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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100167
(43)【公開日】2023-07-18
(54)【発明の名称】半導体製造装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/67 20060101AFI20230710BHJP
   H01L 21/52 20060101ALI20230710BHJP
【FI】
H01L21/68 E
H01L21/52 F
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022000656
(22)【出願日】2022-01-05
(71)【出願人】
【識別番号】591009705
【氏名又は名称】株式会社 東京ウエルズ
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(72)【発明者】
【氏名】小島 智幸
(72)【発明者】
【氏名】小平 晃久
【テーマコード(参考)】
5F047
5F131
【Fターム(参考)】
5F047AA11
5F047FA04
5F047FA73
5F131AA04
5F131BA53
5F131BA54
5F131CA38
5F131DA33
5F131DA42
5F131DB22
5F131DB62
5F131DB72
5F131EA07
5F131EB01
5F131EC72
5F131EC74
5F131KA14
5F131KA15
5F131KA17
5F131KA44
5F131KA54
5F131KA72
5F131KB09
5F131KB12
5F131KB32
5F131KB53
(57)【要約】
【課題】照明装置から半導体チップに対して均一で、明確かつ鮮明な光を照射する。
【解決手段】半導体製造装置10の吸着ノズル11は、吸着ノズル本体12と、半導体チップ1が搭載されたウエハシート2側に位置するウエハシート当接面13とを有する。ウエハシート当接面13に開口13Aが設けられ、吸着ノズル本体12内に、開口13Aを介して半導体チップ1に向けて光を照射する複数の光ファイバ25が設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップを搭載した透光性の材料からなるウエハシートを載置して前記半導体チップを撮像する半導体製造装置において、
前記ウエハシートの前記半導体チップと反対側の面を吸着するとともに、筒状の吸着ノズル本体と、前記吸着ノズル本体の前記ウエハシート側に設けられ、前記ウエハシートに当接するウエハシート当接面とを有する吸着ノズルと、
前記吸着ノズル本体内に設けられ、前記ウエハシート当接面に向けて光を照射する照明装置と、
前記ウエハシートの前記半導体チップ側に設けられた撮像装置と、を備え、
前記ウエハシート当接面に、前記照明装置からの光が通過する開口が形成され、
前記照明装置からの光を、前記ウエハシート当接面の前記開口を介して前記半導体チップに向けて照射しながら、前記半導体チップの画像を前記撮像装置により撮像する、半導体製造装置。
【請求項2】
前記ウエハシート当接面は、非透光性の材料からなる、請求項1記載の半導体製造装置。
【請求項3】
前記照明装置は、複数の光ファイバからなり、各光ファイバの先端から光を前記ウエハシート当接面の前記開口を介して前記半導体チップに向けて照射する、請求項1または2記載の半導体製造装置。
【請求項4】
前記照明装置は、前記吸着ノズル本体内に前記吸着ノズルの軸線に直交して配置された照明支持板と、前記照明支持板上に配置され光を前記ウエハシート当接面の前記開口を介して前記半導体チップに向けて照射する複数の発光体とを有する、請求項1または2記載の半導体製造装置。
【請求項5】
前記ウエハシート当接面の前記開口は、円周方向に沿って区画された複数の円周方向領域を有し、各光ファイバの先端は、各円周方向領域に対応して設けられている、請求項3記載の半導体製造装置。
【請求項6】
前記ウエハシート当接面の前記開口は、円周方向に沿って区画された複数の円周方向領域を有し、各発光体は、各円周方向領域に対応して設けられている、請求項4記載の半導体製造装置。
【請求項7】
前記ウエハシート当接面の各円周方向領域は、さらに半径方向内方の内側部と、半径方向外側の外側部とに区画されている、請求項5または6記載の半導体製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は半導体製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体チップを金属フレームに搭載するダイボンド工程において、半導体チップを透光性のウエハシート上に搭載し、ウェーハシートの裏側から半導体チップに対して光を照射しながら半導体チップをシルエットの状態で撮像し、半導体チップの位置と形状を認識する方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
また半導体チップに対して光を照射する際、光を導光板を介して半導体チップに光を照射する方法も開発されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5-95034号公報
【特許文献2】特開2007-35937公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来より半導体チップに対して明確かつ鮮明な光を照射することができ、かつ全体としてコンパクトな構造をもつ半導体製造装置は開発されていない。
【0006】
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、半導体チップに対して明確かつ鮮明な光を照射することができ、かつ全体としてコンパクトな構造をもつ半導体製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、半導体チップを搭載した透光性の材料からなるウエハシートを載置して前記半導体チップを撮像する半導体製造装置において、前記ウエハシートの前記半導体チップと反対側の面を吸着するとともに、筒状の吸着ノズル本体と、前記吸着ノズル本体の前記ウエハシート側に設けられ、前記ウエハシートに当接するウエハシート当接面とを有する吸着ノズルと、前記吸着ノズル本体内に設けられ、前記ウエハシート当接面に向けて光を照射する照明装置と、前記ウエハシートの前記半導体チップ側に設けられた撮像装置と、を備え、前記ウエハシート当接面に、前記照明装置からの光が通過する開口が形成され、前記照明装置からの光を、前記ウエハシート当接面の前記開口を介して前記半導体チップに向けて照射しながら、前記半導体チップの画像を前記撮像装置により撮像する、半導体製造装置である。
【0008】
本開示は、前記ウエハシート当接面は、非透光性の材料からなる、半導体製造装置である。
【0009】
本開示は、前記照明装置は、複数の光ファイバからなり、各光ファイバの先端から光を前記ウエハシート当接面の前記開口を介して前記半導体チップに向けて照射する、半導体製造装置である。
【0010】
本開示は、前記照明装置は、前記吸着ノズル本体内に前記吸着ノズルの軸線に直交して配置された照明支持板と、前記照明支持板上に配置され光を前記ウエハシート当接面の前記開口を介して前記半導体チップに向けて照射する複数の発光体とを有する、半導体製造装置である。
【0011】
本開示は、前記ウエハシート当接面の前記開口は、円周方向に沿って区画された複数の円周方向領域を有し、各光ファイバの先端は、各円周方向領域に対応して設けられている、半導体製造装置である。
【0012】
本開示は、前記ウエハシート当接面の前記開口は、円周方向に沿って区画された複数の円周方向領域を有し、各発光体は、各円周方向領域に対応して設けられている、半導体製造装置である。
【0013】
本開示は、前記ウエハシート当接面の各円周方向領域は、さらに半径方向内方の内側部と、半径方向外側の外側部とに区画されている、半導体製造装置である。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、照明装置からウエハシート当接面の開口を介して明確かつ鮮明な光を半導体チップに対して照射することができ、かつ半導体装置を全体としてコンパクトに構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は本開示の第1の実施の形態による半導体製造装置を示す概略図。
図2図2は第1の実施の形態による半導体製造装置の吸着ノズル部分を示す拡大図。
図3図3は第2の実施の形態による半導体製造装置の吸着ノズル部分を示す拡大図。
図4図4は撮像装置により得られる撮像画像を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1の実施の形態>
以下、図面を参照して本開示の第1の実施の形態について説明する。図1乃至図2は本開示の第1の実施の形態を示す図である。
【0017】
図1および図2に示すように本開示による半導体製造装置10は、半導体チップ1を搭載した透光性の材料からなるウエハシート2を載置して半導体チップ1を撮像するものである。
【0018】
このような半導体製造装置10は、ウエハシート2上の半導体チップ1と反対側の面を吸着するとともに、円筒状の吸着ノズル本体12と、吸着ノズル本体12のウエハシート2側に設けられたウエハシート当接面(ウエハシート当接部ともいう)13とを有する吸着ノズル11と、吸着ノズル本体12内に設けられウエハシート当接面13に向けて光を照射する複数の光ファイバ(照明装置)25とを備えている。
【0019】
また吸着ノズル本体12は、その下方位置において、支持体15により支持されている(図1参照)。
【0020】
さらに吸着ノズル本体12内には、ロッド保持体17により昇降自在に保持された昇降ロッド16が設けられている。
【0021】
また、ウエハシート2の吸着ノズル11と反対側に撮像装置18が設けられ、この撮像装置18は、光ファイバ25からの透過光を撮像する。また、撮像装置18近傍に、ウエハシート2の半導体チップ1側を照射する追加照明装置19が設けられている。また、本実施形態に係る半導体製造装置10は、画像処理機能を有する制御装置20を備え、この制御装置20は、撮像装置18から取りこんだ画像を認識し、半導体チップ1の外形形状および配置位置をもとめる。
【0022】
また吸着ノズル本体12内には、上述のように昇降ロッド16が昇降自在に設けられ、昇降ロッド16の上端に突き上げ針16aが設けられている。また、ウエハシート当接面13に突き上げ針16aが貫通する孔13aが形成され、昇降ロッド16の昇降動作によって、突き上げ針16aがウエハシート当接面13の孔13a内を移動する。また、突き上げ針16aに突き上げられたウエハシート2上の半導体チップ1をピックアップして、半導体チップ1をウエハシート2から取り出すピックアップ装置(図示しない)が設けられている。このピックアップ装置は、取り出した半導体チップ1をリードフレームのボンディング作業位置へと搬送し、半導体チップ1を用いてリードフレームに対してボンディング処理を行う。
【0023】
次に図1および図2を用いて、半導体製造装置10の吸着ノズル11について更に述べる。図1および図2に示すように、吸着ノズル11の吸着ノズル本体12は全体として金属材料のような非透光性の材料からなり、図示しない減圧機構により内部が減圧される。そして吸着ノズル本体12はウエハシート当接面13に当接するウエハシート2を吸着するようになっている。またウエハシート当接面13の中央に、突き上げ針16aが貫通する孔13aが形成されている。
【0024】
本実施の形態において、ウエハシート当接面13には、突き上げ針16aが貫通する孔13aの外側に、光ファイバ25の先端25aから照射される光が透過する開口13Aが形成されている。この開口13Aはウエハシート2を吸着する吸着ノズル11の吸着口としても機能する。
【0025】
さらにウエハシート当接面13の開口13Aは、半径方向に沿って延びる半径方向区画壁21により円周方向に沿って8つに区画された円周方向領域23を有する。
【0026】
また各円周方向領域23は、さらに円周方向に沿って延びる円周方向区画壁22により、半径方向内方の内側部23aと、半径方向外側の外側部23bとして区画されている。
【0027】
また、吸着ノズル本体12には、合計24本の光ファイバ25が設けられ、各光ファイバ25はその先端25aからウエハシート当接面13の開口13Aを介して、ウエハシート2に搭載された半導体チップ1に向けて光を照射する。本実施の形態において、1つの円周方向領域23に対応して3本の光ファイバ25が設けられ、1つの円周方向領域23に対応する3本の光ファイバ25のうち1本の光ファイバ25は内側部23aを透過する光を照射し、2本の光ファイバ25は外側部23bを透過する光を照射する。
【0028】
また各光ファイバ25はその先端25aが吸着ノズル本体12内において、ウエハシート当接面13の開口13Aに向くよう設置されている。そして、光ファイバ25は吸着ノズル本体12の壁面12aを貫通して外方へ延び、さらに吸着ノズル本体12の壁面12aの外側に設けられたシール材14を貫通して、吸着ノズル本体12の壁面12aの外側に沿って支持体15側へ延びている。
【0029】
なお、24本の光ファイバ25は、吸着ノズル本体12内において、その先端25aが円周方向に沿って所定間隔をおいて配置されている。
【0030】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0031】
まず半導体チップ1が搭載されたウエハシート2が、吸着ノズル11のウエハシート当接面13上に載置される。
【0032】
次に吸着ノズル11の吸着ノズル本体12に設けられた24本の光ファイバ25の先端25aからウエハシート2上の半導体チップ1に向けて光が照射される。このようにウエハシート2上の半導体チップ1に向けて光が照射されることにより、半導体チップ1が投影されて半導体チップ1の画像が撮像装置18により撮像される。
【0033】
この間、24本の光ファイバ25の先端25aからの光がウエハシート当接面13の開口13Aのうち対応する内側部23aまたは外側部23bを通って、ウエハシート2上の半導体チップ1を照射する。
【0034】
本実施の形態によれば、吸着ノズル11の吸着ノズル本体12に設けられ、円周方向に所定間隔をおいて配置された24本の光ファイバ25の先端25aから、ウエハシート2上の半導体チップ1に向けて複数(24本)の光線を照射することができる。このため、24本の光線を用いて半導体チップ1を均一にかつ片寄りなく光を照射することができる。また、24本の光線を用いて半導体チップ1に明確かつ鮮明な光を照射することができる。
【0035】
また、24本の光ファイバ25を吸着ノズル11の吸着ノズル本体12内に配置することができるため、吸着ノズル11と光ファイバ25の全体構造をコンパクトに構成することができる。
【0036】
次に半導体チップ1の画像を撮像装置18により撮像した後、撮像装置18の撮影画像は制御装置20へ送られ、この制御装置20により半導体チップ1の外形形状および配置位置が求められる。
【0037】
このような吸着ノズル11において、光ファイバ25によるいわゆるバックライト照明により、図4にそのイメージを示すように、ウエハシート2上に搭載された半導体チップ1の表面でなく、半導体チップ1同士の境界であるダイシングライン3が照らし出される。すなわち、ウエハシート2の底面側から光を照射した場合において、撮像装置18により、ウエハシート2の上側から撮像することにより、ダイシングライン3は白く映り、半導体チップ1は黒く映るためコントラストがはっきりする。これにより、ウエハシート2上部から撮像して半導体チップ1の外形形状および配置位置を入手することができ、かつウエハシート2の位置決めをするに当たり、半導体チップ1境界が明確に認識できる。
【0038】
次に制御装置20で求められた半導体チップ1の外形形状および配置位置の情報に基づいて、突き上げ針16aがウエハシート当接面13の孔13aを通ってウエハシート2上に搭載された半導体チップ1を突き上げる。その後、ウエハシート2上の半導体チップ1は図示しないピックアップ装置によりリードフレームのボンディング作業位置へと搬送され、半導体チップ1を用いてリードフレームに対してボンディング処理が行われる。
【0039】
以上のように本実施の形態によれば、光ファイバ25の先端25aからウエハシート2上の半導体チップ1に向けて均一かつ片寄りなく、かつ明確で鮮明な光を照射することができる。また光ファイバ25を吸着ノズル11内に配置することができるため、半導体製造装置10全体をコンパクトに構成することができる。
【0040】
<第2の実施の形態>
次に、図3を参照して本開示の第2の実施の形態について説明する。図3に示す第2の実施の形態において、図1および図2に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
【0041】
図3に示すように本開示による半導体製造装置10は、半導体チップ1を搭載した透光性の材料からなるウエハシート2を載置して半導体チップ1を撮像するものである(図1参照)。
【0042】
このような半導体製造装置10は、ウエハシート2の半導体チップ1と反対側の面を吸着するとともに、円筒状の吸着ノズル本体12と、吸着ノズル本体12のウエハシート2側に設けられたウエハシート当接面(ウエハシート当接部ともいう)13とを有する吸着ノズル11と、吸着ノズル本体12内に設けられウエハシート当接面13に向けて光を照射する照明装置28Aとを備えている。
【0043】
また吸着ノズル本体12は、その下方位置において、支持体15により支持されている(図1参照)。
【0044】
さらに吸着ノズル本体12内には、ロッド保持体17により昇降自在に保持された昇降ロッド16が設けられている。
【0045】
また、ウエハシート2の吸着ノズル11と反対側に撮像装置18が設けられ、この撮像装置18は、照明装置28Aからの透過光を撮像する。また撮像装置18近傍に、ウエハシート2の半導体チップ1側を照射する追加照明装置19が設けられている。また、本実施形態に係る半導体製造装置10は、画像処理機能を有する制御装置20を備え、この制御装置20は、撮像装置18から取りこんだ画像を認識し、半導体チップ1の外形形状を計測する。
【0046】
また吸着ノズル本体12内には、上述のように昇降ロッド16が昇降自在に設けられ、昇降ロッド16の上端に突き上げ針16aが設けられている。また、ウエハシート当接面13に突き上げ針16aが貫通する孔13aが形成され、昇降ロッド16の昇降動作によって、突き上げ針16aがウエハシート当接面13の孔13a内を移動する。また、突き上げ針16aに突き上げられたウエハシート2上の半導体チップ1をピックアップして、半導体チップ1をウエハシート2から取り出すピックアップ装置(図示しない)が設けられている。このピックアップ装置は、取り出した半導体チップ1をリードフレームのボンディング作業位置へと搬送し、半導体チップ1を用いてリードフレームに対してボンディング処理を行う。
【0047】
次に図3を用いて、半導体製造装置10の吸着ノズル11について更に述べる。図3に示すように、吸着ノズル11の吸着ノズル本体12は全体として金属材料のような非透光性の材料からなり、図示しない減圧機構により内部が減圧される。そして吸着ノズル本体12はウエハシート当接面13に当接するウエハシート2を吸着するようになっている。またウエハシート当接面13の中央に、突き上げ針16aが貫通する孔13aが形成されている。
【0048】
本実施の形態において、ウエハシート当接面13には、突き上げ針16aが貫通する孔13aの外側に、照明装置28Aの後述する発光体28から照射される光が透過する開口13Aが形成されている。この開口13Aはウエハシート2を吸着する吸着ノズル11の吸着口としても機能する。
【0049】
さらにウエハシート当接面13の開口13Aは、半径方向に延びる半径方向区画壁21により円周方向に沿って8つに区画された円周方向領域23を有する。
【0050】
また各円周方向領域23は、さらに円周方向に延びる円周方向区画壁22により、半径方向内方の内側部23aと、半径方向外側の外側部23bとして区画されている。
【0051】
また、吸着ノズル本体12の壁面12a内には、段部12bが形成され、吸着ノズル本体12内部に、段部12bにより保持された照明支持板27が取り付けられている。この照明支持板27は、円筒状の吸着ノズル本体12の軸線に対して直交して設けられている。そして照明支持板27上に複数、例えば8個のLEDからなる発光体28が設けられ、各発光体28からウエハシート当接面13の開口13Aを介して、ウエハシート2に搭載された半導体チップ1に向けて光を照射する。本実施の形態において、照明支持板27上の8個の発光体28は円周方向に沿って所定間隔を置いて配置され、1つの円周方向領域23に対応して1つの発光体28が設けられ、各発光体28から対応する円周方向領域23を透過する光を照射する。
【0052】
本実施の形態において、上述した照明支持板27と発光体28とにより照明装置28Aが構成される。また照明支持板27上の各発光体28は配線29に接続されている。
【0053】
この配線29は吸着ノズル本体12の壁面12aを貫通して外方へ延び、さらに吸着ノズル本体12の壁面12aの外側に設けられたシール材14を通り、吸着ノズル本体12の壁面12aの外側に沿って支持体15側へ延びている。
【0054】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0055】
まず半導体チップ1が搭載されたウエハシート2が、吸着ノズル11のウエハシート当接面13上に載置される。
【0056】
次に吸着ノズル11の吸着ノズル本体12の照明支持板27上に設けられた8個の発光体28からウエハシート2上の半導体チップ1に向けて光が照射される。このようにウエハシート2上の半導体チップ1に向けて光が照射されることにより、半導体チップ1が投影されて半導体チップ1の画像が撮像装置18により撮像される。
【0057】
この間、8個の発光体28からの光がウエハシート当接面13の開口13Aのうち対応する円周方向領域23を通って、ウエハシート2上の半導体チップ1を照射する。
【0058】
本実施の形態によれば、吸着ノズル11の吸着ノズル本体12に設けられた、円周方向に所定間隔をおいて配置された8個の発光体28から、ウエハシート2上の半導体チップ1に向けて複数(8本)の光線を照射することができるため、8本の光線を用いて半導体チップ1を均一にかつ片寄りなく光を照射することができる。また、8本の光線を用いて、半導体チップ1に明確かつ鮮明な光を照射することができる。
【0059】
また、照明支持板27と8個の発光体28を吸着ノズル11の吸着ノズル本体12内に配置することができるため、吸着ノズル11と、照明支持板27と発光体28とからなる照明装置28全体をコンパクトに構成することができる。
【0060】
次に半導体チップ1の画像を撮像装置18により撮像した後、撮像装置18の撮影画像は制御装置20へ送られ、この制御装置20により半導体チップ1の外形形状および配置位置が求められる。
【0061】
次に制御装置20で求められた半導体チップ1の外形形状および配置位置の情報に基づいて、突き上げ針16aがウエハシート当接面13の孔13aを通ってウエハシート2上に搭載された半導体チップ1を突き上げる。その後、ウエハシート2上の半導体チップ1は図示しないピックアップ装置によりリードフレームのボンディング作業位置へと搬送され、半導体チップ1を用いてリードフレームに対してボンディング処理が行われる。
【0062】
以上のように本実施の形態によれば、照明支持板27上に設けられた発光体28からウエハシート2上の半導体チップ1に向けて均一かつ片寄りなく、かつ明確で鮮明な光を照射することができる。また照明支持板27と発光体28を吸着ノズル11内に配置することができるため、半導体製造装置10全体をコンパクトに構成することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 半導体チップ
2 ウエハシート
10 半導体製造装置
11 吸着ノズル
12 吸着ノズル本体
13 ウエハシート当接面
13A 開口
13a 孔
16 昇降ロッド
16a 突き上げ針
18 撮像装置
19 追加照明装置
20 制御装置
21 半径方向区画壁
22 円周方向区画壁
23 円周方向領域
25 光ファイバ
25a 先端
27 照明支持板
28 発光体
28A 照明装置
図1
図2
図3
図4