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  • 特開-排水処理方法 図1
  • 特開-排水処理方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100127
(43)【公開日】2023-07-18
(54)【発明の名称】排水処理方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/02 20230101AFI20230710BHJP
   C02F 1/28 20230101ALI20230710BHJP
   C02F 1/04 20230101ALI20230710BHJP
【FI】
C02F1/02 B
C02F1/28 D
C02F1/04 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022000573
(22)【出願日】2022-01-05
(71)【出願人】
【識別番号】399049981
【氏名又は名称】株式会社オメガ
(72)【発明者】
【氏名】中村 信一
【テーマコード(参考)】
4D034
4D624
【Fターム(参考)】
4D034AA11
4D034CA04
4D034CA18
4D624AA04
4D624AB02
4D624BA02
4D624BC01
4D624CA01
4D624DA07
4D624DB06
(57)【要約】
【課題】従来よりも実用性が高い排水処理方法を提供しようとするもの。
【解決手段】被処理水と活性炭との接触工程(1,2)と、含水した活性炭の加熱工程とを有し、前記加熱工程では活性炭を金属液体浴槽(3)に浸漬するようにした。金属液体により含水した活性炭に対して直接的に接触して熱を効率良く伝達することができるので、含水した活性炭への熱風加熱などよりエネルギー効率に優れる。前記活性炭に含水されなかった被処理水を更に浄化して排出するようにしてもよい。前記加熱工程で活性炭を賦活再生して接触工程で再利用するようにしてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理水と活性炭との接触工程と、含水した活性炭の加熱工程とを有し、前記加熱工程では活性炭を金属液体浴槽に浸漬するようにしたことを特徴とする排水処理方法。
【請求項2】
前記活性炭に含水されなかった被処理水を更に浄化して排出するようにした請求項1記載の排水処理方法。
【請求項3】
前記加熱工程で活性炭を賦活再生して接触工程で再利用するようにした請求項1又は2記載の排水処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、従来よりも実用性が高い排水処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりも効率良く分解することが出来る排水処理機構に関する提案があった(特許文献1)。
すなわち、この排水処理機構は、排水中の汚れ物質を吸着する活性炭吸着槽と槽内流動機構とを有し、前記活性炭吸着槽に電解水を供給すると共に、前記活性炭吸着槽内で槽内流動機構により排水と活性炭とを流動させるようにしたものである。
そして、槽内が流動することにより一定の場所に停滞する部位が減少して電解水の洗浄作用を万遍なく活性炭に及ぼすことが出来るので、従来よりも効率良く吸着物を洗浄再生することができる、というものである。
しかし、さらに実用性が高い排水処理方法についての要望があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-123442
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこでこの発明は、従来よりも実用性が高い排水処理方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するためこの発明では次のような技術的手段を講じている。
(1)この発明の排水処理方法は、被処理水と活性炭との接触工程と、含水した活性炭の加熱工程とを有し、前記加熱工程では活性炭を金属液体浴槽に浸漬するようにしたことを特徴とする。
この排水処理方法では、被処理水と活性炭との接触工程を有するので、活性炭を被処理水で含水させることが出来る。また、含水した活性炭の加熱工程(例えば600~1,000℃に加熱)とを有するので、活性炭を加熱して含水分を蒸発させることが出来る。
そして、前記加熱工程では活性炭を金属液体浴槽に浸漬するようにしたので、含水した活性炭を金属液体浴槽に浸漬することにより水分を蒸発させると共に被処理水中の成分(汚れ成分など)を熱分解(有機成分は炭化)させることが出来る。
【0006】
そのうえ、金属液体は熱容量が大きく金属液体浴槽の温度が低下し難く、含水した活性炭を熱処理する際に金属液体浴槽の温度が低下しても、熱伝導性が高いので、熱源加熱により迅速に元の温度へと復元させることが出来る。さらに、金属液体により含水した活性炭に対して直接的に接触して熱を効率良く伝達することが出来る。
すなわち、金属液体により含水した活性炭に対して直接的に接触して熱を効率良く伝達することができるので、含水した活性炭への熱風加熱などよりエネルギー効率に優れる。
【0007】
ここで、前記被処理水として、排水たとえば高濃度の廃水・廃液(COD 20,000ppm 以上など)を例示することが出来る。
前記被処理水と活性炭との接触工程では、活性炭による流動床処理としたり、固定(定置)床処理としたりすることが出来る。
前記金属液体(被処理水を熱処理時‐加熱時‐に液状である金属)として、錫(融点232℃、沸点2,063℃、密度7g/cm3)、鉛(融点327.5℃、沸点1,750℃、密度11g/cm3)、インジウム(融点156℃、沸点2,072℃、密度22 g/cm3)、ガリウム(融点29.78℃、沸点2,208℃、密度6g/cm3)、ビスマス(融点271.5℃、沸点1,564℃、密度10g/cm3)などを例示することが出来る。
【0008】
前記金属液体浴槽の熱源として、誘導加熱(IH)、高周波(マイクロウエーブ)、LNG・LPG・メタンガス・水素ガスのバーナーを例示することが出来る。
前記誘導加熱の熱を金属液体浴槽に効率良く伝導するため、グラファイトなどの固体熱伝導体を介在させて使用することが出来る。
被処理水と活性炭との接触は、例えば約1:1の重量割合で行うことが出来る。
【0009】
(2)前記活性炭に含水されなかった被処理水を更に浄化して排出するようにしてもよい。
このように、活性炭に含水されなかった被処理水を更に浄化して排出するようにすると、排水の一部は加熱処理(被処理水の含水分の蒸発・被処理水の含有成分の熱分解・炭化)し、一部は浄化処理(水処理して排出)することにより、全体をバランスよく複合した処理(加熱処理と水処理)とすることが出来る。
【0010】
(3)前記加熱工程で活性炭を賦活再生して接触工程で再利用するようにしてもよい。
このように、加熱工程で活性炭を賦活再生(例えば600~1,000℃に加熱)して接触工程で再利用するようにすると、排水処理をしつつ平行して活性炭を再生しながら使用することが出来る。
【発明の効果】
【0011】
この発明は上述のような構成であり、次の効果を有する。
エネルギー効率に優れるので、従来よりも実用性が高い排水処理方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】この発明の排水処理方法の実施形態1を説明するシステム・フロー図。
図2】この発明の排水処理方法の実施形態2を説明するシステム・フロー図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1に示すように、この実施形態の排水処理方法は、被処理水(廃液)と活性炭Cとの接触工程(流動床1、固定床2)と、含水した活性炭Cの加熱工程(600~1,000℃)とを有し、前記加熱工程では活性炭Cを金属液体浴槽3に浸漬するようにした。
【0014】
前記被処理水として、高濃度の廃液(COD 20,000ppm 以上)を処理した。前記被処理水(廃液)と活性炭Cとの接触工程では、活性炭Cによる流動床1処理、固定床2処理とした。
前記金属液体(被処理水を熱処理時‐加熱時‐に液状である金属)として、錫(融点232℃、沸点2,063℃、密度7g/cm3)、インジウム(融点156℃、沸点2,072℃、密度22 g/cm3)、ガリウム(融点29.78℃、沸点2,208℃、密度6g/cm3)、ビスマス(融点271.5℃、沸点1,564℃、密度10g/cm3)を用いた。前記金属液体浴槽3の熱源として、LNGガスバーナーを用いた。
【0015】
金属液体は熱容量が大きく金属液体浴槽3の温度が低下し難く、含水した活性炭Cを熱処理する際に金属液体浴槽3の温度が低下しても、熱伝導性が高いので、熱源加熱により迅速に元の温度へと復元させることが出来る。さらに、金属液体により含水した活性炭Cに対して直接的に接触して熱を効率良く伝達することが出来る。
すなわち、金属液体(液体)により含水した活性炭C(固体)に対して直接的に接触して熱を効率良く伝達することができるので、含水した活性炭C自体への熱風(気体)加熱などよりエネルギー効率に優れるものである。
【0016】
また、前記加熱工程で活性炭Cを賦活再生して、接触工程(流動床1、固定床2)で再利用するようにした。
さらに、前記活性炭Cに含水されなかった被処理水(廃液)を、固定床4と固定床5とで更に浄化して排出するようにした。
【0017】
次に、この実施形態の排水処理方法の使用状態を説明する。
この排水処理方法では、被処理水(廃液)と活性炭Cとの接触工程(流動床1、固定床2)を有するので、活性炭Cを被処理水で含水させることが出来た。
また、含水した活性炭Cの加熱工程とを有するので、活性炭Cを加熱して含水分を蒸発させることが出来た。蒸発分は、スクラバーとして機能する流動床1で処理するようにした。
そして、前記加熱工程では活性炭Cを金属液体浴槽3に浸漬するようにしたので、含水した活性炭Cを金属液体浴槽3に浸漬することにより水分を蒸発させると共に被処理水中の成分(汚れ成分など)を熱分解(有機成分は炭化)させることが出来た。
すなわち、エネルギー効率に優れるので、従来よりも実用性が高いという利点がある。
【0018】
また、加熱工程で活性炭Cを賦活再生して接触工程(流動床1、固定床2)で再利用するようにしたので、排水処理をしつつ平行して活性炭Cを再生しながら使用することができるという利点がある。
さらに、活性炭Cに含水されなかった被処理水(廃液)を更に浄化(固定床4、固定床5)して排出するようにしたので、排水の一部は金属液体浴槽3で加熱処理(被処理水の含水分の蒸発・被処理水の含有成分の熱分解・炭化)し、一部は固定床4、固定床5で浄化処理(水処理して排出)することにより、全体をバランスよく複合した処理(加熱処理と水処理)とすることができるという利点がある。
【0019】
(実施形態2)
次に、実施形態2を前記実施形態との相違点を中心に説明する。
図2に示すように、この実施形態の排水処理方法は、被処理水(廃液)と活性炭Cとの接触工程(流動床1、固定床2)と、含水した活性炭Cの加熱工程とを有し、前記加熱工程(600~1,000℃)では活性炭を金属液体浴槽3に浸漬するようにした。
すなわち、円筒状に形成した流動床1と固定床2で、この順番で廃液の汚れ成分を活性炭Cに吸着する。汚れ成分を吸着した活性炭Cを抜き出し、上方のスクリューコンベアSにより水平方向(図示右方向)に移送し、次いで上下方向のスクリューコンベアS(図示中央)により下方に移送する。
【0020】
そして、活性炭Cは上下方向のスクリューコンベアSの下端から金属液体浴槽3(600~1,000℃)へと排出される。活性炭Cは金属液体浴槽3で熱処理され、その賦活・再生後に取り出して再び流動床1、固定床2へと供給する。
ここで、活性炭Cの流動床1と固定床2と金属液体浴槽3は、同芯円状のビルドインタイプの構造に形成した。したがって、この廃液浄化装置の設置現場における施工性などに優れることとなる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
従来よりも実用性が高いことによって、種々の排水処理方法の用途に適用することができる。
【符号の説明】
【0022】
1 流動床(接触工程)
2 固定床(接触工程)
3 金属液体浴槽
C 活性炭
図1
図2