(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022099862
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】乾燥海苔製造装置
(51)【国際特許分類】
A23L 17/60 20160101AFI20220628BHJP
【FI】
A23L17/60 103C
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020213906
(22)【出願日】2020-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】505455417
【氏名又は名称】株式会社イツワ工業
(74)【代理人】
【識別番号】100114661
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 美洋
(72)【発明者】
【氏名】吉田 直人
【テーマコード(参考)】
4B019
【Fターム(参考)】
4B019LT21
(57)【要約】
【課題】海苔簀に抄製される海苔生地の状態を迅速に制御することができる乾燥海苔製造装置を提供すること。
【解決手段】本発明では、海苔簀(4)の上下に設けた海苔原料供給機構(23)と保水機構(24)とで海苔簀(4)を挟み、海苔原料供給機構(23)から海苔原料を海苔簀(4)に供給するとともに保水機構(24)で保水することで海苔簀(4)に海苔生地を抄製する乾燥海苔製造装置(1)において、海苔原料供給機構(23)から海苔簀(4)に供給する海苔原料の水量を調整可能とすることにした。また、本発明では、前記乾燥海苔製造装置(1)において、抄製された後の海苔生地の状態を検出し、海苔生地の状態に応じて海苔原料の水量を調整することにした。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海苔簀の上下に設けた海苔原料供給機構と保水機構とで海苔簀を挟み、海苔原料供給機構から海苔原料を海苔簀に供給するとともに保水機構で保水することで海苔簀に海苔生地を抄製する乾燥海苔製造装置において、
海苔原料供給機構から海苔簀に供給する海苔原料の水量を調整可能としたことを特徴とする乾燥海苔製造装置。
【請求項2】
抄製された後の海苔生地の状態を検出し、海苔生地の状態に応じて海苔原料の水量を調整することを特徴とする請求項1に記載の乾燥海苔製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥海苔を製造するための乾燥海苔製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
乾燥海苔の製造に使用されている乾燥海苔製造装置においては、原料タンクで海苔原藻と水とを調合して所定濃度の海苔原料を作成し、その海苔原料を抄製装置で海苔簀に抄製して海苔生地を形成し、海苔簀上に形成された海苔生地を乾燥装置で乾燥して乾燥海苔を製造している。
【0003】
この乾燥海苔製造装置の抄製装置では、海苔簀の上下に設けた海苔原料供給機構と保水機構とで海苔簀を挟み、海苔原料供給機構から所定濃度に調整した一定量の海苔原料を海苔簀に供給するとともに保水機構で保水することで海苔簀に海苔生地を抄製するように構成している(たとえば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
乾燥海苔製造装置で製造される乾燥海苔は、色や艶や厚みや重量や密度などによって品質が評価されるために、乾燥海苔の品質を左右する乾燥前の海苔生地の状態を適正に制御することが求められている。
【0006】
ところが、上記従来の乾燥海苔製造装置では、海苔原料供給機構から所定濃度に調整した一定量の海苔原料を海苔簀に供給しているために、乾燥前の海苔生地の状態が所望の状態と異なる場合には、原料タンクで海苔原藻と水とを調合する海苔原料の濃度を制御する必要があった。
【0007】
そのため、上記従来の乾燥海苔製造装置では、原料タンクで濃度を調整した海苔原料が抄製装置の海苔原料供給機構に供給されるまでに時間を要してしまい、その間に品質の低い乾燥海苔が無駄に製造されてしまうおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、請求項1に係る本発明では、海苔簀の上下に設けた海苔原料供給機構と保水機構とで海苔簀を挟み、海苔原料供給機構から海苔原料を海苔簀に供給するとともに保水機構で保水することで海苔簀に海苔生地を抄製する乾燥海苔製造装置において、海苔原料供給機構から海苔簀に供給する海苔原料の水量を調整可能とすることにした。
【0009】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、抄製された後の海苔生地の状態を検出し、海苔生地の状態に応じて海苔原料の水量を調整することにした。
【発明の効果】
【0010】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0011】
すなわち、本発明では、海苔簀の上下に設けた海苔原料供給機構と保水機構とで海苔簀を挟み、海苔原料供給機構から海苔原料を海苔簀に供給するとともに保水機構で保水することで海苔簀に海苔生地を抄製する乾燥海苔製造装置において、海苔原料供給機構から海苔簀に供給する海苔原料の水量を調整可能とすることにしているために、海苔原料の水量を調整することで海苔生地の状態を迅速に制御することができ、品質の低い乾燥海苔が無駄に製造されてしまうのを防止することができる。
【0012】
特に、抄製された後の海苔生地の状態、たとえば、海苔生地の重量を検出し、海苔生地の状態に応じて抄き水の水量を調整することにした場合には、所望の品質(重量)の乾燥海苔を安定して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る乾燥海苔製造装置の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1及び
図2に示すように、乾燥海苔製造装置1は、ケーシング2の内部に搬送装置3を設けている。
【0016】
ここで、搬送装置3は、左右に並べた複数枚(ここでは、8枚)の海苔簀4を着脱自在に取付けた簀枠5を間欠的に搬送するものであり、前側ケーシング6に設けた無端状の前側搬送機構7と後側ケーシング8に設けた無端状の後側搬送機構9とを連動させて駆動するようになっている。
【0017】
この搬送装置3は、前側搬送機構7の上部側において前側搬送機構7で海苔簀4が装着された簀枠5を水平にした状態で前方から後方に向けて搬送した後に、簀枠5を前側搬送機構7の上部後端部から後側搬送機構9の上部前端部に受渡し、後側搬送機構9の上部側において簀枠5を垂直にした状態で前方から後方に向けて搬送した後に後側搬送機構9の下部側において後方から前方に向けて搬送し、その後、簀枠5を後側搬送機構9の下部前端部から前側搬送機構7の下部後端部に受渡し、前側搬送機構7の下部側において簀枠5を水平にした状態で後方から前方に向けて搬送するようにしている。これにより、搬送装置3は、前側搬送機構7の上部前方から上部後方、後側搬送機構9の上部前方から上部後方、同じく後側搬送機構9の下部後方から下部前方、前側搬送機構7の下部後方から下部前方に海苔簀4を簀枠5ごと循環して搬送させる搬送経路を形成している。
【0018】
乾燥海苔製造装置1では、搬送装置3による海苔簀4の搬送経路に沿って抄製装置10、脱水装置11、乾燥装置12、剥離装置13、海苔簀洗浄装置14を順に配置して、搬送装置3によって循環搬送される海苔簀4に抄製された海苔生地を脱水し乾燥させて乾燥海苔を製造する。
【0019】
しかも、本発明に係る乾燥海苔製造装置1では、海苔簀4の搬送経路上の抄製装置10よりも上流側に空の重量測定用海苔簀15を搬送装置3(前側搬送機構7)に搬入するための搬入装置16を設けるとともに、搬送経路上の脱水装置11よりも下流側に抄製装置10で海苔生地を抄製した重量測定用海苔簀15を搬送装置3(前側搬送機構7)から搬出するための搬出装置17を設けている。
【0020】
なお、これら搬送装置3、抄製装置10、脱水装置11、乾燥装置12、剥離装置13、海苔簀洗浄装置14、搬入装置16、搬出装置17は、制御装置18で連動して制御されている。
【0021】
ここで、抄製装置10は、前側ケーシング6の上部前側に配置されており、生海苔と水分とからなる海苔原料を搬送装置3が停止中に各海苔簀4の上面に所定量供給して各海苔簀4に海苔生地を所定形状に抄製するものである。なお、抄製装置10の詳細な構造及び動作については後述する。
【0022】
脱水装置11は、前側ケーシング6の上部後側に配置されており、搬送装置3が停止中に各海苔簀4に抄製された海苔生地にスポンジ等を押圧して海苔生地の脱水を行うものである。
【0023】
乾燥装置12は、後側ケーシング8の側部に複数台(ここでは、6台)の乾燥機を前後に並べて配置しており、各乾燥機で発生した温風の熱によって各海苔簀4に抄製された海苔生地を乾燥させるものである。
【0024】
剥離装置13は、前側ケーシング6の下部後側に配置されており、乾燥装置12で乾燥させた乾燥海苔を搬送装置3が停止中に各海苔簀4から剥離して回収するものである。
【0025】
海苔簀洗浄装置14は、前側ケーシング6の下部前側に配置されており、各海苔簀4の上下面を洗浄するものである。
【0026】
搬入装置16は、搬送装置3で搬送される簀枠5に装着された海苔簀4の上部に、予め重量を計測している空の重量測定用海苔簀15を載置するものである。
【0027】
搬入装置16は、ケーシング2の側部に複数の重量測定用海苔簀15を上下に重ねて収容したストッカー19を設けるとともに、搬送装置3で搬送される簀枠5とストッカー19との間で重量測定用海苔簀15を移送する移送機構20を設けている。
【0028】
そして、搬入装置16は、ストッカー19の上方に移送機構20を移動させ、移送機構20によってストッカー19から1枚の重量測定用海苔簀15を吸着して取出させ、移送機構20を簀枠5のいずれかの海苔簀4の上方に移動させ、搬送装置3が停止している間に移送機構20の吸着を解除して海苔簀4の上部に重量測定用海苔簀15を載置する。これにより、重量測定用海苔簀15は、搬送装置3によって簀枠5(海苔簀4)とともに搬送され、抄製装置10によって所定量の海苔生地が抄製された後に脱水装置11で海苔生地が脱水される。
【0029】
搬出装置17は、搬送装置3で搬送される簀枠5のいずれかの海苔簀4の上部に載置され抄製装置10による抄製と脱水装置11による脱水とが行われた重量測定用海苔簀15を搬送装置3から搬出してその重量を測定するものである。
【0030】
搬出装置17は、ケーシング2の側部に海苔生地及び重量測定用海苔簀15の重量を測定する重量測定器21を設けるとともに、搬送装置3で簀枠5(海苔簀4)とともに搬送される重量測定用海苔簀15と重量測定器21との間で重量測定用海苔簀15を移送する移送機構22を設けている。
【0031】
そして、搬出装置17は、移送機構22を重量測定用海苔簀15の上方に移動させ、搬送装置3が停止している間に移送機構22で重量測定用海苔簀15を吸着して取出させ、移送機構22を重量測定器21の上方に移動させるとともに吸着を解除して重量測定用海苔簀15を重量測定器21に載置する。これにより、重量測定器21によって海苔生地と重量測定用海苔簀15との合計の重量を計測することができ、既知の重量測定用海苔簀15の重量を差し引くことで海苔生地だけの重量を計測することができる。
【0032】
乾燥海苔製造装置1では、乾燥海苔の製造途中において制御装置18によって定期的に搬入装置16及び搬出装置17を駆動させて、抄製装置10で抄製される海苔生地の重量を計測し、その重量に応じて抄製装置10で海苔簀4に供給する海苔生地の量を調整するように制御している。なお、重量測定用海苔簀15を載置する位置(簀枠5に装着された複数の海苔簀4のいずれか)は、常に同一でもよく、定期的に異ならせてもよく、また、複数の重量測定用海苔簀15を搬入及び搬出するようにしてもよい。
【0033】
以上に説明したように、上記乾燥海苔製造装置1は、搬送経路上の抄製装置10よりも上流側に空の重量測定用海苔簀15を搬送装置3に搬入する搬入装置16を設けるとともに、搬送経路上の脱水装置11よりも下流側に抄製装置10で海苔生地を抄製した重量測定用海苔簀15を搬送装置3から搬出する搬出装置17を設け、搬出装置17に海苔生地及び重量測定用海苔簀15の重量を測定する重量測定器21を設けた構成となっている。
【0034】
そのため、上記構成の乾燥海苔製造装置1では、海苔原藻から水に流出した色素や泡などの影響を受けることなく、海苔生地本来の重量を正確に測定することができ、所望の品質(重量)の乾燥海苔を安定して製造することが可能となる。
【0035】
また、上記乾燥海苔製造装置1は、循環搬送される海苔簀4の上部に重量測定用海苔簀15を搬入し、循環搬送される海苔簀4から重量測定用海苔簀15だけを搬出する構成となっている。
【0036】
そのため、上記構成の乾燥海苔製造装置1では、乾燥海苔の製造途中で乾燥海苔の製造と同時に海苔生地の重量を測定することが可能となる。
【0037】
上記乾燥海苔製造装置1において、抄製装置10は、
図3に示すように、搬送装置3(前側搬送機構7)で搬送される海苔簀4の上下に海苔原料供給機構23と保水機構24とを対向させて設けている。
【0038】
海苔原料供給機構23は、ケーシング2に中空矩形箱型状の供給ダクト25を固定し、供給ダクト25の内部に抄きバルブ26を昇降可能に配置するとともに、供給ダクト25の下端外部に下端を開口させた中空矩形箱型状の抄き升27を昇降可能に配置している。
【0039】
ここで、供給ダクト25は、底部に複数の供給孔28を形成している。また、抄きバルブ26は、駆動源29に連動連結させた昇降体30の下端に取付けられており、駆動源29によって昇降体30を昇降させることで供給ダクト25の供給孔28を開閉するようにしている。さらに、抄き升27は、駆動源29に連動連結した一対の昇降体31,31の間に取付けられており、駆動源29によって昇降体31を昇降させることで海苔簀4に対して接離移動するようにしている。
【0040】
保水機構24は、ケーシング2に矩形板状のスノコ32を固定し、スノコ32の下部に可撓性を有する袋状の保水袋33を圧縮及び膨張可能に取付けている。
【0041】
ここで、スノコ32は、複数個の上下に貫通する通水孔34を形成している。また、保水袋33は、駆動源29に連動連結させた昇降体35の上端に中央部が取付けられており、昇降体35を昇降させることで内部を圧縮又は膨張するようにしている。さらに、保水袋33は、内側に設けられた弁体36を昇降体35の上端に取付けており、弁体36(昇降体35)を回転させることで、保水袋33の中央部に設けられた排水孔37を弁体36で開閉するようになっている。
【0042】
上記抄製装置10において、海苔原料供給機構23は、所定濃度に調整された海苔原料を貯留するための海苔原料タンク38から所定量に調整された海苔原料を供給ダクト25に供給するようにしている。
【0043】
すなわち、海苔原料供給機構23は、海苔原料タンク38の底部に供給ポンプ39を接続し、供給ポンプ39に調整バルブ40を介して供給ダクト25を接続している。また、海苔原料供給機構23は、供給ダクト25に一定量以上の海苔原料を排出するためのオーバーフロー管41を形成し、オーバーフロー管41に海苔原料タンク38を接続している。
【0044】
これにより、海苔原料供給機構23は、調整バルブ40によって海苔原料タンク38から供給ダクト25に供給する海苔原料の水量を調整することができるようになっている。
【0045】
抄製装置10は、以上に説明したように構成しており、制御装置18によって駆動制御されて、以下に説明するように動作する。
【0046】
まず、制御装置18は、駆動源29によって搬送装置3を駆動させて、所定のサイクルタイムで海苔簀4を搬送経路に沿って間欠的に所定距離ごと搬送し、海苔簀4を抄製装置10の抄き升27の直下方で停止させる(
図4(a))。
【0047】
その後、制御装置18は、駆動源29によって昇降体31を降下させて、抄き升27の下端開口面を海苔簀4を介してスノコ32の上面に当接させる(
図4(b))。これにより、抄き升27とスノコ32(保水袋33)とで海苔簀4を挟んだ状態となる。
【0048】
その後、制御装置18は、駆動源29によって昇降体35を上昇させて、保水袋33の下部中央を上方に持ち上げることで保水袋33を圧縮させる(
図4(c))。これにより、保水袋33の内部に貯留しておいた水がスノコ32の通水孔34から海苔簀4を透過して抄き升27の内部に供給され、海苔簀4の上面が水で満たされた状態となる。
【0049】
その後、制御装置18は、駆動源29によって昇降体30を上昇させて、抄きバルブ26を上昇させて供給ダクト25の供給孔28を開放状態にする(
図4(d))。これにより、供給ダクト25に貯留しておいた海苔原料が供給ダクト25の供給孔28から抄き升27の内部に供給される。その際に、予め保水袋33から供給された水で抄き升27の内部が充填されているために、その水によって海苔原料が抄き升27の内部で分散される。
【0050】
その後、制御装置18は、駆動源29によって昇降体30を降下させて、抄きバルブ26を降下させて供給ダクト25の供給孔28を閉塞状態にする(
図4(e))。
【0051】
その後、制御装置18は、駆動源29によって昇降体35を降下させて、保水袋33の下部中央を下方に引き下げることで保水袋33を膨張させる(
図4(f))。これにより、海苔簀4の上方において抄き升27の内部に充填されていた海苔生地と水とが保水袋33によって吸引され、水分が海苔簀4とスノコ32の通水孔34を透過して保水袋33の内部に流入し、一方、固形分(生海苔)が海苔簀4の上面に張り付くことで、海苔生地が海苔簀4で抄かれる。
【0052】
その後、制御装置18は、駆動源29によって昇降体31を上昇させて、抄き升27を上昇させる(
図4(g))。
【0053】
以上に説明したようにして、抄製装置10では、海苔簀4に海苔生地を抄製している。
【0054】
ここで、制御装置18は、重量測定器21によって海苔生地の重量を測定し、その海苔生地の重量に応じて供給ダクト25に供給して貯留する海苔原料の水量を調整するようにしている。
【0055】
なお、上記乾燥海苔製造装置1では、海苔原料供給機構23の調整バルブ40を制御装置18で制御することによって海苔原料タンク38から供給ダクト25に供給する海苔原料の水量を調整しているが、抄きバルブ26による供給ダクト25の供給孔28の開閉時間(
図4(d)の昇降体30を上昇させて供給孔28を開放状態にしてから
図4(e)の昇降体30を降下させて供給孔28を閉塞状態にするまでの時間)によっても海苔生地の水量を調整することができ、また、供給ダクト25のオーバーフロー管41からオーバーフローする海苔原料の排出量をバルブ等で調整することによっても海苔生地の水量を調整することができる。
【0056】
また、上記乾燥海苔製造装置1では、乾燥前の海苔生地の重量に基づいて海苔原料の水量を調整しているが、これに限られず、海苔生地の状態、たとえば、乾燥前の海苔生地の色や乾燥後の海苔生地の重量や色などに基づいて海苔原料の水量を調整してもよい。
【0057】
以上に説明したように、上記乾燥海苔製造装置1は、海苔簀4の上下に設けた海苔原料供給機構23と保水機構24とで海苔簀4を挟み、海苔原料供給機構23から海苔原料を海苔簀4に供給するとともに保水機構24で保水することで海苔簀4に海苔生地を抄製する構成となっている。
【0058】
しかも、上記乾燥海苔製造装置1は、海苔原料供給機構23から海苔簀4に供給する海苔原料の水量を調整可能な構成となっている。
【0059】
そのため、上記構成の乾燥海苔製造装置1では、海苔原料の水量を調整することで海苔生地の状態を迅速に制御することができ、品質の低い乾燥海苔が無駄に製造されてしまうのを防止することができる。
【0060】
また、上記乾燥海苔製造装置1は、抄製された後の海苔生地の状態、たとえば、海苔生地の重量を検出し、海苔生地の状態に応じて抄き水の水量を調整する構成となっている。
【0061】
そのため、上記構成の乾燥海苔製造装置1では、所望の品質(重量等)の乾燥海苔を安定して製造することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 乾燥海苔製造装置 2 ケーシング
3 搬送装置 4 海苔簀
5 簀枠 6 前側ケーシング
7 前側搬送機構 8 後側ケーシング
9 後側搬送機構 10 抄製装置
11 脱水装置 12 乾燥装置
13 剥離装置 14 海苔簀洗浄装置
15 重量測定用海苔簀 16 搬入装置
17 搬出装置 18 制御装置
19 ストッカー 20 移送機構
21 重量測定器 22 移送機構
23 海苔原料供給機構 24 保水機構
25 供給ダクト 26 抄きバルブ
27 抄き升 28 供給孔
29 駆動源 30 昇降体
31 昇降体 32 スノコ
33 保水袋 34 通水孔
35 昇降体 36 弁体
37 排水孔 38 海苔原料タンク
39 供給ポンプ 40 調整バルブ
41 オーバーフロー管