(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100075
(43)【公開日】2023-07-18
(54)【発明の名称】プローブ
(51)【国際特許分類】
G01R 1/073 20060101AFI20230710BHJP
G01R 1/067 20060101ALI20230710BHJP
H01R 13/24 20060101ALI20230710BHJP
H01R 43/00 20060101ALI20230710BHJP
H01R 13/6585 20110101ALI20230710BHJP
【FI】
G01R1/073 A
G01R1/067 C
G01R1/067 J
H01R13/24
H01R43/00 Z
H01R13/6585
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022000462
(22)【出願日】2022-01-05
(71)【出願人】
【識別番号】592028846
【氏名又は名称】I-PEX株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100183438
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 泰史
(72)【発明者】
【氏名】本村 一生
【テーマコード(参考)】
2G011
5E021
5E051
【Fターム(参考)】
2G011AA10
2G011AA15
2G011AA16
2G011AB01
2G011AC14
2G011AC32
2G011AE01
2G011AF03
2G011AF07
5E021FB11
5E021FB30
5E021FC19
5E021LA12
5E051GB09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コネクタの検査精度を向上させるプローブを提供する。
【解決手段】プローブ1は、複数のコンタクト1001を備えるコネクタ100の検査に用いられるプローブ1であって、複数のコンタクト1001に対応する複数のプローブピン3を内包する先端部42と、複数のプローブピン3に電気的に接続される導電部2を内包する本体部41と、を有するプランジャ4と、本体部41又は先端部42に配置され、第1接地導電部が露出した第1主面51と、第1主面51に相対し、第2接地導電部が露出した第2主面52と、導電部2と複数のプローブピン3とを電気的に接続する信号導電部と、を有する基板5と、導電部2同士の間に位置すると共に、第1接地導電部に接触する第1グランド接触部と、複数のプローブピン3同士の間に位置すると共に、第2接地導電部に接触する第2グランド接触部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンタクトを備えるコネクタの検査に用いられるプローブであって、
前記複数のコンタクトに対応するように設けられた複数のプローブピンを内包する先端部と、前記複数のプローブピンに電気的に接続される導電部を内包する本体部と、を有するプランジャと、
前記本体部又は前記先端部に配置され、第1接地導電部が露出した第1主面と、前記第1主面に対向し、第2接地導電部が露出した第2主面と、前記第1主面から前記第2主面に亘っており、前記第1主面において前記導電部に接触すると共に前記第2主面において前記複数のプローブピンに接触することにより、前記導電部と前記複数のプローブピンとを電気的に接続する信号導電部と、を有する基板と、
前記導電部同士の間に位置すると共に、前記第1接地導電部に接触する第1グランド接触部と、
前記複数のプローブピン同士の間に位置すると共に、前記第2接地導電部に接触する第2グランド接触部と、
を備えるプローブ。
【請求項2】
前記第1グランド接触部は、前記本体部と一体的に構成される、請求項1記載のプローブ。
【請求項3】
前記第2グランド接触部は、前記先端部と一体的に構成される、請求項1又は2記載のプローブ。
【請求項4】
前記基板は、ベース層と、前記ベース層を挟み、前記第1主面及び前記第2主面を形成するビルドアップ層とにより構成されており、
前記信号導電部は、前記ビルドアップ層に設けられた第1信号導電部と、前記ベース層に設けられた第2信号導電部とを含み、
前記第1信号導電部の径は、前記第2信号導電部の径よりも小さい、
請求項1~3のいずれか一項記載のプローブ。
【請求項5】
前記第1接地導電部及び前記第2接地導電部は、メッキにより形成されている、請求項1~4のいずれか一項記載のプローブ。
【請求項6】
前記プランジャの前記本体部又は前記先端部には、前記基板を収容する凹部が設けられている、請求項1~5のいずれか一項記載のプローブ。
【請求項7】
前記第1接地導電部及び前記第2接地導電部の少なくとも一方は、前記信号導電部を取り囲んでいる、請求項1~6のいずれか一項記載のプローブ。
【請求項8】
前記先端部を内包するように設けられ、前記コネクタに対する位置決めを行うガイド部を有する導電性のハウジングを更に備える、請求項1~7のいずれか一項記載のプローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタの検査に用いられるプローブに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コネクタを検査する際に、固定プランジャとコネクタの導電性シェルとを当接させてグランド接続し、複数のプローブピンをコネクタの各コンタクトに接触させるプローブが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に例示されるようなプローブにおいては、基板における同軸ケーブル同士の間の領域、及びプローブピン同士の間の領域においてグランドが確保されていないため、同軸ケーブル同士の間、及びプローブピン同士の間において互いの信号が干渉し得る。その結果、従来のプローブでは、コネクタの高精度な検査が阻害される。
【0005】
そこで本開示は、コネクタの検査精度を向上させるプローブを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るプローブは、複数のコンタクトを備えるコネクタの検査に用いられるプローブであって、複数のコンタクトに対応するように設けられた複数のプローブピンを内包する先端部と、複数のプローブピンに電気的に接続される導電部を内包する本体部と、を有するプランジャと、本体部又は先端部に配置され、第1接地導電部が露出した第1主面と、第1主面に対向し、第2接地導電部が露出した第2主面と、第1主面から第2主面に亘っており、第1主面において導電部に接触すると共に第2主面において複数のプローブピンに接触することにより、導電部と複数のプローブピンとを電気的に接続する信号導電部と、を有する基板と、導電部同士の間に位置すると共に、第1接地導電部に接触する第1グランド接触部と、複数のプローブピン同士の間に位置すると共に、第2接地導電部に接触する第2グランド接触部と、を備える。
【0007】
本開示の一態様に係るプローブでは、導電部同士の間において、第1接地導電部と第1グランド接触部とがグランド接触する。また、複数のプローブピン同士の間において、第2接地導電部と第2グランド接触部とがグランド接触する。これらの接触箇所においてグランドが確保されることにより、導電部同士、及びプローブピン同士の間における互いの信号の干渉を抑制することができる。その結果、コネクタの検査精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、コネクタの検査精度を向上させるプローブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第一の実施形態におけるプローブの外観を示す図である。
図1(a)は平面図、
図1(b)は斜視図、
図1(c)は側面図、
図1(d)は底面図である。
【
図2】プローブ及びコネクタの外観を示す図である。
図2(a)は側面図、
図2(b)は斜視図である。
【
図3】プローブがコネクタに当接する前の状態において、
図1(a)のA-A線に沿う断面を示す断面図である。
【
図4】基板が先端部に収容された状態の外観を示す図である。
図4(a)は平面図、
図4(b)は斜視図、
図4(c)は側面図である。
【
図5】基板が先端部に収容される前の状態の外観を示す分解斜視図である。
【
図6】
図4(a)のB-B線に沿う断面を示す断面図である。
【
図7】スペーサ(当接補助部)の外観を示す図である。
図7(a)は平面図、
図7(b)は斜視図、
図7(c)は側面図である。
【
図8】プローブがコネクタに当接した状態において、
図1(a)のA-A線に沿う断面を示す断面図である。
【
図9】ストローク状態において、
図1(a)のA-A線に沿う断面を示す断面図である。
【
図10】
図9における範囲Fを拡大して示す断面図である。
【
図11】第二の実施形態におけるプローブの断面を示す断面図である。
【
図12】第三の実施形態におけるプローブの断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
[第一の実施形態]
図1は、第一の実施形態におけるプローブ1の外観を示す図である。
図1(a)は平面図、
図1(b)は斜視図、
図1(c)は側面図、
図1(d)は底面図である。プローブ1を平面視した形状(
図1(a)参照)、及びプローブ1を底面視した形状(
図1(d)参照)はいずれも長方形に近似している。以下、当該長方形の長辺に沿う方向をX軸方向といい、当該長方形の短辺に沿う方向をY軸方向という。X軸及びY軸に直交する方向である高さ方向をZ軸方向という。X軸、Y軸、及びZ軸は互いに直交している。プローブ1は、全体としてZ軸方向に延伸する略柱状の形状を有する。
【0012】
図2は、プローブ1及びコネクタ100の外観を示す図である。
図2(a)は側面図、
図2(b)は斜視図である。プローブ1は、コネクタ100の検査に用いられる器具である。コネクタ100は、複数のコンタクト1001,1001(
図3参照)を備える多芯コネクタである。複数のコンタクト1001,1001は、例えば複数の列に沿って配置されている。本実施形態では、コネクタ100は、2列で配置された2つのコンタクト1001,1001、及びコンタクト1001,1001を固定する絶縁ハウジング1003を備える。また、コネクタ100は、絶縁ハウジング1003の外周を囲うと共に、複数のコンタクト1001,1001の間を区画するシェル1002(
図3参照)を有する。シェル1002は、グランド接続部として機能する。コネクタ100は、プリント基板(不図示)に配置されており、コネクタ100は、プリント基板とは電気的に接続されている。また、コネクタ100は、検査時においては、プローブ1に電気的に接続される。プリント基板には、コネクタ100以外にも様々な部品が配置されていてもよい。
【0013】
プローブ1とコネクタ100とは、プローブ1がZ軸方向に動作することによって、電気的に接続される。以下、Z軸方向のうち、プローブ1から見たコネクタ100が位置する方向を「下」、コネクタ100から見たプローブ1が位置する方向を「上」という。プローブ1は、コネクタ100から見て上方向に配置される。プローブ1とコネクタ100とが接続されるとき、プローブ1を下方向に押し付けた力に対する反作用として、プローブ1に対して上方向に向けて押圧する力(以下、「押圧力」という。)が加えられる。プローブ1に対し、押圧力が加えられていない状態を初期状態といい、押圧力が加えられた状態をストローク状態という。
【0014】
図3を参照して、プローブ1の構成を説明する。
図3は、プローブ1がコネクタ100に当接する前の状態において、
図1(a)のA-A線に沿う断面を示す断面図である。プローブ1は、導電部2と、プローブピン3と、プランジャ4と、基板5と、フランジ6と、スプリング7と、ハウジング8と、キャップ9と、スペーサ10(当接補助部)と、を備える。
【0015】
導電部2は、プローブピン3と電気的に接続される。ここでの「電気的に接続される」とは、導電部2とプローブピン3とが物理的に直接接続されることにより導電部2とプローブピン3とが電気的に接続される場合だけでなく、導電部2とプローブピン3との間に配置された導電性の部品(例えば基板5)を介して、導電部2とプローブピン3とが間接的に接続されることにより導電部2とプローブピン3とが電気的に接続される場合を含む。また、導電部2は、例えば外部の検査設備等と電気的に接続される。
【0016】
例えば、導電部2は、複数(例えば2本)の同軸ケーブル21と、複数(例えば2本)の導電部材22とを有する。同軸ケーブル21は、Z軸方向に延伸する絶縁体で被覆された導体である。導電部材22は、Z軸方向に延伸する導電性の部品(例えば金属からなる導体又は配線等)である。同軸ケーブル21は、導電部材22に電気的に接続される。導電部2は、同軸ケーブル21及び導電部材22の少なくとも一方のみで構成されていてもよい。
【0017】
プローブピン3は、針状の導電性の部品であり、例えばポゴピンである。プローブピン3は、コネクタ100の複数のコンタクト1001,1001に一対一で対応するように複数(例えば2本)設けられ、Z軸方向に沿って延伸する。プローブピン3の先端は、Z軸方向においてコネクタ100に対向する。本実施形態において、「対向する」とは、対向する物同士の間に他の部材等が存在する場合も含む。
【0018】
基板5は、導電部2と、複数のプローブピン3とを互いに電気的に接続する略円柱状の部品である。基板5は、第1主面51と、第1主面51に対向する第2主面52とを有する。基板5は、第1主面51において導電部2と電気的に接続される。基板5は、第2主面52において複数のプローブピン3と電気的に接続される。基板5の詳細は後述する。
【0019】
プランジャ4は、本体部41と、先端部42とを有する導電性の部品である。本体部41は、略円柱状に形成され、導電部2の少なくとも一部を内包する。具体的には、本体部41は、複数の同軸ケーブル21の一部、及び、複数の導電部材22を内包し、これらの構成に沿ってZ軸方向に延びている。本体部41は、円柱形状を構成する、上面411と、底面412と、上面411から底面412に亘ってZ軸方向に設けられた側面413とを有する。本体部41には、上面411から底面412に亘って、Z軸方向に沿った複数の貫通孔41Hが形成されている。複数の貫通孔41Hには、導電部2を構成する導電部材22等をそれぞれ内包する絶縁体Dが配置される。例えば、複数の貫通孔41Hには、上面411からZ軸方向に沿って同軸ケーブル21が挿入され、カラーCによって同軸ケーブル21の挿入箇所の隙間が埋められている。底面412は、Z軸方向において基板5に対向している。底面412からは、導電部2(例えば導電部材22)の先端が露出している。
【0020】
本体部41の下部415には、円環板状の突出部416が形成されている。なお、ここでの下部415とは、本体部41の下端のみを指すのではなく、下端の近傍(下端寄りの領域)を含んでいる。突出部416は、側面413を基端とし、X軸方向の外方に向かって突出する。円環板状の突出部416の上面4161は、後述する円環部62の下面622にZ方向において対向する。突出部416の下面4162は、後述する底部82の上面821にZ方向において対向する。
【0021】
先端部42は、柱状に形成され、本体部41の下部415に配置され、本体部41に固定される。先端部42は、複数のプローブピン3を内包すると共に、基板5を収容し、複数のプローブピン3に沿ってZ軸方向に延びている。基板5は、本体部41と先端部42との間で挟み込まれるように配置される。
【0022】
図4~
図6を参照しながら、先端部42、基板5及びプローブピン3について説明する。
図4は、基板5が先端部42に収容された状態の外観を示す図である。
図4(a)は平面図、
図4(b)は斜視図、
図4(c)は側面図である。先端部42は、支持部421と、保持部422とを有する。支持部421は、有底円筒状に形成され、基板5を収容する。保持部422は、柱状に形成され、支持部421に連続する箇所を基端(上端)としてZ軸方向(下方)に延伸し、複数のプローブピン3を内包する。また、先端部42は、Z軸方向の下端面である先端面423を有する。また、保持部422は、先端面423から複数のプローブピン3の先端(下端)がそれぞれ露出するように複数のプローブピン3を保持する。
【0023】
図5は、基板5が先端部42に収容される前の状態の外観を示す分解斜視図である。基板5は、信号導電部53と、接地導電部54とを有する。信号導電部53は、第1主面51から第2主面52に亘って設けられている。信号導電部53は、第1主面51において複数の導電部材22に接触すると共に、第2主面52において複数のプローブピン3に接触することにより、導電部2と複数のプローブピン3とを電気的に接続する。接地導電部54は、第1主面51及び第2主面52のそれぞれに設けられた導電性の層状体である。
【0024】
支持部421は、上面4211と、上面4211が窪むようにして形成された凹部4212と、凹部4212の底面である内底面4213とを有する。凹部4212は、基板5を収容する。換言すると、凹部4212は、基板5の受け皿として機能する。内底面4213は、基板5の第2主面に対向している。内底面4213には、複数のプローブピン3の上端(他方の端部)が露出している。
【0025】
図6は、
図4(a)のB-B線に沿う断面を示す断面図である。本実施形態の基板5は、ビルドアップ基板である。例えば、基板5は、ベース層BLと、ベース層BLを挟み、第1主面51及び第2主面52を形成する複数のビルドアップ層ULとにより構成されている。
【0026】
信号導電部53は、ビルドアップ層ULに設けられた第1信号導電部531と、ベース層BLに設けられた第2信号導電部532とを有する。第1主面51を形成するビルドアップ層ULに設けられた第1信号導電部531は、導電部材22に電気的に接続される。第2主面52を形成するビルドアップ層ULに設けられた第1信号導電部531は、プローブピン3に電気的に接続される。第2信号導電部532は、第1主面51を形成するビルドアップ層ULに設けられた第1信号導電部531と、第2主面52を形成するビルドアップ層ULに設けられた第1信号導電部531との間において、電気的な接続を中継する。
【0027】
基板5は、導電部2のピッチと複数のプローブピン3のピッチとを変換する。例えば、複数の導電部材22のピッチは、複数のプローブピン3のピッチよりも大きい。このピッチの違いに対応して、第1主面51における第1信号導電部531のピッチは、第2主面52における第1信号導電部531のピッチよりも大きい。すなわち、第1信号導電部531は、第1主面51における位置と第2主面52における位置とに対応して、導電部2のピッチと、複数のプローブピン3のピッチとを変換する。
【0028】
第1信号導電部531の径は、第2信号導電部532の径よりも小さい。例えば、ベース層BLにおける第2信号導電部532の径は、貫通ビアによって形成される。そして、ビルドアップ層ULにおける第1信号導電部531の径は、レーザビアによって形成される。レーザビアは、貫通ビアよりも穴の径を小さく形成することができる。
【0029】
比較例として、貫通ビアのみによって形成される基板を説明する。この場合、基板の各面には同じピッチの穴が形成される。その後、基板の一方の面においてピッチを変換する配線等を設けることによって、一方の面に不要な部分(スタブ)が生じてしまう。これに対して、本実施形態の基板5はビルドアップ基板であるため、スタブが生じないように製造することができる。例えば、
図6に示されるように、本実施形態の基板5では範囲Sの位置にスタブが生じないが、比較例に係る基板では範囲Sに対応する位置にスタブが生じてしまう。本実施形態の基板5は、比較例に係る基板よりも高周波(例えば5GHz以上)領域における信号の反射特性(Return Loss)が向上する。
【0030】
接地導電部54は、第1主面51上に露出した第1接地導電部541と、第2主面52上に露出した第2接地導電部542とを有する。第1接地導電部541及び第2接地導電部542は、例えばメッキにより形成された多層構造を有する。第1接地導電部541は、第1主面51における信号導電部53(第1信号導電部531)を取り囲んでいる。例えば、
図5に示されるように基板5を平面視したとき、第1主面51には複数(例えば2つ)の第1信号導電部531がX軸方向における両端付近に設けられており、第1接地導電部541が第1信号導電部531の周囲を取り囲むように設けられている。また、第2接地導電部542は、第2主面52における信号導電部53(第1信号導電部531)を取り囲んでいる。例えば、基板5を底面視したときも同様に、第2主面52には複数(例えば2つ)の第1信号導電部531がX軸方向における両端付近に設けられており、第2接地導電部542が第1信号導電部531の周囲を取り囲むように設けられている(不図示)。
【0031】
図6に示されるように基板5の高さは支持部421の凹部4212の深さよりも大きい。より詳細には、基板5の第1主面51と第2主面52との間の距離H1は、支持部421の上面4211と内底面4213との間の距離H2よりも大きい。したがって、基板5が凹部4212に収容されると、基板5の第1主面51が支持部421の上面4211よりもはみ出る。
【0032】
図3に戻り、フランジ6は、板状部材61と、板状部材61とは別体で形成された円環部62とを有する。板状部材61は、プローブ1を検査設備に固定するための板状の部品である。板状部材61を平面視した形状は略長方形である。板状部材61は、上面611と、下面612とを有する。板状部材61には、上面611の中央から下面612の中央に亘って貫通孔61Hが形成されている。上面611を平面視したとき、又は下面612を底面視したとき、貫通孔61Hが形成された領域は、円形にくり貫かれている。また、板状部材61には、X軸方向に沿う両端部において、上面611から下面612に亘って、貫通孔61Hを挟むように一対の穴61Wが形成されている。フランジ6は、穴61Wを介してネジ止めを行うことにより、プローブ1を検査設備に固定する。なお、穴61Wは、いわゆるネジ穴であってもよい(
図1(a)、(d)参照)。
【0033】
板状部材61の上面611は、板状部材61とは別体で形成された棒状のピンPを固定する。ピンPは、上端部P1と、上面611に固定される下端部P2とを有する。
【0034】
円環部62は、円環板状の部品であり、例えばポリアセタール樹脂等の摺動性の高い部材により構成される。円環部62は、上面621と、下面622とを有する。円環部62は、板状部材61の貫通孔61Hの外周に沿って、板状部材61の下面612に配置される。また、円環部62は、本体部41の上部414において、側面413を取り囲む。
【0035】
円環部62には、上面621から下面622に亘って貫通孔62Hが形成されている。貫通孔62Hは、円環部62の周方向に沿って所定の間隔で複数(例えば4つ)形成されている(
図2(b)参照)。貫通孔62Hには、後述するハウジング8のリブ83が下面622から挿入される。
【0036】
スプリング7は、第一のスプリング71と、第二のスプリング72とを有する。第一のスプリング71は、コイルスプリングである。第一のスプリング71は、フランジ6の円環部62とプランジャ4の突出部416との間に配置される。具体的には、第一のスプリング71は、円環部62の下面622と突出部416の上面4161との間で挟み込まれるようにして配置される。第一のスプリング71は、突出部416を円環部62から離れる方向に付勢することによって、プランジャ4をフランジ6から離れる方向に付勢する。初期状態において、第一のスプリング71は、円環部62の下面622から、下方向に向けた付勢力をプランジャ4に対して加える。第一のスプリング71によって、プランジャ4がフランジ6から所定の間隔を空けた初期位置に保たれる。ストローク状態において、第一のスプリング71は、Z軸方向に縮んだ状態になる。
【0037】
第二のスプリング72は、コイルスプリングである。第二のスプリング72は、プランジャ4の突出部416と、後述するハウジング8の底部82との間に配置される。具体的には、第二のスプリング72は、突出部416の下面4162と、後述する底部82の上面821との間で挟み込まれるようにして配置される。第二のスプリング72は、底部82を突出部416から離れる方向に付勢することによって、ハウジング8をプランジャ4から離れる方向に付勢する。初期状態において、第二のスプリング72は、突出部416の下面4162から、下方向に向けた付勢力を底部82に対して加える。第二のスプリング72によって、ハウジング8がプランジャ4から所定の間隔を空けた初期位置に保たれる。ストローク状態において、第二のスプリング72は、Z軸方向に縮んだ状態になる。
【0038】
第一のスプリング71及び第二のスプリング72は、本体部41の側面413を囲い、同心軸上に配置される。ここでの「同心軸上」とは、第一のスプリング71の径方向の中心と第二のスプリング72の径方向の中心が同一の軸直線上にあることをいう。軸直線とは、Z軸方向に沿う直線である。
【0039】
ハウジング8は、略筒状に形成され、Z軸方向に沿って延伸する導電性の部材である。ハウジング8は、プランジャ4、第一のスプリング71及び第二のスプリング72を収容する。ハウジング8は、基部81と、底部82と、リブ83とを有する。
【0040】
基部81は、略有底円筒状に形成され、延伸方向の一方(下方)に底面811を有する。底面811の中央付近には、穴81Hが形成されている。底部82は、ハウジング8の延伸方向の一方(下方)の端部84(一端)において、基部81の底面811に沿って延びる板状部材822から、基部81の穴81Hを介して、Z軸方向に沿って下方向に角筒が延伸するように設けられる。底部82は、角筒が設けられた面とは反対側の面である上面821を有する。上面821は、突出部416の下面4162に対向して第二のスプリング72を挟み込む。底部82は、一方の端部84において先端部42の先端面423に対向するように延びる内底面823を有する。また、底部82には、複数のプローブピン3の先端をそれぞれ外部に露出するための複数の開口82Hが形成されている。底部82における複数の開口82Hの間の部分は、コネクタ100における複数のコンタクト1001,1001の間を区画するシェル1002と接触する。この接触により、コネクタ100とハウジング8とのグランド接触が行われる。
【0041】
ハウジング8は、先端部42を内包するように設けられ、端部84においてコネクタ100に対する位置決めを行うガイド部86を更に有する。ガイド部86は、コネクタ100と嵌合される。ガイド部86の先端(下端)部分は、先端ほど厚みが薄く(開口形状が大きく)なるようにテーパ形状とされている。例えば、ガイド部86は、X軸方向に一対のテーパ形状が設けられると共に、Y軸方向に一対のテーパ形状が設けられる。ガイド部86は、Z軸方向においてコネクタ100に接近した際、テーパ形状の傾斜に沿ってコネクタ100の位置を調整する。
【0042】
リブ83は、ハウジング8の延伸方向の他方(上方)の端部85において、基部81に連続して設けられる。例えば、リブ83は、基部81を基端としてZ軸方向に沿って上方向に延伸するように設けられる板状の突起である。リブ83は、基部81の周方向に沿って所定の間隔で複数(例えば4つ)設けられている(
図2(b)参照)。リブ83は、円環部62の下面622から、貫通孔62Hに挿入される。
【0043】
キャップ9は、略直方体状の部品である。キャップ9は、ハウジング8のリブ83の周囲を囲うように配置される。キャップ9は、上面91と、底面92とを有する。キャップ9には、上面91の中央から底面92の中央に亘って、Z軸方向に沿った穴9Hが形成されている。上面91を平面視又は底面92を底面視したとき、穴9Hが形成された領域は、円形にくり貫かれている。上面91における穴9Hの径は、底面92における穴9Hの径よりも小さい。底面92は、板状部材61の上面611に対向する。底面92における穴9Hは、板状部材61の上面611における貫通孔61Hに連通する。穴9Hには、底面92からハウジング8のリブ83が挿入され、上面91の下端部93に接する。下端部93には、リブ83に取り付けられた絶縁体Eが接することにより、間接的にリブ83が接していてもよい。
【0044】
キャップ9の底面92には、X軸方向における両端部に複数(例えば2つ)のピン穴92Hが形成されている。ピン穴92Hは、底面92から上面91方向に(上方向に)形成されているが、上面91にまでは達していない(貫通していない)。ピン穴92Hの最深部には、穴底94が形成されている。ピン穴92Hに対応するようにピンPが板状部材61の上面611に配置される。ストローク状態において、ピンPの上端部P1は、穴底94から離間する。
【0045】
プローブ1の下方に設けられるスペーサ10は、弾性変形可能な板状部材により構成された導電性の部品である。スペーサ10は、プランジャ4及びハウジング8とは異なる(独立した)部材である。スペーサ10は、先端部42の先端面423及び底部82の内底面823の間に設けられる。スペーサ10は、少なくとも複数のプローブピン3同士の間(X軸方向においてプローブピン3同士に挟まれた領域)において、先端面423及び内底面823の双方に接触可能に構成されている。例えば、スペーサ10は、プローブ1のストローク状態において先端面423と内底面823とを電気的に接触させる。換言すると、スペーサ10は、先端面423と内底面823との当接を補助する当接補助部である。
【0046】
図7は、スペーサ10の外観を示す図である。
図7(a)は平面図、
図7(b)は斜視図、
図7(c)は側面図である。スペーサ10を平面視した形状(
図7(a)参照)は長方形に近似している。スペーサ10には、複数のプローブピン3を挿通するための複数の開口10Hが設けられている。スペーサ10は、上面101と、下面102とを有する。上面101は、先端部42の先端面423と対向する。下面102は、底部82の内底面823に対向する。上面101は、プローブ1のストローク状態において、先端面423と接触する。上面101は、プローブ1の初期状態において、先端面423と接触しない。下面102は、プローブ1の初期状態及びストローク状態において、内底面823に接触する。
【0047】
[ストローク]
次に、
図8及び
図9を参照して、プローブ1の初期状態及びストローク状態について説明する。
図8は、コネクタ100がプローブ1に当接した状態において、
図1(a)のA-A線に沿う断面を示す断面図である。
図8では、プローブ1がコネクタ100に押し付けられていない。すなわち、
図8はプローブ1の初期状態を示す。
【0048】
プランジャ4は、第二のスプリング72の弾性力に応じて、ハウジング8の底部82における開口82Hからプローブピン3の先端を露出させない第一の位置と、ハウジング8の底部82における開口82Hからプローブピン3の先端を露出させる第二の位置との間で移動可能に構成されている。初期状態において、プランジャ4は、第一の位置に配置されている。
【0049】
初期状態において、ピンPの上端部P1は、穴底94に当接する。これによりフランジ6とキャップ9とが係合される。プローブ1は、X軸、Y軸、及びZ軸方向における動きが固定されるため、プローブ1の初期位置が定まる。具体的には、プローブ1の初期位置において、キャップ9は、フランジ6に対する位置が定まる。また、キャップ9の下端部93に直接的又は間接的に接しているハウジング8のリブ83の動きが規制されるため、ハウジング8の初期位置が定まる。
【0050】
図9は、ストローク状態において、
図1(a)のA-A線に沿う断面を示す断面図である。
図9は、
図8に示される状態から、プローブ1がコネクタ100に押し付けられるように押圧力が加えられた状態を示す。
【0051】
ストローク状態において、プランジャ4がZ軸方向における下方向に動く。この状態においては、プランジャ4は、ハウジング8の底部82における開口82Hからプローブピン3の先端を露出させる第二の位置に移動している。換言すると、プランジャ4が第二の位置に移動することにより、プローブピン3の先端が、開口82Hから外部に露出する。そして、プローブピン3は、コネクタ100に接続される。
【0052】
ストローク状態において、ハウジング8が上方向に移動する。ハウジング8のリブ83がキャップ9の下端部93に直接的又は間接的に接しているため、キャップ9がリブ83に押され、キャップ9も上方向に移動する。また、ピンPの上端部P1は、穴底94から離間し、ピン穴92Hの内部に空隙が生じる。これにより、プローブ1は、X軸、Y軸、及びZ軸方向において可動状態となる。このことで、プローブ1は、プローブ1とコネクタ100との軸ずれを調整することが可能となる。
【0053】
本実施形態において、第一のスプリング71のばね定数は、第二のスプリング72のばね定数よりも小さい。プローブ1に対し押圧力が加えられると、第一のスプリング71は、第二のスプリング72よりも早く弾性変形する。換言すると、第一のスプリング71は、第二のスプリング72よりも早くZ軸方向において縮む。第一のスプリング71が弾性変形し、且つ第二のスプリング72が弾性変形していない場合、プランジャ4は、ハウジング8の底部82における開口82Hからプローブピン3の先端を露出させない第一の位置にある。第一のスプリング71は、Z軸方向に縮んだ状態において、プローブ1とコネクタ100との軸ずれを調整する。その後、プローブ1に対しさらに押圧力が加えられると、第二のスプリング72がZ軸方向に縮む。このとき、プランジャ4が第二の位置に移動し、プローブピン3の先端が外部に露出する。このような順序で第一のスプリング71及び第二のスプリング72が弾性変形することにより、プローブピン3の先端が保護された状態で軸ずれの調整を行うことができる。
【0054】
[グランド接触]
図10は、プローブ1の構造について、
図9に示される範囲Fを拡大して示す断面図である。
【0055】
スペーサ10は、先端面423と内底面823とが対向する領域の略全域に設けられている。スペーサ10は、複数のプローブピン3同士の間だけでなく、複数のプローブピン3を取り囲む位置においても、先端面423及び内底面823の双方に接触可能に構成されている。例えば、スペーサ10は、ストローク状態において先端面423と内底面823とに挟まれ、それぞれの面に沿って弾性変形する。スペーサ10により、先端面423上及び内底面823上の複数のプローブピン3同士の間の領域A1においてグランド接続が行われる。また、スペーサ10により、先端面423上及び内底面823上の複数のプローブピン3を取り囲む領域A2においてグランド接続が行われる。
【0056】
上方に移動して、本体部41は、導電部2同士の間に位置すると共に、第1接地導電部541に接触する第1グランド接触部417を更に有する。第1グランド接触部417は、本体部41と一体的に構成される。第1グランド接触部417により、第1接地導電部541における導電部2同士の間の領域A3においてグランド接続が行われる。
【0057】
先端部42は、複数のプローブピン3同士の間に位置すると共に、第2接地導電部542に接触する第2グランド接触部424を更に有する。第2グランド接触部424は、先端部42と一体的に構成される。例えば、第2グランド接触部424は、内底面4213の一部の領域であってもよい。第2グランド接触部424により、第2接地導電部542における複数のプローブピン3同士の間の領域A4においてグランド接続が行われる。また、内底面4213により、第2接地導電部542における複数のプローブピン3を取り囲む領域A5においてグランド接触が行われる。
【0058】
第1グランド接触部417及び第2グランド接触部424は、プローブ1の初期状態及びストローク状態においてそれぞれ第1接地導電部541及び第2接地導電部542に接している。
【0059】
[本実施形態の効果]
本実施形態の一態様に係るプローブ1は、複数のコンタクト1001,1001を備えるコネクタ100の検査に用いられるプローブ1であって、複数のコンタクト1001,1001に対応するように設けられた複数のプローブピン3を内包する先端部42と、複数のプローブピン3に電気的に接続される導電部2を内包する本体部41と、を有するプランジャ4と、本体部41又は先端部42に配置され、第1接地導電部541が露出した第1主面51と、第1主面51に対向し、第2接地導電部542が露出した第2主面52と、第1主面51から第2主面52に亘っており、第1主面51において導電部2に接触すると共に第2主面52において複数のプローブピン3に接触することにより、導電部2と複数のプローブピン3とを電気的に接続する信号導電部53と、を有する基板5と、導電部2同士の間に位置すると共に、第1接地導電部541に接触する第1グランド接触部417と、複数のプローブピン3同士の間に位置すると共に、第2接地導電部542に接触する第2グランド接触部424と、を備える。
【0060】
本実施形態の一態様に係るプローブ1では、導電部2同士の間において、第1接地導電部541と第1グランド接触部417とがグランド接触する。また、複数のプローブピン3同士の間において、第2接地導電部542と第2グランド接触部424とがグランド接触する。これらの接触箇所においてグランドが確保されることにより、導電部2同士、及びプローブピン3同士の間における互いの信号の干渉を抑制することができる。その結果、コネクタ100の検査精度を向上させることができる。
【0061】
上記プローブ1において、第1グランド接触部417は、本体部41と一体的に構成される。このような構成によれば、グランド接触の安定性が向上する。その結果、コネクタ100の検査精度をさらに向上させることができる。
【0062】
上記プローブ1において、第2グランド接触部424は、先端部42と一体的に構成される。このような構成によれば、グランド接触の安定性が向上する。その結果、コネクタ100の検査精度をさらに向上させることができる。
【0063】
上記プローブ1において、基板5は、ベース層BLと、ベース層BLを挟み、第1主面51及び第2主面52を形成するビルドアップ層ULとにより構成されている。信号導電部53は、ビルドアップ層ULに設けられた第1信号導電部531と、ベース層BLに設けられた第2信号導電部532とを含む。第1信号導電部531の径は、第2信号導電部532の径よりも小さい。このような構成によれば、第1主面51上に現れる第1信号導電部531の面積が狭くなるため、第1主面51上の第1接地導電部541の面積を広く取ることができる。同様に、第2主面52上に現れる第1信号導電部531の面積が狭くなるため、第2主面52上の第2接地導電部542の面積を広く取ることができる。これにより、第1接地導電部541及び第2接地導電部542のそれぞれにおいて安定したグランド接触が可能になる。その結果、コネクタ100の検査精度をさらに向上させることができる。
【0064】
上記プローブ1において、第1接地導電部541及び第2接地導電部542は、メッキにより形成されている。このような構成によれば、基板5の製造が容易となる。
【0065】
上記プローブ1において、プランジャ4の本体部41又は先端部42には、基板5を収容する凹部4212が設けられている。このような構成によれば、基板5の設置に関する安定性が向上し、より確実なグランド接触が可能になる。これにより、コネクタ100の検査精度をさらに向上させることができる。
【0066】
上記プローブ1において、第1接地導電部541及び第2接地導電部542の少なくとも一方は、信号導電部53を取り囲んでいる。このような構成によれば、信号導電部53が取り囲まれる位置でグランド接触が行われている為、信号伝達によるノイズが伝播しづらく、コネクタ100の検査精度をさらに向上させることができる。
【0067】
上記プローブ1において、先端部42を内包するように設けられ、コネクタ100に対する位置決めを行うガイド部86を有する導電性のハウジング8を更に備える。ガイド部86により、プローブとコネクタ100とを接続する際の位置決めの精度が向上すると共にグランド接触の箇所が増加するため、コネクタ100の検査精度をさらに向上させることができる。
【0068】
[第二の実施形態]
図11は、第二の実施形態におけるプローブ1Aの断面を示す断面図である。以下、第一の実施形態におけるプローブ1と異なる点を主に説明する。プローブ1Aは、プローブ1におけるスペーサ10の代わりに、突起10A(当接補助部)を有する。
【0069】
突起10Aは、先端部42と一体に形成されており、先端面423から内底面823に向かって突出するように形成されている。例えば、突起10Aは、少なくとも複数のプローブピン3同士の間において、先端面423から内底面823に向かって突出し、ストローク状態において内底面823に接触可能に構成されている。突起10Aは、弾性変形可能に構成されていてもよい。突起10Aは、先端面423と内底面823とが対向する領域の略全域に設けられていてもよい。突起10Aは、複数のプローブピン3を取り囲む位置においても、先端面423から内底面823に向かって突出し、ストローク状態において内底面823に接触可能に構成されていてもよい。
【0070】
プローブ1Aによれば、複数のプローブピン3同士の間において突出した箇所によりグランド接触が行われる。安定したグランド接触が可能になるため、コネクタの検査精度をさらに向上させることができる。また、部品点数が減ることにより、簡易な構成となる。
【0071】
[第三の実施形態]
図12は、第三の実施形態におけるプローブ1Bの断面を示す断面図である。以下、第一の実施形態におけるプローブ1と異なる点を主に説明する。プローブ1Aは、プローブ1におけるスペーサ10の代わりに、突起10B(当接補助部)を有する。
【0072】
突起10Bは、底部82と一体に形成されており、内底面823から先端面423に向かって突出するように形成されている。例えば、突起10Bは、少なくとも複数のプローブピン3同士の間において、内底面823から先端面423に向かって突出し、ストローク状態において先端面423に接触可能に構成されている。突起10Bは、弾性変形可能に構成されていてもよい。突起10Bは、先端面423と内底面823とが対向する領域の略全域に設けられていてもよい。突起10Bは、複数のプローブピン3を取り囲む位置においても、内底面823から先端面423に向かって突出し、ストローク状態において先端面423に接触可能に構成されていてもよい。
【0073】
プローブ1Bによれば、複数のプローブピン3同士の間において突出した箇所によりグランド接触が行われる。安定したグランド接触が可能になるため、コネクタの検査精度をさらに向上させることができる。また、部品点数が減ることにより、簡易な構成となる。
【0074】
[変形例]
以上、実施形態について説明したが、本開示は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0075】
本実施形態では、コネクタ100は、2列で配置された2つのコンタクト1001,1001を備えるものであったが、X軸方向とY軸方向にそれぞれ複数列のコンタクトを設けても良い。また、複数のコンタクト1001,1001の間を区画するシェル1002は、複数列のコンタクト間を区画するものであっても良い。
【0076】
上記実施形態では、ピンPがフランジ6の上面611に固定されていると説明したが、ピンPがキャップ9に設けられていてもよい。
【0077】
上記実施形態では、基板5が先端部42に収容されるとして説明したが、基板5が本体部41に収容されてもよい。例えば、基板5を収容する凹部4212は、本体部41の下部415が窪むようにして設けられていてもよい。
【0078】
プローブピン3がハウジング8の外部に露出した状態において、当接補助部により先端面423と内底面823とが接触してもよい。プローブピン3がハウジング8の外部に露出した状態(コネクタ100の検査が可能な状態)でグランド接触が行われればよいため、当接補助部を小型化可能に構成することができる。
【符号の説明】
【0079】
1,1A,1B…プローブ、2…導電部、3…プローブピン、4…プランジャ、5…基板、6…フランジ、7…スプリング、8…ハウジング、9…キャップ、10…スペーサ(当接補助部)、10A,10B…突起(当接補助部)、41…本体部、42…先端部、51…第1主面、52…第2主面、53…信号導電部、54…接地導電部、82…底部、84…端部、86…ガイド部、82H…開口、100…コネクタ、417…第1グランド接触部、423…先端面、424…第2グランド接触部、531…第1信号導電部、532…第2信号導電部、541…第1接地導電部、542…第2接地導電部、823…内底面、4212…凹部、P…ピン、BL…ベース層、UL…ビルドアップ層。