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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100181
(43)【公開日】2023-07-18
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 9/02 20060101AFI20230710BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230710BHJP
【FI】
F21S9/02 120
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022000686
(22)【出願日】2022-01-05
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片野田 寛治
(72)【発明者】
【氏名】辻 裕也
(57)【要約】
【課題】外力による表示ブロックの動きの抑制を図ること。
【解決手段】表示装置B1は、表示パネル20を含む表示ブロック2と本体1と抑制部6とを備える。本体1は、壁面102同士が互いに対向する一対の側壁101、及び一対の保持部7を有する。一対の保持部7は、一対の側壁101の壁面102にそれぞれ配置されている。一対の保持部7は、表示ブロック2を壁面102に沿って一方向にスライドさせることで表示ブロック2の、厚み方向に沿った動きと一方向への更なる動きとを規制した態様で表示ブロック2を保持する。抑制部6は、表示ブロック2の、一対の側壁101が並ぶ並び方向と、厚み方向に沿った軸C1を中心とする回転方向D1との少なくとも一方に沿った動きを抑制する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から発せられた光によって照らされる表示パネルを含む表示ブロックと、
壁面同士が互いに対向する一対の側壁、及び、前記一対の側壁の前記壁面にそれぞれ配置されて前記表示ブロックを前記壁面に沿って一方向にスライドさせることで前記表示ブロックの、厚み方向に沿った動きと前記一方向への更なる動きとを規制した態様で前記表示ブロックを保持する一対の保持部を有する本体と、
前記一対の保持部に保持された前記表示ブロックの、前記一対の側壁が並ぶ並び方向と、前記厚み方向に沿った軸を中心とする回転方向との少なくとも一方に沿った動きを抑制する抑制部と、
を備える、
表示装置。
【請求項2】
前記抑制部は、前記一対の保持部と、前記本体の前記一方向における両端部の一方の端部との間に配置されている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記抑制部は、
前記一対の側壁の少なくとも一方の前記壁面に配置された第1部位と、
前記表示ブロックに配置されて前記第1部位と係合し得る第2部位と、
を有する、
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記本体、及び前記第1部位は、互いに一体成形された樹脂製の成型品である、
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記抑制部は、
前記一対の側壁の前記壁面にそれぞれ配置された一対の前記第1部位と、
前記表示ブロックに配置されて一対の前記第1部位とそれぞれ係合し得る一対の前記第2部位と、
を有する、
請求項3又は4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1部位は、前記一対の側壁の少なくとも一方の前記壁面から鉤状に突出した爪部を含み、
前記第2部位は、前記表示ブロックに配置された溝部を含み、
前記抑制部は、前記爪部の先端が前記溝部に入ることで前記表示ブロックの動きを抑制する、
請求項3~5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記爪部の先端は、前記表示ブロックを前記壁面に沿って前記一方向にスライドさせたとき前記溝部に入った状態で前記溝部内をスライドする
請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1部位は、前記一対の側壁の少なくとも一方の前記壁面に配置された凹部を含み、
前記第2部位は、前記表示ブロックから突出した突起部を含み、
前記抑制部は、前記突起部が前記凹部に入ることで前記表示ブロックの動きを抑制する、
請求項3~7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記突起部は、前記表示ブロックを前記壁面に沿って前記一方向にスライドさせることで前記凹部に入る、
請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記凹部は、前記一対の側壁の少なくとも一方の前記壁面と、当該壁面から鉤状に突出する突起とによって構成され、
前記抑制部は、前記突起部が前記壁面と前記突起との間に入ることで前記表示ブロックの動きを抑制する、
請求項8又は9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記抑制部として、少なくとも第1抑制部、及び第2抑制部を備え、
前記一対の保持部は、前記一方向における前記第1抑制部と前記第2抑制部との間に位置する、
請求項1~10のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記本体が施設における構造体に取り付けられた状態で、前記第1抑制部は、前記一対の保持部よりも上側に、前記第2抑制部は、前記一対の保持部よりも下側に、それぞれ位置し、
前記第1抑制部は、
前記一対の側壁の少なくとも一方の前記壁面から鉤状に突出した爪部と、
前記表示ブロックに配置された溝部と、
を含み、
前記第1抑制部は、前記爪部の先端が前記溝部に入ることで前記表示ブロックの動きを抑制し、
前記第2抑制部は、
前記一対の側壁の少なくとも一方の前記壁面に配置された凹部と、
前記表示ブロックから突出した突起部と、
を含み、
前記第2抑制部は、前記突起部が前記凹部に入ることで前記表示ブロックの動きを抑制する、
請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記光源、及び前記光源が発する光を前記表示パネルに導く導光体を有し、前記本体によって保持される光源ユニットを更に備える、
請求項1~12のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、表示装置に関する。より詳細には本開示は、光源から発せられた光によって照らされる表示パネルを備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、誘導灯等の天井面や壁面に取り付けられる照明装置についての開示がある。この照明装置は、本体、表示ユニット、及びランプホルダユニットを備える。表示ユニットの表示ユニット枠は、表示板がある表面の反対側の裏面に、4つの第一係合部を有する。本体の本体枠は、4つの第二係合部を有する。第一係合部は、本体枠の第二係合部と対応する位置にあり、第二係合部と係合することにより、表示ユニットを本体に取り付けて、固定する。この照明装置には、表示ユニットを取り付ける作業を容易にするという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-58504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、地震等の揺れによって表示ユニット(表示ブロック)には色々な方向の外力が掛かる可能性がある。そのため、本体から表示ブロックが脱落しないように、外力による表示ブロックの動きをより抑制することが望まれる場合がある。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされ、外力による表示ブロックの動きの抑制を図る表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る表示装置は、表示パネルを含む表示ブロックと、本体と、抑制部と、を備える。前記表示パネルは、光源から発せられた光によって照らされる。前記本体は、壁面同士が互いに対向する一対の側壁、及び一対の保持部を有する。前記一対の保持部は、前記一対の側壁の前記壁面にそれぞれ配置されて前記表示ブロックを前記壁面に沿って一方向にスライドさせることで前記表示ブロックの、厚み方向に沿った動きと前記一方向への更なる動きとを規制した態様で前記表示ブロックを保持する。前記抑制部は、前記一対の保持部に保持された前記表示ブロックの、前記一対の側壁が並ぶ並び方向と、前記厚み方向に沿った軸を中心とする回転方向との少なくとも一方に沿った動きを抑制する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、外力による表示ブロックの動きの抑制を図ることができる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1Aは、一実施形態に係る表示装置の斜視図である。図1Bは、図1A中に示すBの領域における要部断面図である。図1Cは、図1A中に示すCの領域における要部断面図である。
図2図2は、同上の表示装置の分解斜視図である。
図3図3は、同上の表示装置における表示ブロックの分解斜視図である。
図4図4は、同上の表示装置における本体及び表示ブロックの斜視図である。
図5図5は、同上の表示ブロックの後方から見た斜視図である。
図6図6は、同上の本体の要部斜視図である。
図7図7は、同上の本体の要部斜視図である。
図8図8A図8Cは、同上の表示装置における要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態に係る表示装置について図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0010】
(1)実施形態の概要
実施形態に係る表示装置B1(以下、表示装置B1と略す。)は、図1A~1C、図2、及び図4に示すように、表示パネル20を含む表示ブロック2と、本体1と、抑制部6と、を備える。
【0011】
表示パネル20は、光源から発せられた光によって照らされる。本実施形態では、光源は、例えば、固体光源としてのLED(Light Emitting Diode)300(図1A及び図2参照)であることを想定する。
【0012】
本体1は、図2及び図4に示すように、壁面102(内壁面)同士が互いに対向する一対の側壁101、及び一対の保持部7を有する。本実施形態では一例として、本体1は、一対の保持部7を2組、すなわち、一対の保持部7Aと一対の保持部7Bとを有する。
【0013】
一対の保持部7は、一対の側壁101の壁面102にそれぞれ配置されている。一対の保持部7は、表示ブロック2を壁面102に沿って一方向(図4では、下方向)にスライドさせることで表示ブロック2の、厚み方向に沿った動きと一方向への更なる動きとを規制した態様で表示ブロック2を保持する。以下、表示装置B1を施設(事務所及び店舗等の建物)に設置する施工時等に、表示ブロック2を本体1へ取り付ける際に、表示ブロック2を本体1の壁面102に沿って下方向にスライドさせることを「スライド工程」と呼ぶことがある。
【0014】
抑制部6は、一対の保持部7に保持された表示ブロック2の、一対の側壁101が並ぶ並び方向(左右方向)と、厚み方向に沿った軸C1(図1A参照)を中心とする回転方向D1(図1A参照)との少なくとも一方に沿った動きを抑制する。本実施形態では一例として、抑制部6は、図1A~1Cに示すように、4カ所での係合(し得る)部位(上側の左右一対の第1抑制部6Aと、下側の左右一対の第2抑制部6B)を含む。表示装置B1は、スライド工程により、4カ所の係合部位が構成され得る構造を有する。
【0015】
表示装置B1が抑制部6を備えていることで、表示ブロック2の並び方向(左右方向)と回転方向D1との少なくとも一方に沿った動きが抑制される。そのため、表示装置B1が例えば地震等の揺れに起因する外力を受けたときに、外力による表示ブロック2の動きの抑制を図ることができる。結果的に、表示装置B1では、本体1からの表示ブロック2の脱落防止はもちろんのこと、本体1に対する表示ブロック2のずれ及びよじれ等が防がれる可能性がより高くなる。
【0016】
(2)実施形態の詳細
(2-1)実施形態に係る表示装置の構成
表示装置B1について、図面を参照して説明する。以下に説明する表示装置B1は、施設(事務所及び店舗等の建物)の避難口又は避難口への通路に設置される誘導灯である。ただし、実施形態に係る表示装置は、誘導灯に限定されず、例えば、施設内の特定の場所(化粧室等)を表示する用途等に用いられても構わない。以下の説明においては、特に断りのない限り、図1A等に矢印で示す上下、前後及び左右の各方向を、表示装置B1の上下、前後及び左右の各方向と定義する。
【0017】
表示装置B1は、光源ユニットA1、本体1、表示ブロック2、及び抑制部6等を備えている(図1A~1C、図2及び図4参照)。
【0018】
本体1は、合成樹脂材料により、前面に開口部を有する四角形の箱状に形成されている(図2参照)。本体1は、図2に示すように、左右一対の側壁101を有する。各側壁101は、矩形の板状に形成されている。一対の側壁101は、それぞれ壁面102(内壁面)を有する。一対の側壁101の壁面102は、互いに対向する。すなわち、一対の側壁101は、各々の厚み方向を左右方向に向けて並ぶように配置されている。
【0019】
また、本体1は、図2及び図4に示すように、二対の保持部7、具体的には、左右一対の保持部7Aと、左右一対の保持部7Bとを有する。言い換えると、本体1は、4つの保持部7を有する。本開示における保持部7の数は、特に限定されない。一対の保持部7Aは、本体1の上下方向における中心よりも上側において、一対の側壁101の壁面102の前縁近くの位置にそれぞれ配置されている。また、一対の保持部7Bは、本体1の上下方向における中心よりも下側において、一対の側壁101の壁面102の前縁近くの位置にそれぞれ配置されている。
【0020】
本実施形態における本体1は、左側の保持部7A及び保持部7Bと、右側の保持部7A及び保持部7Bとが、左右方向において面対称となる構成を採用している。左側の保持部7A及び保持部7Bは、左側の側壁101の壁面102から右方へ板状に突出するように、左側の側壁101と連続一体となって形成されている。また、右側の保持部7A及び保持部7Bは、右側の側壁101の壁面102から左方へ板状に突出するように、右側の側壁101と連続一体となって形成されている。4つの保持部7は、右方から見て、略L字形状となっていて、表示ブロック2の後述する4つのスライド片(Y1,Y2)が一対一でスライド係止する構造を有する。このように構成された一対の保持部7A、及び一対の保持部7Bは、表示ブロック2を壁面102に沿って下方向にスライドさせることで表示ブロック2の、厚み方向に沿った動きと下方向への更なる動きとを規制した態様で表示ブロック2を保持する。
【0021】
さらに、本体1の一対の壁面102の前縁近くの位置に、図4に示すように、抑制部6の一部(4つの第1部位61)が配置されている。抑制部6の4つの第1部位61の詳細については後述する。
【0022】
本体1は、図2及び図4に示すように、光源ユニットA1を点灯させるための電源装置11、2次電池を有する電池ユニット13、端子台12、コネクタ14、取付板10等を収容している。
【0023】
電源装置11は、常用電源(例えば、商用の電力系統)から供給される常用電力で光源ユニットA1を点灯させるとともに、電池ユニット13を充電する。また、電源装置11は、電力系統の停電時においては、電池ユニット13から供給される非常用電力で光源ユニットA1を点灯させる。
【0024】
取付板10は、金属材料によって板状に形成されている(図2及び図4参照)。取付板10は、本体1の内底面にねじ止めされる。電源装置11と端子台12は、取付板10にねじ止めされて本体1内に収容される。なお、電池ユニット13は、取付板10に対して着脱可能に取り付けられる。
【0025】
表示ブロック2は、表示パネル20と、導光板21と、保持体22と、を有する(図3参照)。
【0026】
表示パネル20は、光源(LED300)から発せられた光によって照らされる。表示パネル20は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂等の透光性を有する合成樹脂材料によって四角形の平板状に形成されている。ただし、表示パネル20は、石英ガラス等の合成樹脂以外の透光性を有する材料で形成されても構わない。表示パネル20の前面(表示面200)には、避難誘導のためのピクトグラム201が表示されている(図1A参照)。
【0027】
導光板21は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂等の透光性を有する合成樹脂材料によって四角形の平板状に形成されている。導光板21は、その前面を表示パネル20の後面と対向させるように表示パネル20の後方に配置される(図3参照)。導光板21の上面(入射面210)に、光源ユニットA1から放射される光が入射される(図2参照)。入射面210から入射する光は、導光板21内を導光されて導光板21の前面(出射面211:図3参照)から出射される。そして、導光板21の出射面211から出射する光によって表示パネル20が照らされる。
【0028】
保持体22は、透光性を有しない合成樹脂材料により、前面と上面が開放された四角形の箱状に形成されている。保持体22は、導光板21の前方に表示パネル20を配置するようにして表示パネル20と導光板21を保持している(図2及び図3参照)。
【0029】
また、保持体22は、図5に示すように、その裏面220において、4つのスライド片(Y1,Y2)を有する。具体的には、上側の左右一対のスライド片Y1と、下側の左右一対のスライド片Y2とが、本体1における上側の左右一対の保持部7Aと下側の左右一対の保持部7Bとそれぞれ一対一で対応するように、裏面220の左右両縁近くに設けられている。
【0030】
本実施形態における保持体22は、左側のスライド片Y1,Y2と、右側のスライド片Y1,Y2とが、左右方向において面対称となる構成を採用している。上側の一対のスライド片Y1は、裏面220から後方に板状に突出し、さらに互いに離れる方向(外方)へ板状に延出するように形成されている。同様に、下側の一対のスライド片Y2は、裏面220から後方に板状に突出し、さらに互いに離れる方向(外方)へ板状に延出するように形成されている。すなわち、各スライド片(Y1,Y2)は、下方からその内側に、対応する保持部7をスライド挿入可能な鉤状となっている。
【0031】
さらに、保持体22の裏面220には、図5に示すように、抑制部6の一部(4つの第2部位62)が配置されている。抑制部6の4つの第2部位62の詳細については後述する。
【0032】
表示ブロック2は、本体1の開口部のうち、光源ユニットA1が取り付けられる上部を除いた残りの部分を覆うように本体1に取り付けられる(図1A参照)。光源ユニットA1が本体1に取り付けられた状態において、導光板21の入射面210と光源ユニットA1の導光体5(図2参照)の出射面(下面)が上下方向に対向する。したがって、導光体5の出射面から出射する光のほぼ全部が、導光板21の入射面210から導光板21に入射する。導光板21に入射した光は、導光板21内を進行しながら保持体22の後面で全反射されて導光板21の出射面211から前方へ出射して表示パネル20を照らすことができる。
【0033】
光源ユニットA1は、発光部と、導光体5と、筐体4と、を有する(図2参照)。
【0034】
発光部は、固体光源であるLED300(光源)と、LED300を実装した基板と、を有する。LED300は、例えば、パッケージ型の照明用白色LEDである。基板は、左右方向から見て略T字型に形成されたプリント配線板である。基板の幅広の部分の表面にLED300が実装されている。基板の幅細の部分の表面に一対の電極が形成されている。一対の電極は、基板のプリント配線を介してLED300のアノード及びカソードと1つずつ電気的に接続されている。本体1内のコネクタ14に、基板の幅細の部分が差し込まれることで、発光部は、電源装置11と電気的に接続される。光源ユニットA1は、基板と熱的に結合されてLED300等の熱を放熱する放熱部材等を更に有することが好ましい。
【0035】
導光体5は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料によって4角柱状に形成されている(図2参照)。ただし、導光体5の形状は4角柱状に限定されず、4角すい状又は4角すい台状などの形状でもよい。
【0036】
導光体5の長手方向(軸方向)に対向する2つの底面(左底面及び右底面)のうち、一方の底面(右底面)が入射面となる。また、導光体5の4つの側面(前面、後面、上面、下面)のうちの1つの側面(下面)が出射面となる。さらに、導光体5の出射面と対向する側面(上面)には、多数の凹溝が設けられている。
【0037】
筐体4は、後面と下面が開放された、左右方向に長尺の箱状に形成されている。筐体4は、図2に示すように、一対の取付片46、及び一対の支持片47を有する。
【0038】
一対の支持片47は、筐体4の上壁の左右の両端から1つずつ後方に突出している。また、一対の取付片46は、筐体4の上壁の左右の両端から1つずつ後方に突出している。
【0039】
筐体4は、その内部において、右端に発光部を収容し、発光部の左隣りに導光体5を収容する。具体的には、筐体4は、導光体5の入射面を発光部のLED300と対向させ、導光体5の出射面を下面から露出させるようにして導光体5を収容する。
【0040】
要するに、光源ユニットA1は、光源(LED300)、及び光源が発する光を表示パネル20に導く導光体5を有し、本体1によって保持される。
【0041】
(2-2)抑制部の全体構成
抑制部6は、4つの保持部7と協働して、本体1に対する表示ブロック2の動き(位置ずれ又はよじれ等)を抑制する。特に、抑制部6は、本体1の4つの保持部7に保持された表示ブロック2の、左右方向と、軸C1(図1A参照)を中心とする回転方向D1との少なくとも一方に沿った動きを抑制する。軸C1は、例えば表示ブロック2の重心を通る、実体を伴わない仮想軸である。本実施形態では、抑制部6は、表示ブロック2の、左右方向に沿った動きも、回転方向D1に沿った動きも抑制可能に構成されている。以下、抑制部6の具体的な構造について説明する。
【0042】
抑制部6は、図4に示すように、第1部位61と、第2部位62と、を有する。
【0043】
第1部位61は、一対の側壁101の少なくとも一方の壁面102に配置されればよいが、ここでは一例として、一対の側壁101の壁面102の各々に配置されている。言い換えると、抑制部6は、一対の側壁101の壁面102にそれぞれ配置された一対の第1部位61を有する。
【0044】
本実施形態では、一対の第1部位61は、本体1と連続一体となって形成されている。本体1、及び第1部位61は、互いに一体成形された樹脂製の成型品である。
【0045】
第2部位62は、表示ブロック2に配置されて第1部位61と係合し得る部位である。第2部位62は、本体1側の第1部位61と対応するように、表示ブロック2の裏面に設けられている。ここでは一例として、第1部位61の数に合わせて、第2部位62も一対設けられている。言い換えると、抑制部6は、表示ブロック2に配置されて一対の第1部位61とそれぞれ係合し得る一対の第2部位62を有する。
【0046】
ところで、本実施形態の表示装置B1は、図1Aに示すように、抑制部6として、第1抑制部6A、及び第2抑制部6Bを備えている。すなわち、第1抑制部6Aは、一対の第1部位61と、一対の第2部位62とを有し、また、第2抑制部6Bも、一対の第1部位61と、一対の第2部位62とを有する。一対の保持部7は、一方向(例えば下方向)における第1抑制部6Aと第2抑制部6Bとの間に位置する。本実施形態では上述の通り、一対の保持部7が2組設けられており、二対の保持部7A,7Bが、上下方向における第1抑制部6Aと第2抑制部6Bとの間に位置する。つまり、表示装置B1を正面から見て、上側から、第1抑制部6A、一対の保持部7A、一対の保持部7B、第2抑制部6Bの順に配置されている。
【0047】
第1抑制部6Aは、表示装置B1を正面から見て、上下方向において、一対の保持部7Aと、本体1の一方向(下方向)における上端部E1(図4参照)との間、つまり、一対の保持部7Aよりも外側に配置されている。また、第2抑制部6Bは、表示装置B1を正面から見て、上下方向において、一対の保持部7Bと、本体1の一方向(下方向)における下端部E2(図4参照)との間、つまり、一対の保持部7Bよりも外側に配置されている。言い換えると、抑制部6は、一対の保持部7と、本体1の一方向(下方向)における両端部(E1,E2)の一方の端部との間に配置されている。
【0048】
(2-3)第1抑制部の構成
本体1が施設における構造体(天井面や壁面等)に取り付けられた状態で、第1抑制部6Aは、一対の保持部7よりも上側(上端部E1の側)に位置する。
【0049】
第1抑制部6Aの一対の第1部位61は、一対の爪部610(図4図6及び図8A参照)を含む。なお、図6及び図8Aは、左右一対の爪部610のうち右側の爪部610のみを図示する。
【0050】
図8Aは、本体1に対する表示ブロック2の取り付けが完了した状態(図1A参照)における、第1抑制部6Aの右側の第1部位61及び第2部位62が収まり合っている様子を示す要部断面図である。なお、図8Aは、第1抑制部6Aの右側の第1部位61及び第2部位62を含む要部の断面を下方から見た図である。図8Aは、図1Bと同様に、図1A中のBの領域(円形の破線領域)の断面図である。
【0051】
一対の爪部610は、左右方向において面対称となるように構成されている。一対の爪部610は、一対の側壁101の壁面102にそれぞれ設けられている。一対の爪部610は、一対の側壁101とそれぞれ連続一体となって形成された樹脂製の部位である。具体的には、各爪部610は、対応する側壁101の壁面102から鉤状に突出している。鉤状の各爪部610の先端は、図6に示すように、前方に突き出ている。
【0052】
要するに、第1抑制部6Aの第1部位61は、一対の側壁101の少なくとも一方の壁面102(本実施形態では一対の側壁101の壁面102から1つずつ)から鉤状に突出した爪部610を含む。
【0053】
一方、第1抑制部6Aの一対の第2部位62は、一対の溝部620(図4図5及び図8A参照)を含む。なお、図8Aは、左右一対の溝部620のうち右側の溝部620のみを図示する。一対の溝部620は、左右方向において面対称となるように構成されている。一対の溝部620は、表示ブロック2の、本体1側の一対の爪部610と対応する位置に設けられている。具体的には、図5に示すように、表示ブロック2の保持体22は、裏面220の左右の両縁が中央部よりも後方に突き出た、肉厚の大きい枠部221を有しており、一対の溝部620は、左右の枠部221の裏面の上縁付近にそれぞれ配置されている。各溝部620は、図5に示すように、細長いスリットのように前方に凹んでいる。各溝部620は、保持体22を上から見て、対応する枠部221の上面から露出するように当該上面まで延びている。
【0054】
要するに、第1抑制部6Aの第2部位62は、表示ブロック2に配置された溝部620を含む。
【0055】
(2-4)第2抑制部の構成
本体1が施設における構造体(天井面や壁面等)に取り付けられた状態で、第2抑制部6Bは、一対の保持部7よりも下側(下端部E2の側)に位置する。
【0056】
第2抑制部6Bの一対の第1部位61は、一対の凹部611(図4図7及び図8C参照)を含む。なお、図7及び図8Cは、左右一対の凹部611のうち右側の凹部611のみを図示する。
【0057】
図8Cは、本体1に対する表示ブロック2の取り付けが完了した状態(図1A参照)における、第2抑制部6Bの右側の第1部位61及び第2部位62が収まり合っている様子を示す要部断面図である。なお、図8Cは、第2抑制部6Bの右側の第1部位61及び第2部位62を含む要部の断面を下方から見た図である。図8Cは、図1Cと同様に、図1A中のCの領域(円形の破線領域)の断面図である。
【0058】
一対の凹部611は、左右方向において面対称となるように構成されている。一対の凹部611は、一対の側壁101の壁面102にそれぞれ設けられている。具体的には、各凹部611は、対応する側壁101の壁面102と、当該壁面102と連続一体となって形成された樹脂製の突起X1と、によって構成されている。各突起X1は、対応する壁面102から鉤状に突出している。鉤状の各突起X1の先端は、図7に示すように、前方に突き出ている。このように、凹部611は、一対の側壁101の少なくとも一方の壁面102(本実施形態では一対の側壁101の壁面102に1つずつ)と、当該壁面102から鉤状に突出する突起X1とによって構成される。
【0059】
要するに、第2抑制部6Bの第1部位61は、一対の側壁101の少なくとも一方の壁面102(本実施形態では一対の側壁101の壁面102に1つずつ)に配置された凹部611を含む。
【0060】
一方、第2抑制部6Bの一対の第2部位62は、一対の突起部621(図4図5及び図8C参照)を含む。なお、図8Cは、左右一対の突起部621のうち右側の突起部621のみを図示する。
【0061】
一対の突起部621は、左右方向において面対称となるように構成されている。一対の突起部621は、表示ブロック2の、本体1側の一対の凹部611と対応する位置に設けられている。具体的には、一対の突起部621は、図5に示すように、表示ブロック2の保持体22における左右の枠部221の裏面下縁付近にそれぞれ配置されている。各突起部621は、図5に示すように、枠部221の裏面に形成された細長いスリットのような溝の底面から突出している。各突起部621は、枠部221の裏面よりも後方に露出している。
【0062】
要するに、第2抑制部6Bの第2部位62は、表示ブロック2から突出した突起部621を含む。
【0063】
(2-5)施工手順
以下に、表示装置B1の施工手順を簡単に説明する。
【0064】
まず、施工作業を行う作業者は、本体1の底面に設けられている電源穴15(図4参照)から電源線を引き込んだ後、本体1を木ねじ又はねじくぎで、本体1を施設における構造体(ここでは図4に示すように建物の壁面W1)に取り付ける。続いて、作業者は、電源穴15から引き込んだ電源線を端子台12に電気的に接続する。
【0065】
それから、作業者は、図4に示すように、表示ブロック2を本体1に取り付ける。具体的には、作業者は、施設の構造体(壁面W1)に取り付けられた状態の本体1に対して、表示ブロック2の上端が本体1の上端と同じ位置(又は上端より僅かに下の位置)となるように、表示ブロック2の裏面を本体1の前面に接触させる。その結果、本体1側の一対の爪部610の先端が、表示ブロック2側の一対の溝部620内にそれぞれ挿入される。
【0066】
そして、作業者は、表示ブロック2を一対の壁面102に沿って下方にスライドさせるスライド工程の過程の中で、一対の爪部610の先端は、一対の溝部620にそれぞれ入った状態で一対の溝部620内をスライドすることになる。すなわち、爪部610の先端は、表示ブロック2を壁面102に沿って一方向(下方向)にスライドさせたとき溝部620に入った状態で溝部620内をスライドする。言い換えると、溝部620は、スライド工程において、爪部610をガイドするガイド機能も兼ね備える。
【0067】
また、スライド工程の過程の中で、表示ブロック2側の鉤状の4つのスライド片(Y1,Y2)の内側に、板状の4つの保持部7がスライドしながらそれぞれ入ることになる(図8B参照)。例えば、一対のスライド片Y2が、略L字状の一対の保持部7Bの下部片に当たると、表示ブロック2の下方への更なるスライドが規制される。
【0068】
すなわち、4つのスライド片(Y1,Y2)が4つの保持部7にスライド係止し、保持部7による表示ブロック2の保持が達成され、本体1に対する表示ブロック2の取り付け作業が完了したことを意味する。図8Bは、本体1に対する表示ブロック2の取り付けが完了した状態(図1A参照)における、一対の保持部7Aのうち右側の保持部7Aが一対のスライド片Y1のうち右側のスライド片Y1の内側に係止している様子を示す要部断面図である。なお、図8Bは、右側の保持部7A及びスライド片Y1を含む要部の断面を下方から見た図である。
【0069】
さらに、スライド工程の過程の中で、一対の突起部621は、上から、一対の凹部611にそれぞれ入ることになる。すなわち、突起部621は、表示ブロック2を壁面102に沿って一方向(下方向)にスライドさせることで凹部611に入る。言い換えると、突起部621が、壁面102と突起X1との間に入る。
【0070】
このように表示ブロック2の4つのスライド片(Y1,Y2)が4つの保持部7にスライド係止することで、表示ブロック2は、その下面が本体1の下面と略面一となる位置で本体1に保持される。表示ブロック2が保持された状態では、一対の爪部610の先端が一対の溝部620にそれぞれ入った状態が維持され、また、一対の突起部621が一対の凹部611にそれぞれ入った状態が維持される。
【0071】
ここで、4つの保持部7だけでは、表示ブロック2の厚み方向(前後方向)に沿った動きと、下方向への更なる動きとしか規制できない可能性がある。しかし、本実施形態では、抑制部6(第1抑制部6A)は、爪部610の先端が溝部620に入ることで表示ブロック2の動きを抑制する。また、抑制部6(第2抑制部6B)は、突起部621が凹部611に入ることで(ここでは、壁面102と突起X1との間に入ることで)表示ブロック2の動きを抑制する。つまり、一対の爪部610の先端が一対の溝部620に入っていることで、外力を受けたときに、爪部610の先端が溝部620の内面に当たり(すなわち係合し)、表示ブロック2の、左右方向に沿った動きも、回転方向D1に沿った動きも抑制されることになる。さらに、一対の突起部621が一対の凹部611に入っていることで、外力を受けたときに、突起部621が凹部611の内面に当たり(すなわち係合し)、表示ブロック2の、左右方向に沿った動きも、回転方向D1に沿った動きも抑制されることになる。特に、第1抑制部6Aと第2抑制部6Bとが互いに協働して、表示ブロック2の回転方向D1に沿った動きが、より抑制される。
【0072】
本実施形態では、本体1に対する表示ブロック2の着脱の容易性を考慮して、図8Aに示すように、各爪部610の先端は、対応する溝部620内で僅かに変位可能な程度に隙間のある状態で収まっていが、ほぼ隙間なく嵌り込んでいてもよい。同様に、本実施形態では、図8Cに示すように、各突起部621は、対応する凹部611内で僅かに変位可能な程度に隙間のある状態で収まっていが、ほぼ隙間なく嵌り込んでいてもよい。
【0073】
最後に、作業者は、光源ユニットA1を本体1に取り付ける。具体的には、作業者は、本体1のコネクタ14に、LED300が実装された基板の幅細の部分を差し込みつつ、一対の支持片47を本体1の内側に挿入し、一対の取付片46の先端に設けられた爪を、本体1の上面に設けられた穴の縁に引っ掛ける。その結果、光源ユニットA1は、表示ブロック2の上に配置される態様で、本体1に取り付けられる。
【0074】
以上のようにして、表示装置B1の施工が完了する。
【0075】
なお、電池ユニット13の交換等が必要な場合、先ず光源ユニットA1を本体1から取り外し、次に、表示ブロック2を上方へスライドさせてから前方に移動させることで、表示ブロック2を本体1から取り外すことができる。要するに、抑制部6及び保持部7は、表示ブロック2を本体1から容易に着脱可能な構成を有している。
【0076】
(3)実施形態に係る表示装置の利点
上述のように、抑制部6が設けられていることで、表示ブロック2の並び方向(左右方向)と回転方向D1との少なくとも一方に沿った動きが抑制される。そのため、表示装置B1は、地震等の揺れに起因する外力を受けたときに、外力による表示ブロック2の動きの抑制を図ることができる。結果的に、表示装置B1では、本体1からの表示ブロック2の脱落防止はもちろんのこと、本体1に対する表示ブロック2のずれ及びよじれ等が防がれる可能性がより高くなる。
【0077】
また、第1抑制部6Aは、二対の保持部7よりも外側(本体1の上端部E1の側)に、また、第2抑制部6Bは、二対の保持部7よりも外側(本体1の下端部E2の側)に配置されている。そのため、外力による表示ブロック2の動き(特に、回転方向D1に沿った動き)が、より抑制される。
【0078】
また、本体1、及び第1部位61(爪部610,突起X1)は、互いに一体成形された樹脂製の成型品である。そのため、本体1と第1部位61とが別体である場合に比べて、部品点数の増加を抑えやすくできる。
【0079】
さらに、第1抑制部6Aは、爪部610の先端が溝部620に入ることで表示ブロック2の動きを抑制しており、簡単な構造で、表示ブロック2の動きの抑制を実現できる。また、第2抑制部6Bは、突起部621が凹部611に入ることで表示ブロック2の動きを抑制しており、簡単な構造で、表示ブロック2の動きの抑制を実現できる。
【0080】
また、溝部620によって爪部610をガイドする機能が実現されており、外力による表示ブロック2の動きを抑制しつつ、本体1に対する表示ブロック2の取り付けが容易となっている。また、突起部621は、スライド工程によって凹部611に入るため、外力による表示ブロック2の動きを抑制しつつ、本体1に対する表示ブロック2の取り付けが容易となっている。
【0081】
また、凹部611は、本体1の壁面102と突起X1とによって構成されており、簡単な構造で、外力による表示ブロック2の動きを抑制できる。
【0082】
ところで、本実施形態では、上側の第1抑制部6A、及び下側の第2抑制部6Bは、第1部位61と第2部位62の凹凸構造の関係が逆となる構成を採用している。つまり、上側の第1抑制部6Aでは、表示ブロック2側に凹構造(溝部620)を、本体1側に凸構造(爪部610)をそれぞれ配置させている。しかし、下側の第2抑制部6Bでは、表示ブロック2側に凸構造(突起部621)を、本体1側に凹構造(凹部611)をそれぞれ配置させている。このような上下で凹凸構造の関係が逆となる構成を採用することで、表示ブロック2の厚み方向(前後方向)において、爪部610と溝部620との第1係合部位の位置よりも、突起部621と凹部611との第2係合部位の位置の方が、後ろにずれた位置となる。例えば、天井面等に設置された表示装置B1が、地震等の揺れに起因する外力を受けたときに、表示ブロック2の下側の方が上側よりも揺れ動く可能性が高い。しかし、上述の通り、下側の第2係合部位の位置の方が後ろにずれているため、第1係合部位と第2係合部位とが前後方向で同じ位置にある場合に比べて、下側の第2係合部位に掛かる応力が分散されやすくなる。
【0083】
また、表示ブロック2の上側に凸構造(爪部610)が配置された場合、凸構造により作業空間が狭くなって作業を行い難くなる可能性がある。しかし、本実施形態のように、表示ブロック2の上側に凸構造ではなく凹構造(溝部620)が配置されることで、作業空間が狭くなって作業を行い難くなる可能性を低減できる。
【0084】
(4)変形例
以下に、上述した実施形態に係る表示装置B1の変形例を列記する。
【0085】
上述した実施形態では、第1抑制部6Aと第2抑制部6Bとが設けられているが、抑制部6の数は、特に限定されない。例えば、上側の第1抑制部6Aだけ、又は下側の第2抑制部6Bだけが設けられてもよいし、或いは、第1抑制部6A、及び第2抑制部6Bに加えて、第3抑制部が、二対の保持部7の間に設けられてもよい。
【0086】
上述した実施形態では、上側の第1抑制部6A、及び下側の第2抑制部6Bは、第1部位61と第2部位62の凹凸構造の関係が逆となる構成を採用しているが、第1部位61と第2部位62の凹凸構造の関係が同じとなる構成でもよい。例えば、第1抑制部6A及び第2抑制部6Bの各々が、表示ブロック2側に配置された凹構造(溝部620)と、本体1側に配置された凸構造(爪部610)とを有してもよい。或いは、第1抑制部6A及び第2抑制部6Bの各々が、表示ブロック2側に配置された凸構造(突起部621)と、本体1側に配置された凹構造(凹部611)とを有してもよい。言い換えると、第1抑制部6A及び第2抑制部6Bは、第1係合部位と第2係合部位とが前後方向で同じ位置となるように構成されてもよい。
【0087】
上述した実施形態では、下側の第2係合部位の位置が、上側の第1係合部位の位置よりも後ろにずれている。しかし、逆に、上側の第1係合部位の位置が、下側の第2係合部位の位置よりも後ろにずれてもよい。例えば、上側の第1抑制部6Aとして、表示ブロック2側に凸構造(突起部621)を、本体1側に凹構造(凹部611)をそれぞれ配置させてもよい。その上で、下側の第2抑制部6Bとして、表示ブロック2側に凹構造(溝部620)を、本体1側に凸構造(爪部610)をそれぞれ配置させてもよい。
【0088】
上述した実施形態では、光源ユニットA1は、発光部を1つ備えている。しかし、例えば、光源ユニットA1は、2つの発光部を備えてもよい。2つの発光部は、導光体5の長手方向の両端に1つずつ配置されてもよい。
【0089】
上述した実施形態では、表示装置B1は、本体1の前面にのみ表示ブロック2が取り付けされて、本体1の後面を構造体の壁面W1に向けて設置される、いわゆる片面型の表示装置である。しかし、例えば、表示装置B1は、本体1の前面と後面の両方に、表示ブロック2がそれぞれ取り付けられるように構成された、いわゆる両面型の表示装置でもよい。この場合、表示装置B1は、前面側の表示ブロック2の動きを抑制する抑制部6と、後面側の表示ブロック2の動きを抑制する抑制部6とを備えることが好ましい。例えば、上述した実施形態では、本体1の一対の壁面102の前縁近くの位置に合計4つの第1部位61が設けられているが、両面型の表示装置では、一対の壁面102の後縁近くの位置にも合計4つの第1部位61が追加で設けられてよい。
【0090】
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
【0091】
第1の態様に係る表示装置(B1)は、表示パネル(20)を含む表示ブロック(2)と、本体(1)と、抑制部(6)と、を備える。表示パネル(20)は、光源(LED300)から発せられた光によって照らされる。本体(1)は、壁面(102)同士が互いに対向する一対の側壁(101)、及び一対の保持部(7)を有する。一対の保持部(7)は、一対の側壁(101)の壁面(102)にそれぞれ配置されている。一対の保持部(7)は、表示ブロック(2)を壁面(102)に沿って一方向(下方向)にスライドさせることで表示ブロック(2)の、厚み方向に沿った動きと一方向(下方向)への更なる動きとを規制した態様で表示ブロック(2)を保持する。抑制部(6)は、一対の保持部(7)に保持された表示ブロック(2)の、一対の側壁(101)が並ぶ並び方向(左右方向)と、厚み方向に沿った軸(C1)を中心とする回転方向(D1)との少なくとも一方に沿った動きを抑制する。
【0092】
上記の態様によれば、抑制部(6)により、表示ブロック(2)の並び方向(左右方向)と回転方向(D1)との少なくとも一方に沿った動きが抑制される。結果的に、表示装置(B1)には、外力による表示ブロック(2)の動きの抑制を図ることができる、という利点がある。
【0093】
第2の態様に係る表示装置(B1)に関して、第1の態様において、抑制部(6)は、一対の保持部(7)と、本体(1)の一方向(下方向)における両端部(E1,E2)の一方の端部との間に配置されている。
【0094】
上記の態様によれば、外力による表示ブロック(2)の動きがより抑制される。
【0095】
第3の態様に係る表示装置(B1)に関して、第1又は第2の態様において、抑制部(6)は、第1部位(61)と、第2部位(62)と、を有する。第1部位(61)は、一対の側壁(101)の少なくとも一方の壁面(102)に配置されている。第2部位(62)は、表示ブロック(2)に配置されて第1部位(61)と係合し得る。
【0096】
上記の態様によれば、第1部位(61)と第2部位(62)とが係合した場合に、外力による表示ブロック(2)の動きがより抑制される。
【0097】
第4の態様に係る表示装置(B1)に関して、第3の態様において、本体(1)、及び第1部位(61)は、互いに一体成形された樹脂製の成型品である。
【0098】
上記の態様によれば、本体(1)と第1部位(61)とが別体である場合に比べて、部品点数の増加を抑えやすくできる。
【0099】
第5の態様に係る表示装置(B1)に関して、第3又は第4の態様において、抑制部(6)は、一対の側壁(101)の壁面(102)にそれぞれ配置された一対の第1部位(61)を有する。また、抑制部(6)は、表示ブロック(2)に配置されて一対の第1部位(61)とそれぞれ係合し得る一対の第2部位(62)を有する。
【0100】
上記の態様によれば、第1部位(61)と第2部位(62)とがそれぞれ一対ずつ設けられていることで、外力による表示ブロック(2)の動きがより抑制される。
【0101】
第6の態様に係る表示装置(B1)に関して、第3~第5の態様のいずれか1つにおいて、第1部位(61)は、一対の側壁(101)の少なくとも一方の壁面(102)から鉤状に突出した爪部(610)を含む。第2部位(62)は、表示ブロック(2)に配置された溝部(620)を含む。抑制部(6)は、爪部(610)の先端が溝部(620)に入ることで表示ブロック(2)の動きを抑制する。
【0102】
上記の態様によれば、簡単な構造で、外力による表示ブロック(2)の動きを抑制できる。
【0103】
第7の態様に係る表示装置(B1)に関して、第6の態様において、爪部(610)の先端は、表示ブロック(2)を壁面(102)に沿って一方向にスライドさせたとき溝部(620)に入った状態で溝部(620)内をスライドする。
【0104】
上記の態様によれば、外力による表示ブロック(2)の動きを抑制しつつ、本体(1)に対する表示ブロック(2)の取り付けが容易となる。
【0105】
第8の態様に係る表示装置(B1)に関して、第3~第7の態様のいずれか1つにおいて、第1部位(61)は、一対の側壁(101)の少なくとも一方の壁面(102)に配置された凹部(611)を含む。第2部位(62)は、表示ブロック(2)から突出した突起部(621)を含む。抑制部(6)は、突起部(621)が凹部(611)に入ることで表示ブロック(2)の動きを抑制する。
【0106】
上記の態様によれば、簡単な構造で、外力による表示ブロック(2)の動きを抑制できる。
【0107】
第9の態様に係る表示装置(B1)に関して、第8の態様において、突起部(621)は、表示ブロック(2)を壁面(102)に沿って一方向(下方向)にスライドさせることで凹部(611)に入る。
【0108】
上記の態様によれば、外力による表示ブロック(2)の動きを抑制しつつ、本体(1)に対する表示ブロック(2)の取り付けが容易となる。
【0109】
第10の態様に係る表示装置(B1)に関して、第8又は第9の態様において、凹部(611)は、一対の側壁(101)の少なくとも一方の壁面(102)と、当該壁面(102)から鉤状に突出する突起(X1)とによって構成される。抑制部(6)は、突起部(621)が壁面(102)と突起(X1)との間に入ることで表示ブロック(2)の動きを抑制する。
【0110】
上記の態様によれば、簡単な構造で、外力による表示ブロック(2)の動きを抑制できる。
【0111】
第11の態様に係る表示装置(B1)は、第1~第10の態様のいずれか1つにおいて、抑制部(6)として、少なくとも第1抑制部(6A)、及び第2抑制部(6B)を備える。一対の保持部(7)は、一方向(下方向)における第1抑制部(6A)と第2抑制部(6B)との間に位置する。
【0112】
上記の態様によれば、外力による表示ブロック(2)の動きをより抑制できる。
【0113】
第12の態様に係る表示装置(B1)に関して、第11の態様において、本体(1)が施設における構造体に取り付けられた状態で、第1抑制部(6A)は、一対の保持部(7)よりも上側に位置する。また、本体(1)が施設における構造体に取り付けられた状態で、第2抑制部(6B)は、一対の保持部(7)よりも下側に位置する。第1抑制部(6A)は、一対の側壁(101)の少なくとも一方の壁面(102)から鉤状に突出した爪部(610)と、表示ブロック(2)に配置された溝部(620)と、を含む。第1抑制部(6A)は、爪部(610)の先端が溝部(620)に入ることで表示ブロック(2)の動きを抑制する。第2抑制部(6B)は、一対の側壁(101)の少なくとも一方の壁面(102)に配置された凹部(611)と、表示ブロック(2)から突出した突起部(621)と、を含む。第2抑制部(6B)は、突起部(621)が凹部(611)に入ることで表示ブロック(2)の動きを抑制する。
【0114】
上記の態様によれば、表示ブロック(2)の厚み方向において、爪部(610)と溝部(620)との上側の第1係合部位の位置よりも、突起部(621)と凹部(611)との下側の第2係合部位の位置の方が、後ろにずれた位置となる。そのため、例えば地震等の揺れを受けたときに、第2係合部位に掛かる負荷を分散させやすくなる。
【0115】
第13の態様に係る表示装置(B1)は、第1~第12の態様のいずれか1つにおいて、光源ユニット(A1)を更に備える。光源ユニット(A1)は、光源(LED300)、及び光源(LED300)が発する光を表示パネル(20)に導く導光体(5)を有し、本体(1)によって保持される。
【0116】
上記の態様によれば、表示ブロック(2)だけでなく光源ユニット(A1)も本体(1)により保持される表示装置(B1)において、外力による表示ブロック(2)の動きの抑制を図ることができる。
【0117】
第2~13の態様に係る構成については、表示装置(B1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0118】
A1 光源ユニット
B1 表示装置
1 本体
101 側壁
102 壁面
2 表示ブロック
20 表示パネル
5 導光体
6 抑制部
6A 第1抑制部
6B 第2抑制部
61 第1部位
610 爪部
611 凹部
62 第2部位
620 溝部
621 突起部
7 保持部
300 LED(光源)
C1 軸
D1 回転方向
E1 上端部(端部)
E2 下端部(端部)
X1 突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8