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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100082
(43)【公開日】2023-07-18
(54)【発明の名称】室内機および空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20230710BHJP
   F24F 13/22 20060101ALI20230710BHJP
【FI】
F24F1/0007 401C
F24F13/20
F24F1/0007 361D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022000479
(22)【出願日】2022-01-05
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中野 定康
【テーマコード(参考)】
3L050
3L051
【Fターム(参考)】
3L050BD05
3L051BJ06
(57)【要約】
【課題】空気の熱交換効率を向上させる。
【解決手段】室内機は、下面が開放された外装と、外装内に環状に配される熱交換器と、外装および熱交換器を下方から覆う化粧パネルと、外装に対し、化粧パネルを昇降させる昇降装置と、を備え、化粧パネルは、パネル本体と、熱交換器に沿った環状の溝部を有し、熱交換器に対向してパネル本体の上面に設けられるドレンパンと、を有し、溝部と熱交換器との間には、伸縮性を有する第1パッキンが設けられる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下面が開放された外装と、
前記外装内に環状に配される熱交換器と、
前記外装および前記熱交換器を下方から覆う化粧パネルと、
前記外装に対し、前記化粧パネルを昇降させる昇降装置と、
を備え、
前記化粧パネルは、
パネル本体と、
前記熱交換器に沿った環状の溝部を有し、前記熱交換器に対向して前記パネル本体の上面に設けられるドレンパンと、
を有し、
前記溝部と前記熱交換器との間には、伸縮性を有する第1パッキンが設けられる、室内機。
【請求項2】
前記パネル本体は、吹出口を有し、
前記ドレンパンは、
水平方向に突出し、外周面が前記外装の内周面と離隔する、少なくとも2つの突出部と、
前記2つの前記突出部間に形成され、外周面が前記吹出口に沿った切り欠きと、
を有し、
前記突出部の外周面と前記外装との間に形成される間隙を封止する、伸縮性を有する第2パッキンを備える、請求項1に記載の室内機。
【請求項3】
前記外装および前記熱交換器は、天井内に設置され、
前記パネル本体と前記天井の下面との間に設けられ、伸縮性を有する第3パッキンを備える、請求項1または2に記載の室内機。
【請求項4】
前記昇降装置により前記化粧パネルを上昇させたときに、
前記第1パッキンが前記溝部と前記熱交換器との間で圧縮され、
前記第3パッキンが前記パネル本体と前記天井の下面との間で圧縮され、
前記外装の下面が、前記第2パッキンの第1領域に当接して、前記第2パッキンが部分的に圧縮されるとともに、前記第2パッキンの第2領域が前記外装の内周面と前記突出部の外周面との間で圧縮される、請求項3に記載の室内機。
【請求項5】
前記請求項1から4のいずれか1項に記載の室内機を備える、空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内機および空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和装置は、屋内に設けられる室内機と、屋外に設けられる室外機と、室内機および室外機に冷媒を循環させる冷媒循環路とを備える。ショッピングセンター等の商業ビル、会社が事業所を構えるオフィスビル、学校等に設けられる室内機として、屋内の天井に埋め込まれたり、屋内の天井から吊り下げられたりする天井カセット型(天井埋め込み型)の室内機が広く利用されている。
【0003】
このような天井カセット型の室内機として、室内熱交換器を有し、天井内に埋め込まれる室内機本体と、ドレンパンが設けられた化粧パネルと、化粧パネルを昇降する昇降装置とを備える室内機が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-38415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の技術のような従来の室内機では、室内熱交換器の下面と、ドレンパンとの間に間隙が形成されている。このため、室内機本体に導かれた空気のうち、一部の空気が、室内熱交換器を通過せずに、そのまま屋内へ吹き出されてしまっていた。したがって、従来の室内機は、空気の熱交換効率が低下してしまうという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、このような課題に鑑み、空気の熱交換効率を向上させることが可能な室内機、および、空気調和装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の室内機は、下面が開放された外装と、外装内に環状に配される熱交換器と、外装および熱交換器を下方から覆う化粧パネルと、外装に対し、化粧パネルを昇降させる昇降装置と、を備え、化粧パネルは、パネル本体と、熱交換器に沿った環状の溝部を有し、熱交換器に対向してパネル本体の上面に設けられるドレンパンと、を有し、溝部と熱交換器との間には、伸縮性を有する第1パッキンが設けられる。
【0008】
また、パネル本体は、吹出口を有し、ドレンパンは、水平方向に突出し、外周面が外装の内周面と離隔する、少なくとも2つの突出部と、2つの突出部間に形成され、外周面が吹出口に沿った切り欠きと、を有し、上記室内機は、突出部の外周面と外装との間に形成される間隙を封止する、伸縮性を有する第2パッキンを備えてもよい。
【0009】
また、外装および熱交換器は、天井内に設置され、上記室内機は、パネル本体と天井の下面との間に設けられ、伸縮性を有する第3パッキンを備えてもよい。
【0010】
また、昇降装置により化粧パネルを上昇させたときに、第1パッキンが溝部と熱交換器との間で圧縮され、第3パッキンがパネル本体と天井の下面との間で圧縮され、外装の下面が、第2パッキンの第1領域に当接して、第2パッキンが部分的に圧縮されるとともに、第2パッキンの第2領域が外装の内周面と突出部の外周面との間で圧縮されてもよい。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の空気調和装置は、上記室内機を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、空気の熱交換効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係る空気調和装置を説明する図である。
図2】化粧パネルを外した室内機を鉛直下方から見た図である。
図3】化粧パネルが設置された室内機を鉛直下方から見た図である。
図4】化粧パネルを鉛直上方から見た図である。
図5図3のV-V線の鉛直断面を示す図である。
図6】第2位置を説明する図である。
図7】第2位置におけるドレンパンの突出部近傍の鉛直断面を示す図である。
図8】第1位置におけるドレンパンの突出部近傍の鉛直断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0015】
[空気調和装置100]
図1は、本実施形態に係る空気調和装置100を説明する図である。図1に示すように、空気調和装置100は、リモートコントローラ102と、室外機104と、室内機106と、冷媒循環路108とを備える。
【0016】
リモートコントローラ102は、ユーザの操作入力を受け付ける。リモートコントローラ102に入力された情報は、後述する室内制御部222に送信される。
【0017】
室外機104は、屋外に設けられる。室内機106は、屋内に設けられる。本実施形態に係る空気調和装置100は、1または複数の室内機106を備える。
【0018】
冷媒循環路108は、冷媒が循環する流路である。冷媒循環路108は、室外機104および室内機106に冷媒を循環させる。
【0019】
続いて、室外機104および室内機106について具体的に説明する。
【0020】
[室外機104]
図1に示すように、室外機104は、四方弁150と、室外熱交換器152と、室外送風機154と、暖房用膨張弁156と、圧縮機160と、アキュムレータ162と、駆動部164と、室外制御部170とを含む。
【0021】
四方弁150は、冷媒入口150a、冷媒出口150b、第1ポート150c、および、第2ポート150dを有する。四方弁150の第1ポート150cおよび第2ポート150dは、冷媒循環路108に接続される。空気調和装置100を冷房として機能させる場合、四方弁150は、冷媒入口150aと第1ポート150cとを連通させ、冷媒出口150bと第2ポート150dとを連通させる。空気調和装置100を暖房として機能させる場合、四方弁150は、冷媒入口150aと第2ポート150dとを連通させ、冷媒出口150bと第1ポート150cとを連通させる。
【0022】
室外熱交換器152は、冷媒循環路108に設けられる。室外熱交換器152は、冷媒循環路108を流れる冷媒と、屋外の空気とで熱交換を行う。
【0023】
室外送風機154は、室外熱交換器152に空気を送る。室外送風機154は、例えば、ファンで構成される。室外送風機154は、室外熱交換器152による屋外の空気と冷媒との熱交換を促進させる。
【0024】
暖房用膨張弁156は、冷媒循環路108における、室外熱交換器152と、後述する室内機106(室内膨張弁218)との間に設けられる。暖房用膨張弁156は、暖房時、空気調和装置100を暖房として機能させるため、減圧機構として作動する。また、暖房用膨張弁156は、冷房時、全開となり、室内機106へ向かう凝縮した冷媒(液)の抵抗にならないようにしている。
【0025】
圧縮機160は、冷媒を圧縮する。圧縮機160の吐出側は、四方弁150の冷媒入口150aに接続される。圧縮機160の吸入側は、四方弁150の冷媒出口150bに接続される。圧縮機160は、四方弁150の冷媒出口150bから吸入した冷媒を圧縮して、四方弁150の冷媒入口150aに吐出する。したがって、圧縮機160が駆動されることにより、冷媒循環路108を冷媒が循環する。
【0026】
アキュムレータ162は、四方弁150の冷媒出口150bと、圧縮機160の吸入側との間に設けられる。アキュムレータ162は、気液分離装置である。アキュムレータ162は、蒸発器(室外熱交換器152または室内熱交換器216)において蒸発しきれなかった冷媒(液体)を、冷媒(気体)から分離する。
【0027】
駆動部164は、圧縮機160を駆動する。駆動部164は、例えば、ガスエンジン、または、電動機である。
【0028】
室外制御部170は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成される。室外制御部170は、ROMからCPUを動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出す。室外制御部170は、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して室外機104全体を管理および制御する。
【0029】
[室内機106]
図1に示すように、1または複数の室内機106は、冷媒循環路108における、室外熱交換器152と、四方弁150の第2ポート150dとの間に設けられる。
【0030】
図2は、化粧パネル250を外した室内機106を鉛直下方から見た図である。図3は、化粧パネル250が設置された室内機106を鉛直下方から見た図である。図4は、化粧パネル250を鉛直上方から見た図である。なお、図4中、理解を容易にするために、パネル本体252を破線で示す。また、図4中、第1パッキン310、第2パッキン320、第3パッキン330をハッチングで示す。図5は、図3のV-V線の鉛直断面を示す図である。
【0031】
図5に示すように、室内機106は、室内機本体210と、化粧パネル250と、昇降装置280とを含む。
【0032】
[室内機本体210]
室内機本体210は、天井10に埋め込まれる。図2図5に示すように、室内機本体210は、外装212と、断熱材214と、室内熱交換器216と、室内膨張弁218と、室内送風機220と、室内制御部222とを含む。
【0033】
外装212は、筒形状である。外装212は、例えば、矩形筒形状(ここでは、八角筒形状)である。外装212の下面は、開放されている。外装212の上面および側面は、板で構成される。
【0034】
断熱材214(図2中、クロスハッチングで示す)は、外装212の内周面に設けられる。断熱材214は、後述する室内熱交換器216から外部への熱の移動および外部から室内熱交換器216への熱の移動を抑制する。
【0035】
室内熱交換器216(熱交換器)は、外装212内に設けられる。室内熱交換器216は、冷媒と、屋内の空気とで熱交換を行う。本実施形態において、室内熱交換器216は、接続部216a、216bと、環状部216cとを有する。
【0036】
接続部216aは、外装212を貫通する。接続部216aは、冷媒循環路108を介して、暖房用膨張弁156に接続される。
【0037】
接続部216bは、外装212を貫通する。本実施形態において、接続部216aと接続部216bとは略平行に設けられる。接続部216bは、冷媒循環路108を介して、四方弁150の第2ポート150dに接続される。
【0038】
環状部216cは、接続部216aおよび接続部216bに連続し、外装212内に配される。環状部216cは、断熱材214(外装212)の内周に沿った環状である。
【0039】
室内膨張弁218は、接続部216aに設けられる。本実施形態において、室内膨張弁218は、接続部216aにおける断熱材214の内側に設けられる。室内膨張弁218は、冷媒を減圧する。
【0040】
室内送風機220は、室内熱交換器216に空気を送る。室内送風機220は、例えば、ファンで構成される。室内送風機220は、室内熱交換器216による屋内の空気と冷媒との熱交換を促進させる。
【0041】
室内制御部222は、CPUを含む半導体集積回路で構成される。室内制御部222は、ROMからCPUを動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出す。室内制御部222は、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して室内機106全体を管理および制御する。
【0042】
本実施形態において、室内制御部222は、外装212の外周面に設置される。
【0043】
[化粧パネル250]
図3図5に示すように、化粧パネル250は、外装212および室内熱交換器216を下方から覆う。化粧パネル250は、パネル本体252と、ドレンパン254とを含む。
【0044】
パネル本体252は、室内機本体210の外装212の下面に対向して設けられる。本実施形態において、パネル本体252は、例えば、四角形状である。パネル本体252には、吸入口252aと、吹出口252bとを有する。
【0045】
吸入口252aは、パネル本体252の略中央に形成される。吸入口252aは、室内送風機220と対向して形成される。吸入口252aは、例えば、略四角形状である。吸入口252aには、不図示のフィルタが設けられている。
【0046】
吹出口252bは、パネル本体252における吸入口252aの外方に形成される。本実施形態において、吹出口252bは4つ形成される。吹出口252bは、例えば、四角形状である。
【0047】
ドレンパン254は、室内熱交換器216に対向して、パネル本体252の上面に着脱可能に設けられる。ドレンパン254の中央には開口254aが形成される。開口254aは、室内機本体210の室内送風機220に対向する。開口254aは、例えば、円形状である。開口254aは、パネル本体252の吸入口252aよりも小さい。
【0048】
ドレンパン254の四隅には、水平方向に突出した突出部256aが設けられる。突出部256aの外周面は、室内機本体210の外装212の内周面に沿った形状である。昇降装置280による、化粧パネル250と外装212との相対移動を容易にするために、突出部256aの外周は、室内機本体210の外装212の内周よりも小さい。したがって、昇降装置280によって化粧パネル250が上昇されて、天井10に当接した場合、ドレンパン254の突出部256aの外周面は、外装212の内周面と離隔する。
【0049】
また、ドレンパン254における隣り合う突出部256aの間に、切り欠き256bが形成される。切り欠き256bの外周面は、パネル本体252の吹出口252bに沿った形状を有する。
【0050】
また、ドレンパン254の上面には、溝部258が形成される。溝部258は、室内熱交換器216(環状部216c)の下面に対向する。溝部258は、室内熱交換器216(環状部216c)に沿った環状である。
【0051】
[昇降装置280]
図5に示すように、昇降装置280は、外装212に対し、化粧パネル250を昇降させる。本実施形態において、昇降装置280は、昇降ワイヤ282と、駆動部284とを含む。
【0052】
昇降ワイヤ282の上端側は、駆動部284に接続される。昇降ワイヤ282の下端側は、化粧パネル250のパネル本体252に接続される。昇降ワイヤ282は、例えば、4本設けられる。また、本実施形態において、昇降ワイヤ282の下端側は、パネル本体252の四隅に接続される。
【0053】
駆動部284は、昇降ワイヤ282を巻き上げたり、送り出したりする。駆動部284は、例えばモータを含む。
【0054】
昇降装置280は、化粧パネル250を第1位置と、第2位置とに変位させる。第1位置は、図5に示す、化粧パネル250が天井10に当接して、化粧パネル250によって外装212の下面が覆われる位置である。第2位置は、化粧パネル250が天井10(外装212)から離隔した位置である。
【0055】
空気調和装置100を運転させる場合、昇降装置280は、化粧パネル250を上昇させて、図5に示す第1位置とする。そして、空気調和装置100が運転されると、空気は、図5中、矢印で示すように、化粧パネル250の吸入口252aを通じて、外装212内に導かれる。そして、空気は、室内熱交換器216を通過して化粧パネル250の吹出口252bから屋内へと吹き出される。なお、空気は、室内熱交換器216を通過する過程で、冷媒と熱交換され、空気調和装置100が暖房として機能する場合には加熱され、冷房として機能する場合には冷却される。
【0056】
なお、空気調和装置100が冷房として機能する場合、室内熱交換器216において、空気に含まれる水蒸気が凝縮し凝縮水となる。こうして生じた凝縮水は、ドレンパン254の溝部258に滞留する。
【0057】
また、室内機106を点検したり、ドレンパン254を洗浄したりする場合、昇降装置280は、化粧パネル250を下降させて、第1位置から第2位置へ変位させる。
【0058】
図6は、第2位置を説明する図である。図6に示すように、駆動部284は、昇降ワイヤ282を送り出す。これにより、化粧パネル250が鉛直下方に移動する。
【0059】
このように、室内機106は、昇降装置280を備える。これにより、ユーザは、脚立、梯子等を使わずに、化粧パネル250を室内機本体210から取り外すことができる。したがって、ユーザに煩わしい作業を強いる事態を回避することができる。また、ドレンパン254は、パネル本体252に着脱可能に設けられる。これにより、ユーザは、第2位置の化粧パネル250において、パネル本体252からドレンパン254を容易に取り外すことができる。したがって、ユーザは、ドレンパン254の洗浄を容易に行うことが可能となる。
【0060】
ところで、上記したように、空気調和装置100が運転されると、空気は、化粧パネル250の吸入口252aを通じて、外装212内に導かれ、室内熱交換器216を通過した後、化粧パネル250の吹出口252bから屋内へと吹き出される。
【0061】
従来の空気調和装置では、室内熱交換器の下面と、ドレンパンの溝部との間に間隙が形成されていた。このため、外装212内に導かれた空気のうち、一部の空気が、室内熱交換器を通過せずに、そのまま、吹出口252bから屋内へ吹き出されてしまっていた。したがって、従来の空気調和装置は、空気の熱交換効率が低下してしまうという問題があった。
【0062】
そこで、本実施形態に係る空気調和装置100は、第1パッキン310を備える。
【0063】
[第1パッキン310]
図7は、第2位置におけるドレンパン254の突出部256a近傍の鉛直断面を示す図である。図8は、第1位置におけるドレンパン254の突出部256a近傍の鉛直断面を示す図である。
【0064】
図4図8に示すように、第1パッキン310は、ドレンパン254の溝部258における室内熱交換器216に対向する位置に設けられる。第1パッキン310は、伸縮性(柔軟性)を有する。本実施形態において、第1パッキン310は、伸縮自在な多孔質体である。第1パッキン310は、例えば、樹脂のスポンジ(合成スポンジ)である。昇降装置280により、化粧パネル250を第2位置から第1位置に上昇させたとき、第1パッキン310の上面が室内熱交換器216に押し付けられ、第1パッキン310は、溝部258と室内熱交換器216との間で圧縮される。これにより、ドレンパン254の溝部258と室内熱交換器216との間に形成される間隙は、第1パッキン310によって封止される。
【0065】
このように、本実施形態に係る空気調和装置100は、第1パッキン310を備えることにより、ドレンパン254がパネル本体252とともに昇降する構造であっても、外装212内に導かれた空気の大部分を、室内熱交換器216に通過させることができる。これにより、本実施形態に係る空気調和装置100は、室内機106における空気の熱交換効率を向上させることが可能となる。
【0066】
[第2パッキン320、第3パッキン330]
また、本実施形態に係る空気調和装置100は、第2パッキン320および第3パッキン330を備える。
【0067】
上記したように、ドレンパン254の突出部256aの外周面は、室内機本体210の外装212の内周面よりも小さい。このため、図8に示すように、化粧パネル250が第1位置である場合に、突出部256aの外周面と、外装212の内周面との間には、間隙Sが形成される。
【0068】
そこで、本実施形態に係る空気調和装置100は、第2パッキン320を備える。第2パッキン320は、パネル本体252の上面に設けられる。第2パッキン320は、パネル本体252の上面と突出部256aの下面との間から、外装212の下端に対向する箇所の外方に亘って設けられる。第2パッキン320は、伸縮性を有する。第2パッキン320は、伸縮自在な多孔質体である。第2パッキン320は、例えば、樹脂のスポンジである。昇降装置280により、化粧パネル250を第2位置から第1位置に上昇させたとき、第2パッキン320の第1領域320aは、外装212の下面に当接して、第2パッキン320が部分的に圧縮されるとともに、第2パッキン320の第2領域320bが外装212の内周面と突出部256aの外周面との間で圧縮される。これにより、間隙Sは、第2パッキン320によって封止(充填)される。
【0069】
したがって、第2パッキン320は、空気調和装置100が冷房として機能する場合に、冷却された空気の、間隙Sから天井10(天井板)の上方への漏出を抑制することができる。これにより、天井10の上方における結露を防止することが可能となる。これにより、第2パッキン320は、天井10からの露垂れを防止することができる。
【0070】
第3パッキン330は、パネル本体252の上面における天井10の下面10aと対向する位置に設けられる。第3パッキン330は、伸縮性を有する。本実施形態において、第3パッキン330は、伸縮自在な多孔質体である。第3パッキン330は、例えば、樹脂のスポンジである。昇降装置280により、化粧パネル250を第2位置から第1位置に上昇させたとき、第3パッキン330の上面は、天井10の下面10aに押し付けられ、第3パッキン330は、パネル本体252と天井10の下面10aとの間で圧縮される。これにより、パネル本体252と天井10との間に形成される間隙は、第3パッキン330によって封止される。
【0071】
室内機本体210を天井10に埋め込むために、外装212と天井10との間には隙間10bが必要となる。一方、化粧パネル250(パネル本体252)と天井10の下面10aとの間に隙間があると、屋内の空気が天井10の裏に流入したり、天井10の裏の空気が屋内に流入したりする。すなわち、屋内の温度が天井10の裏より高い場合には、屋内の空気が天井10の裏へ移動して冷却された後、再度屋内へ移動するという空気の循環が生じる。このような空気の循環により、化粧パネル250と天井10との間における空気が流れる場所では、空気とともにホコリ等も流れ、天井10の下面10aが汚れる。
【0072】
そこで、第3パッキン330を備えることにより、化粧パネル250と天井10との間において空気の流れを遮断し、天井10の下面10aの汚れを防止することができる。
【0073】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0074】
例えば、上述した実施形態において、第1パッキン310が、ドレンパン254に設けられる場合を例に挙げた。しかし、第1パッキン310は、ドレンパン254と室内熱交換器216との間に設けられ、ドレンパン254と室内熱交換器216との間の間隙を封止することができれば、設置位置に限定はない。第1パッキン310は、例えば、室内熱交換器216の下面に設けられてもよい。
【0075】
同様に、上記実施形態において、第2パッキン320がパネル本体252に設けられる場合を例に挙げた。しかし、第2パッキン320は、突出部256aの外周面と、外装212の内周面との間の間隙Sを封止することができれば、設置位置に限定はない。第2パッキン320は、例えば、室内熱交換器216の下面に設けられてもよい。
【0076】
同様に、上記実施形態において、第3パッキン330がパネル本体252に設けられる場合を例に挙げた。しかし、第3パッキン330は、パネル本体252と天井10の下面との間に設けられ、パネル本体252と天井10との間の間隙を封止することができれば、設置位置に限定はない。第3パッキン330は、例えば、天井10の下面に設けられてもよい。
【0077】
また、上記実施形態において、第1パッキン310、第2パッキン320、および、第3パッキン330が伸縮自在な多孔質体(樹脂のスポンジ)で構成される場合を例に挙げた。しかし、第1パッキン310は、ドレンパン254と室内熱交換器216との間の間隙を封止することができればよく、例えば、ゴム、エラストマ等で構成されてもよい。同様に、第2パッキン320は、突出部256aの外周面と、外装212の内周面との間の間隙Sを充填することができればよく、例えば、ゴム、エラストマ等で構成されてもよい。また、第3パッキン330は、パネル本体252と天井10との間の間隙を封止することができればよく、例えば、ゴム、エラストマ等で構成されてもよい。
【0078】
また、上記実施形態において、パネル本体252は、4つの吹出口252bを有する場合を例に挙げた。しかし、パネル本体252は、少なくとも1つの吹出口252bを有していればよい。この場合、ドレンパン254は、2つの突出部256aを有する。
【符号の説明】
【0079】
S 間隙
10 天井
100 空気調和装置
212 外装
216 室内熱交換器(熱交換器)
250 化粧パネル
252 パネル本体
252b 吹出口
254 ドレンパン
256a 突出部
256b 切り欠き
280 昇降装置
310 第1パッキン
320 第2パッキン
320a 第1領域
320b 第2領域
330 第3パッキン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8