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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100088
(43)【公開日】2023-07-18
(54)【発明の名称】接続構造
(51)【国際特許分類】
   F16B 21/04 20060101AFI20230710BHJP
   F16K 27/00 20060101ALI20230710BHJP
【FI】
F16B21/04 B
F16K27/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022000494
(22)【出願日】2022-01-05
(71)【出願人】
【識別番号】502345393
【氏名又は名称】株式会社ワイ・ジェー・エス.
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100187827
【弁理士】
【氏名又は名称】赤塚 雅則
(72)【発明者】
【氏名】筒井 玄
(72)【発明者】
【氏名】米澤 育大
(72)【発明者】
【氏名】ディン ティ トウ チャン
(72)【発明者】
【氏名】亀山 修司
【テーマコード(参考)】
3H051
3J037
【Fターム(参考)】
3H051AA07
3H051BB10
3H051CC11
3H051CC15
3J037AA01
3J037BB07
3J037CA04
(57)【要約】
【課題】接続部におけるロック状態を確実に維持することが可能な接続構造を提供する。
【解決手段】第一部材10の接続端部12に第二部材11を接続する接続構造において、接続端部12に第一突起部19が、第二部材11に第一嵌合部21がそれぞれ形成され、第一突起部19が第一嵌合部21に嵌合することによって、第一部材10と第二部材11の離脱を阻止するとともに、接続端部12に第二突起部20が、第二部材11に第二嵌合部22がそれぞれ形成され、第一突起部19が第一嵌合部21に嵌合した状態で第二突起部20が第二嵌合部22に離脱不能に嵌合して、第一突起部19の第一嵌合部21への嵌合状態を維持する構成とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一部材(10)の接続端部(12)に第二部材(11)を接続する接続構造において、
前記接続端部(12)に第一突起部(19)が、前記第二部材(11)に第一嵌合部(21)がそれぞれ形成され、前記第一突起部(19)が前記第一嵌合部(21)に嵌合することによって、前記第一部材(10)と前記第二部材(11)の離脱を阻止するとともに、前記接続端部(12)に第二突起部(20)が、前記第二部材(11)に第二嵌合部(22)がそれぞれ形成され、前記第一突起部(19)が前記第一嵌合部(21)に嵌合した状態で前記第二突起部(20)が前記第二嵌合部(22)に離脱不能に嵌合して、前記第一突起部(19)の前記第一嵌合部(21)への嵌合状態を維持することを特徴とする接続構造。
【請求項2】
前記第一嵌合部(21)への前記第一突起部(19)の嵌合が、前記第一嵌合部(21)内に前記第一突起部(19)を挿入する挿入方向と、前記第一嵌合部(21)に前記第一突起部(19)を嵌合させる前記挿入方向と異なる嵌合方向の二方向に、前記第一部材(10)と前記第二部材(11)を順次相対変位させることによってなされる請求項1に記載の接続構造。
【請求項3】
前記第二突起部(20)が、前記第一突起部(19)の前記第一嵌合部(21)への前記挿入方向の反対側に、前記第一突起部(19)と一体に形成されている請求項2に記載の接続構造。
【請求項4】
前記第一嵌合部(21)と接続しつつ前記挿入方向に沿って延びる、前記第一突起部(19)を前記第一嵌合部(21)に挿入するトンネル状の挿入通路(26)を有する請求項2または3に記載の接続構造。
【請求項5】
前記トンネル状の挿入通路(26)と隣り合うように前記第二嵌合部(22)が形成されている請求項4に記載の接続構造。
【請求項6】
前記第二突起部(20)が前記第一突起部(19)の前記嵌合方向後端に形成されており、前記第二嵌合部(22)が前記第一嵌合部(21)の前記第一部材(10)との接続側の内縁に形成された段部である請求項2または3に記載の接続構造。
【請求項7】
前記第一嵌合部(21)の前記第一部材(10)との接続側の内縁に、前記嵌合方向に向かうほど前記第一嵌合部(21)の前記挿入方向の幅を狭くするテーパ部(25)が形成されている請求項2から6のいずれか1項に記載の接続構造。
【請求項8】
前記第二突起部(20)が、前記第一突起部(19)から前記接続端部(12)の前記挿入方向の反対方向に向かって延びる突条であり、前記第二嵌合部(22)が、前記第二突起部(20)に沿って延びる凹溝である請求項2から7のいずれか1項に記載の接続構造。
【請求項9】
前記第二突起部(20)の前記嵌合方向側に、その端部に向かうほど突出量が小さくなる傾斜部(27)が形成され、前記嵌合方向の反対側に突起側壁部(28)が形成されており、
前記第二嵌合部(22)が、前記第二突起部(20)に沿って延び、前記第二突起部(20)が前記第二嵌合部(22)に嵌合した状態で前記突起側壁部(28)と対向する嵌合側壁部(29)を有する請求項8に記載の接続構造。
【請求項10】
前記第一嵌合部(21)が、前記第二部材(11)の外面に貫通する貫通穴である請求項1から9のいずれか1項に記載の接続構造。
【請求項11】
前記第一嵌合部(21)の内周縁に丸め加工が施されている請求項1から10のいずれか1項に記載の接続構造。
【請求項12】
前記第一部材(10)と前記第二部材(11)との間に、前記両部材(10、11)を離間する方向に付勢する弾性部材(16)が設けられている請求項1から11のいずれか1項に記載の接続構造。
【請求項13】
前記接続端部(12)が円筒状をなしており、前記第一部材(10)と前記第二部材(11)が軸周りに相対回転して、前記第一突起部(19)と前記第一嵌合部(21)との間が嵌合することで、前記第二部材(11)が前記第一部材(10)からその軸方向に引き抜かれるのを阻止する請求項1から12のいずれか1項に記載の接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、第一部材と第二部材を接続する接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一方の部材と他方の部材を接続した状態でロック可能とした接続構造として、例えば下記特許文献1から3に示す構成が提案されている。
【0003】
下記特許文献1に示す構成は、一方のダクト1、11、21の端部外側に突起2、12、22を形成するとともに、他方のダクト3、13、23にガイド溝4、14、24を形成し、このガイド溝4、14、24の奥側の端部に突起2、12、22の巾よりもやや狭い間隔を有するくびれ部5、15、25を備えた係止部6、16、26を設ける。一方のダクト1、11、21に形成された突起2、12、22をガイド溝4、14、24に沿って案内し、この突起2、12、22でくびれ部5、15、25を押し拡げて突起2、12、22が係止部6、16、26に入ることでロック状態としている(特許文献1の第1図から第10図などを参照)。
【0004】
下記特許文献2に示す構成は、一対の吸込み管11の一方に接続される一方の主管12の雄管体13の外周面に突部14を形成するとともに、一対の吸込み管11の他方に接続される他方の主管の雌管体21の先端に、雄管体13に形成された突部14を案内する溝部24を形成し、この溝部24の周方向部に半円形フック状の引掛部34を突出形成した保持体32を形成している。この引掛部34の先端とこれと対向する保持受部31との距離は、雄管体13に形成された突部14の軸方向の長さよりも若干小さい。このため、突部14が引掛部34を乗り越え、この突部14が軸方向に対向した保持受部31と保持体32の基部との間に嵌合されることで、この引掛部34によってその嵌合状態が保持される(特許文献2の第1図および第2図などを参照)。
【0005】
下記特許文献3に示す構成は、相手側コネクタC2の被嵌合部21に外向き突起23を形成するとともに、止め輪30に長孔32を形成し、この長孔32の内面のガイド面33にカム面33aと、カム面33aの終部に連設された山形面33bと、山形面33bを介してカム面33aに連続する凹入状の係止面33cが形成されている。止め輪30の内部には、この止め輪30を相手側コネクタC2との接続方向に対し交替する方向に付勢するばね体50が設けられている。このため、山形面33bが外向き突起23を乗り越えて係止面33cが外向き突起23と係止すると、ばね体50の付勢力によってロック状態となる(特許文献3の図6から図9などを参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭64-5180号公報
【特許文献2】特開昭64-35196号公報
【特許文献3】特許第3292462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1から3に係る構成においては、接続部をそのロック状態(嵌合状態)から逆方向に相対回転することによってロック状態が比較的容易に解除されるため、接続した部材同士が不用意に脱落するおそれがある。
【0008】
そこで、この発明は、接続部におけるロック状態を確実に維持することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、この発明においては、
第一部材の接続端部に第二部材を接続する接続構造において、
前記接続端部に第一突起部が、前記第二部材に第一嵌合部がそれぞれ形成され、前記第一突起部が前記第一嵌合部に嵌合することによって、前記第一部材と前記第二部材の離脱を阻止するとともに、前記接続端部に第二突起部が、前記第二部材に第二嵌合部がそれぞれ形成され、前記第一突起部が前記第一嵌合部に嵌合した状態で前記第二突起部が前記第二嵌合部に離脱不能に嵌合して、前記第一突起部の前記第一嵌合部への嵌合状態を維持することを特徴とする接続構造を構成した。
【0010】
このようにすると、第二突起部と第二嵌合部との間の嵌合によって第一部材と第二部材との間のロック状態が確実に維持されるため、両部材の離脱を防止することができる。
【0011】
前記構成においては、
前記第一嵌合部への前記第一突起部の嵌合が、前記第一嵌合部内に前記第一突起部を挿入する挿入方向と、前記第一嵌合部に前記第一突起部を嵌合させる前記挿入方向と異なる嵌合方向の二方向に、前記第一部材と前記第二部材を順次相対変位させることによってなされるのが好ましい。
【0012】
このようにすると、第一突起部と第一嵌合部が嵌合した嵌合位置においては、第一突起部を第一嵌合部に対し挿入方向に相対変位させることができないため、ロック状態の安定性を高めることができる。
【0013】
前記挿入方向と前記嵌合方向を規定した構成においては、
前記第二突起部が、前記第一突起部の前記第一嵌合部への前記挿入方向の反対側に、前記第一突起部と一体に形成されているのが好ましい。
【0014】
このようにすると、第一部材と第二部材を接続する際に、第一部材に形成された第二突起部が第二部材に接触しにくく、この第二突起部の破損を防止することができる。
【0015】
前記挿入方向と前記嵌合方向を規定した構成においては、
前記第一嵌合部と接続しつつ前記挿入方向に沿って延びる、前記第一突起部を前記第一嵌合部に挿入するトンネル状の挿入通路を有するのが好ましい。
【0016】
このようにすると、第一嵌合部に第一突起部が嵌合したときのこの第一嵌合部の周囲の所定の剛性が確保され、その嵌合に伴って第一嵌合部の周囲が破損するのを防止することができる。
【0017】
挿入通路をトンネル状とした構成においては、
前記トンネル状の挿入通路と隣り合うように前記第二嵌合部が形成されているのが好ましい。
【0018】
このようにすると、トンネル状の挿入通路の近傍において、第二嵌合部に第二突起部が嵌合する際の所定の変形を許容して、第一突起部および第二突起部をスムーズに第一嵌合部および第二嵌合部に嵌合させることができる一方で、第二嵌合部の近傍が過度に変形してこの第二嵌合部から第二突起部が外れるのを防止することができる。
【0019】
前記挿入方向と前記嵌合方向を規定した構成においては、
前記第二突起部が前記第一突起部の前記嵌合方向後端に形成されており、前記第二嵌合部が前記第一嵌合部の前記第一部材との接続側の内縁に形成された段部とすることもできる。
【0020】
このようにすると、第二突起部と第二嵌合部に形成された段部との係合によって、第一部材に対し第二部材がロックされた状態とすることができる。
【0021】
前記挿入方向と前記嵌合方向を規定した構成においては、
前記第一嵌合部の前記第一部材との接続側の内縁に、前記嵌合方向に向かうほど前記第一嵌合部の前記挿入方向の幅を狭くするテーパ部が形成されているのが好ましい。
【0022】
このようにすると、テーパ部によって第一部材が接続方向に向かって案内され、その接続作業をスムーズに行うことができる。
【0023】
前記挿入方向と前記嵌合方向を規定した構成においては、
前記第二突起部が、前記第一突起部から前記接続端部の前記挿入方向の反対方向に向かって延びる突条であり、前記第二嵌合部が、前記第二突起部に沿って延びる凹溝であるのが好ましい。
【0024】
このようにすると、突条の第二突起部が凹溝状の第二嵌合部に嵌まり込むことによって、第一部材と第二部材の前記嵌合方向の相対変位を確実にロックすることができる。
【0025】
第二突起部を突条、第二嵌合部を凹溝とした構成においては、
前記第二突起部の前記嵌合方向側に、その端部に向かうほど突出量が小さくなる傾斜部が形成され、前記嵌合方向の反対側に突起側壁部が形成されており、
前記第二嵌合部が、前記第二突起部に沿って延び、前記第二突起部が前記第二嵌合部に嵌合した状態で前記突起側壁部と対向する嵌合側壁部を有するのが好ましい。
【0026】
このようにすると、第二突起部に形成された傾斜部によって第二嵌合部の近傍を一時的に変形して第二嵌合部に第二突起部をスムーズに嵌合させることができる。しかも、第二突起部と第二嵌合部が一旦嵌合すると、第二突起部に形成された突起側壁部と第二嵌合部に形成された嵌合側壁部が当接して逆方向の相対変位を阻止するため、第二突起部と第二嵌合部の嵌合状態を確実に維持することができる。
【0027】
前記各構成においては、
前記第一嵌合部が、前記第二部材の外面に貫通する貫通穴であるのが好ましい。
【0028】
このようにすると、第一嵌合部への第一突起部の嵌合状態を目視によって直接確認することができる。
【0029】
前記各構成においては、
前記第一嵌合部の内周縁に丸め加工が施されているのが好ましい。
【0030】
このようにすると、第一突起部との嵌合に伴って第一嵌合部の内縁における局所的な応力集中を回避することができ、この第一嵌合部の内縁にクラックが生じるなどのトラブルを回避することができる。
【0031】
前記各構成においては、
前記第一部材と前記第二部材との間に、前記両部材を離間する方向に付勢する弾性部材が設けられているのが好ましい。
【0032】
このようにすると、弾性部材の付勢力によって嵌合位置における第一突起部と第一嵌合部の嵌合状態が高まるため、ロック状態の安定性をさらに高めることができる。
【0033】
前記各構成においては、
前記接続端部が円筒状をなしており、前記第一部材と前記第二部材が軸周りに相対回転して、前記第一突起部と前記第一嵌合部との間が嵌合することで、前記第二部材が前記第一部材からその軸方向に引き抜かれるのを阻止するようにするのが好ましい。
【0034】
このようにすると、第一部材と第二部材との接続をねじ込み式とした場合と比較して、少ない回転量で両部材を確実に接続することができる。
【発明の効果】
【0035】
この発明の上記構成によると、第一部材と第二部材の接続部におけるロック状態を確実に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】この発明に係る接続構造を採用した弁(要部)の分解斜視図
図2図1に示す弁の更なる要部を径方向外側から見た図であって、(a)はバルブ本体部と継手が分離した状態、(b)はバルブ本体部に継手を挿入した状態、(c)はバルブ本体部と継手との嵌合状態
図3図1に示す弁の更なる要部を軸方向から見た図であって、(a)は継手、(b)は(a)の要部、(c)はバルブ本体部、(d)は(c)の要部
図4図1に示す弁のバルブ本体部を示し、(a)は軸方向から見た図、(b)は径方向から見た図
図5図1に示す弁の接続手順を示す斜視図であって、(a)は第一突起部を第一嵌合部に挿入している状態、(b)はバルブ本体部と継手を相対回転し始めた状態、(c)は第二突起部が継手を拡径し始めた状態、(d)は第二突起部が第二嵌合部に嵌合した状態
図6図1に示す弁の要部の他例を径方向外側から見た図であって、(a)はバルブ本体部と継手が分離した状態、(b)はバルブ本体部に継手を挿入した状態、(c)はバルブ本体部と継手との嵌合状態
図7図2に示す接続構造の変形例を径方向外側から見た図であって、(a)はバルブ本体部と継手を相対回転し始めた状態、(b)は第二突起部が第二嵌合部に嵌合した状態
図8図7に示す接続構造の変形例を径方向外側から見た図
図9図2に示す接続構造の更なる変形例を示す斜視図
図10図2に示す接続構造の更なる変形例を径方向外側から見た図
図11】この発明に係る接続構造の他の採用例を示す斜視図であって、(a)は容器本体部と蓋体が分離した状態、(b)は容器本体部と蓋体との嵌合状態
【発明を実施するための形態】
【0037】
この発明に係る接続構造を図面に基づいて説明する。この接続構造は、例えば、図1に示す弁A(例えば三方弁)に対して適用することができる。なお、図1は弁Aの要部を示している。この弁Aは、第一部材10としてのバルブ本体部(以下、第一部材10と同じ符号を付する。)と、第二部材11としての樹脂製の継手(以下、第二部材11と同じ符号を付する。)を有している。バルブ本体部10は、流体が通過する円筒状の接続端部12を有しており、継手11はバルブ本体部10の接続端部12に接続される。
【0038】
この弁Aは、バルブ本体部10の内部に収容されるボール弁13と、ボール弁13をバルブ本体部10内で回転させる回転軸14と、ボール弁13が着座するシートパッキン15と、バルブ本体部10およびシートパッキン15と継手11の間に設けられる弾性部材16、17としてのシール部材(以下、弾性部材16、17と同じ符号を付する。)と、を有している。回転軸14には、バルブ本体部10と回転軸14との間の密閉性を確保するためのシール部材18が設けられている。また、バルブ本体部10から突出する回転軸14の端部には、この回転軸14を軸周りに回転させるモータやハンドルなどの回転手段(図示せず)が設けられる。シートパッキン15は、フッ素系樹脂から構成されている。
【0039】
バルブ本体部10およびシートパッキン15と継手11の間に設けられるシール部材16、17は、寸法精度が高い金属製の継手11を採用するときは不要の場合もあるが、本願の弁Aのように金属製と比較して相対的に寸法精度が低い樹脂製の継手11を採用するときは、その寸法誤差を補うために必要な部品である。シール部材16、17の弾性力(付勢力)に抗してバルブ本体部10と継手11を接続することによって、バルブ本体部10と継手11は、シール部材16、17によって互いに離間する方向に付勢される。なお、シール部材16、17の数(この実施形態では2本)は、適宜変更することもできる。
【0040】
図2から図4に示すように、バルブ本体部10の接続端部12の外周面には、径方向外向きに突出する第一突起部19と第二突起部20がそれぞれ形成されている。また、継手11には、第一嵌合部21と第二嵌合部22がそれぞれ形成されている。
【0041】
第一突起部19は、接続端部12の径方向から見て周方向の一端側が半円状で他端側が矩形状の砲弾形の突起である。第一突起部19の周囲は、接続端部12の外周面から垂直に立ち上がる壁部23によって囲まれている。第一突起部19の前記外周面からの突出高さは、弁Aのサイズなどによっても異なる場合があるが、例えば1~3mm程度とされる。第一突起部19は、バルブ本体部10の接続端部12の周方向に沿って90度間隔で4か所に形成されている。
【0042】
第一嵌合部21は、継手11の端部近傍に形成され、その周方向に沿って延びる長孔である。第一嵌合部21は、継手11の外周面に貫通している。第一嵌合部21は、その内周縁に丸め加工(角を無くす加工)が施されている。第一嵌合部21の内縁は、前記外周面に対して垂直な壁部24となっている。第一嵌合部21のバルブ本体部10との接続側の内縁には、第一突起部19と第一嵌合部21の嵌合位置に向かうほど第一嵌合部21の軸方向の幅を狭くするテーパ部25が形成されている。
【0043】
第一嵌合部21の嵌合位置とテーパ部25との間の壁部24は一部が軸方向に垂直な平面状となっている。この平面状の壁部24は、第一突起部19が第一嵌合部21と嵌合した際に、第一突起部19の他端側(矩形状部分)の壁部23と面接触するように構成されている。
【0044】
第一嵌合部21の周方向の一端側(第一突起部19と第一嵌合部21の嵌合位置とは周方向反対側の端部)には、この第一嵌合部21と接続しつつ軸方向に延びて継手11の端部に至る、トンネル状の(すなわち、継手の外周面に貫通していない)挿入通路26が形成されている。この挿入通路26の周方向幅は、第一突起部19が若干の余裕をもって軸方向に通過できる程度の大きさである。第一嵌合部21は、第一突起部19の形成位置および数に対応して、継手11の端部の周方向に沿って90度間隔で4か所に形成されている。
【0045】
第一突起部19の軸方向の幅と、第一嵌合部21の嵌合位置(図2(c)に示す位置)における軸方向の幅は、ほぼ同じとしてもよいが、この実施形態のようにバルブ本体部10と継手11がシール部材16、17によって互いに離間する方向に付勢される構成においては、第一突起部19の軸方向の幅よりも、第一嵌合部21の嵌合位置における軸方向の幅の方を若干大きくすることもできる。
【0046】
第二突起部20は、第一突起部19の他端側の後端において、第一突起部19の第一嵌合部21への挿入方向(図2(a)中の矢印d1で示す方向)の反対側に向かって延びる突条である。第二突起部20は、第一突起部19と一体に成形されており、第二突起部20は第一突起部19の軸方向背後にちょうど隠れるように構成されている。この第二突起部20の、第一突起部19を第一嵌合部21に嵌合させる際における嵌合方向(継手11に対するバルブ本体部10の回転方向。図2(b)中の矢印d2で示す方向)側には、周方向端部に向かうほど径方向外向きの突出量が小さくなる傾斜部27が形成されている。また、嵌合方向の反対側には、周方向外向きに起立する突起側壁部28が形成されている。
【0047】
第二突起部20は、第一突起部19の他端側(嵌合方向の反対側)に一体成形されている。第二突起部20の前記外周面からの突出高さは、継手11の素材などによっても多少異なる場合があるが、例えば0.2mm程度とされる。第二突起部20は、90度間隔で4か所に形成された第一突起部19のうち180度の角度間隔で対向する2か所のみに形成され、他の2か所の第一突起部19には形成されていない。
【0048】
第二嵌合部22は、第二突起部20と平行に(すなわち同方向に)軸方向に沿って延びる凹溝である。第二嵌合部22は、その一端側で第一嵌合部21と連通しつつ継手11の端部に至る。第二嵌合部22の内側には、第二突起部20が第二嵌合部22に嵌合した状態で突起側壁部28と対向する、径方向内向きに起立する嵌合側壁部29が形成されている。この第二嵌合部22の軸方向の長さは、第二突起部20の軸方向の長さよりも短く形成されている。第二嵌合部22は、第二突起部20の形成位置および数に対応して、90度間隔で4か所に形成された第一嵌合部21のうち180度の角度間隔で対向する2か所のみに形成され、他の2か所の第一嵌合部21には形成されていない。
【0049】
挿入通路26と第二嵌合部22は、軸方向に沿って互いに平行かつ隣り合うように設けられている。挿入通路26と第二嵌合部22の間は、径方向内向きに突出して挿入通路26と第二嵌合部22との間を隔離する隔離突起30となっている。隔離突起30の周方向幅は、第二嵌合部22の周方向幅と同程度である。挿入通路26の隔離突起30に臨む周方向端面には、バルブ本体部10との接続時にこのバルブ本体部10の外周面と隔離突起30との間にわずかな隙間を生じさせるフィレット(丸め加工部)31が形成されている。フィレット31の代わりに、面取り部を形成することもできる。
【0050】
以下、上記の弁Aの組立手順を図5に基づいて説明する。まず、バルブ本体部10の内部にボール弁13を回転軸14で回転自在に取り付けるとともに、この回転軸14にシール部材18を設ける。次に、バルブ本体部10の接続端部12側から、シートパッキン15とシール部材16、17を取り付ける(図1参照)。
【0051】
さらに、バルブ本体部10に形成された第一突起部19を、継手11に形成された挿入通路26を通って第一嵌合部21に挿入する(図5(a)参照)。第一嵌合部21は継手11の外周面に貫通しているため、この第一嵌合部21への第一突起部19の挿入状態を目視によって直接確認することができる。また、第二突起部20が第一突起部19の挿入方向に対して背後側(第一突起部19の挿入方向への投影範囲内)に一体成形されているため、バルブ本体部10と継手11を接続する際に、第二突起部20が継手11に接触しにくく、第二突起部20の破損を防止することができる。
【0052】
第一突起部19の全体が第一嵌合部21に挿入されたら、バルブ本体部10と継手11を軸周りに相対回転して、第一嵌合部21内で第一突起部19を嵌合方向に移動させる(図5(b)参照)。このとき、バルブ本体部10およびシートパッキン15と継手11との間に介在するシール部材16、17によって、バルブ本体部10と継手11は互いに離間する方向に付勢されるが、第一嵌合部21の内面にテーパ部25を形成し、かつ、第一突起部19の一端側を半円状としたので、第一突起部19は、テーパ部25によってスムーズに嵌合位置(第一嵌合部21の右端)に向かって案内される。なお、第一突起部19の一端側の形状は、この第一突起部19をスムーズに案内し得る限りにおいて、テーパ形状など種々の形状を採用することができる。
【0053】
この嵌合の際に、第一嵌合部21の内縁に第一突起部19が強く当接することもあるが、第一嵌合部21の内周縁に丸め加工を施したことによりその内周縁における局所的な応力集中を回避して、第一嵌合部21の内周縁にクラックが生じるなどの不具合を防止することができる。
【0054】
第一突起部19が第一嵌合部21に向かって案内される途中で、第二突起部20が挿入通路26の周方向端部(すなわち隔離突起30)に到達する(図5(c)参照)。すると、第二突起部20に形成された傾斜部27の先端が隔離突起30の径方向内側部分に潜り込んで、継手11の第二嵌合部22の近傍が一時的に拡径される。これにより、第二嵌合部22に第二突起部20をスムーズに嵌合させることができる。特に、挿入通路26にフィレット31を形成することにより、この嵌合を一層スムーズに行うことができる。
【0055】
第二突起部20は、バルブ本体部10の接続端部12の周方向に180度の角度間隔で2か所のみに形成されており、継手11は第二嵌合部22が形成された一方向のみに拡径すればよいため、その拡径がスムーズになされる。
【0056】
また、第二嵌合部22は、隔離突起30によって隔離されたトンネル状の挿入通路26および継手11の外周面に貫通する第一嵌合部21の近傍に形成されているため、トンネルの天井部分(架橋部分)による第一嵌合部21の周囲の所定の剛性を確保しつつ、第二突起部20が嵌合する第二嵌合部22の近傍の所定の変形が許容される。このため、第一突起部19および第二突起部20をスムーズに第一嵌合部21および第二嵌合部22に嵌合させることができる。
【0057】
第一突起部19が第一嵌合部21の嵌合位置(第一嵌合部21の右端)に嵌合するまで、バルブ本体部10と継手11を軸周りに相対回転すると、第二突起部20が第二嵌合部22に嵌合した状態となる(図5(d)参照)。第二嵌合部22の軸方向の長さは、第二突起部20の軸方向の長さよりも短く形成されているため、この嵌合の際に、第二突起部20の先端が第二嵌合部22から突出した状態となる。このため、嵌合の完了を目視によって容易に確認することができる。
【0058】
第一突起部19および第二突起部20が、第一嵌合部21および第二嵌合部22に嵌合した状態において、バルブ本体部10と継手11を上記と逆方向に相対回転すると、第二突起部20に形成された突起側壁部28と凹溝状の第二嵌合部22に形成された嵌合側壁部29が当接して(図2(c)参照)、その逆方向の相対回転が阻止される。しかも、トンネルの天井部分(架橋部分)によって剛性が高められるとともに、突起側壁部28と嵌合側壁部29との間の当接力は、周方向のみに作用し径方向にはほとんど作用しない。このため、第二嵌合部22の近傍が径方向外向きに変形して、第二突起部20と第二嵌合部22との間の嵌合が不用意に解除されるおそれはない。このようにして、バルブ本体部10と継手11との間のロック状態を確実に維持することができ、バルブ本体部10と継手11が軸周りに相対回転することによる緩みを防止することができる。
【0059】
また、上記の接続構造を採用した弁Aにおいては、バルブ本体部10と継手11をビスで接続する場合と比較して、簡便にその接続作業を行うことができる。また、第一突起部19と第一嵌合部21の嵌合状態において、第一突起部19の壁部23と第一嵌合部21の壁部24が面接触するように構成したので、バルブ本体部10と継手11が狙いの軸方向位置関係に定まる。このため、継手11をバルブ本体部10へのねじ込み式とした場合と比較して、バルブ本体部10と継手11の間に介在して設けたシール部材16、17の潰し量が一定量に定まり、均一なバルブ性能を確保することができる。
【0060】
図1に示す弁の要部の他例を図6に示す。この他例に係る要部は、基本的な構成は図2に示すものと共通するが、第二突起部20、および、第二突起部20の突起側壁部28が当接する第二嵌合部22の嵌合側壁部29が、第一嵌合部21への第一突起部19の挿入方向に対して若干の角度傾斜している点で相違する。この構成においても、図2で示した構成と同様に、第一突起部19および第二突起部20が、第一嵌合部21および第二嵌合部22に嵌合した状態において、バルブ本体部10と継手11を嵌合方向と逆方向に相対回転すると、突起側壁部28と嵌合側壁部29が当接して、その逆方向の相対回転が阻止される。また、第二突起部20が第一突起部19の挿入方向に対して背後側(第一突起部19の挿入方向への投影範囲内)に一体成形されているため、バルブ本体部10と継手11を接続する際に、第二突起部20が継手11に接触しにくく、第二突起部20の破損を防止することができる。
【0061】
また、隔離突起30に対し第二突起部20が傾斜しているため、第二突起部20に形成された傾斜部27の先端が隔離突起30の径方向内側部分に潜り込む際に、第二突起部20と隔離突起30の全体が同時に接触せず、この隔離突起30近傍の弾性変形が少しずつ生じる。このため、第二嵌合部22に第二突起部20をスムーズに嵌合させることができる。なお、図6においては、第二突起部20が、その先端に向かうほど嵌合方向(図6(b)中の矢印d2で示す方向)の反対方向に向かって傾斜する構成としたが、第二突起部20が、その先端に向かうほど嵌合方向に向かって傾斜する構成としても同様の効果が発揮される。
【0062】
図2に示した接続構造の変形例を図7に示す。この変形例においては、バルブ本体部10に形成された第一突起部19が、継手11に形成された第一嵌合部21に嵌合する点は上記において説明した構成と同じであるが、第二突起部20および第二嵌合部22の構成が上記の構成とは相違している。すなわち、この変形例においては、第二突起部20は、第一突起部19の嵌合方向後端に一体に形成された角部である。また、第二嵌合部22は、第一嵌合部21のバルブ本体部10との接続側の内縁に形成された段部である。
【0063】
この変形例に係る接続構造においては、まず、バルブ本体部10に形成された第一突起部19を継手11に形成された挿入通路26を通って第一嵌合部21に挿入する。そして、バルブ本体部10と継手11を軸周りに相対回転して、第一嵌合部21内で第一突起部19を周方向に移動させる(図7(a)参照)。このとき、上記において説明した構成と同様に、シール部材16、17(図7(a)(b)では図示せず)の弾性力によって、バルブ本体部10と継手11は互いに離間する方向に付勢されるが、第一嵌合部21の内面に形成されたテーパ部25によって、第一突起部19はスムーズに嵌合位置(第一嵌合部21の右端)に向かって案内される。
【0064】
第一突起部19が、第一嵌合部21の嵌合位置に到達したら、第一突起部19の後端に形成された第二突起部20が、シール部材16、17の弾性力によって第二嵌合部22(段部)の内側に係合する(図7(b)参照)。そして、第二嵌合部22の戻り返し作用によって、第二突起部20(第一突起部19)の嵌合位置からの離脱が阻止される。
【0065】
図7に示す接続構造の変形例を図8に示す。この変形例においては、第一嵌合部21の第二嵌合部22を形成した側とは反対側の内縁に、嵌合位置に向かうほど第二嵌合部22の軸方向幅を狭くするテーパ部32が形成されている。このテーパ部32を形成することにより、第一突起部19は第一嵌合部21の嵌合位置に向かうほど第二嵌合部22側に変位して、第二突起部20が第二嵌合部22によって固定されやすくなる。
【0066】
図2に示す接続構造の更なる変形例を図9に示す。この接続構造は、バルブ本体部10に第一突起部19を形成するとともに、継手11に第一嵌合部21を形成した点においては上記において説明した構成と同じであるが、第二突起部20および第二嵌合部22の構成が上記の構成とは相違している。すなわち、この更なる変形例においては、第二突起部20が、第一突起部19とは別部材の係止ピンである。この第二突起部20は、継手11の外周面に形成されたピン保持部33に形成されたピン穴に抜き挿し自在となっている。また、第二嵌合部22は、バルブ本体部10の接続端部12の外周面に形成された係止突起である。
【0067】
第一突起部19を第一嵌合部21に嵌合させてバルブ本体部10と継手11を接続した後に、ピン保持部33のピン穴に第二突起部20(係止ピン)を挿し込んで、そのピン穴から突出した第二突起部20の先端を第二嵌合部22(係止突起)に嵌合させる。これにより、バルブ本体部10と継手11が、逆方向に相対回転するのが阻止され、バルブ本体部10と継手11との間のロック状態を確実に維持することができる。
【0068】
図2に示す接続構造の更なる変形例を図10に示す。上記の各構成においては、バルブ本体部10と継手11との間にシール部材16、17が設けられており、このシール部材16、17の弾性力に抗してバルブ本体部10と継手11を接続することによって、このバルブ本体部10と継手11は互いに離間する方向に付勢される。このため、第一嵌合部21の内面にテーパ部25を形成することによって、第一突起部19を嵌合位置(第一嵌合部21の右端)に向かってスムーズに案内していた。このシール部材16、17を設けない構成とする場合は、その弾性力を考慮する必要がないため、図10に示す構成のようにテーパ部25を省略することができる。なお、この構成においては、第一突起部19が第一嵌合部21の嵌合位置(第一嵌合部21の右端)で確実に嵌合するように、第一突起部19の軸方向幅と、第一嵌合部21の軸方向幅を同一とする必要がある。
【0069】
この発明に係る接続構造の他の採用例について説明する。この接続構造は、例えば、図11に示す容器Bに対して適用することができる。この容器Bは、第一部材10としての容器本体部(以下、第一部材と同じ符号を付する。)と、第二部材としての蓋体(以下、第二部材11と同じ符号を付する。)を有している。容器本体部10は円筒状の接続端部12(開口部)を有しており、蓋体11は容器本体部10の接続端部12に接続される。
【0070】
容器本体部10の接続端部12の外周面には、径方向外向きに突出する第一突起部19と第二突起部20がそれぞれ形成されている。また、蓋体11には、第一嵌合部21と第二嵌合部22がそれぞれ形成されている。さらに、蓋体11の外周面には、第二嵌合部22の位置に対応して表示部34が形成されている。容器本体部10と蓋体11を軸周りに相対回転して、第二突起部20が第二嵌合部22に嵌合したときに、第二突起部20の先端が第二嵌合部22から突出した状態となるが、表示部34と突出した第二突起部20の周方向位置が一致しているかどうかを目視で確認することにより、嵌合の完了を容易に判断することができる。なお、第一突起部19と第二突起部20および第一嵌合部21と第二嵌合部22の形状とその作用は上記の弁Aで説明したものと同じなので、その説明は省略する。
【0071】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味およびすべての変更が含まれることが意図される。
【0072】
例えば、上記においては、この発明に係る接続構造を弁Aおよび容器Bに採用した例について説明したが、二つの部材を接続してロック状態とする構成に対して広く適用することができる。
【符号の説明】
【0073】
10 第一部材(バルブ本体部、容器本体部)
11 第二部材(継手、蓋体)
12 接続端部
13 ボール弁
14 回転軸
15 シートパッキン
16、17 弾性部材(シール部材)
18 シール部材
19 第一突起部
20 第二突起部
21 第一嵌合部
22 第二嵌合部
23 (第一突起部の)壁部
24 (第一嵌合部の)壁部
25 テーパ部
26 挿入通路
27 傾斜部
28 突起側壁部
29 嵌合側壁部
30 隔離突起
31 フィレット
32 テーパ部
33 ピン保持部
34 表示部
A 弁
B 容器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-01-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一部材(10)の接続端部(12)に第二部材(11)を接続する接続構造において、
前記接続端部(12)に第一突起部(19)が、前記第二部材(11)に第一嵌合部(21)がそれぞれ形成され、前記第一突起部(19)が前記第一嵌合部(21)に嵌合することによって、前記第一部材(10)と前記第二部材(11)の離脱を阻止するとともに、前記接続端部(12)に第二突起部(20)が、前記第二部材(11)に第二嵌合部(22)がそれぞれ形成され、前記第一突起部(19)が前記第一嵌合部(21)に嵌合した状態で前記第二突起部(20)が前記第二嵌合部(22)に離脱不能に嵌合して、前記第一突起部(19)の前記第一嵌合部(21)への嵌合状態を維持するようになっており、
前記第一嵌合部(21)への前記第一突起部(19)の嵌合が、前記第一嵌合部(21)内に前記第一突起部(19)を挿入する挿入方向と、前記第一嵌合部(21)に前記第一突起部(19)を嵌合させる前記挿入方向と異なる嵌合方向の二方向に、前記第一部材(10)と前記第二部材(11)を順次相対変位させることによってなされ、
前記第一嵌合部(21)と接続しつつ前記挿入方向に沿って延びる、前記第一突起部(19)を前記第一嵌合部(21)に挿入するトンネル状の挿入通路(26)を有し、
前記第一嵌合部(21)が、前記第二部材(11)の外面に貫通する貫通穴であって、
前記挿入通路(26)と、前記第二部材(11)の外面に貫通した前記第一嵌合部(21)とが前記挿入方向に並んで配置されており、
前記トンネル状の挿入通路(26)と隣り合うように前記第二嵌合部(22)が形成されており、
前記第二突起部(20)が、前記第一突起部(19)から前記接続端部(12)の前記挿入方向の反対方向に向かって延びる突条であり、前記第二嵌合部(22)が、前記第二突起部(20)に沿って延びる凹溝である接続構造。
【請求項2】
前記第二突起部(20)が、前記第一突起部(19)の前記第一嵌合部(21)への前記挿入方向の反対側に、前記第一突起部(19)と一体に形成されている請求項に記載の接続構造。
【請求項3】
前記第一嵌合部(21)の前記第一部材(10)との接続側の内縁に、前記嵌合方向に向かうほど前記第一嵌合部(21)の前記挿入方向の幅を狭くするテーパ部(25)が形成されている請求項1または2に記載の接続構造。
【請求項4】
前記第二突起部(20)の前記嵌合方向側に、その端部に向かうほど突出量が小さくなる傾斜部(27)が形成され、前記嵌合方向の反対側に突起側壁部(28)が形成されており、
前記第二嵌合部(22)が、前記第二突起部(20)に沿って延び、前記第二突起部(20)が前記第二嵌合部(22)に嵌合した状態で前記突起側壁部(28)と対向する嵌合側壁部(29)を有する請求項1から3のいずれか1項に記載の接続構造。
【請求項5】
前記第一嵌合部(21)の内周縁に丸め加工が施されている請求項1からのいずれか1項に記載の接続構造。
【請求項6】
前記第一部材(10)と前記第二部材(11)との間に、前記両部材(10、11)を離間する方向に付勢する弾性部材(16)が設けられている請求項1からのいずれか1項に記載の接続構造。
【請求項7】
前記接続端部(12)が円筒状をなしており、前記第一部材(10)と前記第二部材(11)が軸周りに相対回転して、前記第一突起部(19)と前記第一嵌合部(21)との間が嵌合することで、前記第二部材(11)が前記第一部材(10)からその軸方向に引き抜かれるのを阻止する請求項1からのいずれか1項に記載の接続構造。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
図1】この発明に係る接続構造を採用した弁(要部)の分解斜視図
図2図1に示す弁の更なる要部を径方向外側から見た図であって、(a)はバルブ本体部と継手が分離した状態、(b)はバルブ本体部に継手を接続した状態、(c)はバルブ本体部と継手との嵌合状態
図3図1に示す弁の更なる要部を軸方向から見た図であって、(a)は継手、(b)は(a)の要部、(c)はバルブ本体部、(d)は(c)の要部
図4図1に示す弁のバルブ本体部を示し、(a)は軸方向から見た図、(b)は径方向から見た図
図5図1に示す弁の接続手順を示す斜視図であって、(a)は第一突起部を第一嵌合部に挿入している状態、(b)はバルブ本体部と継手を相対回転し始めた状態、(c)は第二突起部が継手を拡径し始めた状態、(d)は第二突起部が第二嵌合部に嵌合した状態
図6図1に示す弁の要部の他例を径方向外側から見た図であって、(a)はバルブ本体部と継手が分離した状態、(b)はバルブ本体部に継手を接続した状態、(c)はバルブ本体部と継手との嵌合状態
図7図2に示す接続構造の変形例を径方向外側から見た図であって、(a)はバルブ本体部と継手を相対回転し始めた状態、(b)は第二突起部が第二嵌合部に嵌合した状態
図8図7に示す接続構造の変形例を径方向外側から見た図
図9図2に示す接続構造の更なる変形例を示す斜視図
図10図2に示す接続構造の更なる変形例を径方向外側から見た図
図11】この発明に係る接続構造の他の採用例を示す斜視図であって、(a)は容器本体部と蓋体が分離した状態、(b)は容器本体部と蓋体との嵌合状態
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
第二突起部20は、第一突起部19の他端側の後端において、第一突起部19の第一嵌合部21への挿入方向(図2(a)中の矢印d1で示す方向)の反対側に向かって延びる突条である。第二突起部20は、第一突起部19と一体に成形されており、第二突起部20は第一突起部19の軸方向背後にちょうど隠れるように構成されている。この第二突起部20の、第一突起部19を第一嵌合部21に嵌合させる際における嵌合方向(継手11に対するバルブ本体部10の回転方向。図2(b)中の矢印d2で示す方向)側には、周方向端部に向かうほど径方向外向きの突出量が小さくなる傾斜部27が形成されている。また、嵌合方向の反対側には、方向外向きに起立する突起側壁部28が形成されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0065】
図7に示す接続構造の変形例を図8に示す。この変形例においては、第一嵌合部21の第二嵌合部22を形成した側とは反対側の内縁に、嵌合位置に向かうほど第一嵌合部21の軸方向幅を狭くするテーパ部32が形成されている。このテーパ部32を形成することにより、第一突起部19は第一嵌合部21の嵌合位置に向かうほど第二嵌合部22側に変位して、第二突起部20が第二嵌合部22によって固定されやすくなる。