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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022099897
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】帳票作成装置及び帳票作成方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/186 20200101AFI20220628BHJP
   G06F 40/177 20200101ALI20220628BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20220628BHJP
【FI】
G06F40/186
G06F40/177
G06Q50/20
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020213961
(22)【出願日】2020-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】399056820
【氏名又は名称】テクマトリックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(72)【発明者】
【氏名】岩元 利純
【テーマコード(参考)】
5B109
5L049
【Fターム(参考)】
5B109NA04
5L049CC34
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数の異なる型式の帳票に共通して入力される共通情報の入力及び変更を容易に行うことができる帳票作成装置及び帳票作成方法を提供する。
【解決手段】帳票作成装置10において、書式が異なる複数の帳票フォーマットFを保存するとともに、帳票フォーマットの入力欄に共通して用いられる共通属性名と該入力欄に出力される共通属性値とを対応付けて保存する帳票マスタ14と、帳票フォーマットの入力欄に共通属性名が入力された基準帳票テンプレートを作成し、作成した基準帳票テンプレートを帳票マスタに保存する基準帳票テンプレート作成部18及び帳票マスタに保存された所望の基準帳票テンプレートが選択された場合、帳票マスタを参照して共通属性名を共通属性値に変換した編集用帳票テンプレートを出力する出力処理部19を有する制御部17と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
書式が異なる複数の帳票フォーマットを保存するとともに、該帳票フォーマットの入力欄に共通して用いられる共通属性名と該入力欄に出力される共通属性値とを対応付けて保存する帳票マスタと、
前記帳票フォーマットの入力欄に前記共通属性名が入力された基準帳票テンプレートを作成し、作成した基準帳票テンプレートを前記帳票マスタに保存する基準帳票テンプレート作成部と、
前記帳票マスタに保存された所望の基準帳票テンプレートが選択された場合、前記帳票マスタを参照して前記共通属性名を前記共通属性値に変換した編集用帳票テンプレートを出力する出力処理部と
を備えたことを特徴とする帳票作成装置。
【請求項2】
前記共通属性値は、更新可能であることを特徴とする請求項1に記載の帳票作成装置。
【請求項3】
個別情報カテゴリ名毎に個別識別情報と個別情報とを関連付けて保存する個別情報データベースと、
個別識別情報の入力受付を行う個別識別情報入力受付部と、
を備え、
前記基準帳票テンプレート作成部は、前記帳票フォーマットの入力欄に、個別情報カテゴリ名が入力された前記基準帳票テンプレートを作成し、
前記出力処理部は、前記帳票マスタに保存された所望の基準帳票テンプレートが選択され、かつ、前記個別識別情報入力受付部において前記個別識別情報の入力受付があった場合、前記個別情報データベースを参照して前記個別情報カテゴリ名が入力された入力欄に、前記個別識別情報に対応する前記個別情報カテゴリ名内の個別情報に変換した前記編集用帳票テンプレートを出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の帳票作成装置。
【請求項4】
前記個別情報カテゴリ名は、前記個別識別情報を引数とする関数であることを特徴とする請求項3に記載の帳票作成装置。
【請求項5】
書式が異なる複数の帳票フォーマットの入力欄に共通して用いられる共通属性名と該入力欄に出力される共通属性値とを対応付けて保存する帳票マスタを参照し、前記帳票フォーマットの入力欄に前記共通属性名が入力された基準帳票テンプレートを作成し、作成した基準帳票テンプレートを前記帳票マスタに保存する基準帳票テンプレート作成ステップと、
前記帳票マスタに保存された所望の基準帳票テンプレートが選択された場合、前記帳票マスタを参照して前記共通属性名を前記共通属性値に変換した編集用帳票テンプレートを出力する出力処理ステップと
を含むことを特徴とする帳票作成方法。
【請求項6】
前記共通属性値は、更新可能であることを特徴とする請求項5に記載の帳票作成方法。
【請求項7】
個別情報カテゴリ名毎に個別識別情報と個別情報とを関連付けて保存した個別情報データベース内の前記個別識別情報の入力受付を行う個別識別情報入力受付ステップと、
を含み、
前記基準帳票テンプレート作成ステップは、前記帳票フォーマットの入力欄に、個別情報カテゴリ名が入力された前記基準帳票テンプレートを作成し、
前記出力処理ステップは、前記帳票マスタに保存された所望の基準帳票テンプレートが選択され、かつ、前記個別識別情報入力受付ステップにおいて前記個別識別情報の入力受付があった場合、前記個別情報データベースを参照して前記個別情報カテゴリ名が入力された入力欄に、前記個別識別情報に対応する前記個別情報カテゴリ名内の個別情報に変換した前記編集用帳票テンプレートを出力することを特徴とする請求項5又は6に記載の帳票作成方法。
【請求項8】
前記個別情報カテゴリ名は、前記個別識別情報を引数とする関数であることを特徴とする請求項7に記載の帳票作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の異なる型式の帳票に共通して入力される共通情報の入力及び変更を容易に行うことができる帳票作成装置及び帳票作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、帳票を作成する際、複数の帳票フォーマットの中から所望の帳票フォーマットを選択し、選択した帳票フォーマットの入力欄に、帳票マスタを参照しつつ入力情報を入力していた。
【0003】
なお、特許文献1には、帳票を作成する際に、データの表示位置や属性情報から構成される定義情報を作成し、所定の操作で表示種類と表示位置と表示領域サイズを設定して、定義情報を更新できるようにした、帳票作成システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-102552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、学校教育現場では、市区町村や保護者に提出する多数の定型帳票があり、これら定型帳票には、個人情報などの個別情報とは異なり、学校長名や学級担任名など各定型帳票に共通して用いられる共通情報がある。この共通情報は、各定型帳票に共通な情報であるにもかかわらず、定型帳票ごとに繰り返し入力しており、煩雑であった。また、この共通情報は一般に変更されるものではないが、変更された場合、定型帳票ごとに変更しなければならず、変更処理も煩雑なものとなる。
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであって、複数の異なる型式の帳票に共通して入力される共通情報の入力及び変更を容易に行うことができる帳票作成装置及び帳票作成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は、書式が異なる複数の帳票フォーマットを保存するとともに、該帳票フォーマットの入力欄に共通して用いられる共通属性名と該入力欄に出力される共通属性値とを対応付けて保存する帳票マスタと、前記帳票フォーマットの入力欄に前記共通属性名が入力された基準帳票テンプレートを作成し、作成した基準帳票テンプレートを前記帳票マスタに保存する基準帳票テンプレート作成部と、前記帳票マスタに保存された所望の基準帳票テンプレートが選択された場合、前記帳票マスタを参照して前記共通属性名を前記共通属性値に変換した編集用帳票テンプレートを出力する出力処理部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記の発明において、前記共通属性値は、更新可能であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記の発明において、個別情報カテゴリ名毎に個別識別情報と個別情報とを関連付けて保存する個別情報データベースと、個別識別情報の入力受付を行う個別識別情報入力受付部と、を備え、前記基準帳票テンプレート作成部は、前記帳票フォーマットの入力欄に、個別情報カテゴリ名が入力された前記基準帳票テンプレートを作成し、前記出力処理部は、前記帳票マスタに保存された所望の基準帳票テンプレートが選択され、かつ、前記個別識別情報入力受付部において前記個別識別情報の入力受付があった場合、前記個別情報データベースを参照して前記個別情報カテゴリ名が入力された入力欄に、前記個別識別情報に対応する前記個別情報カテゴリ名内の個別情報に変換した前記編集用帳票テンプレートを出力することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記の発明において、前記個別情報カテゴリ名は、前記個別識別情報を引数とする関数であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、書式が異なる複数の帳票フォーマットの入力欄に共通して用いられる共通属性名と該入力欄に出力される共通属性値とを対応付けて保存する帳票マスタを参照し、前記帳票フォーマットの入力欄に前記共通属性名が入力された基準帳票テンプレートを作成し、作成した基準帳票テンプレートを前記帳票マスタに保存する基準帳票テンプレート作成ステップと、前記帳票マスタに保存された所望の基準帳票テンプレートが選択された場合、前記帳票マスタを参照して前記共通属性名を前記共通属性値に変換した編集用帳票テンプレートを出力する出力処理ステップとを含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記の発明において、前記共通属性値は、更新可能であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記の発明において、個別情報カテゴリ名毎に個別識別情報と個別情報とを関連付けて保存した個別情報データベース内の前記個別識別情報の入力受付を行う個別識別情報入力受付ステップと、を含み、前記基準帳票テンプレート作成ステップは、前記帳票フォーマットの入力欄に、個別情報カテゴリ名が入力された前記基準帳票テンプレートを作成し、前記出力処理ステップは、前記帳票マスタに保存された所望の基準帳票テンプレートが選択され、かつ、前記個別識別情報入力受付ステップにおいて前記個別識別情報の入力受付があった場合、前記個別情報データベースを参照して前記個別情報カテゴリ名が入力された入力欄に、前記個別識別情報に対応する前記個別情報カテゴリ名内の個別情報に変換した前記編集用帳票テンプレートを出力することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記の発明において、前記個別情報カテゴリ名は、前記個別識別情報を引数とする関数であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数の異なる型式の帳票に共通して入力される共通情報の入力及び変更を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本実施の形態に係る帳票作成装置による帳票作成処理の概要を説明する説明図である。
図2図2は、帳票作成処理に用いる帳票マスタのデータ構造の概要を説明する説明図である。
図3図3は、帳票作成処理に用いる個人情報データベースのデータ構造の概要を説明する説明図である。
図4図4は、帳票作成装置の構成を示すブロック図である。
図5図5は、基準帳票テンプレートの作成処理手順を示すフローチャートである。
図6図6は、編集用帳票テンプレートの出力処理手順を示すフローチャートである。
図7図7は、変形例による帳票作成処理の概要を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る帳票作成装置及び帳票作成方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
<帳票作成装置10の概要>
まず、本実施の形態に係る帳票作成装置10の概要について説明する。図1は、本実施の形態に係る帳票作成装置10による帳票作成処理の概要を説明する説明図である。また、図2は、帳票作成処理に用いる帳票マスタ14のデータ構造の概要を説明する説明図である。さらに、図3は、帳票作成処理に用いる個人情報データベース15のデータ構造の概要を説明する説明図である。
【0019】
図1に示すように、帳票作成処理では、まず、帳票マスタ14に予め保存された帳票フォーマットFが選択される。帳票フォーマットFは、帳票のレイアウトが示されたものである。そして、帳票フォーマットFに対し、帳票利用者の編集負荷を軽減した基準帳票テンプレートT1を作成して帳票マスタ14に保存しておく。その後、帳票利用時に基準帳票テンプレートT1を選択し、選択された基準帳票テンプレートT1に対応する編集用帳票テンプレートT2を表示出力し、帳票利用者の帳票作成を容易にするものである。
【0020】
図2に示すように、帳票マスタ14には、書式が異なる複数の帳票フォーマットFが保存されているとともに、各帳票フォーマットFの入力欄に共通して用いられる共通情報DAの共通属性名DA1と該入力欄に出力される共通属性値DB1とが対応付けて保存されている。また、図3に示すように、個人情報データベース15には、個人情報カテゴリ名DA2毎に個人識別情報DCと個人情報DB2とが関連付けて保存されている。なお、共通情報DAの左欄のチェック欄にチェックをすることにより、共通情報DAの検索時に、閲覧できないようにすることができる。これは、無駄な共通情報DAを削除することによって所望の共通情報DAを検索しやすくするためである。
【0021】
基準帳票テンプレートT1を作成する場合、帳票フォーマットFの表示項目に対応した入力欄に、共通属性名DA1が入力され、必要に応じて、個人情報カテゴリ名DA2が入力される。そして、基準帳票テンプレートT1が選択されると、帳票マスタ14を参照して共通属性名DA1が共通属性値DB1に変換され、さらに、個人識別情報DCの入力を受け付け、この個人識別情報DCを用いて個人情報データベース15を参照し、入力された個人情報カテゴリ名DA2が、個人情報カテゴリ名DA2に対応する個人情報カテゴリ名内の個人情報DB2に変換された編集用帳票テンプレートT2が表示出力される。なお、個人情報DB2は、例えば、教育機関内の帳票利用者が共通して利用する情報ではなく、各帳票利用者に固有の情報である。
【0022】
具体的に、図1では、活動状況報告書の帳票フォーマットFが選択されている。この帳票フォーマットFには、レイアウト上の固定情報として、「活動状況報告書」、「生徒氏名」、「住所」、「校長」、「担任」、「活動状況」が記入されており、「生徒氏名」、「住所」、「校長」、「担任」、「活動状況」の右欄には入力欄としての空欄が配置されている。
【0023】
基準帳票テンプレートT1の作成時には、共通情報DAとして、校長欄に「令和2年度校長名」、担任欄に「令和2年度Aクラス担任名」とする共通属性名DA1が記入される。さらに、生徒氏名欄に「生徒氏名」、住所欄に「生徒住所」とする個人情報カテゴリ名DA2が記入される。共通属性名DA1は帳票マスタ14を参照して記入される。なお、活動状況欄は、空欄としている。
【0024】
その後、基準帳票テンプレートT1が選択されると、編集用帳票テンプレートT2が表示出力される。編集用帳票テンプレートT2には、帳票マスタ14を参照して「令和2年度校長名」及び「令和2年度Aクラス担任名」の共通属性名DA1がそれぞれ「大川次郎」及び「平山静子」に変換されて表示出力される。
【0025】
一方、個人識別情報DCは、例えば、「00123」が入力された場合、個人情報データベース15を参照して「生徒氏名」、「生徒住所」の個人情報カテゴリ名DA2がそれぞれ「山川太郎」、「東京都八王子市…」の個人情報DB2に変換されて表示出力される。なお、個人識別情報DCが入力されない場合、個人情報DB2は、変換されない。また、個人識別情報DCは、ログイン情報を流用してもよい。
【0026】
基準帳票テンプレートT1において入力された個人情報カテゴリ名DA2は、編集用帳票テンプレートT2上において、例えば半透明で表示され、カーソルが個人情報カテゴリ名DA2の記載領域を移動する場合、個人識別情報DCの入力を案内する吹き出し、例えば「個人識別情報を入力すると、一括変換されます」などが表示された吹き出しを出力するようにしてもよい。また、編集用帳票テンプレートT2の画面上に個人識別情報DCの入力ウィンドウを表示しておいてもよい。なお、編集用帳票テンプレートT2の表示前に個人識別情報DCが入力されている場合、編集用帳票テンプレートT2の個人情報カテゴリ名DA2は、個人情報DB2に変換されて表示出力される。また、個人識別情報DCが入力されない場合であっても、個人情報カテゴリ名DA2の入力欄に、個人情報DB2を自由に入力することが可能である。さらに、個人識別情報DCの入力時にパスワードを要求するようにしてもよい。
【0027】
本実施の形態では、書式が異なる複数の帳票に共通して用いられる共通情報DAの共通属性名DA1と共通属性値DB1とを対応付けて帳票マスタ14に登録しておくことにより、各書式の帳票(基準帳票テンプレートT1)に共通属性名DA1を記入するのみで、各基準帳票テンプレートT1の共通属性名DA1が一括して共通属性値DB1に変換された編集用帳票テンプレートT2として表示出力される。
【0028】
さらに、共通属性値DB1が変更された場合、各基準帳票テンプレートT1の共通属性名DA1を変更することなく、一括変更される。一般に、共通情報DAは、固定情報とみなされ、帳票フォーマットF上に記載されている場合が多いが、共通属性値DB1の表示内容を変更する場合、例えば「大川次郎」を「大川次郎先生」に変更する場合、帳票マスタ14の共通属性値DB1を変更するのみで、編集用帳票テンプレートT2の表示内容を一括して容易に変更することができる。同様に、共通属性名DA1が「2年2組の担任の先生」であり、これに対応する共通属性値DB1を「田中先生」から「田中先生、10月から小林先生」に変更する場合も、帳票マスタ14の共通属性値DB1を変更するのみで、編集用帳票テンプレートT2の表示内容を一括して容易に変更することができる。この場合、各編集用帳票テンプレートT2における共通属性値DB1の変更表現を統一したものとすることができる。
【0029】
また、本実施の形態では、基準帳票テンプレートT1の表示画面上で、帳票フォーマットFが示すレイアウトの表示項目を参照して共通属性名DA1を入力するようにしているので、共通属性名DA1の入力処理を容易に行うことができる。
【0030】
さらに、本実施の形態では、個人識別情報DCの入力を前提として、基準帳票テンプレートT1に個人情報カテゴリ名DA2を入力するのみで、各個人の個人情報DB2に変換した編集用帳票テンプレートT2として表示出力される。すなわち、個人識別情報DCを入力するのみで、各個人に対応した複数の帳票を容易に作成することができる。
【0031】
なお、個人情報DB2は、個別情報の一例であり、個人に対する情報のみでなく、例えば教育機関内の所定グループに対する情報であってもよい。この場合、個人情報カテゴリ名DA2は、個別情報カテゴリ名の一例であり、個人識別情報DCは、個別識別情報の一例である。また、個人情報データベース15は、個別情報データベースの一例であり、個別情報データベースには、個別情報カテゴリ名毎に個別識別情報と個別情報とが関連付けて保存されている。
【0032】
<帳票作成装置10の構成>
次に、上記の帳票作成処理を行う帳票作成装置10の構成について説明する。図4は、帳票作成装置10の構成を示すブロック図である。帳票作成装置10は、入力部11、表示部12、通信部13、帳票マスタ14、個人情報データベース15、記憶部16及び制御部17を有する。
【0033】
入力部11は、キーボード又はマウス等の入力デバイスであり、表示部12は、液晶パネル等の表示デバイスであり、通信部13は、外部装置に接続するための通信インタフェース部である。なお、入力部11及び表示部12は、例えばタッチパネル式ディスプレイによる一体型の入出力部であってもよい。
【0034】
帳票マスタ14は、帳票フォーマットF、基準帳票テンプレートT1及び共通情報DAを格納する記憶デバイスである。個人情報データベース15は、個別情報データベースの一例として、個人情報カテゴリ名DA2毎に個人識別情報DCと個人情報DB2とを関連付けて保存する記憶デバイスである。また、記憶部16は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスであり、各種情報を保存する。
【0035】
制御部17は、帳票作成装置10の全体を制御する制御部であり、基準帳票テンプレート作成部18、出力処理部19及び個人識別情報入力受付部20を有する。制御部17は、これらの機能部に対応するプログラムを不揮発性メモリや磁気ディスク装置などの記憶装置に記憶しておき、これらのプログラムをメモリにロードして、CPUで実行することで、対応するプロセスを実行させることになる。
【0036】
基準帳票テンプレート作成部18は、帳票フォーマットFの入力欄に共通属性名DA1が入力された基準帳票テンプレートT1を作成し、また、必要に応じて帳票フォーマットFの入力欄に、個人情報カテゴリ名DA2が入力された基準帳票テンプレートT1を作成し、作成した基準帳票テンプレートT1を帳票マスタ14に保存する処理を行う。
【0037】
出力処理部19は、帳票マスタ14に保存された所望の基準帳票テンプレートT1が選択された場合、帳票マスタ14を参照して共通属性名DA1を共通属性値DB1に変換した編集用帳票テンプレートT2を出力する処理を行う。また、出力処理部19は、帳票マスタ14に保存された所望の基準帳票テンプレートT1が選択され、かつ、入力部11において個人識別情報DCの入力があった場合、個人情報データベース15を参照して個人情報カテゴリ名DA2が入力された入力欄に、個人識別情報DCに対応する個人情報カテゴリ名DA2内の個人情報DB2に変換した編集用帳票テンプレートT2を出力する処理を行う。
【0038】
個人識別情報入力受付部20は、個別識別情報入力受付部として機能し、入力部11において入力された個別識別情報の一例である個人識別情報DCの入力受付を行い、出力処理部19にその旨を通知する。
【0039】
<基準帳票テンプレートの作成処理>
図5は、基準帳票テンプレートT1の作成処理手順を示すフローチャートである。図5に示すように、まず、帳票作成装置10は、所望の帳票フォーマットFの選択を受け付ける(ステップS110)と、帳票マスタ14から帳票フォーマットFを取り出し、帳票フォーマットFの表示画面上において共通属性名DA1の入力を受け付ける(ステップS120)。この際、帳票マスタ14に登録された共通属性名DA1を参照する。さらに、帳票フォーマットFの表示画面上において個人情報カテゴリ名DA2の入力を受け付ける(ステップS130)。この際、個人情報データベース15に登録された個人情報カテゴリ名DA2を参照する。その後、共通属性名DA1及び個人情報カテゴリ名DA2が入力欄に入力された基準帳票テンプレートT1を帳票マスタ14に保存して(ステップS140)、本処理を終了する。
【0040】
<編集用帳票テンプレートの出力処理>
図6は、編集用帳票テンプレートT2の出力処理手順を示すフローチャートである。図6に示すように、まず、帳票作成装置10は、所望の基準帳票テンプレートT1の選択を受け付けると(ステップS210)、帳票マスタ14を参照して、共通属性名DA1を共通属性値DB1に変換する(ステップS220)。その後、個人識別情報DCの入力があったか否かを判定する(ステップS230)。
【0041】
個人識別情報DCの入力があったならば(ステップS230:Yes)、個人情報データベース15を参照して、個人情報カテゴリ名DA2を個人情報DB2に変換する(ステップS240)。一方、個人識別情報DCの入力がないならば(ステップS230:No)、そのままステップS250に移行する。
【0042】
その後、ステップS250では、共通属性名DA1が共通属性値DB1に変換され、さらには個人情報カテゴリ名DA2が個人情報DB2に変換された編集用帳票テンプレートT2を表示出力して、本処理を終了する。
【0043】
<変形例>
図7は、変形例による帳票作成処理の概要を説明する説明図である。上記の実施の形態では、基準帳票テンプレートT1の作成時に、個人情報カテゴリ名DA2のみを入力していたが、本変形例では、個人情報カテゴリ名DA2に替えて、個人識別情報DCを引数として個人情報カテゴリ名DA2´として記入している。基準帳票テンプレートT1などは通常、表計算プログラムを用いる場合が多い。そこで、変形例では、個人情報カテゴリ名DA2に対応する個人情報カテゴリ名DA2´を関数として記入する。この場合、個人識別情報DCを引数として記入する。この引数は、個人識別情報DCが入力された場合、一括して設定してもよいし、個別に入力してもよい。
【0044】
なお、上記の共通属性名DA1や個人情報カテゴリ名DA2は、漢字入力としていたが、テキスト文字は自由である。例えば、全て、ローマ字と数字と記号のみで設定してもよい。かかる共通属性名DA1は、システム内で一意に識別できる必要がある。また、個人情報カテゴリ名DA2は、個人識別情報DCとの組み合わせによって、システム内で一意に識別できる必要がある。
【0045】
また、上記の実施の形態及び変形例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明に係る帳票作成装置及び帳票作成方法は、複数の異なる型式の帳票に共通して入力される共通情報の入力及び変更を容易に行いたい場合に有用である。
【符号の説明】
【0047】
10 帳票作成装置
11 入力部
12 表示部
13 通信部
14 帳票マスタ
15 個人情報データベース
16 記憶部
17 制御部
18 基準帳票テンプレート作成部
19 出力処理部
20 個人識別情報入力受付部
DA 共通情報
DA1 共通属性名
DA2,DA2´ 個人情報カテゴリ名
DB1 共通属性値
DB2 個人情報
DC 個人識別情報
F 帳票フォーマット
T1 基準帳票テンプレート
T2 編集用帳票テンプレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-05-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
書式が異なる複数の帳票フォーマットを保存するとともに、該帳票フォーマットの入力欄に共通して用いられる共通属性名と該入力欄に出力される共通属性値とを対応付けて保存する帳票マスタと、
個別情報カテゴリ名毎に個別識別情報と個別情報とを関連付けて保存する個別情報データベースと、
個別識別情報の入力受付を行う個別識別情報入力受付部と、
前記帳票フォーマットの入力欄に前記共通属性名及び個別情報カテゴリ名が入力された基準帳票テンプレートを作成し、作成した基準帳票テンプレートを前記帳票マスタに保存する基準帳票テンプレート作成部と、
前記帳票マスタに保存された所望の基準帳票テンプレートが選択され、かつ、前記個別識別情報の入力を受け付けた場合に、前記個別情報データベースを参照して前記個別情報カテゴリ名を前記個別識別情報に対応する個別情報に変換するとともに、前記共通属性名を前記共通属性値に変換した編集用帳票テンプレートを出力する出力処理部と
を備えたことを特徴とする帳票作成装置。
【請求項2】
前記共通属性値は、更新可能であることを特徴とする請求項1に記載の帳票作成装置。
【請求項3】
前記個別情報カテゴリ名は、前記個別識別情報を引数とする関数であることを特徴とする請求項に記載の帳票作成装置。
【請求項4】
書式が異なる複数の帳票フォーマットを保存するとともに、該帳票フォーマットの入力欄に共通して用いられる共通属性名と該入力欄に出力される共通属性値とを対応付けて保存する帳票マスタと、個別情報カテゴリ名毎に個別識別情報と個別情報とを関連付けて保存する個別情報データベースとを有する帳票作成装置における帳票作成方法であって、
個別識別情報の入力受付を行う個別識別情報入力受付ステップと、
記帳票フォーマットの入力欄に前記共通属性名及び個別情報カテゴリ名が入力された基準帳票テンプレートを作成し、作成した基準帳票テンプレートを前記帳票マスタに保存する基準帳票テンプレート作成ステップと、
前記帳票マスタに保存された所望の基準帳票テンプレートが選択され、かつ、前記個別識別情報の入力を受け付けた場合に、前記個別情報データベースを参照して前記個別情報カテゴリ名を前記個別識別情報に対応する個別情報に変換するとともに、前記共通属性名を前記共通属性値に変換した編集用帳票テンプレートを出力する出力処理ステップと
を含むことを特徴とする帳票作成方法。
【請求項5】
前記共通属性値は、更新可能であることを特徴とする請求項に記載の帳票作成方法。
【請求項6】
前記個別情報カテゴリ名は、前記個別識別情報を引数とする関数であることを特徴とする請求項に記載の帳票作成方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は、書式が異なる複数の帳票フォーマットを保存するとともに、該帳票フォーマットの入力欄に共通して用いられる共通属性名と該入力欄に出力される共通属性値とを対応付けて保存する帳票マスタと、個別情報カテゴリ名毎に個別識別情報と個別情報とを関連付けて保存する個別情報データベースと、個別識別情報の入力受付を行う個別識別情報入力受付部と、前記帳票フォーマットの入力欄に前記共通属性名及び個別情報カテゴリ名が入力された基準帳票テンプレートを作成し、作成した基準帳票テンプレートを前記帳票マスタに保存する基準帳票テンプレート作成部と、前記帳票マスタに保存された所望の基準帳票テンプレートが選択され、かつ、前記個別識別情報の入力を受け付けた場合に、前記個別情報データベースを参照して前記個別情報カテゴリ名を前記個別識別情報に対応する個別情報に変換するとともに、前記共通属性名を前記共通属性値に変換した編集用帳票テンプレートを出力する出力処理部とを備えたことを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
また、本発明は、書式が異なる複数の帳票フォーマットを保存するとともに、該帳票フォーマットの入力欄に共通して用いられる共通属性名と該入力欄に出力される共通属性値とを対応付けて保存する帳票マスタと、個別情報カテゴリ名毎に個別識別情報と個別情報とを関連付けて保存する個別情報データベースとを有する帳票作成装置における帳票作成方法であって、個別識別情報の入力受付を行う個別識別情報入力受付ステップと、前記帳票フォーマットの入力欄に前記共通属性名及び個別情報カテゴリ名が入力された基準帳票テンプレートを作成し、作成した基準帳票テンプレートを前記帳票マスタに保存する基準帳票テンプレート作成ステップと、前記帳票マスタに保存された所望の基準帳票テンプレートが選択され、かつ、前記個別識別情報の入力を受け付けた場合に、前記個別情報データベースを参照して前記個別情報カテゴリ名を前記個別識別情報に対応する個別情報に変換するとともに、前記共通属性名を前記共通属性値に変換した編集用帳票テンプレートを出力する出力処理ステップとを含むことを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】