抗力)を50kN~3000kNの範囲で任意に設定することができる。
【0197】
鋼材ダンパー10Jは、地震等による振動発生時に建造物の第1構造部材(上部構造部材又は第1側部構造部材)と第2構造部材(下部構造部材又は第2側部構造部材)との相対変位によってダンパーパネル13lの円形(真円)に成形された第1前凹平坦面部~第6前凹平坦面部28a~28f(第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部)や円形(真円)に成形された第1後凹平坦面部~第6後凹平坦面部29a~29f(第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部)が塑性変形することで制震機能を発揮する。たとえば、振動(地震)時の振動が小さい場合、厚み寸法が小さいダンパーパネル13lの第6前凹平坦面部28f及び第6後凹平坦面部29fや第5前凹平坦面部28e及び第5後凹平坦面部29eが塑性変形し、振動(地震)時の振動が中程度の場合、厚み寸法が小さいダンパーパネル13lの第6前凹平坦面部28f及び第6後凹平坦面部29fや第5前凹平坦面部28e及び第5後凹平坦面部29eが塑性変形することに加え、厚み寸法が中程度のダンパーパネル13lの第4前凹平坦面部28d及び第4後凹平坦面部29dや第3前凹平坦面部28c及び第3後凹平坦面部29dが塑性変形する。振動(地震)時の振動が大きい場合、厚み寸法が小さいダンパーパネル13lの第6前凹平坦面部28f及び第6後凹平坦面部29fや第5前凹平坦面部28e及び第5後凹平坦面部29eが塑性変形するとともに、厚み寸法が中程度のダンパーパネル13lの第4前凹平坦面部28d及び第4後凹平坦面部29dや第3前凹平坦面部28c及び第3後凹平坦面部29dが塑性変形することに加え、厚み寸法が大きいダンパーパネル13lの第2前凹平坦面部28b及び第2後凹平坦面部29bや第1前凹平坦面部28a及び第1後凹平坦面部29aが塑性変形する。
【0198】
鋼材ダンパー10Lでは、図示はしていないが、鋼材ダンパー10Lのダンパーパネル13lが塑性変形する前の第1前凹平坦面部28a(第1後凹平坦面部29a)~第6前凹平坦面部28f(第6後凹平坦面部29f)の境界線を表示した(象った)透明な塑性変形確認第6シートが事前に作られている。鋼材ダンパー10Lでは、振動(地震)の発生によってダンパーパネル13lの第1前凹平坦面部~第6前凹平坦面部28a~28fや第1後凹平坦面部~第6後凹平坦面部29a~29fが塑性変形した場合、塑性変形の度合いによっては鋼材ダンパー10Lの制震機能が失われる。振動(地震)発生後、塑性変形の度合いが大きく、制震機能が失われた鋼材ダンパー10Lは交換される。振動(地震)発生後にであっても、塑性変形の度合いが小さく、制震機能を発揮し得る状態であれば、鋼材ダンパー10Lが交換されることなく継続して使用される。
【0199】
地震等による振動発生後のダンパーパネル13lの円形(真円)に成形された第1前凹平坦面部~第6前凹平坦面部28a~28fや円形(真円)に成形された第1後凹平坦面部~第6後凹平坦面部29a~29fに生じたゆがみやひずみ、湾曲、破断、損壊等の塑性変形は、目視によって確認し、塑性変形の度合いを判断する場合、又は、第1前凹平坦面部28a(第1後凹平坦面部29a)~第6前凹平坦面部28f(第6後凹平坦面部29f)の境界線を表示した透明な塑性変形確認第6シートをダンパーパネル13lの前凹面エリア20(後凹面エリア21)に被せ、塑性変形確認第6シートに表示された境界線とダンパーパネル13lの第1前凹平坦面部28a(第1後凹平坦面部29a)~第6前凹平坦面部28f(第6後凹平坦面部29f)の境界線とを比較し、塑性変形の度合いを判断する場合がある。
【0200】
鋼材ダンパー10Lは、径方向の幅寸法が第1前凹平坦面部28aから第6前凹平坦面部28f(第n前凹平坦面部)に向かって次第に小さくなり、第1後凹平坦面部29aから第6後凹平坦面部29f(第n後凹平坦面部)に向かって次第に小さくなることで、最も塑性変形し易いダンパーパネル13lの中央に前凹平坦面部や後凹平坦面部が多く形成され、地震等による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして鋼材ダンパー10Lに伝わると、ダンパーパネル13lの円形(真円)に成形された第1前凹平坦面部~第6前凹平坦面部28a~28f(第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部)と円形(真円)に成形された第1後凹平坦面部~第6後凹平坦面部29a~29f(第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部)とが均一かつ確実に塑性変形し、鋼材ダンパー10Lのダンパーパネル13lに振動エネルギー(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、ダンパーパネル13lの第1前凹平坦面部~第6前凹平坦面部28a~28f及び第1後凹平坦面部~第6後凹平坦面部29a~29fの塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができ、振動(地震)による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。
【0201】
鋼材ダンパー10Lは、ダンパーパネル13lに円形(真円)の第1前凹平坦面部~第6前凹平坦面部28a~28f及び円形(真円)の第1後凹平坦面部~第6後凹平坦面部29a~29fが形成されることで、地震等による振動発生後のそれら前凹平坦面部28a~28fやそれら後凹平坦面部29a~29fに生じたゆがみやひずみ、湾曲、破断、損壊等の塑性変形を容易に見つけることができ、それら前凹平坦面部28a~28fやそれら後凹平坦面部29a~29fの変形度合いを容易に確認することができる。
【0202】
鋼材ダンパー10Lは、地震等の振動発生後に塑性変形したダンパーパネル13lの円形(真円)に成形された第1前凹平坦面部~第6前凹平坦面部28a~28f(第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部)や円形(真円)に成形された第1後凹平坦面部~第6後凹平坦面部29a~29f(第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部)の変形度合いを容易に確認することができるから、制震機能を発揮し得る状態か否かを的確に判断することができるとともに、鋼材ダンパー10Lの寿命までのエネルギー吸収能力を予測することができ、建造物の継続使用性や繰り返しの地震に対する鋼材ダンパー10Lの耐久性の判断が可能であり、むやみに交換されることはなく、無駄な廃棄を防ぐことができるとともに、制震機能を失った鋼材ダンパー10Jの交換時期の逸脱を防ぐことができる。
【0203】
鋼材ダンパー10Lでは、
図4に示す鋼材ダンパー10Bと同様に、第1前凹平坦面部~第6前凹平坦面部28a~28fや第1後凹平坦面部~第6後凹平坦面部29a~29fが上下方向へ長い楕円形に成形されていてもよく、
図12に示す鋼材ダンパー10Gと同様に、第1前凹平坦面部~第6前凹平坦面部28a~28fや第1後凹平坦面部~第6後凹平坦面部29a~29fが幅方向へ長い楕円形に成形されていてもよい。又、
図6に示す鋼材ダンパー10Cと同様に、第1前凹平坦面部~第6前凹平坦面部28a~28fや第1後凹平坦面部~第6後凹平坦面部29a~29fが幅方向へ長い小判形に成形されていてもよく、
図14に示す鋼材ダンパー10Hと同様に、第1前凹平坦面部~第6前凹平坦面部28a~28fや第1後凹平坦面部~第6後凹平坦面部29a~29fが上下方向へ長い小判形に成形されていてもよい。
【0204】
鋼材ダンパー10Lでは、
図10に示す鋼材ダンパー10Eと同様に、第1前凹平坦面部~第6前凹平坦面部28a~28f(第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部)の径方向の幅寸法が第1前凹平坦面部28aから第6前凹平坦面部28fに向かって次第に大きくなっていてもよく、第1後凹平坦面部~第6後凹平坦面部29a~29f(第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部)の径方向の幅寸法が第1後凹平坦面部28aから第6後凹平坦面部28fに向かって次第に大きくなっていてもよい。鋼材ダンパー10Lでは、
図11に示す鋼材ダンパー10Fと同様に、第1前凹平坦面部~第6前凹平坦面部28a~28f(第1前凹平坦面部~第n前凹平坦面部)の径方向の幅寸法が第1前凹平坦面部~第6前凹平坦面部28a~28fにおいてランダム(任意)に設定されていてもよく、第1後凹平坦面部~第6後凹平坦面部28a~28f(第1後凹平坦面部~第n後凹平坦面部)の径方向の幅寸法が第1後凹平坦面部~第6後凹平坦面部28a~28fにおいてランダム(任意)に設定されていてもよい。
【0205】
図26は、鋼材ダンパー10A~10Lを利用した一例として示す制震構造物30Aの正面図であり、
図27は、
図26の制震構造物30Aの側面図である。
図28は、一例として示す第1及び第2鋼製ブラケット41,49の正面図であり、
図29は、第1及び第2鋼製ブラケット41,49の上面図である。
【0206】
制震構造物30A(制震構造物30B~30Dを含む)は、超高層ビルや高層ビル、中層ビル、低層ビル、S造、RC造又はSRC造のマンション、RC造の戸建て住宅等の建造物の内壁近傍又は外壁近傍に施工され、それら建造物を地震から保護する。制震構造物30Aは、上部構造部材31A(第1構造部材)及び下部構造部材32A(第2構造部材)と、制震装置54とから形成されている。
【0207】
上部構造部材31Aは、天井梁33(第1構造部材)と、天井梁33に連結されて天井梁33から下方へ延びる第1間柱34(第1取り付け部材)とから形成されている。下部構造部材32Aは、床梁35(第2構造部材)と、床梁35に連結されて床梁35から上方へ延びる第2間柱36(第2取り付け部材)とから形成されている。第1及び第2間柱34,36は、同形同大であり、上下方向の寸法(長さ寸法)や幅方向の寸法(幅寸法)、前後方向の寸法(厚み寸法)が同一である。第1間柱34と第2間柱36とは上下方向へ離間対向(離間正対)し、第1間柱34と第2間柱36との間にスペース37が形成されている。
【0208】
第1間柱34は、建造物の天井梁33(大梁又は小梁)に連結されて天井梁33から下方へ延びる第1基礎間柱38と、第1基礎間柱38の下端39に連結された第1鋼材40(連結手段)とから形成されている。天井梁33や第1基礎間柱38は、プレストレスト・コンクリート製である。第1基礎間柱38を形成するプレストレスト・コンクリートは、プレテンション方式又はポストテンション方式によって施工される。尚、第1基礎間柱38が鉄筋コンクリートから作られていてもよい。又、第1間柱34(第1基礎間柱38及び第1鋼製ブラケット41)が工場においてあらかじめ製造されたプレキャストコンクリートであってもよい。
【0209】
天井梁33には、図示はしていないが、複数本の鉄筋が配筋されている。第1鋼材40(連結手段)は、第1基礎間柱38の下端39(自由端部)に連結された第1鋼製ブラケット41と、第1鋼製ブラケット41に固定された第1H形鋼42(第1形鋼)とから形成されている。第1鋼製ブラケット41は、所定厚みを有して幅方向へ延びる板状の鋼材である。尚、第1形鋼としてI形鋼やT形鋼、山形鋼、溝形鋼を使用することもできる。
【0210】
第1H形鋼42は、上下方向下方へ向かって垂下するように第1鋼製ブラケット41の下面に設置されている。第1H形鋼42は、第1鋼製ブラケット41の下面の幅方向中央に配置され、フランジ43とウェブ44とが第1鋼製ブラケット41の下面に溶接によって固着され、フランジ43とウェブ44とが第1鋼製ブラケット41の下面から上下方向下方へ延びている。第1H形鋼42のウェブ44は、幅方向へ等間隔離間して並ぶ複数のボルト孔45が穿孔(形成)されている。
【0211】
第2間柱36は、建造物の床梁35(大梁又は小梁)に連結されて床梁35から上方へ延びる第2基礎間柱46と、第2基礎間柱46の上端47に連結された第2鋼材48(連結手段)とから形成されている。床梁35や第2基礎間柱46は、プレストレスト・コンクリート製である。第2基礎間柱46を形成するプレストレスト・コンクリートは、プレテンション方式又はポストテンション方式によって施工される。尚、第2基礎間柱46が鉄筋コンクリートから作られていてもよい。又、第2間柱36(第2基礎間柱46及び第2鋼製ブラケット49)が工場においてあらかじめ製造されたプレキャストコンクリートであってもよい。
【0212】
床梁35には、図示はしていないが、複数本の鉄筋が配筋されている。第2鋼材48(連結手段)は、第2基礎間柱46の上端47(自由端部)に連結された第2鋼製ブラケット49と、第2鋼製ブラケット49に固定された第2H形鋼50(第2形鋼)とから形成されている。第2鋼製ブラケット49は、所定厚みを有して幅方向へ延びる板状の鋼材である。尚、第2形鋼としてI形鋼やT形鋼、山形鋼、溝形鋼を使用することもできる。
【0213】
第2H形鋼50は、第2鋼製ブラケット49の上面に上下方向上方へ向かって起立するように設置されている。第2H形鋼50は、第2鋼製ブラケット49の上面の幅方向中央に配置され、フランジ51とウェブ52とが第2鋼製ブラケット49の上面に溶接によって固着され、フランジ51とウェブ52とが第2鋼製ブラケット49の上面から上下方向上方へ延びている。第2H形鋼50のウェブ52には、幅方向へ等間隔離間して並ぶ複数のボルト孔53が穿孔(形成)されている。
【0214】
制震装置54は、一対の第1スプライスプレート55及び一対の第2スプライスプレート56と、鋼材ダンパー10A~10Jのうちのいずれかとから形成されている。それら第1及び第2スプライスプレート55,56は、同形同大の所定厚みを有する板状鋼材であり、上下方向の寸法(長さ寸法)や幅方向の寸法(幅寸法)、前後方向の寸法(厚み寸法)が同一である。第1スプライスプレート55と第2スプライスプレート56とは、上下方向へ離間対向(離間正対)し、第1間柱34と第2間柱36との間のスペース37に配置されている。第1スプライスプレート55の上端部(上半分)と下端部(下半分)とには、幅方向へ等間隔離間して並ぶ複数のボルト孔が穿孔され、第2スプライスプレート56の上端部(上半分)と下端部(下半分)とには、幅方向へ等間隔離間して並ぶ複数のボルト孔が穿孔されている。
【0215】
それら第1スプライスプレート55は、第1鋼製ブラケット41の第1H形鋼42のウェブ44の両側に配置され、第1スプライスプレート56の上端部に穿孔されたボルト孔と第1H形鋼42のウェブ44に穿孔されたボルト孔45とに挿通又は螺着された摩擦接合用高力六角ボルト57と摩擦接合用高力六角ボルト57に螺着されたナット58とによって連結され、ウェブ44を挟み込んだ状態でウェブ44(第1間柱34の第1鋼材40)に強固に固定されている。それら第1スプライスプレート55は、前後方向へ対向し、その下端部が第1H形鋼42のウェブ44から上下方向下方へ延びている。
【0216】
それら第2スプライスプレート56は、第2鋼製ブラケット49の第2H形鋼50のウェブ52の両側に配置され、第2スプライスプレート56の下端部に穿孔されたボルト孔と第2H形鋼50のウェブ52に穿孔されたボルト孔53とに挿通又は螺着された摩擦接合用高力六角ボルト58と摩擦接合用高力六角ボルト57に螺着されたナット58とによって連結され、ウェブ52を挟み込んだ状態でウェブ52(第2間柱36の第2鋼材48)に強固に固定されている。それら第2スプライスプレート56は、前後方向へ対向し、その上端部が第2H形鋼50のウェブ52から上下方向上方へ延びている。
【0217】
鋼材ダンパー10A~10Lのいずれかは、上下方向へ離間対向する第1間柱34(第1取り付け部材の自由端部)の第1鋼材40の第1H形鋼42(第1形鋼)と第2間柱36(第2取り付け部材の自由端部)の第2鋼材48の第2H形鋼50(第2形鋼)との間のスペース37に位置し、第1及び第2スプライスプレート55,56に取り付けられている。第1連結パネル11には、幅方向へ等間隔離間して並ぶ複数のボルト孔が穿孔され、第2連結パネル12には、幅方向へ等間隔離間して並ぶ複数のボルト孔が穿孔されている。鋼材ダンパー10A~10Lのダンパーパネル13a~13lは、上下方向へ離間する第1スプライスプレート55と第2スプライスプレート56との間のスペース37に位置している。
【0218】
図30は、第1及び第2鋼材40,48に連結された状態で示す鋼材ダンパー10A~10Lの正面図であり、
図31は、第1及び第2鋼材40,48に連結された状態で示す鋼材ダンパー10A~10Lの側面図である。
図30,31では、天井梁33や第1基礎間柱38、床梁35、第2基礎間柱46に配筋された鉄筋の図示を省略している。鋼材ダンパー10A~10Lのうちのいずれかは、その第1連結パネル11がそれら第1スプライスプレート55の間に挿入された状態で第1スプライスプレート55に固定され、その第2連結パネル12がそれら第2スプライスプレート56の間に挿入された状態で第2スプライスプレート56に固定されている。
【0219】
鋼材ダンパー10A~10Lの第1連結パネル11は、それに穿孔されたボルト孔及び第1スプライスプレート55に穿孔されたボルト孔に挿通又は螺着された摩擦接合用高力六角ボルト57と摩擦接合用高力六角ボルト57に螺着されたナット58とによって第1スプライスプレート55に連結されている。第1連結パネル11は、第1スプライスプレート55に挟まれた状態でそれら第1スプライスプレート55に強固に固定されている。
【0220】
鋼材ダンパー10A~10Lの第2連結パネル12は、それに穿孔されたボルト孔及び第2スプライスプレート56に穿孔されたボルト孔に挿通又は螺着された摩擦接合用高力六角ボルト57と摩擦接合用高力六角ボルト57に螺着されたナット58とによって第2スプライスプレート56に連結されている。第2連結パネル12は、第2スプライスプレート56に挟まれた状態でそれら第2スプライスプレート56に強固に固定されている。鋼材ダンパー10A~10Lでは、ダンパーパネル13a~13lの前凹面エリア20及び後凹面エリア21が第1及び第2間柱34,36の間のスペース37に位置している。
【0221】
図26に示す制震構造物30Aでは、たとえば地震が発生し、地震による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして建造物に作用した場合、その外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)が建造物からプレストレスト・コンクリート製(又は鉄筋コンクリート製或いはプレキャストコンクリート製)の第1及び第2基礎間柱38,46と第1及び第2鋼材40,48とを備えた第1及び第2間柱34,36に伝達され、その外力が第1及び第2鋼材46,48の第1及び第2H形鋼42,50から第1及び第2スプライスプレート55,56に伝達されるとともに、外力が第1及び第2スプライスプレート55,56から鋼材ダンパー10A~10Lに均等に伝達される。
【0222】
図32は、鋼材ダンパー10A~10Lを利用した他の一例として示す制震構造物30Bの正面図である。
図32では、上下方向を矢印X、幅方向(横方向)を矢印Yで示す。矢印制震構造物30Bは、第1側部構造部材31B(第1構造部材)及び第2側部構造部材32B(第2構造部材)と、制震装置54とから形成されている。
【0223】
第1側部構造部材31Bは、上下方向へ延びる第1柱61(第1構造部材)と、第1柱61に連接されて第1柱61から幅方向へ延びる第1梁62(第1取り付け部材)(天井梁又は床梁)とから形成されている。第2側部構造部材32Bは、上下方向へ延びる第2柱63(第2構造部材)と、第2柱63に連接されて第2柱63から幅方向へ延びる第2梁64(第2取り付け部材)(天井梁又は床梁)とから形成されている。第1梁62と第2梁64とは、天井梁又は床梁をその中央において二分することから作られている。第1梁62と第2梁64とは、幅方向へ離間対向(離間正対)し、第1梁62と第2梁64との間にスペース37が形成されている。
【0224】
鋼材ダンパー10A~10Lのいずれかは、幅方向へ離間対向する第1梁62(第1取り付け部材)と第2梁64(第2取り付け部材)との間のスペース37に配置されている。鋼材ダンパー10A~10Lのいずれかの第1連結パネル11は、所定の連結手段(たとえば、
図26~
図31に示す連結手段)によって第1梁62の自由端部(第1取り付け部材の自由端部)に連結・固定され、鋼材ダンパー10A~10Lのいずれかの第2連結パネル12は、所定の連結手段(たとえば、
図26~
図31に示す連結手段)によって第2梁64の自由端部(第2取り付け部材の自由端部)に連結・固定されている。鋼材ダンパー10A~10Lのいずれかのダンパーパネルは13a~13lは、幅方向へ離間対向(離間正対)する第1梁62の自由端部と第2梁64の自由端部との間のスペース37に位置している。
【0225】
図32に示す制震構造物30Bでは、たとえば地震が発生し、地震による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして建造物に作用した場合、その外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)が建造物から第1柱61(第1構造部材)を経由して第1梁62(第1取り付け部材)に伝達されるとともに、第2柱63(第2構造部材)を経由して第2梁64(第2取り付け部材)に伝達され、その外力が第1及び第2梁62,64から鋼材ダンパー10A~10Lに均等に伝達される。
【0226】
図33は、鋼材ダンパー10A~10Lを利用した他の一例として示す制震構造物30Cの正面図である。
図33では、上下方向を矢印X、幅方向(横方向)を矢印Yで示す。矢印制震構造物30Cは、第1側部構造部材31B(第1構造部材)及び第2側部構造部材32B(第2構造部材)と、制震装置54とから形成されている。
【0227】
第1側部構造部材31Bは、上下方向へ延びる第1柱61(第1構造部材)と、第1柱61に連接されて第1柱61から幅方向へ延びる第1壁65(第1取り付け部材)とから形成されている。第2側部構造部材32Bは、上下方向へ延びる第2柱63(第2構造部材)と、第2柱63に連接されて第2柱63から幅方向へ延びる第2壁66(第2取り付け部材)とから形成されている。第1壁65と第2壁66とは、壁をその中央において二分することから作られている。第1壁65と第2壁66とは、幅方向へ離間対向(離間正対)し、第1壁65と第2壁66との間にスペース37が形成されている。
【0228】
鋼材ダンパー10A~10Lのいずれかは、幅方向へ離間対向する第1壁65(第1取り付け部材)と第2壁66(第2取り付け部材)との間のスペース37に配置されている。鋼材ダンパー10A~10Lのいずれかの第1連結パネル11は、所定の連結手段(たとえば、
図26~
図31に示す連結手段)によって第1壁65の自由端部(第1取り付け部材の自由端部)に連結・固定され、鋼材ダンパー10A~10Lのいずれかの第2連結パネル12は、所定の連結手段(たとえば、
図26~
図31に示す連結手段)によって第2壁66の自由端部(第2取り付け部材の自由端部)に連結・固定されている。鋼材ダンパー10A~10Lのいずれかのダンパーパネルは13a~13lは、幅方向へ離間対向(離間正対)する第1壁65の自由端部と第2壁66の自由端部との間のスペース37に位置している。
【0229】
図33に示す制震構造物30Cでは、たとえば地震が発生し、地震による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして建造物に作用した場合、その外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)が建造物から第1柱61(第1構造部材)を経由して第1壁65(第1取り付け部材)に伝達されるとともに、第2柱63(第2構造部材)を経由して第2壁66(第2取り付け部材)に伝達され、その外力が第1及び第2壁65,66から鋼材ダンパー10A~10Lに均等に伝達される。
【0230】
図34は、鋼材ダンパー10A~10Lを利用した他の一例として示す制震構造物30Dの正面図である。
図34では、上下方向を矢印X、幅方向(横方向)を矢印Yで示す。矢印制震構造物30Dは、幅方向へ延びる天井梁33(第1構造部材)及び上下方向へ延びる第1間柱34(第1取り付け部材)と、幅方向へ延びる床梁35(第2構造部材)及び上下方向へ延びる第2間柱36(第1取り付け部材)と、制震装置54とから形成されている。
【0231】
第1間柱34は、天井梁33と床梁35との間に位置し、その上端部が所定の連結手段によって天井梁33に連結・固定され、その下端部が所定の連結手段によって床梁35に連結・固定されている。第2間柱36は、天井梁33と床梁35との間に位置し、第1間柱34に対して幅方向へ離間対向(離間正対)している。第2間柱36は、その上端部が所定の連結手段によって天井梁33に連結・固定され、その下端部が所定の連結手段によって床梁35に連結・固定されている。第1間柱34と第2間柱36との間には、スペース37が形成されている。
【0232】
鋼材ダンパー10A~10Lのいずれかは、幅方向へ離間対向する第1間柱34(第1取り付け部材)と第2間柱36(第2取り付け部材)との間のスペース37に配置されている。鋼材ダンパー10A~10Lのいずれかの第1連結パネル11は、所定の連結手段(たとえば、
図26~
図31に示す連結手段)によって第1間柱34の対向側部(第1取り付け部材の対向側部)に連結・固定され、鋼材ダンパー10A~10Lのいずれかの第2連結パネル12は、所定の連結手段(たとえば、
図26~
図31に示す連結手段)によって第2間柱36の対向側部(第2取り付け部材の対向側部)に連結・固定されている。鋼材ダンパー10A~10Lのいずれかのダンパーパネルは13a~13lは、幅方向へ離間対向(離間正対)する第1間柱34の対向側部と第2間柱36の対向側部との間のスペース37に位置している。
【0233】
図34に示す制震構造物30Dでは、たとえば地震が発生し、地震による振動発生時に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして建造物に作用した場合、その外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)が建造物から天井梁33(第1構造部材)を経由して第1間柱34(第1取り付け部材)に伝達されるとともに、床梁35(第2構造部材)を経由して第2間柱36(第1取り付け部材)に伝達され、その外力が第1及び第2間柱34,36から鋼材ダンパー10A~10Lに均等に伝達される。
【0234】
制震構造物30A~30Dの制震装置54を形成する
図1の鋼材ダンパー10Aに地震(振動)による外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして伝達された場合、ダンパーパネル13aの前面エリア20及び後凹面エリア21の中心から両側縁16(フィレット)に向かって第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23dや第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25dが塑性変形し、円形(真円)に成形された第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23d及び円形(真円)に成形された第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25dの塑性変形によって地震エネルギー(振動エネルギー)が減衰し、鋼材ダンパー10Aのダンパーパネル13aが地震(振動)による外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)(地震エネルギー)を吸収する。
【0235】
制震構造物30A~30Dの制震装置54を形成する
図4の鋼材ダンパー10Bに地震(振動)による外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして伝達された場合、ダンパーパネル13bの前凹面エリア20及び後凹面エリア21の中心から両側縁16(フィレット)に向かって第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23dや第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25dが塑性変形し、上下方向へ長い楕円形に成形された第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23d及び上下方向へ長い楕円形に成形された第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25dの塑性変形によって地震エネルギー(振動エネルギー)が減衰し、鋼材ダンパー10Bのダンパーパネル13bが地震(振動)による外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)(地震エネルギー)を吸収する。
【0236】
制震構造物30A~30Dの制震装置54を形成する
図6の鋼材ダンパー10Cに地震(振動)による外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして伝達された場合、ダンパーパネル13cの前凹面エリア20及び後凹面エリア21の中心から両側縁16(フィレット)に向かって第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23dや第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25dが塑性変形し、幅方向へ長い小判形に成形された第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23d及び幅方向へ長い小判形に成形された第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25dの塑性変形によって地震エネルギー(振動エネルギー)が減衰し、鋼材ダンパー10Cのダンパーパネル13cが地震(振動)による外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)(地震エネルギー)を吸収する。
【0237】
制震構造物30A~30Dの制震装置54を形成する
図8の鋼材ダンパー10Dに地震(振動)による外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして伝達された場合、ダンパーパネル13dの前凹面エリア20及び後凹面エリア21の中心から両側縁16(フィレット)に向かって第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23fや第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fが塑性変形し、円形(真円)に成形されて外縁22から中心に向かって幅寸法が次第に小さくなる第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f及び円形(真円)に成形されて外縁24から中心に向かって幅寸法が次第に小さくなる第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fの塑性変形によって地震エネルギー(振動エネルギー)が減衰し、鋼材ダンパー10Dのダンパーパネル13dが地震(振動)による外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)(地震エネルギー)を吸収する。
【0238】
制震構造物30A~30Dの制震装置54を形成する
図10の鋼材ダンパー10Eに地震(振動)による外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして伝達された場合、ダンパーパネル13eの前凹面エリア20及び後凹面エリア21の中心から両側縁16(フィレット)に向かって第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23fや第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fが塑性変形し、円形(真円)に成形されて外縁22から中心に向かって幅寸法が次第に大きくなる第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f及び円形(真円)に成形されて外縁24から中心に向かって幅寸法が次第に大きくなる第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fの塑性変形によって地震エネルギー(振動エネルギー)が減衰し、鋼材ダンパー10Eのダンパーパネル13eが地震(振動)による外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)(地震エネルギー)を吸収する。
【0239】
制震構造物30A~30Dの制震装置54を形成する
図11鋼材ダンパー10Fに地震(振動)による外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして伝達された場合、ダンパーパネル13fの前凹面エリア20及び後凹面エリア21の中心から両側縁16(フィレット)に向かって第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23fや第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fが塑性変形し、円形(真円)に成形されて幅寸法がランダム(任意)に設定された第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f及び円形(真円)に成形されて幅寸法がランダム(任意)に設定された第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fの塑性変形によって地震エネルギー(振動エネルギー)が減衰し、鋼材ダンパー10Fのダンパーパネル13fが地震(振動)による外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)(地震エネルギー)を吸収する。
【0240】
制震構造物30A~30Dの制震装置54を形成する
図12の鋼材ダンパー10Gに地震(振動)による外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして伝達された場合、ダンパーパネル13gの前凹面エリア20及び後凹面エリア21の中心から両側縁16(フィレット)に向かって第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23fや第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fが塑性変形し、幅方向へ長い楕円形に成形されて外縁22から中心に向かって幅寸法が次第に小さくなる第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f及び幅方向へ長い楕円形に成形されて外縁24から中心に向かって幅寸法が次第に小さくなる第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fの塑性変形によって地震エネルギー(振動エネルギー)が減衰し、鋼材ダンパー10Gのダンパーパネル13gが地震(振動)による外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)(地震エネルギー)を吸収する。
【0241】
制震構造物30A~30Dの制震装置54を形成する
図14の鋼材ダンパー10Hに地震(振動)による外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして伝達された場合、ダンパーパネル13hの前凹面エリア20及び後凹面エリア21の中心から両側縁16(フィレット)に向かって第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23fや第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fが塑性変形し、上下方向へ長い小判形に成形されて外縁22から中心に向かって幅寸法が次第に小さくなる第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f及び上下方向へ長い小判形に成形されて外縁24から中心に向かって幅寸法が次第に小さくなる第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25fの塑性変形によって地震エネルギー(振動エネルギー)が減衰し、鋼材ダンパー10Hのダンパーパネル13hが地震(振動)による外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)(地震エネルギー)を吸収する。
【0242】
制震構造物30A~30Dの制震装置54を形成する
図16の鋼材ダンパー10Iに地震(振動)による外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして伝達された場合、ダンパーパネル13iの前凹面エリア20及び後凹面エリア21の中心から両側縁16(フィレット)に向かって第1前凹斜面部~第4前凹斜面部26a~26dや第1後凹斜面部~第4後凹斜面部27a~27dが塑性変形し、円形(真円)に成形された第1前凹斜面部~第4前凹斜面部26a~26d及び円形(真円)に成形された第1後凹斜面部~第4後凹斜面部27a~27dの塑性変形によって地震エネルギー(振動エネルギー)が減衰し、鋼材ダンパー10Iのダンパーパネル13iが地震(振動)による外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)(地震エネルギー)を吸収する。
【0243】
制震構造物30A~30Dの制震装置54を形成する
図19の鋼材ダンパー10Jに地震(振動)による外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとしてが伝達された場合、ダンパーパネル13jの前凹面エリア20及び後凹面エリア21の中心から両側縁16(フィレット)に向かって第1前凹斜面部~第6前凹斜面部26a~26fや第1後凹斜面部~第6後凹斜面部27a~27fが塑性変形し、円形(真円)に成形されて外縁22から中心に向かって幅寸法が次第に小さくなる第1前凹斜面部~第6前凹斜面部26a~26f及び円形(真円)に成形されて外縁24から中心に向かって幅寸法が次第に小さくなる第1後凹斜面部~第6後凹斜面部27a~27fの塑性変形によって地震エネルギー(振動エネルギー)が減衰し、鋼材ダンパー10Jのダンパーパネル13jが地震(振動)による外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)(地震エネルギー)を吸収する。
【0244】
制震構造物30A~30Dの制震装置54を形成する
図22の鋼材ダンパー10Kに地震(振動)による外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして伝達された場合、ダンパーパネル13kの前凹面エリア20及び後凹面エリア21の中心から両側縁16(フィレット)に向かって第1前凹平坦面部~第4前凹平坦面部28a~28dや第1後凹平坦面部~第4後凹平坦面部29a~29dが塑性変形し、円形(真円)に成形された第1前凹平坦面部~第4前凹平坦面部28a~28d及び円形(真円)に成形された第1後凹平坦面部~第4後凹平坦面部29a~29dの塑性変形によって地震エネルギー(振動エネルギー)が減衰し、鋼材ダンパー10Kのダンパーパネル13kが地震(振動)による外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)(地震エネルギー)を吸収する。
【0245】
制震構造物30A~30Dの制震装置54を形成する
図24の鋼材ダンパー10Lに地震(振動)による外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして伝達された場合、ダンパーパネル13lの前凹面エリア20及び後凹面エリア21の中心から両側縁16(フィレット)に向かって第1前凹平坦面部~第6前凹平坦面部28a~28fや第1後凹平坦面部~第6後凹平坦面部29a~29fが塑性変形し、円形(真円)に成形されて外縁22から中心に向かって幅寸法が次第に小さくなる第1前凹平坦面部~第6前凹平坦面部28a~28f及び円形(真円)に成形されて外縁24から中心に向かって幅寸法が次第に小さくなる第1後凹平坦面部~第6後凹平坦面部29a~29fの塑性変形によって地震エネルギー(振動エネルギー)が減衰し、鋼材ダンパー10Lのダンパーパネル13lが地震(振動)による外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)(地震エネルギー)を吸収する。
【0246】
鋼材ダンパー10A~10Lが制震構造物30A~30Dの制震装置54として建造物に設置された場合、地震等による振動発生時に建造物に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして第1構造部材(天井梁33、第1柱61)及び第2構造部材(床梁35、第2柱63)から第1取り付け部材(第1間柱34、第1梁62、第1壁65)及び第2取り付け部材(第2間柱36、第2梁64、第2壁66)に伝達され、外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)が第1取り付け部材及び第2取り付け部材から鋼材ダンパー10A~10Lに均等に伝達されるから、外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)を建造物から鋼材ダンパー10A~10Lに確実に伝達することができ、鋼材ダンパー10A~10Lの第1前凹面部~第n前凹面部(第1前凹曲面部~第4前凹曲面部23a~23d、第1前凹曲面部~第6前凹曲面部23a~23f、第1前凹斜面部~第4前凹斜面部26a~26d、第1前凹斜面部~第6前凹斜面部26a~26f、第1前凹平坦面部~第4前凹平坦面部28a~28d、第1前凹平坦面部~第6前凹平坦面部28a~28f)及び第1後凹面部~第n後凹面部(第1後凹曲面部~第4後凹曲面部25a~25d、第1後凹曲面部~第6後凹曲面部25a~25f、第1後凹斜面部~第4後凹斜面部27a~27d、第1後凹斜面部~第6後凹斜面部27a~27f、第1後凹平坦面部~第4後凹平坦面部29a~29d、第1後凹平坦面部~第6後凹平坦面部29a~29f)を有するダンパーパネル13a~13lの全体が外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)によって均等かつ確実に塑性変形し、鋼材ダンパー10A~10Lのダンパーパネル13a~13lに地震等の振動による外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)(地震エネルギー)を効率よく吸収させることができ、鋼材ダンパー10A~10Lのダンパーパネル13a~13lの塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができる。
【0247】
プレストレスト・コンクリート製(又は鉄筋コンクリート製或いはプレキャストコンクリート製)の第1及び第2基礎間柱38,46と第1及び第2鋼材40,48とを備えた第1及び第2間柱34,36を有する制震構造物30A~30Dは、地震等による振動発生時に建造物に作用する外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして建造物から第1及び第2間柱34,36に伝達され、外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)が第1及び第2鋼材40,48の第1及び第2H形鋼42,50から第1及び第2スプライスプレート55,56に伝達されるとともに、その外力が第1及び第2スプライスプレート55,56から鋼材ダンパー10A~10Lに均等に伝達されるから、外力を建造物から鋼材ダンパー10A~10Lに確実に伝達することができ、鋼材ダンパー10A~10Lのダンパーパネル13a~13lが外力によって均等かつ確実に塑性変形し、更に、ダンパーパネル13a~13lが第1スプライスプレート55と第2スプライスプレート56との間のスペース37に位置しているから、振動(地震)による外力の伝達時におけるダンパーパネル13a~13lの塑性変形を妨げる障害がなく、地震等による振動発生時にダンパーパネル13a~13lが自由に塑性変形し、鋼材ダンパー10A~10Lに地震エネルギーを効率よく吸収させることができ、鋼材ダンパー10A~10Lのダンパーパネル13a~13lの塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができる。
【0248】
制震構造物30A~30Dは、振動(地震)による外力がせん断力、軸力、曲げモーメントとして建造物から第1構造部材(天井梁33、第1柱61)及び第2構造部材(床梁35、第2柱63)から第1取り付け部材(第1間柱34、第1梁62、第1壁65)及び第2取り付け部材(第2間柱36、第2梁64、第2壁66)に伝達され、外力(せん断力、軸力、曲げモーメント)が第1取り付け部材及び第2取り付け部材から第1及び第2H形鋼42,50や第1及び第2スプライスプレート55,56を介して鋼材ダンパー10A~10Lに円滑かつ均一に伝達され、鋼材ダンパー10A~10Lのダンパーパネル13a~13lの塑性変形を利用して振動エネルギー(地震エネルギー)を十分に減衰させることができるから、振動(地震)による建造物の変形や損傷を最小限にすることができる。
【0249】
制震構造物30A~30Dは、振動(地震)発生後にダンパーパネル13a~13lが塑性変形した場合、鋼材ダンパー10A~10Lを交換するだけで次の震動(地震)に備えることができ、振動(地震)発生後に制震構造物30をあらたに施工する必要はなく、手間と費用とを節約することができる。
【0250】
制震構造物30Aは、プレストレスト・コンクリート製(又は鉄筋コンクリート製或いはプレキャストコンクリート製)の第1基礎間柱38と第1鋼材40とを備えた第1間柱34を天井梁33に連結し、プレストレスト・コンクリート製(又は鉄筋コンクリート製或いはプレキャストコンクリート製)の第2基礎間柱46と第2鋼材48とを備えた第2間柱36を床梁35に連結し、第1及び第2鋼材40,48に一対の第1及び第2スプライスプレート55,56を固定し、第1及び第2スプライスプレート55,56に鋼材ダンパー10A~10Lの第1及び第2連結パネル11,12を固定することで施工することができ、短い工期で廉価に施工することができる。
【符号の説明】
【0251】
10A 鋼材ダンパー
10B 鋼材ダンパー
10C 鋼材ダンパー
10D 鋼材ダンパー
10E 鋼材ダンパー
10F 鋼材ダンパー
10G 鋼材ダンパー
10H 鋼材ダンパー
10I 鋼材ダンパー
10J 鋼材ダンパー
10K 鋼材ダンパー
10L 鋼材ダンパー
11 第1連結パネル
12 第2連結パネル
13a~13l ダンパーパネル
14 前面
15 後面
16 両側縁
17 前面
18 後面
19 中央域
20 前凹面エリア
21 後凹面エリア
22 外周縁
23a~23f 第1前凹曲面部~第6前凹曲面部
24 外周縁
25a~25f 第1後凹曲面部~第6後凹曲面部
26a~26f 第1前凹斜面部~第6前凹斜面部
27a~27f 第1後凹斜面部~第6後凹斜面部
28a~28f 第1前凹平坦面部~第6前凹平坦面部
29a~29f 第1後凹平坦面部~第6後凹平坦面部
30A~30B 制震構造物
31A 上部構造部材(第1構造部材)
31B 第1側部構造部材(第1構造部材)
32A 下部構造部材(第2構造部材)
32B 第2側部構造部材(第2構造部材)
33 天井梁(第1構造部材)
34 第1間柱(第1取り付け部材)
35 床梁(第2構造部材)
36 第2間柱(第2取り付け部材)
37 スペース
38 第1基礎間柱
39 下端
40 第1鋼材
41 第1鋼製ブラケット
42 第1H形鋼
43 フランジ
44 ウェブ
45 ボルト孔
46 第2基礎間柱
47 上端
48 第2鋼材
49 第2鋼製ブラケット
50 第2H形鋼
51 フランジ
52 ウェブ
53 ボルト孔
54 制震装置
55 第1スプライスプレート
56 第2スプライスプレート
57 摩擦接合用高力六角ボルト
58 ナット
59 両端縁
60 両側縁
61 第1柱(第1構造部材)
62 第1梁(第1取り付け部材)
63 第2柱(第2構造部材)
64 第2梁(第2取り付け部材)
65 第1壁(第1取り付け部材)
66 第2壁(第2取り付け部材)
L1 長さ寸法
L2 最小長さ寸法
Z1 長軸
Z2 短軸