(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022099700
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】ソレノイド駆動回路
(51)【国際特許分類】
H01F 7/18 20060101AFI20220628BHJP
F04B 17/04 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
H01F7/18 J
F04B17/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020213646
(22)【出願日】2020-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000241267
【氏名又は名称】豊興工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 宣尚
(72)【発明者】
【氏名】小林 義宜
【テーマコード(参考)】
3H069
【Fターム(参考)】
3H069BB02
3H069CC05
3H069DD05
3H069DD42
3H069EE42
(57)【要約】 (修正有)
【課題】2個のソレノイドを駆動する駆動電力を低減するのに、コンデンサを不要にすると共に、ダイオードの部品点数を減少し、回路構成の簡素化を図るソレノイド駆動回路提供する。
【解決手段】ソレノイド駆動回路において、交流電源1からスイッチ手段2と第1ソレノイド5とを直列に接続する。第1ソレノイド5と並列に第2ソレノイド6を接続する。接続箇所Cより第1ソレノイド5側に、第1ダイオード7を一方向Aの電流の流れを許容すると共に他方向Bの電流の流れを阻止する向きに配置して、第1ソレノイド5と直列に接続する。接続箇所Dより第2ソレノイド6側に、第2ダイオード8を一方向Aの電流の流れを阻止すると共に他方向Bの電流の流れを許容する向きに配置して、第2ソレノイド6と直列に接続する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源からスイッチ手段と第1ソレノイドとを直列にこの順序で接続し、第1ソレノイドと並列に第2ソレノイドを接続し、第1ソレノイドと第2ソレノイドの接続箇所より第1ソレノイド側に、第1ダイオードを一方向の電流の流れを許容すると共に他方向の電流の流れを阻止する向きに配置して、第1ソレノイドと直列に接続し、第1ソレノイドと第2ソレノイドの接続箇所より第2ソレノイド側に、第2ダイオードを一方向の電流の流れを阻止すると共に他方向の電流の流れを許容する向きに配置して、第2ソレノイドと直列に接続し、スイッチ手段は設定値によって作動することを特徴とするソレノイド駆動回路。
【請求項2】
前記スイッチ手段は設定値より高い場合に開作動し、交流電源から第1ソレノイドと第2ソレノイドへの電流の流れを遮断することを特徴とする請求項1に記載のソレノイド駆動回路。
【請求項3】
前記スイッチ手段は設定値より低い場合に閉作動し、交流電源から第1ソレノイドと第2ソレノイドへ電流を流すことを特徴とする請求項1に記載のソレノイド駆動回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソレノイドを駆動するソレノイド駆動回路に関し、特にソレノイドを2個用いるのに好適なソレノイド駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のソレノイド駆動回路は、電源の正側と第1のスイッチ手段とソレノイドと第2のスイッチ手段とを直列にこの順序で接続し、ソレノイドおよび第2のスイッチ手段に並列に逆方向に第1の整流ダイオードを接続し、第2のスイッチ手段に並列に順方向に第2の整流ダイオードとコンデンサを接続し、第1のスイッチ手段とソレノイドと第2の整流ダイオードとに並列に逆方向に第3の整流ダイオードを接続し、第1のスイッチ手段と第2のスイッチ手段とを相互に独立し、かつほぼ同時に開閉操作している。そして、ソレノイドへの電流遮断時に発生する逆起電力をコンデンサに蓄積してソレノイドの復帰遅れを抑制している。また、コンデンサに蓄積された逆起電力を、ソレノイドへの通電時に放電してソレノイドを駆動する電力の一部として利用し、駆動電力の低減を図るようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、かかる従来のソレノイド駆動回路は、駆動する1個のソレノイドに対し、逆起電力を蓄積するコンデンサおよび第1の整流ダイオードと第2の整流ダイオードと第3の整流ダイオードとの3個の整流ダイオードが必要となる。このため、例えば2個のソレノイドを駆動するには、2個のコンデンサおよび6個の整流ダイオードが必要となり、部品点数が増加して回路構成が複雑になる問題点があった。
【0005】
本発明の課題は、2個のソレノイドを駆動する駆動電力を低減するのに、コンデンサを不要にすると共に、ダイオードの部品点数を減少し、回路構成の簡素化を図るソレノイド駆動回路提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かる課題を達成すべく、本発明は次の手段をとった。即ち、
交流電源からスイッチ手段と第1ソレノイドとを直列にこの順序で接続し、第1ソレノイドと並列に第2ソレノイドを接続し、第1ソレノイドと第2ソレノイドの接続箇所より第1ソレノイド側に、第1ダイオードを一方向の電流の流れを許容すると共に他方向の電流の流れを阻止する向きに配置して、第1ソレノイドと直列に接続し、第1ソレノイドと第2ソレノイドの接続箇所より第2ソレノイド側に、第2ダイオードを一方向の電流の流れを阻止すると共に他方向の電流の流れを許容する向きに配置して、第2ソレノイドと直列に接続し、スイッチ手段は設定値によって作動することを特徴とするソレノイド駆動回路がそれである。
【0007】
この場合、前記スイッチ手段は設定値より高い場合に開作動し、交流電源から第1ソレノイドと第2ソレノイドへの電流の流れを遮断してもよい。また、前記スイッチ手段は設定値より低い場合に閉作動し、交流電源から第1ソレノイドと第2ソレノイドへ電流を流してもよい。
【発明の効果】
【0008】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明は、第1ソレノイドと第2ソレノイドの接続箇所より第1ソレノイド側に、第1ダイオードを一方向の電流の流れを許容すると共に他方向の電流の流れを阻止する向きに配置して、第1ソレノイドと直列に接続し、第1ソレノイドと第2ソレノイドの接続箇所より第2ソレノイド側に、第2ダイオードを一方向の電流の流れを阻止すると共に他方向の電流の流れを許容する向きに配置して、第2ソレノイドと直列に接続した。このため、第1ダイオードは他方向の電流の流れを阻止すると共に、第2ダイオードは一方向の電流の流れを阻止するから、第1ソレノイドと第2ソレノイドは一方向の電流の流れと他方向の電流の流れで交互に通電することができる。そして、電流の流れが一方向から他方向への切り替えで発生する第1ソレノイドの逆起電流を他方向に流れる電流とともに第2ソレノイドに流して回生すると共に、電流の流れが他方向から一方向への切り替えで発生する第2ソレノイドの逆起電流を一方向に流れる電流とともに第1ソレノイドに流して回生することができるから、従来の如く、逆起電力を蓄積するコンデンサを不要にでき、さらに1個のソレノイドに対して、ダイオードは1個でよく、部品点数を減らすことができ、回路構成の簡素化を図ることができる。また、交流電源からスイッチ手段と第1ソレノイドとを直列にこの順序で接続し、スイッチ手段は設定値によって作動するため、第1ソレノイドと第2ソレノイドに常に電流が流れることがないから、消費電力を低減することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、スイッチ手段は設定値より高い場合に開作動し、交流電源から第1ソレノイドと第2ソレノイドへの電流の流れを遮断した。このため、第1ソレノイドと第2ソレノイドには、設定値より高い場合に、電流が流れることがないから、消費電力を低減することができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、スイッチ手段は設定値より低い場合に閉作動し、交流電源から第1ソレノイドと第2ソレノイドへ電流を流すようにした。このため、第1ソレノイドと第2ソレノイドには、設定値より低い場合にだけ電流を流すことができるから、消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態を示したソレノイド駆動回路の電気回路図である。
【
図2】交流電源から流れる全波整流を示す波形図である。
【
図3】他方向からの電流の流れを阻止した半波整流を示す波形図である。
【
図4】一方向からの電流の流れを阻止した半波整流を示す波形図である。
【
図5】他の実施形態を示したソレノイド駆動回路の電気回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき、電磁ポンプに適用したもので説明する。
図1において、1は交流電源で、電流を周期的に一方向Aと他方向Bに流す。一方向Aとは交流電源1の一方側1Aから他方側1Bへの方向を言う。他方向Bとは交流電源1の他方側1Bから一方側1Aへの方向を言う。2はスイッチ手段で、設定値によって作動する圧力スイッチ3と、圧力スイッチ3の作動により開閉作動するリレースイッチ4とで構成している。圧力スイッチ3は、圧力が設定値より高くなると閉作動し、リレースイッチ4を開作動する。リレースイッチ4は、交流電源1の一方側1Aに接続し、開作動により交流電源1からの電流を遮断する。また、圧力スイッチ3は圧力が設定値より低いと開いており、リレースイッチ4は閉じて電流を流す。5は第1ソレノイドで、一方側5Aを交流電源1の一方側1Aにスイッチ手段2のリレースイッチ4を介して接続し、他方側5Bを交流電源1の他方側1Bに接続している。6は第2ソレノイドで、第1ソレノイド5と並列に一方側6Aを交流電源1の一方側1Aにスイッチ手段2のリレースイッチ4を介して接続し、他方側6Bを交流電源1の他方側1Bに接続している。第1ソレノイド5と第2ソレノイド6は図示しない電磁ポンプに用いるもので、電磁ポンプは通電によりプランジャを吸引すると共に、非通電によりプランジャをばねにより復帰作動して流体を吸入吐出するポンプ作動を行う。
【0013】
7は第1ダイオードで、第1ソレノイド5の一方側5Aと第2ソレノイド6の一方側6Aとの接続箇所Cと第1ソレノイド5の一方側5Aとの間に接続し、交流電源1の一方向Aからの電流の流れを許容すると共に他方向Bからの電流の流れを阻止する向きに配置している。8は第2ダイオードで、第1ソレノイド5の他方側5Bと第2ソレノイド6の他方側6Bとの接続箇所Dと第2ソレノイド6の他方側6Bとの間に接続し、交流電源1の一方向Aからの電流の流れを阻止すると共に他方向Bからの電流の流れを許容する向きに配置している。第1ダイオード7は、一方向Aからの電流を第1ソレノイド5を介して他方側1Bに流し、他方向Bからの電流の流れを阻止するため、交流電源1から流れる全波整流E(
図2に図示)を上半分の半波整流F(
図3に図示)にして第1ソレノイド5を通電する。第2ダイオード8は、他方向Bからの電流を第2ソレノイド6を介して一方側1Aに電流を流し、一方向Aからの電流の流れを阻止するため、交流電源1から流れる全波整流E(
図2に図示)を下半分の半波整流G(
図4に図示)にして第2ソレノイド6を通電する。交流電源1の電流が一方向Aから他方向Bに切り替わる際に発生する第1ソレノイド5の逆起電流は、接続箇所Dより他方向Bに流れる電流とともに第2ダイオード8を介して第2ソレノイド6に流れて回生する。また、交流電源1の電流が他方向Bから一方向Aに切り替わる際に発生する第2ソレノイド6の逆起電流は、接続箇所Cより一方向Aに流れる電流とともに第1ダイオード7を介して第1ソレノイド5に流れて回生する。
【0014】
次にかかる構成の作動を説明する。
図1の状態は、スイッチ手段2は圧力が圧力スイッチ3の設定値よりも低く、圧力スイッチ3が開き、リレースイッチ4が閉じた状態を示している。この状態で、交流電源1の一方向Aに流れる電流は、交流電源1の一方側1Aからリレースイッチ4、第1ダイオード7、第1ソレノイド5を流れて交流電源1の他方側1Bに至り、第1ソレノイド5を通電する。逆に、交流電源1の他方向Bに流れる電流は、第1ダイオード7により電流の流れを阻止され、第1ソレノイド5は非通電である。よって、第1ダイオード7は交流電源1の一方向Aから流れる電流を第1ソレノイド5を介して他方側1Bに流し、他方向Bから流れる電流を阻止するため、交流電源1から流れる全波整流E(
図2に図示)を上半分の半波整流F(
図3に図示)にして第1ソレノイド5を通電する。
【0015】
また、交流電源1の他方向Bに流れる電流は、交流電源1の他方側1Bから接続箇所Dを介して、第2ダイオード8、第2ソレノイド6、リレースイッチ4を流れて交流電源1の一方側1Aに至り、第2ソレノイド6を通電する。逆に、交流電源1の一方向Aに流れる電流は、第2ダイオード8により電流の流れを阻止され、第2ソレノイド6は非通電である。よって、第2ダイオード8は交流電源1の他方向Bから流れる電流を第2ソレノイド6を介して一方側1Aに流し、一方向Aから流れる電流を阻止するため、交流電源1から流れる全波整流E(
図2に図示)を下半分の半波整流G(
図4に図示)にして第2ソレノイド6を通電する。
【0016】
交流電源1の電流が一方向Aから他方向Bに切り替わる際に、第1ソレノイド5に発生する逆起電流は、接続箇所Dより他方向Bに流れる電流とともに第2ダイオード8を介して第2ソレノイド6に流れて回生する。
【0017】
また、交流電源1の電流が他方向Bから一方向Aに切り替わる際に、第2ソレノイド6に発生する逆起電流は、接続箇所Cより一方向Aに流れる電流とともに第1ダイオード7を介して第1ソレノイド5に流れて回生する。
【0018】
この状態で、圧力が圧力スイッチ3の設定値よりも高くなると、圧力スイッチ3が閉作動して、リレースイッチ4が開作動し、交流電源1から両ソレノイド5、6へ電流の流れを遮断する。
【0019】
そして、再び圧力が圧力スイッチ3の設定値よりも低くなると、圧力スイッチ3が開作動して、リレースイッチ4が閉作動し、交流電源1から両ソレノイド5、6へ電流を流す。
【0020】
かかる作動において、第1ソレノイド5と第2ソレノイド6の接続箇所Cより第1ソレノイド5側に、第1ダイオード7を一方向Aの電流の流れを許容すると共に他方向Bの電流の流れを阻止する向きに配置して、第1ソレノイド5と直列に接続し、第1ソレノイド5と第2ソレノイド6の接続箇所Dより第2ソレノイド6側に、第2ダイオード8を一方向Aの電流の流れを阻止すると共に他方向Bの電流の流れを許容する向きに配置して、第2ソレノイド6と直列に接続した。このため、第1ダイオード7は他方向Bの電流の流れを阻止すると共に、第2ダイオード8は一方向Aの電流の流れを阻止するから、第1ソレノイド5と第2ソレノイド6は一方向Aの電流の流れと他方向Bの電流の流れで交互に通電することができる。そして、電流の流れが一方向Aから他方向Bへの切り替えで発生する第1ソレノイド5の逆起電流を他方向Bに流れる電流とともに第2ソレノイド6に流して回生すると共に、電流の流れが他方向Bから一方向Aへの切り替えで発生する第2ソレノイド6の逆起電流を一方向Aに流れる電流とともに第1ソレノイド5に流して回生することができるから、従来の如く、逆起電力を蓄積するコンデンサを不要にでき、さらに1個のソレノイドに対して、ダイオードは1個でよく、部品点数を減らすことができ、回路構成の簡素化を図ることができる。
【0021】
また、スイッチ手段2は設定値より高い場合に開作動し、交流電源1から第1ソレノイド5と第2ソレノイド6への電流の流れを遮断した。このため、第1ソレノイド5と第2ソレノイド6には、設定値より高い場合に、電流が流れることがないから、消費電力を低減することができる。
【0022】
図5は本発明の他の実施形態を示し、一実施形態と同一個所には同符号を付して説明を省略し、異なる箇所についてのみ説明する。
スイッチ手段9は圧力が設定値よりも低くいと閉作動する圧力スイッチ10と、圧力スイッチ10の作動により開閉作動するリレースイッチ11とで構成している。第1ダイオード12は、接続箇所Dと第1ソレノイド5の他方側5Bとの間に接続し、交流電源1の一方向Aからの電流の流れを許容すると共に他方向Bからの電流の流れを阻止する向きに配置している。第2ダイオード13は、接続箇所Cと第2ソレノイド6の一方側6Aとの間に接続し、交流電源1の一方向Aからの電流の流れを阻止すると共に他方向Bからの電流の流れを許容する向きに配置している。
【0023】
作動は、
図5の状態で、スイッチ手段9は圧力が圧力スイッチ10の設定値よりも高く、圧力スイッチ10が開き、リレースイッチ11が開いた状態を示している。この状態では、交流電源1から両ソレノイド5、6へ電流の流れを遮断している。
【0024】
この状態から、圧力が圧力スイッチ10の設定値よりも低くなると、圧力スイッチ10が閉作動して、リレースイッチ11が閉作動し、交流電源1から両ソレノイド5、6への電流を流す。
【0025】
交流電源1の一方向Aに流れる電流は、交流電源1の一方側1Aからリレースイッチ11、第1ソレノイド5、第1ダイオード12を流れて交流電源1の他方側1Bに至り、第1ソレノイド5を通電する。逆に、交流電源1の他方向Bに流れる電流は、第1ダイオード12により流れを阻止され、第1ソレノイド5は非通電である。よって、第1ダイオード12は交流電源1の一方向Aから流れる電流を第1ソレノイド5を介して他方側1Bに流し、他方向Bから流れる電流を阻止するため、交流電源1から流れる全波整流E(
図2に図示)を上半分の半波整流F(
図3に図示)にして第1ソレノイド5を通電する。
【0026】
また、交流電源1の他方向Bに流れる電流は、交流電源1の他方側1Bから接続箇所Dを介して第2ソレノイド6、第2ダイオード13、リレースイッチ11を流れて交流電源1の一方側1Aに至り、第2ソレノイド6を通電する。逆に、交流電源1の一方向Aに流れる電流は、交流電源1の一方側1Aから接続箇所Cを介して第2ダイオード13により電流の流れを阻止され、第2ソレノイド6は非通電である。よって、第2ダイオード13は交流電源1の他方向Bから流れる電流を第2ソレノイド6を介して一方側1Aに流し、一方向Aから流れる電流を阻止するため、交流電源1から流れる全波整流E(
図2に図示)を下半分の半波整流G(
図4に図示)にして第2ソレノイド6を通電する。
【0027】
交流電源1の電流が一方向Aから他方向Bに切り替わる際に、第1ソレノイド5に発生する逆起電流は、第1ダイオード12を介して接続箇所Dより他方向Bに流れる電流とともに第2ソレノイド6に流れて回生する。
【0028】
また、交流電源1の電流が他方向Bから一方向Aに切り替わる際に、第2ソレノイド6に発生する逆起電流は、第2ダイオード13を介して接続箇所Cより一方向Aに流れる電流とともに第1ソレノイド5に流れて回生する。
【0029】
この状態で、再び圧力が圧力スイッチ10の設定値よりも高くなると、圧力スイッチ10が開作動して、リレースイッチ11が開作動し、交流電源1から両ソレノイド5、6へ電流の流れを遮断する。
【0030】
かかる作動で、第1ソレノイド5と第2ソレノイド6の接続箇所Dより第1ソレノイド5側に、第1ダイオード12を一方向Aの電流の流れを許容すると共に他方向Bの電流の流れを阻止する向きに配置して、第1ソレノイド5と直列に接続し、第1ソレノイド5と第2ソレノイド6の接続箇所Cより第2ソレノイド6側に、第2ダイオード13を一方向Aの電流の流れを阻止すると共に他方向Bの電流の流れを許容する向きに配置して、第2ソレノイド6と直列に接続した。このため、第1ダイオード12は他方向Bの電流の流れを阻止すると共に、第2ダイオード13は一方向Aの電流の流れを阻止するから、第1ソレノイド5と第2ソレノイド6は一方向Aの電流の流れと他方向Bの電流の流れで交互に通電することができる。そして、電流の流れが一方向Aから他方向Bへの切り替えで発生する第1ソレノイド5の逆起電流を他方向Bに流れる電流とともに第2ソレノイド6に流して回生すると共に、電流の流れが他方向Bから一方向Aへの切り替えで発生する第2ソレノイド6の逆起電流を一方向Aに流れる電流とともに第1ソレノイド5に流して回生することができるから、従来の如く、逆起電力を蓄積するコンデンサを不要にでき、さらに1個のソレノイドに対して、ダイオードは1個でよく、部品点数を減らすことができ、回路構成の簡素化を図ることができる。
【0031】
また、スイッチ手段9は設定値より低い場合に閉作動し、交流電源1から第1ソレノイド5と第2ソレノイド6へ電流を流すようにした。このため、第1ソレノイド5と第2ソレノイド6には、設定値より低い場合にだけ電流を流すことができるから、消費電力を低減することができる。
【0032】
なお、前述の実施形態では、圧力スイッチ3、10とリレースイッチ4、11とで構成したスイッチ手段2、9を用いたが、リレースイッチを圧力スイッチに替えてもよいことは勿論である。
【0033】
1:交流電源
2、9:スイッチ手段
5:第1ソレノイド
6:第2ソレノイド
7、12:第1ダイオード
8、13:第2ダイオード
A:一方向
B:他方側
C、D:接続箇所