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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022099690
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】映像装置の筐体、及び映像装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20220628BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20220628BHJP
   H05K 7/12 20060101ALI20220628BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
G09F9/00 350A
H05K5/02 A
H05K7/12 V
H04N5/64 571A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020213631
(22)【出願日】2020-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】原田 貴文
【テーマコード(参考)】
4E353
4E360
5G435
【Fターム(参考)】
4E353AA07
4E353BB02
4E353CC01
4E353CC16
4E353CC36
4E353DD02
4E353DD05
4E353DR02
4E353DR36
4E353DR45
4E353GG20
4E353GG21
4E360AB05
4E360AB06
4E360BD03
4E360BD05
4E360EA14
4E360EC12
4E360ED03
4E360ED23
4E360GA04
4E360GA52
4E360GB02
4E360GC08
4E360GC14
5G435AA17
5G435EE02
5G435EE05
(57)【要約】
【課題】映像装置において、表示モジュールの交換作業の時間を短縮することを目的とする。
【解決手段】映像装置の筐体は、筐体本体と筐体本体の筐体縁部に配置される枠部材とを備えている。筐体本体には、窪み部である表示モジュール用空間が形成されており、枠部材には表示モジュール用空間に面した内側面が形成されている。表示モジュール用空間に設置された表示モジュールの外周面には、枠部材の弾性変形に伴って生じる復元力によって枠部材の内側面が押し付けられる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体本体と、
枠部材と、
を備え、
前記筐体本体には、窪み部が形成され、
前記筐体本体には、前記窪み部の開口部を囲む筐体縁部が形成され、
前記窪み部は、表示モジュール用空間であり、
前記枠部材には、一対の側面が形成されており、
前記枠部材は、前記筐体縁部に沿って配置されており、
前記枠部材は、弾性部材であり、
前記一対の側面のうち一方の前記側面は、前記表示モジュール用空間に面している内側面である映像装置の筐体。
【請求項2】
前記枠部材は、樹脂によって構成されている請求項1に記載の映像装置の筐体。
【請求項3】
前記枠部材には、前記筐体縁部に沿った溝が形成されており、
前記筐体本体には、前記筐体縁部を含む差込部が形成されており、
前記枠部材は、前記差込部が前記溝に差し込まれることにより前記筐体本体に設けられている請求項1又は請求項2に記載の映像装置の筐体。
【請求項4】
前記差込部の側面には、抜止め凸部が形成さており、
前記溝の内面には、前記抜止め凸部に対応する抜止め凹部が形成されており、
少なくとも前記溝の深さ方向において、前記抜止め凸部と前記抜止め凹部とが互いに引っ掛かっている請求項3に記載の映像装置の筐体。
【請求項5】
前記差込部の側面には、位置決め凸部が形成さており、
前記溝の内面には、前記位置決め凸部に対応する位置決め凹部が形成されており、
少なくとも前記筐体縁部に沿った方向において、前記位置決め凸部と前記位置決め凹部とが互いに引っ掛かっている請求項3又は請求項4に記載の映像装置の筐体。
【請求項6】
前記枠部材には、前記筐体縁部に倣って湾曲状になっている枠曲部と、前記筐体縁部に倣って直線状になっている枠直線部とが形成されており、
前記枠曲部の前記一対の側面は、曲部内側面及び曲部外側面となっており、
前記枠曲部は、前記曲部内側面を内側にして、かつ、前記曲部外側面を外側にして湾曲しており、
前記枠部材が前記筐体本体から外れた状態で、かつ前記枠部材を直線上に配置した状態では、前記曲部内側面が、前記曲部内側面に連続した前記枠直線部の前記側面よりも前記曲部外側面に向かって窪んだ湾曲状になっており、
前記枠曲部の厚さが前記枠直線部の厚さよりも薄くなっている請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の映像装置の筐体。
【請求項7】
前記枠部材には、模様が設けられている請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の映像装置の筐体。
【請求項8】
前記模様は、凹凸及び塗装皮膜の少なくともいずれかで形成されている請求項7に記載の映像装置の筐体。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の映像装置の筐体と、
前記表示モジュール用空間に設けられている表示モジュールと、
を備え、
前記表示モジュールの外周面は、前記枠部材に嵌っており、
前記枠部材の前記内側面は、前記枠部材の弾性変形に伴って生じる復元力によって前記外周面に押し付けられている映像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、映像装置の筐体、及び映像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、映像装置において、表示モジュールの外周部全体に側面ベゼルが接着層によって取り付けられている構造が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5724056号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示された従来の映像装置では、表示モジュールを交換する場合、表示モジュールと側面ベゼルとの間に接着層が介在していることから、表示モジュールから側面ベゼルを剥がしにくくなる。このため、表示モジュールの交換作業に時間がかかっていた。
【0005】
本開示は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、表示モジュールの交換作業の時間を短縮することができる映像装置の筐体を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る映像装置の筐体は、筐体本体と、枠部材と、を備え、筐体本体には、窪み部が形成され、筐体本体には、窪み部の開口部を囲む筐体縁部が形成され、窪み部は、表示モジュール用空間であり、枠部材には、一対の側面が形成されており、枠部材は、筐体縁部に沿って配置されており、枠部材は、弾性部材であり、一対の側面のうち一方の側面は、表示モジュール用空間に面している内側面である。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る映像装置の筐体によれば、表示モジュールの交換作業の時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1による映像装置を示す概略正面図である。
図2図1のII-II線に沿って切断した映像装置を分解した状態を示す斜視図である。
図3】実施の形態1による筐体本体を示す斜視図である。
図4図1のIV-IV線に沿った断面図である。
図5図1のV-V線に沿った断面図である。
図6図1のVI部分を示す拡大図である。
図7図6における枠部材において、外周板に沿って配置されている状態と外周板から外して直線上に配置した状態とを示す概略図である。
図8図5における位置決め凸部の変形例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による映像装置を示す概略正面図である。図2は、図1のII-II線に沿って切断した映像装置を分解した状態を示す斜視図である。映像装置1は、筐体2と、筐体2に設けられた表示モジュール3とを備えている。
【0010】
映像装置1は、映像を表示するための装置である。映像装置1の内部には、図示しない電源供給機構、制御機構といった映像装置1を動作させるための機構が設置されている。
【0011】
筐体2は、筐体本体4と、筐体本体4に設けられている枠部材5とを有している。筐体本体4は、金属、樹脂、又は複合素材によって構成されている。筐体本体4を構成する樹脂としては、プラスチックが用いられている。枠部材5は、樹脂によって構成された弾性部材である。枠部材5を構成する樹脂としては、ゴムが用いられている。
【0012】
筐体本体4は、背板41と、背板41の外形に沿って設けられた筒状の外周板42とを有している。筐体本体4には、背板41と外周板42とで囲まれた空間である窪み部が表示モジュール用空間44として形成されている。外周板42には、表示モジュール用空間44である窪み部の開口部を囲む筐体縁部42aが形成されている。
【0013】
枠部材5は、外周板42の筐体縁部42aに設けられている。枠部材5は、筐体縁部42aを覆った状態で外周板42に沿って配置されている。枠部材5は、表示モジュール用空間44を囲んでいる。
【0014】
枠部材5には、一対の側面が形成されている。一対の側面のうち、表示モジュール用空間44に面する側面が内側面51であり、内側面51とは反対側の側面が外側面52である。外側面52は、表示モジュール用空間44に対して筐体2の外側の空間に露出している。
【0015】
枠部材5の外側面52には、図示しない模様が設けられている。模様は、凹凸、又は塗装皮膜によって形成されている。模様としては、幾何学的な模様、絵画的な模様、文字、数字、記号、製品管理に関する表示といったものが挙げられる。製品管理に関する表示とは、例えば、バーコード、製造番号、ロット番号、製造工場の番号といったものである。
【0016】
模様は、枠部材5の表面のうち映像装置1の外観として露出している部分に設けられていればよい。
【0017】
表示モジュール3の形状は、板状である。表示モジュール3には、表示面31と、表示面31とは反対側の裏面32と、表示面31と裏面32とを繋ぐ外周面33とが形成されている。表示面31には、映像が表示される。
【0018】
表示モジュール3は、表示モジュール用空間44に設置されている。表示モジュール3を設置する前の、枠部材5で囲まれた範囲の大きさは、表示モジュール3自身の表示面31側から見たときの大きさよりも、小さい大きさである。
【0019】
表示モジュール用空間44に表示モジュール3を設置すると、枠部材5は弾性変形をする。表示モジュール3の外周面33は、枠部材5に嵌る。枠部材5に嵌っている外周面33には、枠部材5が押し付けられている。即ち、枠部材5の弾性変形に伴って生じる復元力によって、枠部材5に嵌っている外周面33に、枠部材5の内側面51が押し付けられている。
【0020】
図3は、実施の形態1による筐体本体を示す斜視図である。背板41は、4つの角部が丸まった矩形状の板である。外周板42は、背板41の矩形状の外形に沿って配置されている。
【0021】
外周板42には、4つの曲板部421と、4つの曲板部421をそれぞれ繋ぐ4つの平板部422とが形成されている。それぞれの曲板部421は、背板41のそれぞれの角部の位置に形成されている。曲板部421の形状は、背板41の角部に沿って曲った形状である。平板部422は、背板41の4つの辺に沿ってそれぞれ形成されている。
【0022】
図4は、図1のIV-IV線に沿った断面図である。枠部材5には、外周板42の筐体縁部42aに沿った溝50が形成されている。外周板42には、筐体縁部42aの全周に渡って筐体縁部42aを含む差込部43が形成されている。差込部43は、外周板42の背板41側とは反対側に形成されている。溝50には、差込部43が差し込まれることで、枠部材5が外周板42に固定され、設けられている。
【0023】
差込部43には、抜止め凸部43aが形成されている。抜止め凸部43aは、表示モジュール用空間44側に向かって凸となる円弧状に形成されている。抜止め凸部43aは、差込部43の長手方向に渡って断続的に形成されている。
【0024】
溝50の内面には、抜止め凸部43aが引っ掛かる抜止め凹部50aが形成されている。抜止め凹部50aは、溝50の内面であって、抜止め凸部43aを受ける内面に形成されている。抜止め凹部50aの形状は、抜止め凸部43aに対応した形状であって、凹んでいる形状である。
【0025】
溝50に外周板42を差し込む方向を溝50の深さ方向とする。抜止め凸部43aには、溝50の深さ方向に交差する面が形成されている。抜止め凹部50aには、溝50の深さ方向に交差する面が形成されている。
【0026】
抜止め凸部43aと抜止め凸部43aに対応する抜止め凹部50aとは、溝50の深さ方向に互いに引っ掛かる形状である。即ち、抜止め凸部43aに形成されている溝50の深さ方向に交差する面と、抜止め凹部50aに形成されている溝50の深さ方向に交差する面とが当たることで、枠部材5が外周板42から抜けることを防止している。
【0027】
図5は、図1のV-V線に沿った断面図である。差込部43には、位置決め凸部43bが形成されている。位置決め凸部43bは、外周板42に形成された切り込みに沿って外周板42の一部を表示モジュール用空間44側に折り曲げて突出させた部分である。
【0028】
溝50の内面には、位置決め凸部43bが引っ掛かる位置決め凹部50bが形成されている。位置決め凹部50bは、溝50の内面であって、表示モジュール用空間44側の内面に形成されている。位置決め凹部50bは、位置決め凸部43bが嵌まり込む穴又は窪みである。
【0029】
位置決め凸部43bには、溝50の長手方向に交差する面が形成されている。位置決め凹部50bには、溝50の長手方向に交差する面が形成されている。
【0030】
位置決め凸部43bと位置決め凸部43bに対応する位置決め凹部50bとは、溝50の長手方向に互いに引っ掛かる形状である。即ち、位置決め凸部43bに形成された溝50の長手方向に交差する面と、位置決め凹部50bに形成された溝50の長手方向に交差する面とが当たることで、枠部材5を外周板42に位置決めしている。
【0031】
位置決め凸部43bは、差込部43の全周に渡って、任意の間隔をもって形成されている。位置決め凹部50bは、位置決め凸部43bに対応する位置に形成されている。
【0032】
位置決め凸部43bの数と形成する位置は、適宜設定してよい。枠部材5は、取り付け前においては両端を有する樹脂製の長尺部材である。枠部材5の取り付けは、枠部材5の一端を始点として他端まで、溝50に筐体本体4を嵌め込んで枠部材5を取り付ける。
【0033】
このとき、枠部材5の取り付けにおいて、不均一な延びが発生しないように、位置決め凸部43bを形成する位置と個数を設定することがよい。設定された位置決め凸部43bとそれに対応する位置決め凹部50bとにより、枠部材5に不均一な延びが発生しないよう外周板42に取り付けることができる。
【0034】
図6は、図1のVI部分を示す拡大図である。枠部材5には、曲板部421の筐体縁部42aの形状に倣って湾曲状になっている枠曲部55が形成されている。枠部材5には、平板部422の筐体縁部42aの形状に倣って直線状になっている枠直線部56が形成されている。
【0035】
枠曲部55の一対の側面のうち、一方の側面は、曲部内側面551であり、他方の側面は、曲部外側面552である。曲部内側面551は、枠曲部55の曲がり内側の側面である。曲部外側面552は、枠曲部55の曲がり外側の側面である。即ち、枠曲部55は、曲部内側面551を内側として、かつ、曲部外側面552を外側として湾曲している。ここで、映像装置1において、表示モジュール3の表示面31側から見たときの枠部材5の幅を枠部材5の厚さとする。
【0036】
図7は、図6における枠部材において、外周板に沿って配置されている状態と外周板から外して直線上に配置した状態とを示す概略図である。図7の左側の図は、枠部材5が外周板42に沿って配置されている状態の図である。図7の右側の図は、図7の左側の図の枠部材5が外周板42に沿って配置されている状態の枠部材5を、外周板42から外した状態で、かつ枠曲部55と枠直線部56とを直線上に配置した状態の図である。
【0037】
図6及び図7においては、枠曲部55の曲部内側面551は、内側面51の一部分である。一方、枠曲部55の曲部外側面552は、外側面52の一部分である。
【0038】
図7の右側の図に見られるように、枠部材5を外周板42から外し直線上に配置したときに、枠曲部55に対応する部分の枠部材5の厚さは、枠直線部56に対応する部分の厚さに比べて薄くなるように形成されている。枠部材5の枠曲部55は、曲部内側面551が曲部外側面552に向かって窪んだ湾曲状に形成されている。枠部材5の枠曲部55の曲部外側面552は、連続する枠直線部56の側面と同様に直線状に形成されている。
【0039】
このように、曲部内側面551が窪んでおり、かつ、枠曲部55の厚さが枠直線部56の厚さより薄く形成されている。これにより、枠部材5を外周板42の縁部に沿って配置すると、枠曲部55に対応する部分の枠部材5の厚さと、枠直線部56に対応する部分の厚さとが等しくなっているように見える。
【0040】
実施の形態1による筐体2によれば、枠部材5が弾性変形可能な部材からできている。これにより、表示モジュール用空間44に表示モジュール3を嵌め込んで設置することができる。また、表示モジュール3が外れる方向に一定の力を加えることにより表示モジュール用空間44から表示モジュール3を取り外すことができる。従って、筐体2と表示モジュール3との着脱が容易となり、表示モジュールの交換作業の時間を短縮することができる。
【0041】
また、表示モジュール用空間44に設置され表示モジュール3は、枠部材5の弾性変形に伴って生じる復元力によって固定されており、接着剤を使っていない。これによって、表示モジュール3の交換後に、枠部材5を再使用することができる。従って、表示モジュール3の交換作業におけるコストの低減を図ることができる。
【0042】
また、枠部材5は、樹脂によって構成される弾性部材である。これによって、表示モジュール3を表示モジュール用空間44に嵌め込んだときに、表示モジュール3と枠部材5との密着性が高まる。従って、映像装置1の内部への水及び埃の進入を防ぐことができる。また、表示モジュール3のバックライトの光が表示モジュール3と筐体2との間から漏れ出ることを防ぐことができる。
【0043】
また、これによって、表示モジュール3の寸法に多少の誤差が生じても、表示モジュール3と筐体2とを密着して固定することができる。
【0044】
また、枠部材5は、溝50に差込部43が差し込まれることで固定されている。枠部材5と筐体本体4とは、接着剤といったもので固着されていない。これにより、筐体2の組立において、枠部材5と筐体本体4との固定工程を簡略化できる。従って、組み立てコストを低減することができる。
【0045】
また、筐体本体4に形成された抜止め凸部43aと溝50の内面に形成された抜止め凹部50aとは、溝の深さ方向において引っ掛かっている。これにより、筐体本体4から枠部材5が抜けることを抑制することができる。
【0046】
また、抜止め凸部43aと抜止め凹部50aとは、差込部43の長手方向に渡って形成されている。これにより、外周板42の長手方向に渡って、枠部材5の溝50への筐体本体4の差し込み量が一定となる。従って、映像装置1の意匠性を向上させることができる。
【0047】
また、互いに対応する位置決め凸部43bと位置決め凹部50bとは、互いに溝50の長手方向に引っ掛かっている。これにより、筐体本体4に対して、枠部材5が位置決めされるとともに、溝50の長手方向に沿った枠部材5と外周板42との相対的な移動が規制される。よって、筐体本体4に枠部材5を配置した際に、筐体本体4に対する枠部材5の部分的な伸び又は縮みを無くすことができる。従って、映像装置1の意匠性を向上させることができる。
【0048】
また、筐体2によれば、枠部材5の枠曲部55に対応する位置は、枠部材5の厚さが枠直線部56の厚さに比べて薄くなるように形成されている。これにより、無理なく枠部材5を曲げることができる。従って、組み立て加工時の組み立てをより容易にすることができる。
【0049】
また、枠部材5の枠曲部55に対応する位置において、枠部材5の厚さを枠直線部56の厚さに比べて薄くなるように形成したことにより、枠曲部55において、しわ及び折目筋が入りにくくなる。従って、枠部材5と表示モジュール3との密着性を上げることができる。従って、映像装置1に内部に、水及び埃の進入を防ぐことができる。
【0050】
また、表示モジュール3のバックライトの光が表示モジュール3と筐体2との間から漏れ出ることを防ぐことができる。また、枠曲部55にしわ及び折目筋が入りにくくなることで、映像装置1の意匠性を向上させることができる。
【0051】
また、枠部材5には、模様が設けられている。従って、映像装置1の意匠性を向上させることができる。
【0052】
また、模様は、凹凸及び塗装皮膜の少なくともいずれかで形成されている。これにより、凹凸を付す方法、及び塗装皮膜を形成する方法により、容易に模様を付すことができる。従って、製造工程において、複雑な工程を準備する必要がなく、生産コストの増加を抑制することができる。
【0053】
なお、実施の形態1では、背板41の形状は、4つの角部が丸まった矩形状である。しかし、これに限られたものではない。例えば、角部が丸まっていない矩形状としてもよい。さらに、丸形、多角形、扇形といった形状でもよい。さらには、星形、クロス形、T字形といった形状でもよい。
【0054】
また、実施の形態1では、枠部材5の溝50に外周板42の差込部43が差し込まれている。しかし、これに限られたものではない。少なくとも枠部材5の内側面51が表示モジュール用空間44に面していればよい。例えば、外周板42の筐体縁部42aであって、表示モジュール用空間44に対する面に、枠部材5を配置してもよい。
【0055】
更に、枠部材5は、外周板42の表示モジュール用空間44に対する面の反対側の面を覆わずに、外周板42の表示モジュール用空間44に対する面と、外周板42の端面とを覆うよう配置してもよい。これにより、映像装置1の表示面31側から見たときに、外周板42の端面が枠部材5にて覆われている。従って、映像装置1の意匠性が向上する。
【0056】
また、実施の形態1では、抜止め凸部43aが外周板42に形成され、抜止め凹部50aが枠部材5に形成されている。しかし、これに限られたものではない。例えば、抜止め凸部43a及び抜止め凹部50aを形成しなくてもよい。
【0057】
更に、その際には、外周板42に対する枠部材5の保持力を高めるために、溝50の幅を、外周板42の板厚に対して狭くするように調整してもよい。また、枠部材5と外周板42とを接着剤によって固定してもよい。
【0058】
また、実施の形態1では、抜止め凸部43aが断面円弧状である。しかし、これに限られたものではない。例えば、断面角形状、又は断面山形状であってもよい。さらに、抜止め凹部50aの形状も、抜止め凸部43aの形状に応じた形状としてもよい。
【0059】
また、実施の形態1では、抜止め凸部43aと抜止め凹部50aとが差込部43の全周に渡って断続的に形成されている。しかし、これに限られたものではない。例えば、抜止め凸部43aと抜止め凹部50aとは、差込部43の全周に渡って連続的に形成されていてもよい。また、抜止め凸部43aが差込部43の全周に渡って断続的に形成され、抜止め凹部50aが差込部43の全周に渡って連続的に形成されていてもよい。
【0060】
また、実施の形態1では、抜止め凸部43aが表示モジュール用空間44側に向かって凸となる円弧状に形成されている。しかし、これに限られたものではない。例えば、抜止め凸部43aは、外周板42の表示モジュール用空間44に対して外側に向かって凸となる形状に形成されてもよい。また、この場合、抜止め凹部50aも、抜止め凸部43aに対応した位置に形成される。
【0061】
また、例えば、位置決め凸部43bを外周板42に絞り加工によって形成された突出部としてもよい。また、突起状の別部材を外周板42に付して位置決め凸部43bとしてもよい。
【0062】
また、実施の形態1では、位置決め凹部50bは位置決め凸部43bが嵌まり込む穴である。しかし、これに限られたものではない。例えば、溝50の内側に溝の深さ方向に延びる凹溝を形成してもよい。即ち、この凹溝である位置決め凹部50bと位置決め凸部43bとが互いに引っ掛かってもよい。
【0063】
また、実施の形態1では、位置決め凸部43bは、外周板42に切り込みを入れ、折り曲げて立ち上げて形成されている。しかし、これに限られたものではない。例えば、図8に見られるように、位置決め凸部43bを、外周板42の筐体縁部42aに形成した矩形状の凹凸の形状の部分としてもよい。そして、位置決め凹部50bを、枠部材5の溝50の底部に形成した、位置決め凸部43bに対応する矩形状の凹凸の形状の部分としてもよい。図8は、図1における位置決め凸部の変形例を示す概略図である。
【0064】
図8において、外周板42を枠部材5の溝50に差し込む際には、位置決め凸部43bと位置決め凹部50bとの互いの凹凸が嵌まり合うようにする。これにより、位置決め凸部43bの溝50の長手方向に交差する面と、位置決め凹部50bの溝50の長手方向に交差する面とが互いに当たる。従って、枠部材5と外周板42との溝50の長手方向に沿った相対的な移動が規制される。
【0065】
更に、位置決め凸部43b及び位置決め凹部50bの形状は、矩形状の凹凸の形状に限られたものではない。例えば、鋸歯形状としてもよい。
【0066】
また、実施の形態1では、差込部43に位置決め凸部43bが形成され、溝50の内面に位置決め凹部50bが形成されている。しかし、これに限られたものではない。例えば、位置決め凸部43b及び位置決め凹部50bを形成しないでもよい。このようにしても、表示モジュールの交換作業の時間を短縮することができる。
【0067】
また、実施の形態1では、筐体本体4が背板41と外周板42とで構成されている。しかし、これに限られたものではない。例えば、筐体本体4が一方に窪んでいることで、窪み部を形成してもよい。即ち、皿状の形状の板から構成されてもよい。この場合、皿状の形状の板の外周部分が外周板42に相当し、外周部分以外の部分が背板41に相当する。
【0068】
板が一方に窪むことで形成された窪み部が表示モジュール用空間44である。従って、外周板42の筐体縁部42aに相当する皿状の板の筐体縁部には、枠部材5が配置される。また、皿状の板の筐体縁部には、差込部が形成される。そして、差込部には、抜止め凸部及び位置決め凸部を形成してもよい。
【0069】
また、実施の形態1では、模様が枠部材5の表面のうち映像装置1の外観として露出している部分に設けられている。しかし、これに限られたものではない。例えば、内側面51に模様が設けられてもよい。
【0070】
また、実施の形態1では、模様が枠部材5に設けられている。しかし、これに限られたものではない。模様ではなく、例えば、表示モジュール3の嵌め込み位置を示す記号、枠部材5と筐体本体4との位置合わせのための記号、製品管理に関する表示、といったものを設けてもよい。例えば、表示モジュール3の嵌め込み位置を示す記号を内側面51に設けることで、映像装置1のより正確な組み立てをすることができる。
【0071】
また、例えば、製造番号に関する表示を内側面51に設けることで、製品管理をより容易にすることができる。また、製品管理に関する表示を映像装置1としては見えない箇所に設けることとなり、映像装置1の意匠性を向上させることができる。
【0072】
また、実施の形態1では、枠部材5を構成する樹脂としてゴムを用いている。しかし、これに限られたものではない。例えば、軟質の樹脂を用いてもよい。即ち、枠部材5を構成する素材は、表示モジュール用空間44に表示モジュール3を設置したときに、枠部材5が表示モジュール3に押されて弾性変形するような素材であればよい。
【符号の説明】
【0073】
1 映像装置、2 筐体、3 表示モジュール、4 筐体本体、5 枠部材、31 表示面、32 裏面、33 外周面、41 背板、42 外周板、42a 筐体縁部、43 差込部、43a 抜止め凸部、43b 位置決め凸部、44 表示モジュール用空間、421 曲板部、422 平板部、50 溝、50a 抜止め凹部、50b 位置決め凹部、51 内側面、52 外側面、55 枠曲部、56 枠直線部、551 曲部内側面、552 曲部外側面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8