(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022099668
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20220628BHJP
F25D 23/02 20060101ALI20220628BHJP
F25D 29/00 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
F25D23/00 301Q
F25D23/02 304
F25D29/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020213593
(22)【出願日】2020-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】守谷 雅秀
【テーマコード(参考)】
3L045
3L102
3L345
【Fターム(参考)】
3L045AA07
3L045PA04
3L102JA01
3L102KA01
3L102KA06
3L102KD11
3L102KE04
3L345AA02
3L345AA14
3L345KK02
3L345KK04
(57)【要約】
【課題】扉の主パネルとは別に、音声出力部及び音声入力部が配置されるパネルを設けた冷蔵庫を提供する。
【解決手段】実施形態の冷蔵庫は、貯蔵室を含む冷蔵庫本体と、該冷蔵庫本体に開閉可能に設けられた扉と、を持つ。該扉は、扉本体と、該扉本体の前部に、互いに隣接して配置された第一パネル及び第二パネルと、を持つ。前記第二パネルは、前記第二パネルの後方に配置されたスピーカからの音声出力が可能な音声出力部と、前記第二パネルの後方に配置されたマイクに音声入力が可能な音声入力部と、を持つ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室を含む冷蔵庫本体と、
該冷蔵庫本体に開閉可能に設けられた扉と、を備え、
該扉は、
扉本体と、
該扉本体の前部に、互いに隣接して配置された第一パネル及び第二パネルと、を有し、
前記第二パネルは、
前記第二パネルの後方に配置されたスピーカからの音声出力が可能な音声出力部と、
前記第二パネルの後方に配置されたマイクに音声入力が可能な音声入力部と、を有する冷蔵庫。
【請求項2】
前記音声入力部は、前記音声出力部の下方に配置されている請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記第二パネルは、上下方向に延びている請求項1または2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記第二パネルは、前記冷蔵庫の横幅方向の略中央に配置されている請求項1から3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記第二パネルは、情報を表示可能な表示部を有する請求項1から4のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記扉は、
前記スピーカ及び前記マイクを制御する基板を有し、
前記スピーカと前記基板とは、第一配線で接続され、
前記マイクと前記基板とは、第二配線で接続され、
該第二配線は、前記第一配線よりも短い請求項1から5のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記第一パネルには、前方から操作可能なタッチパネルが配置され、
前記第二パネルは、前記第二パネルの正面視左側に配置されている請求項1から6のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記第一パネルは、ガラス製であり、
前記第二パネルは、樹脂製である請求項1から7のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫の貯蔵室の扉の裏側に、スピーカ及びマイクが配置され、扉の表面にスピーカからの音声出力及びマイクへの音声入力が可能なように貫通孔が形成された構成が知られている。扉の表面材はガラス製であることがあり、扉の表面材に加工を施さないことが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、扉の主パネルとは別に、音声出力部及び音声入力部が配置されるパネルを設けた冷蔵庫を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の冷蔵庫は、貯蔵室を含む冷蔵庫本体と、該冷蔵庫本体に開閉可能に設けられた扉と、を持つ。該扉は、扉本体と、該扉本体の前部に、互いに隣接して配置された第一パネル及び第二パネルと、を持つ。前記第二パネルは、前記第二パネルの後方に配置されたスピーカからの音声出力が可能な音声出力部と、前記第二パネルの後方に配置されたマイクに音声入力が可能な音声入力部と、を持つ。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図5】実施形態に係る冷蔵庫の扉を後側から見た図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の仕切板及び冷蔵庫を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
【0008】
本明細書では、冷蔵庫の正面に立つユーザから冷蔵庫を見た方向を基準に、左右を定義している。また、冷蔵庫から見て冷蔵庫の正面に立つユーザに近い側を「前」、遠い側を「後ろ」と定義している。本明細書において「横幅方向」とは、上記定義における左右方向を意味する。本明細書において「奥行方向」とは、上記定義における前後方向を意味する。図中において、+X方向が右方向、-X方向が左方向、+Y方向が後方向、-Y方向が前方向、+Z方向が上方向、-Z方向が下方向である。
【0009】
図1は、実施形態に係る冷蔵庫の正面図である。
図2は、
図1のF2-F2線断面図である。
図1に示すように、冷蔵庫1は、例えば、筐体10および複数の扉11を有する。なお、冷蔵庫1は、上記の全てを有する必要はなく、いくつかの構成が適宜省略されてもよい。
【0010】
図2に示すように、筐体(冷蔵庫本体)10は、例えば、内箱10aと、外箱10bと、発泡断熱材10cと、を含む。
【0011】
内箱10aは、筐体10の内面を形成する部材であり、例えば合成樹脂製である。外箱10bは、筐体10の外面を形成する部材であり、例えば金属製である。外箱10bは、内箱10aよりも一回り大きく形成されており、内箱10aの外側に配置されている。外箱10bは、筐体10の前面を除く外面部を形成する略直方体である。なお、外箱10bの下端部の後側には、後述する機械室26を形成するための凹部が形成されている。発泡断熱材10cは、例えば発泡ウレタンのような発泡体からなる断熱材であり、内箱10aと外箱10bとの間に充填されている。
【0012】
図1に示すように、筐体10は、上壁21、下壁22、左側壁23、右側壁24、および後壁25(
図2参照)を有する。上壁21および下壁22は、略水平に広がっている。左側壁23および右側壁24は、下壁22の左右の端部から上方に起立し、上壁21の左右の端部に繋がる。
図2に示すように、後壁25は、下壁22の後端部から上方に起立し、上壁21の後端部に繋がる。
【0013】
筐体10の内部には、複数の貯蔵室27が形成されている。複数の貯蔵室27は、例えば、冷蔵室27A、野菜室27B、製氷室27C(
図1参照)、小冷凍室27D、および主冷凍室27Eを含む。本実施形態では、最上部に冷蔵室27Aが配置されている。冷蔵室27Aの下方に野菜室27Bが配置されている。野菜室27Bの下方に製氷室27Cおよび小冷凍室27Dが配置されている。製氷室27Cおよび小冷凍室27Dの下方に主冷凍室27Eが配置されている。筐体10は、各貯蔵室27の前面側に、各貯蔵室27に対して食材の出し入れを可能にする開口を有する。
【0014】
筐体10は、第1仕切部28と、第2仕切部29と、を有する。第1仕切部28および第2仕切部29は、例えば、それぞれ略水平方向に沿う仕切壁である。第1仕切部28は、冷蔵室27Aと野菜室27Bとの間に位置し、冷蔵室27Aと野菜室27Bとの間を仕切っている。第2仕切部29は、野菜室27Bと、製氷室27C(
図1参照)および小冷凍室27Dとの間に位置し、野菜室27Bと、製氷室27C(
図1参照)および小冷凍室27Dとの間を仕切っている。
【0015】
複数の貯蔵室27の開口は、複数の扉11によって開閉可能に覆われている。
図1に示すように、複数の扉11は、例えば、左冷蔵室扉11Aa、右冷蔵室扉(扉)11Ab、野菜室扉11B、製氷室扉11C、小冷凍室扉11D、および主冷凍室扉11Eを含む。
【0016】
左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abは、冷蔵室27Aの開口を閉じる。右冷蔵室扉11Abの詳細構成は後述する。野菜室扉11Bは、野菜室27Bの開口を閉じる。製氷室扉11Cは、製氷室27Cの開口を閉じる。小冷凍室扉11Dは、小冷凍室27Dの開口を閉じる。主冷凍室扉11Eは、主冷凍室27Eの開口を閉じる。
【0017】
左右に隣り合って設けられた左冷蔵室扉11Aaおよび右冷蔵室扉11Abは、観音開き式の一対の扉である。野菜室扉11B、製氷室扉11C、小冷凍室扉11D、および主冷凍室扉11Eは、例えば、引き出し式の扉である。野菜室扉11Bの後面には野菜室容器が連結されている。製氷室扉11C、小冷凍室扉11D、および主冷凍室扉11Eの各後面には、それぞれの貯蔵物容器が連結されている。
【0018】
複数の扉11は、それぞれの内部に適宜の断熱材を含む。適宜の断熱材には、上述した発泡断熱材10cと同様の発泡断熱材、シート断熱材、および真空断熱材などが含まれてもよい。
【0019】
図2に示すように、筐体10の後側には、例えば、冷媒が循環するパイプ、冷却ユニット15A、15B、流路形成部材14A、14B、冷却ファン16A、16B、および制御基板17などが設けられている。筐体10の後側の下部には、例えば、圧縮機、凝縮器、蒸発皿などが配置された機械室26が設けられている。
【0020】
冷却ユニット15Aは、冷蔵室27Aの後側に配置されていて、冷蔵室27Aおよび野菜室27Bを冷却する。冷却ユニット15Bは、主冷凍室27Eの後側に配置されていて、製氷室27C、小冷凍室27D、および主冷凍室27Eを冷却する。
【0021】
流路形成部材14Aは、冷却ユニット15Aから供給される冷気をそれぞれ冷蔵室27A、野菜室27Bに流す流路を形成する。流路形成部材14Bは、冷却ユニット15Bから供給される冷気を製氷室27C、小冷凍室27D、および主冷凍室27Eに流す流路を形成する。
【0022】
冷却ファン16Aは、冷却ユニット15Aで形成された冷気を流路形成部材14Aで囲まれた流路に送風し、野菜室27Bおよび冷蔵室27Aの内部に循環する冷気の流れを形成する。冷却ファン16Bは、冷却ユニット15Bで形成された冷気が流路形成部材14Bで囲まれた流路を送風し、製氷室27C、小冷凍室27D、および主冷凍室27Eの内部に循環する冷気の流れを形成する。
【0023】
制御基板17は、冷蔵庫1の全体を統括的に制御する。例えば、制御基板17は、複数の貯蔵室27に設けられた温度センサの検出結果に基づき、冷却ユニット15A、15B、冷却ファン16A、16B、および圧縮機等の動作を制御する。本実施形態では、制御基板17は冷蔵室27Aの上方における後側の外箱10b上に配置されている。
【0024】
次に、右冷蔵室扉11Abの詳細構成について説明する。
図3は、
図1のF3-F3線断面図である。
図3に示すように、右冷蔵室扉11Abは、第一前面部材(第一パネル)30、第二前面部材(第二パネル)40、枠体(扉本体)36、および後面部材(扉本体)37を有する。
図3では図示を省略しているが、
図2に示すように、右冷蔵室扉11Abの後面側には、上下方向に移動可能な扉容器18A、18Bと、下部に固定された扉容器19と、が着脱可能に取り付けられている。
【0025】
図1に示すように、第一前面部材30及び第二前面部材40は、右冷蔵室扉11Abの前端部に位置する。第一前面部材30及び第二前面部材40は、後述する枠体36(
図3参照)の前端部に配置されている。第一前面部材30と第二前面部材40とは、横幅方向に隣接配して配置されている。前側から見て、第二前面部材40は、第一前面部材30の左側に配置されている。第一前面部材30は右冷蔵室扉11Abの吊元側に配置され、第二前面部材40は右冷蔵室扉11Abの戸先側に配置されている。第二前面部材40は、冷蔵庫1の横幅方向の略中央に配置されている。なお、第一前面部材30及び第二前面部材40は、左冷蔵室扉11Aaに設けられていてもよい。
【0026】
第一前面部材30は、上下方向および横幅方向に延びる板部材である。第一前面部材30は、例えば、ガラス板(ガラス製)である。なお、第一前面部材30は、ガラス板に限定されず、合成樹脂、金属などの素材で形成されてもよい。第一前面部材30は平板でもよいし、湾曲板でもよい。以下では、第一前面部材30がガラス製の平板の例で説明する。
【0027】
第一前面部材30は、不透明部30Aと、透明部30Bと、を有する。不透明部30Aは、第一前面部材30において可視光の透過率が低いため、右冷蔵室扉11Abの内部が視認しづらい領域である。本実施形態における不透明部30Aは、第一前面部材30の表面に可視光の透過率を低減する塗装膜が成膜されて形成されている。透明部30Bは、第一前面部材30における透明領域である。透明部30Bは、第一前面部材30において、塗装膜が形成されない部位で形成される。本実施形態では、後述するタッチパネルPの表示領域以下の大きさに形成される。
図1に示す例では、透明部30Bは、タッチパネルPの表示画面よりもわずかに狭い矩形である。透明部30Bは、前側から見てタッチパネルPの表示画面に重なる位置に形成されている。
【0028】
第二前面部材40は、上下方向に延びる板部材である。第二前面部材40は、上下方向に長い矩形状をしている。第一前面部材30は、例えば、樹脂板(樹脂製)である。なお、第二前面部材40は、樹脂板に限定されず、他の素材で形成されてもよい。第二前面部材40は平板でもよいし、湾曲板でもよい。以下では、第二前面部材40が平板の例で説明する。
【0029】
図3に示す枠体36は、前側から見て略矩形の枠である。前側から見た枠体36の外形は、第一前面部材30の外形と略同じである。枠体36は、上面部(不図示)と、下面部(不図示)と、右側面部36cと、左側面部36dと、を有している。上面部は、枠体36の上端部に位置している。下面部は、枠体36の下端部に位置している。右側面部36cは、上面部の右端部と下面部の右端部とを繋いでいる。左側面部36dは、上面部の左端部と下面部の左端部とを繋いでいる。枠体36の前端部は、第一前面部材30の後面30bに固定されている。枠体36は、例えば合成樹脂製である。
【0030】
後面部材37は、第一前面部材30とは反対側から枠体36に取り付けられ、右冷蔵室扉11Abの後端部に位置する。第一前面部材30と後面部材37とは、枠体36を奥行方向に挟んでそれぞれ枠体36と固定されている。後側から見た後面部材37の外形は、枠体36に沿う矩形である。後面部材37は、右冷蔵室扉11Abの後面、すなわち内面部を形成している。後面部材37は、例えば合成樹脂製である。
【0031】
右冷蔵室扉11Abの内部には、タッチパネルP、回路基板33、回路基板34(
図5参照)、カバー35、発泡断熱材38、マイク41、スピーカ42(
図4参照)、および発光部43(
図4参照)が配置されている。
【0032】
タッチパネルPは、第一前面部材30の後面30bに沿って配置されている。タッチパネルPは、パネル本体31と、固定具32と、を有する。パネル本体31は、画像を表示する表示部31aと、ユーザの操作を検知する検知部31bと、を有する。検知部31bは、前面部材30の前面30aに近接または接触する、ユーザの指などの操作手段の位置を検知する。固定具32は、パネル本体31を保持し、第一前面部材30の後面30bに固定される。固定具32は、パネル本体31を内部に収容する凹部が形成され、前方に開口する箱型である。
【0033】
回路基板33及び回路基板34(
図5参照)は、タッチパネルPの後方に配置されている。回路基板33は、タッチパネルPとフレキシブル基板33d(
図5参照)によって電気的に接続されている。回路基板33と回路基板34とは、不図示の配線ケーブルで電気的に接続されている。回路基板33は、マイコンを備えており、タッチパネルPの制御(画像処理、アプリ、データの保存、アンテナ、音の出力等)を行う基板であり、タッチパネルPのメイン基板である。回路基板34は、マイク41と不図示のケーブルで接続されており、音声を認識する基板である。回路基板33及び回路基板34は、例えば、タッチパネルPの操作結果に基づいて、タッチパネルPに情報を表示するように制御する。
【0034】
カバー35は、タッチパネルPを後方から覆い、第一前面部材30の後面30bに固定されている。カバー35は、タッチパネルPを内部に収容する凹部が形成され、前方に開口する箱型である。
【0035】
右冷蔵室扉11Abの内部は、内部空間S1が形成されている。内部空間S1は、後面部材37の前面と、枠体36の内周面と、カバー35の後面と、第一前面部材30において後側から見てカバー35に覆われていない後面30bと、によって囲まれた空間である。内部空間S1には、発泡断熱材38が充填されている。発泡断熱材38は、例えば発泡ウレタンのような発泡体からなる断熱材である。
【0036】
図1に示すように、マイク41、スピーカ42および発光部43は、第二前面部材40の後方に配置されている。スピーカ42、発光部43、およびマイク41は、この順で上方から下方に並んで配置されている。
【0037】
図3に示すように、枠体36の左端部には、枠体36の前面36fから後方にセットバックした支持板部36aが設けられている。支持板部36aは、枠体36の前面36fと連結壁部36bで接続されている。支持板部36a及び連結壁部36bは、上下方向に延びている。支持板部36aには、前方に延出するマイク支持壁部36eが設けられている。マイク支持壁部36eは、例えば、後述するマイク41を支持可能に、マイク41の外周に沿うように設けられている。
【0038】
図4は、
図1のF4-F4線断面図である。
図4に示すように、マイク41は、枠体36に設けられたマイク支持壁部36eに支持されている。マイク41は、少なくとも前方から音声入力が可能とされている。
【0039】
マイク41は、第二前面部材40の後方に配置されている。第二前面部材40には、マイク41と対応する位置に前後方向に貫通するマイク開口(音声入力部)40aが形成されている。第二前面部材40の前方から発せられた音声は、マイク開口40aを通して、マイク41に音声入力が可能とされている。
図1に示すように、マイク開口40aは、例えば第二前面部材40に横幅方向に離間して2箇所に形成されているが、個数は適宜設定可能である。
【0040】
枠体36の支持板部36aには、前方に延出するスピーカ支持壁部36gが設けられている。スピーカ支持壁部36gは、例えば、後述するスピーカ42を支持可能に、スピーカ42の外周に沿うように設けられている。スピーカ支持壁部36gは、マイク支持壁部36eよりも上方に配置されている。
【0041】
スピーカ42は、枠体36に設けられたスピーカ支持壁部36gに支持されている。スピーカ42は、少なくとも前方に向かって音声出力が可能とされている。スピーカ42は、マイク41の上方に配置されている。
【0042】
スピーカ42は、第二前面部材40の後方に配置されている。第二前面部材40には、スピーカ42と対応する位置に前後方向に貫通するスピーカ開口(音声出力部)40bが形成されている。スピーカ42から出力される音声は、スピーカ開口40bを通して出力され、第二前面部材40の前方で聞き取り可能とされている。スピーカ開口40bは、例えば第二前面部材40に上下方向に離間して3箇所に形成されているが、個数は適宜設定可能である。
【0043】
枠体36の支持板部36aには、前方に延出する発光部支持壁部36hが設けられている。発光部支持壁部36hは、例えば、後述する発光部基板43aを支持可能に、発光部基板43aの外周に沿うように設けられている。発光部支持壁部36hは、マイク支持壁部36eよりも上方、且つスピーカ支持壁部36gより下方に配置されている。
【0044】
発光部43は、発光部基板43aと、発光体43bと、を有している。発光部基板43aは、枠体36に設けられた発光部支持壁部36hに支持されている。発光体43bは、発光部基板43aに設けられている。発光体43bは、発光可能とされている。発光体43bは、例えば、上下方向に離間して3箇所に設けられている。発光部43は、マイク41の上方、且つスピーカ42の下方に配置されている。
【0045】
発光部43は、第二前面部材40の後方に配置されている。第二前面部材40には、発光体43bと対応する位置に、発光体43bの発光、消灯および点滅等により、所望の情報を表示可能な表示部40cが設けられている。表示部40cは、発光体43bに対応して、例えば第二前面部材40に上下方向に離間して3箇所に設けられているが、個数は適宜設定可能である。
【0046】
枠体36の連結壁部36bには、横幅方向に貫通するケーブル孔36i,36jが形成されている。ケーブル孔36iは、マイク41と発光部43との間の高さに形成されている。ケーブル孔36jは、スピーカ42と発光部43との間の高さに形成されている。
【0047】
マイク41には、第一マイクケーブル(第二配線)41aが接続されている。第一マイクケーブル41aの先端部には、第一マイクコネクタ41bが設けられている。スピーカ42には、第一スピーカケーブル(第一配線)42aが接続されている。第一スピーカケーブル42aの先端部には、第一スピーカコネクタ42bが設けられている。発光部43の発光部基板43aには、不図示のケーブルが接続されている。ケーブルの先端部には、第一発光部コネクタ43cが設けられている。
【0048】
図5は、右冷蔵室扉11Abを後側から見た図である。
図6は、冷蔵庫1の機能ブロック図。
図5に示すように、回路基板33には、接続口33a,33b,33cが設けられている。
【0049】
接続口33aは、例えば、接続口33aの下端部に設けられているが、位置は適宜設定可能である。接続口33aには、第二マイクケーブル(第二配線)50の一端部に設けられた第二マイクコネクタ50aが接続されている。第二マイクケーブル50は、略横幅方向に延び、
図4に示すように、枠体36のケーブル孔36iに挿通されている。第二マイクケーブル50の他端部に設けられた第二マイクコネクタ50bは、第一マイクコネクタ41bに接続されている。
図6に示すように、第一マイクケーブル41aおよび第二マイクケーブル50によって、マイク41が回路基板33に電気的に接続されている。
【0050】
図5に示すように、接続口33bは、例えば、接続口33bの上端部に設けられているが、位置は適宜設定可能である。接続口33bには、第二スピーカケーブル(第一配線)51の一端部に設けられた第二スピーカコネクタ51aが接続されている。第二スピーカケーブル51は、第二スピーカコネクタ51aから略上方に延びた後に、略横幅方向に延び、
図4に示すように、枠体36のケーブル孔36jに挿通されている。第二スピーカケーブル51の他端部に設けられた第二スピーカコネクタ51bは、第一スピーカコネクタ42bに接続されている。
図6に示すように、第一スピーカケーブル42aおよび第二スピーカケーブル51によって、スピーカ42が回路基板33に電気的に接続されている。
【0051】
図4および
図5に示すように、マイク41と回路基板33とを接続する第一マイクケーブル41aと第二マイクケーブル50との合計長さは、スピーカ42と回路基板33とを接続する第一スピーカケーブル42aと第二スピーカケーブル51との合計長さよりも短い。
【0052】
図5に示すように、枠体36の上端部には、束線用ブッシュ61が設けられている。束線用ブッシュ61には、ケーブル60が接続されている。束線用ブッシュ61と制御基板17(
図2参照)とは、不図示のケーブルで接続されている。
【0053】
ケーブル60は、ケーブル60A,60Bに分岐している。ケーブル60Aの先端部に設けられたコネクタ62aは、回路基板33の接続口33cに接続されている。
図6に示すように、ケーブル60Aによって、回路基板33と制御基板17とは電気的に接続されている。
【0054】
図5に示すように、ケーブル60Bは、ケーブル60C,60D,ケーブル60Eに分岐している。ケーブル60Cの先端部に設けられたコネクタ63aは、回路基板34の接続口33aに接続されている。ケーブル60B,60Cによって、回路基板34と制御基板17とは電気的に接続されている。
【0055】
ケーブル60Dは、
図4に示すように、枠体36のケーブル孔36iに挿通されている。ケーブル60Dの先端部に設けられたコネクタ62bは、第一発光部コネクタ43cに接続されている。
図6に示すように、ケーブル60B,60Dによって、発光部43が制御基板17に電気的に接続されている。
【0056】
図5に示すように、ケーブル60Eは、制御基板17と湿度センサ13とを電気的に接続している。
【0057】
図4に示すように、枠体36のケーブル孔36i,36jの内部には、ケーブルとの間の隙間を埋めるようにシール材44が設けられている。
【0058】
上記の右冷蔵室扉11Abを製造する際のマイク41,スピーカ42および発光部43の配線については、回路基板33を設けて、第二マイクケーブル50及び第二スピーカケーブル51を接続する。第二マイクケーブル50及びケーブル60Dを枠体36のケーブル孔36iに挿通する。第二スピーカケーブル51を枠体36のケーブル孔36jに挿通する。この状態で発泡断熱材38を充填し、その後各ケーブルのコネクタ同士を接続して、第二前面部材40を取り付ける。
【0059】
以上説明した実施形態によれば、右冷蔵室扉11Abには、第一前面部材30とは別に第二前面部材40を設けられる。第二前面部材40には、音声入力部となるマイク41の前方に配置されたマイク開口40a、および音声出力部となるスピーカ42の前方に配置されたスピーカ開口40bが配置されている。よって、扉の主パネルとなる第一前面部材30とは別に、音声入力部及び音声出力部が配置される第二前面部材40を設けることができる。
【0060】
上記実施形態によれば、マイク41はスピーカ42の下方に配置され、マイク開口40aはスピーカ開口40bの下方に配置されている。よって、冷蔵庫1を利用する(冷蔵庫1に向かって立つ)ユーザの口の高さ近傍にマイク開口40aが配置されるため、マイク41にユーザの音声が適切に入力される。
【0061】
上記実施形態によれば、第二前面部材40は、上下方向に延びている。よって、ユーザは、横幅方向に移動することなく音声入力および音声出力をすることができる。
【0062】
上記実施形態によれば、第二前面部材40は、冷蔵庫1の横幅方向の略中央に配置されている。よって、ユーザは、冷蔵庫1の横幅方向の略中央に立って音声入力および音声出力をすることができる。
【0063】
上記実施形態によれば、第二前面部材40は表示部40cを有している。よって、扉の主パネルとなる第一前面部材30とは別に、表示部40cも配置される第二前面部材40を設けることができる。
【0064】
上記実施形態によれば、マイク41と回路基板33とを接続する第一マイクケーブル41aと第二マイクケーブル50との合計長さは、スピーカ42と回路基板33とを接続する第一スピーカケーブル42aと第二スピーカケーブル51との合計長さよりも短い。よって、マイク41に発生するノイズを抑制することができる。
【0065】
上記実施形態によれば、第一前面部材30にはタッチパネルPが配置され、第一前面部材30の正面視左側に第二前面部材40が配置されている。よって、右利きのユーザは、第二前面部材40の正面に立って、右手でタッチパネルPを操作して、マイク41に音声入力およびスピーカ42からの音声出力を聞き取ることができる。よって、横幅方向に動く必要がなく、利便性が高い。
【0066】
上記実施形態によれば、第一前面部材30はガラス製であり、第二前面部材40は樹脂製である。よって、マイク開口40aおよびスピーカ開口40bの加工を樹脂製の第二前面部材40にすればよいため、加工性が良い。
【0067】
上記実施形態によれば、回路基板33は、タッチパネルP、マイク41およびスピーカ42の制御も行う。よって、マイク41およびスピーカ42専用の基板を設ける必要がないため、部品点数を抑制することができるとともに、右冷蔵室扉11Abの軽量化を図ることができる。
【0068】
上記実施形態では、マイク41がスピーカ42の下方に配置され、マイク開口40aがスピーカ開口40bの下方に配置されている例を示したが、マイク41がスピーカ42の上方に配置され、マイク開口40aがスピーカ開口40bの上方に配置されていてもよい。
【0069】
上記実施形態では、第二前面部材40が上下方向に延びている例を示したが、第二前面部材40が横幅方向に延びていてもよい。
【0070】
上記実施形態では、第二前面部材40が冷蔵庫1の横幅方向の略中央に配置されている例を示したが、第二前面部材40が冷蔵庫1の横幅方向の端部等に配置されていてもよい。
【0071】
上記実施形態では、第二前面部材40が表示部40cを有している例を示したが、第二前面部材40が表示部40cを有していなくてもよい。
【0072】
上記実施形態では、マイク41と回路基板33とを接続する第一マイクケーブル41aと第二マイクケーブル50との合計長さは、スピーカ42と回路基板33とを接続する第一スピーカケーブル42aと第二スピーカケーブル51との合計長さよりも短い例を示したが、第一マイクケーブル41aと第二マイクケーブル50との合計長さが第一スピーカケーブル42aと第二スピーカケーブル51との合計長さよりも長くてもよい。
【0073】
上記実施形態では、第一前面部材30にタッチパネルPが配置され、第一前面部材30の正面視左側に第二前面部材40が配置されている例を示したが、第一前面部材30にタッチパネルPが配置されていなくてもよく、あるいはタッチパネルPが配置された第一前面部材30の正面視右側に第二前面部材40が配置されていてもよい。
【0074】
上記実施形態で、第一前面部材30はガラス製であり、第二前面部材40は樹脂製である例を示したが、第一前面部材30および第二前面部材40の材料は適宜設定可能である。
【0075】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、冷蔵庫は、貯蔵室を含む冷蔵庫本体と、該冷蔵庫本体に開閉可能に設けられた扉と、を持つ。該扉は、扉本体と、該扉本体の前部に配置された第一パネルと、前記扉本体の前部に、前記第一パネルに隣接して配置された第二パネルと、を持つ。前記第二パネルは、前記第二パネルの後方に配置されたスピーカからの音声出力が可能な音声出力部と、前記第二パネルの後方に配置されたマイクに音声入力が可能な音声入力部と、を持つ。このような構成によれば、扉の主パネルとは別に、音声出力部及び音声入力部が配置されるパネルを設けることができる。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0077】
1…冷蔵庫、10…筐体(冷蔵庫本体)、11…扉、11Ab…右冷蔵室扉(扉)、27…貯蔵室、30…第一前面部材(第一パネル)、36…枠体(扉本体)、37…後面部材(扉本体)、40…第二前面部材(第二パネル)、40a…マイク開口(音声入力部)、40b…スピーカ開口(音声出力部)、40c…表示部、41…マイク、42…スピーカ、41a…第一マイクケーブル(第二配線)、42a…第一スピーカケーブル(第一配線)、50…第二マイクケーブル(第二配線)、51…第二スピーカケーブル(第一配線)、P…タッチパネル