特開 2022-99900 ミスト発生装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2022099900

(43)【公開日】2022-07-05

(54)【発明の名称】ミスト発生装置

(51)【国際特許分類】

   F24F 6/16 20060101AFI20220628BHJP

   F24F 6/00 20060101ALI20220628BHJP

【ＦＩ】

F24F6/16

F24F6/00 A

【審査請求】未請求

【請求項の数】4

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2020213964

(22)【出願日】2020-12-23

(71)【出願人】

【識別番号】000000538

【氏名又は名称】株式会社コロナ

(72)【発明者】

【氏名】笹川 亜也果

(72)【発明者】

【氏名】時田 義司

【テーマコード（参考）】

3L055

【Ｆターム（参考）】

3L055BB03

3L055DA03

3L055DA10

(57)【要約】

【課題】 所定の低水位に達するまで水飛散用円筒の突起で水を飛散させることが可能なミスト発生装置を提供する。
【解決手段】 水飛散用円筒２３の突起２３ａから所定の低水位まで延びる案内面２４ａを有した水案内用円盤２４を水飛散用円筒２３と近接する位置で回転軸２１に軸支させたので、給水タンク６の水切れにより貯水室１２の水位が低下し、水飛散用円筒２３の突起２３ａでの水の掻き揚げが不可能となっても、水案内用円盤２４の案内面２４ａにより貯水室１２の水を汲み上げて水飛散用円筒２３の突起２３ａへ案内することができるため、水飛散用円筒２３の突起２３ａで微細水滴を発生させ、ミストを含む加湿空気を室内へ送風し続けることができる。
【選択図】図３

【特許請求の範囲】

【請求項1】

吸気口と送風口とを有した器具本体と、
当該器具本体内にあり水を貯める貯水室と、
当該貯水室の水位を検知する水位センサと、
内部に貯めた水を前記貯水室内へ補水する給水タンクと、
前記貯水室に設置され外周に前記貯水室の水を掻き揚げて飛散させ微細水滴を発生させる複数の突起を有した水飛散用円筒と、
前記吸気口から取り込んだ空気を前記貯水室へ案内し前記突起で発生した微細水滴を含む加湿空気を前記送風口から送風する送風ファンと、
前記水飛散用円筒を軸支する回転軸を回転させるモーターと、
前記水位センサで前記水飛散用円筒の前記突起の下端より下方に位置する所定の低水位が検知されたら前記給水タンクの水切れが報知されるよう制御する制御部と、を備え、
前記回転軸から前記所定の低水位までの半径を有し、外周端から前記水飛散用円筒に向けて案内面が形成された水案内用円盤を前記水飛散用円筒と近接する位置で前記回転軸に軸支したことを特徴とするミスト発生装置。

【請求項2】

前記水案内用円盤の前記水飛散用円筒側の前記案内面には、前記案内面の外周端から前記水飛散用円筒の前記突起に向けて延びるリブまたは溝が形成されたことを特徴とする請求項１記載のミスト発生装置。

【請求項3】

前記リブまたは溝は、前記水飛散用円筒の前記突起の外周端と接続するように形成されたことを特徴とする請求項２記載のミスト発生装置。

【請求項4】

前記水案内用円盤は、前記回転軸の軸方向の幅が前記水飛散用円筒よりも狭く形成されたことを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載のミスト発生装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、ミストを含む加湿空気を室内に放出して室内を加湿するミスト発生装置に関するものである。

【背景技術】

【0002】

従来、この種のものでは、ケーシング内にカートリッジ式の給水タンクの水が補給されることで一定の水位を保持する貯水室があり、当該貯水室の水面に接する複数の突起を有した水飛散用円筒が回転することで、突起により掻き揚げられた水が周囲に飛散することで破砕されて微細水滴を発生させ、送風ファンにより送風口から多量の微細水滴からなるミストを含む加湿空気を送風して室内の加湿を行うミスト発生装置があった。（例えば、特許文献１参照。）

【0003】

また、フロートが上下することで水位を検知する水位センサを貯水室に設置し、給水タンク内の水が無くなり貯水室へ水が補給できなくなって水位が低下した場合、フロートが下降して水位センサが所定の水位以下を検知することで給水タンクの水切れと判断し、運転を停止し音声やブザー等で給水タンクの水切れを報知するものがあった。（例えば、特許文献２）

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【特許文献1】特開２０２０－１２２６０９号公報

【特許文献2】特開２０１４－９９２４号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

しかし、この従来のものでは、カートリッジ式の給水タンク内の水が無くなり貯水室へ水が補給できなくなると、貯水室の水位が低下し水飛散用円筒の突起で水を掻き揚げることができず、ミストを含む加湿空気を発生させることができなくなる。
これを回避するため、突起での水の掻き揚げが不可能になる水位より上方位置をフロート式の水位センサにより給水タンクの水切れ報知する所定の低水位に設定し、給水タンクの水切れを報知する手段が考えられる。

【0006】

ところが、フロート式の水位センサを使用した場合、水切れ水位を正確に判断するため、水切れではない状態を検知するには一定の水位幅が必要になる。
水掻き揚げ用の突起は、モーターのトルク増加阻止の観点で外周方向への長さを延ばし難いことから、水位センサによる正確な水位判断のため必要な水位幅を設定することが容易にできないため、改善の余地があった。

【課題を解決するための手段】

【0007】

上記課題を解決するために、本発明の請求項１では、吸気口と送風口とを有した器具本体と、
当該器具本体内にあり水を貯める貯水室と、
当該貯水室の水位を検知する水位センサと、
内部に貯めた水を前記貯水室内へ補水する給水タンクと、
前記貯水室に設置され外周に前記貯水室の水を掻き揚げて飛散させ微細水滴を発生させる複数の突起を有した水飛散用円筒と、
前記吸気口から取り込んだ空気を前記貯水室へ案内し前記突起で発生した微細水滴を含む加湿空気を前記送風口から送風する送風ファンと、
前記水飛散用円筒を軸支する回転軸を回転させるモーターと、
前記水位センサで前記水飛散用円筒の前記突起の下端より下方に位置する所定の低水位が検知されたら前記給水タンクの水切れが報知されるよう制御する制御部と、を備え、
前記回転軸から前記所定の低水位までの半径を有し、外周端から前記水飛散用円筒に向けて案内面が形成された水案内用円盤を前記水飛散用円筒と近接する位置で前記回転軸に軸支したことを特徴としている。

【0008】

また、請求項２では、前記水案内用円盤の前記水飛散用円筒側の前記案内面には、前記案内面の外周端から前記水飛散用円筒の前記突起に向けて延びるリブまたは溝が形成されたことを特徴としている。

【0009】

また、請求項３では、前記リブまたは溝は、前記水飛散用円筒の前記突起の外周端と接続するように形成されたことを特徴としている。

【0010】

また、請求項４では、前記水案内用円盤は、前記回転軸の軸方向の幅が前記水飛散用円筒よりも狭く形成されたことを特徴としている。

【発明の効果】

【0011】

この発明によれば、回転軸から所定の低水位までの半径を有し、外周端から前記水飛散用円筒に向けて案内面が形成された水案内用円盤を水飛散用円筒と近接する位置で回転軸に軸支したので、給水タンクの水切れにより貯水室の水位が低下したとき、貯水室の水位が給水タンクの水切れを報知する所定の低水位に至るまで、水案内用円盤の案内面により貯水室の水を水飛散用円筒の突起へ案内することができるため、貯水室の水位が低下した状態であっても微細水滴を発生させ、ミストを含む加湿空気を送風し続けることができる。

【図面の簡単な説明】

【0012】

【図1】本実施形態における器具本体の斜視図。

【図2】図１のＡ－Ａ断面図。

【図3】図１のＢ－B断面図。

【図4】同実施形態における回転体の斜視図。

【図5】同実施形態の制御ブロック図。

【図6】同実施形態における各水位高さでの回転体各部の接水面の変化を説明する図。

【発明を実施するための形態】

【0013】

本発明の一実施形態のミスト発生装置を説明する。

【0014】

図１を参照する。１はこの実施形態の器具本体で、家庭用のエアコンや暖房機に組み込んだり、単独で使用される。２は器具本体１の外枠を形成するケーシングで、上面に空気の吸気口３と、ミストを含んだ加湿空気を吹出す送風口４とを有している。

【0015】

図１を参照する。５は所定の容量だけ内部に水を保持する給水タンク６が収納されるタンク収納室である。

【0016】

図２、及び図３を参照する。１０はケーシング２内を前後に仕切る仕切板であり、当該仕切板１０で仕切られたケーシング２の前方側に吸気口３から吸い込まれた室内空気が通過する空気導入路１１、後方側に所定量の水が貯められる貯水室１２が形成される。
また、仕切板１０の略中央には、円形に開口し空気導入路１１を通過した空気を貯水室１２へ案内する吸込孔１３を有している。

【0017】

図２、及び図３を参照する。１４は貯水室１２の下流側にあり貯水室１２で発生したミストを含む加湿空気が通過する空気排出路であり、当該空気排出路１４を通過した加湿空気が送風口４から室内へ送風される。

【0018】

図２を参照する。２０は回転軸２１に回転可能となるよう軸支された回転体、２２は当該回転体２０の後方に形成された空間に固定された回転体側磁石である。

【0019】

図２を参照する。３０はモーター３１を支持する箱状のモーターケースである。当該モーターケース３０内には、モーター３１により回転可能となるよう一端側がモーター３１に軸支されたモーター軸３２と、当該モーター軸３２の他端側に設置された磁石支持体３３と、当該磁石支持体３３により支持固定されたモーター側磁石３４と、が配置されている。

【0020】

回転体２０は、モーター側磁石３４の磁力を回転体側磁石２２が受けることで回転駆動可能なマグネットカップリングで構成される。よって、操作部７０により運転開始指示が出されると、モーター３１が所定の回転数で駆動しモーター側磁石３４が回転することで、磁力により回転体２０がモーター３１と同一の所定の回転数で回転する。

【0021】

このように回転体２０の回転駆動機構をマグネットカップリングで構成すると、モーター３１が貯水室１２と分離して配置可能なため、貯水室１２内の水がモーター軸３２内に侵入し、モーター３１が故障するのを未然に阻止することができる。

【0022】

図３を参照する。給水タンク６がタンク収納室５へ収納されると、給水タンク６を閉止するタンク蓋４０がタンク設置面４５上に載置される。給水タンク６がタンク設置面４５上に載置されると、タンク蓋４０の略中央に配置された開閉弁４１が、タンク設置面４５から上方へ延びる凸部４２により上方へ押し上げられ、給水タンク６内の水がタンク収納室５の給水タンク６下方にあるタンク側水槽４３へ供給される。

【0023】

タンク側水槽４３へ供給された水は、タンク側水槽４３の下方にある連絡通路４４を通過して貯水室１２内へ供給される。タンク側水槽４３と貯水室１２の水位高さは同一となる。

【0024】

図２を参照する。５０は空気導入路１１の下方かつ貯水室１２の前方側に位置する水位検知室である。当該水位検知室５０は、仕切板１０により貯水室１２と仕切られており、仕切板１０の下方にある通過口５１から水が供給されることで、貯水室１２と同一の水位高さとなる。

【0025】

５２は水位検知室５０内に設置されたフロート式の水位センサであり、水位高さの変化に応じてフロートが上下することで水位高さを検知可能である。水位高さが所定の水位より高い所定幅にあるときは、水位センサ５２内にある図示しないリードスイッチがＯＮ状態になって運転継続可能とし、水位高さが所定の水位以下になったら、リードスイッチがＯＦＦ状態に切り替わる。

【0026】

図５を参照する。６０はマイコンで構成された制御部であり、マイコン基板上にブザー、あるいは音声での報知が可能な報知手段６１が設置されている。
制御部６０は、水位センサ５２のリードスイッチがＯＮ状態からＯＦＦ状態へ切り替わり、貯水室１２内の水位高さが所定の水位より高い状態から所定の水位以下になったと判断したら、モーター３１の運転を停止させ、報知手段６１からブザー、あるいは音声により給水タンク６の水切れを報知する。
これにより、ユーザーに対して給水タンク６内への補水を促すことができる。

【0027】

また、７０はモーター３１を駆動させてミストを含む加湿空気を送風する加湿運転の開始、及び停止を指示可能な図示しない運転スイッチを有した操作部である。

【0028】

次に、回転体２０の詳細構造について説明する。
図３、及び図４を参照する。回転体２０は、水飛散用円筒２３、水案内用円盤２４、及び送風ファン２５が一体化した構成である。

【0029】

図３、及び図４を参照する。水飛散用円筒２３は、水案内用円盤２４と送風ファン２５との間に位置しており、外周端に外周方向へ延びる複数の突起２３ａが形成されている。水飛散用円筒２３が回転すると貯水室１２内の水を突起２３ａで掻き揚げて周囲に飛散させ、周囲に飛散した水が突起２３ａや水飛散用円筒２３の周囲を囲う送風ガイドに衝突することで微細水滴が発生し、多量の微細水滴で構成されたミストを含む加湿空気の送風が可能となる。

【0030】

図３、及び図４を参照する。水案内用円盤２４は、回転軸２１から貯水室１２の所定の低水位までの半径を有し、水飛散用円筒２３の後方で水飛散用円筒２３に近接する位置にあり、水飛散用円筒２３と比較して外径が大きく、回転軸２１の軸方向である前後方向の幅が水飛散用円筒２３より狭く形成されている。
そして、水案内用円盤２４には、外周端から水飛散用円筒２３に向けて貯水室１２の水を案内する案内面２４ａが形成され、水飛散用円筒２３側の案内面２４ａには、外周端から水飛散用円筒２３の突起２３ａの外周端までを接続するリブ２４ｂが複数形成されている。

【0031】

貯水室１２の水位が低下し、運転時に水飛散用円筒２３の突起２３ａが水面に到達しなくなると、水案内用円盤２４が回転することで案内面２４ａ、及びリブ２４ｂで水を汲み上げて水飛散用円筒２３の突起２３ａへ水を案内することができる。よって、貯水室１２の水位が低下しても継続して水飛散用円筒２３の突起２３ａで水を破砕して微細水滴を発生させ、ミストを含む加湿空気が送風可能となる。

【0032】

図３、及び図４を参照する。２５は遠心ファン型の送風ファンで、円周方向に複数の羽根２５ａが設置されている。回転体２０が回転することで送風ファン２５が回転し、羽根２５ａにより吸込孔１３から空気を吸込み、ミストを含む加湿空気を空気排出路１４へ送って送風口４から送風することができる。

【0033】

次に、本実施形態の各水位高さでの回転体２０各部との接水面による水の微細化方法の変化ついて説明する。
図６を参照する。給水タンク６内に十分な水が存在する場合、（Ａ）で示すように水飛散用円筒２３の突起２３ａの外周端が水面に接する。よって、水飛散用円筒２３が回転すると、突起２３ａによって水を掻き揚げることができ、掻き揚げられた水が突起２３ａやケーシング２を構成する壁部に衝突することで微細化し、ミストを含む加湿空気を発生させることができる。

【0034】

図６を参照する。給水タンク６内の水が無くなると、（Ｂ）で示すように水飛散用円筒２３の突起２３ａの外周端より下方に水面が位置するため、突起２３ａでの水の掻き揚げが不可能となる。この時、水案内用円盤２４が回転すると、案内面２４ａの表面に水が付着した状態で水飛散用円筒２３の突起２３ａへ水を汲み上げることができ、突起２３ａによる微細水滴の発生が可能となる。よって、貯水室１２の水位が低下し突起２３ａが水面に到達しなくても、ミストを含む加湿空気を継続して発生させることができる。

【0035】

また、水案内用円盤２４の案内面２４ａには複数のリブ２４ｂが形成されているので、水飛散用円筒２３の突起２３ａが水面に達しない水位高さまで低下した場合、リブ２４ｂにより効率的に水を汲み上げて突起２３ａへ案内し微細水滴を発生させることができるため、ミストを含む加湿空気の発生量が減少することなく運転を継続することができる。

【0036】

図５を参照する。給水タンク６内の水が無くなり所定時間経過すると、（Ｃ）で示すように水位センサ５２がＯＮ状態を出力する所定の低水位よりも水位高さが低くなる。よって、水位センサ５２がＯＦＦ状態を出力することで、制御部６０は、モーター３１を停止させ報知手段６１によりブザー、音声等で給水タンク６の水切れを報知し運転停止状態にする。ユーザーは報知手段６１からの報知で給水タンク６の水切れを認識し、給水タンク６の補水を実施した後、再度運転を開始させることができる。

【0037】

フロート式の水位センサ５２により、リードスイッチで確実にＯＮ／ＯＦＦ状態を切り替えるためには、所定の水位幅が必要になる。本実施形態では、満水水位位置から水位センサ５２がＯＮ状態を検知する下限位置である所定の低水位までが所定の水位幅に相当する。

【0038】

水位センサ５２がＯＦＦ状態を検知するまでの間、貯水室１２の水から微細水滴を発生させ続けるために、水飛散用円筒２３の突起２３ａの外周方向長さを長くする方法が考えられる。
しかし、突起２３ａの外周方向長さを長くすると、貯水室１２が所定の水位幅に位置するときの水による負荷が大きくなり、モーター３１のトルクが増大する。
水案内用円盤２４の案内面２４ａ、及びリブ２４ｂで貯水室１２の水を汲み上げ、突起２３ａに水を案内可能な構造にしたことで、モーター３１のトルクが増大することなく所定の低水位に達するまで確実に水を破砕して微細化し、ミストを含む加湿空気を室内へ送風することができる。

【0039】

また、回転軸２１の軸方向である前後方向の水案内用円盤２４の幅が水飛散用円筒２３の幅と比較して狭く形成されているので、貯水室１２の水位が所定の水位幅に位置するときにおける水案内用円盤２４による回転の負荷を低減させ、モーター３１のトルク増大を阻止することができる。

【0040】

次に、本発明の効果を説明する。

【0041】

水飛散用円筒２３の突起２３ａから所定の低水位まで延びる案内面２４ａを有した水案内用円盤２４を水飛散用円筒２３と近接する位置で回転軸２１に軸支させたので、給水タンク６の水切れにより貯水室１２の水位が低下し、水飛散用円筒２３の突起２３ａでの水の掻き揚げが不可能となっても、水案内用円盤２４の案内面２４ａにより貯水室１２の水を汲み上げて、水飛散用円筒２３の突起２３ａへ水を案内することができるため、水飛散用円筒２３の突起２３ａを外周方向へ長くすることでモーター３１のトルクが増大することなく微細水滴を発生させ、ミストを含む加湿空気を室内へ送風し続けることができる。

【0042】

また、水案内用円盤２４の案内面２４ａには、案内面２４ａの外周端から水飛散用円筒２３の突起２３ａに向けて延びるリブ２４ｂが形成されたので、貯水室１２の水位が低下し突起２３ａでの水の掻き揚げが不可能になったとき、リブ２４ｂにより貯水室１２の水を汲み上げて突起２３ａに案内することができるため、突起２３ａにより微細水滴を発生させ、ミストを含む加湿空気を発生させ室内へ送風し続けることができる。

【0043】

また、水案内用円盤２４のリブ２４ｂは、水飛散用円筒２３の突起２３ａの外周端と接続するように形成されているので、リブ２４ｂが貯水室１２から汲み上げた水を確実に突起２３ａに案内することができるため、貯水室１２の水位が低下しても突起２３ａにより微細水滴を多量に発生させ、ミストを含む加湿空気を室内へ送風し続けることができる。

【0044】

また、水案内用円盤２４は、回転軸２１の軸方向である前後方向の幅が水飛散用円筒２３よりも狭くなるように形成されたので、貯水室１２の水面下に水案内用円盤２４が位置した状態で回転することによるモーター３１の負荷を抑えることで、モーター３１のトルクが増大することなく突起２３ａにより微細水滴を多量に発生させて、ミストを含む加湿空気を室内へ送風し続けることができる。

【0045】

なお、本実施形態では、水飛散用円筒２３と水案内用円盤２４とが回転体２０として一体化したもので説明したが、本実施形態に限定されるものではない。貯水室１２の水位低下時に水飛散用円筒２３の突起２３ａに水が供給可能であればよいことから、水飛散用円筒２３と水案内用円盤２４とを別体として同一の回転軸２１に軸支してもよい。

【0046】

また、貯水室１２の水位が低下し突起２３ａが水面に達しない低水位となったとき、水位センサ５２がＯＦＦ状態に切り替わる水位まで水飛散用円筒２３の突起２３ａへ継続して水が供給可能であれば、水飛散用円筒２３と水案内用円盤２４とを離間させてもよい。このように、貯水室１２が低水位となったとき突起２３ａへ継続して水が供給可能な状態であれば、水飛散用円筒２３と水案内用円盤２４とが近接しているといえる。

【0047】

また、本実施形態では水案内用円盤２４の案内面２４ａに形成されたリブ２４ｂが水飛散用円筒２３の突起２３ａの外周端と接続しているが、これに限定されるものではない。例えば、水案内用円盤２４の外周端から突起２３ａの外周端までの間にある所定位置までリブ２４ｂを形成したものであってもよい。つまり、水位低下により突起２３ａが貯水室１２の水を直接的に掻き揚げられない状態になったとき、突起２３ａに水を案内可能な構成であれば本発明の範疇に含まれる。

【0048】

また、本実施形態では水案内用円盤２４の案内面２４ａにリブ２４ｂを形成しているが、リブ２４ｂではなく案内面２４ａに所定深さの溝を形成したものであってもよい。即ち、水案内用円盤２４の案内面２４ａにリブ２４ｂまたは溝を形成して凹凸状にすることで、貯水室１２の水位低下時に水飛散用円筒２３の突起２３ａへ効率よく水を供給可能な形状であれば、本発明の範疇に含まれる。

【0049】

また、本実施形態では水飛散用円筒２３の円周上に等間隔の突起２３ａを形成したもので説明したが、これに限られない。例えば、不均一な間隔で突起２３ａを形成したものや、千鳥状に突起２３ａを形成したものであってもよい。つまり、水飛散用円筒２３が回転することで水を掻き揚げて微細化することが可能な突起状のものであれば、本発明の範疇に含まれる。

【0050】

また、本実施形態はマグネットカップリングによりモーター３１に軸支されたモーター軸３２とは別に設置した回転軸２１に回転体２０を軸支させているが、マグネットカップリングをせずモーター軸３２に直接回転体２０を軸支する形態であってもよい。

【符号の説明】

【0051】

１ 器具本体
３ 吸気口
４ 送風口
６ 給水タンク
１２ 貯水室
２１ 回転軸
２３ 水飛散用円筒
２３ａ 突起
２４ 水案内用円盤
２４ａ 案内面
２４ｂ リブ
２５ 送風ファン
３１ モーター
５２ 水位センサ
６０ 制御部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】